この表紙のイラストはあまりに酷いと思う。どこをどう見ても美少女探偵助手が大活躍する話には見えない。……同じ加納朋子さんの作品でも、創元や幻冬舎の装丁はかなりセンスがいいのになぁ。
まあ、ハードカバー版だとかなりマシなので、ハードカバーを買えという策略な予感もするけれど、ハードカバーなんてあんなに読みにくいものを、私は、買いたくないのよなー。
で、肝心の内容の方は、子どもも成人するほどの年齢なのに脱サラして憧れの私立探偵になった仁木順平と、好奇心旺盛で頭脳明晰な押しかけ美少女探偵助手の安梨沙が一風変わった事件に立ち向かう、というシリーズ2冊目の連作短編。相変わらず、加納朋子の作品は非常に冴えた内容なのだけど、う〜ん、他の加納朋子作品と比べると、かなり刑事事件に近づいてしまってるのが残念無念。いや、好み的には、日常のちょっとした謎の方、さらに言えば、ミステリというより人間ドラマの方がいいのよ。あと、今回は、安梨沙の活躍もちょっと弱いのがなぁ。……出来はいいし、十分面白かったのだけど、そういう部分でちと残念でした。
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既刊の感想 → 螺旋階段のアリス
おかゆまさきが書いた『撲殺天使ドクロちゃん』の短編を、最初と最後だけ残して、8人の作家がそれぞれ書き直してみる的なトリビュート短編集。参加してる作家は、高橋弥七郎、築地俊彦、鎌池和馬、ハセガワケイスケ、谷川流、水島努、成田良悟、時雨沢恵一。同人誌ならともかく一般売りする内容としてどうよ?という気もするのだけど、愛されてるなぁ。
しかし、これだけ個々の作家や作品の差がハッキリしやすい作りだと、参加されてる作家の人はたまったもんじゃないと思うのだけど、勇気あるよなぁ。とりあえず、自分の持ち味をきちんと自覚されてる作家の人は、いろいろと強いと思いました。……まあ、私的にいちばん良かったのは、ハセガワケイスケ。いや、そもそも参加されてる作家さんの中で、ハセガワケイスケの作風がいちばん好きだし。
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既刊の感想 → 撲殺天使ドクロちゃん
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さすがにそのエメレンツィアの水着はやりすぎだろっ!! 「ポロリもあるよ!」ってなんだよっ!! いや、生徒会の親睦旅行で南の島へ、という話なのだけど、いつも通りにあまあまラブラブなだけでなく、各キャラのせつない想いを描くことで、わりとシリアスな恋愛モノとしても読めるところも、なかなか好感。まあ、最大の見どころは、やっぱり巻頭カラーのエメレンツィアのイラストだったりするわけだけど。<をい
そして、最終エピソードへの導入として、そんなところで終わられると、続きが気になって仕方がないわけだけど、それにしても、アニメ化も決まったのに、そんな最終エピソードへの仕込みをはじめるとは、いったい(^^;。商業主義的には、しばらく今の状態を続けるのが正解じゃないのか〜。
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既刊の感想 → 護くんに女神の祝福を!
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すでに前巻で完結してる『半分の月がのぼる空』。この7巻は書き下ろしも含め今までの短編を纏めた番外編。うわぁ〜、あまりライトノベルらしくなく、事件らしい事件もなく、あの素晴らしかった空気だけを届けるような内容。笑いもあるけど、なにより、ちょっとしたせつなさをメインにした、綺麗で心に染み入るテイストで、じんわりと心地良すぎぃ〜。……いやぁ、橋本紡らしさが絶妙に出ていて、ほんと素晴らしすぎるぅ〜〜。
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既刊の感想 → 半分の月がのぼる空
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あああああああぁぁぁぁ、眼鏡な妹が、お風呂上りだったり、「お兄ちゃんと結婚したい」だったり、添い寝だったり、「あーん」だったり、うひぃーーーーーーっ!! さらに加えて、眼鏡な幼なじみがひそかに抱える恋ごころで、はう〜〜、ごろごろごろ〜〜〜〜〜。
そゆわけで、新井輝の新作は、眼鏡な妹と眼鏡な幼なじみと主人公の、ちょっとせつない恋愛ストーリー。っていうか、テイストは『ROOM NO.1301』とほとんど一緒だったりするんですが(^^;。や、もはや完成された、いつも通りの新井輝っ!! 素晴らしいぞっ、新井輝っ!! しかも、眼鏡だっ、ダブル眼鏡っ!! きゆづきさとこのイラストも、非常にかわゆくマッチしていて、もはや、なにも言うことなしっ!! こんちくしょーーっ!!
ほんと、ほぼ全てにおいて素晴らしいのだけど、難をいえば、ラストは泣かすにしても余韻を持たすにしても、いまいち効果的でなく蛇足風味だったのが、ちと残念だったかなー。それをやるなら前もってもちっと描写が欲しかった予感。……それはともかく、眼鏡だ眼鏡っ!! ビバっ、眼鏡っ!!
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うわぁ〜、むちゃくちゃ森博嗣だ。いや、三雲岳斗の他の作品では、これほど森博嗣の影響を示唆する内容のものはなかったと思うのだけど、デビュー作の一つで、かつ、ミステリを題材としてるのが原因かしらん? ……恋愛モノとしては、多少物足りなくもあるものの、犀川と萌絵の二人を彷彿とさせるような主人公二人の関係性は、なかなか楽しかったです。
そゆわけで、1999年に「第1回日本SF新人賞受賞作」として刊行された作品の文庫落ち。日本初の宇宙ステーションで物理的にあり得ない死因の殺人事件が発生する、という SFミステリー。いやー、この頃の三雲岳斗は、はったりとしての科学的なエッセンスの使い方が、とにかく上手かったよねー。謎解きのパートとか、もう爆笑でした。……全体に、森博嗣っぽいシーンが多いのはアレなんだけど、まあ、森博嗣は好きなので、これはこれでいいかな。ただ、それなら、朱鷺任博士は魅力的な女性にしろよ。<をい
びみょ〜〜。三雲岳斗はやっぱりコミカルな内容ではなく、もっとシリアスな内容の方が好みなんだがなー。いや、つい最近『M.G.H』を読んだこともあって、なおさらそう思ったり。って、シリアスというより、むしろLOVE色が弱かったのが不満という話もあるけど(^^;。
そゆわけで、機巧魔神の秘密を知る留学生が登場。魔神相克者(アスラクライン)というワードも出てきて、これからいよいよ本題かしらん。まあ、コミカルなのは表面的な演出だけで、骨格はわりとしっかりシリアスなので、もちっとストーリーが動き出すと嬉しいんだけどなぁ。
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既刊の感想 → アスラクライン
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富士ミスのくせにミステリーかよっ!! や、いかにも中高生向けのミステリーで、非常に丁寧で綺麗に纏まった作り。作品としては、本来の富士ミスの目指すべき方向性で出来も悪くないと思うのだけど、ただ、「中高生向け」で、「ミステリー」という時点で、すみません、私の好みではなかったです(^^;。
高校に入学し学生寮「うれしの荘」に入寮した僕は、彼女に出会い恋をした。……という内容、なのだけど、基本は日常系ミステリーで、恋愛要素はかなり弱め。物語を構成するパーツの置き方も、恋愛モノではなく、あくまでミステリーの方法論なのな、がっくし。あと、ミステリーとしても、ちょっと微妙な気もするんだけれど、まー、ここら辺は、中高生向けならこんなもんかなーという印象。なんといっても、ストーリーが非常に綺麗に纏まっていてそこが魅力なのだけど、ただ、やっぱり、好みじゃないからなー。や、このタイトルで、ごとPイラストで、何故、ミステリー(T-T)。
しかし、植物学者って、そんなに貧乏でもなかろうに。酷い書かれようだ(笑)。
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大富豪のお嬢様で実はサーベルタイガーって、素晴らしいっ、素晴らしすぎるキャラクター小説ですっ、だはははははっ!! いやもう、文句なく最高傑作級ぅ〜〜っっっ!!
ちょっと日常系ミステリが読みたくなったので、北村薫の覆面作家シリーズに手を出してみました。いやぁ〜、この覆面作家であるヒロイン、新妻千秋が、もうもうめちゃくちゃ素敵すぎる。出版社の若手編集者をワトソン役に、新人作家の新妻千秋が謎を解決する、というのが、おおまかなアウトラインの連作短編。正直なところ、ミステリーとしてよりも、新妻千秋をはじめとするキャラクターがとても魅力的な作品です。1991年の作品ということで、多少古めかしい部分もあるのだけど、ほんと素晴らしい作品でしたっ!! ちゅーか、新妻千秋のキャラがほんとさいこーーーーーっ!! 世間知らずのお嬢様でサーベルタイガーですよ、えぇ。ただただ素晴らしすぎる〜〜。
いきなり普通に学園祭編。や、それでは単なる普通の学園恋愛モノだろ〜〜。密、サクヤ、来夏の三角関係もそれはそれで面白いのだけど、もっと極限状態のあざとさが売りじゃなかったのカーーーっ!!
そゆわけで、天使による攻撃が一時的に落ち着いた今、学園祭を開催するっ!! という話。謎の妨害があったり、クラス対抗の集客合戦があったり、その他もろもろ、どこかで見たような王道的なイベントの数々。密の気持ちの変化を露骨気味に描いてたりして、それはそれで面白いのだけど、ただやっぱり、既刊のようなギャグになるほどのあざとさがないのは、物足りないなー。まあ、ペアのダンスからクリスマスイベントにかけてのラストの描写はなかなか面白かったので、善しとするか。や、いよいよ急展開を予感させるラストだったので、次巻が非常に楽しみです。
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既刊の感想 → 殺×愛
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これほどきちんと感動的に仕立ててくるとは思いませんでした。そして、胸革命って、なんだよ(爆笑)。シリーズ構成から見ても、アルビオンとの戦いから新展開への繋ぎとして、よく機能している予感。……しかし、ここまで話を大きくして、どこまで続けるつもりだ?(^^;。
才人を失い哀しみにくれるルイズ、一方、一命を取り留めたサイトは……。ということで、ここまでルイズと才人の互いへの想いを描いてしまったら、もう完全に、才人争奪戦の勝者は、ルイズに確定ですな。せっかくの新キャラ投入なのに。……今後のネタを仕込みつつ、ルイズが哀しみから立ち直りそして、という過程を、なかなか綺麗に感動的に仕立てていて、非常にGood。ただ、夢の中の妄想世界は、あまりに陳腐で、正直いらないと思うのだけど(^^;。あと、せっかくああしたのに、またすぐにそうしちゃうのは、ちょっと筋的にはマイナスじゃないかなー。まあ、なにはともあれ、これからどうなるのかしらん。
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既刊の感想 → ゼロの使い魔
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最高傑作。リアに対峙する複雑な心情描写、そして、あのラストへ到る過程をみごとに見せた構成と演出の素晴らしさ。なんといっても、全てが集約するあの一言が、とにかく深いこと深いこと。ここまで来れば、もう、最終話いらないです。<をい
バンクバー五輪まで1年。圧倒的な実力で無敵の女王として君臨するリア。そんな絶望的な実力差を思いつつ、タズサとガブリーは冗談のような約束をする。……という、オリンピックへ到るまでのタズサの1年を、心の揺れを中心に描いた内容。一見ファンサービスのように見えるシーンも含めて、リアに対する心情を少しずつ描き積み重ねることで、冗談からとうとうあのラストへと到達するまでを描ききったのは、とにかく、素晴らしいの一言。状況的に 1巻を思い返さずにいられないわけだけど、あのタズサが、よくぞここまで来たと思うと、ほんとうに感動しかないと思う。しかもそして、あのリアの眼鏡っ!! もう、素晴らしいとしか言いようがないですっ!!
……しかし、このラストで十分効果的な区切りだと思うのだけど、あとがきによると、“本当は、もう60〜70ページほど先まで行きたかった”ってことは、つまり、少なくとも精神面ではここがクライマックスだと思ったのだけど、まだまだ二転三転するということですか(^^;。
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既刊の感想 → 銀盤カレイドスコープ
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だはははっ、勇猛果敢な海綿体っ!! 完全な学園ラブエロ小説と化してるんですがぁ〜〜。
ヴィーゴとの戦いも終結し、新展開の学園編。鼓太郎は大好きな祈梨とラブラブエロエロな日々。そこに、「前世の妻」を自称する転校生アルミナがやってきて……。えっと、戦闘が減ってラブバトル増強は正しいのだけど、エロ過ぎるだろ(笑)。もう、読んでて、にやけまくり。次巻は3Pに期待ですっ!! って、この話、どこに行くつもりだ(^^;。
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既刊の感想 → 初恋マジカルブリッツ
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はきゅ〜〜〜、ちょこ可愛ゆすぎる〜〜。って、第1話は萌え色が濃いものの、第2話以降は、むしろ、ほのぼのな優しい系だったりするけれど。
原作マンガは未読。無邪気で可愛い妹・ちょこを中心としたほのぼの系連作短編。ちょこは、「サンタクロースにプレゼントしてもらった」という設定なのだけど、その設定はシチュエーション作りやストーリー作りに使われてるのではなくて、ちょこの天使のように純真無垢な性格に説得力をもたせるために使われてるのがポイント。あくまで、純真なちょことそれを取り巻く人たちの、ちょっとした日常の出来事を描いたほのぼの系の話なのんな。この優しい空気が素晴らしい。
そゆわけで、ちょこを中心としたほのぼのとした日常の優しい雰囲気を楽しむ作品なのだけど、一応、巨乳で眼鏡の管理人さんも素晴らしかったと書いておこう(^^;。
あぁ、確かに、所々『ガルフォース』してるなぁ。や、あとがきによると、柿沼秀樹が原点回帰的衝動で執筆した作品で、スポンサーの意向を反映する前の『ガルフォース』は「おおもとのおおもとは実はこんなストーリーだった」というものらしい。
そゆわけで、女子高生ユウミは宇宙の外敵から地球を護る防空隊のホームページにはまっていた。ある日、そのページのオフ会に出かけてみると、実は、平和な日常は政府によるカモフラージュで、そのページの内容こそが現実だったっ!! 人類創生の秘密だったり、女の子だけの軍隊が謎の宇宙の敵から地球を護ったりするSF。
まー、設定も展開も突っ込みどころが多く、文体なんかも無理して今風にしようとして、かえって微妙な感じになってしまっていて、正直、作品そのものを楽しむというより、『ガルフォース』的なエッセンスを見つけて昔を懐かしむ、というのが正しい楽しみ方な予感。って、私は、宇宙章ぐらいしかすでに記憶にないんだけど(^^;。……しかし、あの『ガルフォース』から20年も経ってるというのはショッキングな事実だよなぁん。
参考:
感想メモリンク →
読丸さん、
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