お父さんのエッセィ

『苦情の出ない男女差別?』(1996/10/30)


『苦情の出ない男女差別?』

 『水曜日はレディース・ディ』だそうである。
レディース・ディとは、定期もしくは不定期に販売者側が独自に日を定めて、男性にとっては通常だが、 女性にとってはちょっとお得なサービスを提供する日とでも定義されようか。

 今回の主題は、ガソリンスタンドのそれである。もう10年以上も前からの制度である。そして、妻の心 をガッチリつかんだスタンドでは『水曜日がレディース・ディ』だそうである。

 通常のサービスだから女性用景品をもらえなくても男性は文句を言えない。要求すれば、相当に格好悪 いし店員からは知性と常識を疑われた目をされるのがおちだろう。一方女性はお得である。お得だから文 句など言うはずもない。かくして、苦情のでない男女差別が成立する。私は男だから文句は言わないが、 男女差別の是正につとめているわが家では、これはやはり歴然とした男女差別である。

 そのお得なサービスはとどまるところを知らない。ガソリンの売上げの点数制による商品券のプレゼン トに、毎回の『次回給油時プレゼント』攻撃。おまけに女性だから?洗車もただ。当初私はそっぽを向い て他のスタンドに通っていたが、そのあまりの逆差別ぶりに我とわが身の生まれ(男に生まれたこと)を 呪った。しかしそこで、はたと気が付いた。「私には味方がいる!!」のである。独身時代ならまだしも、 私は結婚していたではないか!!理不尽なレディース・ディ制度への、積年の恨みの一部始終を妻に説明 し、私は行動をおこした。妻に車を運転させ、何喰わぬ顔をして、レディース・ディのその店へ。景品に フライパンをもらい、ただで洗車をしてもらって、、、。お得な身分の妻は、自分の特権という美酒にご 満悦である。店側の商戦にのっかって、実は得なのか、損なのか?私も深く考えないことにした。

 今月は妻のお気に入りのスタンドに2回行って、妻は商品券、アルミホイルの他、大小2個のフライパン をせしめた。うちはアムウェイのナベセットを購入しているので(けっして、ディストリビューターでは ありません。念のため。)別になべかまには困っていないのだが、、、。来月は何を用意していてくれる ことやら、、、?

(1996/10/30 記す)