中央構造線の観察
☆日本に住むなら,日本の「背骨」を知ろう。
「構造線」とは,断層の大規模なものを差します。「中央構造線」は日本で一番大きな「断層」で,九州の八代から,四国,紀伊半島を通り,北関東でも見られます。ちなみに中央構造線という名前はドイツのナウマンが名づけたものだそうです。 参考文献(1)
☆中央構造線の「ちょうど境目」を見る(クリックすると拡大します)
◎長野県長谷村の美和湖のほとりにある「中央構造線公園」では「ちょうど境目」をさわることができます。
美和湖(この湖底から山の間にかけて中央構造線が通っているのです)
公園の中の階段を降りていくと「溝口露頭」という露頭があります。
上の写真のまん中付近を撮影(左が「西南日本内帯」 右が「西南日本外帯」)
☆中央構造線公園について
・場所は,長野県上伊那郡長谷村字溝口です。国道152号線(秋葉街道)沿いで,美和郵便局の近くに看板が出ています。
・この公園の上には,モニュメントがあり,詳しい説明の掲示や「中央構造線サイクリング大会」の案内の看板があります。
・入場は無料です。
・中央構造線を勉強したら一度は行ってみるとよいと思います。実感がわきます。
☆中央構造線に関する誤解 参考文献(2)
◎中央構造線とフォッサマグナ
・中央構造線とフォッサマグナが同じものという誤解があります。(私も以前は誤解していた。)フォッサマグナとは、「大きな溝」という意味で,糸魚川・静岡構造線と柏崎・千葉構造線の間の地域です。
・フォッサマグナ地域は,1500万年前ごろ大きく沈降して海になり,泥・砂・火山灰で埋めたてられました。地層は、沈降した深さだけ、たまりますが長野市付近では、その厚さは5000mもあります。
◎領家帯(りょうけたい)と三波川帯(さんばがわたい)
・中央構造線の北側を領家帯と呼ぶのではありません。中央構造線の日本海側は,「西南日本内帯」と呼びます。その西南日本内帯のいくつかの部分が,「領家帯」と呼ばれる,領家帯の岩石は、8000万年前ごろの白亜紀後期に、マグマが地下10km付近でゆっくり固まった 花崗岩と、マグマの熱を受けた 高温低圧型の変成岩です。
・同様に,中央構造線の太平洋側は,「西南日本外帯」と呼び,いくつかの部分が「三波川帯」と呼ばれる,三波川帯の岩石は、緑色岩・石灰岩・チャート・泥岩・砂岩が、1億年前ごろの白亜紀後期に、冷たいまま地下30km付近へ引きずりこまれた低温高圧型の変成岩です。
☆参考文献
(1)中央構造線(月出露頭)(現在リング切れ)
(http://www.town.iitaka.mie.jp/haze/15tyuuoukouzousen/15tyuuoukouzousen.htm)
(2)中央構造線ってなあに(現在リンク切れ)
(http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/511whatismtl.htm)