kansei.jpg  電子オルゴールを壊れにくく kansei.jpg

☆電子オルゴールはすぐに壊れる?

 電子オルゴールは、化学電池の実験で使う場合には、あまり破損しませんが、、
 エネルギーの変換実験などで、手回し発電機を電子オルゴールにつなぐと、すぐに壊れてしまいます。
 手回し発電機は、勢いよく回すと15 Vくらい電圧を発生させています。
 手回し発電機につないでいなくても、「気がついたら音が鳴らなくなっている」ことはよくあります。

 そこで、電子オルゴールに「安全装置」(保護回路)をつけて、
 手回し発電機だけでなく、高電圧によって壊れることが少なくなるように工夫します。
 また、自作方法についても紹介します。



☆安全装置(保護回路)

 音が鳴らなくなるのは、電圧を高くしすぎて、過電流が流れてしまい内部のICが壊れることが原因の一つです。
 そこで、電子オルゴールにある一定以上の電圧か加わらないようにします。
 
 その方法として、
 
        ツェナーダイオード(定電圧ダイオード)

 を使います。
 このダイオードへ逆方向に電圧を加えたとき、一定の電圧以上にならないようにはたらくダイオードです。
 電子オルゴールに使うツェナーダイオードは3.3 V以上の電圧が加わっても3.3V近辺に収まるものを使います。
 
 更に、電源の+側に1kΩの抵抗を直列に入れます。(抵抗を入れるので音が小さくなりそうですが、ほとんどつける前と変わりません)

 ツェナーダイオードも1 kΩの抵抗(1/4 W)もインターネットの通販で入手できます。
 ツェナーダイオード( 3.3 V 500 mW )は10円前後、1 kΩの抵抗は100個で100円前後です。

☆回路図

circuit_diagram.gif


 

 写真では小さいのですが、ツェナーダイオードには、黒い帯がついており、+極側を示します。

 
 +極側にツェナーダイオードの黒い帯がついている方を接続し、もう一方を-極に接続します。
 元々ついていた赤い+極のリード線をはずします。

 


 はずした+極のリード線と、1kΩの抵抗を写真のように接続します。
 電源側からオールゴールの基板に1kΩの抵抗を介して電流が流れる形になります。


ケースにしまった状態です。
パーツが小さいので、元のケース内にしっかり収まります。
ケースが壊れた場合は、100円ショップの「練り消しのケース」の中に近い大きさのものがありました。
ただし、音が出やすくなるようにするための穴を空けるのが大変です。



完成です。
手回し発電機や006Pの9Vの電池につないでも壊れません。
9Vでは、音が少し大きくなり、音割れする場合があります。


☆最近の電子オルゴール

写真のように、コンデンサー(パスコン)が
表面実装(SMD)タイプのものがあります。




この作業では、「空中配線」が多く、半田付けがしにくくなります。
セロハンテープで固定すると解けてしまうので、
写真のような「ポリイミドテープ」が熱に強く、半田付け作業の固定には適しています。



同じようにツェナーダイオードと抵抗を取り付ければ大丈夫です。


ケースに戻して、完成です。


☆修理・自作する方法

・圧電素子(音が出ている部分)の半田が取れやすいようです。
・半田をつけ直すときに、ハンダがうまくのらないときは、思い切って、近い大きさの圧電素子と交換する方が良いようです。

atudensosi_taira.jpg圧電素子や圧電スピーカーなどの名称で通販などで手に入ります。

atudensosi_mini.jpgこのような直径12mmほどの大きさのものもあります。


・ICが壊れている場合は、メロディーIC(UM66T08Lなど)が30円前後からあります。いくつかの曲から選ぶことができます。
 下のような回路が考えられます。ケースと圧電素子スピーカーを流用すれば破損した電子オルゴールも少額の予算で再生できます。



☆回路図↓


 オモテ ウラ
・自作した場合でも、ケースの中に収まります。



・ケースも破損した場合は、小さい圧電スピーカーとの組み合わせで、小型化した電子オルゴールも作製できます。
 
 ケースの代わりに、熱収縮チューブで周囲を被いました。
 中の回路は上記の自作したものです。




☆その他

・電子オルゴールは壊れやすいので、予備があると安心です。
・近年、電子オルゴールも安価になってきましたが、安全装置をつけて大切に使いたい備品です。
・電子オルゴールの端子はみの虫クリップをつけておくと裸の導線に比べて接触不良が起こりにくく、使いやすくなります。加工は大変ですが後が楽です。
 
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