お父さんのエッセィ

『南部蒼天10』(2002/010/13)


『一年』


 前回のエッセーで、季節の話題を書きましたが、妻にたしなめられました。。。菊は、近所のスーパーに売っているそうですし、彼岸花も、その辺に咲いてました。ちなみに赤い彼岸花の、こちらでの通り名は、サプライズ・リリーだそうです。なにか、解りやすい名前ですね。
 花音痴の私は、花のことを書くべきではありませんでした。

 さて、今回は、私の在米1周年を記念して、この一年で社会勉強した成果??をまとめてみました。

題して、

アーカンソー生活事始め
==入国後・落ち着くまで、また日常の異文化の理解のために==

【前書き】
 アーカンソーに来る日本人研究者は、年に数人ですから、本文は、実用にはなりませんが、時間のある方は、異文化理解のために読んでみてください。なお、入国前後の旅行記はエッセーをご参照下さい。以下、ほとんどのdetailは妻の経験談の引用です。また、全部書いてから、留学研究者の手引き(成書)を見つけたのですが、本文はそれとほぼ同じ(そっちの方が、正確)だと、気づきました。興味のある方は、そっちも読んでみて下さい。

羊土社
ひつじ科学ブックス
さぁ、アメリカ留学!
子持ち夫婦の大学院留学奮闘記
東原和成・東原奈美 著 1997年

さて、

★職

【ビザおよび就労許可について】
 一般に
一部の留学生や研究者は、J-1
その家族は、      J-2
就労ビザは、      H-1B
日本企業の駐在員などは、E-1 etc.
一般の学生は、     F-1
らしいです。詳しくは http://www.challengeUSA.com/ 等を参照下さい。テロ後、いずれのビザの取得にも、非常に時間がかかるようになっていると聞いています。。。

 学生とJ-2以外、すなわちアメリカで収入を得る必要のある人は、入国後、ソーシャルセキュリティナンバー(SSN#)の発行を申請します。窓口は、会社の人事部、そしてお役所はSSA(Social security administration)。テロ後、事務処理期間は常に変動していますが、少なくとも一ヶ月はかかります。SSNは個人の身分証明番号の一種であり、かつ、アメリカで収入を得るための税制上の登録番号です。投資家ビザの人は別格ですが、一般にはSSNが手元に届く(SSAから郵送されてきます)までは地元企業では正式採用ではありませんので、公の給料をもらえません。
 いっぽう、J-2保持者が働くためには、まず、就労許可をINS(Immigration and Naturalization Service)に求めます。就労許可カードを入手した後に、SSNを申請します。就労許可発行までの事務処理には半年ぐらいかかります。その後SSNで一ヶ月の待ち時間があります。
 J-1保持者は最初の2年、税制上優遇措置(無税)がありますが、3年目から普通に税金を天引されます。税制上の優遇措置を受けられない方は、家族のSSNもしくは税金登録番号を、早めに取得しておきます。事務手続きに3ヶ月かかりますが、これらの番号があれば税金の還付等に有利な場合があるそうです。番号請求の窓口は、連邦の税務部門だったと思います。2年以内の留学で、J-1保持者の場合、州税・連邦税の申告は、行っても行わなくても態勢に影響ありません。しかし基本的には、税の申告はまじめにやっておくべきでしょう。

★経済活動

【お金】
 空港で両替すると、100ドル紙幣などをもらえますが、日常でこれを使用すると嫌がられることがあります。お釣りをたくさん用意していない店もあります。で、現金を持つ本人の安全のためにも、20ドルよりも高額の紙幣は、使う目的が明確な場合以外は持ち歩かない方がよいでしょう。町中で財布を開けて中身を確認する(他人に見られる可能性のある行為)こともいけません。クレジット・小切手やデビットカードが使用可能なら、1ドル紙幣・5ドル紙幣・小銭等、当日に使用する必要十分額ぐらいをもって歩けば良いでしょう。
 ちなみに、強盗・かつ上げに命まで持って行かれないための工夫は、提示しやすい??ポケットに、大人なら5ドル、子供なら1ドルを入れておいて、脅されたら、『このポケットにカネがある』とゆっくりとゼスチャーすることだそうです。その時は、相手に対し、敬語を使うとよい??そうです。

【クレジットカード】
 日本で作った国際カードでもいいですが、店によっては、国際カードが何故かうまく機能しないことがありますし、限度額無制限のカードは落としたり、盗まれたり、コピーされたりするとやっかいですので、日常使用目的にカードを作ると良いです。日本のカードは、ほとんど円決済なので、為替レートが悪いときは、当然、損です。ただ、当然ながら初めは当地でのクレジットヒストリーが無いので、クレジットカードの作成を、断られてしまうことがあります。留学者用のJALファミリー倶楽部カードという手もあります。一旦クレジットカードの使用を始めれば、半年も経つと、ゴールド・プラチナカードの案内が来ます。当初はクレジットを断られるのに、半年後には上得意様ということらしいです、、、腹が立つほど現金な社会??です。

【銀行口座】
 小切手・デビットカードの作成、給料の受け皿として、銀行口座は重要ですね。着任後、直ちにやるべきことの一つが口座開設です。外国人(留学生、留学研究者)の口座開設を断る銀行もあります。当地で言えば、Resion Bankは不可で、Bank od AmericaはOKでした。あらかじめ経験者に聞くか、そうでなければ、断られても、へこまずに、2,3銀行を回りましょう。とりあえず、手持ちの金や、日本の口座の金を入金し、仮小切手を発行してもらったら、経済活動を開始できます。身分証明等の必要提示項目はあらかじめ聞いておくといいですが、最低限パスポートは持っていきましょう。グリーンカードのない人間は利率の面で不利だったりしますが、仕方がありません。現金な社会ですので、たくさん預金すると、また、たくさん預金していると、行員の愛想が良くなります。ある程度以上の額を口座に入れると、無料で小切手帳を作ってもらえます。小切手の書き方は、結構要領が要ります。実際に使用する前に、しっかり習っておきましょう。ちなみに、口座は総合口座の場合もありますが、チェッキング・アカウント(小切手口座)とセイビング・アカウント(貯蓄用口座??)に分かれていたりもします。前者は日常の小切手使用や現金引き出し用で、後者は利率が少し良い貯蓄用の口座です。チェッキング・アカウントの残高に気をつけて、たまに、お金を移動(セイビングからチェッキングに)させる必要があります。
 いっぽう、小切手をお金代わりに、もらった時は、有効期限内に、現金化するか、自分の口座への入金手続きをします。銀行に行って、小切手の裏にサインして、要求を頼むだけです(自己の口座への入金の場合、自分の小切手帳を一緒に提示し、デポジット・プリーズと頼みます)。
 金曜は夕方まで営業していて便利です。

【年金制度】
 退職金の積み立てのような制度があります。雇用時に説明があるはずですので、リスクとリターンから自分で契約内容を選択します。短期留学の場合、ほとんどメリットはありませんが、決まり事なので、、、なるべく損にならない契約にサインします。

【チップ】
 未だによく分かりませんが、ガイドブックに従って、各種チップを払います。レストランでは、15%前後でしょうか。チップを置かない地元民もいたりします。建前としては、サービスが良いと感じたら多めに、ダメだと感じたらゼロでも良いのでしょうが、チップをもらう職業の人は、一般に基本給が低く、チップは生活費の一部なのだそうです。店によっては、チップを勝手に決めて、請求書に書いてあったりします(チップ押しつけの店)。非常に不快ですが、仕方がないので、言い値を払います。クレジットカード払いでは、チップを記入する欄があります。チップ押しつけの店で、クレジットを使うと、チップを二重に請求されることがあります。その場でクレームをつける必要があります。

★住

【住居】
 着任当初は、ホテルや、上司の家にステイしたり、寮に入れてもらったりしますが、銀行口座を開設したら、早々に家・部屋を探します。無料の情報誌、冊子が道ばたのボックスやスーパーにおいてあります。インターネットでも検索できます。各種割引(ネットクーポン、会社名での割引、季節割引)を利用しない手はありません。料金は、基本的に、部屋数と安全性そしてユーティリティで決まります。ちなみに、年収によって、居住地区の棲み分けがなされているようです。安全そうな地区、教育に有利な地区等を地元の人に聞きましょう。建前としては、赤ちゃんは別にしても子供一人一人に一部屋をあてがう必要があります。職場、学校、日常の便を総合し、地区を決め、物件を見て回ります。その地方の勝手が分かったら、貸家に住んだり、中古住宅を買う(いずれ売るにしても、そんなに価格は下がらないようです)のも良いかも知れません。

★交通

【車の購入と登録から運転まで】
 大都市では自家用車の必要性は、??ですが、田舎では必須です。必須なので、銀行口座を作ったら、早めに車を買いに行きます。新車なら、値段はほとんど決まってますが、中古車は、当然ピンキリです。ネットで、車種・年式からおよその中古価格が分かりますので、見当をつけて買いに行きます。値段交渉は日本人にはほとんど不可能です。儲けたと思っても、販売員がニコニコしているのが普通です。地元の人についていってもらうか、店によって扱っている車種・年式・値段に特徴がありますので、目的の車のある店を選び出すのが最重要でしょう。中古車は一般にメーカー保証(3年もしくは3万マイルなど)が切れますと、現状渡しで買うことになります。試乗し思いついたクレームは全て言ってみること、夜は車の細部が分からないので、購入を決めないこと。買ってしまったら、修理は自分持ちになります。個人売買は、中古の市場価格より、安めの価格設定が魅力ですが、相手が信用出来る場合を除いては、お勧めできません。車台ナンバー(VINナンバー)がわかれば、ネットでその車の修理歴を知ることが出来ます。消費者保護のため、修理費総額が一定価格以上の車はメーカーの責任で修理をしてもらえる制度があるそうですが、詳細は把握していません。

 車を購入したら(新車のことは経験がありませんので知りませんが)、自分で地方のレベニューオフィスにいって、登録申請し、ナンバープレートの発行を受け、自分でナンバーを取り付けます。車の価格に比例する、数百ドルの登録税を払う必要があります。ちなみに、ここのお役所はクレジットカードを受け付けてくれませんでした。現金や小切手が必要です。車両登録証はサインをして、家に保管します(車においておくと、盗まれたときに即、売り飛ばされます)。また実際に車を動かすためには、自動車保険が必須です。当地には自賠責保険はありませんが、自動車保険を携帯しないで車を運転するのは違法ですので、保険の契約をして、ファックスコピーでも良いからすぐに送ってくれるように手配する必要があります。車は売ってもらえますし、ガソリンさえあれば動きますが、無保険の車や保険を積んでない車を運転するのは違法ですし危険です。。。

 資格としては、国際免許でもOKです。ちなみに、交通違反の場合、国際免許の外国人で、英語が分からない振りをすると、有利な場合があります。。ただ、居住者には、国際免許の失効期限(一年)より前に、地元免許の取得が義務づけられています。当地では30日以内です。誰も厳密には調べませんけど。。。

【自動車免許】
 免許取得は二段階。その1は、マークシート式のペーパーテスト。テキストを精読しましょう。経験者から既出問題を聞くのが常道です。交通法規のテキストは、免許試験場で無料でもらえます。その2は、路上試験。ペーパーテスト合格の一ヶ月後、自分の車を持っていって???、試験官(警官)をのせて、指示通りに10分ほどドライブします。合格なら、その直後にIDがもらえます。

【自動車保険】
 留学者、外国人?は地元民の使っている一般の保険は利用できないと、言われて、こっちに赴任しました。日本語サービスをもっている特定の会社を紹介されましたが、中国人は普通の会社と契約していました。とっさの事故では日本語サービスは貴重ですが、まあ、がんばり方次第でしょう(我が家の交通事故体験記参照下さい)。契約は半年ワンクールですので、期限切れに注意。ちなみに、、『バンパーtoバンパー』とはall includeの意味。ちなみに私の保険では、相手の車両の保証の項目は、property、自分の車の保証の項目は、collision、免責はdeductable、、、でした。わかりにくいです。高級車は保険も高いわけですが、警報機付きの車には割引があったりと、細かな設定があります。

【交通違反】
 州によって交通法規は微妙に違いますが、お巡りさんのやっていることは、ほとんど日本と同じです。レーダー探知機使用はワシントンDCなどでは違法です。ねずみ取りの方法も多様ですが、最近のモノは、スピードガン形式なので、ねずみ取り探知機を使っていても、やられます。アーカンソーでは制限速度+10マイルが安全限界らしいですが、テキサスは+5マイルぐらいでしょう。。。つかまったら、英語が分からない振りをして、国際免許を出してみましょう。勘弁してくれる場合があるそうです。。。不運にも切符をもらったら、数日後に、切符の裏にある連絡先に電話して、罰金の金額と支払方法をたずね、郵送するのが普通です。気に入らなければ裁判所に行って文句を言うことも出来ます。子供に優しい国なので、チャイルドシート等の違反は比較的割高です。違反歴は、記録され保管され、保険会社にも報告されると聞きましたが、詳細は不明。I will find it soon.

【交通事故】
 ここアーカンソーでは、道を歩いている人はそんなにいません。土地は広いので、歩いての移動はナンセンスなのです。それに、夏は暑くて、歩けません。ですから、事故といえば、たいていは車対車の事故でしょう。事故が起こったら、車をその場に止めて、もしくは交通の邪魔にならないところに動かして、警察を呼びます。レッカーはトーといいます。必要に応じて救急車も。ちなみに救急車は乗ると有料です。事故の責任比率はおおむね、100対0、すなわち、どちらか一方が悪いという風に警察官が決めて、悪い方が切符をもらいます(そういう経験しかありません、、、)。その場での必要書類は、免許証と保険証書です。自動車保険くれぐれもお忘れなく。切符をもらったら、切符の処理方法を警官に聞いておきましょう。保険会社には事故歴の報告がなされ、罰金を払っても、半年ぐらいは執行猶予の身分になるらしいです。刑事案件はこれでおしまい。  その後の処理。その日のうちに、自分が加害者でも、被害者でも、自分の契約している保険会社に連絡を入れます。必要情報は事故の詳細(地理・天気から車のダメージまで)、相手の詳細(車種から保険まで)と、警官の名前と事故報告書ナンバーですが、報告書ナンバーは事故直後には分からない場合があります。自分が加害者の場合は、保険会社は真剣に仕事を始めます。被害者の場合は、自分の保険会社は、『自分の仕事ではない』という立場ですので、被害者なのに逆に冷たくされてしまいます。交通事故の民事訴訟は、加害者ではなく、加害者の保険会社に対してなされますので、事故現場から離れたら、被害者・加害者は基本的には一生顔を合わせません。被害者がいちいち自分で手続きをするのは理不尽なので、弁護士さんに連絡して、お願いしましょう。人身事故の被害者であればなおさらです。物損のみなら、保険会社の査定を待って修理です。車の修理は、automobile body repairの店に頼みます。レンタカーが保険でカバーされていることが多いです(被害者なら絶対)。さっさとレンタカーを手に入れて、日常生活をこなしながら、有形無形の後処理に励むしかありません。

【駐車場】
 何処でも、一番良い場所は身障者用(日本ではハンディキャップといいますが、こちらではディスエイブルといいます)の駐車スペースで、身障者ナンバープレートか、身障者用のタグのない人は、止めません。紳士的です。違反すると罰金は高いです。
 路上のパーキングメーターは、必要時間に応じて5セントから使用できます(数少ない5セントの使い道の一つ)。係り員のいない一般駐車場では、自己申告でお金を入れるパネルが設置されています。お金を入れない強者もいます。良心に期待するシステムはアメリカでは珍しいですが、人件費の節約でしょうか。

【公共交通機関・都市間交通・等】
 バス:catという公のバスがまわってます。バス停には、catの表示のみで、路線図や時刻表はついてません。まだ、利用したことありません。。悪しからず。皆、気長に待ってます。都市間バスのターミナルもダウンタウンにあるようですが、利用したことはありません。
 タクシー:yellow"の"taxiなど、時々見かけますが、ごく少数です。町中で流しのタクシーを拾うのは不可能です。電話帳で調べて、電話で呼び出すしかないと思います。
 列車:アムトラックの駅はありますが、旅客便は週に二本というウワサです。これも良く知りません。
 飛行機:日本へは航空各社のハブ空港を経由しないと行けません。
 車:町中生活は車が必須。ちなみに、隣町などへ行きたい時も、、、車でしょうかね。テキサスとの州境(テキサカーナ)まで2時間、ダラスまで5時間、ヒューストンまで7-8時間。ミズーリとの州境(ハリソン・ブランソン)まで4時間、セントルイスまで6時間。テネシーとの州境(メンフィス)まで2時間、ナッシュビルまで5時間。一番近いカジノまで2時間半(アーカンソーにカジノなし)、ルイジアナのニューオリンズまで8時間というところ。海を見たければ最低7時間。高速道路を乗るにも根性が要ります。

★生活(順不同)

【病気・医療保険】
 留学前に歯の治療は済ませておきましょう。医療保険は雇用主から案内されますが、右も左も分からないのに登録された医者のリストの中から、主治医を決めなくてはいけません。その日から、見たこともないその医者が主治医です。医療保険上、歯科と婦人科は別扱いのようです。医療コストは高価ですので、契約内容を良く検討すること。私は医者ですから、考えられる薬はほとんど持参しています。場合によっては日本から取り寄せです。医療保険を契約し、契約内容を記したカードが郵送されます。保険カードはもしもの時のために持ち歩きます。救急車に乗せられたときは、会話可能なら、便のいい病院を指定しないと、野戦病院のようなERに送られます。病気によっては保険のカバー外ということもありますので、救急でなければ、病院にあらかじめ問い合わせ、カバーされた病気なら、予約を入れることになります。

【予防接種】
 大人は、医療関係の人間以外は、予防接種は関係ないと思いますが、いかがでしょうか?私は、医学部勤めなので、二・三注射を打たれました。医療関係の留学の方は、予防接種の履歴を英語で作っておくと、よけいな注射を避けられます。私は、留学前に考えられる注射を日本で自前で注射しましたが、結局、必要なら打たれるわけですので、前述の書類を整えるだけで良いのかも知れません。
 子供には、日本同様に(日本以上に)細かく予防接種の決まりがあります。子供を学校やディケアにあずけるためには、予防接種の証明が必須です。子供への接種時期は、外国人に積極的にアナウンスされているわけではありませんので、子供の主治医が決まったら(医療保険の契約後の意味)、一度予約を取って、顔見せに行き、必要な接種項目とスケジュールを聞いておくべきでしょう。保健所にも窓口があります。よけいな注射を避けるために、留学前に英語版の母子手帳を手に入れて、記入しておきましょう。小児科医の友人が詳細を知ってました。ちなみにこっちでは、一度に2,3種類いっぺんに注射されます。一回に1種類のみという日本の常識は合理性がないらしいです。子供は痛そうですが、、、。
 ちなみに、日本では、聞かなかった種類の予防接種もあります。HIB(ヒブ)というのは、インフルエンザ菌(ウイルスではない)の予防接種で、これのなかった昔は小児で結構死亡者が出てたそうです。日本の現状を私は知らないのですが。。。

【電話】
 アメリカでは、基本的に市内通話は無料ですので、自宅に電話を引くべきです。インターネットのためにも。ただ、契約内容にはよくよく注意する必要があります。だまっていると、ベーシックという名前の、いろいろパックされた契約を勧められます。携帯電話はセルフォン。公衆電話もそこいら中にありますが、会社によってかけ方が違ったりしますし、行動範囲の広い自動車社会なので、携帯はあった方がいいかもしれません。ポケットベルはページャー。

【身分証明】
 クレジットカードや、小切手の使用、またお酒の購入に身分証明(写真付きID・フォトID)の提示を求められることがあります。国際免許やパスポートは日頃持って歩くには、不便ですので、少し街に慣れたら、運転免許をもらいに行きましょう。テロ後、制度が変わって、免許の即日発行制度が無くなってしまいましたが、外国人が一番取得しやすい、フォトIDの一つが運転免許でしょう。着任から免許取得までの当地での最短記録は私が持ってます。『運転免許は不要だが、IDは欲しい』という場合は、運転免許の発行所(レベニューオフィス)で運転免許もどきのIDを発行してもらえます。見た目そっくりですが、運転免許ではなく、ただのフォトIDで、もちろん有料です。後で、運転免許を取った場合、運転免許の発行料は、その分安くなります。

【学校】
 小学校(エレメンタリー)は、下の学年から、『pre-K:キンダーガーデンの前の学年の意:託児所と同等と考えても良いかも知れません』、『K:キンダーガーデン:日本の一年生に相当』、『first grade:一年生:日本の2年生に相当』、等々です。8月下旬から新学年が始まりますので、誕生日でどの学年に相当するか、確認する必要があります。住居を決める前後に、その地区の学校の詳細をスクール・ディストリクト・オフィスに問い合わせます。中途編入は、随時ですので、地区の学校に出向いて、空席の有無を確認して、編入手続きをします。英語が母国語でない場合、テストをされることがありますし、編入を断られる場合もあります。それでも、編入してもらいたいときは、頼み込むしかありません。地区を限定していないマグネットスクールという学校は、編入を断らないようです。英語能力によっては、学年を下げられる場合もあります。留年もあります。新入学の予約手続きは毎年1月か2月だったと思いますので、予定がある場合は、時期を失しないように気をつけて手続きします。日本のように行政側からの案内というのはありません。
 小さい子のためには、小学校の他にも、一般の託児所、pre-K、塾もあります。必要なら行ってみて、編入交渉しますが、人気の施設は1,2年待ちということもあります。子供は成長するので、1,2年待つのはナンセンスですね。おそらく、生まれたらすぐに予約するのが普通なのでしょう。。有名施設にどうしても編入したければ、ねばり強く頼み込むしかないようです。
 学校編入のあと。。。
 朝、教室が開くのは、始業時間の10分ぐらい前です。それまでは校舎に入れません。校庭で待たされます。不要な時間に教室を開放すると、悪事を働く子供が要るということなのでしょう。映画でよく見る黄色いスクールバスは、キンダーから利用可能です。カバン:透明なカバンしか許可されていない学校もあります。凶器を持ってくる子がいるためらしいです。大きな子の場合は選択教科のある場合があります。カウンセラーの先生とよく相談し、生活時間・学力、滞在期間等を考えて、選択します。宿題は結構出ます。きちんとこなさないと、成績に関わります。
 職員室は存在せず、それぞれの先生の教室を、生徒が渡り歩くことになります。
 昼食は、お弁当(サンドイッチや、市販のランチパック)を持っていくことも出来ますし、学校で買うことも出来ます。ピザやハンバーガーだったりします。昼食時間は結構短いので、慣れないうちは完食できなかったりします。残りは、捨てられてしまいます。食中毒への警戒でしょうか??
 夕方の居残り教室は、アフタースクール・プログラムといいます。学期が始まる前に予約が必要。引き取り時間に遅れると、課徴金を取られます。
 オープンハウスという行事が、学年期の始めに催されます。参観日ではなく、先生の顔を見に行く日です。学校内を見学できる数少ないチャンスです。
 学校行事への支援や、寄付等は、熱心に成されているようです。協力を求められます。
 休日。国民の祝日は結構あります。他に、学校独自の休みも数日あるようです。感謝祭やクリスマスは、土日の休みも絡めて、4-5日の休みになります。他に出自や宗教による少々個人的な休日もありますが、学校は公には関知していないようです。  冬休みはほとんどありません。学期末の休みもあっても一日ぐらいです。
 5月末に学年が終了すると、8月下旬の新学年スタートまで、約3ヶ月の夏休みです。子供はその間に、お馬鹿になりますので、サマースクール(補習授業・趣味の講座)、サマーキャンプに参加させます。

長くなりました。次回に続きます。
ちなみに、私はもちろん毎日まじめに働いています。
(2002/10/13記す)