97年6月のある日、NHKの朝のニュース番組を何気なく、ながめていたら、興味深いやりとりがあった。それは、番組の中の対談で、キャスターと日経連副会長の三好俊夫氏との会話である。
キャスターが、野村証券スキャンダルについて水を向けたところ、三好氏から、次のような発言があった。(事実と大きく違っていたらごめんなさい)
日本には恥の文化というものがある。今回の野村証券スキャンダルにおいて、問題が個々の担当者の不正を引き継ぐ形で持ち越されたのは、この、恥の文化すなわち、前任者に恥をかかせまいとする、(日本人特有の?)配慮が働いたせいであるというのである。
おいおい、おじさん。恥の文化ってのは、そういうことですか?
恥とはすなわち、社会や自分のなかの道徳律との照らし合わせで、良心にもとることを潔しとしないことではないのか。ならば、法によらず自分を律するのが、恥の文化の本質であるはずで、身内に恥をかかせない手前味噌のご都合主義を、『文化』などとは決してよばない。
日経連副会長が、そのような浅い思想を臆面もなく、疑いもなく公共の電波で披露してしまうのだから、経済界における病根の深さは相当のものなのだろう。
おっさんは、同じ穴の狢といわれても仕方ないんでないの!
猛省を促したい。
(1997/06/18記す) |