○検証(6段階評価)
・整地(ハードパック・アイスバーン) 5
そもそもトーション剛性が高くなりすぎる傾向のあったファットスキー。
ゲレンデでの操作性が悪かった大きな原因でした。
ロッカー要素を採用することでゲレンデでも優しい操作性を獲得しています。
その優しさが硬いゲレンデではどうかと思いましたが結果は「5」。
キャンバー部分のトーション剛性は充分以上。
青氷でもまったく落とされることがありませんでした。
もちろん角付けを開放しながらのターン。
きちんとしたテクニックは当然の前提です。
必要以上に長い角付けではたたかれます。
今シーズン当初、Mt.乗鞍は異例の雪不足でアイスバーン状態。
十分なテストが出来たと思います。
・整地(ソフトパック) 6
雪温が低く乾いて軽い降雪後初めての圧雪。
十分に締まっているとは言えず従来のカービングスキーでは角付けの抵抗大。
前後のバランスに気をつけながら角付けを行わないと詰まりがちな雪質です。
この場面では、当初から想像された結果で「6」
ターン弧の壁に対して垂直に充分な浮力を感じ非常に快適。
角付けが長引いても詰まることが少なく減速感も出にくいと思います。
・不整地(パウダー)5
161cmという短さによる浮力不足は本来の長さに対しては当然。
しかし10〜15%程度長い通常のスキーよりは浮力を感じます。
自分にとっては充分といえます。
切り替えを行うと後はオートマチックにミドルターンを行うような感じ。
自分から無理やりまわさなくて良いのは気分がいいです。
・不整地(パウダーが踏み荒らされた状態)4
短いにもかかわらずトップが常に浮いてきてくれます。
雪の塊に突っ込んでも刺さらず、つんのめることはありませんでした。
ここでっもオートマチックなミドルターンが快適。
しかし、湿って固まりやすい雪の場合は軽さと浮力が若干裏目に出ます。
上下に不安定になりスピードを控えめにして滑走することになります。
・不整地(コブ)4
短く、幅が広いのがどう影響するのかと思いましたが、まったく問題なし。
トップが刺さりにくく、テールも引っかかりにくい。
いわゆる「発射」したがることがなく、安心してコブに入れます。
非常におだやかな性質を示し、コブの苦手な人にも良いと思います。
本気で攻めるような使い方でなければ充分以上に対応すると思います。
・不整地(湿雪が踏み固められた小さめの凹凸)2
軽さと浮力が最もネガティブな要素となる雪質です。
全てのショックが直接足に来てしまうようで、しんどいです。
まぁスピードを控えめに滑る分には特に問題ありません。
もっとも、最近の扱いやすいスキーはこの手の雪質がたいがい苦手です。
この条件を比較的高速で滑ることは一定の危険を伴うと思います。
この場面だけは中低速でスムーズに滑ることを心がけるのがよさそうです。
個人的にはこの凹凸を叩き潰して高速で滑れるようなスキーも好みです。
しかしそういうスキーはけして一般的ではないかもしれませんね。