大気圧の証明 -空気の重力による力-


☆ 地球上の空気は重力による大きな力を働かせることができる

 目の前にある空気には重さがあり、空気にはたらく重力は空気中にある物体に力を及ぼします。
 空気の重力による力(大気圧)がどのくらいのものなのかを目でみる体験をします。
 この実験はいろんなところで紹介されていますが、非常にダイナミックで人を寄せつける魅力があります。

☆ 空き缶を用意します。

 加熱するために、取っ手をつけます。アルミの針金があれば同じ太さの鉄の針金よりも小さな力で取り付けることができます。

 空き缶ですから、缶の中にも空気が入っています。
 そのため、空気の力が「缶の外」と、「缶の中」で同じように働いているのでつぶれたり、ふくらんだりしません。
 しかし、缶の中の空気を抜くと・・・

☆ 空き缶の中の空気を抜く


 缶の中に水をいれて沸騰させ、水蒸気と一緒に中の空気も外に出すを方法で行います。
 中に入れる水の量は10~20mLが適しています。(缶をふってみて音がする程度の水の量で大丈夫です)
 その後、加熱します。

 中の水が沸騰して、中から水蒸気が勢い良く出るようになってから
 さらに20秒加熱します。(ここがポイントです。この時間が短いとうまくいきません)
 その時、水蒸気の勢いで、缶の中の空気も一緒に出て行きます。
 火から離して理科室の机など、熱に強い材質の上に置きます。
 空気が再び間に戻ってこないように、ガムテープでふたをします。

 口の部分をガムテープでふたをすると・・・、

 しばらくしてから、缶がつぶれはじめます。
 
 これは、水蒸気と一緒に中の空気が出ていって、中の空気がうすくなり、
 中からの空気の力が外の空気の力に比べて小さくなったためです。
 (この方法では、中の空気を完全に抜くことはできません)
 

☆ ボトルタイプの缶の場合




 

 このタイプで行うと、ふたをするのにキャップが使えます。
 しっかりふたをすることができるので、うまくいきます。
 

☆ 水面でふたをする方法


 ガムテープのかわりに、缶を逆さまにして水面にくっつけると
 ものすごい勢いでつぶれます。(この方法が一番ダイナミックです。)
 

☆ その他

 缶の空気を抜く方法として多くの参考書が、水を沸騰させて出る水蒸気と一緒に中の空気も缶の外に出す方法を使っています。
 缶のふたをする方法には、いくつかの方法があります。粘土やラップフィルムでふたをする方法なども紹介されていますが、
 布ガムテープが経済的で片付けも楽です。(紙ガムテープや養生テープはうまくいきません。)
 布ガムテープでふたをするときは、飲み口のまわりをしっかりおさえることが大切です。(これが失敗の一つ原因です)
 また、ふたをする前に、ティッシュで水分をとるとより失敗が少なくなります。
 缶の側面に水をかけてつぶすことを紹介しているのも見かけますが、水の力でつぶれているような気がしてしまいます。
 水をかけるのではなく、水(水面)を「ふた」のかわりをする方法もあります。
 

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