食塩の結晶を透明な立方体に近づける
☆結晶作りは食塩に始まり食塩に終わる?
結晶作り(再結晶)は食塩が一番身近で、安全・安価です。(ミョウバンの結晶も有名ですが)
特に夏場などは、汗をかいた洋服の上でも結晶作り?をやっているくらいですね。
しかし、透明で大きな結晶を作るのは結構難しいです。
☆難しい
飽和食塩水を作って放置すると食塩の結晶が析出しこれが結構透明できれいです。
糸でつるす方法がありますが、どうしても糸の跡が残ってしまいます。
また、容器の底にできた結晶は、水面の方向にあまり成長しません。
ですので、「立方体の結晶」を作るのが難しいです。
☆実験の方法(伝統的な方法)
(1)ビーカーを精製水で超音波洗浄する。
(2)飽和食塩水をつくり濾過する。
(3)飽和食塩水をビーカーに入れ放置。
(4)できた種結晶の中できれいな物を取り出し、精製水で洗う。
(5)新しく(1)(2)の方法で準備したビーカーの底の中央に(4)の結晶をセット。
(6)ラップフィルムをビーカーの上にのせ、少し水が蒸発できるようにしておく。
難しいことはやっていません。
☆偶然?の方法
上記の方法(蒸発法)で食塩の結晶を作っていたところ
偶然水面からも結晶が成長していました。
糸を使わずに宙に浮かせる方法=水中に浮かせる
だったのです。
下はセットした結晶 水面は偶然できた結晶
☆水面の結晶の拡大写真
結構透明です
水面の部分をしたにして拡大 ほぼ立方体です。
大きさは一辺約7mmです。
底で育てた結晶(左)と水面に偶然できた結晶(右)
底にできた結晶の高さは3mmでした。
☆さらに育てる
水面にでていた部分をしたにしてセットしました。
ある程度大きくなたら、最後に水面にでていた部分を上にしてみます。
どのくらい立方体に近づくのでしょうか?
☆その他
・水面にできた結晶は、かなり透明度の高い部分が多くなります。(食塩の結晶独特の縞模様がない)
・底で育てる方法で「横方向」に成長するのであれば、ある程度大きくなった段階で結晶を奥向きを変えると全体的に成長するようです。
・偶然ではなく、水面に平たい種結晶を浮かせると人為的に実験できると思われます。
・今回の実験では、7mmで沈みました。浮かせる方法では大きさに限界があるので、その後どのように育てていくかが大きな課題です。(特に水面部分)
☆参考文献
・「理科おもしろ実験・ものづくり完全マニュアル」 左巻健男編著 東京書籍