全麺協とは、全国麺類文化地域間交流推進協議会という長ったらしい名前の会の略称です。
全国の蕎麦に関わる市町村や団体がメンバーとなり、数年前に設立された模様。
現会長は、福島県山都町長の吉田さんという人。
他にどんな活動をしているかは、私は知りませんが、その一環として、素人蕎麦打ち人に「段位」を
授与することを考えついたのは、大変なアイデアだと思います。知る限りでは、唯一の段位認定機関でしょう。
段位認定資格者として、蕎麦界でも有名なプロのそば屋さん、例えば、上野藪蕎麦、柏竹やぶ、会津桐屋などの店主を揃えたのも段位に箔を付け、信憑性を高めるのに大いに貢献していると思います。
聞くところによると、初段は、まず、全国にある全麺協認定の蕎麦道場などで、取ることが出きるようです。私の場合は、98年の常陸秋そばフェスティバル「素人蕎麦打ち大会」にたまたま出場したところ、これが、全麺協の2段位認定大会を兼ねた大会で、そこで2段をもらいました。
審査員は、柏竹やぶと会津桐屋のご主人、その他地元の方々でした。
99年の常陸秋そばフェスティバル「素人蕎麦打ち大会」も偶然3回目でしたが、この大会が、一年に一回しか開かれない全麺協「3段位認定大会」とされたため、三段を目指す素人蕎麦打ち人が、北は北海道から、南は広島まで、文字通り全国から集まってきました。出場者40名。11月28日の金砂郷町の会場は、朝からなにやら緊張したムードに包まれていました。(自分が緊張していただけかも知れませんが。)
会場には、打ち台が10台並べられていました。それで横幅いっぱい。客席は早々と満席の状態です。そこで4組に別れて順番に蕎麦を打つのです。今大会の審査委員長は、蕎麦界でもその名を知られた上野藪そばのご主人鵜飼さん、副委員長が、会津桐屋さんでした。
そば粉1.2キロ、小麦粉0.3キロ、合わせて1.5キロの玉を40分以内に打ち上げ、後かたづけを終了しなければなりません。ちなみに粉は、常陸秋そばが支給されます。認定基準では、切り終わった状態で、9割以上が幅2.2ミリにそろっていなければなりません。
太鼓の合図で演技開始。事前に何玉か練習していましたが、1.5キロ玉となると通常素人は打つ機会はあまりありません。普段1キロないし1.2キロの玉を打っている私でも1.5キロとなるとなかなか打ちこなせないのが実状です。それにもかかわらず、さすがに三段を狙う人は、すごい。自分は打つのはかなり早い方だと自負していましたが、ほとんど横一線。終わってみれば、後ろから何番目かになっていました。都合でその後すぐ帰ってしまったため、それ以降の3組は見ていませんが、後で聞けば皆さんすごかったそうです。
その結果、40人参加して、実に30人が3段位を獲得することになりました。こう書くと、受ければ大抵受かるのかと思う方もいらっしゃるかも知れませんね。自画自賛するわけではありませんが、高いレベルでしたよ。これから俺も、と思ってる方には、挑戦のしがいのある大会だと申し上げておきます。
ところで、常陸秋そばフェスティバルですが、これ自体は、段位認定とは直接関係ありません。今や東京でもその品質が高く評価されている「常陸秋そば」を売り込むと同時に、地域興しに一役買わそうと地元の地方団体が中心になって始めたイベントです。第一回は金砂郷町で、第2回は水府村で、そして第3回は、再び金砂郷町で開かれました。両町村は良質の常陸秋そばの産地として、その世界の方には今や知らない人がいないほど有名になりました。
今年の入場者は、二日間で三万人とのこと。そばブームといわれますが、確かに年々盛んになっています。特に今年は、手打ち蕎麦道具を商う方が、およそ5軒ばかり店を出していました。手打ち蕎麦も大きなブームになっていることを伺わせます。来年も無事開催されますことをお祈りいたします。
お世話になった金砂郷町や地元の皆さん、ありがとうございました。是非来年も開催して下さい。常陸秋そばのますますの隆盛を祈ります。