☆はじめに 静電気相手の実験
紙でこすった塩ビパイプで荷作りテープをさいたものを浮かべる・・・いわゆる電気クラゲです。
しかし,なかなか浮かないのが現状です。
原因はずばり,
「帯電が足りない」
のです。
「この実験は冬にやるものだ。」
「実験する部屋の湿気が多いとダメ。」
「クラゲの湿気を取るためにアルコールでふく」
など,いろいろな対策があります。
しかし,きちんと帯電させれば気温33℃湿度70%の部屋でも浮かせることができます。
☆用意するもの (参考:帯電列について)
・塩ビ管 (太いと帯電量が増えます)
・紙 (ティッシュでもいいのですが,強いクッキングペーパーがおすすめです)
・荷作りテープ (スズランテープという平たい状態のものが最適です)
・ピンセット (スズランテープを細くさくために使います)
☆クラゲの作り方 この部分はよく知られているので簡単にします
(1)スズランテープ(シート状)を2cm×15cmくらいに切ります
(2)スズランテープは2層構造ですので,セロファンテープなどを使って1層にします。
(3)片方の端を結びます
(4)ピンセットを使って1本が1mm以下になるように裂きます。
☆たくさん帯電させる方法
◎クラゲを帯電させます
作ったクラゲと,こするためのクッキングペーパー
ここがポイント。思い切って机の上にクラゲを置きます。
(このポイントは,実は中学生が発見しました)
(クラゲを手で持ち,ぶら下げて下方向にこする方法では力が加わりにくいようです)
注意:実験室の机は,帯電防止仕様のものがあるようです。
静電気の実験であるため,机の材質に大きく依存します。
そこで,机の上に,アクリルの板を置き,
その上にクラゲをのせてクッキングペーパーでこするとよいようです。
この方法は,机(板)とクラゲの「剥離静電気の利用」ということになるそうです。
(この注意は,ホームページをご覧の方からの御指導により追加しました。)
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帯電前のクラゲ 「超」帯電後のクラゲ(机にはりついています)
机から持ち上げた様子(「足」同士が反発して開いています)
そのまま投げた様子(落下だけでもきれいに開いています)
塩ビを帯電させる間,クラゲは机にはりつけたままでしばらく放置して大丈夫です。
◎塩ビ管を帯電させます
・塩ビ管をこするときにどうしても紙を動かしがちですが,
紙を手で固定して,塩ビ管を前後に動かすとすばやくたくさんたまります。(米村傳次郎先生の教え)
・塩ビ管を動かすときに紙をぎゅっと握ると4~5回で塩ビ管がパチパチ音を立てはじめます。
◎クラゲを上に投げ上げます
・その後すぐに帯電した塩ビ管をクラゲの下に持っていくと・・・
約15cmくらい浮いています(背景は黒板です)
・2~3回くらい浮かせることができます。(それだけたくさん帯電しています)