☆シダ植物の胞子はすごい
日陰にはえているシダ植物は梅雨の時期になると,
このように葉のうらにこのように胞子が入った胞子嚢がつく時期があります。
草むらのシダの葉の裏を見ると・・・
↓
黒い粒がいっぱい。
アカシダの胞子葉
胞子嚢が付く葉を「胞子葉」、ない葉を「栄養葉」といいます。
なかなか胞子葉が見つけられない場合がありますが、
シダ植物は山にも都会にもあらゆるところに生えています。
胞子嚢が茶色いものは、すでに胞子が出てしまっている可能性があります。
胞子嚢が黒く見える胞子葉を使いましょう。
☆観察方法(1)
(1) 黒い粒(胞子嚢)が着いている胞子葉を少しちぎってスライドガラスにのせます。
(2) 生物顕微鏡に乗せます
(3) 低倍率(40倍程度)で観察し、胞子嚢の中が黒い(胞子が入っている)のを確認します。
(4) 胞子葉の上にそっとエタノールを滴下します
(5) 胞子嚢が「ピッチング」するのをさがし、40倍で観察します。
光をステージの上から当てます。
☆観察結果(1)
エタノールを滴下した直後
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エタノールを滴下して20秒後
はじけた胞子がエタノールの中を動きます。
エタノールがない自然の状況では、遠くへ飛んでいくことでしょう。はじけなかった胞子嚢は、エタノールを追加すると開くことがあります。
☆観察方法(2)
(1) 胞子葉から胞子嚢を針などではがしてスライドガラスの上にのせます。
(2) その上に水を使わないでカバーガラスを「置き」ます。
(3) 低倍率(40倍程度)で観察し、胞子嚢の中が黒い(胞子が入っている)のを確認します。
(4) カバーガラスとスライドガラスの隙間にスポイトでエタノールを加えます。
(5) 胞子嚢が「ピッチング」するのをさがし、100倍程度で観察します。
☆観察結果(2)
1 2 3
4 5 6
1〜6までを約3秒の出来事です。
自然のままの状態では,
この「ピッチング」をあちらこちらでおこなっていることでしょう。
植物が動くところを自分の目で見るのは,やはり感動です。
☆その他
胞子嚢が成熟し、周囲が乾燥すると胞子を「投げ」ます。
エタノールを加えることで脱水を行います。
乾燥させるためにドライヤーや電球を使う場合があります。
ドライヤーや電球を顕微鏡の台数近く準備できれば最高ですが、
エタノールによる脱水乾燥ならスポイトで顕微鏡の台数分用意できる利点があります。