イオンの電気泳動を低電圧・短時間で実験


☆有名な実験

イオンが電荷をもつことを示す有名な実験ですが,時間がかかるのが難点です。

時間を短縮するために高電圧を用いる場合がありますが,高電圧電源の確保が困難ですし,危険も伴います。

あるイオンの電気泳動の時間を短縮するには,単位距離あたりの電圧が高ければよいので,

電場を強くする。

という方針でこの実験を進めます。

 

☆実験装置の改良

従来の実験装置は電極の距離を変えるのが面倒な部分がありました。

そこで,電場の強さを調整できるようにするため,

電極間の距離を自由に変えられる実験装置を作ります。

souchi_zenkei.jpg

 

ポイントは

(1)ろ紙はろ過用の円形ろ紙を使い,指示薬はBTB液

(2)電極は薄いステンレス板を用い,ろ紙との接触は磁石を使う(写真の+と−の丸い物が磁石)

(3)電源は20V程度までの中学校用の電源装置006Pの9V電池

(4)装置全体は,ガラスシャーレの上に置く

です。

 

☆塩酸を電気泳動させた様子

電極間:2cm

電源電圧:18V

電場:18V÷0.02m=900V/m

電解質:HCl(3%w/w)

18V2cm0sec.jpg(0分後)

18V2cm60sec.jpg(1分後)

18V2cm120sec.jpg(2分後)

18V2cm180sec.jpg(3分後)

このように

2分程度でHClのなかの−極にひかれる成分(Hイオン)の移動が

BTB液の変色の様子ではっきりわかります。

 

☆その他

・ろ紙にBTB液をしみこませると,少し黄色になります。(ろ紙が酸性紙のようです) そこで,重曹などで中和して緑のろ紙に調整する必要があります。

・念のため接続部分に磁石を用いましたが,水の吸着力で電気的接触はある程度保たれているようです。

 

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