JR東日本・小海線
小諸駅に停車中のキハ110形

JR東日本・小海線



★小海線について
 小淵沢(中央本線)−小諸(信越本線)間 78.9Km
 駅数 30駅

★小海線のここが好き
 私の地元路線というのもあるんですが、八ケ岳高原の車窓、佐久盆地では浅間山を望みながら走るという、非常に風光明媚な路線です。南部の山岳地帯と北部の田園地帯の対照的な車窓風景も見所の一つです。

★小海線の車両
 古くはキハ10形、キハ11形、キハ55形、キハ57形が活躍し、最近まではキハ52形、キハ58形といった2エンジン搭載の強力気動車が、甲斐大泉−小海間に点在する33‰の急勾配と戦いつつ活躍していましたが、1991年12月5日より新車のキハ110系にとって変わられました。これにより、小淵沢−小諸間で最大33分のスピードアップが実現しています。

★車窓風景
・小淵沢−甲斐小泉間
 小淵沢駅を発車するとすぐに25‰の登りにかかり、左を走る中央本線との高度差がどんどん広がっていきます。発車してから約2分で、南アルプスの山々を背景にした撮影名所である大カーブにさしかかります。中央高速をくぐった後は途中にウエスタン牧場(かつて小海線を襲撃するというアトラクションをやっていました(笑))を見つつ、原生林の中をエンジンを唸らせつつ快調に走ります。キハ110形は25‰での均衡速度は約75Km/h(ちなみにキハ52形は45Km/h)、その性能を遺憾無く発揮できる区間の一つです。

・甲斐小泉−甲斐大泉間
 ここから先、勾配は28‰ときつくなり、カーブもきつくなるため、キハ110はやや持て余し気味な走り方になります。周囲は原生林が続きます。

・甲斐大泉−清里間
 甲斐大泉を発車すると、いよいよ33‰、小海線最急勾配区間に入ります。さすがのキハ110系もさすがに少し苦しそうな走りになってきます。途中で勾配が緩くなり、川俣川を越えるためのΩカーブに入ります。ここではエンジンも一休みという感じです。川俣トンネルを過ぎたあたりから再び33‰の登り勾配となり、別荘が見えてくるとまもなく清里です。

・清里−野辺山間
 いよいよJR線最高地点へ向けての最後の登りにかかります。左に八ケ岳を見つつ、鉄橋を2つ渡り、周囲が開けてきたあたりに踏切があり、そこがJR最高地点です。左側に標識が立っています。
 最高地点を過ぎた後は、野辺山まで緩やかな下り勾配。高原野菜の畑の中を、右に東京天文台野辺山観測所の45mパラボラアンテナを見て進み、左カーブすると野辺山駅。

・野辺山−信濃川上間
 野辺山を出ると、今度は信濃川上に向けて一気に急勾配を駆け下ります。
 高原野菜畑が途切れると、ふたたび原生林の中を走ります。左へ180度カーブすると右に千曲川が見えてきます。わずかな平地にたどり着いたところが信濃川上。

・信濃川上−小海間
 信濃川上から小海までは、千曲川上流の流れを見ながら走ります。
 ここから小海までは、「広瀬」「海ノ口」「海尻」「小海」といったように、標高1000mを超える場所であるにもかかわらず、「海」がつく地名が多いのも面白いところです。かつて鯨が千曲川の流れを塞き止めていた、という伝説が元になっているようですが……。

・小海−中込間
 小海を過ぎると、山峡の中からだんだん田園風景らしくなってきます。
 羽黒下を過ぎると佐久盆地の田園地帯を走ります。このあたりまで来ると前方に浅間山、後方に八ケ岳と、美しい山並みを見ることができます。
 この区間の沿線にはいくつか造り酒屋があります。八ケ岳の湧き水と千曲川の清流から醸し出されるお酒はなかなかのものです。

・中込駅周辺
 中込は小海線の中枢ともいえる場所で、小海線営業所もここを本拠としています。
 キハ110系が休む車両基地、乗務員基地、運行部門などが集中しており、結構活気にあふれている場所です。
 中込で途中下車された際には、駅前にある「屯珍館」というラーメン屋に行きましょう。「とんちんめん」(670円)は絶品です。(DRSのお勧め!(^^))

・中込−小諸間
 滑津を過ぎると、千曲川が形成する盆地とは別れを告げ、浅間山の火山灰地帯に入り、結構アップダウンが多い線形が続きます。岩村田−中佐都間は新幹線工事の関係で高架線を走ります。数年前までは周囲が田んぼだった場所なのですが、新幹線佐久駅(仮称)予定地付近はまったく風景が変わってしまいました。

 乙女駅の手前で信越本線と合流し、東小諸を経て終着の小諸に到着です。小諸駅から歩いて5分の場所には島崎藤村記念館などがある懐古園(旧小諸城址)があり、桜のシーズンには花見客で賑わいます。

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