お父さんのエッセィ

『曇り空と夢と猫と』(2000/03/03))


『曇り空と夢と猫と』


わたしは、時々空を飛ぶ、、、夢を見る。
夢だから結構ふわふわ飛ぶ。

ウルトラマンのようではなく、
宗教家のようでもなく、
ゆっくりと自由に飛ぶ。

しかし、昨夜はハングライダーだった。
当初はインストラクターとタンデムで、
その次は単独飛行と進歩した。
土砂降りの雨の中だったり、雪の空だったり、、、
そして気がつくと
なぜか、巨大施設の屋内を飛んでいるのだ。
どこの金持ち?がこんなけったいなものをつくったのか。
目の前に窓が見える。
外に出たい、出たい---のだが、どうすればいいのか、、、
むなしく旋回する私。
そこで目が覚めた。
寝汗がひどい。。。

いつもの飛行夢とちがって、気が滅入った。
なぜ自由に飛べないのか?
飛ばさせてくれないのか?

暗い気持ちで、愛猫に聞いてみた、、、、
なぜ、自由に飛べないのか。。。

彼女は私をなぐさめるではなく、噛みついてきた。
おいおい。

そうだった、、
猫族とつきあうときは、むやみに弱みを見せては行けないのだった。
前向きで、強気に、そしてしなやかに。
愛猫は私にそうした基本をつきつけなおす。
最低の朝を救ってくれるのは、やはり猫------とひとりごちしてみた。
出勤の身支度を整えると、
もはや彼女は知らん顔。
FFストーブの上で朝寝の体勢だ。

あくまでも猫道に忠実な奴。

諦観にも似た眼差しを送って、
わたしは
閉塞感の元凶に向かって出勤した。。。


(2000/03/03記す)