お父さんのエッセィ

『召喚獣その名は冷凍食品』(1999/03/29)


『召喚獣その名は冷凍食品』


子守の時と
綿密に計画された実験を黙々と遂行している時、
私の頭は回転を止める。(ハードディスクの節電状態だ。)
一見矛盾した状況だが
子供のわめく中で、α波なぞ出せるわけもなく、
実験中は単純作業のmachine状態だから
いづれも、お脳を使っていない状況なわけだ。

そうしたとき、私の筆はフリーズ状態であり、
この2年は
その筆を電子レンジで解凍するのは出張先でと決めていた。

(そもそも1年の1/5は出張状態だし、最近は1/3までクロックアップ?している。)
(基本的には『無給の医員』だから出張は有り難い話なのですが、多忙も過ぎたるは、、)
(で、筆を進めるところまでお脳をほぐせなくて、逆フリーズで過ぎてしまうのです。)
(鍛え方が足りないこと甚だしい==反省)

はなしの筋を戻しましょう。
というわけで
筆は永久凍土に埋もれています。融けても泥沼だったりして、、、。
筆の解凍の遅れにはもっと現実的な理由もあります。
ベビー怪獣ギャオスの抗α波攻撃はそれほど熾烈だということです。
でも、だから、、子育てはしていることになります。
それで、
そっち方面で電子レンジは使うようになりました。

親父が子育てをするということは、
当家ではかみさんが働きに出ているという事で、
ま、ひもってやつですな。
 (『ひも医者』ってギャグが昔あったっけ、、)
ひもの日は、月に数日ですが、、、その日私は完璧に仕事offです。
 (職場の皆さん御免なさい。)
で、父子家庭の日には、子供に食事を作ってやらねばならないのです。
最近はインスタント食品でもビタミン類が強化されていたりしますが、育ち盛りの長男や、離乳食を終わったばかりの愛娘にインスタントラーメンもあるまい(★)、、との親心で、
うどんやら、チャーハンやら、サラダやら、、子供達の喜びそうなメニューで、私のレパートリーにあるものを思案することになります。
(外食という選択枝もあるのですが、乳飲み子を外食に連れていくと、親一人ではベビー怪獣ギャオスに変身されたときに難渋しますから、選択枝から除外されます。基本は内食??です。)
そーゆーわけで、食事時刻をにらんで
米をといだり、野菜をきざんで炒めたり、するわけです。
ところが、なにせ父子家庭。材料から仕込んでいくと、ほぼ完璧に過量生産となります。
これは残り物を食べる羽目になる親父(私)や地球に優しくないわけで、
最近は冷凍食品やらコンビニ食材を活用しています。
そのほうが、省資源、省力、省時間で、親父と地球には優しいのです。
当初の目標(★)に矛盾する帰結ですが、冷凍食品侮るべからず。
妻の料理より、私の料理より結構子供テイストだったりするのです。
おそるべし。ちゃんとちゃんとの、牧瀬里穂??。
冷凍食品のほうが子供に受けている---苦労して料理する身には悲しい現実でした。
しかし親たるもの、ギャオスの非情な選択に涙するのではなく、
驚異の安直食品ワールドをきわめるのが、子育て覇者への選択でしょう。
ハードボイルドってやつです??。

入門は甘口のレトルトカレーでしょうか。
(親が作るとつい辛口になるので子供には不評です。)
おまけ入りだと最高で、ゆで卵やソーセージを添えれば豪華版です。
つぎに、はまったのが袋詰め冷凍ピラフ。必要な分量だけ皿に分けてチン。
おかわりも、適量を皿にあけて4、5分という優れもの。
不思議なのは冷凍鍋焼きうどん。容器ごとガスレンジにかけるだけ。
どこからだし汁が湧いて出てくるのか???
少々煮込んでも腰のある麺に愛娘もご満悦。

どうだ、参ったか?
召喚獣その名は冷凍食品。(イーフリートよりHOTだ!!)

P.S.
さて、
SAMさんが『子育てをしない男を父とは言わない』などと言い出す前から
小生はおしめ濯いをやってます。(正確には濯うのは機械で、干すのが私ですが)
ところで、
子育てをどれくらいすれば、『父とよばれる』にふさわしいのでしょう。
またその答えは、
世間の仕事至上主義のおとうさん達と
折り合える線上に存在するものなのでしょうか?


(1999/03/29記す)