お父さんのエッセィ

『南部蒼天11』(2002/12/11)


『次年』


アーカンソー生活事始め(第二部)
==入国後・落ち着くまで、また日常の異文化の理解のために==

【前書き】
アーカンソーに来る日本人研究者は、年に数人ですから、これは、実用にはなりませんが、おひまな方は、異文化理解のために読んでみてください。

入国前後の旅行記はエッセーをご参照下さい。
以下、ほとんどのdetailは妻の経験談の引用です。

また、全部書いてから、留学研究者の手引き(成書)を見つけたのですが、本文はそれとほぼ同じ(そっちの方が、正確)だと、気づきました。興味のある方は、そっちも読んでみて下さい。

羊土社
ひつじ科学ブックス
さぁ、アメリカ留学!
子持ち夫婦の大学院留学奮闘記
東原和成・東原奈美 著 1997年

また、アメリカ人とアメリカ文化については、一年住んでみて非常に共感できる本が『解り』ました。これもご参考にしてください。

河出書房新社
カルチャーショック06
アメリカ人
エスター・ワニング著
篠原勝 訳 1998年

★生活のつづき
【気候】
 テレビを見ていると、時折トルネード警報が発令されたりします。watchは注意報、warningは警報と考えて良いようです。発令されたら、天気専用チャンネルを見ます。トルネードの詳細が分かります。直撃されそうなときは、部屋の窓を開け、家の中央の部屋や、地下や、バスタブの中に身を伏せるのだそうです。
 サンダーストームも頻繁です。よく、そこらの木に落雷しています。普通の雨でない様子の時は、傘をさすのは危険です。ゴルフ中に警報が鳴ったら、すぐにクラブハウスに逃げ帰ります。
 雪。年に一回でも降ればすごい方。その日は暗黙のうちに職場も学校も休みになります。アメリカでは車には夏タイヤしか許可されていません。雪でスリップして事故起こしても、自分の責任ですので、仕事を休んでも、基本的には誰にも非難されません。

【日本人学校】
 知古の範囲では義務教育年齢相当の日本人子弟は10人ぐらいしかいませんので、日本人学校はアーカンソーにはありません。隣町??のメンフィスには、日系企業がスポンサーの日本人学校(土曜日のみ)があります。現実には日本の教育は、家庭レベルを超えるのは難しいです。参考書や問題集やドリルをネットで注文し取り寄せるしかないでしょう。日本の教科書は、領事館に依頼すれば、送料のみ負担で手に入れることが出来ます。当地担当の領事館はニューオリンズにあります。領事館は、積極的にこの辺のサービスをするほど、暇ではないようです。接待にはお金を使っているというウワサですが、これはまた別の話。。。

【留守番】
 保護者なしに、13才未満の子供だけで、留守番させるのは、犯罪です。13歳以上の兄弟がいなければ、ベビーシッターを頼む必要があります。

【新聞】
当地では、無料の新聞が週一回発行されてます。
有料紙の日曜版は、クーポンがいっぱいついていて、元が取れるそうです。

【娯楽】
 プロスポーツは、、野球チーム;アーカンソー・トラベラーズ(AAA相当)。アイスホッケーチーム;アーカンソー・リバーブレイズ(アリーナあり)。フットボールチーム;レザー・バックス(スタジアムあり)。等でしょうか。それぞれ季節のモノで、その時期には盛り上がります。フットボールの試合が地元で開催される日は、競技場の隣のゴルフ場が、駐車場になってしまいます。芝はボロボロになりますが、気にする人は少ないです。そこに止まる車は、みな、チーム・マスコットの赤いイノシシの旗を飾ってます。一般人??が、この日だけは大変身です。日本で例えれば、大晦日の暴走族に似ているかも知れません。
 アマチュアスポーツは、、お好きなモノをどうぞ。かも撃ち、乗馬、四輪バギー、つり、ボート、ジェットスキー、サイクリング、マラソン、エトセトラ。ちなみに、ゴルフコースは、我が家から車で2分。ハーフコースなら一人10ドルです。スキーは、州内では、ほとんど現実的ではありませんね。
 夜の部は、危なそうなので、良く知りません。。。コンサートホール(アーカンソー交響楽団)、しゃべくりコメディー劇場、クラブ、等でしょうか。酒場もありますが、ひどい酔っぱらい運転は出来ませんし、治安の問題もありますので、家庭外で泥酔するような幸せな??状況はなかなか無いでしょう。無難なのは映画とか、レストランで食事とか、友人とのバーベキュー(BBQ)パーティぐらいでしょうか。。。結構淡泊です。映画はとても種類があります。安いモノは一人1ドルポッキリです。
 ほかに、季節季節の行事(ステート・フェスティバル、ハロウィーン、クリスマス、その他諸々)は楽しいですし、文化の理解に欠かせません。

★食
食は、知識のある人に聞いて、自分で試すしかないでしょう。
【アルコール】
 この週では、日曜日は、お酒を買えない日になっています。他の日は、買えます。が、基本的にはレジでID提示を要求されます。要求されないこともありますが、求められたら、あわてずに免許証を提示しましょう。地元産のワインは、安くて美味しいです。ちなみに、ドライ・カウンティといって、お酒をいっさい販売していない地域もあります。

【レストラン】
 東洋系。和食を標榜するレストランが、当地に数件あります。どの店も安くはありません。鉄板焼きステーキは、HIBACHIといいます。庶民的日本食(うどん、そば、ラーメン、お好み焼き、カレーライス諸々)は絶望的です。自分で作るしかありません。東洋系でメジャーなのは中華バフェ(バイキング)です。品数豊富、値段も手頃。州内に韓国焼き肉のレストランはありません。
 地元系。ケイジャンやBBQやナマズ料理が名物でしょうかね。ファーストフードは豊富です。

【東洋の食材】
 普通のスーパーで手に入る東洋の食材は、限られてますし、鮮度もダメです。金に糸目を付けなければ、通販で何でも手に入る時代ですが、、わが家では、もうちょっとがんばってみてます。が、当地には日本語の通じる食材店はありません。東洋食品の店は市内では、韓国人経営の店と、ベトナム系(もしくは華僑系)??の店と二軒しかありません。曜日を選べば、東洋系野菜は、鮮度も良いし、スーパーより格段に安かったりします。美味しい米も、その店にあります。大手スーパーや自然食品の店で、冷凍マグロの切り身を手に入れることができます。生魚の調達は、ほとんど絶望的ですが、郊外の魚の養殖場へ買い出しに行くと、生のナマズ・金魚・鯉・テラピアなどが手に入ります。ダラスやヒューストンへ車で行くときには、東洋食材を車のトランクいっぱい買い出しします。隣町の空軍基地内の売店でもいろいろ売ってます。知り合いがいないと、入れませんが、、。
【普通の食材】
 言うまでもなく、大手スーパー数社で、普通の食材は何でも買えます。値段と鮮度は自分で確かめるしかないでしょう。
 こっちは、肉が安くて美味しいらしいですが、さすがに豚の三枚肉は東洋食材店に行かないと買えません。
 生卵を食べてはいけないと言うのは有名ですね。ばい菌フリーの卵を牛乳パックに入れて売っているのを同僚が発見しました。
 北海道から来ましたので、こっちの牛乳を美味しいと感じたことはありません。
 こっちの人の食べるパンは、おそろしく不味いです。サンドイッチやハンバーガーやホットドックに加工して食べるのです。パン単体で楽しむ(日本でいうベーカリーの菓子パンや、ふっくらした食パンのような)モノは普通には売ってません。ドーナツは甘過ぎますが、美味しいです。ケーキはパンケーキはぱさぱさのことが多く、クリームは、多くの場合、油こてこてで、やはり甘すぎ。お菓子類も、たとえて言えば、チョコレートに砂糖をかけて売っているような塩梅で、とても健康に悪そうです。あれは、毒です。自分で食べて経験してみるしかないでしょう。虫歯と肥満に注意。ちなみに、アメリカ人の10人に6人が肥満だそうです。

(2002/12/11記す)