ダニエル電池を手軽に
☆ダニエル電池は準備が大変?
ボルタ電池は起電力がすぐに低下する問題があります。
そこで、ジョン・フレデリック・ダニエルが1836年に発明した電池で、中学校などでも授業で扱われるようになりました。
しかし、セロハンチューブや素焼きの容器など、2つの電解液を分ける必要があり、実際に実験をすると、いろいろと手間がかかります。
そこで、ダニエル電池を「サンドイッチ型」にして、手軽に実験できる工夫を紹介します。
☆実験装置
・電極とセロハンは従来のままですが、ビーカーなどに入れるZnSO4とCuSO4の2つの水溶液をクッキングペーパーにしみこませます。
・この方法は、CuSO4とCuSO4の廃液が少なくてすむ利点があります。
下の断面図のように電極・クッキングペーパー・セロハンを重ねて、サンドイッチのようにします。
・CuSO4の濃度は2 mol/L (24 wt%)
・ZnSO4の濃度は0.5 mol/L (7 wt%) で行いました。
・電極の大きさは約 1 cm×5 cm です。

・電極、クッキングペーパー、セロハンを密着させるために、洗濯ばさみを使用します。
実際にセットした様子
☆負荷をつなげた場合
・電子オルゴールやソーラーモーターは十分に回ります。

ソーラーモーターに接続したときの、電池の両端電圧は0.75 V でした。

電子オルゴールに接続したときの、電池の両端電圧は0.96 V でした。
☆実験後の様子
・Cu電極には銅が析出し、Zn電極にはZnが溶け出します。

Cu電極とCuSO4
をしみこませたクッキングペーパー

Zn電極とZnSO4
をしみこませたクッキングペーパー
☆その他
・セロハンは100円ショップなどで販売されている安価な物で十分です。
・色付きのセロハンの場合、クッキングペーパーに「色移り」することがあります。
・電極の面積は大きいと長持ちしますが、写真のように1cm×5cm程度でも十分です。
・洗濯ばさみはなくても起電力は発生しますが、接触不良が起こりやすくなります。
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