KT notes (ぷよぷよ風フラッシュ無料ゲームの開発等)のログ抄録

2013年2月4日()

0:00 偽ぷよぷよ作業報告
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 今回のビルドでは、下記の(1)〜(4)を修正しました。

 外見に現れる変更は下記の二つです。

(1)ユーザー様からのご要望にお応えし、AI-CPU版のnormalの設定を少し甘口に変更しました。
(2)くっつきの描画で、落下後の時間差があるとき不自然に見えるケースを修正しました。

 また、内部的な問題として下記の二つを修正しました。

(3)まわしのテクニックによる壁越えの動作において起こりうるインデックス境界の考慮漏れを修正しました。
(4)同時消しボーナス点の加算時に起こりうる潜在的な不具合を修正しました。

 以上です。

2012年8月5日()

14:15 偽ぷよぷよ二人用の修正作業報告
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 本日未明、ユーザ様から、『偽ぷよぷよ二人対戦フラッシュにおいて、1PがWキーを使用し、2PがCtrlキーを使用する際Ctrl+WがIEまたはWindowsのショートカットキー(ウィンドウを消す)の割り当てになっていて不便なので、キーのアサインを変えて欲しい』とのご指摘を頂きました。貴重なご意見を賜り、誠にありがとうございます。

 2Pが左回転をする時にCtrlを使用するのをやめ、スラッシュキー(/)で左回転をおこなうように変更しました。キャッシュを消してリロードして頂くと、2Pがスラッシュキー(/)で左回転するようにした最新のビルドに差し替わります。

 現時点で左回転でスラッシュキーを使うのは二人対戦モードのみですが、1PモードとAI-CPUモードでも同様にキーアサインの変更の要請等がありましたら、随時対応させて頂きます。

2012年2月8日()

11:00 サーバのメンテナンス完了のお知らせ
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 BIGLOBEの実施するサーバのメンテナンス作業は完了しました。

 コンテンツやスコア登録用のcgi等々、すべて問題なく旧来のとおり動作することを確認しました。

2012年2月7日()

21:30 サーバのメンテナンスについて
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 当サイトのプロバイダ(BIGLOBE)側の実施するメンテナンス作業のため、2012年2月8日AM6:00〜AM10:00の間、一時的に当サイトのご利用が出来なくなります。

 仮に、今回のメンテナンス時間の直前からプレイして、閲覧できない時間帯にスコア登録のcgiを作動させた場合には連動できず、せっかくの結果が正しく反映されないケースも想定されるため、上記のロスタイム(4時間程度)の間は、ご留意を願います。

 メンテナンスが終わり次第、またお知らせ致します。

2012年1月24日()

0:00 偽ぷよぷよ作業報告
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 組ぷよの操作のとき、『回転の中心になっているのがどちらのぷよなのか』を明示するため強調表示(縁取り)の機能を追加しました。

2011年7月27日()

13:40 AI-CPU対戦 偽ぷよぷよFlashの修正
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 ユーザ様から『AI-CPU対戦 偽ぷよぷよFlashの速度が落ちた』との御指摘を頂き、この改善を緊急かつ最優先事項として修正しました。ご迷惑をおかけ致しました。

 お手数ですが、キャッシュをクリアしてリロードをして頂ければ最新のビルドに差し替わり、速度の問題が出ていなかった一つ前の安定版ビルドの水準に戻ると思われます。よろしくお願い致します。

2011年1月24日()

偽ぷよぷよ作業報告
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(1)AI-CPU版の不具合の修正

 「すでに積まれているフィールドの直上で回転対象のぷよが下の位置へ遷移するとき、縦座標がマイナス1される動き」が仕様としてあり、画面外の最上段に積んである箇所を通過しながら回転を連打するとき、組ぷよの表示用テンポラリ座標として-1を使う場合があります。

 その表示用のテンポラリ座標に基づいてフィールドの色を取得しているコードが数箇所あり、座標がマイナス1を含むの場合の考慮に抜けがありました。

 AI-CPUが思考する時、上記の考慮漏れがインデックス境界の誤認識の元となり、予期しない動作のもたつきを起こすことがありました。今回のビルドでは、この不具合を修正しました。

(2)追加された機能

 隣接する同色のぷよをくっつける機能を追加しました。

2010年8月24日()

12:18 偽ぷよぷよ作業報告
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 AI-CPUとの対戦時、再試合を繰り返していると稀にAI-CPUが組ぷよを操作しなくなる不具合を修正しました。

 具体的には、ゲームオーバーの際、AI-CPU側の組ぷよが回転の中間位置を示す値のままロックされ、稀にそのまま次回の試合に遷移した場合、それ以降の試合でAI-CPU側の回転がリジェクトされ続け、その結果AI-CPUが見かけ上フリーズするのが原因でした。

 そこで、再試合冒頭の初期化において、上記のケースを回避する処理を追加しました。この修正により、AI-CPUの予期しないフリーズの機会を減らし、前回より安定した版になったと思われます。

2010年6月24日()

偽ぷよぷよフラッシュ作業報告
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 『偽とことんぷよぷよFlash』、『二人用 偽ぷよぷよFlash』、『AI-CPU対戦 偽ぷよぷよFlash』のそれぞれに下記の修正を実施しました。

 (1)ぷよぷよが消えて、それに伴って表示フィールドで落下処理が起きるとき、すでに表示されているオブジェクトをなるべく再利用し、毎フレームの座標の更新でremoveChild→new→ addChildという流れになる機会を約20%減らしました。

 (2)ぷよぷよ表示フィールドの走査で、不要な座標までも接着対象として調べていた処理を止め、組ぷよが接着した直後のフィールド走査時間を約50%減らしました。

 (3)その他、内部的には、Strictモードでコンパイルし、型指定の誤りやローカル変数の宣言箇所の誤り等、文法上いくつか残っていた潜在的な不具合要因になりうるミスを全て修正しました。

 上記の1〜3の修正により、前回(2010.05.05)のリリース版に比べswfのサイズが5%減りました。画面更新の機会も減りましたので、ごくわずかではありますが、操作感が軽量化できたと考えられます。

2010年3月14日()

08:20 偽ぷよぷよ作業報告
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 『偽とことんぷよぷよFlash』、『二人用 偽ぷよぷよFlash』、『AI-CPU対戦 偽ぷよぷよFlash』の三つにおいて共通して顕在化していた下記の不具合を修正しました。

 (1)組ぷよの左右回転時、斜め方向の中間位置を含む遷移をしながらフィールドに積まれたぷよに接着すると、場合によってそこでフリーズする(止まったままになる)不具合を修正しました。

 (2)下キーを押下したままの状態で組ぷよがクイックターンする時、意図した箇所へ接着しない不具合を修正しました。

 (3)下キーを押下したままの状態で組ぷよが左右回転をする時、中間位置でフィールドに積まれたぷよに接触すると、めり込みが起き、意図した箇所へ接着できない不具合を修正しました。

 (4)組ぷよが縦軸方向の中間位置に落下した状態で左右移動もしくは左右回転したとき、移動先の座標が意図した箇所と違って不自然に見える不具合を修正しました。

 上記の1〜4の修正により、前回(2010.02.14)のリリース版から導入された中間位置を取り扱う変更に伴って起きていた既知の不具合は概ね解消したと思われます。

 ブラウザに2010.02.14リリース版の旧いキャッシュファイルが残っている場合、お手数ですが、とことん・二人用・AI-CPUの各ページで再読み込みを実施して頂くと2010.03.14(Sun)の最新のビルドに差し替えられます。

2010年2月14日()

偽ぷよぷよ作業報告
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(1)ユーザ様から頂いた改善案に基づき、自由落下の速度を従来の約二分の一に変更しました。
・この変更により、1プレイヤーモードでは思考に使える時間が二倍に増えました。
・2プレイヤーモードでは、引き続き、手を決定するのが速い方ほど有利になると思われます。
・また、AI-CPUモードでEASYの場合、CPUが積みを決定するまでの時間が二倍になるため、難易度が下がりました。

(2)また、上記の変更に付随して、縦軸座標の分解能を二倍にすると共に、組ぷよを回転させる際にも中間位置を表示するように変更しました。
・この変更により、1P、2P、AIの全モードにおいて、組ぷよが回転している方向と座標の視認性が向上すると考えられます。

(3)AI-CPUモードもしくは2プレイヤーモードで10勝以上したあと★(勝ち星)の表示が消える不具合を修正しました。

2009年9月16日()

12:00 作業報告
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 偽ぷよぷよFlashの一人用・二人用・AI-CPU版における下キー押下時の落下速度を速めました。 この変更により、思考のロスタイムが減り、二人用・AI-CPU版では読みが早い人ほど有利な展開になると考えられます。

 また、二人用・AI-CPU版に勝ち星の表示機能を追加しました。まだ簡素な代物で決定稿ではありませんが、ひとつの目安として使用して頂ければと思います。

2009年8月7日()

17:12 作業報告
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 偽ぷよぷよFlashの一人用・二人用・AI-CPU版において、左回転でクイックターンする場合に組ぷよの表示位置が更新されない不具合を修正しました。

2009年6月7日()

09:58 作業報告
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 ユーザ様からご指摘を頂いた偽ぷよぷよFlashの一人用におけるZキーとXキーの不具合を修正しました。

2009年4月5日()

13:30 禁酒一周年
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 一滴も飲まない完全な禁酒を継続して一年が過ぎた。そうしたところ趣味の開発作業も以前に比べれば能率が上がり、体脂肪率が11%になりBMIが19になった。かつてフルマラソンのトレーニングをしていた二十代の頃の自分のサイズに戻ったわけである。

 適切な量なら百薬の長であり、人とのコミュニケーション用ツールとして使うと有用なこともある酒だが、筆者くらいの年齢になってしまうと、健康を維持するためには栄養素ベースとカロリーベースの双方の観点から真にバランスの取れた毎日の食事がどうしても必要になり、その実践において筆者の場合は酒とおつまみを日次のローテーションに入れるのを止めるしかなかった。

 そのように一年間の禁酒を続けてきたわけだが、精神依存も身体依存もなく飲まなければ飲まないで平然としていられるのがわかっただけでも収穫は大きい。もともとは好きだった酒だが、今では飲みたい欲求自体が事実上なくなった。

 飲まないで済む分、家計の黒字幅と貯金枠も増えたので、その一部を可愛い甥っ子ちゃんたちへのお年玉の原資にするとか、あるいは技術調査の費用にまわすとか、自宅のメンテナンスに充てるとか、そのように有効に使いたいものだ。

2007年10月19日()

22:15 旧世界のテクノロジー
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 16年程使用したレーザーディスク(LD)のプレーヤが壊れたので、区の定める手順に沿って処分した。

 LDは大きすぎてソフトの収納場所がかさむので、筆者も手持ちの作品をこの数年で少しずつDVDへ移行させてきた。
 それで映画などはだいたい移行できたが、『ストリートファイターII' 究極奥義編』だの『ストリートファイターII'ターボ 激闘乱舞編』だの、 そういったしょうもないLDソフトは愛着があり、なにしろDVDで再発売の見込みもない(この現代にそんな攻略ビデオの需要があるとは到底思えない)ので捨てられない。

 せめてキャプチャでもしておけば良かったが、先延ばしにしているうちにLDプレーヤは壊れ再生不能となってしまった。
 それでもLDコンパチプレーヤも市場にはまだあるし、そのうちまた観るまで、前述のゲーメスト系のLDソフトは保存しておこうと思う。このまま一生観ないかもしれないが、そうなっても人生にたいした影響はない。

 LDの記録様式は、差分をとったり高い圧縮をかけたりする発想が未発達だった時代の規格なので、 その物理的サイズも含めて無駄が多かったが、逆にそれゆえ微細な部分のブロックノイズが無いなどの長所もあった。

 今ではハードウェアもソフトウェアもLD全盛時とは比較にならないほど進歩して動画の圧縮や展開が高速になったので、高い画質を保ちつつサイズを小さくするのが容易であり、記録メディアも小型化の一途をたどった。その時代の潮流の中、LDは旧世界のテクノロジーとして忘れられていくが、 アナログセル画の連なりに適合した画質の味わいは長く記憶されることだろう。

2007年10月16日()

20:25 繰り返す愚行のルフラン
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 自宅での使用頻度が高いノート(MacBook)の液晶に、不注意で小さな傷をつけてしまった。これらは道具であり消耗品だから僅少な傷や汚れを気にしているときりがないので、意図的に忘れる。

 忘れる、などと言っておきながら、「(やはり液晶保護フィルム貼っておけばよかったな…)」と、クヨクヨ考え、保護フィルムの類を購入し、せめて向後の傷を防止すべく貼ってみる。 最近のこの手の製品はよくできていて、隙間の空気を押し出してフィルムを密着させるのも容易だった。

 しかし作業をする際、静電気で吸着されフィルムと本体の間に挟まった微細な埃があり、当然それを上からは拭いきれず、文字通り隔靴掻痒。

 結局はがすことにし、手間と費用が全く無駄になった。ノートPCを買い換える度に同じような愚行を繰り返している気がするが今回もそうだった。これからつくはずの微細な傷も受容して気にしないようにしたい(そして最初に戻る)。

2007年10月14日()

18:25 残響音含む
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 散歩の途中、何気なく立ち寄ったゲーセンに『ハイパーストIIThe Anniversary Edition』があった。郷愁に誘われコインを投入し、よどみなくザンギエフを選択。

 とりあえず好きだったII'の性能のザンギエフを…。スクリューパイルドライバーで吸い込む際の間合いや発生までのフレーム数が現代の感性に照らすと若干インチキくさいが、対戦台でなく一人台でCOM戦なので惜しみなく吸い込み続けた。

 設定の甘い台だったのでなんとかラスボスまでたどりつき、懐かしさの余りベガおじさんをかき抱き、スクリューで吸い込む。

 ストリートファイターシリーズで一番好きな効果音はダウンした時のボイスなので、ベガおじさんの断末魔を堪能する。『う〜お う〜ぉぅ〜ぉ (残響音含む)』無事にエンディングへ到達し、ゴルバチョフとザンギエフと一緒に、心の中でコサックダンスを踊る。

 スタートボタンを押しっぱなしにしておくと変化した政局に合わせてゴルビーがプーチンに差し替わるとか、そのような隠し要素があれば良いとも思ったが、このゲームの背景は1991〜1992年頃の話なので、やはりゴルビーでいいんだと自分を納得させた。

2007年6月26日()

19:56 ビリーズとAppleと、まい泉とマイセン
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A「ブートキャンプ、思ってたより凄く出来がよくてさ…」
B「私も始めた! すごいハマッてる」
A「あんなに軽快に動くなんて信じられなくて…」
B「すごいキビキビ動くもんねー」
A「結果的に、すごく安上がりだしね」
B「買ったときキャッシュバックも5千円あったし!」
A「逆にWindows機でもMacOSXが動くようになれば良いのにね」
B「ん いきなり話がぜんぜん違くなーい?」

 そんなように、インテルMac用BootCampのβ版と、ビリーズブートキャンプについて、飲み屋で会話するとき互いに何かを勘違いしたケースがあったら良いのにな、と思う。もし、そのまま何分も会話が続いたらすごいけど、まあ、数回の言葉のやりとりで、互いの思い違いに気づいて終わってしまうだろう。

 とんかつの「まい泉」と磁器のマイセンで、

C「わたし『まい泉』でよく食べるのよ」
D「あら〜 わたしも『マイセン』使ってるの」

 という勘違いをしたまま電車内でずっとしゃべっていたマダム二人を見た、と某コラムニストが大昔に書いていて、そんなこと確率的にありえないだろ、と思ったけど、ビリーズブートキャンプとBootCampβでは、普及率の高さにより、その手の齟齬が起こる余地が少しあると思う。(←無いよ…そんなのもよ…)

2007年5月28日()

 AI対戦ぷよ(ひとぷよ)で、危機に瀕したときの盤面評価に問題があったのを直した。これにより、攻められた時すぐに窒息するのが改善され、少し粘るようになった。

 この現在のAIは雛形ということもあり、取る戦術が階段積み速攻のワンパターンだけなので、結局プレイヤー側も小連鎖でつぶす戦術を選択せざるを得ない。大連鎖を打ち合う遊び方にも対応させるため、折り返しを含む長連鎖を組めるタイプのAIを作成するのが次の課題である。現在の手法の延長でその思考を記述できるかどうか実験を継続したい。

2007年3月8日()

 actionScript3.0でのサンプル作りの一環で、『巡回セールスマン問題』の解法の一例を作成した。

 遺伝的アルゴリズム(GA)の応用というと、その初歩に巡回セールスマン問題(TSP)への適用を考える事がよくある。単純で判りやすい問題だが、巡回ポイントが多くなるにしたがって経路の組み合わせが階乗で増えるので、現実的な時間内で解くためには少し工夫が要ることがわかる。

 経路の総当りをするより少しマシな手法を求めて古来いろいろなアプローチが考えられてきたが、ここではクラシックとも言えるGAを応用した例を書いた。GAは遅かったり、局所解に陥ったりして、コンピュータが困るその様子が逆に楽しいとも言える。

2007年2月21日()

 actionScript3.0でサンプルを作るため、手頃な題材としてas3.0版AIぷよ風味を作成した。

 以前から作成していたぷよ風味Flashゲームで、コンピュータが相手をしてくれたら良いなと思い、昨年末にAIのプロトタイプを実装した。当初as1.0で積みのアルゴリズムを書いていたが、その思考をするための計算量が次第に増え、フレーム更新のタイミング等で処理落ちが発生するようになってしまった。良い機会だからas3.0で書き直してみようと思い、とりあえず動くものを作った。

2006年12月14日()

 娯楽作品において、主人公が法制度の執行者という設定にすると、主人公側の最終的な味方がいわば国家制度であるため、話が展開していく上で敵の強さがインフレーションを起こした時にも、勝つときの合理的な説明がつけやすく、破綻しにくいと言える。その類型を強引にまとめると、古来では時代劇捕り物帖、近現代においてはヴァイオレンスポリスものなどで具体化されてきた作品のフォーマットになる。

 広く親しまれる一方で、このフォーマットは陳腐化しつつあった。だが、さらに時代が一巡りした結果、官側の主人公が敵を斬りまくるという設定を踏襲して、主人公を凄い美女にするという捻りを入れて新鮮な世界観を提示する作品がいくつか現れた。

 漫画にせよドラマにせよ、ある作品Aに似た作品Bを作ると、パクリだ、いやこれはオマージュだと論争になるが、さらに次々とその亜流C、D、Eが生まれていくと、その動きは図らずも「Aモノというジャンル」を新たに形成してしまう事がある。官側の美女が斬りまくる作品も、小山ゆう の『あずみ』(1994〜)に端を発し、今そのジャンルの形成期にあると個人的に考えている。

2006年11月20日()

 かつて原哲夫が、隆慶一郎の『一夢庵風流記』に材を取り、『花の慶次』に昇華させたのは1990年のことであった。当時、少年誌で時代物は当たらないという古いジンクスが残っていたが、『花の慶次』はそのような先入観を覆し、約3年間にわたり安定した人気を保ち連載をまっとうした。原哲夫作品群の一つの節目であり、漫画史において新境地を開いた傑作である。

現在、南條範夫の『駿河城御前試合』を原作として、山口貴由先生は『シグルイ』を描いている。『覚悟のススメ』や『蛮勇引力』では緊張と弛緩を心地よいリズムで配した山口先生だが、今回は弛緩の要素を取り除いた圧倒的な緊張感のみで作劇を見せる。込められた情念は、完結した原作があるにも関わらず読者が何処へ連れ去られるのか不明なほどの激情である。

 今のところ、原作者が作画者と最晩年に出会った点のみが『花の慶次』と『シグルイ』で共通しているが、『シグルイ』もまた、山口貴由先生が新しい飛躍を見せた名作で、漫画史に大きなマイルストーンを加えた、と後年語られることは想像に難くない。

(文中、敬称略)

2006年9月8日()

21:15 原哲夫作品考

 原哲夫さんの『公権力横領捜査官 中坊林太郎』や『アテルイII世』などは、同氏の他の代表作に比べると、知名度は低めで、怪作のカテゴリーに入ると思われる。

 この二つの作品では、実在する人物から着想を得たと考えられる作中人物が多数登場する。

 著名な政治家や役者によく似た顔の人物が次々と出てきて、銃で撃たれたり、奸計をめぐらしたりするのだが、原先生の高い画力が良い意味で間違った方向に発揮されていて楽しい。元になった人物の思想や信条までは作中に持ち込まず、あくまで「顔がちょっと似ている人が出てくるだけ」に留めている。そのため風刺の要素が極小で、娯楽作品として成立しているので、ニュートラルな気持ちで楽しめる。

 本筋を一通り理解したあと、作中人物の顔のモデルになった方々が原哲夫劇場で演技をしているというメタ視点で、また別の楽しみも享受できる。一粒で二度美味しい作品だ。

 連載終了から6年以上経った現在、現今の政治情勢や経済事情を加味して『公権力〜』を読み返すと非常に感慨深い。

 原哲夫先生が、この手の怪作をまた描いてくれることを待望する。次にモデルにされる人物も、どんな描かれ方をしようとも、大人らしく笑ってスルー。そんな平和な日本であってほしい。

2005年10月26日()

18:28 球の速度についていけない

 筆者は小さい球を使うスポーツがヘタなので、例えば卓球のうまい人同士の試合を見たりすると、感動し畏敬の念を覚える。

 自分が趣味でやるスポーツとして中長距離走や水泳を選んできたのは、高速な思考とか反射神経を要求されない点が肌に合っていたからだと思っている。

 好きでやってきた落ちものパズルゲームでも、高速な思考を要求される対戦ではあまり強くなれず、黙々と長連鎖を積み込む一人遊びを好んでいるのにも、そういった背景があるのだと最近気づいたのだった(まあ、どうでもいいような考察だが…)。

 子供だった頃、少年野球やバスケをやっている弟が、マリオを巧みに操って軽々とゲームをクリアしていくのに、自分はすぐ穴に落ちたり敵にぶつかったりして先の面へぜんぜん進めなかった。そんなことを今でも懐かしく思い出す。

2005年5月19日()

18:55 偽とこぷよ

 以前にとこぷよアプレットとして書いていたものをFLASHへ移植してみた。とりあえず基本的なところだけでも動かしたいと思い、場当たり的にコードを書いた。

2005年1月17日()

20:59 副長のヤリチン考

 そんなに熱狂的ではないものの多少はスタートレックシリーズのファンなので、地上波で深夜に放映されているDS9を最近は観ている。少し前にやはり深夜にやっていたネクストジェネレーションもよく観ていたものだ。二年くらい前にいた職場で、同じ趣味の若者とネクストの話をするとき毎回決まって「ライカー副長はけっこうヤリチンですよね」「そうだな、副長はヤリチンだよな」
という話題を繰り返していたのを思い出す。お互い理系であったのでSF的な考証なども少しは話したような気もするが、いま思い出される彼との会話といえば副長のヤリチンのことだけである。

 現在より数段に科学が進歩したあの時代にあっては、電脳を使った仮想現実における性欲処理の手段等が精緻を極めてゆく。そのような退廃的な風潮の中、あえて生身の女性と温もりある人間本来の愛情を育むことがライカー副長の自己同一性の追求なのであろう。などと良心に基づいて無理に解釈をしてみたが、一言で言えば未来でもやはりヤリチンはヤリチンなのだ。

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