手打ちそばの茹で方

 
 手打ちの生のそばは、乾麺とは茹で方が全く違います。くれぐれもご注意下さい。

 お湯はたっぷり用意して下さい。口の広い大きな鍋が理想です。

 手打ちそばは、茹であがるまでは大変切れやすいので、できる限り優しく取り扱って下さい。また、お湯に入れる瞬間に切れたり、固まったりしやすいので、沸騰したお湯の上に並べるような気持ちでそっと入れて下さい。決してどぼんと入れてはいけません。固まってしまいます。蕎麦屋の口伝では、「指をお湯に突っ込むぐらい」と言っています。一度にたくさん茹でないで下さい。一束ずつ分けてありますので、必ず一束ずつ(又はそれより少なく)茹でて下さい。

 お湯に入れてすぐには混ぜないで下さい。箸で混ぜる場合も、決して力まかせにしないでください。麺に逆らわず、ゆっくりと混ぜることです。途中で吹きあがってくるかもしれませんが、差し水はしないのが蕎麦の常道です。火を弱めるなどの方法で工夫して下さい。

 ゆで時間は1分10秒を標準にして下さい。硬いそばが好きな方は、1分以内でも大丈夫です。茹で終わったら、すぐに冷水で冷やすと同時に、良く洗って表面のぬめりを取ります。この場合もごしごしやらないで下さい。水を換えて2回ほど洗ってください。最後に冷水に入れると、そばがきゅうっと締まってくるのが手でわかります。水は良く切って下さい。この場合も、あくまで優しく扱って下さい。

 後は食べるだけですが、盛ったらすぐに食べないとそばはどんどん劣化していきます。どんなに美味い、いいそばも茹でてから時間が経ったのでは台なしです。「挽きたての粉を使い打ちたてのそばを茹でたてで食べる」、これが贅沢というものです。

 茹で汁は、「そば湯」といいまして、昔から栄養豊富なことでも知られています。そばを召し上がった後は、そば猪口に残ったつけ汁にそば湯を注いで味わってみて下さい。

 手打ちそばはあまり日持ちしません。生のまま冷蔵庫に入れたとしても、せいぜい翌日のお昼までとお考え下さい。茹でてから時間が経ったものは、もったいないですが、お捨て下さい
                 
                                           板倉 敏和                       
                               E-mail  ita@mxp.mesh.ne.jp

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 この蕎麦は、国内産の蕎麦を石臼で挽いた「霧下蕎麦本家」の粉を10に対し中力粉2を加えて手打ちした、いわゆる外二の二八そばです。蕎麦本来の香り、歯触り、のど越しをお楽しみ下さい。

 辛汁(つゆ)は、醤油1gに砂糖160c、味醂100cを加えて熱したものを一週間以上寝かせたものをかえしとし、昆布、椎茸、厚削りの本節などで取っただしと合わせたものです。割合は、かえし1に対しだし3.5としています。