食塩の融解をガスバーナーで手軽に

☆水がなくても食塩がとける? 状態変化で融ける!

「食塩」と言えば白く見える個体(本当は透明)です。
しかし、固体ですから、熱すれば液体にもなります。
ただし、800℃くらいにならないと融解しません。(融点は801℃)
(味は砂糖と比較されますが、融点は砂糖(ショ糖が110℃前後と比較にならなりません)
ガスバーナーの炎は、1500℃くらいですから、熱すれば、融解しそうですが、
与える熱よりも、逃げる熱のほうが多く、なかなか融解しません。そこで、手軽な方法をご紹介します。
ここで扱った食塩は、市販のものであり、試薬の高純度の塩化ナトリウムでなくても実験できます。

装置図(試験管は耐熱ガラスで)
上から見た装置

アルミホイルをこのように設置するだけで、食塩が液化します。

矢印の部分に注目

冷やしていく過程では、食塩の屈折率がガラスの屈折率に近いので、
試験管と一体化したように見えます。
食塩が固体になって、ひびが入ると、試験管が割れたのかと勘違いします。
マッフルを使ったりと色々方法はあると思いますが、
アルミホイルと、耐熱ガラスの試験管で手軽に、
食塩が液体になっていく様子が
目で確認しながらできるところが利点です。

☆食塩を入れる量について

試験管に入れる量が多いと時間がかかり、全体が液体にならない場合もあります。
  少量(0.2g)にした場合
  

  18mm試験管に食塩0.2g入れて融けた状態
  

  アルミホイルの囲いから外に出した様子
  

  食塩0.2gが液体になりました。
  (炎を写真の大きさで加熱したところ、
   液体になる時間は約2分でした)

  ◎融解後に凝固した食塩
  
  左 :食塩2g(全部融解せず凝固)
  右 :食塩0.2g(全部融解後凝固)

☆ポイント

 ・食塩の量が多いとバーナーの熱が伝わるのに時間がかかるようです。
 ・試験管に接している食塩が融解し中心部の粉末部分に吸収されながら徐々に熱が伝わります。
  場合によっては、食塩の固まりが試験管の中で宙に浮いている状態に近くなります。
 ・食塩は少ない量(0.2g程度)で行った方がよいようです。
 ・液体の食塩を多く手に入れるには、少量の食塩を融解したところへ
  少しずつ食塩を足しながら溶かすのがよいようです。

☆その他

  800℃以上になった液体の食塩を取り出すと・・・
  周囲が常温なので、すぐに凝固するのはもちろんですが、
  
  融解した食塩をアルミ箔の上に流した様子です。
  
  
  一気に食塩が凝固し、アルミ箔が融解しました。
  アルミニウムの融点は660.2℃ですので、無理もありません。


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