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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2021年1月

−2月２日(水)「倒産数、2017年以来最低」（これは、企業がパンデミックの影響から回復したという意味か）（イズヴェスチヤ紙、エカテリナ・ヴィノグラドワ）ロシア企業は、さほど市場から去らなくなった。2021年、企業倒産数は、パンデミックの2020年と比較すると四分の一となり、15万2千社で2017年以来、最低となる。これは、税務庁のデ−タである。このデ−タによると、昨年、120万の法人と個人事業が閉鎖され、100万余りが開設された。企業閉鎖は主に2020年に起こり、現在、市場には最も堅牢な企業のみが残ったと、専門家。2021年は、2020年より会社清算数は20％少なかった。150万件の清算に対し、120万件の清算と、税務庁のデ−タ。その内、大部分は個人事業と農家がしめ、その約70％、81万3千の会社等が閉鎖された。大抵の場合、自主的判断、つまり活動停止の決定（個人事業の51万9千件）で市場から去っている。だがこの理由だけではない。約1万6千件のケ−スでは、個人事業は、事業主の死亡によって廃業となり、2900社は、ロシアで存続する所有者権利を確認できる書類の取り消しで存続停止となり、個人事業1500件は破産したと、税務庁のデ−タ。ただし、個人事業25万9千件は、登記簿から強制削除されて、活動の停止となっった。これには、15ヶ月以上、決算報告書を出さないか、あるいは営業許可証の効力を延長しない個人事業主が該当する。例外は、税未納がないこと。以下略

2月

−31日（月）「インフレ、ピ−ク通過：ロシアの物価はいつ安定するか」（エコノミストは、2022年下半期、5.6〜7％まで下落とみる）（GAZETA.RU紙、アナスタシア・アレクセ−エフスキフ）2021年、ロシアの年間インフレ率は8％以上となった。食品価格は統計庁のデ−タによると、さらに大きく10％以上となった。本紙が取材した専門家は、今年下半期、インフレ率は下落するとみている。2022年下半期、物価上昇率は年換算で6％まで下落する。これは、「BKSミ−ル・インベスト」社専門家ミハイル・ゼリツエルの予想。この予想は、格付け会社「エクスペルトRA」も同意。経済大学は、もっと楽観的な予想である。5.6％になる。「ナショナル格付け機関」も、7％になるとみている。統計庁のデ−タによると、2021年のインフレ率は、8.39％で、この6年間で最大値となった。先ず、建設資材、食肉、タバコが大きく値上がった。2022年1月14日、財務相アントン・シルアノフは、インフレピ−クは通過したと表明。「BKSミ−ル・インベスト」社専門家ミハイル・ゼリツエルによると、インフレ率は一時的には8.6％を越えることもあるが、下半期にはインフレ率は6％まで下落することもありうる。「インフレ率ピ−クは通過した」とゼリツエル氏。「今後数週間内に物価はさほど上昇しなくなる。理由は、物価需要の鈍化である。さらに金利が高いため、融資需要が減少している。不動産、自動車など高額品の高い需要は終わった」と説明。以下略

−27日(木)「思ったより悪い：ロシアにおける森林の破壊は、回復するより早い」（会計検査院は、ロシアの森林損失は、2024年までには回復しないと伝えた）（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャコフ）連邦計画「森林の保護」では、森林の損失と再生のバランスを回復できない。会計検査院はこうした結論を出した。この計画の完了する2024年までに1年間に死滅又は伐採された森林のみを回復する予定。森林再生の最大問題は、資金不足と、会計検査官。会計検査院は、連邦計画「森林の保護」がどのように実施されているか、検査した。この5年間、森林回復テンポは、上昇した。2020年では、2019年に死滅したり、伐採されたりした森林の面積の93.6％は回復した。これは、2016年より31.8％多いと、報告書。だが毎年の損失規模を考えると、楽観論の根拠は弱い。「前向きな動向にもかかわらず、毎年の森林損失面積は、森林回復面積を上回る。回復を要する森林面積は3540万ヘクタ−ル」と会計検査院会議で検査官セルゲイ・マメドフ。ロシア天然資源省森林資源国策・調整局長アンドレイ・グリベンニコフによると、2021年1月1日時点、森林回復及び植林面積は、118万ヘクタ−ル。2019年に政府が立ち上げた森林回復メカニズムは、「森林面積の増加では明白な成果をあげなかった」。例えば、トムスク州では2020年、森林回復は伐採地のたった1.5％の面積しか、行われなかった。以下略

−24日（月）「数年後、世界は石油不足となる」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」）学者は、技術進歩の遅れから、産油量は減少し、グローバルなエネルギ−危機になると予想。「Morgan Stanley」社の予想では、Brent石油は今年第三四半期に1バレル100ドルになる。一方、世界の石油在庫量は2022年末には前年のかなりの落ち込み後、縮小する。世界の予備能力も現在の340万バレル/日から200万バレル/日まで減少すると、「Morgan Stanley」社のアナリスト。石油部門の設備増強への投資は予想では10年間で30％減少する。何故なら市場の関心は、「グリ−ン」エネルギ−へ移るからである。以前、同行の専門家は、石油需要は、価格が1バレル90ドル近くになると減少し始めるとみていた。現在、これは、もっと高値の時に起こるとしている。何故なら石油製品の消費は安定しているからだ。例えば、航空燃料の需要は、今夏、150万バレル/日、増加するとみられる。「Morgan Stanley」社の予想は、「Goldman Sachs」社の見解と一致している。「Goldman Sachs」社は、今週、Brent石油価格は2022年第三四半期までに1バレル100ドルになると伝えている。アナリストは、産油量の横ばい原因は、米石油在庫量であり、これは産油効果を引き下げ、産油コストを引き上げる。このプロセスがすでに始まっている。また技術進歩のかなりの遅れのせいでもあり、先ず世界経済の成長に影響する。以下略

−20日（木）「ル−ブル、地政学的損失」（「見解」紙、オリガ・サモファロワ）金曜日、ドルは77ル−ブルまで値上がり、ユ−ロは88ル−ブルまで値上がった。ロシア通貨安は今後も続き、2014年12月のように暴落や通貨パニックにいたるかもしれない。だが専門家は、大きな危機にはならないとみている。何故ならル−ブルと経済は大きな安全率があるからだ。ル−ブルは、良い状態で2021年を終えたが、新年はル−ブル安から始まった。1月13日は、ル−ブルにとって不幸な日となった。ドルは再び、75ル−ブルを突破し、75.7ル−ブルとなり、ユ−ロは1.3ル−ブル高くなり、86.8ル−ブルとなった。ル−ブル建て株価を反映しているモスクワ取引所の株価は3％下落し、RTS（ロシア証券取引所）のロシア株式のドル建て価格は4％下落した。翌日、1月14日、ル−ブルは下落を加速した。1ドル77ル−ブルとなり、1ユ−ロ88ル−ブルとなった。モスクワ取引所とRTSの株価指数も下落し続けた。木曜日、クレジット・デフォルト・スワップ（CDS）の価格は約25ベイシック・ポイント上がり、ほぼ160ベイシック・ポイントとなった。「Bloomberg」紙の分析では、これは今後5年間におけるロシアのデフォルトの可能性が約10％の意味である。どうしてこうなったのか？ル−ブルは、緊張した地政学的ニュ−スの中、下がり続けている。「市場関係者には、今週行われた会談に対し、きわめて楽観的期待があった。全ては、ル−ブル下落を解消する用意があり、カザフスタンの出来事によるル−ブル下落をデイスカウントで、強い資産を購入できるチャンスと捉えていた。状況は小手先では解決しないと分かると、失望はかなり大きくなった。双方は原則的な立場を維持し、譲歩しようとしない。妥協がないことで、新たな制裁のリスクが急激に高まった」と「FxPro」社主任アナリスト、アレクサンドル・クプチケヴィッチ。以下略

−18日（火）「電子登録制、木材高騰の歯止めにならず」（林業部門の改革は、最終消費者を楽にせず）（独立新聞、アナトリ・コムラコフ）ロシアでは新たな木材流通規則が闇伐採の本格的な歯止めとなるが、合法的なビジネスの妨げとはならないと、月曜日、副首相との拡大会議で首相ミハイル・ミシュスチン。だが法を守るビジネスマンは、政府内の代理人を通して、改革についていけないと、うったえている。さらに、これは大きなコストがかかり、最終的に消費者に転嫁される。消費者は、普通の薪や材木が再び、急騰するおそれがあると、推測している。「新たな規準は、現行法を遵守している人のビジネスを妨げることはなく、いわゆる闇の伐採人にとって、本格的な歯止めとなる」と2022年1月1日から導入された新たな木材流通追跡規則に関し、首相は発言。今後、木材の各ロットは、電子方式で添付文書の手続きを行う必要がある。「木材の流通は今後、伐採地から加工場及び税関まで全ル−ト、デジタルシステムで追跡できる」と首相。この部門担当の副首相ヴィクトリア・アブラムチェンコは、新デ−タシステムには、2万人以上のユ−ザが登録され、祝日に500万㎥以上の木材輸送に関する電子添付書12万件以上の手続きが行われたと伝えた。脱犯罪化のため、2020年、プ−チン大統領により林業部門に対し提唱された改革は多くの措置からなり、その一部は、昨年、試験的に行われた。以下略

−14日（金）「大西洋の季節：米ガスは、欧州を暖められるか」（エネルギ−資源の価格下落はいつか）（イズヴェスチヤ紙、ドミトリ・ミグノフ）米天然ガスは、急速に欧州市場をつかみ始めている。2022年最初の10日間、欧州諸国により購入された米ガスの量は記録的になり、「ガスプロム社」供給量の5倍となっている。だがこうした状況は長くは続かない。天候と東アジアの新たな需要で、大西洋経由の供給は、さほど長くは支配的にならない。専門家によると、欧州における危機前のガス価格は、おそらく冬が終わるまでとはいかず、今年の終わるまで回復しないだろう。12月、EUガス市場の状況は、パニック状態に近く、ガス価格は初めて千㎥当たり2000ドルを突破した。ヘンリーハブ(Henry Hub)（米国ルイジアナ州）とのガス価格差は、ほぼ20倍だったが、欧州の価格はアジア価格をも上回り、毎日のことである。こうした中、市場の見えない手が動き出した。一気に数十隻のガス輸送船が航路を変え、欧州港を目指した。その結果、1月中旬初め、ガス価格は千㎥900ドルまで下落した。半年前の状況と比較すると相変わらず、かなり高いが、それでも12月の価格からみれば、我慢できるものである。ケ−スによっては、欧州への方向転換は、タンカ−の一隻を二回目、40万ドルも払うパナマ運河経由で派遣しても、メリットがあるほどであった。こうしたことは、あらかじめ決められた契約以上にガスを急いで売ろうとしなかった「ガスプロム」社の消極的な立場の中、起きた。これは、部分的にはロシアの寒い冬のせいで、ロシアの欧州地域の多くの部分の気温は12月と1月、平均値付近か、それ以下であるが、一方、欧州は目下、平均より高い。とはいえ、欧州はこうした環境でも、容易ではなく、電力料金は12月、メガワット当たり450ユ−ロになった。以下略

−12日（水）「ロシア地方の三分の一、投資魅力を向上」（イズヴェスチヤ紙、エカテリナ・ヴィノグラドワ）パンデミックにもかかわらず、ロシア地方のほぼ三分の一は、2020年と比較して、2021年、投資魅力を向上させた。これは、少なくとも2017年以来、記録的であると、ナショナル格付け機関「NRA」。同時に、最も魅力の少ない自治体数も減った。だが投資魅力のトップは相変わらず、モスクワ。投資魅力度でモスクワに追いつくことは現実的ではなく、しかし、格付け位置の上昇には、企業にとってインフラの整備や優遇条件が寄与する。ナショナル格付け機関「NRA」のデ−タによると、ロシア地域の多くは、投資魅力度を維持できた。2021年、地方自治体85の内、52は、一年前と同じ格付け位置であった。トップのリストも変化しなかった。一位はモスクワで、続いてサンクトペテルブルグ、ヤマル・ネネツ自治管区、モスクワ州とサハリン州。こうした地域の経済は、間接的にも、直接的にもパンデミックの影響を克服できる十分な「安全率」があると専門家。投資魅力度からみて、コロナウイルス危機の受益者は、「資源のある」自治体と、調査報告。格付け位置を上げることができたのは、23の地方で、2017年以来、最大数となった。北方地方や極東地方（例えば、ムルマンスク州、アム−ル州、チュクチ自治管区、ヤク−ト共和国、プリモ−ルスキ−地方）が多くを占め、その経済は、有用鉱物採掘と精製に依拠している。まさにこうした構造がパンデミック環境下、成長の可能性からみて最適である。以下略

−10日(月)「ロシア企業の三分の二、2022年に賃上げ意向」（「ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙」、「経済」）「HeadHunter」社ビジネス分析ソリューション部長、「賃金デ−タバンク」計画代表ナタリヤ・ダニナは、アンケート調査した企業経営者の67％は、今年、賃金引き上げを予定していると伝えた。企業の19％は、2021年12月にすでに賃金を見直している。「2022年、従業員の賃金引き上げは、企業の67％が見込んでおり、27％は、賃金の変更を予定しておらず、引き下げは、1％の企業。19％以上はすでに2021年12月、賃金を見直している。さらに賃金引き上げを予定している企業の18％は、2022年1月に実施し、9％は2月、15％は3月〜4月に予定している」とナタリヤ・ダニナ。賃金の平均上昇率は5％で、これまでの特徴。ダニラ氏は、賃金上昇にばらつきがあると指摘。従業員によっては10％以上の上昇で、従業員によっては5％以下。「Superjob」社のアンケート調査結果によると、企業経営者の29％は賃金引き上げを予定しており、41％は目下、予定していない。同社広報によると、国内企業は、1年間以上も、従業員の維持と、求人では問題をかかえている。「求職者は、明らかに不利な労働条件と賃金にはめったに同意しなくなっている。容易でない経済環境の中、企業は若干、姿勢を「緩和」している。攻撃型企業文化の会社は少なくなった」と「Superjob」社。同社の調査のよると、従業員の健康を考慮する企業が多くなった。企業はエンプロイヤー・ブランディングに取り組み、referral programを開発しており、また辞職した職員により誠実になっている。12月末、戦略策定センタ−は、ロシア企業の33％は、10％の範囲で賃金の引き上げを予定しており、22％は、平均で10％、職員数を増やす意向と表明している。

−6日（木）「緑の芽：2022年、あらゆるエネルギーは高いまま」（エネルギー危機は、石油ガスメ−カや再生可能資源の電力メ−カの懐を豊かにしている）（イズヴェスチヤ紙、ドミトリ・ミグノフ）世界エネルギー市場にとって、2021年は「揺れ動く」ものとなった。主なエネルギー資源価格は何度も乱高下した。それでも、石油ガスや、すたれた石炭さえ高騰のトレンドが見られ、2020年の破綻からすれば驚くことである。エコノミストは、燃料エネルギー原料の新たなス-パ-サイクルの始まりと語りだし、長らく続く可能性がある。比較的高い市場価格は、来年いっぱい続くと、本紙が取材した専門家。昨年、Brent石油の平均価格は、1バレル42ドルにすぎず、2015年以来、最低数値である。冬頃になって初めて、市場は、OPEC＋のなみなみならぬ努力により（ほぼ1000万バレルの減産）1バレル当たり45〜50ドルの範囲で価格を安定させることができた。だが年初から石油は高騰し、第�T四半期末までには70ドル近くまで上昇した。世界の経済回復は、明らかに予想より良く進んでいると思われた。産油に関しては言うまでもない。OPEC＋は、割当量をきわめて正確に増やしたが、市場の他の参加者（米国のシェ−ルオイル採掘の仕事をする企業など）は早急には増産できなかった。パンデミック第二波、第三波にもかかわらず、市場の早い回復はその後も、OPEC＋加盟国のリ−ダーにはさほど影響しなかった。7月の定例会議で、毎月1日当たり40万バレルを増産すると決定した。その後、価格は85ドルまで上昇し、3桁の価格になるとさえ言われ出した。それでも、輸出業者は、予定の方針を維持し続けた。以下略

−1月4日(火)「相場に変化なし：年初、ル−ブルはどうなるか」（専門家は、世界経済及びロシア経済の減速は、ロシア通貨にとって、最大のリスクとみている）（イズヴェスチヤ紙、ドミトリ・ミグノフ）ロシア通貨は、多様な一年を過ごした。ル−ブルは、きわめて安定した動きをみせ、2021年初めの相場から10％以上、上下したことは一度もなかった。大きな暴落も急騰も事実上、なかった。同時に一年間、ル−ブルは、対ドルでほぼ変化せず（12月30日の取引を含め、下落幅は約１％）、ファンダメンタルの要素からして、さほど理にかなったものには思えない。2022年初め、ル−ブルは、現在の水準で維持されるか、それとも高くなり始めると、本紙が取材した専門家のほとんどの意見。とはいえ、対外景況がまたもや、ロシア通貨にマイナスに影響するおそれがある。2021年は、ロシア通貨にとって、マクロ経済指数から判断すると、良好な年といえる。石油価格は30ドルも上がった。経常収支は11ヶ月間で1110億ドルとなり、前年同期比で3.5倍となった。値上がったのは石油だけでなく、小麦からアルミニウムにいたるロシアの輸出品の多くの価格上昇がみられた。同時にロシア中央銀行は積極的に公定歩合を引き上げ、12月には8.5％になった。このようにロシア中央銀行は、ほぼ世界で唯一のインフレ率より高い公定歩合の中央銀行である。以下略

2022年1月

−28日（火）「目標に到達せず：インフレ率は、中央銀行の予想以上」（中央銀行総裁：2021年、インフレ率は8％以上）（GAZETA.RU紙、アンゲリナ・ミリチェンコ）ロシアでは主に食品価格が高騰している。例えば、野菜・果物はこの１年間で19.4％上昇した。一方、商品全体をみると、インフレ率が8％以上となる。しかし、この数値は、物価上昇目標値の倍以上である。まだ夏では、中央銀行の専門家は、それでも年内にはインフレタ−ゲットは達成できると表明していたが、すでに11月、専門家の意見は変わった。何故に全てが高くなっているのか？2021年、ロシアのインフレ率は、8％以上となる。こうした予想を中央銀行総裁エリヴィラ・ナビウリナが示した。「年全体でインフレ率は8％以上となると思う。これは多い。これは目標の4％以上である」と中央銀行総裁。それによると、８％は多くの商品に関する統計庁の予想である。「注視している商品は、例えば食品などかなり値上がった」と同氏。ナビウリナ総裁は、食品価格は10.8％上昇したと述べた。とりわけ、野菜・果物は19.4％も高騰した。「自動車も、建設資材も高騰したが、9月から物価上昇は減速しただけでなく、下がり始めている。サ−ビス価格の上昇も、全体の物価上昇率以下となった」と中央銀行総裁。以下略

−24日（金）「2022年、ロシア経済はどうなるか？」（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャホフ）経済大学は、2021年、ロシア経済はパンデミック前より多く稼いだと伝えた。ロシア経済は今年9ヶ月間、記録的な成長をしたと、ロシア経済大学の専門家。ただし、こうした記録的数値は、中国など、資源品に対する外国需要のせいである。また先送りされた需要や、物価急騰に対する国民の懸念の中、経済成長が起きていると、本紙取材した専門家。今年過去9ヶ月間、ロシア経済の成長率は記録的である。「2021年1月〜9月、ロシア企業の利益は19.6兆ル−ブル。これは、2020年同期比で、12.4兆ル−ブル、175.9％多い」と12月22日に作成された経済大学の調査報告書。このように9ヶ月間の経済成長はパンデミック前の2019年の利益より多いと、経済大学。これほどの経済成長の主な原因としては、資源市場における良好な価格状況をあげることができる。「採掘産業では、昨年3四半期より利益は130％多い。採鉱部門では、利益は140％増である。金属市場の価格はとりわけ、中国の金属需要の増加により、上昇した」と経済大学の調査報告。それ以外の劣らず重要な利益増加要因は、先送り需要効果や、国民のインフレ見込みによる消費ブ−ムである。「今後、物価上昇すると見込んで、国民は、さらに値上がり購入が困難と予想したり、有利に転売できると期待したり、高値品を積極的に購入した」と経済大学の専門家。以下略

−22日(水)「輸出企業の売上、ル−ブル相場を支える」（「今日の経済」紙、エフゲニ・リュムキン）12月21日12時、モスクワ取引所において、ロシア通貨に対するドル相場は0.52％下がり、1ドル73.78ドルとなった。12月20日では、ドル相場は0.05％上がり、1ドル74.17ル−ブルとなった。投資家は地政学情勢と、石油ガス部門の状況に注目している。ル−ブルを支えている最大の要因は、高い資源価格であり、何故なら石油ガスの売上は、ロシア経済にとって大きな意味があるからだ。現在、ロシアは納税期であり、輸出企業は納税のため、外貨売上を交換している。これはル−ブル需要に拍車をかけている。公定歩合を100ベイシック・ポイント引き上げて8.5％にするという中央銀行の最近の決定も、前向きな影響を与え続けている。これは、収入からみると、ロシア資産をより魅力的にし、外国資本の国内流入を促している。地政学的情勢が大幅なル−ブル高を抑えている。NATOを東へ拡大する中、安全保障に関して、NATO加盟国との交渉では、ロシア外務省は可能な協定に関し、提案をしているが、はっきりとして反応はない。現在、西側は回答を準備している。各国代表は、対話は継続しており、将来、妥協的解決策の期待はもてると指摘。市場関係者は、事態の進展を注意深く見ており、何故なら交渉の成功は、ロシア通貨の今後の動向と経済状況全体に左右されるからだ。以下略

−20日（月）「北極海航路、貨物量は記録的」（国営会社「ロスアトム」によって確保される物流の主要部分は、石油ガス投資計画）（独立新聞、ウラジーミル・ポルカノフ）北極海航路の運営及び発展に責任にもつ国営会社「ロスアトム」は、北極海の貨物輸送量が記録的になったと伝えた。今年の物流目標は3200万トンだが、現在、期限を待たずに3350万トンとなり、年全体では3400万トンになる可能性がある。物流デ−タは、国営企業「アトムフロ−ト」（「ロスアトム」社傘下）海運本部及び国営会社「北極海航路アドミニストレーション」によって提供。2021年12月17日時点、北極海航路での貨物輸送量は、335０万トン以上となったと、「ロスアトム」社。「2021年、北極海航路の物流は3400万トンを超えるとみている」と、「ロスアトム」社北極海航路管理部次長マクシム・クリンコ。北極海航路経由の物流は200万トンを超えたと指摘。2020年では約130万トン。2020 年、北極海航路の物流は3291万トン。以前、こうした数値はかなり少なかった。例えば、2016年、北極海航路の貨物輸送量は、たった750万トンにすぎなかった。しかし、当時でも、旧ソ連の実績を越えるものであった。1987年、北極海航路では貨物650万トンが輸送された。このように現在の数値は、ソ連時代の5倍以上であり、さらに今年はまだ終わっていない。「ロスアトム」社のデ−タによると、物流の主な部分は、石油ガス投資計画。石油・石油製品は、770万トン、液化天然ガス・ガスコンデンセートは1960万トン、石炭は2億2150万トン、粉鉱石は4770万トン。その他の貨物は400万トン強。以下略

−16日(木)「ロ中の協力、米世界支配に打撃」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）ロ中互恵協力の拡大ドライバ−は、両国経済に対する西側の集団圧力であると、ロシア科学アカデミ−世界経済・国際関係研究所中国経済・政治部長セルゲイ・ルコニン。プ−チン大統領と中国国家主席習近平は、オンライン会議を行った。両者は、北京冬季五輪も含め、国際問題について協議した。習近平主席は、ロ中関係に楔を入れようとする試みに対抗したとし、プ−チン大統領に感謝し、共同計画の拡大と貿易増加を指摘。2021年11ヶ月間、貿易高は33.6％増え、1304億2800万ドルとなった。中国税関本部によると、中国の輸出は31.3％増え、594億4000万ドルとなり、ロシアの輸出は35.5％増え、709億8000万ドルとなった。中国の数値はロシアより大きい（プ−チン大統領は、貿易高は1230億ドル、増加は31％）。2020年、ロ中貿易高（ロシア連邦関税庁デ−タ）は、1039億7000万ドル。2021年、貿易は危機後回復した。しかも、新記録となった。これは政治のせいである。ロ中は、西側諸国との関係が悪化した。そのため、両国の企業は双方にかなり関心を示すようになった。ロシアのエネルギー資源に対する中国の需要は増加した。ガスパイプライン「シベリア・パワ−」によるガス供給は増え、また石油石炭の供給量も増えた。中国の企業は、より多くシベリア鉄道を使うようになり、その結果、極東の港では、コンテナ不足さえなった。以下略

−14日（火）「自然遺産の運命：バイカル湖はどうなるか」（政府、学者、企業はバイカル湖の環境問題は解決できると確信）（独立新聞、ウラジーミル・ポルカノフ）来年、ユネスコはバイカル湖に危険状態にある自然遺産ステ−タスを付与するかもしれない。バイカル湖の保護状態が弱まっているとする報道でユネスコは懸念している。一方、「ロシアマネージャー」協会エコロジ−及び環境保護委員会によって、数日前に開催されたフォ−ラム「バイカルの将来」の参加者は、まさに現在、有名な湖の環境問題を解決できる展望が出てきたと指摘。バイカル湖は、クレムリン、ボリショイ劇場、「黄金の環」などと同じでロシアアイデンティティの一つである。それを保護し、社会、企業、国家機関はロシアの財産の保護に関心があると示す必要があると、フォ−ラムでロシアマネージャー協会会長ドミトリ・ゼレニン。残念ながら、ユネスコにはバイカル湖の状態に懸念する根拠があると、下院エコロジ−・天然資源・環境保護委員会副委員長ヴヤチェスラフ・フェチソフ。同氏は、2013年に閉鎖されたバイカル製紙コンビナートの負の遺産を指摘した。ここのコンクリート貯蔵所には、600万トン以上の廃棄物が保管されている。コンビナートが高い地震活動帯にあると考えると、貯蔵所が決壊し、湖に貯まった廃棄物が排出されるおそれがある。以下略

−10日（金）「ロシア予算、豊かになる」（「見解」紙、オリガ・サモファロワ）2021年、ロシアの国家予算収入は、丸々5兆ル−ブル急増した。これはユニ−クな数値である。予算赤字にならず、ロシアは、かなり黒字となった。ロシアの国家予算が、パンデミック2年目の中、どうしてこれほどの収入となったのか？石油ガスは重要だが、唯一の収入財源ではない。2021年の特徴は予算急増だが、世界では相変わらず、パンデミックが猛威を振るっている。9ヶ月間で収入は約3割増え、18兆ル−ブルとなったと、首相ミハイル・ミシュスチン。予算黒字は約1.6兆ル−ブル。しかし、当初、予算法では2.75兆ル−ブルの赤字となると見込んでいる。「2兆ル−ブル以上の予算黒字は、ロシアでは2006年〜2008年と2018年〜2019年に見られる。この二つの期間では資源価格の高値と資源輸出高の高い数値がみられる」と独立金融コンサルタント・スク−ルの共同設立者、金融専門家スヴェトラナ・サモイロワ。ガス石油価格の上昇が赤字から黒字への転換でも大きな役割をはたしたことは分かる。昨年、Uralsブランド石油の平均価格はどうにか1バレル40ドルになったが、今年、これはすでに1バレル66.1ドル（9ヶ月間）になっていると、経済大学「発展センタ−」主席専門家アンドレイ・チェルニャフスキ−。予算は今年、Urals石油の予想価格をバレル45.3ドルとして、編成された。誰も、実際、70ドルになるとは思わなかった。以下略

−8日（水）「ロシアでは、学校及び幼稚園は、木造とする予定」（イズヴェスチヤ紙、「経済」）ロシアでは、木製支持構造材を利用して、学校、幼稚園、医療機関その他社会施設を木造にする予定である。副首相ヴィクトリア・アブラムチェンコは、農業省と建設省に対し、この問題について検討するよう指示した。とりわけ、木造構造材を用いた標準建物設計が利用されると思われる。木造建築設計コンク−ルは、産業通商省及び建設省と協力して、政府の依頼で財団「ドム・RF」が実施した。学校、幼稚園、医療機関の標準建築設計が作られた。財団「ドム・RF」代表代行アントン・フィノゲノフによると、木製構造材による建物建設は、より良好な環境を作り出し、炭素の影響を軽減できる。現在、木造建物は、防火ではかなり高い水準にあると同氏。ヴィクトリア・アブラムチェンコによると、連邦中央の支援の下、農地開発のため、木製構造材を用いた優良な技術と設計の選択によって、相乗効果が起こる。「一面では、これは、農地に施設建設する際、現代的方法の立案や、質的面の改善であり、また他面では、木材産業事業体の発展にとって大きな要因、特に新たな林業政策の実施や、国内での木材高度加工を発展させる場合、重要である」と副首相。以下略

−6日（月）「米国、7億バレルを開放せず、頭がおかしいわけではない」（増産に関するOPEC＋の決定後、ロシアの石油収入はどうなるか？）（GAZETA.RU紙、アナトリ・アクロフ）1月、1日当たり40万バレルの増産というOPEC＋の決定は、取引所の「揺れ」を安定させる。市場に自国の備蓄石油を放出した米国と中国の努力は、1バレル60ドルまでに石油価格を引き下げるのには不十分である。予想が的中すれば、つまり、80ドルまで値上がると、ロシアの国家予算は2022年、さらに約5.8兆ル−ブル得ることになる。12月1日〜2日、OPEC＋会議が行われた。交渉において、ロシアも含め、石油輸出国は、1日当たり40万バレルという現在の増産レベルを維持すると決定した。この措置に対しては、2022年初め、市場における供給過剰の予想も含め、多くの要因が影響した。ロシア副首相アレクサンドル・ノヴァクによると、現在、世界石油市場は、資源需要の回復の中、安定状態にある。まさにそれ故、石油輸出国は、これまでの増産レベルを維持すると決定した。世界の地域間の「移動活動」の相違のため、市場に対する新しい「オミクロン」株のネガティブな影響について言うのは目下、時期尚早であると同氏。エネルギ−・金融研究所専門家アンドレイ・ストロジェフは本紙の取材で、OPEC＋の決定は予想外のものと指摘。もっと確率の高かったシナリオは、以前の増産レベルの部分的又は完全な放棄と同アナリストは推測していた。以下略

−12月2日（木）「ロシア上院、2022年〜2024年の連邦予算を承認」（イズヴェスチヤ紙、「経済」）ロシア上院は水曜日、12月1日、2022年及び2023年〜2024年の連邦予算法を承認。これには、子供のいる家族支援予算も含まれる。とりわけ、この予算法では、大統領提唱による最低生活費と最低賃金を2022年から8.6％引き上げると定めている。例えば、最低賃金は13890ル−ブルに引き上げられ、一人当たりの最低生活費は12654ル−ブルとなる。全体として、所得の増加は、1900万人が対象となる。保健・教育制度の発展、住宅問題の解決、自動車道路の修理、若者雇用の促進、極東地域住民の航空運賃補助、農地の開拓にたいし、追加予算も盛り込まれている。2022年、ロシア国家予算収入は25.021兆ル−ブル、2023年では25.540兆ル−ブル、2024年では25.831兆ル−ブルとなる。支出は2022年、23.694兆ル−ブル、2023年では25.241兆ル−ブル、2024年では26.354兆ル−ブル。予算は、予想される今年の水準と比較して、2022年、経済発展省の3％（133.328兆ル−ブル）というロシアGDP成長率、5.9％（24.407兆ル−ブル）という投資増加率、予想される2021年の5.8％と比較して4％のインフレ率にもとづき、編成された。この法案は9月30日に下院に提出された。また連邦議会向け大統領教書の実施の一環としても、国民支援額の段階的増加も定めている。首相ミハイル・ミシュスチンは、2022年〜2024年、ロシア予算の社会支出は縮小せず、増加すると表明。11月24日、法案は、第三、最終審議会で下院によって了承された。さらに第三審議会では、2022年の最低賃金の引き上げ法案が承認された。それによると、最低賃金は、月13890ル−ブル。大統領の決定により、物価スライドは8％以上となる。その日、プ−チン大統領は、公務員賃金の相応な水準を確保するため、あらゆることをするよう求めた。ロシア大統領によると、こうした数値は、各地域経済の平均所得と一致している。これは、「必ず遂行すべき」と強調。

−30日（火）「コロナウイルスの新たな株は、石油需要を引き下げている」（OPEC＋協定の参加国は、オミクロン株の危険性を調査するため、しばらく静観する）（独立新聞、オリガ・サモファロワ）COVID−19の新株「オミクロン」の拡散は、市場で深刻なパニックを引き起こしている。石油価格はかなり安くなった。その結果、OPEC＋は、市場に対する新株の影響をもっとよく分析するため、今週予定していた二つの会合を延期した。多くの専門家は、産油国の積極的対策を見込んでいる。おそらく、こうした見通しが、月曜日、石油価格の反発につながった。先週末、石油価格は11％以上、下落したが、今週になって、回復上昇が始まった。Brent石油1バレル、約4.6％上昇した。欧州の証券市場も、金曜日の損失を部分的に挽回した。例えば、ドイツ株価指数「DAX」は、0.6％の上昇となり、フランスの「CAC40」は、0.9％の上昇で、英国の「FTSE 100」も、0.9％上昇した。金曜日、これら株価指数は約4％下落した。輸送及び観光分野の株価も上昇した。「Lufthansa」社の株価は1.7％上昇、「Tui」社は1.5％の上昇。さらに「BP」社の株価は2.7％上昇し、「Eni」社の株価は2.4％、「Royal Dutch Shell」社の株価は、原油価格の上昇で3.1％上昇。先週末、石油会社の株価も下落した。石油価格の運命は現在、OPEC＋の決定に左右される。当初、産油国グル−プは、段階的に増産するというプランを続行するとみられていた。しかし、現在、OPEC＋は、今週、増産を一時停止するかもしれないと説も出てきた。その理由は、新株の拡散は、石油需要を引き下げ、世界経済の回復を破綻させるおそれがあるからだ。以下略

−26日（金）「ル−ブルは、ドル及びユ−ロとの為替争いで勝者となる」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）ドルに対するユ−ロ相場の下落が予想され、欧州中央銀行の緩い通貨・融資政策と結びついていると、金融アナリストアレクサンドル・エゴロフ。ロシアはマクロ経済的には安定しており、冬季、状況がドイツのリセッションなど、悪化するおそれのあるEU問題を実感することはないだろう。「Suddeutsche Zeitung」誌によると、水曜日、ユ−ロ相場は対ドルで1.12以下まで下落した。この原因は、ユ−ロ圏と欧州経済のドライバ−であるドイツの問題である。ドイツの状況は2021年11月、悪化した。経済研究所（ミュ−ヘン）によると、ドイツのビジネス環境指数は11月、10月比で1.2ポイント下がり、現在96.5ポイントである。ドイツの主な経済指数の下落は、5回連続であり、ベ−ス予想より悪い。「Commerzbank」によると、こうした状況は、COVID−19の第四波のせいである。COVID−19の第四波は、インフレ率と金利上昇と並び、ドイツの取引所トレ−ダの株価下落の基本動機となった。「Commerzbank」主席エコノミスト、ヨルグ・クラメルによると、ドイツ経済は冬の半年間、よくて、スタグネ−ションだろう。本当にリセッションのおそれがある。石油価格は、バイデン政権が戦略的石油備蓄を開放すると決定した後も、ほぼ変化はない。「Goldman Sachs」の専門家は、米国の行動は、大海の一滴であるとみている。ドイツの専門家は、エネルギ−資源価格に注目しており、価格は変わっていないと指摘。ロシアにとって、ユ−ロ相場の下落は、高いガス価格のため、ネガティブの要因となるかもしれない。欧州における資源はユ−ロで計算され、2021年秋冬期、ユ−ロに対するドル相場は、常に1.16〜1.17の範囲にあった。以下略

−24日（水）「価値ある贈り物：ロシアのインフレ率、2021年末、8％以上」（何故にアナリストの評価は、中央銀行と経済発展省の予想と一致せず、いつになったら、4％台のタ−ゲット数値に戻るのか？）（イズヴェスチヤ紙、ロ−ザ・アルマクノワ）2021年末のインフレ率は8.04％になると、大手銀行及び格付け会社の有力アナリストが参加したコンセンサス予想の結論。この評価は、中央銀行が予想する範囲に入っていない。中央銀行によると、2021年、物価上昇率は7.4％〜7.9％。専門家によると、インフレの最大要因は、原料と食品価格の高騰。経済発展省は、政府は物価抑制策を実施していると指摘。インフレ状況は、相変わらず、高い不確実性を特徴としていると、ロシア中央銀行。2021年末まで物価は平均で8.04％上がると、８つの金融機関に対するアンケート調査結果。最も大きなインフレ率を予想しているのは、格付け会社「NKR」と「ガスプロムバンク」。年全体で、物価は8.2〜8.3％上昇すると、格付け会社「NKR」主席運営部長アレクサンドル・プロクロフ。それによると、商品・サ−ビス価格の10月の上昇率は、ピ−ク時に近いが、12月、この数値は不愉快なほどの数値になりうる。何故なら祝日期の物価高騰は、大きなものとなる可能性があるからだ。「ガスプロムバンク」は、年末までインフレ率は、ピ−クとなり、上記の数値になるとみている。以下略

−22日（火）「向こう半年間のル−ブル相場」（エコノミスト、向こう半年間のル−ブル高を予想）（イズヴェスチヤ紙、「経済」）米ドルに対する圧力にもかかわらず、米通貨は向こう半年間、世界の主な通貨に対し、強い立場を維持する。だがル−ブルも高値が予想される。これは、「オトクルイチエ」銀行の「オトクルイチエ・リサ−チ」社分析部主席エコノミスト、マクシム・ペトロネヴィッチ。同氏によると、市場は、おそらく、FRBの緩和政策の縮小と米財務省による流通ドルの回収の効果は織り込み済み。米国は、連邦準備銀行の口座残高が1000億ドル以下になった後、借入を増やすとみられる。「ドル高の次のラウンドは、2022年後半、FRBによる公定歩合の引き上げに関する議論が活発化するにつれて、見込まれる」と「プライム」紙の取材でペトロネヴィッチ氏。それによると、FRBによる公定歩合の引き上げは、主にインフレ動向に左右される。いずれにしても、ロシア通貨は高くなる可能性がある。例えば、貿易による外貨流入も、投機取引による外貨流入もル−ブルに貢献すると、同専門家。さらに輸入減は、ロシアの主な輸出品の高値持続の中、貿易収支の黒字をいっそう増やすことになる。石油ガス輸出高は、増える一方とみあれる。以下略

−18日（木）「コ−ヒ価格、10年間で最高値」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」）コ−ヒ価格は、12月渡しで1ポンド2.2ドル以上になり、この10年間で最高値となった。この状況について、「ロシア茶・コ−ヒ」協会代表ラマス・チャントウリヤは、ラジオ「Sputnik」のインタビューでコメント。ICE先物取引所では、アラビカ種コ−ヒ価格の記録的値上がりがみられると、「ヴェドモスチ」紙は伝える。12月先物は現在、1ポンド2.2ドル強で取引されている。これ以上の価格は、2012年1月のみであった。わずか1年間で、アラビカ種コ−ヒの世界価格は、55％以上、上がった。ラジオ「Sputnik」のインタビューで、「ロシア茶・コ−ヒ」協会代表ラマス・チャントウリヤは、価格上昇は、農家は、今後、以前のように安く売ることはできないため、起きていると語った。「悪い状況（1年間の価格急騰）は、コ−ヒ市場で起きたが、これは、どの方向から見るかによる。コ−ヒを栽培している農家にとって、コ−ヒ価格で起きていることは、希望のもてる情報である。ここ数年、農家にとって、コ−ヒ栽培コストは、販売価格より高かった。そのため、多くの農家は破産し、コ−ヒ生産から離れた」とラマス・チャントウリヤ。コ−ヒ価格上昇の中、専門家は茶の飲用について考えるようアドバイス。茶はロシア国民にとって、それほど早く高くなっていない。以下略

−16日（火）「深呼吸：欧州委員会、ロシアGDP成長率を予想」（ロシア市場は、「コロナ危機」による損失をうまく挽回した）（イズヴェスチヤ紙、ドミトリ・アレクセ−エフ）欧州委員会は、新たな予想を出した。それによると、ロシアGDPは2021年、3.9％成長する可能性がある。ただし、2022年ではアナリストは、成長率は2.6％まで下落するとみている。だが経済活動は、通貨融資政策の緩和とロシア輸出品に対する外需の増加によって、拍車がかけられる。マクロ経済分析・短期予想センタ−は、今年と来年のGDP予想を出した。「今年の予想は4〜4.3％、来年は1.8〜2％。「高い」パタ−ンとの食い違い（経済発展省の予想では2022年では3％）は二つの要因による。石油輸出の見込み（経済発展省はOPEC＋の制限の大幅な緩和を見込んでいる。我々は軽い緩和とみており、ほぼ現在の市場規制体制は維持されるみている）と、民間投資の見込みにはきわめて慎重です」とマクロ経済分析・短期予想センタ−マクロ経済プロセスの分析・予想部長ドミトリ・ベロウソフ。「金利政策を厳しくしたことで、マクロ経済にブレ−キがかかった」と指摘。「通貨融資政策の緩和（成長を刺激する政策への移行）とロシア輸出に対する外需の増加が経済活動を上向きにする」と指摘。「GDP成長ポテンシャルは現在、年間約2.5％」とドミトリ・ベロウソフ。「それ以上には、もっと効率的生産への構造的改革が求められる。GDPの長期成長は、数年の間に3〜3.5％まで加速できるが、これは急速ではなく、インフラ、技術、改革等の発展措置が実現させるにつれて達成される」と指摘。以下略

−12日（金）「欧州委員会、2021年、ロシアGDP成長率の予想を改善」（イズヴェスチヤ紙、「経済」）欧州委員会は、2021年のロシアGDPの成長予想を改善し、3.9％まで引き上げた。春の予想は、2.7％だったと、木曜日、11月11日に公表された欧州委員会の経済予想。「ロシアGDPの成長率は、2021年、3.9％で、2022年では2.6％まで下落する」と公表。またロシアGDPの成長は、世界エネルギ−市場の高値が拍車をかけていると、指摘。さらに、欧州委員会は、2021年、世界GDP成長率の予想を改善し、5月の5.6％から5.7％まで引き上げた。今年、新興国経済は、6％成長し、2022年では4.8％、2023年では4.4％の成長。成長率の引き下げは、2021年の米GDPで、5月の6.3％の成長から5.8％まで引き下げられた。例えば、欧州委員会のデ−タによると、成長率は弱まり、何故ならサプライチェーンの中断は行動を抑制し、ワクチン接種テンポは減速し、COVID−19の感染者数は、夏に増加した。以前、11月5日、国際格付け会社「Moody's」は、今年、ロシアGDPの成長率予想を4.8％まで引き上げて改善した。その報告によると、ロシアの経済活動は、資源高値が支えている。10月18日、ロシア首相ミハイル・ミシュスチンは、ロシア経済は危機前の水準を超え、GDPは8ヶ月間、4.7％の成長であると表明。さらに首相は、コロナウイルスパンデミックによる世界経済のショックは、基本的に克服され、ロシアもこうしたトレンドにある。財務相アントン・シルアノフは、10月5日、ロシアの経済環境は、きわめて良好で、経済回復は他国より、よりダイナミックに進んでいると指摘。一方、インフラに対する国家投資規模は、2022年〜2024年、過去最大となる。

−10日（水）「黄金のマスク：ロシア、膨大な外貨準備高」（専門家は、何故にそれだけのお金があるのか、説明）（イズヴェスチヤ紙、オクサナ・ベルキナ）ロシアの外貨準備高は、6230億ドル以上となり、過去最大となる。これは十分な量なのか、何故に金塊の割合が増えているのか、本紙が解明。ロシア中央銀行によると、10月、外貨準備高は、101億1500万ドル（1.6％）増え、記録的規模6242億3700万ドルとなった。外貨準備高における金貨の規模は42億1000万ドル（3.3％）増え、11月1日時点、1328億5900万ドルとなった。こうした結果は、外貨買付や、金の市場価格の上昇によるものである。現在、金価格は、1トロイオンス当たり1820ドル付近である。外貨準備高は、中央銀行が所有する流動性の高い外国資産である。これは、国際収支赤字に対応するためや、介入による外貨交換相場への作用、外貨及び国内経済への信頼維持、外貨借款の基礎として必要である。外貨準備高は、先ず外貨と金貨からなる。またロシアの外貨準備高には、特別借款権がある。これは、IMFが発行する支払い手段のことである。この貯蓄は、予算規則が促している。予算で設定された石油基本価格（2021年では、1バレル43.3ドル）を超えた全ての石油ガス収入は、国庫に入れられる。11月初め、財務省によると、2021年11月9日〜12月6日、予算規則にもとづく外貨・金の購入規模は、5182億ル−ブルになる。以下略

−8日（月）「差し引きゼロ：石油ガスの高値、ロシアに何をもたらすか」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」）オックスフォード大学の学者は、エネルギ−資源価格の高値は、ロシアには影響せず、一方、先進国のみが被害をうける。世界の主要経済研究センタ−の一つである研究機関「OxfordEconomics」は、近い将来の状況についてシミュレーションし、世界経済の回復は、エネルギ−資源の高値が2022年も続くとすると、破綻しないとしても、減速すると、明らかにした。石油ガス、石炭の価格が高いままだと、世界のGDPを2022年では0.5％、2023年では0.7％押し下げる。「Proeconomics」社アナリストは、この数値についてコメントして「しかし、この動向は一律ではない。図表から分かるようにエネルギ−資源の高値で、先進国は被害をうけ、OPEC加盟国は利益を得る。ロシアは、「差し引きゼロ」となり、炭化水素資源の高値は、ロシアにとって、メリットもデメリットもない」と指摘。他の経済組織「MMI」の専門家は、ロシア経済に困難はあるものの、より楽観的に将来をみている。「9月の統計デ−タは、矛盾するものである。産油の早期回復と企業の高い融資需要の中、産業の改善、沈静化しない融資ブ−ムの中、小売もサ−ビスも、強まる消費者行動、過去最低に近い失業率の低下である。2ヶ月連続で、農業の悲惨な数値が観察される。8月、収穫作業が前進したように見えたが、現在、こうした要因で、これほど強い落ち込みを説明できない。公表された数値にもとづくと、9月、GDPの成長率は、3.8％。8月は3.3％。第三四半期のGDP成長率は、4.3％。第二四半期では10.5％。9ヶ月間のGDP成長率は、4.6％。パンデミックは、第四四半期、成長率の見通しを悪化させているが、破綻はないと見ている。今年、4.6％という私たちのGDP成長率の予想は、楽観的に見え始めている。おそらく、4〜4.5％と予想した中央銀行は正しい。．．．．」

−4日（木）「ロシアの配送者、新技術に置き換わる」（「見解」紙、ミハイル・クヴイルコ）ロシア政府は、ロシア国内のドロ−ン使用規則を大幅に簡素化した。これは、新たな届けシステムを生み出すものである。どのようなケ−スで、どのような地域にとって、このシステムが特に必要なのか、ロシアの街路でかなり見慣れたいつもの配送者と交代することになるのか？ロシア政府が作成した一つの空間にドロ−ンを飛行させるという構想では、ドロ−ン所有者の生活が大きく変わる。これは、航空法の改正、ドロ−ン用書類手続きの簡素化、ドロ−ン用インフラの導入、飛行制御用のデジタル方法が前提条件である。「構想の最大課題は、最高の安全水準を確保することである。今後10年間以内にこれを達成する必要がある。将来、大きな本格的な課題がある。開発者、メ−カ、航空会社、国家の共同努力が求められる」と数日前、無人飛行発展に関する政府拡大会議で、首相ミハイル・ミシュスチン。ロシアの空にドロ−ンが飛ぶ規模については、公式登録されたドロ−ンの数によって判断できる。2019年9月27日から飛行重量250g〜30�sの民生用ドロ−ンは全て、登記する必要があり、7ヶ月間だけでも、ロシア航空庁は、約1万9千台のドロ−ンを登録した。

−11月2日（火）「グローバル・エネルギ−移行戦略は、EUシナリオの経済危機からロシアを救う」（「今日の経済」紙、オリガ・クレムレワ）ロシアは、世界のエネルギ−移行に対して正しい動きをとると、工学修士アレクサンドル・ヴラソフ。「グリ−ン」代替エネルギ−源を求めることは、EUを深いエネルギ−危機に導くだけでなく、欧州の人々にとって、失職と食糧不足となっている。それでも、エネルギ−移行が避けられないならば、ロシアは、ロシア経済にとって、損失とならないようにあらゆることを行う。ロシア政府は、ロシアの長期低炭素開発戦略を準備したと、ロシア首相ミハイル・ミシュスチン。ロシア政府の新戦略には二つの戦略がある。低迷シナリオと、まさに基本とされた目標（積極的）シナリオがある。基本課題として、グローバル・エネルギ−移行の中、ロシアの競争力と安定した経済成長の確保である。工学修士アレクサンドル・ヴラソフによると、ロシア政府は、エネルギ−移行を急がず、段階的に行い、最も正しい戦術をとっている。「グリ−ン・エネルギ−への急速な移行は、欧州諸国の多くの経済に打撃を与えたという西側諸国の経験をみている。多くのアナリストは、まさにグリ−ン・エネルギ−を求めることは、EUのエネルギ−危機原因の一つとなった考えている」と同専門家。以下略

−29日（金）「ル−ブル、対ドルで高くなる」（「見解」紙、オリガ・サモファロワ）ロシア通貨は、ここ数日、かなり高くなり、1ドル約69ル−ブル、1ユ−ロ約80ル−ブルとなった。多くの専門家によると、さらに高くなる可能性がある。ドルとユ−ロはどれほど安くなるか？何故にル−ブルは、石油みたいに高くならないのか？ル−ブルは3日連続で高くなっている。一方、ドルとユ−ロは、対ル−ブルで、最低の値を更新した。ドル相場は、69.4ル−ブルまで下がり、ユ−ロは、80.50ル−ブルまで下がった。「先週、ル−ブルは、対ドルで2％以上高くなり、かなり高くなったアジア通貨の倍である」と「ITI Capital」社投資戦略家イスカンデル・ルツコ。ル−ブルはいくつかの要因によって、支えられている。最大の外的要因は石油で、1バレル85ドル以上である。世界市場の投資家は、ル−ブルに関心を示し、何故ならロシア通貨とのキャリー・トレ−ドで稼げるからである。ロシア国内では、金曜日、予想外に公定歩合を0.75％、引き上げた中央銀行はル−ブルを支援している。10月の納税期と、総額3380億ル−ブルという2021年の株式配当の中間支払いも影響した。ルツコ氏の分析では、このため、企業は約15億ドルの外貨を売却した。以下略 −27日（水）「国営企業、5年間で、記録的な外貨保有高」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」）ロシアの資源企業では、石油ガス、金属価格高騰の中、2016年夏以降、口座の外貨残高は、記録的な額となると、ロシア中央銀行のデ−タ。10月時点、国営企業には1752億ドルがある。9月、法人の外貨口座は、さらに47億ドルが増えた。年初からは、161億ドル増えている。国営企業のル−ブル口座は、さらに3920億ル−ブルが増えた。口座における通貨量の増加は、エネルギ−資源の価格上昇と輸出売上の増加のせいである。例えば、第三四半期、ロシア経済は、この8年間で、最大の輸出収入があり、1349億ドル以上となった。これは、第二四半期より198億ドル多く、2020年第三四半期より70％多い。原油輸出による外貨売上高は、1年間で1.5倍となり、291億ドルとなった。石油製品の輸出売上高は倍増した（176億ドル）。非炭化水素品の輸出は、国営企業に729億ドルをもたらした。これは、2021年第二四半期より、25％多い。穀物及びひまわり油の国際価格の上昇は、供給量の減少にもかかわらず、利益を15％増、1.5倍にした。輸出売上高の増加は、ル−ブルを支えるはずだが、それは見られていないと、「ライファイゼンバンク」のアナリスト。「外貨は、財務省の介入により予備金に入れられたり、2014年以来、記録となる民間部門による資本の持ち出しの形で、海外へ流出したりしている」と「finanz.ru」。

−25日（月）「一気に0.75％。ロシア中央銀行、6回目の公定歩合の引き上げ」（ナビウリナ総裁は、公定歩合引き上げの中央銀行決定について説明）（イズヴェスチヤ紙、アレクサンドル・アフトウイルコ）ロシア中央銀行は金曜日、公定歩合を6.75％から7.5％に引き上げた。こうした決定を中央銀行理事会は、予想を超えるインフレ率の中、下した。経済にどのような変化があるだろうか？インフレ率は予想よりかなり高く、年全体で7.4％〜７.9％になると見られる。実施されている通貨・融資政策は、インフレ率を4％まで戻すものであると、10月22日に公表された中央銀行公式サイトの広報。「基本予想にもとづき、状況が発展した場合、中央銀行は今後の理事会会議でさらに公定歩合を引き上げることもある。公定歩合の決定は、経済発展の目標に対するインフレ率の実質及び予想動向並びに内外条件のリスク評価及びこれに対する金融市場の反応を考慮して下される。ロシア中央銀行の予想では、実施されている通貨・融資政策を考慮すると、年間インフレ率は2022年、4％〜4.5％まで下落し、その後、4％付近となる」と中央銀行の説明。8月後半からインフレ率の加速で、野菜果物の価格上昇が大きく影響している。以下略

−21日（木）「IMF、パンデミック時、ロシアの経済政策を評価」（IMF:ロシア政府の政策により、高いテンポの経済回復）（イズヴェスチヤ紙、「経済」）ロシア政府は、コロナウイルスパンデミックの中、経済回復に寄与する正しい政策を選択したと、水曜日、10月20日、IMF欧州局長アルフレッド・カマ−は、ビデオ記者会見で発言。「ロシアは2020年、比較的小さなリセッションにあったが、2021年では、きわめて大きく回復した。またロシアは、危機時、正しい措置をとり、回復を支えた。税予算政策は、通貨政策と同様に成長を支え、現在、起きているまさに強い回復となった」と同氏。それによると、ロシアにとって、生産性と成長を向上させるため、構造改革に重点を置くことは重要である。こうした課題は将来も、「ロシア経済最大のアキレス腱のままである」と同氏。前日、ロシア首相ミハイル・ミシュスチンは、副首相アンドレイ・ベロウソフと経済発展相マクシム・レシェトニコフに対し、パンデミック時、新たなビジネス支援策を準備するよう指示した。10月12日、IMFは2021年のロシアGDP成長率予想を4.7％に改善した。7月、IMFは、今年のロシアGDP成長率は4.4％と予想していた。以前、10月5日、ロシア大統領ウラジーミル・プ−チンは、労働市場は、コロナウイルスパンデミックの開始以来、事実上、完全に回復した表明。以下略

−19日（火）「経済回復、力尽きる」（GDP成長率4.2％）（GAZETA.RU紙、ミハイル・コトリャル）ロシアの経済活動は減速し、悪化する感染状況がネガティブに影響していると、経済発展相マクシム・レシェトニコフ。そのため、専門家は、2021年、4.2％以上の経済成長率を見込んでいない。この予想は、9月の同省予想と同じである。各国際機関は、ロシア経済成長率は、今年、4％以上にならないと見ている。ロシア経済発展相マクシム・レシェトニコフは「当初の予想では、GDPはもっと高くなるとみていた。けれども、この2ヶ月間、経済活動は減速し、回復は基本的に力尽き、現在、経済はそれなりの動きをみせている」とレシェトニコフ氏。同相によると、ビジネス活動の減速は、中でも感染症状況の悪化のせいである。「感染症状況は悪化している。そのため、今年、もっと高い成長率は見込めないだろう」と経済発展相。GDP成長率4.2％は、2021年の経済発展省基本予想と一致する。2022年〜2023年について、経済発展省は、経済は約3％、成長するとみている。レシェトニコフ氏によると、来年、GDP成長率には、OPEC＋協定の枠内での石油増産と、信用通貨政策の引き締めが影響する。経済発展省の予想では、名目ではGDPは今年、15兆ル−ブル増え、2022年では9兆ル−ブル増える。以下略

−15日（金）「ロシアの失業率、4.4％」（イズヴェスチヤ紙、「経済」）ロシアの失業率は、4.4％まで下落し、雇用センタ−には85万人が登録と、木曜日、10月14日、労働相アントン・コチャコフ。それによると、ロシアの労働市場は、パンデミック前の水準に戻り、ILO（国際労働機関）の計算方式では、失業率は4.4％。「雇用センタ−に登録されている失業者数は、今日現在、85万人」と第三回ユ−ラシア婦人フォ−ラムで、コチャコフ氏は発言。10月8日、労働省は、ロシアの最高失業手当は、2022年、12792ル−ブルまで引き上げられると伝えた。また同省によると、失業手当給付条件は、これまでと同じ。失業者として登録されると、最初の３ヶ月間、賃金の75％を受け取ることができるが、最高12792ル−ブルである。二回目の3ヶ月間は賃金の60％となり、最高5千ル−ブルとなる。一方、上院社会政策委員会副委員長ワレリ・リャザンスキ−は、政府のこうした決定は正しく、失業者は、最低賃金レベルでも、手当を受け取るべきと指摘。7月31日、ロシア政府は、簡易失業登録手続きを2021年12月31日まで延長した。ちなみに、昨年からこの手続きは、「ロシアの労働」サイトで、失業者登録申請を行うことができる。これにより、国家サ−ビスポ−タルの個人デ−タサイトで、失業手当の手続きを行うことができる。こうした規定で、失業登録所に行く必要はなくなる。

−13日（水）「石油ガス価格の高騰で、ロシアの利益は500億ドル」（イズヴェスチヤ紙、「経済」）2021年、ロシア予算の石油ガス収入は、昨年比で約70％増え、500億ドルになると、10月12日、国際格付け会社「Fitch」のデ−タにもとづき、タス通信は伝えた。「Fitch」社天然資源・原料担当役員ドミトリ・マリンチェンコによると、今年、国家予算への石油ガス収入は、約1250億ドルになる。「これは、2020年より500億ドル多く、マクロ経済指数が年初の予想通りであるならば、思ったよりも約400億ドル多い」とマリンチェンコ氏。それによると、年初の予想は、石油1バレルの価格は45ドル前後であり、天然ガス輸出価格は、千㎥当たり200ドルとして、立てられた。「ガスの貢献は、スポット市場の価格急騰にもかかわらず、控えめなもので、約20〜25％にすぎない。石油ガス収入全体では、ガスの割合は約20％で、つまり予算は相変わらず、ガス価格より石油価格に左右される」とマリンチェンコ氏。ちなみに国内で採掘されるガスの大部分は、ロシアで消費される。試算によると、今年、炭化水素資源の販売によるロシアの収入は、1バレル70ドルのBrent石油価格と、千㎥320ドルという「ガスプロム」社の年間平均輸出価格に左右される。10月5日、プレハ−ノフ記念ロシア経済大学准教授デニス・ドマシェンコは、Brent石油価格の高騰原因として、ガス市場の投機や冬の前の備えなど、技術的、基礎的要因を指摘した。以下略

−11日（月）「牛耳る：2022年、100ル−ブル新紙幣」（何故に発行後、直ちに国民の手に渡らないのか）（イズヴェスチヤ紙、アンナ・カレジナ）国民は、来年末になってのみ、100ル−ブル新紙幣を見ることができると、中央銀行副総裁ミハイル・アレクセ−エフ。同氏によると、新紙幣の図案は承認されており、2022年に製造し、流通させる予定。それによると、100ル−ブル新紙幣での支払い流通は徐々に満たされ、何故なら銀行が新紙幣設備を用意するのに数ヶ月かかるからだ。100ル−ブル新紙幣の表側に見られる、赤の広場の若干の景色も注目される。ミハイル・アレクセ−エフによると、100ル−ブル新紙幣の図案は、承認され、来年に製造し、流通する予定。「十分な時間が必要です。金融機関が仕分け機や、セルフサービス機など準備するには数ヶ月間かかる。要するにATMを新紙幣に合わせる必要がある。そのため、紙幣は手元にあるが、当初、こうした設備を試験するため、金融機関に提供する」とミハイル・アレクセ−エフ。したがって、国民は2022年末近くになって、おそらく、100ル−ブル新紙幣をかなりの量、流通で見ることになると、中央銀行副総裁。「今後数年間、新紙幣と現行の紙幣は、他の新紙幣と同様に平行して流通することになる。そのため、市場が直ちに新紙幣で満たされ、現行の100ル−ブルと置き換わると考えるべきでない。以下略

−7日（木）「世界銀行、2021年、ロシア経済の成長予想を引き上げる」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」）ロシアGDPの成長予想は、今年、世界銀行は3.2％から4.3％に改善した。ただし、逆に2022年の予想では、3.2％から2.8％に、2023年では2.3％から1.8％に引き下げた。欧州及び中央アジア地域の経済について、世界銀行の報告では、ロシア経済は、内需の早い回復と、エネルギ−資源の高値によって、支えられていると指摘。「改善予想もわずかとはいえ、国の追加支援を反映している」とアナリスト。報告書作成者は、こうした判断について、需要の安定化と産業原料価格の低下のせいと説明。世界銀行は、OPEC＋の産油制限の段階的緩和により、ロシア政府は、予算規則に戻るとみている。ロシア経済の成長展望には、2021年に導入された新たな米制裁など地政学的緊張の強まりや、ワクチン接種数の不十分、中央銀行による公定歩合の引き上げも影響する。経済発展省の公式予想は、基本シナリオでは、ロシア経済の成長は2021年では4.2％、2022年〜2023年では、3％と予想している。ちなみに9月、専門家は、2021年の世界経済の成長を予想し、ロシア経済の予想は、さほどバラ色のものではなかった。世界経済におけるロシアの割合は、成長率の遅れや、かなりささやかなインフラ計画及び刺激策から縮小すると、専門家。

−5日（火）「さらなるテストが必要」（「ガスプロム」社、ガスパイプライン“ノ−ドストリ−ム2”にガス注入を開始）（GAZETA.RU紙、セルゲイ・フヴォスチク）「Nord Stream 2 AG」社は、ガスパイプライン「ノ−ドストリ−ム2」の1ラインにガス注入を開始したと伝えた。この数週間前、デンマークのエネルギー機関は、ガスパイプラインの第二ラインは、あらゆる規準に適合しており、運転開始の状態にあると、伝えた。欧州のガス価格は、徐々に下がり始めた。「パイプラインは、さらなる技術テストに必要な量と圧力に達するように徐々にガス注入される。以前、ガスパイプラインの無傷検査のため、試運転調整作業と、外観目視検査及び機器検査が行われた」とプレスリリース。一方、デンマ−クのエネルギー機関は、「Nord Stream 2 AG」社はガスパイプライン運転開始のためのあらゆる条件を整えたと表明。「2021年10月4日、デンマークのエネルギー機関は、「ノ−ドストリ−ム2」の第二ラインの運転開始に同意した。何故なら、「Nord Stream 2 AG」社は品質証明条件など、あらゆる必要条件を整えた」とプレスリリース。報道によると、欧州のガス価格は、下がり始めた。オランダにあるTTFハブでの11月先物価格は、たった1時間に70ドル下がり、千㎥当たり1124ドルになったと、ICE取引所は伝えた。月曜日、欧州取引所の先物価格は、千㎥当たりほぼ1200ドルとなり、1198.7ドルとなった。以下略

−10月1日（金）「この10年間、最も賃金上昇の大きかった部門」（イズヴェスチヤ紙、「経済」）プレハ−ノフ記念経済大学の専門家は、統計庁のデ−タにもとづき、この10年間、賃金上昇率が最も大きかった部門トップ５のリストを作成した。先ず、賃金上昇率283.6％であった部門は、食糧生産関係の部門（農業、漁業、林業）である。それによると、国産品の需要を大幅に増やした制裁も、それなりの貢献をし、農産品の生産促進のため、導入された国家支援策は、この部門のポテンシャルを高めた。第二位は、保健と社会サ−ビス（277.1％増加）。この分野で賃金上昇の契機となったのは、2012年の大統領5月令である。これは、2018年までに当該地域の平均賃金より、医師の平均賃金を200％引き上げる課題を政府に提起するものである。さらに、医師に対し、地域の保健支援・発展プログラムや、国民計画「保健」も支援している。プレハ−ノフ記念経済大学経済統計学科准教授オリガ・レベジンスカヤによると、国が追加賃金を出したパンデミックは、医師の所得増加に大きく貢献している。さらに一つの2012年5月令の恩恵者は、教育関係の勤労者である。この部門は、第三位で賃金上昇率は266％。すでにあげた理由のほか、教員所得の増加には、奨励金、賃金の物価スライド、国民計画「教育」も影響している。トップ5の最後は、鉄鋼部門と化学部門で上昇率は257.3％と242.6％。2011年〜2021年（1月〜6月）、統計庁のデ−タによると、国の月間平均名目賃金は、2.3倍増え、ほぼ58800ル−ブルとなった。

−29日（水）「専門家の予想：2021年の世界経済は成長するが、ロシア経済は減速」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」）OECD（経済協力開発機構）の新たな分析では、2021年、世界経済は5.7％成長する。一方、ロシア経済は、大きなブレ−キ、あるいは「ハ−ドランディング」に見舞われるかもしれないと、各専門家。OECDは、米GDPの成長率は6％と予想。EU経済は、5.3％の成長。世界経済の回復は、不均等であり、新興国も、先進国も一連のリスクはあると、「Euronews」紙。OECDの報告によると、経済の回復につれ、需要の早い増加は、石油や金属のような主要原料の価格上昇となった。食品価格も上昇している。パンデミックによるサプライチェーンの緊迫は価格圧力を強め、輸送費が増加している。OECD主席エコノミスト、ロ−レンス・ブンは、次の例をあげた。「中国から米東部海岸へのコンテナの運搬は、2年前では、3千ドル以下であった。現在、これは2万ドル以上」と指摘。国際専門家によると、インフレ率は、米国やいくつかの新興国で急上昇しているが、特に欧州など他の多くの先進国では、比較的低いままである。一方、今後数ヶ月、ロシア経済はどうなるか？ロシア科学アカデミ−国民経済予想研究所によると、ロシア経済は、世界的インフレや、原料価格のストップに対する対応の拙さ、並びに厳しい予算政策により、大きなブレ−キや、「ハ−ドランディング」に見舞われるおそれがある。世界経済におけるロシアの割合は、成長率の遅れや、あまりにも控えめなインフラ、刺激策により、縮小するだろう。

−27日（月）「年内のル−ブル動向」（イズヴェスチヤ紙、「経済」）石油高値と公定歩合の引き上げが、ル−ブル高にしている。他方、デルタ株と、米通貨政策の強化も影響するかもしれないと、9月25日、アナリストはこうした予想を行った。金融アナリスト、トレ−ダ、アルテム・ズヴェズジンによると、石油は近々、1バレル80〜85ドルで安定する。そのため、ドルは年末頃には71.6ル−ブルになる。「SKB」バンク主席アナリスト、セルゲイ・コスイギンによると、2021年末までにドルは、70ル−ブルになる。産油量の増加と輸出増加により、納税のため、輸出企業によるル−ブル需要が増えると、同氏。「オトクルイチエ・ブロ−カ」社市場分析部主席アナリスト、アンドレイ・コチェトコフは、ロシア通貨は、過小評価のままであり、何故なら国民福祉基金向けに財務省が外貨を購入することが、ロシア通貨高を妨げているからだと、指摘。「石油価格が高ければ高いほど、財務省の資金は多くなる。ル−ブル高になりうる過度な供給は、財務省によって、一掃される」とコチェトコフ氏。各専門家によると、通貨相場には、コロナウイルスパンデミックも影響している。新たなロックダウンの可能性により、世界経済には失速のおそれがあり、これは新興国通貨を下落させる。9月21日、経済発展相マクシム・レシェトニコフは、閣議で、ル−ブル相場は現在、過小評価されており、経済発展省は、2021年末〜2022年の初め、若干ル−ブル高となり、その後、徐々に安くなると発言。経済発展省は、2021年末、ドル相場は71.9ル−ブル、2022年末は72.3ル−ブルと予想。

−22日（水）「実質賃金の上昇」（イズヴェスチヤ紙、マクシム・レシェトニコフ）ロシア経済発展相マクシム・レシェトニコフは、実質賃金の上昇と、コロナウイルス前の失業率の回復を指摘。「労働市場の状況は改善している。7月、失業率、被雇用者数は、事実上、コロナウイルス前の水準に戻った。実質賃金の上昇は続いている」と、経済発展相は、火曜日、9月21日、閣議で発言。同相によると、経済発展省は、2021年、実質可処分所得上昇を3％に据え置いた。その後は、2.5％とみている。収入の増加は、労働市場の安定した状況や、賃金上昇、企業収入の上昇、資産収入の増加に左右される。以前、9月8日、財務相アントン・シルアノフは、国内経済は全体として回復し、この傾向を維持する必要があると指摘。それによると、付加価値税と個人所得税の収入は、今年の経済成長予想をかなり上回っている。その日、ロシア首相ミハイル・ミシュスチンは、ロシア経済はすでに6月に回復し、GDPは、コロナウイルスを完全に克服したというのは時期尚早だが、パンデミック前の水準に戻った。ミハイル・ミシュスチン首相の中間デ−タによると、上半期、GDPの成長率は4.8％。それによると、このテンポは、ロシアが1年前に国家プランに設定した水準を大幅に上回る。首相は、この数値は、明らかにパンデミック前の数値を上回っていると強調。

−17日（金）「ロシア南部地域、2035年までに壊滅的干ばつのおそれ」（学者は、ロシア南部地域の全面的水不足を予想）（GAZETA.RU、イワン・ジュコフスキ−）ロシアのいくつかの地域の水不足は、2035年までに壊滅的な規模になると、ロシア科学アカデミ−は警告。水路学者ヴィクトル・ダニロフ−ダニリャンの意見では、ロシアの膨大の水資源は、不均等に分布しており、その大部分はシベリアにあり、ここは人口と生産量は、全体の20％しかない。最もリスクがあるのは、ロシア南部である。15年後、ロシア南部は、壊滅的水不足の被害を受け始めるかもしれないと、「ノ−ヴォスチ」通信は、ロシア科学アカデミ−水問題研究所学術指導者ヴィクトル・ダニロフ−ダニリャンの発言を伝えた。「ロシアの欧州部地域は、2035年までに、イノベ−ション技術を導入せず、河川の汚染を防がないと、水は壊滅的状態に必ずなる」と同学者。水不足の懸念は、クリミア、クラスノダル地方、スタヴロポリ地方、アストラハン州、ロストフ州、ヴォルゴグラド州、オレンブルスク州、クルガン州、カルムイク自治共和国である。それでも、ロシアの水資源総量は、世界第2位（ブラジル第1位）だが、その分布は均等ではない。企業の80％、人口も同程度いる欧州部地域は、水資源の20％しかない。その他の水資源は、シベリアと極東にある。表流水は、ロシア国土の12.4％。こうした資源を保護するため、国民計画「エコロジ−」の枠内でいくつかのプログラムが作られている。これは、バイカル湖の保護や、沈没船の除去など、ヴォルガ川の健全化である。この予算は各々339億ル−ブルと2054億ル−ブル。以下略

−15日（水）「自己隔離のプ−チン大統領、ワクチン「スプ−トニクV」の有効性をチェック」（「今日の経済」紙、オリガ・クレムレワ）ロシアのコロナウイルス状況は厳しいままである。ワクチンは国民を安全にできる。ワクチンは、けっして感染しないと保証できないが、症状をかなり軽減できると、エカテリナ・ソロヴィエワ医師。火曜日、9月14日、ロシア大統領ウラジーミル・プ−チンは、やむなく自己隔離を行うと伝えた。大統領府広報によると、大統領は、側近がコロナウイルスに感染したので、自己隔離している。数名が感染しているという。彼らはワクチン接種済みだが、その内一人は、「少し遅れて再接種」している。「側近数名が感染した。その一人は、私の間近で仕事をしている。二回目の接種は少し遅れて行われた」と大統領。この職員は、再接種の3日後、発症したと説明。「前日は、そのスタッフと一日中、とても近くで一緒にいた」と大統領。それによると、感染者との接触で、「スプ−トニクV」ワクチンの効果をチェックできる。現時点で、抗体の水準は良い。大統領報道官ドミトリ・ペスコフは、大統領の状態についてコメントし、大統領はまったく健康で、気分は良好と述べた。「医師はやることやっている。隔離中の人は、一定の日数、一定の時間を待つ。これは正常なやり方だ。ワクチンは、明らかに重症化を防いでくれるが、それでも、感染する可能性はある」とペスコフ報道官。以下略

−13日（月）「公定歩合、6.75％に引き上げ」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」）ロシア中央銀行は理事会会議で金曜日、公定歩合を0.25％引き上げ、6.75％にした。中央銀行は、公定歩合の引き上げ決定について、今年第二四半期に公定歩合を引き上げ後に見られた経済回復が緩慢であるせいであると説明。「第二四半期、ロシア経済は、パンデミック前の水準に達し、均衡成長の軌道に戻った」と中央銀行。同時にインフレに対する安定した要因の影響は、生産拡大能力に比べ、高い需要があるため、相変わらず大きいままである。こうしたことを考え、高いインフレ期待が維持されている。「ロシア中央銀行の通貨融資政策は、こうしたリスクの抑制とインフレ率を4％に戻すためである」と中央銀行。中央銀行は、年内にインフレ率は減速し、2022年には4〜4.5％まで下がり、その後、4％まで下がる。このため、中央銀行は、今後の理事会で、さらなる公定歩合の引き上げもありうるとしている。この決定は、実質インフレ率と予想されるインフレ率を考慮して、下されると、中央銀行。現在、年間インフレ率は、7月の6.46％後、8月に6.68％まで上昇した。9月6日時点、6.74％である。ロシア中央銀行の次回理事会は、10月22日の予定である。ちなみに、今年、ロシア中央銀行は、すでに5回、固定歩合を引き上げている。年初から公定歩合は、2.75％も引き上げられた。前回7月では、中央銀行は、5.5％から6.5％に引き上げた。

−9日（木）「ロシア人は、ウオッカをさほど飲まなくなった」（専門家は、強い酒類の消費減少は、人口問題のせいと説明）（GAZETA.RU紙、マルガリタ・ソボリ）ロシアではウオッカの消費量が減っている。ロシア人はウオッカにかわって、何を飲んでいるのか、酒類にどれほど、お金を使うか、祝日前、酒類価格に何が起きているのか？ロシア小売店のウオッカ販売量は、上半期、4％減少したと、「RBK」社。中央及び地方の酒類市場調査センタ−長ワジム・ドロビスによると、強いアルコール飲料、とりわけウオッカの消費量は、主に人口問題によって、減少している。それによると、2008年から2018年、ビ−ルの生産量と消費量は、1990年〜2002年の人口減少期により、消費者成人グル−プ（18歳〜35歳）が急減したことで、三分の一、減少した。現在、こうした時期に生まれた人が強いアルコ−ル飲料を好む年齢層になっている。「現在、強いアルコ−ル飲料では、人口問題を被り、これは、毎年1.5％減少している。これは、ビ−ル市場から離れたグル−プで、歳を重ねるにつれて、強いアルコ−ルに移行する。こうした状況は、長い間、さらに40年間、強いアルコ−ル飲料の消費に反映する」と同専門家。「NielsenIQ」社の6〜7月のデ−タによると、ロシアでは、他種類の強いアルコ−ル飲料の消費が増えている。これは主にカクテルである。だが各専門家によると、この1年半、市場ではカクテルや強いアルコ−ル飲料から弱いワインへの移行が見られる。専門家は、ワイン売上高の安定的増加を指摘。「Wine retail」誌代表アレクサンドル・スタフツエフによると、小売店はこうしたトレンドを歓迎している。何故なら、この分野は多種多様で、販売店は、ライバル店と同じものを並べる必要がないからだ。「またワインは、他の商品カテゴリーとも相関関係があり、明らかに関係している分野もある。ワインの消費者は通常、ウオッカ購入者より、もっと豊かな人である。そのため、生鮮品の売手や、食料品店は、ワイン販売と絡めるようにしている。小売店の売上では、ワインは5〜6％で、かなり多い」とスタフツエフ氏。販売店は、卸しを介さず、直接、ワイン納入業者と契約を結んでいる。このようにして、利ざやをかせいでいると、同氏。ロシアワイン市場の最大納入者は、国内業者で45.3％、スペイン産は12.6％、グルジア産は14.7％、イタリア産は9.7％、フランス産は10.1％、チリ産は4.5％、その他は18.4％と、ロシア品質監督庁ワイン調査・促進局長オレシャ・ブニャエワ。以下略

−7日（火）「高所得者の三分の二はモスクワ」（専門家は、月給100万ル−ブル以上のロシア国民の数を計算）（GAZETA.RU紙、ミハイル・コトリャル）2021年4月、この数は1万7100人で、2019年の1.5倍。これには、個人事業主や、ボ−ナスをもらうトップマネージャーは入っていない。モスクワでは給料100万ル−ブル以上のサラリーマンは、全体のほぼ60％。大抵の場合、金融関係、保険、貿易関係である。ロシアでは、大中企業の従業員の中で、2021年4月、1万7100人は、毎月100万ル−ブル以上をもらっていると、「FinExpertiza」社の調査。結果は、9月6日に公表された。専門家によると、小企業や個人事業主は計算にいれず、またボ−ナスは、トップマネージャー収入のほとんどである。そのため、月100万ル−ブル以上をもらっている人の実数は、かなり多くなる。合計で官民10万4600社が対象となった。「FinExpertiza」社は、統計庁のデ−タにもとづいている。このように給料100ル−ブル以上の従業員の割合は、0.06％。この2年間、この数は51.5％増え、2019年パンデミック前の4月では、1万1290人であった。高所得者職員の60％は、モスクワに集中している（1万400人）。サンクトペテルブルクでは1300人、ポドモスコ−ヴィエでは1200人。月給100万ル−ブル以上の職員約300人は、スヴェルドロフスク州、サハリン州、クラスノダル地方にいる。専門家によると、首都と８つの地域に給料「100万ル−ブル以上」の職員の85％がいる。先ず、給料「100万ル−ブル以上」の職員は金融関係、保険関係（約2900人）、貿易（2600人）、科学、技術、教育関係（各々2400人）、IT及び通信関係（1400人）。統計庁のデ−タによると、4月、国内企業の勤労者平均賃金は、5万6600ル−ブル。3月比では、2.5％増え、年間では13.8％増えた。市民社会発展基金は6月、最高の平均賃金は、チュクチ自治管区、ヤマル・ネネツ自治管区、モスクワである。一方、「ラボタ.RU」社は、アンケート調査にもとづき、国民は、2021年下半期、平均で月給13万1600ル−ブルを望んでいると伝えた。モスクワ とサンクトペテルブルクは最も要求が高く、各々15万8700ル−ブルと15万1900ル−ブル。専門家の説明によると、雇用者の36％のみが年内に賃金を引き上げるつもり。経済発展省の7月予想によると、2021年末、平均月給は昨年比で9.1％増加した。以下略 −3日（金）「使い捨てプラスチック製品、2年後、生産禁止」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」部）ロシア政府は、2024年に使い捨てプラスチック製品の生産全面禁止とする意向。天然資源相アレクサンドル・コズロフによると、生産禁止は、設備を対応させるため、段階的に導入するよう提案されている。「2024年を最終年とする」とプレスリリース。連邦自然利用監督庁長官スヴェトラナ・ラジオノワによると、再処理されないカラ−プラスチックの拒否は避けられない。それによると、「ロシア環境オペレーター」社は、生産禁止対象となる使い捨てプラスチック製品28品目のリストを作成した。政府は、再処理可能な梱包材の生産に関し、代替品が開発されしだい、その生産を停止する意向。ロシアでは早くも2年後、使い捨てプラスチックストロ−、皿、コップ、食器、コップの蓋、コ−ヒカプセル、綿棒、ポリエチレン不透明及びカラ−ボトル、ブリスターパック（薬剤を除き）、鶏卵の輸送及び販売容器、野菜・果物用使い捨てパッケージやネット袋など。目下、ロシアでは廃棄物の5％しか、処理されていない。その結果、ゴミ捨て場は、満杯となり、周囲を汚染しながら腐敗している。再処理プロセスを加速させるため、政府は、国内に二次原料市場を作る意向。いくつかの地域では、ゴミの仕分け・再処理方式がすでに動きだしているが、まだ大規模ではない。専門家によると、こうしたプロセスを加速させるためには、ゴミの仕分け・再処理に住民の経済的利害の仕組みを導入する必要がある。例えば、ゴミの分別収集では住宅公共事業の料金引き下げや、補償費を出し、また再処理に出される容器に対し、割引を行う。大量の廃棄物や、ゴミ問題改革の拙いやり方は、クリミアや、マガダン、その他多くの地域で「ゴミ破綻」となった。

−9月1日（水）「極東の移住に8兆ル−ブル」（イズヴェスチヤ紙、「経済」部）極東移住計画には、8兆ル−ブルが必要で、これはロシアの2021年国家予算（歳入費18.8兆ル−ブル）のほぼ半分と、「RBK」社インタビューに極東・北極発展相アレクセイ・チェクンコフは8月31日に発言。同省は、この地域に30万人規模の衛星都市を作るというビジネスモデルを考えている。チェクンコフ氏によると、新都市は、アルテム市やウラジオストック市と並んで、極東で最初の100万都市となるだろう。同相によると、約15年間にこの地域に最大で200万人を移住させる展望はあるが、その場合、住宅6000万�u以上を建設して新たな生活環境を生み出す必要がある。現在、この地域では、年間に住宅250万�uが建設されている。「このような拡大路線は可能だが、この投資計画は、約8兆ル−ブルがかかるだろう。これは合算費用である」と同氏。同省によると、この投資計画は、国にとっても、ビジネス界にとっても、メリットがある。新たな住民は、新たな税と経済を生み出す。しかし、新たな住民を引き入れることは、新たな住民が平均的ロシア国民より、より多くの地域GDPを生み出す場合に意味が出てくる。極東発展相の分析では、この計画は、一世代で回収でき、つまり約25年後に投資した資金は投資家に戻ってくる。しかし、現在、政府には「移住」構想はないと、同相は指摘。こうした計画について、現在の予算制約の中、議論はきわめて難しく、これを促進する意味はない。チェクンコフ氏によると、ウラジオストックは、モスクワ及びサンクトペテルブルクに次ぎ、あらゆる面で第三のロシアで最も魅力的都市になるはずであり、ここにはその条件は「全てある」。この計画は、国営投資銀行「VEB.RF」、その子会社「プロゴロド」、極東発展公社、プリモ−ルスキ−政府の支援で、実現される。現在、ウラジオストックの人口は60万人で、そこから38km離れたアルテム市の人口は、約10万人。ロシアの極東地域全体は、４つの地域に区分される。国境地帯には、プリモ−ルスキ−地方、ハバロフスク地方、アム−ル州、ユダ自治管区がある。ザバイカル地域は、ブリヤ−トとザバイカリエに分けられる。北部の地域は、ヤク−ト、チュクチ、マガダン州となる。島部は、サハリンとカムチャツカ。極東発展相によると、こうした区域は、年間8％以上、成長するように区分された。

−30日（月）「ワクチン接種済みツ−リスト、隔離措置撤廃」（「スプ−トニクV」を接種した旅行者は、タイ保養地への訪問、簡易化）（GAZETA.RU紙、アレクサンドル・アフトイルコ）コロナウイルスワクチン「スプ−トニクV」を接種したロシアツ−リストは、タイ保養地への簡易訪問プログラムを利用できるようになった。同国への入国の際、14日間の隔離措置は必要ない。だが、現在ロシアには、タイへの直行便はない。ただし、プーケット島やサムイ島の訪問に必要な書類手続きは、きわめて複雑で、費用がかかると、専門家。それでも、こうした保養地にどのようにしたら行き着けるか、本紙資料に載っている。タイ政府は、「スプ−トニクV」を接種したツ−リストのプーケット島及びサムイ島の訪問を簡易にしたと、金曜日、8月27日、プーケット島のロシア領事館。だが「プ−ケット島鳴き砂」及び「サムイプラス」のプログラムでタイに入国する場合、ツ−リストは、タイの大使館で、入国許可の手続きをとる必要がある。「今日からでも、入国許可書の取得書類を送ることができる」とプ−ケット島ロシア総領事ウラジ−ミラ・ソスノワ。こうしたプログラムによる入国は、9月1日から許可される。以下略

−27日（金）「北極の開発は、ロシアだけでなく、そのパ−トナ−にとっても、“世紀のプロジェクト”になる」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、セルゲイ・クロン）米制裁にもかかわらず、有用鉱物採掘を行う大手の国際企業は、ロシアの石油ガス計画に投資を続けている。これらの企業は、北極の巨大産出地の開発で中国やインドに遅れをとりたくない。レイキャビックで行われた北極会議の参加者を前に、米国務長官アントニー・ブリンケンは、ロシアはこの地域を軍事化しており、“違法な海洋要求”をしていると、表明。特に北極海航路における外国軍艦の移動規制は、国際法規準とは相容れられないと、指摘。以前、米テレビ局「CNN」は、ロシアは北極において、先例のないほど、軍事プレゼンスを拡大しており、そこで最新兵器の試験を行っていると、伝えている。「CNN」は、衛星写真を公表し、そこから、あたかもロシアは北極海岸の空港や軍事基地を強化し、この地域に軍事技術や戦闘機を集結させている。「そこでは、それ以外のことはやっていない」とブリンケン氏。ロシアの北極戦略では、最重要な点の一つは、軍事部分であることは、疑いの余地はない。他方、米紙「Defense News」によると、北極海岸線約2万4千キロメートルは、ロシアの部分となる。長い間、こうした未開の地は、ほとんど注目されず、まして、防衛について、言うまでもない。おそらく「侵略」だと、ロシアを非難できないだろう。何故なら、その控えめな展開は、自国領に限られていたからだ。さらに、こうした展開は、北極海航路を航行する船舶の安全保障や、何らかの環境的非常事態に対応するため、必要と言える。軍事基地「北極クロ−バ」で宿泊し、「ゼムリャ・アレクサンドラ」島のセイウチを観察している数百人の兵士が、誰かの脅威となる主張する人は、ほとんどいない。米国の戦略理論家も、北極海航路でロシアの北極海岸にそって、航行し、航海計画を予め伝える義務を負わせるロシア法の要求を履行する船舶は、世界の交易秩序の脅威となるとは、主張できないでいる。政治学者、ロシア科学アカデミ−米国・カナダ研究所主席研究員ウラジ−ミル・バチュクは、ここ数年、ロシアは北極地域で、自国の軍事ポテンシャルを本当に強化したと述べた。2014年、ロシアは北極部隊を結成した。ロシアは、この地域にいくつかの新軍事基地を開設し、古い基地は改修した。最近では、こうした基地には爆撃機もやってくる。2019年、サンクトペテルブルクで、新型の「軍事砕氷船」が進水した。以下略

−25日（水）「米国、石油支配を失う」（「見解」紙、オリガ・サモファロワ）つい最近まで、米国は世界のエネルギー支配を夢想していた。だが現在、専門家によると、米国は、資源市場の影響を失いつつある。これは、ロシアのガスパイプライン「ノ−ド・ストリーム2」を巡る争いに負けただけではない。米国は、OPECとロシアに石油価格を下げるよう求めている。何が起きているのだろうか？米国はトランプ政権時、「世界のエネルギー支配」を夢見ていた。だが現在、米国は、資源市場の影響を失いつつあると、ドイツ誌「Die Welt」。この明白な証拠は、石油増産し、石油価格を下げるようにOPECとロシアに対し、米国が最近「懇願」したことである。ロックダウン後、世界経済は、回復しつつあり、石油価格も回復している。1バレル70ドル付近となり、これは、パンデミック前の2019年より高い。何故に以前、米国は価格上昇を望み、一方、現在では高値石油はかなり米国の妨げとなり、これについて、遠慮無く懇願しているのか？問題は、昨年、石油価格が瞬間、マイナス値まで暴落したことである。ロックダウンのため、石油価格はきわめて安くなり、一瞬にシェ−ルオイル・ガスの採掘に打撃を与えた。石油価格40〜50ドルの場合、米国では採算がとれなくなる。「昨年、石油価格は、その多くがシェ−ルオイル・ガスを採掘し、膨大な債務負担がある米メ−カを救うため、早急に引き上げる必要があった」と「EXANTE」社主席戦略策定家ヤニス・キフクリス。高値石油により、米シェ−ルオイル・ガス会社は、採掘を再開することができる。だがこれは米経済の回復を妨げ、インフレ上昇となっていると、バイデン大統領。石油価格の上昇は、米インフレに大きく貢献し、何故ならロシアと異なり、米国ではガソリン価格は直接、石油と関係している。現在、米国のガソリン価格は、1年前より高く、これは、一般の米国民に影響している。「石油が安くなると、ガソリンも安くなり、したがって、輸送費も安くなり、その後、店の商品も安くなる」とキフクリス氏。物価上昇は米FRBや、金融界の頭痛の種となった。米国のインフレは2008年8月水準となった。当時、不動産融資危機があった。「理想的にはFRBは、公定歩合を引き上げてインフレに対応すべきだが、これは証券市場の投げ売りとなり、当局にはあってはならないものだ」と同専門家。だがOPEC＋は、米国の言うなりにはならなかった。ちなみにロシアは、まだ価格引き下げができたかもしれない。以下略

−23日（月）「プ−チン大統領、ロシア経済は、危機前の水準に戻ると表明」（イズヴェスチヤ紙、「経済」）ロシア大統領ウラジーミル・プ−チンは、8月22日、ロシア経済は基本的に危機前の水準まで回復したと表明。「しかし、全体として、経済は危機前の水準まで回復した。もちろん、経済、つまり国民の実質所得に対し、いわゆるロックアウト、つまり企業活動のストップは、大きな損失をもたらした」と「統一ロシア」党代表者との会合で発言。さらにロシアはコロナウイルスパンデミックに対し、他の多くの先進国より、もっと効果的に上手く対応していると指摘。それによると、パンデミック時、多くの人の失職や、インフレ上昇、実質所得への打撃など、多くの困難があった。プ−チン大統領によると、これまでの足跡は、最近の課題を解決する上で、良いベ−スを作っている。8月23日、経済発展相マクシム・レシェトニコフは、ヴェリキ−・ノヴゴロド市で、中小企業の代表との会議で、ロシア経済は、回復しつつあると、発言。それによると、このプロセスは7月と8月に見られたが、その終焉の兆しがある。以前、7月27日、経済問題に関する政府拡大会議で、ロシア大統領は、世界経済の回復は早いテンポで続き、だがこれも、インフレリスクをともなうものである。大統領によると、ロシア経済各部門の回復は、インフレをともなうもので、「さほど大きなものでないにしろ」、それでも、目標値を上回る。以下略

−19日（木）「ロシアと中国に新たな絆」（「見解」紙、オリガ・サモファロワ）ロシア極東の巨大インフラ建設が完了した。これは、アム−ル川の橋梁である。何故にこの橋がロ中貿易にとって、きわめて重要なのか、どのような商品がこの橋で移動し、この建設でどのような困難があったか？アム−ル川の鉄道橋梁は出来上がった。これは、ロシアと中国を結ぶ最初の橋である。同江市で、最後のレ−ルが設置されたと、中国通信社（CNS）。黒龍江省からモスクワまでの鉄道距離は、809kmも短縮される。橋の移動速度は、時速100kmで、輸送能力は年間2100万トン。最初の列車は、8月末に出発の予定。この橋の建設構想は、1990年代に議論されたが、当時、この計画は、日の目を見ることはなかった。この計画は、2010年代半ばに再度、議論されることになった。橋の建設は、2016年に始まった。何故にこの橋が、長いこと建設されなかったのか？「約2.5kmの橋の建設は、技術的にはきわめて難しく、かなり費用もかかる。ロシアにはヴォルガ川など、全国にいくつかの橋がある。そしてアム−ル川である」と、「フィナム」社アナリスト、アレクセイ・コレネフ。第二に、ロ中の物流規模は、さほど大きくない。この橋なしでもすんだ。ところが現在では、橋は、双方にとっても、きわめて必要となった。中国側は、より多く投資した。何故ならば、橋の長さ2.2kmの内、ロシア側の部分はたった309mだからだ。両国のレ−ル幅も異なることも問題だった。その結果、橋は単線で作られたが、ロシアのレ−ル幅（1520mm）と、中国のレ−ル幅（1435mm）の二つのレ−ル幅が採用されている。当初、この計画の工費は90億ル−ブルとみられたが、2019年、工費は、ロックダウン環境の中、新たな方法を利用する必要から15億ドル増加した。この計画実現の決定的要因は、もちろん、両国貿易の拡大である。しかし、地政学的状況も、両国のインフラ絆を強めることになった。制裁によるロシアに対する西側の攻撃や、貿易戦争による中国への攻撃は、二つの隣国のより密接な経済協力の長期展望をより明瞭に揺るがぬものにした。中国とのガス供給の歴史的契約の署名後、アム−ル川橋梁の建設は、両国の信頼と経済発展の一つのシンボルとなった。ロ中の自動車橋梁は、その前に完了し、ブラゴヴェシェンスクと�K河市を結んだ。人流は、年間約300万人、物流は約600万トンとみられ、自動車であれば、約30万台。今や、ニジェネレニンスコエから同江市まで、アム−ル川鉄道橋梁が完成している。以下略

−17日（火）「構想をうまく利用：ロシアは、EU炭素税でいかに稼ぐか」（炭酸ガスのキャッチと保存技術は、産油量を増やす）（イズヴェスチヤ紙、ドミトリ・ミグノフ）「欧州のグリ−ン政策」の枠内で、炭素税の導入は、冗談ではなく、国内産業界をきわめて驚かせた。ロシアはEUへの原料大輸出国として、この新税の最大被害国になるおそれがある。ロシア産業の損失は、年間7億ユ−ロとみられていた。だが同時にロシアは、この法律の受益国のひとつとなるかもしれない。問題は、ロシアが炭酸ガスのキャッチと再利用の能力からみて、大きなポテンシャルをもっている点である。さらに、こうした技術を利用することで、既存の産油地の効率を大幅に引き上げることができると、報告「CO2の現金化」を公表した「Vygon Consulting」社のアナリスト。カーボンニュートラル（大気への炭酸ガスの排出量ゼロ）は最近、欧州や北米だけでなく、全世界も対象となった。この問題には、いくつかの解決方法がある。先ず、仕事の過程でCO2を出す何らかの資源の利用を拒否する。これは、石炭や炭化水素資源のことである。ほとんどの場合、この課題は解決できず、少なくとも今後30年間、経済だけでなく、物理的にも難しい。全体として、鉱物燃料の割合を削減できるが、完全には放棄できないだろう。第二の点は、排出炭酸ガスの一部を「キャッチ」し、大気から回収する。この方法の「非技術的」やり方は、例えば、植林である。しかし、これは一時的解決方法である。長期的に見れば、樹木は、分解や火災で、吸収した炭素を全て大気に戻し、そのため、最終的にはその炭素バランスは、ほぼゼロである。最近、技術的にはもっと複雑であるCO2のキャッチ及び保存方法が広く普及している。この方法で、何十年間にもわたり、大気から回収できる。この分野におけるロシアのポテンシャルは、大きい。「Vygon Consulting」社専門家の分析によると、炭酸ガスのキャッチ・再利用・廃棄技術の利用による排出量の減少は、1.1ギガトン（10億トン）であり、これは、年間の全CO2排出量（1.7ギガトン）より三分の一少ない程度である。こうした技術の開発に最も関心のある部門は、鉄鋼と石油ガス化学であり、その国際的炭素規制による損失は、年間7億ドル近くになる。現在、鉄鋼部門におけるCO2トン当たりのキャッチ費用は高い。約70ドルである。しかし、技術が発展するにつれ、この費用は下がるだろう。2030年までにそのコスト低下は、1.5分の1とみられる。しかし、今年までに予想されたCO2割当量の価格は、トン当たり129ドルであり、これは、工業キャッチが、2023年までに商業的に妥当となる。以下略

−13日（金）「ロシア、大都市での電気自動車の全面導入」（「今日の経済」紙、オリガ・クレムレワ）ロシアでは電気自動車の優遇価格が、国民の電気交通への移行を加速させると、環境学者ミハイル・ロマノフ。ロシア産業通商次官アレクサンドル・モロゾフは、ロシアは、電気交通の導入と充電インフラの発展では、あらゆる科学力をもっていると、伝えた。「必要な科学力についていえば、すでに蓄積されており、国内に電気交通の発展構想に応用できるものである」とアレクサンドル・モロゾフ。電気自動車の導入構想は、経済発展省と協力して作られる。産業通商省の専門家は、経済発展省と協力して、電気交通の導入構想を策定した。この目的は、国内に新たな技術部門作りと、2030年までに電気自動車の生産量を約10％増やすこと。エコノミスト、環境学者ミハイル・ロマノフは、電気交通への移行はすぐにはできないと考えている。「インフラにかなり問題がある。ガソリン自動車の代替車を生産することと、それを市場に投入し、こうした車を買うように人々を説得することは、別にことである。例えば、すぐに問いが生まれる。自動車の充電はどこでできるのか？特に小さな居住地では、電気自動車の充電所がない」と同氏。それでも、国内自動車市場の拡大を近い将来、予定している。例えば、このプログラム実施のパイロット地域は、モスクワ、サンクトペテルブルク、セヴァストポリ、ソチ、カリニングラド、カザン、ニイジニ・ノヴゴロドである。「こうした自動車の需要は、直ぐには生まれず、徐々に増えていくと思う。基本的に電気自動車に乗り換えることは、恥ずかしいことではない。電気自動車にもそれなりの優位点がある。しかし、全ては、政府がどれほど真剣にインフラの整備と発展に対応するか、そこにかかっている。市全体が一つの充電ステ−ションとなると、こうした自動車は必要ないかもしれません」と同専門家。同省の分析によると、ロシアでは購入される電気自動車の数量は、8年間に1.7％から15％に増える。この計画実現に5900億ル−ブルの予算が使われる。環境学者ミハイル・ロマノフは、電気自動車のインフラが準備されれば、ロシアにとって、この自動車の生産は、優先的となる。「電気自動車を独自に生産する。必要なものは全てある。技術面や開発面である。そのため、全てのインフラが存在する、つまり百万都市だけでなく、小さな居住地にも存在すると仮定すると、電気自動車はロシア国民にとって、特別なものではなくなり、きわめて日常的なものに間もなくなるだろう」とロマノフ氏。以下略

−11日（水）「経済発展相、ロシア経済の回復を語る」（イズヴェスチヤ紙、「経済」）ロシア経済は、回復が続いており、これは7月と8月に見られたが、その終焉の兆しが出始めていると、8月10日、経済発展相マクシム・レシェトニコフは、ヴェリキ−・ノヴゴロド市で、中小企業代表との会議で発言。「経済は回復しつつあると思う。危機前の水準である、2019年第四四半期の水準を超えたが、それでも、さらなる成長の可能性があると思う。同時に6月、それでも回復成長が終わりつつあると、注目すべき最初の客観的兆候が現れている。終わりつつあるが、目下、7月も、8月も、それ以降も成長するが、懸念している問題は、今後の成長率である」と経済発展相。7月29日、大統領報道官ドミトリ・ペスコフは、現在、ロシアでは経済で前向きな動きが見られ、国はパンデミックによる経済危機から抜け出しつつあると、表明。COVID−19の流行状況は現在、昨年のロックダウン時に求められたような国の大規模な経済支援は必要ないと、報道官。今日、財務相アントン・シルアノフは、ロシアの経済政策は、パンデミックの影響に対応し、長期の安定的成長に入るはずと表明。さらに、シルアノフ財務相は、ロシアは、経済にとってパンデミックのネガティブな影響を最大限に引き下げることができたと強調。財務相は、危機対策の総額は、GDPの4.5％以上と指摘。G20各国の予算による刺激策では、ロシアはトップの一つ。7月27日、プ−チン大統領は、ロシア経済部門の回復は、インフレ上昇をともなったが、さほど大きなものではない。だが目標値以上となる。

−9日（月）「ロシアの光ファイバーケ−ブル、北極経由で欧州とアジアを結ぶ」（「今日の経済」紙、エフゲニ・リュムキン）ロシアは、北極経由の光ファイバーケ−ブルの敷設作業を始めている。本紙アナリストが取材した。今日、国家計画「北の遠方地への高速インタ−ネットの提供」にしたがい、北極経由の海底光ファイバーケ−ブルの敷設計画がスタ−トした。ロシア政府は、現在、この地域における船舶の大航行路となる北極海航路が発展している極北地における通信及びインフラを改善する意向。「極北エクスプレス」といわれ、国営企業「モルススヴヤジスプ−トニック」により管理され、北極の港湾都市や、現在、通信に大きな問題があるカムチャッカ半島及びサハリンに安定したインタ−ネットを提供する。ケ−ブルは、中国製の光ファイバーとロシア製部品を利用して、ムルマンスク市で製作される。ケ−ブル敷設船は、8月5日、ムルマンスク市を出発し、本日、課題を遂行し始めた。この計画の完了は、2026年を予定している。敷設距離は、1万2700kmで、バレンツ海からウラジオストックまでロシアの全北方海岸を通過する。会社代表アレクセイ・ストレリチェンコは、この計画実現には650億ル−ブルがかかる。この計画は、国の資金だけで行われると表明。この構想実現には、グローバルネットとの接続用に追加の接続ケ−ブルが必要となる。これは、外国の投資によって実現されるとみられる。中間デ−タによると、アジアや欧州、米国の企業との交渉が進められている。将来、様々な国々とのパ−トナ−シップが、他の地域でのこの計画の拡張に寄与し、ロシアにとって、さらなる稼ぎとなる。本紙の取材で、北方・北極経済センタ−長アレクサンドル・ピリャソフは、現在、主な問題は、誰がこの計画を監督するか、という問題と伝えた。「似たような計画は、以前、様々な通信事業者から提案されたが、規模や工費から、どれも実現することはなかった」と同専門家。それによると、この計画は、北極地、特に大都市の外、つまり、今日まで高速広域バンドのインタ−ネットがない地域の発展に役立つだろう。その他の全地域では、こうした問題は、かなり前に解決されている。「欧州と米国の間、大西洋に敷設されたものに似ている。ロシアの計画のみが、北極海航路という最も短い、好都合な方向で欧州とアジアを結ぶためのものである」とピリャソフ氏。同専門家によると、全世界にとって、かなり価値ある計画だが、これに対するロシアの管理度を理解することは重要であり、どれほど多くの外国投資家をこの開発に引き入れることができるか、どの程度の割合になるか、重要な点である。以下略

−5日（木）「国家貴金属・宝石備蓄機関(ゴフラン)は、大量のダイヤモンドを売り出す」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、経済部）ロシア政府は、未加工宝石の世界的需要の急増と価格高騰から「ゴスフラン」のダイヤモンドを大量に売り出した。「ゴスプラン」ダイヤモンドの売却オ−クションの実施公告は、8月3日に出た。同機関によると、ダイヤモンド原石76万8700カラットを売り出す。「9月7日、スタ−ト価格約1900万ドルで、77ロットが売り出される」と同機関サイトのデ−タをもとに「finanz.ru」。7月末、「ゴスフラン」は、ダイヤモンド10億1800万カラットという記録的な量を売り出し、1億3920万ドルの売上があった。この額は、スタ−ト価格より22％高い。7月23日に行われたオ−クションでは、ロシアは過去4回のオ−クション売り出し量を合わせた量に匹敵する量のダイヤモンドを売り出した。年初、同機関は合計12億200万カラットを売却した。9月、売却量は、25％減少した。年初、財務省は、12ヶ月間で、総額6700万ドルのダイヤモンドを売るプランを立てた。だがこれは、すでに5月、最初の4回のオークションで達成された。売上の70％を占める最大のダイヤモンド購入者の一人は、7月、ロシア最大のメ−カ「アルロサ」であった。マスコミによると、会社はパンデミックによる世界の採掘量が減少する中、大きな原料不足に直面していた。以前、2008年の危機時、国はまさにこの会社からダイヤモンドを購入した。アナリストの分析では、この13年間、「ゴスフラン」に総額11億ドルのダイヤモンドが貯まった。世界最大のダイヤモンドメ−カと見なされる「De Beers」社は、今年、「ゴスフラン」のオ−クション全てに参加し、価格を引き上げた。7月のオ−クションでは、価格は5％上がった。「コメルサント」紙によると、現在、世界市場におけるダイヤモンド需要は大きい。「ゴスフランのオ−クションにより、過去最大の受注量をこなす上で必要な原料を加工会社が購入できるようになる」と同紙。ロシアが、「ゴスフラン」のダイヤモンド備蓄量全てをオ−クションで売り出すと、2021年〜2022年、世界の市場不足の60％を賄うことができる。一方、アナリストによると、ゴスフランの現在の倉庫がたとえ、半分でも空になると、宝石原料では、きわめて大きな商品在庫が生まれることになる。この場合、世界市場におけるダイヤモンド価格の高騰は止まるかもしれない。ダイヤモンド原料の仕分けや一次加工機能は、1950年代に「ゴスフラン」に任された。以下略

−8月2日（月）「おとなしい百万長者：何故にロシアの自然観光は、米国に負けるのか」（専門家は、ロシアの自然観光には「解決出来ない」問題があると指摘）（GAZETA.RU紙、オクサナ・レシェトワ）自然は、ロシア最大の「名刺」の一つ。しかし、国内観光は、カムチャッカのような到達困難な場所への旅行は言うに及ばず、あまり発展していない。米国の例がある。そこでは国立公園は人気があるだけでなく、利益も出している。ロシアの自然観光を発展させるために、何ができるか、取材してみた。自然観光は、関心のある分野ばかりか、利益の出る分野でもある。これは、米国の国立公園の例が証明している。米地質局及び国立公園管理局の計算によると、危機の2020年でも、訪問者により、286億ドルを得た。これで、23万4千人を養うことができた。公園には、2億3700万人が訪れたが、2019年より27％少ない。原因は勿論、パンデミックによる制限である。例えば、2019年、国立公園により、米国経済は、417億ドルを得た。米国が、どのように国立公園を押し出しているか、ジャーナリストで、ブログ「マ−シャ、やろう！」の著者マリヤ・アルザマソワは、数日前、注目した。それによると、国内旅行中、国立公園4カ所を訊ねた。驚いたのは、国立公園の回りには、マ−ケットシステムがある。各公園には、独自のソ−シャルネットのペ−ジをもっており、土産品が売られている。「グランドキャニオンや、イエローストーンは、全世界で知られている。エルガキ国立公園や、ジュラクトウリ国立公園では、誰が知っているだろうか」とアルザマソワ氏。それによると、米国では、マ−ケットの専門家は、公園の周りに「文化的イメ−ジと騒々しさ」をうまく作りだしている。これは学ぶ必要がある。米国とロシアは、様々な気候地域のある大国である点では同じであると、マ−ケテイング会社「Kaufman」設立者スタニスラフ・カウフマン。ロシアにも、自然観光の基盤はある。この分野はかなり有望であると、同専門家。「現在、排気ガスに汚されたコンクリートジャングルから脱出したいという願望は、自然と一対一になることかもしれない」と同専門家。しかし、このためには先ず、観光客が行けるような公園や保養所を作る必要がある。これはたんに土地を利用することではない。これは簡単ではないと、同専門家。それによると、似たようなものを瞬時にはできない。これは長期の計画であり、常時の投資や関心、ロシアではきわめて少ない必要なインフラ作りが求められる。以下略

−29日（木）「IMFの予想、ロシアGDPのポジティブ・トレンドを確認」（「今日の経済」紙、アレクサンドラ・メリニク）2021年、ロシアGDP成長率に関し、IMFの修正予想は、ロシア中央銀行の予想と通貨・融資政策と異なると、ロシア政府付属金融大学法人金融・管理部長コンスタンチン・オルドフ。ロシアGDP成長率は、今年4.4％になる。IMFの報告によると、以前の予想はさほど楽観的ではなく、3.8％だった。IMFは2022年の予想も見直したが、悪化する方向である。例えば、国際アナリストの意見では、ロシアのGDP成長率は、3.8％にかわって、3.1％。2020年、ロシア経済は、3％の落ち込みであった。IMFは、オルドフ氏によると、ロシアGDPは、今年、4.5％の成長と予想している。だが、現実は別である。「アナリストは、ロシア中央銀行の役割と影響力を低く見ている。現在、予想は、公定歩合を6.5％まで引き上げるという中央銀行の決定をみて、変化している。このため、ロシアGDP成長率は、パンデミックリスクが高まらない限り、高い確率で4〜4.5％になる。これは、中央銀行が設定した上限で、中央銀行の政策が厳しくならなければ、もっと高くなる」とIMFの予想について、オルドフ氏はコメント。欧州復興開発銀行は、2021年のロシア経済回復テンポ予想を3.3％まで引き上げて改善した。何故ならロシア経済は、石油価格の下落やコロナウイルスパンデミックにもかかわらず、昨年をうまく乗り越えたからだ。落ち込み水準は、3％以下にはならなかった。以前、経済発展相は、国内の社会経済状況の将来について、自己見解を述べた。それによると、2021年、これには様々な要因が作用するが、中でも、残っている隔離制限、消費者行動の若干の変化、予算支出の正常化、2019年〜2020年の通貨融資政策の緩和による余剰効果がある。経済発展省の予想では、有効要因を考慮すると、2021年、GDP成長率は、3.3％水準となり、それにより、経済は危機前の水準になり、国の発展目標に見合う安定した成長軌道に入る。2022年〜2023年、経済成長は、OPEC＋協定の終了や石油増産で支えられ、3％以上のテンポで続くだろう。「私たちは不確実な時代に生きています。受け入れ可能な精度で、予想するなど、遠い先を見通すことは不可能です。専門家は、しばしば外部状況をもとに決定を下すロシア中央銀行の動きを時に予想する。インフレが減速しないと、中央銀行は、通貨融資政策を引き締め、半年間の時間差で、経済成長は減速する。中央銀行の決定は、経済には直ちに影響せず、マクロ経済指数の発展トレンドを生み出し、銀行や市民の行動に影響する」と、オルドフ氏は、他の予想にコメント。以下略

−26日（月）「快適だが、寒い」（北極海航路の開発には、協力が必要）（独立新聞、ドミトリ・リトフキン）増加する物流、沿岸インフラの整備、砕氷船と専門家の不足、電子地図。サンクトペテルブルクで開催された「北極の日」の参加者は、ロシアにとって戦略的輸送路である北極海航路の開発の問題を明らかにした。2030年までにこの航路は、欧州からアジアの往復で1億6千万トンの荷物輸送を予定している。今日、この数値は四分の一以下である。また航路のさらなる開発は、インフラ計画の促進、新砕氷船の建造の必要性や、海図の作成、気象条件など、客観的に難しい問題に直面している。北極海航路管理局長ヴヤチェスラフ・ルクシャによると、この5〜7年間、気象予報士の予想にもかかわらず、北極の氷は減少しなかった。「北極の日」は、北極海航路開発の主要参加者及びビジネス・パ−トナ−の経験交換のイベントである。国営会社「ロスアトム」、その子会社「アトムフロ−ト」、「ソフコムフロ−ト」社（ロシア最大の海運会社、液化ガス、原油、石油製品の海洋輸送分野で世界トップ企業の一つ）、大手資源会社「ノヴァテク」社と「ノルニッケル」社。全てにとって、問題は一つで、北極海ル−トの全線で、滞りなく年中の航行である。「ロスアトム」社代表アレクセイ・リハチェフによると、2030年までに北極海航路は、「快適な国際ロジスティクス・ル−ト」なる。環境保護に対し、出来る限り責任ある対応するには、協力によってのみ可能である。まさにこのために、「北極の日」のような大規模イベントが行われている。このためには第一段階として、北極海航路と沿岸インフラの整備のための環境を作る必要がある。インフラ整備作業の一環として、ペヴェク港及びサベタ港の施設、チュクチ自治管区、ヤク−ト共和国、ネネツ自治管区の空港施設の改修が予定されている。この期間、基本目標は、年間物流を8千万トンとし、北極海航路海港の能力を8千3百万トンにする。さらに2024年までに北極海航路の航行に必要な測量船、航路安全管理船、救助船の運航が開始される。2030年までの第二段階では、前段階の計画にもとづき、北極海航路全体で年中航行ができるようにする。この時までに物流は1億1千万トンになり、港湾の能力は1億1500万トンになると見込まれる。この時までに「10510」型中心砕氷船と「22220」型砕氷船5隻の建造が完了する。いかに不可解であろうと、気候変動の表明にもかかわらず、温暖化や氷の消失は、この地域では起きていない。これは、ロシア気象庁副長官ドミトリ・ザイツエフは「氷は溶けるが、完全に消えるという意味ではない」と発言。以下略

−20日（火）「ロックダウン、近い：何故にロシアの企業は、新たな隔離措置を恐れないのか」（「今日の経済」紙、アレクサンドラ・メリニク）企業を対象とした新たな自粛の懸念は、現実的なおそれとはならないと、政府付属金融大学主席研究員ワレリ・アブラモフ。世界は、コロナウイルスパンデミック第三波に襲われている。世界保健機関（WHO）事務局長テドロス・アダノム・ゲブレイェススによると、先週、世界におけるコロナウイルス感染者数と死亡者数は増加した。その最大要因の一つは、「デルタ株」の流行で、111カ国以上で観察される。WHOの予想では、間もなくデルタ株が、主流となる。それでも、テドロス事務局長は、EU諸国や北米の大規模ワクチン接種は、効果を出していると指摘。「パンデミックの一定の循環性や、世界保健機関の発言に関することは、「富裕国」の人々から先進国・新興国の全てのグル−プを網羅するグロ−バルなトレンドである。言い換えると、これは、全世界の医学界の警告である。世界保健機関は、コロナウイルスのさらなる流行を防ぐ措置を強めるよう求めている」とエコノミスト、ワレリ・アブラモフは、第三波の脅威について、コメント。コロナウイルス感染症の急増の中、ロシアの経済界は、ロックダウンがあるとみていると、モスクワ、サンクトペテルブルク、ノヴォシビルスク、エカテリンブルク、カザン、モスクワ州市町村のような都市で1500名対象に行われたIT会社「Oprosso」のアンケート調査でアナリスト。ワレリ・アブラモフによると、こうしたアンケート調査によっても、現実を反映するデ−タが出てくるわけではない。今年、7月5日〜11日、サ−ビス部門及び金融部門で仕事をする小売企業の従業員は意見を述べた。「Oprosso」社のデ−タによると、企業の約51.5％は、2020年のような厳しい制限措置が導入されるとみている。回答者の62.3％は、こうしたシナリオになるとみており、51％は、従業員の30％以上をテレワ−クに移行させた。多くの中小企業（81％）は、ITシステムをテレワ−クに対応させたが、生産や一部職員、小売販売をテレワ−クに移すことはできなかった。一方、回答者の40％以上は、従業員の内、一定の割合は、春の制限が解除されても、テレワ−クを続けていると指摘。経験からすると、一部の会社は、新たなワ−ク体制で提起された課題にうまく対応している。だが、回答者の18％は、かなりコストがかかるので、テレワ−クに移行できないと、表明。以下略

−16日（金）「ロシア人にとって、旅行先が7月24日から増加」（ロシアは、相互原則で、フランスとチェコへの飛行再開）（GAZETA.RU紙、ピョ−トル・ニコラエフ）ロシアは、フランスとチェコの飛行便を再開する。フランスには7月24日からモスクワから8便、サンクトペテルブルクから4便が出る。プラハにはモスクワのみから、週4便が出る。これら両国への飛行再開の決定は、COVID−19の持ち込み・流行防止本部会議の結果、下された。会議は、副首相タチヤナ・ゴリコワの下、行われた。フランスとチェコの飛行便は、相互原則で再開される。モスクワ・パリル−ト（週4便）、モスクワ・ニ−ス（週4便）、ペテルブルグ・パリ（週２便）、ペテルブルグ・ニ−ス（週２便）。モスクワからチェコ首都へも、週４便がでる。ロシアは６月２８日から、ベルギー、ブルガリア、ヨルダン、イタリア、キプロス、北マケドニア、米国と定期便を再開した。モスクワから、ワシントン、ニュ−ヨ−ク、ブリュッセル、ソフィア、ヴァルナ、ブルガス、アンマン、アカブ、ダブリン、ロ−マ、ミラノ、ベネチア、ナポリ、ラルナカ、スコピヨ、パトスの便は６月28日から再開した。また政府は、オ−ストリア、アゼルバイジャン、アルメニア、ギリシャ（サロニキ、イラクリオン、ロドス、コルフ、アラクソス、ザキントスも含め）相互便を増やすよう求め、また中国人及びリヒテンシュタイン国民のロシア入国を認めるよう求めている。さらにロシア国民は、ブリャンスクとウリヤノフスクの国際航空から出国できる。現在、ロシアからアルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタンに飛行できる。さらにインド、ベトナム、ベネズエラ、ギリシャ、ドイツ、セルビア、エチオピア、シンガポール、カタ−ル、韓国、エジプト、アラブ首長国連邦、スリランカ、スイス、フィンランド、日本へ飛行便が出ている。またロシア国民は、キュ−バ、モルデイブ諸島、セーシェル諸島へ飛行できる。5月25日から、アイスランド、マルタ、メキシコ、ポルトガル、サウジアラビアへの飛行も再開された。6月2日から英国との飛行が再開された。7月12日からロシアは、ロシアから飛行できるトルコの空港数を拡大した。トルコへ飛行できるロシアの都市数も拡大された。「ロシアとトルコの航空会社は、バルナウル、ベルゴロド、ヴォルゴグラド、ヴォロネジ、カル−ガ、クラスノダル、リペツク、ナリチク、オレンブルグ、サラトフ、ソチ、チュメニ、ユジノ・サハリンスクなど、ロシア国際空港45カ所から飛行できる」とロシア航空局。以下略

−14日（水）「ロシア国民、記録的な借金」（「今日の経済」紙、エフゲニ・リュムキン）先月に出された消費者融資の規模は、ロシア銀行史上、最大となる。何故、借入人に対する規準が厳しくなっているのに、貸付け件数が増えているのか、本紙アナリストが取材してみた。「統一融資ビュ−ロ」のデ−タによると、ロシアの銀行は今年6月、1991年以来、最大規模の消費者融資を行った。貸付けの規模は、170万ル−ブルで、2021年5月より8％多く、2020年6月より53％多い。決算報告期間、融資額増加でトップは、スタヴロポリ地方、オムスク州、ヴォルゴグラド州で、月間増加率は11〜12％で、一方、モスクワとレニングラード州では4〜6％の増加で最低。上半期、国内銀行は、約900万ル−ブルを個人融資し、2020年より44％多い。「統一融資ビュ−ロ」のコメントによると、6月の増加は、中央銀行が公定歩合を引き上げる前に融資を増加したい金融機関の意向のせいである。各専門家も、無担保個人融資のリスク係数を2021年7月1日から引き上げるという中央銀行の決定と、休暇期間に融資需要の増加による季節要因が影響したかもしれないと指摘。2020年、消費者融資は、2019年比で25％以上、減少した。これは、COVID-19パンデミックによる危機時、国民は、約8％の所得減と、自粛の最終的解除が不確実のため、銀行の条件にさほど同意しなくなったせいである。昨年、承認済み融資と、実際の融資の差は、31.9％で、2019年（45％）よりかなり少なかった。さらに、銀行による申請承認の割合は、顧客リスク基準が厳しくなったため、減少した。「国民融資歴ビュ−ロ」によると、2020年、消費者融資として1457万件が出され、危機前2019年より25.9％少なく、昨年6月のデ−タでは、1年前の148万人に対し、114万人が融資をうけた。消費者融資の減少は、国内あらゆる地域で見られた。融資件数の大幅な減少は、スタヴロポリ地方、プリモ−ルスキ−地方、アルタイ地方、チュメニ州、ロストフ州で見られた。こうした地域では、融資規模も28％〜33％減少した。モスクワとサンクトペテルブルクは、融資規模の減少が最も少なく、21％〜24％で、それでも、2019年とはかなり異なる。本紙取材で、南連邦大学金融・融資学科主任教授オレグ・スヴィリドフによると、いずれにしても、融資件数増加の主因は、賃金の減少や、無所得となったパンデミック時、国民の経済状態の悪化が続いていることである。いつもの生活水準を守るためには、人々には融資が必要となる。以下略

−12日（月）「予定外のインフレ：経済発展省、GDP成長率の予想引き上げ」（経済発展省、2021年のインフレ率を4.3％から5％に引き上げ）（GAZETA.RU紙、ピョ−トル・ニコラエフ）経済発展省は、2024年までのロシア社会経済発展の中間予想を発表。その際、GDP、インフレ率、投資について、数値の見直しが行われた。経済はすでに7月、2019年のコロナウイルス前の数値になる。GDP成長率は、今年、3.8％まで引き上げられた。インフレ率は、5％となるとみられる。各地方自治体に2021年及び向こう3年間、ロシアの社会経済発展の中期予想書を送った。この分析は最終的なものではなく、最終予想は夏の終わりか、秋の初めに政府に提出される。同省のデ−タによると、現在、統計デ−タ全てが揃っておらず、上半期の結果と、実質所得にもとづく四半期毎のデ−タを待つ必要がある。だが中間予想でも、多くのマクロ経済数値が見直される。「現在、三カ年の中央及び地方予算の編成が行われており、そのため、予算編成の関係者全てに客観的なマクロ経済指標の提供がきわめて重要である」と経済発展省。予想の不確か性には、一定の制限を伴うコロナウイルスパンデミックも影響している。経済発展省は、GDP成長率の予想を、4月予想の2.9％から3.8％に引き上げた。ロシア経済は、予想より早く回復しており、7月には2019年第四四半期のパンデミック前の水準になる。2022年、GDP成長率は3.2％、2023〜2024年では3％としている。消費者需要や投資需要が経済回復を支えている。小売部門は6.9％の伸びとみられる（以前は5.1％の伸び）。固定資本に対する投資増加率も高く4.5％（以前、3.3％）。経済回復のポテンシャルは、今後も維持されると、同省。世界経済も、予想より早く回復している。このため、Urals石油の平均価格の予想は、以前の予想では60.3ドルだったが、1バレル65.9ドルとより強気に予想している。経済発展省の中間予想は、OPEC＋協定にもとづいている。これが変更されると、最終予想にも反映される。予想される石油価格は、次のようにドル相場に影響する。2021年、約72.8ル−ブルとなる。2022年、年平均相場は、1ドル70.2ル−ブルとなる。4月、同省は、2022年では71.8ル−ブルと予想していた。経済発展省は、2021年のインフレ率は5％と予想（以前、4.3％）。だが来年からインフレ率は、中央銀行のタ−ゲットである4％に戻る。失業率の予想も改善されたが、たった0.1％である。四月の数値は5.2％で、現在は5.1％。年末までに4.7〜4.8％まで下がる。以下略

−8日（木）「ロシアの企業では、転職率が高い」（ロシアでは、会社員の半数は、給料が少ないので退職する）（独立新聞、アナトリ・コムラコフ）ロシアの企業経営者の三分の一は、従業員の転職がかなり多いと指摘。退職で最も多い理由は、賃金の不満である。最新のデ−タでは、国内の賃金は上昇しているが、専門家によると、職員の満足度は、賃上げ分を相殺したり、賃金が「横ばい」の人の所得を食い尽くしたりする高いインフレ率で、下落している。経営者の33％は、転職が多いと指摘と、国家金融調査機関分析センタ−及び、経済大学労働市場研究所の共同調査結果。賃金水準の不満が、最も多い退職理由と、企業の43％はみていると、アンケート調査結果。知識と経験が職務に合わない、作業スケジュールが合わない、職場の人間関係など、こうしたことによる退職理由は、たった10~16％。賃金の低水準は、多年にわたり、主な退職原因の一つであり、2020年も状況は改善していないと、経済大学労働市場研究所副長ラリサ・スミルヌフ。それによると、危機に順応し、2020年、企業の約16％は、ボ−ナス又は賃金を下げた。これは、パンデミック時でも賃金上昇を示している統計庁のデ−タとは、対照的である。同庁のデ−タによると、2021年4月、月平均名目賃金は、5万6600ル−ブルで、これは、2020年4月より、13.8％多い。数ヶ月間の数値をみると、2021年1月〜4月、年換算で成長率も大きく、8.6％にもなる。賃金も様々で、有用鉱物採掘部門の平均賃金は、4月、10万5800ル−ブルで、航空輸送は13万6000ル−ブルだが、石油ガス部門では、まさに賃金は17万2千ル−ブルとなった。教育部門の平均賃金は4万1000ル−ブルで、例えば、家具製造部門では3万2600ル−ブル、縫製部門は2万2800ル−ブル。だが国内には最低賃金の人も多くいる。「RIAランキング」機関の試算によると、2020年、賃金1万5000ル−ブル以下の勤労者の割合は、教育部門では20.7％、保健部門では11.1％、輸送部門では10％、建設部門では6.7％、石油部門でもいるが約1％にすぎない。こうした賃金の割合が最も多いのは、生活サ−ビス部門で28.7％。全体としては、1万5000ル−ブル以下の賃金は、勤労者10人に1人である。2022年から労働省は、最低賃金を1万3600ル−ブルまで引き上げるよう求めていると、火曜日に公表された法案の趣意書。同省の計算によると、この額は、2020年の中央値賃金（3万2400ル−ブル）の42％。それによると、来年、最低賃金は、2021年比で6.4％増え、この法案が承認されると、約470万人勤労者の賃金上昇となる。以下略

−6日(火)「デジタルリアクション：産業改革に2800億ル−ブルの予算」（将来、どのような職業が必要か、見本市「イノプロム」で議論）（イズヴェスチヤ紙、エフゲニヤ・ペルツエワ、リュボフ・レジネワ）政府は、電子産業の支援に2800億ル−ブルの予算をつけると、首相ミハイル・ミシュスチンは、エカテリンブルク市で開催された第11回国際見本市「イノプロム」総会で発言。また首相は、向こう10年間、設備効率の倍増、ハイテク職場の1.5倍増、ハイテク品の市場進出コストの半減という課題があると、表明。パンデミックのため、小売、銀行、メディア、都市交通は完全に変化し、今や、産業をもっとフレキシブルにする時が来た。本紙が取材した専門家によると、産業のデジタル化水準はきわめて高いが、企業には、先端技術を導入する意欲はない。エカテリンブルク市で、第11回国際見本市「イノプロム」が始まり、総会「フレキシブル生産。最大限の順応化」を首相ミハイル・ミシュスチンが、開会した。パンデミックは、製品のサプライチェーンを破壊し、主要市場における従来の需要構造を毀し、また産業成長率や、生産量に影響したと、首相。そのため、首相によると、メ−カは、消費者の嗜好変化に適時に対応する必要がある。「現在、フレキシビリティは、効率的生産の基本条件の一つとなっている。これにより、リスクを最小限にでき、損失を減少できる。これは、広くデジタル技術を利用するという根本的に新しい産業形態のことです」と首相。それによると、小売、メディア、通信、都市交通は、すでに完全に変化している。直接の接触を避けるため、多くのサ−ビスは、デジタルに移行している。また制限は、遠隔医療や遠隔教育の発展にとって、環境を生み出した。ネットショッピングもきわめて増え、昨年は60％増え、3.2兆ル−ブルとなった。次ぎに、産業部門と指摘。これは、近々、技術プロセスと生産、ロジスティクスの完全自動化へ対応すべきである。この分野では、ロシアには大きな成功の歴史がある。例えば、3Dプリントなど国内市場規模は、この10年間、10倍以上となった。「政府は、電子産業の発展を支援し続ける。三カ年予算では、このために約2800億ル−ブルの予算がついている」と首相。自動車ビジネスにとって、パンデミックは、大きな問題となった。メ−カは、サプライチェーンの乱れに直面したと、「Volkswagen」社ロシア・CIS諸国責任者、「Skoda Auto」社代表ト−マス・シェフェル。同時に企業は、どのようにすればよりデジタル化できるか、そうした教訓を多く得ていると、同氏。例えば、企業の代表は他国にビジネス出張できないが、自動化により、外国のパ−トナ−とコンタクトをとることができる。以下略

-7月2日（金）「欧州、“ノルドストリーム2”から離れられない」（寒さ、暑さ、コロナウイルスは、ロシアの地政学的立場を強める）（独立新聞、アナトリ・コムラコフ）「ノルドストリーム2」が、市場の支持を得ている。「ガスプロム社」は、記録的なテンポで、天然ガスを欧州に輸出しているが、欧州では地下ガス貯蔵所の備蓄量がきわめて少なく、価格は記録的に高騰している。米国の液化天然ガスも、カタ−ルの液化天然ガスも、ロシアの液化天然ガスでも、この状況の助けにならず、何故ならタンカ−は今日でも、価格の高い、アジアに向かっているからだ。「ガスプロム社」によると、秋までにうまく建設できれば、“ノルドストリーム2”のみがこの状況を解決できる。「Gas Infrastructure Europe」のデ−タによると、欧州では、2020/2021年秋冬シ−ズン時、地下貯蔵所から供給された天然ガス660億㎥に対し、6月末までに180億立米のみが補充されただけで、つまり、四分の一のみが補充されただけであると、「ガスプロム社」。以前、会社は、備蓄量の低い水準は、欧州市場における天然ガス価格高騰の要因の一つであると指摘。EUでは、木曜日は、千㎥価格が400ドル以上で、この13年間で最高値となり、連続して7日目の日である。年初、欧州における天然ガススポット価格は、ほぼ倍に値上がり、昨夏最低価格の事実上10倍である。6月末、「ガスプロム社」は、2021年、欧州におけるガス輸出平均価格の予想を240ドルまでひきあげた。当初、予算では170ドルと設定されていた。しかし、すでに第一四半期、ガス販売価格は、193.9ドルだった。欧州は、伝統的に輸入によって、消費バランスをとっており、ロシアからのパイプラインによる購入のほか、輸入の主な部分は、中東諸国から、最近では米国からの液化天然ガスである。液化天然ガスは、基本的にパイプラインによる天然ガスより、高く、中国その他アジア諸国の経済急成長により、需要は、8月先物で、450ドルまで跳ね上げた。欧州への液化天然ガスの供給は、6月、20％減少した。アジア諸国は、昨冬にあった価格急騰の再来を避けるため、液化天然ガスを積極的に購入していると、ドバイにある「BEnergy Solutions DMCC」社専務サラ・ベフベハニ。地下貯蔵所へのガス供給量は、最低量であり、欧州は半ば空状態の地下貯蔵所で、今冬を迎えることに最早、疑念はないと、「インタ−ファクス」通信のアナリスト。欧州では、この状況を危機とみており、「ガスプロム社」に切り替えようとし、ウクライナが春から行っている競売による追加の燃料供給権をウクライナから購入することを拒否している。これは最近では、火曜日に起き、「ガスプロム社」は、ネザレジュナヤ経由で、供給量を増やすことを無視した。以下略

−30日（水）「法人、3年間で記録的な外貨預金高」（イズヴェスチヤ紙、「経済部」）ロシア法人の外貨預金高は、2018年以来、最大となる、とロシア中央銀行のデ−タ。先月だけでも、法人外貨口座は、34億ドル増え、総額は1684億ドルとなった。この3年間で最大の額である。「これは主に、大手石油ガス会社や鉱山会社によるものである」と、「finanz.ru」社。2020年初め、ロシア資源企業は、パンデミックと経済的困難に直面し、8年間で記録的に少ない外貨預金高となった。だがこの半年間、状況は根本的に変化した。2020年11月から255億ドルの外貨預金を行った。預金スピードは、この10年間で記録的な早さである。基本的に、ロシア資源企業への外貨売上の流入は、金属価格の高騰や、欧州における天然ガススポット価格の大幅上昇による。また重要な要因は、石油価格がパンデミック前の水準に戻ったことである。こうした要因により、今年第一四半期、法人は外貨売上の流入を11.3％増やした。これは、産油量が危機時の落ち込みをまだ挽回しておらず、2019年より、約10％少ない。原油輸出量は、20%も減少した。ただし、石油市場は、落ち込みとは関係ない。金属、石油、ガスのほか、法人の大きな利益をもたらしているのは、石炭、窒素肥料、カリ肥料、木材の輸出である。こうした分野では、昨年比で5.6％、41.2％、78.4％、18％の増加である。輸出増加の中、建設業者は、材木不足を指摘。鉄鋼の信じられないほどの生産増のため、政府は、追加関税を科すと決めた。鉄鋼・非鉄金属の価格高騰や供給量の増加の中、ル−ブルにとって、良好な環境ができた。専門家によると、企業が外貨を売る6月、ドルとユ−ロは、昨年の水準まで下落した。とはいえ、配当を支払うと、外貨売りで得た資金の一部は、再びドルとユ−ロに換えられ、何故なら外人株主は、ロシアから配当金を持ち出すからだ。

−28日(月)「差し迫る敵：新たなリセッションに対応できるか」（経済成長にとって、コロナウイルス第三波は、どのような影響となるか）（イズヴェスチヤ紙、オクサナ・ベルキナ）世界経済は、パンデミック後、記録的な成長になると予想されるが、成長率はこの80年間で、最大になると、世界銀行。経済回復はロシアでも、全速力ですすんでいるが、間もなく新たなリセッションが始まるとも言われる。新たな危機はいつから始まり、またロシアは必要な耐久度を準備できるだろうか。2020年、世界経済は大きく落ち込んだが、今や同じく大きな成長が見込まれ、これは低いベ−ス効果である。世界銀行によると、2021年、世界GDPの成長率は5.6％。先ず、これは経済大国の活動活発化による。中国の成長率は8.5％、インドは8.3％、米国は6.8％。年内に危機前の水準にロシア経済も戻り、世界銀行はGDPの成長率は3.2％と予想している（2020年はマイナス3％、パンデミック前の2018年と2019年は2.8％と2％）。世界銀行は、主なドライバ−として内需の回復とエネルギ−資源の高騰をあげている。しかし、ワクチン接種の遅れはリスクである。国民が接種を望まないと、感染流行は続き、経済活動を鈍化させる。とはいえ、経済がパンデミックから抜け出す前に、新たな落ち込みが起こると、マクロ経済分析・短期予想センタ−の専門家。同センタ−の慎重予想によると、パンデミックは、2022年半ばまで続き、GDPは、年2〜3％の成長である。石油価格は、20年代前半は1バレル50~55ドル、後半は65ドルになる。基本シナリオのよると、世界GDPの成長率は4％、石油は20年代末までに1バレル82~85ドルになる。通貨刺激策によって、市場は活発化し、近々、債務危機はない。このように両シナリオとも、20年代半ばに経済危機があるとしている。ロシアのGDP成長率は今後10年間、年1.2~2％。しかし、専門家が2025年〜2026年と指摘した「成長の一時中断」では、成長率はゼロに近くなる。新たな経済危機は、避けられないと、中央銀行も指摘しているが、この議論はまだ、時期尚早である。「現在、コロナウイルスのさらなる波が起き、おそらく、経済危機の終結を遅らせるだろう。均衡した時、次の危機について、考えることになる」と、中央銀行副総裁アレクサンドル・ザボトキン。それによると、ロシア中央銀行には、経済と国民を支える手段がある。「現在の措置は、危機対策としては適切である。しかし、危機が終わると、経済が正常に発展するために、こうした措置は停止する必要がある。さらにこうした措置は、備えておけばよい。次の危機が来た時、必ずやってくるが、これを利用することになる」とザボトキン氏。

−24日（木）「2021年、国家予算は黒字」（イズヴェスチヤ紙、エカテリナ・ヴィノグラドワ）2021年、連邦予算の黒字幅は2000〜7000億ル−ブル、GDPの0.2〜0.6％になるかもしれないと、「VTBキャピタル」社の報告。これを保障するには、経済活動の回復と、石油ガス収入が必要となる。現行の予算法では、赤字2.8兆ル−ブル（GDPの2.4％）が予定されている。財務省は、黒字予算が自己目的ではないと、表明。専門家は、基本的にこうした結論を支持しているが、パンデミック第三波は、予想外の影響となるかもしれないと、警告。財務省の分析では、2021年1月〜5月、連邦予算は3000億ル−ブル黒字で執行された。支出は、シ−ズントレンドの水準より高いが、収入は支出よりかなり上回ったと、「VTBキャピタル」社の報告。例えば、国庫からの支出額は、9兆ル−ブルだが、収入は9.3兆ル−ブルだった。各アナリストによると、こうした結果は、ロシアの経済活動の復活と、石油ガス収入の急増のせいである。これは5月だけでも、4000億ル−ブル増えた。現在のトレンドは、2021年、ロシアは予算黒字で終えると見なせる根拠となっていると、報告書。炭化水素資源の収入を見込み、財務省は、Urals石油の平均価格は、1バレル45.3ドルとしているが、しかし、高くなったと、「VTBキャピタル」社主席エコノミスト、アレクサンドル・イサコフ。それによると、2021年、Urals石油の平均価格は、65.4ドルとなり、追加の石油ガス収入として、2.2兆ル−ブルを国庫にもたらす。経済活動も、財務省の見込みより高く、経済の早い回復は、年全体で追加として、1.5兆ル−ブルを国庫にもたらすと、アレクサンドル・イサコフ。これに大きく貢献したのが、付加価値税で、このベ−スは、直接、経済活動に左右され、石油ガス収入の主な部分になっている。このように、国庫収入は、約22.5兆ル−ブルと、同エコノミスト。連邦予算法で定められた支出額は21.5兆ル−ブルだが、そうなると、黒字幅は1兆ル−ブルになる。しかし、おそらく、支出は増えるだろう。5月の予算執行デ−タによると、22.7兆ル−ブルになっている。とはいえ、こうした額を支出できるとは言えない。さらに、通常、予算は、定められた数値より、少なく支出する。例えば、2020年、支出額は、予定より、1兆ル−ブル少ない。「我々の計算では、2021年、連邦予算は、黒字0.2〜0.7兆ル−ブル、GDPの0.2〜0.6％で、執行されるが、現行予算法では、赤字幅は2.8兆（GDPの2.4％）となっている」と報告。以下略

−21日（火）「分かりきっている：石油価格は100ドルになる」（大手トレ−ダ−は、石油採掘の投資減少と備蓄縮小に注目）（イズヴェスチヤ紙、ドミトリ・ミグノフ）今週、石油取引をしているいくつかの大手多国籍企業は、同時に石油価格は1バレル100ドルになると予想。こうした企業によると、石油市場は、投資不足による供給減の犠牲になるおそれがある。「グリ−ンエネルギ−」に経済の切り替えは、不可解だろうが、炭化水素資源の需要急増となるかもしれない。本紙が取材した専門家は、こうしたシナリオはあまり起こりえないとみており、石油価格が100ドルを突破しても、長くは続かないとしている。最近では、石油価格が100ドル以上となったのは、2014年である。この時、シェ−ルオイル革命の影響がまだよく分からず、需要は、中国とインドの経済急成長の中、増え続け、再生可能エネルギーへの移行は、賞賛されたが、常識外れの構想と見なされた。その後、誰もが知る出来事が起きた。OPECは、他の産油国と協調し、数十年間で初めて、「大人の態度」で、世界市場への供給を制限した。こうした行動でも、価格は50〜70ドルが精一杯であった。まして、最近では最も厳しいパンデミックがまだ終わらず、多くの国の経済が今世紀始まって以来、記録的に落ち込む中、価格回復はあり得ないと思われた。それでも、石油価格は上昇した。Brent石油は1バレル75ドルになり、今では古きよき時代に戻ると予想されている。それも、OPEC＋の制限の段階的緩和の中で、予想されている。「The Financial Times」のインタビューで、「Vitol」社、「Glencore」社、「Trafigura and Goldman Sachs」社（三大石油トレ−ダ−）は、こうした価格高騰は「現実味」があると指摘。「Trafigura」社代表ジェレミ・ウイラによると、石油供給には懸念がある。備蓄量は15年間から10年間となり、投資は年間4000億ドルから1000億ドルまで減少した。需要に関しては、これは、危機後、経済回復が市場プレーヤーの見込みより、はるかに早く回復したので、際だった早さで増加し始めた。「年初から経済活動の回復と、自粛制限解除の中、多くの大国で石油需要の大きな増加が観察されている」と、エネルギ−・金融研究所経済関係長マルセリ・サロホフ。「さらに、パンデミックは、石油需要の増加に拍車をかけるかもしれない。閉鎖された国境や、航空チケット料金の上昇により、欧州及びロシアの国民は、長距離旅行のため、個人飛行機を積極的に利用するようになった。これは、ガソリンの需要をさらに増やしている。例えば、欧州の道路輸送は、すでにパンデミック前の水準に戻り、おそらく、夏には、それ以上になると、思われる。以下略

−17日(木)「高値リアクション：プ−チン・バイデン会談は、株価にどのように影響するか」（ル−ブルは近々、高値が続く）（イズヴェスチヤ紙、マリヤ・コロヴォワ）ロシア通貨と、モスクワ取引所の株価は米ロ首脳会談時及び会談後、上昇した。1日で株価は0.19％上がった（3829ポイント）。ル−ブル相場は6月16日、対ドルで0.39ル−ブル上がり、対ユ−ロでは0.55ル−ブル上がり、モスクワ時間19時15分、1ドル71.79ル−ブル、1ユ−ロ87ル−ブルになった。本紙が取材した専門家によると、両首脳会談後、株価とル−ブルには良好な影響が当面続く。米ロ大統領交渉の前日、モスクワ取引所の株価は下がり始めた。6月15日、株価は1.5％下がったが、会談開始と共に、株価は上がり始めた。ロシア証券取引所も同じような動きをみせ、火曜日、1.8％下落したが。その後、流れが変わった。水曜日、6月16日、モスクワ取引所とロシア証券取引所は、上向き基調で終わり、0.19％の上昇し3829ポイントになり、また0.82％上がり、1679ポイントになった。取引当初は、3821ポイントと1669ポイントだった。欧州の取引所は取引開始と共にそこそこ上向きに反応した。ドイツの株価指数DAXは6月16日、1.27％上がり、イタリアのFTSE100は、1.39％上昇した。米市場は、大きな反応はなかった。米FRB会議は、首脳会談後、開催される予定だが、抑制する動きをみせた。最新のマクロ経済予想と、刺激策縮小の時期について、当局に期待していたと、「BKSミ−ルインベスト」社投資戦略担当アレクサンドル・バフチン。6月16日、米FRBは、公定歩合を0〜0.25％に維持すると決定した。FRBは、労働市場の条件が最大雇用率となり、インフレ率が2％になるまで、これを維持する意向。FRBは、2022年には失業率は3.9％〜3.8％になると予想を改善した。2021年、失業率は4.5％とみられる。だがインフレ率は2021年3.4％、2022年では2.1％と見込まれる。公定歩合の据え置きに関するアナリストの予想は的中した。各専門家は、こうした結果は、高いインフレ率と回復できない労働市場の状況から予想できたと、「ソフコムバンク」アナリスト、ミハイル・ワシリエフ。こうした決定は、市場及びル−ブルにほどほどの前向き影響となった。トレ−ダ−は、さらに数ヶ月間、超刺激策を見込み、新興国市場の高金利は、魅力を維持するだろう。ロシア通貨は、プ−チン・バイデン会談後、対ドルで高くなり、対ドルで71.79ル−ブル、対ユ−ロで87ル−ブル。会談時、両首脳は、米ロ大使は、モスクワとワシントンに戻ることで合意した。また両首脳は、SNB−3条約の延長で合意し、協議は省庁間で継続される。多くの問題で矛盾はあるものの、こうした合意は、両国関係で進展があったと示すものと、アレクサンドル・バフチン。ロシアの証券にとって、ジュネーブ会談の結果は、適度に前向きのものと見なせると、同氏。以下略。

−15日（火）「何故に、1年後に石油需要が増えるのか」（石油需要は、2022年に危機前の水準に戻る）（GAZETA.RU紙、マルガリタ・ソボリ）石油の世界需要は、1年後にコロナウイルスパンデミック前の水準に戻ると、IEA（International Energy Agency：国際エネルギー機関）は予想。OPEC＋加盟国は1年後、増える需要に応えるため、産油制限を緩和する必要があると、IEAのアナリスト。本紙が取材した専門家は、逆の考えである。今年、世界の石油需要は、1日当たり540万バレル増え、9640万バレルになると、IEA。2022年、石油消費量はさらに310万バレル増える。楽観的シナリオでは、早くも1年後、石油需要はパンデミック前の水準となると、アナリスト。IEAの専門家は、OPEC＋加盟国に対し、増える需要に応えるため、2022年に産油制限を緩和するよう助言した。「2022年を予想すると、サウジアラビアとロシアを中心とするOPEC＋加盟国は、世界石油市場に適切に供給されるようにコックを開ける必要があると、予め観察される」とIEAの報告。「独立石油ガス部門分析エ−ジェント」社社長、ロシア国民経済国務大学国際商業学科准教授タマラ・サフォノワは、世界石油ガス市況に関するIEAの楽観的見通しについて同意。それによると、OPEC＋のアナリストは、もっと前向きな評価をしている。炭化水素資源の需要は今年第四四半期、2019年の水準になるとしている。OPEC＋加盟国の多くは、増産を望んでいるが、ペルシャ湾諸国では、余った設備により、必要な場合、きわめて早急に増産できる。とりわけ、イランは、世界市場に復帰する意向であり、中国への「その場限り」の供給から、公開取引へ移行するつもりであると、本紙が取材したアナリスト。「市場には1日当たり100万バレル（全世界需要の約1％）のイラン増産の可能性が現実的に出てきた。こうした増産は、イランが核協定の再開について、米国と合意すれば、1ヶ月以内にありえる」と「BKSミ−ル・インベスト」社証券市場専門家イゴリ・ガラクチオノフ。OPEC＋加盟国以外のプレーヤーも、供給を増やそうとしている。IEAによると、米国は2年間の落ち込み後、OPEC＋に加盟しない国の中で、増産の原動力となる。カナダ、ブラジル、ノルウェーも、石油増産をするだろう。国家エネルギ−安全基金専門家、金融大学講師スタニスラフ・ミトラホヴィッチは、別の意見である。米国は供給回復のリ−ダ−ではない。何故なら米国の産油は、投資家の「グリ−ンエネルギ−」の気分から、ゆっくり増える可能性があるからだ。以下略

−11日（金）「中央銀行は、旅行者を支援するか」（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャホフ）金曜日、理事会会議でロシア中央銀行は、公定歩合を少なくとも0.25％、おそらく一気に0.5％引き上げると、本紙が取材した専門家の見通し。これは、少なくとも1週間、ジュネーブでの米ロサミットまでル−ブル高にする。6月11日、金曜日の中央銀行理事会会議で、公定歩合の引き上げが見込まれると、中央銀行副総裁クセニヤ・ユダエワ。前回、中央銀行は4月、公定歩合を一気に0.5％引き上げ、5.5％にした。ユダエフ副総裁は、次の引き上げ幅は、0.25〜0.5％と、推測した。この予想はすでに、5月のインフレデ−タの発表前に行われ、これは、中央銀行が通貨融資政策を決定する上で、重要要因の一つでもある。5月、インフレ率は、4月比で0.74％となり、今年5カ月間、物価は中央銀行のデ−タによると、6％上昇した。これほどの高いインフレ率は、最近では2016年にあっただけ。最も顕著なのは食品部門。年初から植物油、穀類、野菜、食肉は7％以上、値上がった。こうした背景が、公定歩合を一気に5％という大幅引き上げに中央銀行を走らせるかもしれないと、本紙が取材した専門家。インフレリスクは6月も続いており、インフレスパイラルを加速させるおそれがあると、「フィナム」社アナリスト、アンナ・ザイツエワと、「Lockoinvest」社主席エコノミスト、ドミトリ・ポレヴォイ。後者は、物価高騰だけでなく、企業及び個人の高いインフレ見込みを指摘し、中央銀行はこれを考慮せざるえない。「フリ−ダム・ファイナンス」社ロシア証券市場取引運営アナリスト、アレクサンドル・オシンは、現在、公定歩合は、「適切な数値」より低いと指摘。適切な水準は、年6.2％と同専門家。インフレ率は、数週間連続で高い水準にあり、5年間最大値を更新している。公定歩合は相変わらず、適切水準より低いままであると、「BKSミ−ル・インベスト」社証券市場専門家ドミトリ・バビン。「ソフコムバンク」主席アナリスト、ミハイル・ヴァシリエフも、政策の引き締めはあるとみている。中央銀行は、公定歩合を引き上げ、これは年内、5.5％〜6％になると同氏。「高いインフレ率の持続のため、つまり、世界取引所における食品及び原料価格の上昇、先進国中央銀行による通貨量の増加、パンデミックによる、多くの商品・サ−ビスの低い供給量、市場の分野によっては持続する品不足、燃料の高騰、いわゆる「グリ−ン」エネルギ−への移行などが、公定歩合の引き締めとなっている」とワシリエフ氏は、説明。以下略

−９日（水）「ロシアは北極の観光で、市場の50％」（ドウデインガ駅は移転し、改修）（GAZETA.RU紙、コンスタンチン・ジュラヴレフ）ロシア北極海の沿岸は北極独特の自然に魅された観光客の半分を引き入れることができる。北極圏内の地域やバレンツ海では、現代的なホテル、キャンプ場、憩いの場を建設し、観光客の無秩序の流れを整理すると、「ヴァスタ・デイスカバリ」社代表セルゲイ・バチン。−記者「最近、世界では北極の観光に人気が出ています。ロシアではこの状況はどうなっていますか？ロシアには、どのようなメリットがあり、問題がありますか？」、−バチン「地図を見ますと、ロシアは北極海沿岸のよい所を占めています。特に北東海路は、より使い易くなり、これについては現在検討していますが、ロシアの様々の地域と結びつきます。こうした地方自治体は全部では８つありますが、特に関心が抱かれるのは、バレンツ海と白海、ノ−ヴァヤ・ゼムリャ、フランツ・ヨシフ諸島の地域であります。残念ながら、北極観光でロシアの割合は目下、さほど大きくありません。外国は、カナダ、ノルウェー、アイスランド側から開発するというテ−マを出しています。ロシアは、きわめて最初の段階にあります。北極観光は、海と陸という二つのル−トで進んでいます。私の意見は、多くのアナリストの意見と一致してますが、ロシアは北極観光で市場の50％以上を占めることができます」−記者「“ザツンドラ”計画について教えてください。どこの場所で行うつもりですか？インフラはどこに建設されるのですか？」−バチン「先ず、“ザツンドラ”は、ノリルスクとプトラン台地の間にある、昔からある歴史的地名です。ロシアの住民はこの場所を数世紀にわたり、開発してきました。近くには、ユネスコ認定の世界遺産に該当する自然保護区があります。この場所にある極圏の自然は独特のもので、きわめて興味深いものです。だが現在、何らかの特別の観光品や宿泊場所はここにはありません。「自然」観光のみ可能性があります。あるいは、ノリルスクに泊まり、そこからこの地の観光を行う。「ザツンドラ」計画によって、メルコエ湖近くに部屋数605室の観光ビレッジを建設する予定です。いくつかのホテル、カフェ、レストラン、ショップが建設されます。またプランでは、観光ル−ト、キャンピング場、憩いの場のネット作りを行います。そこで時間を過ごし、休養し、レクリエーションができます。」以下略

−7日（月）「天然ガスパイプライン「ノードストリーム2」によるガス供給はいつから始まるか」（「見解」紙、オリガ・サモファロワ）ウクライナの悪夢が現実となった。天然ガスパイプライン「ノードストリーム2」の第一ラインの敷設は完了した。これは、その試験後、最初のロシア天然ガスは欧州へ供給され、これは、8月にも行われるという意味である。第二ラインも間近である。天然ガスは暖かいシ−ズンの始まりには供給されると、各専門家。これは、ガスプロム社だけでなく、欧州自身にとっても、喜ばしいニュ−スである。「まさに今日、二時間半前、ガスパイプライン「ノードストリーム2」の第一ラインの敷設が完了した。第二ラインの作業は続いている。ライン敷設作業は、海洋部分も含め、終了した」とペテルブルグ国際経済フォ−ラムでプ−チン大統領。それによると、ガスプロム社は、ガスパイプライン「ノードストリーム2」へ、ガス注入の準備は出来ている。最初のガスは、ガスパイプラインの起点となるコンプレッサー・ステ−ション「スラヴヤンスカヤ」へ送られる。ガスプロム社の株価は、上昇し始め、2008年7月以来、最高値を更新した。第二ライン（275億㎥）は、おそらく1ヶ月半〜2ヶ月の間に完了するとプ−チン氏は述べた。パイプライン敷設進捗について、毎日、ガスプロム社代表アレクセイ・ミレルから報告をうけている。実際、第一ラインの完成は、ガスプロム社が建設に成功し、第二ラインの完成は時間の問題という証明である。疑念も起きている。ガスプロム社は、第二ラインの工事中に試運転調整作業ができるだろうか？おそらくガスは当初、第一ラインに注入され、第二ラインが完成した後、第二ラインに注入すると、政府付属金融大学専門家、国家エネルギ−安全基金専門家イゴリ・ユシコフ。最後の溶接が終わるまで約10日間がかかる。「配管は互いに接近し、直線作業は完了した。今後は、配管を上げる必要がある。ドイツの海岸から来た配管と、ロシアの海岸から来た配管を溶接する。それで終わりだ。おそらく、これに10日間ぐらいかかるだろう」とプ−チン氏。さらに試運転調整作業には1〜2ヶ月間かかると、ユシコフ氏。さらにガス供給開始時期は、ドイツ側にかかっていると、大統領。「ドイツ政府代表団がワシントンから帰ったかどうか知らない。米パ−トナ−との関係をいかに構築するか、交渉があった。しかし、ガスは、あそこは高い、分かりますか？はっきりいうが、乱暴なやり方で採掘しているが、それも25％以上も高い」とプ−チン氏。これは、ドイツ政府が、ガスパイプライン「ノードストリーム2」に対し、運転開始の許可をいかに速やかにだすか、この点である。米国は、公式には、脅しはしても、計画のこの部分に関係し、制裁を結局は導入することはなかった。以下略

−３日（木）「ロシアは、多くの先進国より早くコロナウイルス危機を克服しつつある」（国内経済はショックの対応を学んだが、平時の発展ができない）（独立新聞、オリガ・サモファロワ）ロシア政府は、ロシア経済はコロナウイルスの影響を完全に克服したとみている。今年、加工部門は、4％成長すると、経済発展相デニス・マントウロフ。西側アナリストは、早くも第三四半期からロシアは国民一人当たりのGDP水準ではパンデミック前の数値に戻ると指摘。ロシア経済の構造は、ロシアは危機時、さほど強く影響を受けないようになっている。実際、ロシア経済は危機時、かなり前から成長や急発展を忘れているとロシアの専門家は指摘。「半年で、4％以上の成長を期待している（加工部門）。こうした動向は、年を越えても維持されると思う」と水曜日、経済発展相デニス・マントウロフは、ラジオ局「ニュ−スFM」で発言。1月〜4月、ロシア加工産業の成長は4.5％。4月だけでも、この部門は、2020年4月比で14.2％、2019年4月比で5.4％。同相は、自動車産業の好調も指摘。今年4カ月間で41％の生産増となった。特記すべき点としては、以前産業通商省は、この部門の展望について、控えめに評価したことだ。同省は、年全体で2.5％の成長と予想している。ロシア経済は、全体としては、多くの西側諸国よりかなり早くコロナウイルス危機から回復しつつあると、OECD（経済協力開発機構）のエコノミスト。それによると、2021年、ロシアGDPは、昨年の2.6％の落ち込み後、3.5％の成長とみられる。今年すでに第三四半期、ロシアは国民一人当たりのGDP水準はパンデミック前の水準に戻るとエコノミスト。こうした予想から、経済危機前の数値に戻る時期ではロシアは上位四カ国に入る。例えば、OECDの計算では、中国は韓国同様に今年第二四半期後にも、回復する。トルコは、第三四半期後にも、パンデミック前の水準に戻ると専門家。今年全体で、世界GDPは5.8％の成長で、OECDの前予想より高い。12月、OECDは、2021年、世界のGDP成長率は4.2％とみていた。回復はばらつきがあり、ワクチン接種率や、国の保健政策にも左右される。「ワクチン接種を早急に行い、効果的な社会保健戦略を用いて感染症を制御できている国は、自国経済をより早く回復させている」とOECD。さらに回復速度には、国民の弱い層や経済部門の国家支援レベル及び、例えば、観光部門など、特定の部門に対する国の依存度も影響すると、各専門家。以下略　

−6月1日（火）「人口問題の解決が、母親支援金の優先課題」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）母親支援金は、経済面のみで評価してはいけないと、ロシア政府付属金融大学法人金融・管理部長コンスタンチン・オルドフ。ロシア安全保障会議副議長ドミトリ・メドヴェージェフは、母親支援金プログラム実施時、証明書が1200万枚発行され、国はこのために3兆ル−ブルを支出した。このプログラムは、2007年1月1日から始まり、そのため、3兆ル−ブルの数値の評価は難しい。2021年、予算支出は、21.5兆ル−ブルで、3兆ル−ブルは14％だが、いずれにしても、国民支援の有効な手段でもある。ロシアの900万世帯は、母親支援金を使い、住居環境から子供の教育費にいたる様々な目的に使うことができる。2021年から母親支援金として、女性一人当たり第二子から計算し、一人出産または養子にした世帯は、48万5千ル−ブルを受け取ることができる。第二子の出生又は養子の場合、母親支援金の総額は64万ル−ブルとなる。これは、特に地方の大都市では生活費が高く、そうした場所の家族にとって、支えとなる。ロシア経済と実質所得が高いテンポで増加していた2007年、ドル相場は25ル−ブル付近であり、母親支援金の効果は、人口問題からみても、住宅購入の点からみても、よいものだったが、制度は今日も、機能している。2022年初め、ロシア社会と経済に良好の影響を与えたこのプログラムは15周年となる。「母親支援金は、経済発展の要因として見ることは難しい。この効果は、人的資本の評価であり、これは科学的根拠にもとづき、議論する上で、一般的なテ−マである」とオルドフ氏。多くは、社会発展や、新たな世代の教育や職業訓練にかかっている。この問題は、母親支援金だけでなく、新たな世代向けに医療も含め無償教育が関係する。「母親支援金は、出生率の向上や、人口再生産のために生まれたものだ。2000年代、これは必要であったが、今日でも最重要な問題である」とオルドフ氏。出生を促進させる母親支援金の効果は低下し、人口問題を見れば明らかであり、ここ数年は、2020年はパンデミックの影響もあったが、人口は減少している。「現在、母親支援金は、ロシアの人口を維持するためには不十分である。これまでこのプログラムが、どれほど効果があったか、語るより、その資金を増やす方法の模索について議論するほうがよい。母親支援金の延期だけでなく、追加措置も必要である」とオルドフ氏。これは2017年〜2019年の経済成長に似ている。2％の成長（先進国では標準）だが、実質所得の増加とはならなかった。結論はただ一つ。もっと高い経済成長率が必要ということだ。

-28日（金）「目下、夢：労働省は、週四日制への移行について、議論する意向」（労働省は、週四日労働制案について検討する意向）（GAZETA.RU紙、ダリヤ・イスポルノワ）週四日労働制への移行構想は、労働省で検討される可能性があると、労働相アントン・コチャコフ。この構想自体は、国内ですでに7年間ぐらい議論され、プラス面、マイナス面はよく知られている。ILO（国際労働機関）が提案したこうした構想について、ロシア労働省は目下、態度を明らかにしていない。労働省に入るあらゆる提案は検討される。週四日労働制への移行構想も、例外ではない。労働相アントン・コチャコフは、「ノ−ヴォスチ」通信のインタビューで、5月27日、こうした発言をした。「社会的パ−トナ−からのあらゆる提案は常に検討される。そうした提案があれば、これを無視することはない」とコチャコフ氏。こうした提案について検討する用意があると発言したことは、労働省ではすでに「内的に賛成している」という意味ではない。週四日労働制の導入の可能性について、2019年、ジュネーブでの国際労働大会で当時の首相ドミトリ・メドヴェージェフが初めて、提起した。この発言は、ロシアでは大きな社会的反響となった。現在、ロシア国家安全保障会議副議長であるメドヴェージェフ氏は、労働時間の短縮への段階的動きは理にかなっていると考えている。「現在、自動化、ロボット化が進み、いずれにしても、何らかのポジションは空きとなるだろう。短縮された労働週により、多くの場合、失業を回避できる」とメドヴェージェフ氏は4月に行われた労働団体代表との円卓会議で発言。同氏によると、いくつかの企業では、現在すでに金曜日ごとに労働日の長さを短縮している。試験的に地域全体、会社グル−プで労働時間を短縮、例えば、1時間、2時間、3時間とか、短縮してみてもよい。短縮週のプラス面の一つは、労働者に自己発展させたり、教育を深めたり、子供のしつけに使う時間が増える点である。だが、新たな労働形態へ移行するためには、いくつかの条件を守る必要があると、メドヴェージェフ氏。「先ず、週5日、4日、3日であることは重要ではなく、賃金を減少させてはならず、労働契約の賃金は、以前のままとする」と同氏。第二に、劣らず重要な点として、短縮週へ移行する場合、労働生産性を落としてはならず、企業活動の経済数値が変化してはいけない。「何故ならば、この場合、これは袋小路への道だからだ」とメドヴェージェフ氏。以下略

−26日（水）「シベリア横断鉄道と北極航路はロシア経済の未来」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）世界貿易には多角化が求められ、これはロシア経由にとって、展望となるものと、ロシア国民経済・国務大学応用研究所研究員エフゲニ・グシン。世界最大のコンテナ輸送会社の一つ、デンマ−クの「Maersk」社は、ロシア経由の貨物輸送を始めた。このように「Maersk」社は、スエズ運河を避け、この方面の輸送リスクを最小にする。デンマ−クの会社は、船舶でコンテナをアジア諸国から沿海地方に運び、そこから鉄道でノヴォロシスクまで輸送し、それからトルコへ運ぶ。極東税関本部は昨日、初めてコンテナの手続きを終えた。合計で、コンテナ247個で、自動車部品とポリプロピレンがトルコまで輸送される。「Maersk」社は、アジア商品のトルコまでの輸送時間を40〜45日から25〜30日に短縮する。2021年初め、ロシア経由でコンテナ1986個が輸送され、そのため、ロシアにとっては、一回限りのことではなく、成功した貿易経済活動である。だが現在、制限がある。トルコへの具体的貨物の輸送問題である。ロシアからトルコへの輸送にとって、ボスポラス海峡や、ダ−ダネルス海峡を通過すべきではなく、これは、貿易収益に影響するおそれがあり、さらに経由という点では、ロシア最大のプロジェクトは、北極航路である。これは輸送コストの最小化であり、インフラ建設、つまり運賃の支援や新たな砕氷船の建造、また氷の溶解に期待している。これで、航路が年間利用できるようになる。世界は経済危機で、ロシアは制裁下にあり、そのため、北極航路プランは、縮小されたが、それでも、国のエネルギ−戦略に固く組み込まれている。北方産出地の開発は、このル−トにかかっている。シベリア横断鉄道経由により貨物輸送について、この量は今日、ソ連時代より少なく、当時、日本はこの鉄道を積極的に利用した。こうした分野は発展するだろうが、鉄道輸送の限界も忘れてはいけない。多くの荷物輸送は、海洋輸送で行われ、ましてロシアはアジアへのエネルギ−資源の鉄道輸送を増やす。そのため、ロシアにとって最も有望な計画は、北極航路である。「多くの商品にとって時間的メリットは、価値があり、そのため、将来、世界市場でこうした間隙を埋めるつもりである。時間的優位点はあるが、コストは高いことは、それだけは忘れてはいけない」とグシン氏。北極航路にとって、今日、存在していないインフラを建設する必要がある。「船舶は目下、年中、運航されていない。特殊の船舶が必要である。例えば、「ヤマル液化天然ガス」計画のため、砕氷能力のある特殊船舶が建造された」とグシン氏。以下略

−21日（金）「ロシア、加工産業で飛躍」（「見解」紙、オリガ・サモファロワ）ロシアの産業は、2020年、欧州よりうまく危機に対応できただけでなく、加工部門で大きな成果を出した。ロシアはこの部門では輸入を半減させ、国産の割合を60％まで引き上げた。どうして成功したのか、どのような問題を解決すべきか？ロシアの産業は、2020年、危機的落ち込みを避けることができたと、首相ミハイル・ミシュスチン。さらに多くの企業は、コロナウイルス流行に対応するため、素早く専門を変えている。「マスクは、1年前より15倍、生産できる。防護服は33倍、医療手袋は40倍、人工呼吸器24倍、消毒薬8倍の生産ができる」と首相。ロシアの加工産業はすでに2020年に隔離や諸問題のある中、2019年の水準に戻ることができた。「ロシアの加工産業は、コロナウイルスパンデミックによる危機で被害を受けたが、欧州よりはるかに小さい。4月、欧州の産業全体は、この20年間で最低の結果を出した。ロシアは年全体で落ち込みを克服できただけでなく、2019年の水準に戻ることができた」とミシュスチン首相。さらにロシアは加工部門の輸入品代替生産では、大飛躍があった。「国内、様々な分野で、一貫して輸入品代替生産を拡大している。こうした部門で昨年、国産品の割合はかなり増え、現在は約60％である」と首相。2020年、加工品の生産は、前年より0.3％の増加。2014年、加工産業で輸入品の割合は80％であったが、現在、これは40％まで減少した。これはまさに飛躍とみることもできる。輸入割合を減らす有効な機関は、産業発展基金で、300億ル−ブルで反コロナウイルス計画100件及び、自動車産業と農業機械製作分野の計画を支援している。ミシュスチン首相は、チュヴァシ地方の視察時、様々な機械発明者と交流し「感銘的な訪問だった。いずれにしても、国内にある産業生産設備の残余物にこれほど、価値あるものを見つけることができ、喜んでいる」と発言。例として、飛行機MS−21向けエンジンPD−14や、大出力の国産ガスタ−ビンGTD110Mの開発をあげた。昨年、ロシアの最新飛行機はロシア製エンジンPD−14を搭載して最初の飛行を行った。これは、ロシアのエンジン製作と飛行機製作の部門で大きな成果である。このエンジンは、飛行機MS−21で最も複雑で高価な部品である。ロシアも含め、世界ではたった数カ国しか、国産飛行機エンジンをもっていない。飛行機MS−21は、米国製エンジンPW1400G-JM（Pratt & Whitney社製）も搭載されている。だがこのエンジンの代替生産は、きわめて重要であった。今後、ロシアへの航空機エンジンの輸出禁止があっても、ロシアの計画はストップしない。以下略

−19日（水）「石油の支援：ル−ブル相場はどうなるか」（専門家は、ル−ブルの展望について分析）（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャホフ）Brent石油は、心理的大台1バレル70ドルを突破し、2019年の水準に戻った。石油価格上昇によりル−ブルも高くなっている。しかし、このトレンドは不安定であると、各専門家。ロシア通貨には、地政学状況も影響する。主要通貨高、海外旅行費高、衣服・輸入食品高に慣れないといけないと、各専門家。火曜日、5月18日、Brent石油先物は、1バレル70ドルとなり、3月15日以来、初めてのことである。価格上昇は大きくなく、1％の範囲内で、70.11ドルである。しかし、各専門家はこの心理的大台の突破は、経済成長回復の良い兆候とみている。WTI石油価格も値上がり、0.9％上がり、66.87ドルまで上昇した。格付け会社「Fitch」社は、Brent石油1バレル70ドルの定着の可能性は「さほど高くない」と分析。それでも、上昇は観察され、ワクチン接種によりパンデミック問題の解決で、欧米の石油需要の回復期待が上昇を推し進めている。接種により、パンデミック制限を解除し、それにより消費者活動や企業活動を活発化できると、「BKS投資世界」社証券市場専門家ドミトリ・バビン。さらに高リスク資産への高い需要や、ほとんどの通貨に対するドルの急落は、世界の取引所で、資源商品や食糧価格の高騰につながっている。「こうした中、Brent石油価格は一時的に75ドルや、80ドルにもなると、例えば、「Goldman Sachs」社は予想。だがこうした水準に長く留まることはないだろう。資源価格の上昇は、ただでさえ高いインフレ率を加速し、各国中央銀行が通貨政策を早期に厳しくするおそれがあるからだ」とバビン氏。さらに石油高値自体は、需要を引き下げ、また経済回復を抑制し、その後、石油需要にネガティブな影響となると、同専門家。現在、炭化水素資源の価格は、2020年春の急落後、徐々に回復していると、民族友好大学経済学部石油ガスビジネス専門家チモフェイ・マザルチュク。「すでに2021年3月からBrent石油1バレルの価格は2019年同期の価格に近づいている。しかし、主な要因は、世界経済のパンデミック後の回復ではなく、産油のきちんとした管理である」とマザルチュク氏。主な石油輸出国のこうした管理により、価格上限は1バレル75ドルとなる。「Brent石油1バレル70〜75ドルの価格範囲は、産油収益の確保や、炭化水素資源の高値で採掘を再開するかもしれないシェ−ルオイル産出地の管理からして、主な石油輸出国には最も適切である」とマザルチュク氏。以下略

−17日（月）「二回目のパンデミックの夏：国民は5月25日後、どこで休暇を過ごすか」（ロシアは、5カ国と航空便を再開）（GAZETA.RU紙、アンゲリナ・ミリチェンコ）すでに2週間も待たずに、ロシアから最初の飛行便がアイスランド、メキシコ、ポルトガル、サウジアラビア、マルタに飛び立つ。コロナウイルス流行により一時ストップしていた定期飛行便は、5月25日から再開する。さらに韓国、フィンランド、日本への飛行便は増便される。モスクワからレイキャビック及びバレッタへは、週二便となる。モスクワからカンクン、リスボン、ジッドゥは、週三便となる。サウジアラビアには、グロズヌイや、マハチカラからも飛行便が出る。週一便である。「さらに韓国、フィンランド、日本との定期便は5月25日から増便する」と広報。ソウルにはウラジオストックからも行ける。また韓国には週一便で、ノヴォシビルスク、ハバロフスク、イルクーツク、ユジノ・サハリンスクから飛行便が出る。ヘルシンキには、モスクワ及びサンクトペテルブルクから行くことができる。これらの都市では週の便数は、7便まで増える。モスクワ−東京及びウラジオストック−東京のル−トは、週7便となる。さらにユジノ・サハリンスク−東京ル−トは、週一便で再開される。これまで東京へモスクワからは週三便、ウラジオストックからは週一便であった。フィンランドには1月27日からモスクワ及びサンクトペテルブルクから週二便であった。韓国からの定期便は9月27日から再開され、モスクワからソウルには週一便の飛行があった。「また国際空港オムスク、スイクトウフカル、チェリャビンスク、マグニトゴルスク、ウランウデから、感染衛生規準の遵守を考慮して、5月25日から国際便が再開する」と広報。現在、ロシア25の都市から外国へ飛行できると、タス通信。アストラハン、エカテリンブルク、イルクーツク、マハチカラ、ミネラリヌエ・ヴァデイ、ニジニイ・ノヴゴロド、ペルミ、ケメロヴォ、ヴォロネジ、カル−ガ、クラスノダル、リペツク、ナリチク、オレンブルグ、サラトフ、ソチ、チュメニ、ユジノ・サハリンスクである。コロナウイルスパンデミックにより、2020年夏から今年2月まで、モスクワ及びサンクトペテルブルクからのみ、国際便が出ていた。ロシア観光客が行ける国としては、昨年同期と比較すると、かなり多くある。当時、国際便は事実上、停止していた。ロシア人は、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、インド、カザフスタン、ベトナム、ギリシャ、ドイツ、シンガポール、セルビア、エチオピア、カタ−ル、キルギス、韓国、エジプト、アラブ首長国連邦、スイス、スリランカ、ウズベキスタン、フィンランド、日本、モルデイヴ、キュ−バ、セーシェルへ行くことができる。ただし、英国、タンザニア、トルコは、コロナウイルス流行の状況不安定のため、6月1日まで飛行停止となっている。以下略

−13日（木）「ロスネフチ社、シロクマの調査を続ける」（環境学者は石油企業の支援の下、地上最大の猛獣の生息について調査）（独立新聞、タチヤナ・アスタフエワ）フランツ・ヨシフ諸島のアレクサンダー島で、2021年、シロクマ生態の最初のフィ−ルド調査が終わった。ロシア科学アカデミ−A.N.セヴェルツオフ記念環境・進化問題研究所の専門家は、「ロスネフチ」社の法人環境プログラムの一環として、冬眠穴から雌の出る時期に、モニタリングを行った。シロクマの生態について、学者はロスネフチ社の支援の下、2014年から調査を行っている。多くの調査で収集された資料により、ロシアのレッドブックや、国際自然保護連合（IUCN）のレッドリストに掲載されている地上最大の猛獣に関するデ−タを拡大でき、刷新できる。調査ル−トの総長は1500km以上。さらにシロクマ保護行動プランを作成した。ロシア北極における生息圏は、白海や北極海のほか、全ての海が対象となる。季節的移動は、氷層の動きに左右される。春夏、シロクマは餌を求めて、後退する氷と共に北へ向かう。ちなみにロスネフチ社は、ロシアの動物園でもシロクマの世話をしている。さらにロシア天然資源省との協定により、「ロスネフチ」社は、国民計画「エコロジー」の一部である北極生物保護プログラムを実行している。同社の北極研究センタ−の専門家は、ロシアの主要研究機関の学者と協力して、シロクマだけでなく、セイウチ、ゾウゲカモメ、トナカイなどの生態も調査している。こうした動物は、生態系の生物指標となり、その状態をもとに北極自然状態について、判断することができる。最近の調査でシロクマ15頭が記録され、その内9頭は、動物に有害でない遠隔固定方法を利用して調査された。専門家は、シロクマ活動の形態計測や、計量、遺伝子、生物化学、毒物分析のため、血液及び体毛の採取を行っている。雌3頭に、人工衛星送信システム「Argos」付き特殊首輪が装着された。こうした装置により、シロクマの移動を遠隔で追跡できる。送信器から得られたデ−タにより、シロクマがアレクサンダー島からゼムリャ・ゲオルグへ氷上を移動し、こうした島の入り江を徘徊している様子を記録できる。

−11日（火）「閉鎖の程度：経済に対するロックダウンの評価」（「Lancet」誌、COVID−19に対する厳しい措置は、長期的にはより有益であると指摘）（GAZETA.RU紙、マルガリタ・ソボリ）COVID-19の流行を完全に抑えようとする国は、経済的には、欧米やロシアにように感染状況によりロックダウンをしたり、解除したりする国と比較して、優位である。著名な医学雑誌「The Lancet」で、学者は、何故に厳しいロックダウンのほうが、長期的にみて、経済や人々の生活に良い影響があるか、説明。COVID-19の流行に対し、厳しい方法をとっている国は、経済的には、保健制度が過負荷の兆候が出た場合のみ、ロックダウンを導入する国より、良好であると、医学雑誌「The Lancet」で学者グル−プの論文。論文著者は、COVID-19による死亡数、GDP、流行防止措置の程度をパンデミックの12カ月間、OECD加盟国において、比較してみた。それによると、全ての要因は、より厳しい措置は、最終的にメリットはあると示しているが、流行抑制の戦略と経済的影響に直接の関係があるとする証拠としては不十分である。最も厳しい戦略をとっているオーストラリア、アイスランド、ニュージーランド、韓国は平均で、OECD加盟国でよりソフトなやり方をといっている国より、ウイルスによる死亡者は25分の1である。「厳しい措置は、GDP全体からみても、各期間からみても、より成功する戦略である。この戦略を選択した国のGDP成長率は2021年初め、パンデミック前の水準に戻ったが、その他の国は、相変わらずリセッションが続いている」と調査報告。これは、流行状態により導入されたり、解除されたりするロックダウンは結局、かなり長引き、経済には不確実性が悪影響するせいである。「ソフトな戦略は長期的にみて、経済成長にネガティブに影響し、何故なら長期的計画を立てられないからだ。イノベ−ションに投資するかわりに企業は、当面の制限に対応するため、資金を蓄えている。スタッフの教育に投資するかわりに、企業は期間限定の契約で従業員を雇っている」と調査報告書作成者の一人、エコノミスト、「コレージュ・ド・フランス」教授、ビジネススク−ル「INSEAD」教授、フィリップ・アギオン。調査報告によると、より厳しい措置や制限は、感染病を制御できるが、開放された国境や、国民の低いモラルは、大きな流行につながると、経済大学保健経済研究所長ラリサ・ポポヴィッチ。しかし、それによると、OECD加盟国だけを比較することは正しくなく、持ち込まれる感染症から国を隔離できる国も少なくとも検討する必要があった。以下略

−7日（金）「パンデミック、若年、中年労働者に打撃」（独立新聞、オリガ・ソロヴィエワ）COVID-19パンデミックは、全世界の労働市場で深刻な影響となっている。例えば、先進国ではパンデミックの主な打撃は、高齢労働者である。さらに男性は女性より、しばしば需要が少ないと、国際金融協会（IIF）。ロシアの場合、被害を受けたのは若い専門家。今後も事態は悪化するおそれがある。ロシアの労働市場は、相変わらず、90年代の人口急減により、労働力不足となっている。この傾向は、強まるばかりである。IIFのアナリストは、先進国の就業状況について分析し、コロナウイルスで先ず、高齢男性が被害を受け、真っ先に失職した。しかし、各専門家によると、パンデミックは、COVID-19以前にも見られたネガティブな動向を強めたにすぎない。それによると、これは、人口に対する25〜54歳の雇用比率が証明している。とりわけ、米国ではこの年齢グル−プの雇用率は4.3％下落し、これは構造的相違と、短期労働の不足を反映している。スペインでもこの年齢グル−プの雇用率は2.7％下落している。際立っているのは、女性の雇用は男性と異なり、年齢25〜54歳の場合、ここ数年、増え続けている。一方、男性の雇用は減り続けている。そしてパンデミックは、この傾向を強めたにすぎないと、IIF。例えば、ギリシャの場合、男性の雇用は10.4％減少し、スペインでは8.7％、イタリアでは7.3％減少した。米国では男性の雇用は年齢25歳〜54歳の場合、2007年以来、5.7％減少したと、報告。IIFのエコノミストによると、COVID-19の打撃は、パンデミック前から始まった労働市場の動向を深刻化させるばかりかもしれない。またEU各国が行っている現在の刺激政策は労働市場に対する長引く損害を防ぐ上で不十分である。ロシア労働市場に対するコロナウイルスの影響はまったく異なると、本紙専門家。「ロシア労働市場におけるパンデミックの影響は、きわめて部門別的性格があり、基本的に被雇用者の性別・年齢別構造の変化には、決定的要因になっていない」と「HeadHunter」社分析部長ナタリヤ・ダニナ。それによると、パンデミックで最も被害を受けた部門はロシアでは観光業、HoReCa、スポ−ツ・フィットネス・美容産業、公共交通、航空・鉄道輸送等である。ダニナ氏によると、それでも、パンデミック第一波の際、労働市場では最も脆弱なグル−プは、若年専門家であった。「若年専門家にとって、労働市場のネガティブな傾向は2020年第一四半期に現れた。経験の少ない求職者の中で当時、競争は激化した。第二四半期、コロナウイルスパンデミックや、個々の部門におけるその危機的状況、リモートワ−クへの全面的移行は状況を深刻化させ、基本的に求職プロセス、経験のない若手専門家の順応性を難しくしている」と同専門家。以下略

−5月5日（水）「ロシアのネットショッピング、間隙を突く」（「今日の経済」紙、ダリヤ・ベロワ）ロシアのネット販売は隙間市場へ方向転換」とロシア国民経済・国務大学経済安全学科准教授パヴェル・グリボフ。ロシアの地方で、ネット取引の割合でトップはモスクワ。2020年、この数値は9.3％。第二位はノヴォシビルスク市で8％。三位はセヴァストポリ市で7.8％。サンクトペテルブルク市のネット販売は7.3％。最も割合が少ないのは、北カフカス連邦管区で0.5％。チェチェン共和国では、前年同様に０％。2020年、食品のネットショッピングは、前年比で記録的となり670％の増加。ホ−ム用品、生活用品、修理用品は118％の増で、衣類・靴は117％の増、家電・日用機械は74％の増、スポ−ツ・レジャ−用品は70％の増。「ネット販売は、商品の購入を物理的に制限する隔離と自粛で促進され、これは電子取引の発展にとって、素晴らしい場所を生み出した」と統計庁デ−タについて、パヴェル・グリボフはコメント。地域によってデ−タに相違はあるが、ネットショッピングの拡大は、自粛終了後、半年経っても続いている。2021年3月、ネットショッピングは、2020年3月比で1.3倍となり、前月比では11.3％の増加と、統計庁。「ロシアは最近、制限状態から開放され、消費者はネットによる購入は便利で、場合によっては、オフラインよりメリットがある」とパヴェル・グリボフ。「この分野は、大きな潜在力があり、問題はセ−ラ−が、十分な投資をできるか、どうかである」と同氏。ネットショップ協会によると、昨年、ネットショップの利用者数は6千万人まで増えた（1年前、4740万人）。ロシアにおけるネット販売市場は2020年、3.221兆ル−ブルで、2021年の予想では4兆ル−ブル以上となる。販売増には、品質証明書の有無など、商品チェックが必要となると、「Ozon」社役員ドミトリ・ルサコフ。これに関して、連邦認可庁は大手マ−ケットプレイス（Ozon, Wildberries、Metro）と協力して、品質適合書を検査するサ−ビスを立ち上げる。専門の機関が売手と納入者の関係をスム−ズにし、買手の選択肢を確保できると思われる。近々、このサ−ビスは、サプリメント、子供用品、化粧品でテストし、その後、その他の分野にも適用される。ネットショップ協会によると、品質証明書の自動検査にはすでに16社が関心をもっている。ネットを用いた品質検査プロセスは、その後、具体化される。おそらく、ネット商品リストは、分野によっては一定の制限を付けるよう修正するだろうと、同専門家。それによると、ロシアにおけるネット販売市場は基本的に形成されている。さらに大手プレーヤーは、中小プレーヤーを吸収しようとしている。以下略

−30日（金）「デジタル品の輸入代替生産で、ロシアは経済を刷新」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）ロシアにはソフトウエア市場で悪くない展望があると、ソフトウエア開発者協会「国産ソフト」理事レナト・ラシン。マイクロソフト社の売上高は2021年第一四半期、19％増で417億ドル、純利は155億ドル。これは、2018年以来、最大の四半期利益。パソコン向けソフトウエア（Windows、 Surface 、Xbox）はマイクロソフト社売上の31％で130億ドルである。36％、150億ドルは、クラウドサ−ビス。33％、136億ドルは生産性やビジネスプロセス分野。最大の利益増は、XboxやLinkedIn、アメリカ経済でも、ロシアも含めたその他の世界でも支配的である世界のOS「Windows」のような製品である。「世界ではマイクロソフト社のトレンドは目下、持続している。Windowsは、最も普及しているOSだが、輸入品代替生産センタ−のデ−タがある。国家発注サイトが分析され、それによると、国産ソフトウエアの割合は、ロシアでは50％以上となった。外国ソフトウエアは価格は高く、その割合は金額的には大きいが、市場における数量ではロシア製品のほうが多い」とリシン氏。プログラム「デジタル経済」は、2024年までに行政機関による国産ソフトウエア購入割合を90％にし、国営企業では70％にする予定だが、2019年と2020年のデ−タでは、このプランは完全には履行されていない。これは、かなりの金額になる。2019年、国営会社はロシアソフトウエア16億ドル分を購入し、外国ソフトウエアは24億ドル購入している。行政機関は国産ソフトウエア73億ル−ブル、外国ソフトウエアは60億ル−ブルの購入となった。2020年〜2021年、こうした状況は悪化するおそれがある。ル−ブルは約20％、安くなった。「マイクロソフト社は、ロシアでは伸びず、何故ならマイクロソフト社の成功は、世界的傾向によるものだからだ。ロシアソフトウエアの輸出について、世界の状況により5〜15％の増加となる」とラシン氏。世界市場におけるロシアソフトウエアの売上高は、毎年増えている。景況はこのプロセスに間接的に影響している。「ロシアには成功したOSの数は少なくない。Astra、RED OS、Rosa、Alt Linuxなど。ロシアはソフトウエアの輸出を増やすことができ、大きなサポ−トシステムが形成されている」とリシン氏。「ルスソフト」社のデ−タによると、2020年上半期、ロシア企業のコンピュータサ−ビスの輸出は増加した。ロシアからサ−ビス輸出が21％減少する中、14％増加した。以下略

−28日（水）「スエズ運河の教訓：北極海航路は年中、使えるようにすべき」（「今日の経済」紙、ダリヤ・ベロワ）ロシアにとっては、北極海航路は年中、利用できると示すことが重要である。これは、極東経由の貨物輸送に対する需要となったスエズ運河事故より、貨物輸送でははるかに大きな影響を及ぼすと、エネルギ−・金融研究所エネルギ−部長アレクセイ・グロモフ。輸送グル−プ「Fesco」は、3月、極東経由のコンテナ輸送は荷物輸送をスエズ運河から切り替えるなどで、55％増加した。3月23日、貨物船「Ever Given」号（世界最大級コンテナ船）は、スエズ運河で座礁し、両側の船舶通行を閉鎖した。運河が開放されたのは3月29日で、450隻以上が立ち往生していた。これには、日々、96億ドルがかかった。もっぱらスエズ運河のみを利用している輸送船は、輸送路や、ロシア経由でアジアから欧州へ輸送するやり方について検討し始めた。その結果、事故後4日経ち、輸送グル−プ「Fesco」は、ロシア経由のコンテナ量は記録的になると伝えた。これほどのコンテナ量は、過去に見たことがないと会社。急激な需要が、3月、極東経由のコンテナ輸送を55％増やした。1月〜3月、ロシアのコンテナ市場は、2020年同期比で14.4％増えたと、「Fesco」社。経由輸送は72％増えた。2021年3月、市場は16.2％成長した。このドライバ−は、輸入輸送と経由輸送で、主に中国−欧州−中国のル−トで、49％の増加である。「今、目の当たりにしているものは、長期的トレンドではない」とアレクセイ・グロモフ。「代替ル−トに対する関心の急増は、まさにスエズ運河事故によるものである。きわめて多くの輸送業者はスエズ運河利用に関し、長期契約を結んでいる。そのため、おそらく、事故の影響が一掃されると、スエズ運河の利用は、通常の量となるだろう」と指摘。状況による需要ではあるが、輸送業者は、ロシアには利用できる代替ル−トがあると知っている。例えば、運航が活発である、北極海航路の春夏利用には需要があるかもしれない。「ロシアにとっては、砕氷船が使われる秋冬期にこのル−トがどれほど利用されるか、これがはるかに重要な要因である。北極海航路が年中使われていると示す必要があり、需要が一時的に増える原因となるスエズ運河事故より、はるかに大きな影響となる」とアレクセイ・グロモフ。2020年、スエズ運河経由で荷物12億トンが輸送され、北極海航路経由では3300万トンが輸送されているが、このル−トの能力にはかなり余裕がある。正しい政策と、戦略パ−トナ−を適切に選択すれば、この方面は、ロシアにとって、かなり経済的に展望がある。以下略

−26日「ロシア、4人用月軌道ステ−ションを開発」（設計では中でも、軽量コンパクトの膨張式モジュ−ルを予定）（イズヴェスチヤ紙、オリガ・コレンツオワ）N.E.バウマン記念モスクワ国立工業大学は、4名が滞在できる月軌道ステ−ションの設計を行った。必要な場合、着陸モジュ−ルは、人又は荷物を月表面に届ける。この設計では、膨張式荷物モジュ−ルなど、ステ−ション重量を減少させるいくつかの方法を予定している。また月表面の氷を超低温ロケット燃料に処理することも予定している。専門家は、このステ−ションは、月の調査にも、火星探査にも利用できるとみている。この計画によると、ステ−ションには、4名が滞在し、科学的試験を行うことができる。この計画を指揮しているのは、「航空宇宙システム」学科教授ゲオルギ・シェグロフと、専任講師アレクセイ・ミネ−エフ。月ステ−ション「アースガルズ」は、４つのモジュ−ルからなる。実験モジュ−ル、居住モジュ−ル、コミュニケーション・コントロールモジュ−ル、燃料エネルギ−モジュ−ルである。開発者は、ステ−ション重量を減少させるいくつかの方法を提案している。「ステ−ションには二つの膨張式荷物モジュ−ルが設置される」とアレクセイ・ミネ−エフ。「これは、大気条件の維持が必要でない物を保管するためのものである。例えば、ステ−ションにはいくつかの荷物が来る。これをこのモジュ−ルで保管できる。全体の重量を軽減でき、メインモジュ−ルの空間を開放できる。実験及び燃料エネルギ−モジュ−ルでは、外部自動マニピュレータ用の万能ジョイントが予定されている。課題によって、取り外しができる。これにより、複数のジョイントの設置が必要なくなり、何故なら宇宙では軌道に届けられる重量1グラムが重要だからだ。宇宙飛行士は軌道ステ−ションから月面に着陸できる。学者は、モジュ−ルロケット段を用いて、月面に届けられる乗員及び荷物着陸装置用のモジュ−ルシステムも考えている。着陸装置は三つの部分からなり、ロケット段、乗員モジュ−ル、荷物モジュ−ルである。初期状態では、各部分は分解されている。このやり方で、ロケット段を「節約」でき、一つの装置が荷物輸送にも、乗員輸送にも利用できる。乗員モジュ−ルと荷物モジュ−ルは、ステ−ションの居住モジュ−ルと接続され、ロケット段は、燃料エネルギ−モジュ−ルと接続され、軌道ステ−ションのメインエンジンとなっている。月面着陸が必要な場合、ロケット段は燃料エネルギ−モジュ−ルから分離され、マニピュレータを用いて、必要なモジュ−ルとドッキングする。その後、ロケット段は荷物室や乗員室と共に月面に降下する。以下略

−22日（木）「中国経済の成長はロシアガスを求める」（「今日の経済」紙、アレクサンドラ・メリニク）経済危機から中国経済の脱出は、アジア市場に対するロシアガスの輸出を左右すると、政府付属金融大学国家エネルギ−安全・分析基金主席専門家イゴリ・ユシコフ。ロシア主要企業「ガスプロム」社は、大きな資源消費に直面している中国への天然ガス供給量の増加について検討している。同社社長ヴィクトル・ズプコフによると、エネルギ−資源市場は2年間に1度、「シベリア・パワ−」の能力に匹敵する量のガス消費が増える。ロシアは、中国は追加の天然ガスが必要になると確信している。また「ガスプロム」社によると、中国は大輸入国の一つであり、ロシア及び米国に次ぎ世界における第三位の天然ガス消費国である。そのため、中国は中期的にみて、このエネルギ−資源販売の有望市場である。ヴィクトル・ズプコフによると、中国はガス消費量を増やし、二桁のペ−スで増加させており、したがって、今後15年間、これまでの15年間と比べ、さらに増やすことになる。ガスプロム社のデ−タによると、昨年、天然ガスの消費量はコロナウイルスの悪影響にもかかわらず、増加した。例えば、2020年、消費量は約200億㎥増加した。ヴィクトル・ズプコフによると、新たな取引関係にあたり、予定期間前に運転状態に入ったガスパイプライン「シベリア・パワ−」によるロシアから中国へのガス供給開始のセレモニーが行われた。この式典には、習近平主席とプ−チン大統領も出席した。事実上、ロシアと中国は、エネルギ−資源分野で互恵協力のいっそうの発展段階に入ったと認めた。2020年冬期、ヴィクトル・ズプコフによると、ガス供給は、中国の北方地域及び北東地域に対するガス供給の安定性確保の大きな支援となった。「昨年、中国は資源価格に注目し、ロシア及び、ガス価格が比較的高くないスポット市場でうまく購入を振り分けた。先ず中国は、液化天然ガスを選び、パイプライン「シベリア・パワ−によるガスは少なかった。これは、中国の「CNPC」社はガスプロム社との契約で石油の繋がりもあり、そのため、天然ガス価格は9か月間のラグで石油価格にもとづいて、決定されるせいである」とイゴリ・ユシコフ氏は、この会社のプランについてコメント。それによると、2020年上半期、エネルギ−資源価格は2019年同期比で、石油価格に合わせると高くなった。「その後、コロナウイルスパンデミックが始まり、欧州地域で暖冬となり、そのため、価格は安くなった。当時、まさに中国は、スポット市場でエネルギ−資源を購入した。しかし、昨年下半期と2021年初め、中国はより多くガスを買い始め、しばしば買い付け量は契約量を上回った。ガス価格は2020年3月、4月、5月、6月の石油安値にもとづき計算された」と同専門家。以下略

−20日（火）「余剰石油、燃え尽きる：石油価格は高騰するとアナリスト」（Bloomberg紙：石油価格は1バレル74ドルまで上がる）（GAZETA.RU紙、マルガリタ・ソボリ）パンデミック時に備蓄タンクに蓄積された未曾有の石油量は使い終わり、石油価格高騰の条件が生まれていると、「Bloomberg」紙。本紙が取材したアナリストによると、こうした状況では石油価格は1バレル70ドル以上になる。2月、COVID−19パンデミックの中、2020年第二四半期に蓄積された余剰石油備蓄量は、すでに五分の一となったと、「Bloomberg」紙はIEAのデ−タを伝えた。1年前、世界では大きな石油不足があった。2020年7月、様々な容器、例えば石油パイプラインや、タンカ−のタンク、石油タ−ミナル、石油精製所保管所などに、ロックダウンや、経済減速、石油価格の下落から石油需要の20％減少後、2億5千万バレルが追加で保存されていた。IEAの分析では、2月時点、先進国の石油在庫量は、2015年〜2019年の平均値より5700万バレル多かった。さらに現在、徐々に需要が回復している。本紙取材の専門家によると、パンデミック前の水準より約5％少ない。「パンデミック前、石油需要は世界において、1昼夜当たり約9600万〜9800万バレルであり、最大で1億バレル近くあった。2020年、8000万バレルまで落ち、現在、1昼夜当たり9200万〜9400万バレルである。一方、蓄積量はおそらく、1昼夜当たり1500万〜2000万バレルあったかもしれない。石油需要は増えるとみており、価格はすぐにではないが、上がるだろう」と「ニュ−テック・セルヴィセス」社社長ワレリ・ベセリ。同専門家によると、終わりつつある余剰石油は、農作業の開始時に使われ、常に石油製品需要を高めている。こうした作業には、先進国や新興国の多くの生産場と同様にロックダウンは影響せず、世界経済は回復しつつあると、ワレリ・ベセリ。これは、長期消費増や価格上昇の根源となる。しかし、炭化水素資源価格の急上昇について、本紙取材のアナリストは予想していない。部分的には、若干の石油製品、例えば航空燃料の需要は、いまだ、パンデミック以前の水準のままである。さらに需要が回復するにつれ、OPEC＋加盟国は、段階的増産ができ、石油不足を解消するだろうと、「BKSミ−ル・インベスト」社証券市場専門家イゴリ・ガラクチオノフ。「私の見解では、現在の石油価格水準は、正当な価格に近く、70ドル以上の上昇は、OPEC＋加盟国が高値で利益を得るため、増産を遅らせる場合のみ、ありうるだろう」と同氏。以下略

−16日（金）「北極の生態系、“ロスネフチ”社により保護」（ロスネフチ社は、北極地域の生物保護プログラムの中間結果を発表）（独立新聞、ウラジーミル・ポルカノフ）「ロスネフチ」社は、予定した期間内に、北極生物保護プログラムにもとづく2020年予定の調査作業を完全に遂行した。スケジュールでは今年、さらにいくつかの調査があり、その一つはシロクマの調査で、現在、フランツ・ヨーゼフ地で行われていると、同社代表と学者は記者会見で伝えた。大規模調査で、最も目に見える成果の一つは、非政府開発研究所「イノプラクチカ」と協力して「ロスネフチ」社が発行した生態系地図である。この地図シリ−ズでは、新たに二つの地図が発行された。「バレンツ海」と「北極海洋生態系の種類と生物学的指標」である。「ロスネフチ」社の現在の生物保護プログラムは、2020年〜2023年の4年間を対象にしたもので、国民計画「エコロジー」の一部でもある。しかし、同社は北極での調査作業をすでに10年間も行っている。ロスネフチ社と、協力している学者の重点は、北極主要生物4種類である。シロクマ、セイウチ、ゾウゲカモメ、トナカイである。このプログラムでは、現在の個体状態や、動物生息地の調査が行われ、保護対策が作られている。このため、写真、ビデオ、標識、人工衛星や無人機からの観察、生物サンプルの採取と分析等が行われている。ロシア科学アカデミ−AN.セヴェルツオフ記念環境・文明問題研究所所長代理セルゲイ・ナイデンコによると、温暖化はシロクマにとって、最大の脅威である。「氷が溶けると、野生動物は飢え、クマは新たな病気にかかる。正確にいうと、こうした極地でのみ新たな病気である。いくつかは、今や北へ北へと飛ぶ蚊が運んでくる。氷の後退はゾウゲカモメにも悪影響している。これは、高緯度北極地方にのみ見られる種類で、シロクマと同様に氷上生態系の生物指標でもある。この調査計画の代表、北極・南極研究所研究員マリア・ガヴリロによると、昨年、学者は調査時、鳥1羽も見ず、鳥は餌を探すため、巣から出ていた。氷はますます小さくなり、昨年、記録的に小さくなり、カモメは餌取りが難しくなった。産卵しても、死亡する可能性があると、説明。2020年、鳥類学者は2カ月間にわたって、巣作り場所とカモメの数を調査し、初めてイノベ−ション計器（GPS追跡機など）や、最新の生化学分析法が使われた。その結果、ゾウゲカモメのシ−ズンモニタリングデ−タを収集できた。以下略

−14日（水）「全てが安い：富者にとって、モスクワの生活はメリット」（モスクワは、富者にとって生活費は18位）（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャホフ）モスクワは、富者の生活にとってより容易となったと、スイスの投資会社「Julius Baer」。このランキングに入っている世界25都市の内、ロシア首都は18位。調査では、富者が消費を抑え始めた。個人トレ−ナサ−ビスや、ボトックス、結婚式宴会など、生活スタイルから削除された。現在のトレンドは、自転車やランニングマシンの購入となっている。富者の生活スタイル最低消費品は、12品目、6サ−ビスであり、これなしにはこうした人たちの生活は成り立たないと、スイスの投資会社「Julius Baer」の調査書。同社（総額4500億フランの資産を管理）の指数は、世界様々な都市の商品・サ−ビス価格そのものより、むしろどのようなポジションが規準ランキングとして選択されたか、その点にある。富者にとって、生活のメリットのある場所について、専門家は世界25都市において、ブランドブテイックに対するアンケート調査によって、定めた。それによると、世界で最も高い都市は香港で、二位は上海。三位は東京である。トップテンでは、モナコ、台北、チュ−リッヒ、パリ、ロンドン、シンガポール、ニュ−ヨ−クである。ドバイ、ミラノ、バルセロナは、モスクワより高い。モスクワの18位は、ドイツのフランクフルトと米国のマイアミの中間である。形式的にはモスクワはランキングを上げたが、実際、他の都市と比較して、生活費はロシア首都では下がっていると、調査書。生活の多くの分野で物価は上がっているが、モスクワのいくつかのポジションは、他の都市より廉価であると、「Julius Baer」社の専門家。例えば、高級自動車の購入は、ランキングに入っている多くの都市より安くてすむ。外国人観光客、国際投資家、ドルで資金を保管している人にとって、モスクワの物価高は、さほど大きくなく、年間でたった2％にすぎない。とはいえ、ル−ブルは昨年、対ドルで17％下落した。「かつての帝政時代の建物、旧ソ連時代の建物、その周りに新たなショップやスナックが誕生しており、何故なら都市は住民の豊かさに反応するからだ」と調査書。クレムリンに似た「メトロポ−ル」ホテルについて、そこには世界最大のデイナ−ホ−ルの一つがある。ホテル「サヴォイ・モスクワ」のインテリアは、アール・ヌーヴォー様式でシャンデリアや、油絵などで飾られている。「ルブリョフカ」地区（高級住宅街）は、「豪華な郊外」と言われている。以下略

-12日（月）「飛躍のカレンダ−：2030年までのロシア発展戦略には、125件の計画が入る」（政府は、数十兆ル−ブルの投資計画を作る）（イズヴェスチヤ紙、ドミトリ・グリンケヴィッチ）ロシア政府は、2030年までのロシア社会経済発展戦略に入りうる一連の中間計画案を作成した。民間投資も含め総額数十兆ル−ブルにもなる計画125件が検討されていると、政府に近い情報筋が本紙に語った。中でも、根本的に新しい計画があり、例えば、「30分間都市」構想がある。ここでは、市民のほとんどの移動は、30分間以内にすむようになっている。またモスクワ〜カザンの高速鉄道のような以前議論された計画もある。専門家によると、この戦略は以前の計画文書とは、国の管理では標準的でないやり方や、抽象的な問題ではなく、現実の問題の解決を目指す点で異なっている。とはいえ、国の発展でこうしたやり方は、形式主義に陥るおそれがあると、専門家。新たな社会経済発展戦略は、５つの基本分野の計画からなる。「新ハイテク経済」、「インフラの積極的発展」、「新社会契約」、「顧客中心国家」、「国家イノベ−ション・システム」である。この分野の担当は、副首相である。アンドレイ・ベロウソフ、マラト・フスヌリン、タチヤナ・ゴリコワ、ドミトリ・グリゴレンコ、ドミトリ・チェルヌイシェンコである。以前、この戦略については、経済発展省が伝えていた。計画の準備には各省庁は、専門家や民間企業と協力して行っている。現在、125件の計画が検討されている。それによると、これら計画の総額は数十兆ル−ブルにもなる。「この総額には予算からの支出や、落ち込んでいる収入、民間企業及び国営企業の投資も含まれる」と同氏。計画の中には、パンデミック後の現実を考慮して作成された根本的なに新しい計画も、以前に議論したが、何らかの理由で凍結された計画もあると、同氏。例えば後者には、オビ川渡河橋の建設や、モスクワ〜カザン高速鉄道、モスクワ・サンクトペテルブルク高速鉄道の建設、「北緯鉄道」計画枠内の支線建設、水深の深い港「インジグ」の建設などをあげることができる。「新社会契約」計画では、社会金庫システムを立ち上げる。社会貧民層の支援規模の拡大など。「国家イノベ−ション・システム」計画では例えば、国家の知る個人デ−タをまとめる「デジタル・プロファイル」計画も含まれる。根本的に新しい計画とは、例えば、大都市交通発展モデルをいわゆる「30分間都市」構想に切り替えると同氏。以下略

−8日（木）「制裁を見込んで：ル−ブルは、地政学的状況で安くなっている」（ドル相場は78ル−ブル以上、ユ−ロ相場は92ル−ブルまで上昇）（GAZETA.RU紙、マルガリタ・ソボリ）モスクワ取引所でドルはこの5カ月間、初めて78ル−ブル以上になり、ユ−ロは92ル−ブルになった。ロシア通貨は、地政学的要因、主にドンバス地域の不安定と、予想される制裁の要因によって、押し下げられている。4月8日、ユ−ロの公式相場は、午前の取引で92.33ル−ブルとなり、米ドルは77.77ル−ブルになった。ル−ブルにとって主なネガティブ要因は、ウクライナをめぐる地政学的状況の悪化であり、これはさらに対ロ制裁の強化リスクとなり、外人投資家を尻込みさせていると、「BKSミ−ル・インベスト」社証券市場専門家ドミトリ・バビン。「きわめて良くないニュ−スは、ル−ブル資産の売りとなり、外人投資家は売却で得た資金を他の市場に撤退するため、外貨に換えており、これがル−ブルの圧力となっている」と同専門家。「アルパリ」社の情報分析センタ−によると、外人投資家はロシア国債を売却し、これは制裁の懸念や、外国人がCOVID−19パンデミックの中、新興国資産離れのせいである。1年前、ロシア国債における外国人の割合は、ロシア国債に対する全投資額の34.9％と、過去最大であったと、「アルパリ」社の情報分析センタ−長アレクサンドル・ラズヴァエフ。ファイナンシャルプレーヤーの行動には、ウクライナをめぐる軍事・政治に関するインサイダ−情報が影響しているかもしれないと、金融グル−プ「QBF」社主席アナリスト、オレグ・ボグダノフ。とりわけ、近々、ロシアを支払いシステム「SWIFT」から外すという新たな米制裁のような一連のネガティブシナリオが的中するかもしれない。「石油がきわめて高値で、西側景況がよく、他の新興国経済の通貨が値上がりしている現況で、あらゆる分野でロシアが積極的に売られている。おそらく、誰かに、これは（ドンバス状況の激化とそれに続く制裁）が始まるというインサイダ−情報があるのだろう」と指摘。ロシアは、ドンバス状況によりル−ブル相場が暴落した2014年の「ブラック・チューズデー」ようなことが繰り返される可能性についてどのように分析しているか、この問いに対し、大統領報道官ドミトリ・ペスコフは、「関係省庁や、政府、中央銀行は事態を把握しており、似たような乱高下は以前にもあったと答えている。中央銀行は、市場のストレス状況に直ちに反応することはなく、予算規則の範囲内で財務省向けに外貨購入を続けるとシグナルを送っていると同アナリスト。以下略

−6日（火）「ロシアのネットショッピング市場、年間44％増」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済部」）1月〜3月、ロシア国内のネットショッピング市場の規模は、4313億ル−ブルとなり、昨年同期比で44％増。ネットショップ協会によると、国内市場の拡大がロシア企業の競争激化とサ−ビスの質向上、外国企業の現地化の中、観察される。「2021年の最初の２カ月間、ロシア国内市場規模に対する現地化された多国籍企業の貢献は、300億ル−ブル以上」と同協会。これは、ロシア国民による商品購入額である。また昨年、国内のネットショッピング市場は、納税の形で800億ル−ブル、関税の形で約20億ル−ブルを国家予算の追加収入にしている。専門家によると、昨年、ネットショッピングの発展で、10万人以上の新たな雇用が生まれた。ちなみに、2021年1月から小売売買契約による商品販売について、新たな規則が発効した。そこで、以前、意見が分かれていたネット販売問題も規定され、若干の点は、初めて定められた。

−4月1日（木）「ロシア観光客、二つの保養国に向かう」（「見解」紙、オリガ・サモファロワ）1年前、海外便の停止がこれほど長く続くとは、ほとんどの人が予想しなかった。海外は、希な例外と除けば、一般観光客は入れない。ロシア国民の選択肢は、相変わらず小さい。今シ−ズン、ロシアの一般観光客は、どのように休暇を過ごすのだろうか？観光客にとって、開放されている国は、トルコ一国のみである。キプロスは、4月1日から扉を開けると約束しているが、どうなるか、目下、分からない。次の可能性のあるのは、ギリシャ（おそらく5月）、スペイン、イタリアである。こうした国は、7月か8月にロシア観光客に開放されるかもしれないと、ロシアの旅行会社「デリフィン」社長セルゲイ・ロマシキン。もちろん、ザンビアや、モルジブ、アラブ首長国連邦、その他若干の国もあるが、一般向けといえない。今年、国際便や観光は、完全に復活するだろうか。さらにこうしたことは、3〜4年後という見方もある。航空便と観光旅行は、2024年頃とみるべきであると、「Hong Kong China Tourism Group」社社長ル・ジュアン。そのため、ロシア国民にとって、選択肢は小さい。二年目は、国内観光地で甘んずるほか仕方が無い。クリミアやクラスノダル地方にとって、今年はかつてないほど、最良な年となるだろう。「心理的には全ての観光客が、仮に開放されても、海外へ旅行する気持ちがあるとは限らない。何故ならトルコは開放されているが、制限付きだからだ。入国では、コロナウイルス陰性というPCRテスト結果が必要となる。外出禁止令時間を遵守する必要がある。その結果、観光客の数は、2021年のこの2カ月間、2019年同期比で半減した」とロマシキン氏。観光客は、感染を恐れている場合もあるし、旅行前あるいは旅行時、パンデミック制限が強まることに懸念している。こうした条件では休暇の予定も容易に立てられない。「ロシアはこうした中、より慣れた場所で、安心できる場所にみえる。2020年のシ−ズンからすると、海辺保養地には出かけることができる。ここでは、制限は7月1日から解除され、観光客にとって、問題はない」と同氏。選択肢がないことで、クリミアやクラスノダル地方での休暇需要は、価格が5〜15％高騰しているにもかかわらず、急増している。「夏期シ−ズンの予約はかなり増えている。すでに2月、この数値は2019年より25％も多い。3月からキャッシュバック・プログラムがうまく立ち上がり、市場に活気を与えている。現在、予約は、2019年第一四半期数値より40％多い」と「デルフィン」社社長。以下略

−30日（火）「消費者監督庁、春のCOVID−19の状況について予想」（イズヴェスチヤ紙、「社会」部）ロシア消費者監督庁感染学研究所臨床分析部次長ナタリヤ・プシェニチナヤは、今春、ロシア国内のコロナウイルス感染状況について予想した。それによると、一日当たりの感染率の変動はあるものの、昨秋のピ−ク時みたいにはならない。多くの季節ウイルスは、涼しく湿度の高い時に大きく増え、通常、秋と春に起こり、温度変化の激しい時である。プシェニチナヤ氏によると、感染状況では、ワクチン接種と予防対策の遵守で、感染率の低下が明らかにみられる。さらに国民の一部は、免疫を獲得している。だが予防対策の遵守を続けることや、保護手段の利用、ワクチン接種は重要である。「こうした感染防止策を維持すると、おそらく、感染減少傾向が持続し、春の感染爆発を避けることができる。そうなると、夏頃には昨年の感染率最低値となり、もっと低い水準さえにもなるだろう」と「ノ−ヴォスチ」通信は火曜日、3月30日、同氏の発言を伝えた。3月29日、大統領府は、COVID−19の感染状況は、控えめな楽観論となっていると伝えた。3月28日、ロシア大統領ウラジーミル・プ−チンは、国内の制限措置は、集団免疫ができた後に解除されると表明。それによると、集団免疫が形成されるためには、成人人口の約70％がワクチン接種する必要である。

−26日（金）「スエズ運河の事故、北海路に新たな展望を開く」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）スエズ運河閉鎖の影響は、過大評価すべきではないと、エコノミスト、ドミトリ・アダミドフ。スエズ運河南部で、パナマのコンテナ船「Ever Given」が座礁し、150隻以上の船舶の航行を止めた。この船は、「ゴールデン・クラス」のコンテナ船で、日本の会社「Shoei Kisen Kaisha」に属する。運航会社は台湾の「Evergreen Marine」社で、パナマ船籍である。船は新しいもので、2年半かかり、2018年9月25日に工事は終了した。船の長さは400m、幅は59ｍ、排水量は20万トン、コンテナ2万個以上を積むことができる。この問題の解決がいつになるのか、分からない。スエズ運河の歴史は150年以上である。この計画は1869年に始まり、当時、欧州には統一したドイツはなく、フランスではナポレオン三世がおり、運河建設に積極的に参加した。運河は何度も拡張され、改修された。しかし、水門がないままで、総長は193.3ｍ。船の最大幅は77.5m、吃水は20.1ｍ。ここは米空母も通過したこともあるが、技術的限界もあり、コンテナ船「Ever Given」の事故がこれを物語っている。この出来事で、石油価格が5.13％上がり、多くの専門家はパニック状態となった。コンテナ船の問題は、やがて解決するだろうが、これは海路の脆弱性と閉鎖コストを露わにした。この状況は、2年前のイラクと米国・サウジアラビアとの紛争に似ており、当時、サウジとカタ−ルのタンカ−に対し、ホルムズ海峡の閉鎖のおそれがあった。少なく見積もっても、一時的に1日当たり500〜600万バレルが世界経済から失われることになり、2020年春に起きた世界危機に匹敵する。ホルムズ海峡で行われなかったことは、COVID−19で行われた。スエズ運河の価値は大きい。これは、アジア・欧州間の最大商業路であり、そのため、状況が長引くと、世界の商品・資源市場で大きな乱れとなる。「この事故は、コンテナ船が速やかに撤去されないと、商品の流れが乱れる。数週間かかるが、ホルムズ海峡と異なり、アフリカ海路は開いている」とアダミドフ氏。世界の商品は、輸送路はかなり長くなるが、喜望峰経由で運搬できる。市場の麻痺は起こらないが、そのかわり、別の供給期間となる商品・生産チェ−ンが複雑となる。「大惨事はないだろう。輸送費は上がる。これは良いことではないが、致命的ではない。石油に関していえば、現在、1バレル60ドル近くまで下がっている。相場で売りあおっているが、スエズ運河の事故による価格上昇で相殺される」とアダミドフ氏。ホルムズ海峡は地政学的にはかなり重要である。ここにはペルシャ湾諸国の産油設備が集中している。以下略

−24日（水）「パンデミック、国家予算に直撃：2020年、予算支出はどれほど増えたか」（昨年、ロシア国家予算の支出は、記録的）（GAZETA.RU紙、オクサナ・レシェトワ）2020年、ロシア国家予算の支出は、過去最大となったと、経済大学発展センタ−。これは42.15兆ル−ブル、GDPの39.5％。専門家によると、支出増加は、コロナ危機によるもので、2021年ではこうしたことにはならない。ロシア連結予算（中央予算、地方予算）の支出は、予算外社会支出も含め、2020年という「COVID」の年、記録的な額になったと、経済大学発展センタ−主席研究員アンドレイ・チェルニャフスキ−。国家予算支出は42.15兆ル−ブルとなり、その内、54％は連邦予算（2019年では49％）。GDPに対する割合は39.5％。これは、2011年〜2019年の平均より約5％多い。ポストソヴィエト史で予算支出がこれより多かった年は、2009年の金融危機時で、この時はGDPの41.4％だった。だが当時、GDPは7.8％減少していた。2020年、統計庁のデ−タでは、GDPは3.1％下落した。ロシアの場合、2017年〜2019年、GDPの対する国家予算支出は欧州諸国より小さい。例えば、2019年、ロシアはGDPの34.2％の支出だが、フランスの場合は55.6％、フィンランドの場合、53.2％、ベルギーの場合、52.3％、ノルウェーの場合、50.8％、イタリアの場合は48.7％である。だがEU諸国では強力な社会保障制度、年金制度、より厳しい課税制度がある。同氏によると、新興国であるロシアの場合、ポ−ランドやトルコ、メキシコのような国と比較したほうが理にかなっている。支出規模（GDP比）でロシアより大きいのは、ウクライナ、ブラジル、サウジアラビア、南アフリカ、トルコである。支出規模では、中国、カタ−ル、エジプト、インド、メキシコは小さい。「ロシアの予算支出とGDP割合をみると、だいたい34〜35％である。しかし、2020年では40％まで上昇した。きわめて大きな動きである。他の国でも似たようなことが起きていると思う」とチェルニャフスキ−氏。「GDPに対する予算収入をみると、ロシアはきわめて高い課税率の西欧諸国とは異なっており、東欧諸国に近いが、新興国と比較すると、ロシアの税負担と、税支出はさほど小さくない」と同氏。マクロ経済分析センタ−代表ナタリヤ・オルロワによると、ロシアと先進国の比較は、課税制度が異なるため難しい。ロシアでは所得税は13％だが、いくつかの先進国では30％にも、40％にもなる。こうした国では、資金をかなり再配分していると、同専門家。オルロワ氏によると、国の選択は目的による。例えば、ロシアはノルウェー、メキシコ、サウジアラビアなど、資源国としばしば比較される。以下略

−22日（月）「ロシアへ行きたくない：外国人は、自動車を生産するより、輸入したほうが容易」（この10年間、輸入外車の割合は、2％しか、減少していない）（GAZETA.RU紙、チム−ル・ハサノフ）ロシアにおける輸入外車の割合は、事実上、この10年間、ほとんど減少していないと、統計デ−タ。政府は、国内の自動車産業を軌道に乗せようとしたが、限界に達した。メ−カは、大衆車のラインナップを最小にし、高価な外車は輸入する方法を選んでいる。さらにパンデミックにより、ロシアの部品メ−カに困難が生じている。2011年〜2021年、ロシア国内の乗用車数は36％増え、4500万台になったと、分析機関「アフトスタト」の調査デ−タ。一方、国産自動車の割合はこの10年間、54％から36％に減少した。外車のほぼ三分の一は、ロシア国内で生産され、輸入の割合は、ほとんど変化せず、39％から37％に下落した。状況は小型商用車の分野でもほぼ同じで、今年1月1日時点、420万台である。企業は主に、ガソリンエンジン車を選ぶが、乗用車と異なり、デイ−ゼルエンジン車の割合もかなり大きい。特記すべき点としては、小型商用車の四分の一しか、法人所有として登記されておらず、残りは、個人事業者、自営業者の所有として登記されていると、「アフトスタト」社アナリスト。そのため、小型商用車の分野は、中小企業状況の一種指標となるかもしれない。「小型商用車で、国産車と外車の割合は2021年1月1日時点、国産車のほうが多い。外車は38％で、国産車は62％。さらに2021年1月1日時点、貨物車の台数は377万台」と「アフトスタト」社デ−タ。自動車産業の支援にもかかわらず、現地生産は減少しており、自動車部品金額では外貨割合が多いため、ロシア政府が設定した基準に合致しない企業は、市場から去っていると、自動車専門家セルゲイ・イファノフ。こうした理由により、市場からすでに「General Motors」社や「Ford」社など、大手メ−カが離れている。現在、ロシア自動車部品メ−カにとって、リスクとなる新たなトレンドが増大している。「コロナウイルスパンデミックは、強力な打撃となり、とりわけ資源分野に大きな影響があり、米国では半導体チップの不足に陥り、「General Motors」社さえ、燃料節約に利用されるシリンダ−部の不活性化モジュ−ルの搭載を一時、やむなく取りやめた。つまり、産業の空洞化が起きている」とイファノフ氏。それによると、このプロセスがロシアを迂回すると考えるのは誤りだろうと、同専門家は指摘し、交通事故の際、作動する緊急救助隊自動呼び出しモジュ−ルのようないくつかの重要機器で不足となっていると述べている。以下略。

−18日（木）「主要経済国の回復に何を期待できるか」（専門家は、世界経済の成長回復のトレンドを分析）（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャホフ）各国の政府と専門家は、経済回復の展望について、未曾有の楽観論をみせている。米国及びEUのGDP成長率の予想は、毎月改善している。最も大きな楽観論は、中国で、今年、成長率は9％にもなるとしている。とはいえ、専門家の一部は、回復成長にとって、リスクがかなりあると警告。「UBS」社アナリストは、3月17日、中国経済の成長率予想を8.2％から9％に引き上げた。中国政府は、もっと控えめな目標を立てている。今年の成長率は、輸出の増加で6％強としている。例えば、「Bloomberg」紙のコンセンサス予想では、今年、米国のGDP予想は5.5％。つまり、2020年末の予想3.9％を上方にかなり見直したことになる。OECDも3月、米GDPの成長率予想を3.2〜6.5％、2022年では3.5％から4％に引き上げた。こうした中、欧州は若干悪いように見える。予想は多かれ少なかれ、見直されているが、成長そのものは誰も疑っていない。欧州中央銀行の3月予想は、欧州では2021年、昨年12月の3.9％から4％まで引き上げられている。世界において、楽観論の根拠は十分あるのか、米国、中国、EUというリ−ダの回復成長率の争いがあるとすれば、ロシア経済はどうなるのだろうか。今年、GDP予想の楽観論は、予想した通りと、「Financial Management Ltd」社金融コンサルタント、イサアク・ベッカ−。「しかし、もちろん、こうした成長率は、低いベ−ス効果があると、見る必要がある」とベッカ−氏。プレハ−ノフ記念ロシア経済大学経済論学科准教授エカテリナ・ノヴィコワも懐疑的である。「欧州及び中国の５〜9％のGDP予想は、欧州ではパンデミック状況が根拠のある収束とはなっておらず、いつ終わるか、誰も分からないことを考えると、あまりにも楽観論すぎる」とノヴィコワ氏。中国の場合も、状況は、はっきりせず、それでも、欧州よりは良い。何故なら中国政府は、基本的に国内市場に依拠できるからだと、ノヴィコワ氏。昨年、GDPの落ち込み、または（中国のように）成長率の急減速によって、自粛が維持されても、2021年、回復成長のポテンシャルとなっていると、「アルファ・キャピタル」社金融市場・マクロ経済分析部長ウラジーミル・ブラギン。専門家は、経済成長を強めるさらに一つの要因を指摘している。「これは先送りされた消費者需要である。これは、パンデミック制限の解除後、一気に噴き出て、市場に向かう」と「BKS投資世界」社専門家ドミトリ・バビン。以下略

−16日（火）「ロシアの経済落ち込み終わる」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」部）「経済大学」は、報告書「国とビジネスに関するコメント」を公表した。それによると、COVID−19のパンデミックにより強まったロシア経済のリセッションは、終了した。「2020年末、四半期二期連続で主なマクロ経済指数の上昇により、ロシアは2021年初めにもリセッションは終了すると言える」とTACC通信は、経済大学の報告を伝えた。とりわけ、経済大学の専門家によると、GDPの成長と投資の増加が2020年第三、第四四半期に早くも見られた。GDPは前四半期比で4.2％と1.7％成長し、固定資本に対する投資は、1.2％と0.4％増加した。また報告書によると、パンデミックは、自粛時及び高い感染率のある時、需要のあった商品・サ−ビスを提供している部門にとって、チャンスを与え、さらに輸出指向の農業部門は、昨年、ル−ブル安や、多くの国の食糧不足の中、輸出を拡大できた。公正を期すため、大量失業や、小企業の一斉零落に関し、最も悲観的予想は当たらなかったが、経済及び社会の状況は、相変わらず、良くはなっていない。ロシア企業の総利益は、2020年、23.4％減少した。企業は3.8兆ル−ブルを失い、これは2008年以来、記録的な落ち込みである。求職者の内、4人に1人（23％）は、以前の職場で貯めた資金は、1週間ともたないと、指摘。現在、新たな仕事を探すのはきわめて難しく、求職にかかる期間は平均で6.1ヶ月と、「inkazan.ru」紙。専門家によると、2021年は、労働市場の回復の点では、より改善するだろう。年末には失業率は全経済的有効人口の5％になるだろう（現在5.9％）。

−12日（金）「キャッシュバック・プログラム、旅行業社の顧客獲得に拍車」（「今日の経済」紙、ダリヤ・ベロワ）旅行業者は、キャッシュバック・プログラムに参加するため、ロシア観光庁でサ−ビスの質について確認する必要があると、ロシア国民経済・国務大学マネ−ジメント学科教授ガリナ・デフチャリ。ロシア観光庁は、国内旅行に対する観光キャッシュバック・プログラムの第三弾を立ち上げると伝えた。このプログラムは、少なくとも、観光客と観光業者の両者が大きな関心をもって、期待していた。「先ず、宿泊費である。何故ならこのプログラムの参加には、分類確認が必要であり、ホテルはより真剣に責任をもって仕事をすることになる。このプログラムは、輸送業者も関係する。まさに現在、今シ−ズンに仕事をする会社の事前選定が行われている。市場関係者全ては、自社規準を厳しくし、許可手続きに合格する必要がある。許可された場合にのみ、このプログラムで観光客を勧誘できる」とガリナ・デフチャリ。観光客にとって、重要な点は、宿泊手段や観光サ−ビスは分類され、旅行代金の20％が戻ってくることである。これまで2回のプログラムを観光庁は昨年の8月と10月に行った。当時、30万人以上がこのプログラムに参加し、総額65億ル−ブルになる。同専門家によると、第三弾の需要は、客観的な理由により、より大きくなるだろう。プログラム第三弾では、旅行チケットの販売規模は、ほぼ倍増するだろう。「多くの人は、パンデミックにより、これまでこのプログラムを利用しなかった。現在、観光客にとって重要な点は、ワクチン接種していることで、人々には抗体や、分析結果がある。安心して旅行ができる。そのため、観光客は旅行予約を始めている。それでも、販売規模はまだたいしたことはない。いずれにしても、国内旅行に対し、国民の関心を大きく、これは全ての旅行会社が指摘している」とガリナ・デフチャリ。自動車による旅行も積極的である。現在の環境では、最も普及している旅行スタイルと言える。ガリナ・デフチャリによると、先ずこれは、道路付近に新たな宿泊所の誕生や、道路沿いのインフラの改善のことである。様々なモ−テル、キャンピング所、乗用車用の快適な駐車場、トレ−ラ付き自動車がある。輸送網の目に見える改善や、輸送業者の質の向上は、旅行施設への需要を増やしている。これまでの国内観光支援プログラムでは、一般的な旅行は、コロナウイルスパンデミックによる制限により、全需要の3〜4％以下である。国内観光支援プログラムの仕組みはこうだ。旅行者は最高、旅行代金の20％を受け取ることができる。約2万ル−ブルである。キャッシュバックを受けるには、カ−ド「ミ−ル」を用いるやり方で、計算を全て行う必要がある。特定のカ−ドに結びつけることは、理にかなっていると、ガリナ・デフチャリ。カ−ド「ミ−ル」は、国内旅行をする場合、便利なロシアシステムである。同専門家によると、ロシアでの旅行では、ロ−カルな支払いシステムを持つほうがより信頼できると、観光客自身もみている。今シ−ズン、国内旅行は、安定し、増えるだろう。何故なら、現在の経済的、感染状況でも、海外旅行をできる観光客は、そう多くはない。全旅行者の10％以下である。

−10日（水）「中国との協力拡大は、ロシアにEUの代替市場を与える」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）ロ中の貿易経済関係には限界があると、経済大学経済・世界政治学科東洋学スク−ル代表アンドレイ・カルネ−エフ。王毅中国外相は、中国はイノベ−ションやデジタル経済の分野でロシアとの協力を拡大する用意があると表明。王毅外相によると、世界が不安定で不安になるほど、ロ中の協力はより揺るぎないものとなり、両国は互いに対し、戦略的支えとなり、パ−トナ−に対し、発展する力を提供する。先ず、こうしたトレンドは歴史的経験によるものであり、第二に時代の要請でもある。2021年、ロ中善隣友好・協力条約は20周年となり、両国はすでに延長で合意している。ロシアと中国は、中国外相によると、互恵協力のひな形を作り出し、「一帯一路」計画とユ−ラシア経済連合との連携を強め、又技術イノベ−ションやデジタル経済という新分野に拡大して、貿易経済及び投資協力を改善する意向である。中国はロシアにたいし、外交辞令的発言を多々しているが、言葉と実際は違う。中国は、地政学的立場は近いにもかかわらず、ロシアにとって、欧州市場への現実的対抗となっていない。だが中国にとって景況は悪化し、ジョ−・バイデンは、中国へ圧力をかけるというドナルド・トランプの政策を継続するだろう。そのため、中国はロシアの支援には関心があるが、これが経済統合となるのか、目下、明らかではない。「多くのコメンテーターは、ロ中関係は、欧州諸国とも、米国とも緊迫している。これは、ロ中接近の唯一の原因ではないが、かなり影響のあるものである」とカルネ−エフ氏。現在、西側諸国は、ロシアと中国の外交政策を常に批判しており、そのため、ロシアと中国の政府は、互いに支援すると、表明している。これは、現在の情勢では、きわめて重要なことである。「中国にとってロシアも、ロシアにとって中国も、西側の特定勢力と対峙する上で、重要なパ−トナ−であるが、これが、経済協力を新たな水準に引き上げるかどうか、目下、疑問はある」とカルネ−エフ氏。「2020年、コロナウイルス危機の年、ロシアと中国は、経済協力の規模を維持できたが、質的に高い新たな水準に移行する上では、障害がある」とカルネ−エフ氏。ロシアは、国内に特に中国にとって魅力的な投資環境を作ることができない。これを行うには、ナショナル・ビジネスの環境を作り、その後、中国のようなパ−トナ−との協力について考える必要がある。「ロシア資本が外国への進出を止め、国内投資を行い、資本所有者に利益をもたらす。そうなると、中国も含め、外国投資家が集まる」とカルネ−エフ氏。ロ中の貿易経済協力を見くびってはいけない。これは、両政府の努力により、常に発展しており、両国は新たな間隙を模索しているが、ロシア国内市場は改革する必要がある。「そうなると、大手貿易会社のル−トだけでなく、あらゆる分野でも、協力ができるかもしれないと、多くの人は語っているが、目下、ロシアは両国の戦略的志向に甘んじている」とカルネ−エフ氏。アングロサクソン系の西側経済モデルも、旧ソ連型のモデルもある。この数十年間、中国は独自の経済モデルを作り、建国するためにうまく適用している。一方でロシアでは、市場経済が優位で資源輸出が重視され、他方、国営企業の割合が大きく、特別な価格政策のある輸入品代替生産プログラムがある。「ロシアは経済的にみて、岐路に立っている。政治的にはロシアは西側に対峙しているが、経済的には西側モデルを再現している。時には独自なものを作りだそうとしているが、低落することをおそれている。こうした要因は、ロ中の貿易経済関係の発展にとっても、問題となっている」とカルネ−エフ氏。中国は、ロシアは長いこと、負担をおわせていると前から示唆しているが、カルネ−エフ氏によると、ロシアはデジタル経済でも、その他の分野でも中国との協力を強めることのできるナショナルモデルを見つけ出すと期待している。

−8日（月）「高さが低い：何故にロシア経済は、世界経済より落ち込みが少ないのか」（ロシア経済大学：世界経済のGDP落ち込みは、ロシア経済より大きい）（GAZETA.RU紙、イリナ・ヴラソワ）ロシアはポストソヴィエト時代、初めて世界全体より、うまく経済危機を乗り越えた。ロシアGDPの落ち込みは、世界経済より少なかったと、経済大学の専門家。とはいえ、ロシア経済のわずかな優位性は、これまでの低い成長率のせいであり、また他の国より良好な回復があるという意味ではないと、専門家。ロシアは他の国より、上手くコロナウイルス危機が抜け出していると、経済大学報告書「国とビジネスに関するコメント」で指摘。「ロシアは、世界全体より初めてうまく、危機を乗り越えた。GDPの落ち込みは3.1％、一方、世界全体の落ち込みは3.5％。とはいえ、専門家は、ロシアはもっと悪くなると予想していた」と報告書。例えば、2015年の経済危機ではロシアは2％の落ち込みだが、世界経済は3.4％の成長だった。2009年、ロシア経済は7.8％も急落したが、世界GDPの落ち込みはたった0.1％にすぎなかった。「特に、20世紀半ば以降、最大の世界経済リセッションの中、こうした結果は印象的である（IMFの中間分析では−3.5％）。ポストソヴィエトの全期間で初めて、ロシアは世界全体より、もっと緩やかなリセッションとなった。その上、世界経済危機と石油価格の暴落が重なった」と報告書。経済大学の専門家によると、消費者行動、外需、石油価格の急落や、パンデミックによる生産活動の困難など、ロシア経済への打撃に持ち堪える上、現行の予算規則と政府の経済支援措置が貢献した。さらにインフレ・タ−ゲット政策も、金融の安定性に寄与した。ロシアは、一連の理由により、他国より早く回復しつつあると、「アルパリ」社分析調査センタ−次長ナタリヤ・ミリチャコワ。ロシアでは、国民福祉基金に石油ダラ−を組み入れることができる現行の予算規則のほか、ロックダウンのなかったことや、2020年秋には業種によっては、最小の制限措置、コロナウイルスによる最も被害を受けた観光部門とは国経済はさほど関係がないこと、2020年下半期、1バレル40ドル以上に石油価格が早急に回復したことなど、うまく機能した。「重要な点は、いわゆる“石油ガスの塔”だが、基本的には手を切るべきだが、事実上、パンデミック時、ロシアを救った。何故なら石油市場は、深い落ち込み後、きわめて急速に回復できる力をもっているからだ」と同専門家。以下略

−4日（木）「中国、新たな惨事と世界に表明」（「見解」紙、オリガ・サモファロワ）中国は、世界金融市場と自国不動産市場のバブルが崩壊すると予想。これは、世界経済に未曾有の資金量を投入しているきわめて現実的な結末である。何故に中国は、新たな危機で世界を脅しているのか、どうして間もなく起こり得るのだろうか？中国金融当局は、二つのバブルについて、指摘した。それによると、先ず、世界金融市場のラリーは、バブルを彷彿させ、年末には弾け、株価は下落する。「金融市場は、欧州、米国、その他先進国で高い水準で取引され、実体経済と矛盾している」と中国銀行保険監督管理委員会（銀保監会）主席郭樹清。こうした発言で、アジア市場の株価や、欧州株式先物、資源価格が下落した。米株価も火曜日午前、下がりだしている。投資家は、最近の国債売り出しの影響下にまだある。第二のバブルは、中国の不動産市場である。多くの人は、投資対象として、また投機目的で、住宅購入を続けており、これはきわめて危険と、中国中央銀行。政府は、不動産融資の新たなメカニズムを導入。これは、需要増加を凍結するため、融資制限をするためである。だが住宅価格は中古市場でそれでも、半年間で最高値まで高騰した。このように中国は、ただでさえ、米国や欧州ほど緩和されていない自国の通貨融資政策を厳しくする意向。それにより中国は、証券市場と不動産市場を冷やすつもりかもしれない。問題は、中国の引き締めは、世界がまだコロナ危機から脱却していない時、新たな危機を引き起こすおそれがある点でる。何もしなければ、バブルは突然、弾け（2008年、米国の不動産バブルのように）、しかし、あまりにも早く対策をとると、世界経済に影響を与えるかもしれないと、ここにパラドックスがある。「こうした激しい転換は、FRBが、過熱を恐れ、金利をきわめて早く引き上げた約100年前に行った誤りに似ている」と「FxPro」社アレクサンドル・クプチケヴィッチ。金利の引き上げは、中国における法人破産の歴史的急増の中、さほど良い判断ではない。「これは、特に欧州における楽観論を急速に破綻させうるきわめて有害な組み合わせである」と同氏。「危機第二波のリスクは実際、存在する」と「フィナム」社アナリスト、セルゲイ・ペレホド。2020年の危機で、やむなく世界の中央銀行は、未曾有の金融緩和と根拠のない通貨発行をして、経済へ資金投入を行った。「これは、金融の歪みを増大させ、収入は減少するのに、株価は上昇し、きわめて安い融資で延命している企業という「ゾンビ」が増えている。こうした資金注入は、回復していない世界経済にブ−メランとなってすぐさま打撃を与える可能性がある。とりわけ、制御できないインフレ上昇と国債の安売りが始まるかもしれない。おそらく将来の危機においては、総債務がGDPの335％となる中国では、大量破産リスクが大きな影響となるだろう」と同専門家。以下略

−3月2日（火）「専門家は、2021年のロシア経済の状態について、“S&P Global”社による論争の余地のある予想を評価」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）ロシア経済に関する「S&P Global」社の予想は、機能せず、これは、「事をわざと曖昧にしている」と、ロシア国民経済・国務大学金融・銀行学部金融・通貨流通・融資学科教授ユ−リ・ユデンコフ。「S&P Global」社のアナリストは、ロシア経済とその格付けについて、三つのリスクをあげた。一つ目は、西側制裁の強化、二つ目はマクロ政治構造の弱化、三つ目は、国内政治の不安定である。同社によると、パンデミックと自粛制限の中、経済状態の悪化で、ロシアのマクロ政治は若干弱くなる。マクロ政治の弱化は、マクロ経済指数のアンバランスとなるが、この考えの重要点は「かもしれない」という言葉である。同社は、ロシア国債に対する米国の行動やSWIFTのブロックなど、制裁の抜本的な強化はないとみている。それによると、米国は、金融武器として、ドルを使うことを避けている。「S&P Global」社と「Fitch」社は、同じ見立て。ロシアにたいし、制裁の抜本的な強化はないが、アレクセイ・ナワリヌイの出来事は、最悪でも、個人に対する制限で終わるだろう。ロシア経済の状況は、西側より悪くなく、体制の安定性は高い。信用ランキングでは、これは、ロシアの影響範囲外にあるロシアパ−トナ−の制裁政策にかかっている。こうした格付けは、額面通りに受け取ることはできない。ロシアは、外国の投資がやってくる国ではない。ロシアでは、共同計画への投資、ロシア企業のオフショアマネ−、国債投機資金について、定められている。これは、国内経済の状況に対し、直接影響しない民間資金である。「事態をわざと曖昧にしている。こうした要因の一つも、機能していない。ロシアにとっては、別のことが重要である。石油価格が維持されるか、どうか、またノンカ−ボン材の輸出であり、それ以外は重要ではない」とユデンコフ氏。ロシア経済は、多くの要因に左右されるが、通常、西側でみられているものには左右されない。内政状況は、抑制要因とはならず、経済回復の見通しは、資源需要に左右される。「オトクルイチエ・ブロカ−」社投資マネージャー、チム−ル・ニグマトウリンは、本紙の取材で、「S&P Global」社の予想は、完全に無視することはできず、こうした要因は、ロシア経済に影響すると述べている。「何も変化しないが、ロシアは資源価格に敏感な資源経済のままである。ロシアは制裁下にあり、これは、「S&P Global」社のアナリストも指摘している」とニグマトウリン氏。国内経済状態について、議論がある。これは、ロシアがコロナウイルス危機から抜け出すまで明らかにならないが、制裁メカニズムは、ロシア国内経済の状況に対する効果的影響のポテンシャルをもっている。「全ては今まで通りであり、異常なことはなにもない。ロシアにとって、こうしたリスクの特徴は、2014年からである」とニグマトウリン氏。ロシア国民経済の状況は、石油価格と制裁に左右されるが、これは、バイデン政権がとりうる制裁パケットだけではない。EUの制裁もある。EUも、この件で活気づいた。「ロシアには、多くの制裁が科されている。米国の制裁や、EU諸国の制裁がある。ここには、地政学と結びついた総合的リスクがある。これらは定期的に激化するが、事態に対し、何らかの大きな影響とはならない。現在の状況では、石油価格は、制裁より重要である」とニグマトウリン氏。石油は現在、1バレル65ドル前後で取引されている。OPEC＋協定の制限や、石油需要の減少がなければ、全ては良好だろう。経済の雰囲気は、1ドル73〜75ル−ブルの範囲で取引されているル−ブルからよく分かる。「ル−ブル相場は、石油価格の下落や、制裁などによる取引制限の形であるネガティブな外的ショックに対する影響の保護メカニズムである。ロシア通貨は、ロシアの経常収支のバランスをとっている。これが乱れると、原因がどのようなものか、重要ではないが、ル−ブルは安くなるが、ル−ブル建て輸出高は、以前のままである」とニグマトウリン氏。ル−ブルは、国民経済のネガティブ効果を補い、対ドル、対ユ−ロに反映する。「2021年、ル−ブル高又はル−ブル安の見通しは、総合要因に左右される。ル−ブル相場の正確な範囲は、ロシアのような経済国では、予想はできないが、数学的計算では、石油価格の安定と共に、制裁状況が前向きに推移すると、ル−ブル高となるかもしれない」とニグマトウリン氏。

−26日（金）「米国、ポストコロナ後の石油市場の拡大を予想」（「Bank of America」は、1バレル100ドルになると予想）（GAZETA.RU紙、ヴィクトル・パヴロフ）パンデミック時、18年間最低価格後、石油市場への信頼、ファンダメンタル数値の改善、各国政府による経済刺激策などで、北海石油Brentは1バレル100ドルまで上昇すると、「Bloomberg」紙専門家。ロシア政府副首相アレクサンドル・ノヴァクは、今年、石油価格は、1バレル45〜60ドルとなるとみている。アゼルバイジャンの石油会社「Socar Trading SA」の予想では、Brent石油の価格は、今後1年半〜2年間、3桁になり、「Bank of America」は、ファンダメンタル数値の改善と各国政府の経済支援により、数年間の以内に100ドル以上になるとみている。「Goldman Sachs Group Inc.」は、今週、予想を引き上げ、第三四半期、1バレル75ドルとした。投機家も、このゲ−ムに参戦し、北海石油価格は、2022年12月までに100ドル水準になると、オプション市場でみている。こうした見解は、きわめて「強気」なものだが、Brent石油は、パンデミック時、18年間最低価格後、200％以上、値上がりしてから、石油市場への高い信頼を強調。100ドルという値は、多くのトレ−ダの心理では特別なもので、何故なら石油は、新興国で高い石油需要が、海洋深くから、カナダの遠く離れた産出地にいたる、よりコストのかかる地域の開発へ石油会社を駆り立てた過去10年間の初め、数年間、ほぼこの水準で変動したからだ。Brent石油価格の予想は今年、「Bank of America」の専門家も引き上げた。それによると、石油価格は1バレル60ドルになり、下半期では70ドルになる。アナリストは、これは、テキサスの産油停止と、国際市場への供給減少のせいとみている。規準ブランド石油の価格は、パンデミックの減少と、米国の新経済政策に対するトレ−ダの期待から、石油需要の前向きな予想の中、この3週間、値上がりしている。「ますます多くの国や地域で、自粛措置が緩和されている。何故ならワクチン接種は、コロナウイル流行を抑える上で役立つ」と、「S&P Global Platts」。「パンデミックの制御状況や、民主党提案の予算刺激策は、その期待を高め、株式、石油、金属市場の価格上昇に拍車をかけている」と指摘。それによると、約2兆ドルという米経済への支援策により、かなり前進があり、市場関係者は、北米経済の早期回復を期待できる。売り手側に、市場を支える基礎的要因もある。例えば、OPEC＋加盟国は2月、産油水準下落のトレンドを維持する意向。さらにサウジアラビアは、2月〜3月、1日当たり100万バレルを独自に減産すると表明。エネルギ−資源価格も、気候変動対策の「想定外の影響」により、急騰するかもしれない。これは、石油供給を抑えることや、再生可能エネルギ−源のインフラ、バッテリー、電気カ−の開発に必要な金属の需要が増やすおそれがあると、「JPMorgan」社の分析書。ロシア副首相アレクサンドル・ノヴァクは、石油価格は今年、平均で1バレル45〜60ドルとなるとみている。テレビ局「ロシア1」で、同氏は、エネルギ−資源市場は、部分的には回復したが、2020年、石油需要の下落は20〜25％から、年末には8〜9％まで鈍化した。「例えば、石油についていえば、需要減は20〜25％で、パンデミック阻止にため、多くの国がとった制限措置の結果だが、年末には市場は回復した」と同氏。ノヴァク氏によると、ここ数ヶ月、石油市場の低い変動は、市場のバランスがとれているという意味である。現行価格は、市場状況に合致している。

−24日（水）「ロシアは、記録的世界債務の中、黒字」（「今日の経済」紙、ワレリヤ・ボリセヴィッチ）歴史上初めて世界の債務が300兆ドルを超えるが、ロシアは予想されるリスクに対応できると、政府付属金融大学世界金融学科准教授ラゼリ・バダロフ。国際金融研究所専門家によると、コロナウイルスパンデミックの影響は、世界債務の高い増加率を後押しするだろう。2020年、個人、企業、金融機関、政府の平均債務は、24兆ドル増え、記録開始から初めて281兆ドルに達した。この額は、世界経済規模の3.5倍である。「米国、EU、日本は、国家支出を増やしている。これは、市場と経済を支えるためである。これに関しては、専門家の意見は分かれている。ある専門家は、こうした政策はグローバルな危機を引き起こすとみており、他の専門家は逆に何も起こらないとみている」とバダロフ氏。国際金融研究所調査部長エムレ・チフチクは、今後、1年半、この数値はさらに19兆ドル増え、300兆ドル以上となる。「おそらく、世界債務の総額はこの数値を誇張しているかもしれない。世界規模では、数兆ドルの相違は、たいしたことではないだろう。何故なら数値がきわめて大きいからだ。こうしたデ−タは脅威に思えるが、先ず、内容をみる必要がある」とバダロフ氏。同氏によると、コロナウイルス危機時、各国は経済を刺激せざるえなかった。現実には全世界で税や金利が下がり、国の支出は増えた。これにより、経済数値はよみがえった。現在、こうしたメカニズムはロシアでも利用されている。「ロシアにとって、現状では、明らかに優位点がある。世界経済に危機が始まると、投資家や預金者は、逃げ場を探す。現在、これはドルと金だ。この数値は価格的に増えると、その他は下がる。経済がゆっくりと、危機から抜け出し始めると、逆の状況が観察される。資源市場は、まさに現在のように価格が上がる」とバダロフ氏。「リニューアル」社代表ミハイル・ドロフェ−エフは、消費支出や投資の減少の中、多くの国の政府は、やむなく支出を急増させたと述べた。消費の支えと危機影響の緩和の財源は、まさに予備金と借款であった。「債務者がいれば、債権者もいることを理解すべきだ。西側経済を検討すると、国は全体として債務状態だが、これにもかかわらず、米国では、貯金水準が高い。そこでは、長期資金のある期間が債権者である。年金基金、保険会社、不動産会社等である。これらの組織は資金をもってはいなく、顧客の貯金を保管しているだけだ。金融機関の貯金は塩漬けされておらず、活動している。日本では、米国と同様に同じような状況である。そこでは、内債は約90％である」とバダロフ氏。それによると、こうした時期、世界経済は融資で生きている。バブルが弾けないように、新たな借款も含め、さらに資金を投入する必要がある。以下略

−22日（月）「失ったチャンス：何故にロシアでは、知的財産が評価されないのか」（ロシア企業家・産業家協会（RSPP）は、知財法の自由化を提案）（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャコフ）ロシアは、ノウハウや新技術に巨額を投入している。例えば、これはドイツより多い。しかし、知財ではほんのわずかしか稼いでいない。特許の手続きにメリットはなく、利益税を払わないといけない。一方、銀行は、知的労働品を融資の信頼できる抵当とは、見なしていないと専門家。経済界は、この状況を変えるよう求めている。経済界は、知財法自由化案を政府に提出した。「現代のロシア企業は、知的財産なしには仕事はできず、発展はしない。伝統的な部門、資源部門、農業部門からソフトウエア産業やデジタルコンテンツ部門にいたる、例外なしに全ての経済部門にとって、最大リソ−スとなっている」と、ロシア企業家・産業家協会。しかし、現在、ロシアでは「知財の扱いが悪い」状態が続いている。これは、固定資産への投資増を抑制している。同協会によると、生産部門だけでも毎年、知財の非効率的な扱いによって、3.5兆ル−ブルを失っている。「科学やフュ−マン・キャピタルにどのように投資しても、ロシアは常に敗北である。既存の法体系が障害であり、これにより技術や創造物に対する投資を失っている」とロシア企業家・産業協会理事、ロシア企業家・産業協会知財・創造産業委員会委員長アンドレイ・クリチェフスキ−。ロシア企業家・産業協会が、「経済大学」と共同で実施した調査によると、知財の扱いが悪いことで、ロシアの損失は、控えめに見積もっても、GDPの４.8％にもなり、資源以外の輸出収入では、10.7％も損している。ネガティブな状況を変えるためには、税と通貨融資政策を同時に実施する必要があると、ロシア企業家・産業家協会は考え、先ず、無体財産に対し、利益税を免除するよう求めている。現在の税率では、企業は、所有の知的財産を知らせることに躊躇っている。しかし、知的財産は、外国も含め、企業からしばしば漏洩している。こうした税優遇は、これまで一時的措置措置として、機能していた。経済界はこれを法制化し、恒常的なものにするよう求めている。ロシア企業家産業家協会の第二の提案は、中央銀行の規則を修正することである。銀行が知的財産を流動的で商業的に魅力ある抵当として見なせるようにすることである。今日、無体財産は、既定では、低い価値の抵当とされ、クリエイティブ産業への銀行資本の流入を妨げている。（以下略）

−18日（木）「パンデミックにより、ロシアからの秘密品・材料の輸出は16％減少」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」部）コ−ド「SSSS」で税関統計から外されているロシアからの秘密品・材料の輸出量は、2020年、16％減少して115億ドルとなった。コ−ド「SSSS」とは、兵器、軍事技術、飛行機、核物質を指している。「RBK」社のデ−タによると、昨年、ロシアからのこの種の商品輸出は、13％減少し、136億ドルとなった。「コメルサント」紙によると、軍事品の輸出高は2020年、「ロステク」社によると、130億ドル台と予想されていた。これは、2019年に匹敵する量である。だが予定した数値は達成できなかった。同紙によると、ロシア秘密品の主要消費国は、アルジェリア（20億ドル（＋1億ドル）、中国（15億ドル（−1億ドル）、米国（9億ドル、変化なし）、インド（7億ドル（−2億ドル）、エジプト（6億ドル（−18億ドル）。国防省によると、パンデミックは、ロシア軍事品の輸出に悪影響した。国防次官アレクサンドル・フォミンによると、コロナウイルスの中、一連の国に対する予定した軍事品輸出は、延期された。制限措置により、最も影響をうけた国は、アルジェリア、エジプト、インド、中国である。公開されたデ−タによると、インド、アルジェリア、エジプトは、戦闘機輸出についてロシアと交渉をしていた。2020年、エジプトは、コロナウイルスの流行にもかかわらず、ロシアからMG−29M/M2の部品セットを受け取っていた。いくつかの国は、ロシアからの軍事品の購入を増やした。例えば、2020年、香港に対する秘密輸出品は、100万ドルから5億7千ドルまで増えた。エストニアは、2019年の3100万ドルから2020年の3億7700万ドルまで購入を増やした。一方、ロシアも海外での秘密品の調達を続けた。米国でロシアは、秘密コ−ドの品目、40億4千万ドル（＋5億1千ドル）を購入し、フランスでは20億7千万ドル（＋5億5千万ドル）、ドイツでは8億5千万ドル（＋6億ドル）、セルビアでは2億1千万ドル（＋2億1千万ドル）、カナダでは1億2千万ドル（＋3千万ドル）を購入した。秘密品輸入高は、三分の一増え、78億5千万ドルとなった。エコノミストによると、こうした購入品の主な部分は、外国製の民間航空機の輸入である。この分野において、輸入品代替生産を軌道に乗せることは、目下、うまくいっていない。市場発展にきわめてネガティブな影響を与えたのは、多くの人的被害をともなったロシア製飛行機SSJ−100の相次ぐ事故であった。

−16日（火）「ロシア、フリーランスの売上高、トップテンに入る」（この市場規模は、410億ドルと「PwC」社）（イズヴェスチヤ紙、ユ−リヤ・ツエレフ）こうした分析をしたのは、コンサルティング会社「PwC（プライスウォーターハウスクーパース）」社で、非正規雇用の調査で行った。昨年、フリーランスの数は、約1400万人で、5年後には市場規模は、1000億ドルを突破すると、同社アナリストの予想。それによると、この仕事に対する需要は、労働可能人口の減少により増えるとみられる。適切な人を正規雇用することは、ますます難しくなる。この分野がロシアでかなり重きをおくようになると、課税制度の見直しもあると、専門家。2020年、フリーランスの世界規模は、6.5兆ドル。これは年間、約16％増え、2025年までに約14兆ドルになる。ロシアにおけるこの市場規模は、かなり早いテンポで増えるだろう。毎年20％増える。フリ−ランス規模は、2020 年、410億ドルで、5年後は1020億ドルになる。昨年、非正規雇用労働者の売上高は、トップテンに入る。このトップは米国で1兆ドル以上、インドは6800億ドル、カナダは1300億ドル。「PwC」社の予想では、ロシア企業の四分の一は、従業員の約30％をフリーランスに換える予定。企業には、広い専門性や、賃金コストの低下が必要であり、非正規雇用の需要は、労働可能人口の減少と、要求による仕事の魅力向上により、増加するだろう。市場縮小の中、企業は、計画課題の解決できる人を探すため、新たな方法を模索する。適切な人を正規雇用することは、ますます難しくなるだろうと、ロシア、「Freelancer Marketplace PwC」プロジェクトマネージャー、アラ・ドウインコ。このように、フリーランスにとって、新たな可能性が出てくる。労働省広報によると、正規職員をフリーランスに換える企業の割合は、市場全体ではかなり少ない。例えば、サ−ビス分野や住宅公共事業の分野では、職員のほとんどは、フリーランスに換えることができない。また労働省は、フリーランス職員と正規職員の選択は、比較的小規模な企業にとってのみ重要であり、おそらく労働可能人口より、経済的要求や、企業及び個人の可能性のせいだろう。同社アナリストの予想では、フリーランス派遣会社や、非正規従業員を派遣する専門プロバイダーは、2025年までに、2020年比で倍増する。「Freelancer Marketplace PwC」プロジェクトパ−トナ−、ミハイル・マグリロフによると、フリーランス派遣会社の増加は、個人雇用の増加にも、労働生産性の向上にもなる。例えば、年金受給者や、産休女性、一時的海外に在住するロシア人は、エキスパートが必要なプロジェクトには就職できる。同時にフリーランスには、より柔軟性があることから、特に詳しい課題を履行できる人に可能性が出てくる。これにより、賃金が増え、労働生産性が向上できる。マクロ経済分析・短期予想センタ−労働市場の専門家イゴリ・ポリャコフによると、非正規雇用の役割が大きくなるにつれ、国は市場規模の評価と、この分野の課税制度の変更が必要か、分析を行うだろう。現在、ロシアにおけるフリ−ランスの実数は、約250万人としていることには、同専門家は同意しない。そのため、この分野が労働市場のトップになったことは、目下、疑義がある。「PｗC」社がアンケート調査した専門家の意見では、ロシアにおけるフリ−ランスサ−ビスの需要は、個人分野と法人分野によって、支えられている。この会社の予想によると、需要の主な分野は、長期的には、デザインやアニメ、IT、コンテンツ、翻訳、金融、管理、HRなどの分野となるだろう。フリ−ランスの多く（64％）は、現在、月3万ル−ブル前後の稼ぎである。とはいえ、プレハ−ノフ記念ロシア経済大学准教授リュドミ−ラ・イワノワ−シヴェツによると、フリ−ランス数の増加や、専門派遣会社の普及にもかかわらず、この市場で、相応する賃金増は見込めない。これは、将来の学校卒業生によっても、さらに増加するだろう。企業にとって、学生は経済的には魅力がある。学生とはリモ−トで協力をしてもらい、設計作業に取り込み、一方、卒業生は、リモ−ト授業には慣れ、仕事とプライベートのバランスを重視している。さらに例えば、三十歳の職員とは異なると、リュドミ−ラ・イワノワ−シヴェツ。昨年、非正規雇用分野に対し、国の関心は高まり、とりわけ、税分野で関心があると、「GRATA International St. Petersburg」社税実務部長オカサナ・アファナシエワ。プロ収入に対し、課税が導入され、全国に適用された。実際、新たな国民階級、「個人事業」が事実上誕生した。ちなみに全体として国民は、税を支払う意思はある。個人事業として登記している個人の数は、150万人以上。個人事業主は、プロ収入に対し、特別税を支払う。個人の税率は4％、法人は6％となる。

−12日（金）「医療用マスク、三分の一減」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」部）2021年2月、ロシアの医療用マスクの需要は、三分の一、減少した。この理由として、専門家は、ワクチン接種の開始、COVID−19の感染者数の減少、マスク体制の緩和をあげている。マ−ケットプレイス「Wildberries」のデ−タによると、2月の最初の週、使い捨て及び多回使用のマスクの購入量は、三分の一、減少した。「ヤンデクス・マ−ケット」もこれを確認している。12月比、マスク購入量は、34％減少した。「また購入平均額も変化した。12月ではロシア国民は、平均で医療用マスクの購入に約560ル−ブルを使ったが、2月ではこの数値は5％減少した」と同社の広報。「薬局ネット36.6」社では、1月19日〜31日、国民はマスク64万480枚を購入した。これは、1月1日〜18日より26％の減少。2月上旬、販売されたマスク量は、42万3500枚で、1月より14％少ない。「チェックスカンResearch」社によると、マスクの小売平均価格は、1月では12月比で84％上がっている。マスク1枚、46.5ル−ブルまで上がり、最も高いマスクは、中央ロシアで60ル−ブル、ウラル地方で54.2ル−ブルであった。最も安いマスクは、南連邦管区で25.5ル−ブルだった。ロシアではマスク最高値は、昨年4月につけた。品不足や、パンデミックの投機により、マスク1枚が203ル−ブルの時もあった。だが現在、卸しでは、マスク1枚の最低価格は、昨年3月比で、15分の1、100枚セットで30ル−ブルから2ル−ブルに下落した。「オゾン」社や「ヤンデクス・マ−ケット」社では、50枚〜300枚パッケージでマスク価格は、2〜3ル−ブルまで下落したと、「finanz.ru」社。「AliExpress」社では、マスクの平均価格は3.35ドル（約221ル−ブル）。だがこの場合、しばしば医療用マスクではなく、刺繍や絵柄、ビ−ズのついたデザインマスクのことである。これは、主にパ−テイなど「外出」用に購入されている。近々、マスク販売量は、地域によって、強制マスク体制が段階的に解除されるニュ−スとともに、減少を続けるかもしれない。

−10日（水）「ル−ブルにとって、良好トレンド」（Brent石油価格、60ドル以上）（GAZETA.RU紙、イリナ・ヴラソワ）積極的なワクチン接種や、その他の要因によって、Brent石油は、1バレル60ドル以上で取引されている。これは昨年1月の水準である。近々、価格は1バレル55ドルぐらいに修正されるとみられる。専門家は、こうした石油価格はル−ブルにはさほど貢献しないが、ロシア通貨にとっては、もちろん、ポジティブなトレンドである。石油価格は危機前の水準に戻った。Brent石油価格は、2020年1月29日以来、初めて1バレル60ドル以上になった。モスクワ時間15時15分、Brent石油4月先物は、0.77％上がり、1バレル60.02ドルとなり、WTI石油の3月先物は、1.13％上がり、1バレル57.49ドルとなった。こうした動向には、多くの要因が関係していると、専門家。基本的に石油は、2021年の前向き予想の中、上昇していると、証券市場専門家イゴリ・ガラクチオノフ。先ず、これはワクチン接種であり、新たなロックダウンや移動制限のリスクを引き下げる。コンセンサス予想では、需要が大幅に回復すると、同専門家。価格上昇の他の大きな原因として、「VYGON Consulting」社調査部長マリヤ・ベロワは、米国の石油在庫の持続的減少をあげている。これは、バイデン大統領の米経済「救済」プログラムの具体化によるもので、その結果、国内石油需要は増え始めていると、同専門家。米新政権の環境路線は、米国の産油に圧力を加えていると、イゴリ・ガラクチオノフ。IEA（International Energy Agency：国際エネルギー機関）の予想では、石油消費量は、2020年比で、1日当たり550万バレル、増加する。専門家によると、世界の産油レベルは、OPEC＋により管理され、需要予想から外れている場合、生産調整するかもしれない。市場のバランスをとる用意のあるOPEC＋の動きについて、マリヤ・ベロワ氏は、石油価格の上場の第三要因とみている。「さらに米大統領交代後に予想されるイランの制裁解除は遅れている」と同氏。「米国は、制裁緩和条件として、ウラン濃縮の停止と、核取引への復帰を求めているいるが、イランは、先ず、米国の制裁を解除すべきと主張している」と指摘。これにさらに、FRB及び他の世界中央銀行の超緩和政策も加える必要があると、「アリパリ」社分析センタ−長アレクサンドル・ラズヴァエフ。それによると、資産はドルインフレになっている。2021年ロシア予算では、石油価格1バレル43.3ドルを国民福祉基金への繰り入れ上限と設定している。これ以上の収入は、国民福祉基金に入る。こうした中、「アリパリ」社は、今年、1ドル65〜67ル−ブルまでル−ブルは上がり、RTSI（ロシア株価指数）は、2000ポイントまで上がるとみている。「目下、制裁について、議論からは進んでいない」とラズヴァエフ氏。対ル−ブルのドル相場と、石油との相関関係は、予算規則により、かなり弱まっているが、それでも、ロシアル−ブルにとって、石油高価格は、ポジティブなものであると、イゴリ・ガラクチオノフ。石油高値の場合、財務省は、外貨を買い付け、あまりル−ブル高にならないようにするが、今後、石油要因は、相場高を加速させるおそれがある。さらに統計的には2月〜4月のシ−ズンは、ロシア通貨にとって、追い風の時期であると、同専門家。今後数週間、石油価格は、1バレル55ドル〜58ドルの範囲に移行すると、「投資世界」社。「VYGON Consulting」社マリヤ・ベロワによると、近々、もっと値下がりするとみている。1バレル50ドル〜55ドルになる。それでも需要は、コロナウイルス以前の水準より低く、春が始まるとともに、コロナウイルス第三波の可能性を誰も否定していないせいとしている。先週公表された米エネルギ−省の予想によると、Brent石油の価格は、エネルギ−資源の世界価格が高い場合、2050年までに173ドル以上に上がる。基本シナリオによると、30年後、石油は1バレル95ドルになり、悲観的シナリオでは、48ドルになる。マリヤ・ベロワ氏によると、1バレル48ドルと173ドルは、限定した価格条件にすぎず、米エネルギ−情報局は、2050年の世界石油バランスとその他の市場指数を計算してみた。米エネルギ−情報局は、計算の際、伝統的に、最大限に広い範囲を対象とする。「これは予想ではない。そのため、現実性について言っても、意味はない」と同専門家。それによると、1バレル95ドルは、米エネルギ−情報局の試算によると、石油市場ではアンバランスは訪れない条件では、高すぎである。「30年後、1バレル200ドルにも、1000ドルになる可能性はあるが、この価格でどれほど購入できるか、ドルインフレがどのようになるか、大きな問題である。ハイパーインフレの場合、ドルは暴落しないのか？印刷機によるゲ−ムは、遅かれ早かれ、破綻して終わる。石油価格を予想すると、神が笑う」とアレクサンドル・ラズヴァエフは述べ、そんな先のことを当てようとは思わないと発言。

−8日（月）「ビジネスの自粛解除：企業は、求人に奔走」（ロシアでは1月、サ−ビス部門の求人、急増）（GAZETA.RU紙、チム−ル・ハサノフ）2021年1月、労働市場で求人が急増していると、求人サ−ビス会社。とりわけ、販売員、レジ係、ドライバ−、荷役労働者、コックの需要が多い。雇用市場は徐々に安定化しており、最初に危機から抜け出すのは、サ−ビス部門と、専門家の意見。2021年1月、求人が最も多い分野は、商業分野で、昨年12月比で27％の増。このデ−タは、「ラボタ・RU」の求人広告調査に載っている。「1月、企業活動の活発化が全ての分野で見られる。求人数が最も多いのは商業部門で、27％。輸送及びロジスティクス分野では、23％の増。サ−ビス部門専門家数も16％増、製造及び農業では15％増」と、人材会社のアナリスト。「ラボタ・RU」サイトで、先月、最も求人があったのは、商業部門であり、販売員、レジ係、販売相談員の求人がある。輸送及びロジスティクス分野では運転者、荷役労働者、倉庫での商品管理者の需要が多い。サ−ビス分野では、2021年1月、コック、清掃員、レジ係、製造及び農業では梱包係、製品組立員、工員の需要が多い。さらに1月、労働市場では求職者数もかなり増え、応募履歴書数も増えている。先ず、ドライバ−、販売員、警備員、雑役労働者の職を求めている。人材サ−ビス会社ユ−ザは、企業からドライバ−、販売マネージャー（コンサルタント）、販売員、レジ係、設備オペレ−タのオファ−を受け取る。この調査では、求人件数20万件以上及び、求職者が1月に掲載した履歴書20万点以上を分析した。「アリパリ」社情報分析センタ−主席アナリスト、アンナ・ボドロワは「雇用市場は、徐々に安定化しており、サ−ビス部門は、比較的正常な作業状態に戻り、企業は、求職者の優先順位や、要求の変化を分析し、対策をとっている。「両方の説明とも合理性はある。前者は、労働市場はかなり落ち込み、まさにサ−ビス部門のせいである。後者は、賃金と労働条件に対する要求の変化の中、企業の分析である」とボドロワ氏。こうしたことから、サ−ビス部門の活発化は、いかなる影響も、その他の労働市場との相乗効果も想定できないと、同専門家。新たなパンデミック環境、つまり、企業は若干、活動再開し、正常な仕事に戻りつつあるが、労働市場で人材を確保しないといけない。現在、企業は、条件を出し、賃金期待が下がった求職者は、やむなく合意することになると、「アリパリ」社アナリスト。ボドロワ氏によると、同時に新しいスタッフは、安定した社会保証や、社会サ−ビスにきわめて関心がある。この意見について、首都地域で、人気掲示板の一つにドライバー求職を出したセルゲイ・F氏は間接的に同意している。それによると、優良な職場をすでに3ヶ月以上も探している。「実際、現在、まともなドライバー職を探すのはきわめて難しい。タクシードライバーや、輸送業ドライバ−の仕事を言っているわけではない。現在、タクシードライバーは、応募者が多く、おそらく、パンデミックによる外人労働者の流出のせいさろう。しかし、この仕事は疲れる。この仕事は、外人労働者向けとなっている。自家用車による輸送業は、個人的にはマイナスだ。何故なら、自動車は早くだめになり、燃料代の支払いで、新車を買えない。提供された自動車で、個人ドライバ−の職か、あるいは公立公園の正規職員の職を3カ月間も探している」と同氏。以下略

−4日（木）「より少なく働く：ロシアでは週4日労働日制の支持者増える」（GAZETA.RU紙、ピョ−トル・ニコラエフ）前首相ドミトリ・メドヴェージェフが提案した週4日労働日制は、国民のほぼ半分が支持している。アンケート調査によると、この支持者数は、昨年10月から8％増えた。多くの人は、週5日ではなく、週4日でも、仕事量をうまくこなすことができると、みている。ロシア国民の約48％は、国家安全保障会議副議長ドミトリ・メドヴェージェフの構想、週4日労働日制の導入を支持していると、「SuperJob」ポ−タル。アンケート調査は、全国300社、勤労者1600人を対象に行われた。女性では、53％が支持し、男性では43％。10月では支持は40％だった。さらに当時、回答者の65％は、4日間で仕事をこなせると発言。現在、この数は70％まで増えた。回答者の32％は、3番目の休日は、家族につかうと考えている。18％は、この日は、副業するか、休みにする予定。三番目の休日を積極的に過ごすという人の数は増え、勉強するという人の数は逆に減少した。ロシアでは企業の4％はすでに、週4日制を導入している。100社に1社は、こうした日程を導入したが、その後、5日制に戻している。ちなみに、前大統領、前首相ドミトリ・メドヴェージェフは、2月1日、コロナウイルス・パンデミックは、週4日制構想を切実なものとしていると、発言。多くの企業は、テレワ−クに移行しており、職員は、1日少なく働いている。「この構想に戻ると思う」とメドヴェージェフ氏。これは、経済に悪影響しないと指摘。2019年夏、ジュネーブの会議で、ドミトリ・メドヴェージェフは、週4日制への移行は、発展する技術進歩の証拠となると指摘。それによると、当初、経済では職場と労働時間が縮小する。しかし、良い反面もある。自由時間が増え、レジャ−に使うことができる。「これは、労働時間のより誠実な使い方である。フレキシブル・スケジュール、テレワ−ク、必要に応じて出社というパターンがある」とロシア首相は当時、提案の理由をこのように説明した。社会心理学者アレクサンドル・シャホフによると、週4日制の導入は、仕事と休暇に対する国民の姿勢からすると、問題となりうる。ロシアの「カルチャーコード」では、労働はあたかもネガティブにとらえられ、休暇は消極的な暇つぶしを連想させる。こうしたことが変わらないで、短縮した労働週への移行は、いかなる成果もないだろうと、同専門家。 全ロ世論調査センタ−が昨年実施したアンケート調査では、回答者の29％しか、週4日制への移行を前向きに評価せず、一方、48％は、こうしたやり方には納得していない。約17％は、週労働日の長さは、どちらでもよいと考え、6％は、回答しなかった。週4日制に反対する人としては、主に農村住民と、住民10万〜50万人の都市住民及び、50万人〜95万人の都市住民。昨年10月、労働省は、週5日制から4日制への縮小が可能か、報告書を準備した。「ロシア労働省は、週4日制の導入問題に関する報告書を政府に提出した。この問題は、さらに検討する必要がある」と労働省広報。週労働日の急激な強制短縮は、リスクをともなうが、前向きな面もあると、同省広報。こうした動きの否定面は、労働力のコストと製品原価の増加のおそれである。週4日制への移行プラス面は、賃金レベルを維持しながら、労働時間の短縮や、労働効率の向上である。職員には、家族と過ごしたり、趣味を行ったりする時間が増える。

−2月2日（火）「ロシア、輸出向け新商品を開発」（「見解」紙、ドミトリ・セレブリャコフ）ロシア中央銀行は2月、史上初めて金貨（1オンス）の製造を始める。これは、世界的な重量規格で、こうしたコインは、海外では需要がある。今後、ロシアは、金塊の輸出だけでなく、金貨の輸出でも稼ぐことになる。急増する金投資の需要に対するロシアの対応は、どの程度、うまくいくのか？ロシア中央銀行は、50ル−ブルの投資金貨「ゲオルギ・ポベドノセツ」を2021年、最初のロットを流通させた。裏面には、蛇の槍で一撃を加える、馬にまたがるゲオルギ・ポベドノセツの絵が描かれている。金貨の製造数は、50万個。だが海外ではこの金貨は、ロシアの金塊と異なり、需要はない。何故なら、金貨の重量が7.79gだからだ。これは、1オンス（31.1g）の四分の一。「世界ではコインは全て、オンスで取引されている。コインにとって、基本重量単位である。他国の造幣局も、四分の一オンス等のコインを製造できるが、中心は1オンスである。これは、米国でも、オーストラリアでも、どこでも、全ての造幣局で行われている」と「金貨ハウス」社副社長アレクセイ・ヴヤゾフスキ−。だがロシアでは、トロイオンスのこうした金貨は、今までなかった。ロシア中央銀行は、2006年から、唯一の投資金貨を製造している。これは「ゲオルギ・ポベドノセツ」である。「この15年間、全世界にあるような1オンス金貨はいつ出るのか、ロシア中央銀行には問い合わせがあった。これに対し、中央銀行は、1オンス金貨はロシアにはないし、将来もないだろうと答え、理由としては、平均ロシア人はその賃金（現在、平均給料は4万7千ル−ブル）では、15万ル−ブルの1オンス金貨を買えないからだと説明している」とヴヤゾフスキ−氏。だが2020年末、ロシア中央銀行は、市場にとって、きわめて唐突に2021年に1オンス金貨「ゲオルギ・ポベドノセツ」の製造を始めると、発表した。「知るところでは、製造は2月初めに始まる。3月にはこの金貨を手に取ることができるだろう。市場にとっては、大きなニュ−スだ」とアレクセイ・ヴヤゾフスキ−。新たな1オンス金貨の登場は、ロシアに何をもたらすだろうか？これは、ロシアの金が、金塊だけでなく、コインの形でも世界市場に登場することを意味する。「ロシアの1オンス金貨は、西側で需要があるだろう。何故なら、オンスは、世界の重量単位だからだ」とヴヤゾフスキ−氏。今後、ロシアは、金塊の輸出だけでなく、金貨の輸出でも、稼ぐことができるだろう。（以下略）

2021年1月

−29日（金）「ロシア観光庁長官、ロシアでの休暇が世界的流行すると予想」（イズヴェスチヤ紙、「社会」部）ロシア観光庁長官ザリナ・ドグゾワは、近々、ロシア方面は、外国旅行者にとって流行すると予想。ロシアの休暇は、「本当に異国情緒」があると、「YouTube」のインタビューで、1月28日に発言。「国内旅行のトレンドや流行が形成されつつあると言ってきた。世界で、ロシアの発見というモ−ドとトレンドが生まれつつあると思う。ロシアは本当に異国情緒があり、前人未踏である。多くの外国人にとって、ロシアに出かけることは、秘密のベ−ルを開けるようなもの。ロシア休暇、ロシア発見のモ−ドが起こると予想する」と同氏。11月12日、ロシア観光庁長官顧問ユ−リヤ・ルイバコワは、観光庁は人気のある観光ル−ト「黄金の環」（ロシアの古都）を拡大し、大「黄金の環」を作る意向と表明。それによると、大「黄金の環」には、モスクワから交通の便のよい場所にあり、豊かな歴史の都市が入る。8月、ロシア政府は、国内旅行に対し、キャッシュバックの形で国内旅行を促進させるプログラムを立ち上げた。10月初め、このプログラムは2021年1月まで延長された。10月、ロシア観光庁副長官グリゴリ・プロクロノフは、ロシアの観光部門は、国民計画「観光と歓待産業」により、2030年までに民間投資2.5兆ル−ブルが投入されると表明。

−27日(水)「ワクチン取引は、武器輸出より儲かる」（240億ドルは誰に渡るか、この問いは、未回答）（独立新聞経済部次長、アナスタシア・バシカトワ）ロシアのワクチン「スプ−トニクV」は、すでに14カ国で登録され、二週間以内にさらに25カ国で登録される見込みと、ロシア直接投資基金代表キリル・ドミトリエフはダボス会議で伝えた。さらに50カ国も、12億人にロシアワクチンの接種を希望している。ロシア直接投資基金の表明した国際市場向け価格を考えると、この規模は、約240億ドル近くになる。これは巨額である。武器輸出のほぼ倍である。だが、この内、ロシアがどの程度、占めることができるか、この問いは、未回答である。何故なら、契約条件は開示されていないからだ。ロシア直接投資基金代表キリル・ドミトリエフは、ダヴォスの世界経済フォ−ラムで、「ロシアワクチン“スプ−トニクV”は、現在、14カ国で登録されている。今後二週間のあいだに、さらに25カ国以上で登録されると見込まれる」と発言。それによると、同基金は、各国と個別に交渉し、ワクチン生産に関し、多数の国際協力会社を見いだした。ロシア直接投資基金の資料では、50カ国以上から、ワクチン“スプ−トニクV”12億人分の購入申請がある。同基金広報によると、これは、12億人の接種に必要な分量である。ワクチン接種は二回が必要で、つまり、24億回接種する。具体的な国については、基金の資料には、ボリビアには520万回分（260万人分であり、人口の20％）、セルビアは200万回分（100万人分）を供給すうる協定が結ばれている。エジプトには2500万人分（人口の25％向け、5千万回分）、ネパールには2500万人分（人口の90％、5000万回分、メキシコは3200万人分（人口の25％、6400万回分）が供給される。さらにブラジルには5千万人分、インドには1億人分、ウズベキスタンには3500万人分が供給される。広報によると、接種は二回となる。アルゼンチンには1千万人分が供給される。ロシア直接投資基金は、カザフスタンでワクチン「スプ−トニクV」の生産が開始されたと伝えた。国全体で200万人分以上が生産される。1億5千万人分以上の生産という韓国との協定もある。プレスリリースから判断すると、パ−トナ−シップとして、ワクチン生産を軌道に載せるため、技術移転が促進される。これは、例えば、文書、バイオ材料、本質的部分など。ロシア直接投資基金広報が火曜日伝えたところでは、「ワクチンの主な部分は、ロシアから輸出されない。国際供給は、中国、韓国、インドその他の国のメ−カによって、行われる」。また基金のデ−タによると、ロシア直接投資基金と国際パ−トナ−との現在の合意で、国外で年間、ワクチン「スプ−トニクV」は5億人分が生産される。それでも、産業発展相デニス・マントウロフは、一週間前、別の評価をしていた。「他国へ外国生産場が年間約3億5千万人分を供給すると見込んでいる」。ロシア直接投資基金によると、「スプ−トニクV」価格は、国際市場向けで、2021年2月から1回分10ドルであり、接種は二回なので、20ドルぐらいになる。少なくとも3億5千万人分（7億回分）、最大で12億人分（24億回分）の他国への供給の場合、金額では70億ドルから240億ドルになるとみられている。巨額である。例えば、連邦税関庁のデ−タによると、2020年1月〜11月、小麦の輸出高は70億ドル強である。2020年、武器輸出高は、約130億ドルであると、「ロステク」社代表セルゲイ・チェメゾフは首相ミハイル・ミシュスチンに伝えた。しかし、劣らず重要な要因もいくつかある。テレビ局「CNBC」のドミトリエフ氏へのインタビューで、ロシアワクチンの生産が若干遅れるおそれがあり、何故なら生産力を増やしているからだと伝えた。「販売により純利は、ロジスティクス費用や、生産設備の拡大、高い価格を設定できないという人道的性格など、抑えられたものとなる」と「フリ−ダム・ファイナンス」社アナリスト、エフゲニ・ミロニュクは指摘。「さらに他国での接種観察結果により、大量接種を遅らせたり、一時停止させたりすることもある」と発言。さらに各専門家によると、ワクチンの大量需要が毎年あると、100％確信があるわけでない。これは、議論すべき問題である。「目下、ワクチン需要が常時あるという話はない」とプレハ−ノフ記念ロシア経済大学准教授オリガ・レベジンスカヤ。最大の点とは、ロシア直接投資基金がワクチン供給に関し、外国メ−カとの契約条件を開示していない点である。そのため、ロシアは実際、この巨額からどの程度、得られるか、不明である。　　

−21日（木）「ロシア、木造家屋建設の優遇融資を認める」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」部）これについては、副首相ヴィクトリア・アブラムチェンコは、「NTV」テレビで伝えた。政府の予定では、近々、ロシアにおける木造家屋は、不動産優遇融資の対象となる。新たな林業発展戦略により、木造家屋に対し優遇融資を導入するという最初の動きが出てきた。これは、未加工木材の輸出禁止と、木材家屋建設の推進など、国内での高度加工を予定している。「最初の分野は、こうした個人住宅が、正常で適切な抵当対象と見なせるようにする。経済関係省庁や、中央銀行と、木造家屋が、正当な不動産優遇融資の対象となるよう、しかるべき措置について協議している」と副首相。ロシアは森林資源が豊富であり、未加工木材の取引が活発であった。その結果、国の経済は、木材の高度加工による収入割合がかなり少なかった。新たな木材戦略は、未加工木材の輸出禁止と、国内での生産準備を定めている。副首相によると、現在、ロシアではプレハブ住宅の生産には、65社がたずさわっているが、製品の3％しか、国内で組み立てられていない。不動産優遇融資プログラムに木造住宅を入れることで、持ち家のない数百万人の住宅問題の解決を加速できる。「Rwhouse」社専門家によると、木造家屋建設の費用は、レンガ住宅価格の三分の一から六分の一である。木造家屋の建設期間は、同等のレンガ作りの家と比較して、十分の一である。この支援措置により、2020年、国民は、総額4.3兆ル−ブルとなる記録的な数の不動産優遇融資を受けた。こうしたことで、住宅環境は、170万世帯が改善できる。

−19日（火）「連邦税務庁：20万社以上、倒産猶予を求める」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済部」）コロナウイルス・パンデミックの被害を受けたロシア企業20万社以上が、倒産猶予を求めていると、連邦税務庁長官ダニイル・エゴロフは、ガイダル・フォ−ラムで伝えた。「公式には、被害を受けた部門の企業全ては、倒産猶予の対象となっている。記憶に間違えなければ、300万の企業と個人事業主である。企業についていえば、支払い延期や分割払いの申請について、言うことができる。20万社余りの企業が申請している」とエゴロフ長官。パンデミック被害部門の企業及び個人事業主に対する債権者の訴えによる倒産訴訟の猶予は、COVID−19の流行から導入された。10月1日、首相ミハイル・ミシュスチンは、猶予効力を2021年1月７日まで延長した。2020年にとられた措置により、ロシア企業の倒産数は20％減少し、9千件まで減少した。税務庁長官によると、倒産の仕組みは、協業の中で発生する関係を健全化させる上で、必要である。だがパンデミックの中、企業には、倒産の嵐が起きないように、他企業又は国に対する債務など、やり繰りする機会を与える必要がある。ダニイル・エゴロフによると、2020年に導入された猶予は、それなりの役割をはたした。パンデミックの被害を受けていない他の企業にも猶予措置を拡大することは正しくないと同氏。これが行われると、債権者が債務を回収できない債務が山積みされるおそれがある。「これは、被害を受けた企業の問題を多くの部門に拡大することで、こうした潜在的問題を増やす意味である。もちろん、管理の必要なリスクもある。そのため、猶予措置は一時的であり、だから猶予であることは、きわめて理にかなっている」と税務庁長官ダニイル・エゴロフ。以前伝えられたところでは、パンデミック時、ロシアにおける個人破産数は、73％も増加した。同時に建設分野の企業に倒産が急増している。

−15日（金）「楽観的予想：アナリストは、1ドル65〜70ル−ブルを予想」（エコノミストは、ル−ブル相場について、良好な予想）（GAZETA.RU紙、イリナ・ヴラソワ）専門家によると、2021年半ば、ル−ブルは、1ドル70ル−ブルまで高くなる。「Credit Suisse」社は、ドル相場は65ル−ブルまで下がるとさえみている。だが他のアナリストは、これは例外的ケ−スであると、警告している。2021年、ル−ブルは1ドル65〜70ル−ブルまで高くなると、「Credit Suisse」社の新たな経済概観にもとづき、報じた。「ル−ブルは、それなりに客観的水準に戻るだろう。我々の見解では、ル−ブル安は、一時的要因によるものである」と同行専門家。それによると、ル−ブル安の原因は、オフショア諸国の税協定を見直しや、通貨量の急増など、いくつかの要因が重なったものである。「第一の要因は、資本流出を引き起こし、第二の要因は、こうした流出の好環境を生み出している」と同行は説明し、2020年9月からの通貨融資政策の緩和の中断も、ロシア通貨に対し、さらにネガティブな影響を与えたと補足説明した。1ドル70ル−ブルというル−ブル高は、2021年第二四半期末にも見込まれると、「エクスペルトRA」紙。「ル−ブル相場は、2021年第二四半期末、70ル−ブル水準となるが、年内、ル−ブル相場は、ロシア及び世界経済の状態や雰囲気により、大きく変化するとみられる」と今年上半期の同紙マクロ経済予想。基本シナリオによると、2021年末、ル−ブル相場は、1ドル69ル−ブルになる。アナリストは、ル−ブル高は、回復した輸出の価格や、先進国市場に比べ、高い金利によって、促進されるだろう。「BKSミ−ル・インベスト」社の基本シナリオでは、10月末からル−ブルは、1ドル70ル−ブルまで高くなる。時間的にみると、第一四半期末となると、「BKSミ−ル・インベスト」社証券市場専門家ミハイル・ゼリツエル。「原因は、製薬部門の成功により、ビジネス及び消費者活動の回復の中、第二四半期初めまでの着実な経済回復である。商品市場の対外景況は、これに拍車をかけるだろう」と同専門家。しばしばこうした予想は、石油価格が上昇する見込みで行われている。何故なら世界の消費は、ワクチンの大量接種により、急速に回復し始めると、「AMarkets」社分析部長アルテム・デ−エフ。しかし、同氏によると、このプロセスは、きわめて長引き、すくなくとも丸一年間はかかる。何故なら世界の製薬能力が最大限に力を発揮する必要があるからだ。これは、2021年、新たなパンデミックはありうることを意味している。これは予想では、需要減や石油価格の下落となり、ル−ブル相場は、これにきわめて影響されると、デ−エフ氏。「そのため、ル−ブルが1ドル70ル−ブル以下まで高くなるといういかなる根拠もない。おそらく、年全体でル−ブルの平均相場は、対ドルで74〜76ル−ブル、対ユ−ロで88〜90ル−ブルとなるだろう。これは、世界の感染症状況が悪化しない場合である。WHOは、2021年、感染増加の継続と、ロックダウンの維持を予想しており、いくつかの欧州諸国は、制限措置の延長をすでに表明している。「フリ−ダム・ファイナンス」社アナリスト、エフゲニ・ミロニュクによると、ロシア通貨に影響する要因は、かなり変化したとはいえない。新興国通貨に対し、米国刺激対策の拡大承認の期待が影響していると補足。「2021年、ル−ブルは、他の新興国通貨のほとんど同じように高くなり続けるが、取引は大きな乱高下となる。客観的なル−ブル相場という定義は通常、制裁リスクが含まれない。通貨相場における地政学的「プレミア」は、持続し、4〜6ル−ブルとなる。このように、こうした要因だけでも、ル−ブル相場は、1ドル65〜70ル−ブルの範囲に移行するかもしれない」とミロニュク氏は考え、ル−ブル相場が70ル−ブルまで高くなることは、ロシアに対する制裁が解除された場合だけであると、補足。おそらく、OPEC＋協定の修正により、今後2カ月間、石油市場の好景況により、ル−ブル安とはならず、貯金における外貨割合が増加することは、時期尚早であると、同専門家。ミハイル・ゼリツエルによると、投資傾向は目下、ル−ブルにとって有利であり、外貨購入は、必要コストからみる場合のみ、理にかなっている。

−1３日「パンデミックで、中国は、無条件のリ−ダになる」（コロナウイルスが世界最大経済国を決定）(独立新聞、オリガ・ソロヴィエワ)コロナウイルスのパンデミックにより、中国はより早く、世界最大の経済大国になると、世界経済フォ−ラムの専門家。まさに数年後、中国は最大経済大国の座から米国を追い落とす。中国の技術的進歩と、人口が米国の5倍であることは、中国の勝利は、事実上、避けられない。2020年、中国のGDPは、時価で15.2兆ドル以上となり、一方、米国は20.2兆ル−ブルである。中国は2028年にも、米国にかわって、世界経済で第一位になるだろうと、経済ビジネスリサーチセンター（CEBR）のデ−タをもとに、世界経済フォ−ラムのアナリスト。今や、中国の勝利は、予想より5年間、早くなる。すでに2020年、北京にある国家評議会発展調査センタ−は、中国は2032年になって初めて米国を追い抜くと予想していた。日本経済調査センタ−は、中国経済は、2030年までに米国を追い抜くと予想していた。専門家は、米国からの中国の遅れ縮小は、コロナウイルスの影響のせいとみている。「COVID−19のパンデミックとその経済的影響は、米中競争で中国に有利に働いている」とアナリスト。CEBRによると、早期に厳しい隔離をして中国での巧みな制御により、中国経済指数は相対的に改善した。中国経済は、パンデミックの影響から早いテンポで回復していると、IMF。中国GDPは、2020年第二四半期、3.2％の回復後、第三四半期では4.9％の成長である。アナリストによると、断固たる「抑制措置」が回復に寄与し、また危機影響を緩和させる政府の適切な行動も貢献している。2020年全体のGDP成長率について、専門家は1.9％とみている。このように中国は、危機の2020年が経済落ち込みではなく、成長で幕を閉じた数少ない国の一つである。今年、中国は、急成長に移行する。「2021年、経済成長率は、経済活動が正常化し、コロナウイルスの発症は、国内で制御されている中、7.9％になる」とIMFの報告。「中国のGDP成長率はおそらく、2021年には8.2％になり、国内消費は、大規模なワクチン接種後、パンデミックの世界的減少の中、成長を支えるパワーを生み出す」とUSBバンク。世界経済フォ−ラムは、中国のGDP平均成長率は、2021年〜2025年、5.7％で、その後、2026年〜2030年、4.5％まで低下すると指摘。中国経済の成長率は、米国より、おそらく、かなり高いだろう。米FRBは、2020年、米国GDPは、2.4％の落ち込みで、2021年では4.2％増となり、2022年では3.2％増となる。2023年では2.4％増となり、その後、1.8％の増となると、FRBアナリスト。一方、CEBRの専門家は、米経済成長率は、2022年〜2024年は1.9％まで減速し、2024年以降は、1.6％まで下落する。一方、中国では「栄誉の座」への新たな階段を上る。習近平主席は月曜日、今年、「中国民族の偉大な復活」プランは完了しつつあると表明している。この最大目的は、「中流」社会の誕生である。中国の現行カテゴリ−では貧困にあたる農村住民約1億人は、貧困の「レッテル」を剥がすことができ、国自体は、「農村復活の壮大の絵図を描き続け、全面的に繁栄するという目標に向かっている。来年、中国は“近代化された社会主義国家”の完全な建設に取り組むだろう」と習近平主席。専門家によると、中国は、購買力平価で換算すると、GDPはすでに2014年、米国を追い抜いていると指摘。「中国は、年5〜7％という高いテンポで成長し続け、一方、米国のGDP成長率はここ数年、1.5〜3％である」と「オトクルイチエ・ブロ−カ」社主席投資戦略家コンスタンチン・ブシュエフ。同専門家によると、米国が中国経済の成長を抑制できる唯一の方法は、物流路や、中国の挑発を制御して、同盟国の連合軍を作るという軍政方法である。「フィナム」社マクロ経済分析部長オリガ・ベレンカヤによると、おそらく、米国は今後も、中国抑制政策を続けようとするだろう。「最も敏感なことは、中国への先端技術の提供禁止や、中国企業の米同盟国経済への参入制限かもしれない」と同専門家。米国にとって、経済リ−ダ−シップを失うことは、きわめて大きな意味がある」と「AMarkets」社分析部長アルテム・デ−エフ。同氏によると、中国への圧力は、制裁や関税の形で続くだろう。専門家の一部では、中国がリ−ダになることはすでに決まっているとはいえ、具体的経済問題の解決では、ほとんど解決できないだろう。中国経済の規模は、中国人が他国の人より良い生活をしている意味とはならないと、「アルパリ・ユーラシア」社主席アナリスト、ワジム・ヨシブ。「名目GDPは、これは、人口と平均労働生産性をかけたものである。中国は記録的人口をもち、中程度の生産性の向上があり、経済規模では明らかにプラスとなっている。こうした点では、インドが迫っている」と同専門家。ロシアにとっても、中国経済がトップになることは、リスクがあると、ブシュエフ氏。「中国の過度な強化は将来、中国政治家の新世代が何からの理由により、力の立場でロシアと交渉する決めると、ロシアにとっても脅威となるだろう」と同氏。

−7日（木）「トイレは500万ル−ブル：2020年、国の最大浪費ランキング」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」部）ロシアの納税者は、どのような国の「緊急を要する」ものに、税金が使われているか、知らない。いわゆる国の購入物は、しばしば、納税者を犠牲にして、違法な富の源泉となっている。「ノ−ヴァヤ・ガゼタ」紙記者は、昨年、こうした購入物を調べ、最も浪費となる購入物ランキングをつくった。これはきわめて不可解で、特殊部隊向けヨット、「黄金」のトイレ、反同性愛映画など、こうしたところに税金が使われている。贅沢品第10位は、ヨット「NorthSilver 1440」号で、連邦保安庁が「公用」として、7075万ル−ブルで購入。花火大会に1億3700ル−ブル。保養地都市エセントウキは、夏に「国際花火大会」を行う予定であったが、コロナウイルスにより来年に延期された。ほぼ1億4千万ル−ブルが、塗装や、ガ−ド、動画監視に使われる。花火は契約価格に入っていない。これにはさらに8400万ル−ブルを探さないといけない。農村プ−ルに7700万ル−ブル。サラトフ州は、ペレリュプ村のプ−ル建設の入札を行った。問題の価格は、7775万5200ル−ブルだ。この資金で、支持構造物を建て、基礎を打ち、屋根を架け、電気を通し、換気を行う。工期は2020年12月31日。入札公募は、締め切り日の2週間前。請負業者には、以前、中央排水路と接続しないで、幼稚園を引き渡した「エンゲルス」社がなった。当然、この件には検察が関心をよせている。反LGBTに60万ル−ブル。クラスノヤルスク地方観光発展局は、観光客誘致に動画6本を発注した。その一つでは、主人公は、疑いを晴らし、自身の異性愛を証明するため、女性と知り合う。他のものは、若いカップルが、「クラスノヤルスク貯水池」が提供するあらゆる手段ともちいて、休暇を満喫する。トイレ、1600万ル−ブル。ニジェゴロドの公園「スイス」で整備の仕事が活発である。公園修理だけで37億4千万ル−ブル。公衆トイレの三つの便器の価格は1600万ル−ブル。落札したのは「EKS」社グル−プで、ロテンベルグ氏に近いマクシム・クルイロフの所有である。

−1月5日（火）「2021年度、ロシア予算は、コロナウイルスによるリスクを予定」（「今日の経済」紙、ワレリア・ボリセヴィッチ）2020年の予算不足はGDPの3.9％だが、今年は経済回復の過渡の年になると、政治テクノロジーセンタ−主席専門家、現代発展研究所金融経済部長ニキ−タ・マスレンニコフ。2020年について、財務省は、ロシアの予算不足は、GDPの3.9％規模となると予想。昨年9月、財務相アントン・シルアノフは、予算赤字は、GDPの4.4％になる見込みと表明。財務相によると、予算収入が悪化しても、政府は増税しないと指摘。財務省は、借款又は国民福祉基金を使うかもしれない。2021年〜2023年の予算は赤字となる。2021年、予算赤字は2.75兆ル−ブル（GDPの2.4％）、2022年では1.25兆ル−ブル（GDPの1％）、2023年の場合、1.41兆ル−ブル（GDPの1.1％）とみられる。シルアノフ財務相によると、予算は社会経済発展基本シナリオにもとづいている。これはコロナウイルスによる制限維持により世界経済はゆっくりと回復するとしている。「2021年第一四半期は厳しいものとなる。中央銀行は金利引き下げについて、急いで表明することはない。目下、インフレ率は以前の水準に戻らず、楽観的予想は時期尚早」とマスレンニコフ氏。財務省は、2021年に予定されている1兆ル−ブル強の追加経済策で十分とみている。「2020年を総括すると、パンデミック時、全ての分野において、支援のため、予算から12兆ル−ブル以上、つまりGDPの約4.5％を支出した。国家支援規模は他国と比較すると、少ないが、資金を適正に分配すると、わずかであった」とマスレンニコフ氏。ロシアは、追加刺激策規模では、「G20」国に入る。米国、ブラジル、カナダ、オーストラリアは、もっとも良好な数値を示している。シルアノフ氏によると、追加刺激策の規模は、予算が黒字から赤字になったことで、GDPの9％になった。これには、あらゆる形の資金援助にも影響している。「国家支援や中央銀行の補助がないと、ロシア経済の落ち込みは、さらに2％増えただろう。国民の実質所得はこの場合、4％減少したかもしれない」とマスレンニコフ氏。財務省によると、2020年、予算の許容支出額は23.84兆ル−ブル。同省の分析では、2020年末までには、この総額の内、約1兆ル−ブルは消化できないかもしれない。「2021年、予算刺激策は減少する。財務省は1％のGDP増加を確保できるだろう。これは若干であり、わずかである。2020年11月17日時点、予定した額の84％しか、資金提供されていない。これは、24兆ル−ブルの内、19.9兆ル−ブルにあたる。この数週間、先行的な資金提供はみられるが、今年、2兆ル−ブル以上が投入されるとみられる」とマスレンニコフ氏。シルアノフ氏によると、昨年残った資金は2021年に社会支出とワクチン接種プログラムに使われる。財務相によると、政府は目下、コロナウイルス第二波により、2021年予算の修正を予定していない。緊急事態では、国は予算法を修正しないで、追加資金を投入するかもしれない。「2021年の基本ファクタ−は、構造改革政策であり、企業投資にとって、優遇環境の形成である。多くの現行支援措置は延長され、更新され、廃止される」とマスレンニコフ氏。同専門家によると、現在、ロシアでは企業の28％以上はパンデミックにより、破産の瀬戸際にある。2021年1月7日、倒産猶予策は終了し、その後は、まだ決められていない。ビジネスにとって、良好な環境を作るため、国は少なくとも1年間、納税及び保険納付を延長する必要がある。

2020年12月

−28日（月）「ストッキングのかわりにダイヤ：新年のプレゼント」（新年飾り物への支出は昨年より70％増加）（GAZETA.RU紙、イリナ・ヴラソワ）2020年、ロシア国民は新年プレゼントの嗜好が変化した。これにはかなり支出するが、オンラインとなった。家電、毛皮製品、貴金属品を選んでいる。こうした傾向は、パンデミックで旅行を節約した資金があるせいと説明。去りゆく2020年を際立たせたパンデミックは、ロシア国民のプレゼントにも影響した。例えば、テレワ−クに移行したため、同僚や知己へのプレゼントは減らし、肉親、親族への関心を強めていると「Wildberries」。今年、プレゼントの購入ではオンラインを選ぶようになり、昨年より、支出は増えている。2020年、新年プレゼントを選択する際、最も際立った傾向の一つは、近親者への高価なプレゼントである。これは、社会活動の低下や、新年休暇に海外旅行しないことで、資金の節約のおかげであると、「Wildberries」。最も人気のある新年プレゼントトップテン。音声制御機能のあるSmart TV、メモリ64Gbのスマートフォン、ロボット掃除機、毛皮コ−ト、カプチーノ機能付きコ−ヒマシン、リストバンド、宝石入り金のピアス、LEGO、15.6インチのノ−トブック、コンピュータ用チェア。より懐にやさしいプレゼントへの支出も増えている。例えば、化粧品セットの平均購入費は、2019年比で12月の3週間、22％増え、装飾化粧品セットやスイ−ツセットの支出は２３％増。マーケットプレイスのアナリストも、今年、お土産品や、祝日用彫像、ロウソク、室内用商品セットなど、小さなプレゼントの購入は減っている。プレゼントとしては、過去には人気のあったセ−タや、マフラー、靴下の購入も減っている。これは、仕事の形態が変化したことで、同僚にプレゼントする必要性が低下したせいとみている。「Ozon」社によると、ユ−ザは、今年、旅行を節約した資金を新年プレゼントに使うつもり。マーケットプレイスのデ−タによると、今年人気のあるプレゼントは、テレビ、ゲ−ム器、リストバンド、イヤホンである。こうした分野の売上は、12月初めから約60％増加した。新年プレゼントとして需要のあるものは、小型日用器具で、12月初めから1.5倍増となった。伝統的に新年プレゼントは10月と11月に購入する「AliExpress」のユ−ザも、より高い品物を選んでいる。電話（昨年比で2.5倍）、玩具及び趣味の品（2.5倍）、VS品（3.5倍）、家庭用器具(3倍)、照明器具（2.3倍）。昨年11月と比較すると、自動車用製品や家具の需要が多い。ロシア国民の約半数は、今年、ネットでプレゼントを購入すると、「AliExpressロシア」と「ResearchMe」のアナリストの共同調査。回答者の40％は、祝日のプレゼントはネットやマーケットプレイスで購入すると考えているが、回答者の74％は、ショッピングセンターも無視できないとしている（複数回答可）。その他の回答者は、近くのショップで購入するか、自身で作るか、あるいは、新年市場を訪れる。ネットへの移行は、「Watcom」のデ−タからも確認できる。それによると、2020年、新年前の期間、ショッピングセンターの訪問は、実際に減少している。例えば、12月の3週間、モスクワのショッピングセンターを訪れた人は、昨年より26.4％少ない。サンクトペテルブルクでは29.2％、エカテリンブルクでは24.4％、カザンでは33.1％減少した。2020年、さらに一つ新年傾向は、住宅の整備や、飾り付けが増えている。「AliExpress」の場合、今年、様々な花輪、新年アクセサリー、雪結晶ネオン、フェルト製のもみの木、ヨ−ルカ祭り用木製玩具など、環境に優しい新年装飾品の注文が増えている。「Ozon」の場合、新年装飾品の費用は、平均で、昨年比で70％増え、2千ル−ブル以上となっている。プレゼント、家庭及び祝日食卓用装飾品など、新年祝日向け商品とアクセサリーの高い需要について、「IKEA」社も語っている。ビロードの枕カバー、暖かショ−ル、食器、燭台、ゲ−ムカ−ドと同社。、12月、「IKEA」社では、この分野の売上が昨年比で14％増えるとみこんでいる。「Jysk」ショップでは、ロシア国民は、祝日用ロウソクや燭台、ヨ−ルカ用玩具、ノーム（Gnome）人形、祝日用包装紙を選んでいると伝えている。

−23日（水）「ロシア経済は、コロナウイルスの打撃の中、どのように耐えたか」（「見解」紙、オリガ・サモファロワ）ロシア経済は、コロナウイルスと自粛の試練に見事に耐えている。多くの重要な経済指数では、ロシアは主要先進国、特に米国より損害は少なくて済んでいる。何がロシアGDPの下落を抑制し、外貨準備高を増やし、失業者の大量発生を防いでいるのか？大統領は木曜日、西側諸国と比較してロシア経済には堅牢性があると表明。それによると、ロシアGDPの落ち込みは2020年、3.6％となる。「これは、欧州の主要先進国より少ない」とプ−チン大統領。EUのいくつかの国では、2020年、経済の落ち込みは約9％になるという予想がある。2020年、ロシアの工業生産高の落ち込みは、3％。主にこれは、OPEC＋協定による石油減産のせいである。農業は「好調」である。銀行部門も満足できる状態にある。銀行利益は年全体で1.3兆ル−ブル。これは金融機関の堅牢性を物語っていると、大統領。700億ドルというただでさえ低いレベルにあるロシアの国家債務は、かなり減少した（100億ドル）。ロシアは、さほど借金をつくっていないが、古い債務は順調に返済している。EUも米国も、国債規模はその経済規模に達し、今後も増え続けると、欧州及び米国の中央銀行。例えば、米国債は、記録的で27兆ドルであり、毎分、約200万ドルが増える。この債務を米国民で割ると、国民一人当たり5万ドル以上となる。危機の今年、ロシアの外貨準備高は減らず、増加した。年初、5544億ドルだったが、12月4日時点、5877億ドルである。国民福祉基金も増えた。年初、7.7兆ル−ブルだったが、13.5兆ル−ブルになっている。これは、本当に大きな伸びである。2014年の危機時、例えば、外貨準備高は1年間で5105億ドルから3854ドルまで減少した。この厳しい年に外貨準備高が増えたことは、金価格の上昇であり、国内市場における外貨売却によりいくぶん相殺されていると、中央銀行。さらに一つの成果は、危機の年、ル−ブル安の中、4〜5％というインフレ率が維持されていることだ。基本的にこれは中央銀行の成果であり、（他の危機時と異なり）公定歩合を上げず、逆に下げており、融資金利を押し下げている。それにより、経済にとってきわめて必要な資金の流れを止めることはなかった。「ロシア中央銀行は、最近では初めて、経済を支援するため、公定歩合を下げることができる。何故ならインフレ率には問題がなく、国内市場では、経済落ち込みのあった以前のように大きな資金不足はない」と「FxPro」社主席アナリスト、アレクサンドル・クプチケヴィッチ。ある意味で、ロシア経済はその構造自体や、基本的に資源指向型によって、救われた。観光は、国家予算の大きな財源ではない。ロシアではカフェやレストランの制限は、米国ほど厳しくない。「ロシアは、春、比較的小さなロックダウンによって救われた。経済におけるサ−ビス部門の大きな国は、もっと被害を植えている。ロシアではこの部門は、先進国より小さく、したがって、落ち込みは小さい」とクプチケヴィッチ氏。ロシアは米国と比較して、中小企業の活動縮小や、この部門の損失では、明らかに良い状態である。これはまたロシアにおいては、中小企業は、米国よりGDPのおける割合が小さいせいである。その結果、ロシア政府の支援は個人や大手企業に集中しており、それにより、失業者増を抑えている。他方、石油ガス輸出によるロシア予算の収入は、大幅に減少した。それでも、良い点があるとすれば、ロシア経済の石油ガス依存度の減少である。金や、穀物、化学肥料、農産品の輸出増なしには、こうしたことはなかったろう。ロシアの輸出企業は、ル−ブル安というボ−ナスを受け取り、世界市場における競争力を増していると、クプチケヴィッチ氏。採掘部門の大きな落ち込み（価格下落による石油ガス）は、成長をみせている加工部門や、貿易、農業によっていくぶん相殺されていると、「AMarkets」社分析部長アルテム・デ−エフ。興味深い点としては、米国とEUは、今年、間接的にロシア経済を支援したことになる。「米国と欧州の政府は、自国経済を救うため資金を投入し、間接的にロシアからエネルギー資源、原料、金属の購入に補助金を出している。こうした刺激策により、金融を安定化させ、新興国から資本の急激な流出を回避させている」とクプチケヴィッチ氏。ロシアも、石油ガス市場の暴落や価格下落を避けるため、多大な努力をしている。OPEC＋協定で減産をしないと、資源経済国の損失は、もちろん、はるかに大きいものだろう。またロシア経済安定性の向上には、政府の支援措置も影響した。賃金支払いの優遇融資や、納税の猶予、賃借り料金の引き下げ（主に自治体所有の不動産）など。それでも、他国と比較すると、こうした手段は、GDPのパ−セントでは安くすむが、パンデミックで最も影響を受けた部門にとっては、的を射ていると、アルテム・デ−エフ。ロシアでは、とりわけ、米国のように失業者の急増は起きなかった。米国では、第二四半期、失業率は25％以上で、これは大恐慌時でもなかった。「これは、米国では、手当が大幅に増え、国民の多く、その手続きをしているせいである。ロシアでは、多くの失業者は、登録されていないが、手当引き上げ後、この傾向はロシアでも見られる」とデ−エフ氏。

−21日（月）「ドイツは、ロシアワクチンの製造で、米国主導権に致命的打撃」（「今日の経済」紙、アレクサンドラ・メリニク）国民を救う必要性は第一義的なことである。そのため、ドイツは米の指摘にもかかわらず、ロシアワクチンの共同生産を行うつもりであると、民族友好大学比較政治学学科教授ユ−リ・ポチタ。ドイツのシュパーン保健相は、ロシア保健相ミハイル・ムラシコに対し、ドイツはロシアワクチンの製造の用意があると伝えた。保健省サイトによると、ムラシコ氏は、この問題についてドイツ側と協議するようにと、プ−チン大統領の指示をうけた。ロシア保健相ミハイル・ムラシコは、ロシアワクチンの優位性や、治験で証明された効果についてドイツ保健相に伝え、ワクチンの全デ−タを表す特別リソ−スが存在すると述べた。一方、ドイツ保健相は、共同生産に地域の会社が参加する意向があると断言。双方は、生産設備を探すことについて、専門家協議を行うとみられる。「世界は、コロナウイルスパンデミックという未曾有の危険に直面し、そのため、ロシアの脅威に対し共同で戦う重要性というある種のイデオロギー的バリアを設けてはいけない。ウクライナでは、ロシアワクチンは存在しないか、それともきわめて危険であり、どうあっても受け入れてはいけないと叫んでいる。同じようなことが、他の国でも行われている。だが国民を救う必要性は、第一義的なことであり、たとえ、米国が国々に逆なことを説得しても、かわりはない」と政治学者ユ−リ・ポチタ。今日、ロシアワクチンに対し、信頼をよせているのは、ドイツのほかハンガリーがある。2020年8月に世界で初めて登録されたワクチン「スプ−トニクV」に関心があると表明している。ロシアのワクチンは、すでに必要は試験を全て通過して、品質表明され、今年、12月19日からロシア全土で大規模ワクチン接種が始まった。以前、EUは米国の圧力により、ロシアワクチンには全面的に反対している。欧州委員会公式スポ−クスマン、エリク・マネルは、今年11月半ば、EU領内で製造されたワクチンのみを利用すると、国際社会に伝えた。「すでに様々なワクチンがあるが、ロシアは、緊急手続きでワクチン治験の一つを飛ばして、ワクチンを承認したと非難されている。だが外国は現在、同じようなやり方で行動しており、事実上、同じような方法でワクチンを承認している。世界は危機の瀬戸際にあり、そのため、ドイツは他国と異なり、きわめて冷静に行動している。ドイツは、真価を発揮したロシアワクチンに長期的観点から飛びついている」とポチタ氏。EUのその他の国は、ドイツの際だった判断にもかかわらず、急いでウイルス対策をとろうとはせず、そこでは、「BioNTech 」社と「Pfizer」社のワクチンが承認された後、12月21日、ワクチン接種を予定している。「AstraZeneca」社、「Johnson & Johnson」社、「Sanofi-GSK」社、「CureVac」社、「Moderna」社のワクチンは、2021年初めになってEUの承認を得られるかもしれない。ロシアワクチンは、米国などで製造されたワクチンより優位性をもっている。その証明は、ドイツウイルス学者協会会長、ルプレヒト・カール大学ハイデルベルク教授ラルフF. W.バーテンシュラーガーが、テレビ局「ロシアー1」で、ロシアのワクチン「スプ−トニクV」のようにアデノウイルスをベ−スとするワクチンは、mRNAワクチンより、輸送が容易である。「Pfizer-BioNTech」ワクチンや、「Moderna」社ワクチンの輸送は、きわめて低温でのみ可能であり、一方、「スプ−トニクV」ワクチンは、特別な条件は必要ない。バーテンシュラーガー教授も、多くの国にとって、mRNAワクチンの輸送は、きわめて非現実的であると強調。そのため、こうした国々には、アデノウイルスベ−スのワクチンのほうがより適切であり、これはそのように冷却する必要のなく、ソフトドライ法を行うこともできる。人類は、一体の生物である。そのため、生命を救うことのできるワクチンを政治的特徴で分けることは許されない。ユ−リ・ポチタ氏は、若干の国はロシアワクチンの国際社会進出を制限しようとしていることは、意味がないとみている。「ここでも「ノ−ス・ストリ−ム2」のように、ドイツは信頼性を求めている。その他のことは、政治主義者やロシアとの闘士の結論である。結局、特に国民と経済を救う必要がある場合、健全な考えが勝利している」と同専門家。ユ−リ・ポチタ氏によると、ドイツでは、米国的視点に左右される人が多くいる。その中には、マスコミ人や、政治家、軍人もいる。だがドイツの今後の行動は、ロシアとのあらゆる交流を拒否せず、ロシアは現代世界で重みがあり影響力のある部分であると理解して、現実を反映する冷静な声に突き動かされるだろう。そのため、破滅しないように、ドイツは、ロシア側とこうした関係を維持し、米従属を拒否する必要がある。

−17日（木）「ロシアで最も労働週の短い地域」（2020年第三四半期、極北地方が最も労働時間が短い）（GAZETA.RU紙、ピョ−トル・ニコラエフ）ロシア国民は2020年では、2019年より労働時間が短いと、専門家は統計庁のデ−タにもとづき指摘。労働週の平均長さは、26分短くなり、36時間41分となる。どのような地域が長く働いているか。上位では、カリニングラド、チュメニ、クリミアである。ロシアでは、とりわけコロナウイルスパンデミックの影響をうけた企業活動が徐々に回復している。それでも、会計・コンサルティングネット「FinExpertiza」社の専門家は、統計庁のデ−タをもとに、労働時間は一昨年より短くなったと伝えた。最も長く働いているのは、カリニングラド州、チュメニ州、クリミア、ロストフ州、モスクワ郊外である。最も労働時間が短い地域は、2020年第三四半期、ネネツ自治管区、コミ共和国、イング−シ共和国、アルタイ地方、アルハンゲリスク州である。最も短い労働週でトップ10地域には、カレリア共和国、ヤク−ト共和国、マガダン州、チェチェン共和国、アストラハン州、カバルデイノ・バルカル共和国である。極北にある地域では、労働週の長さは、厳しい気候が影響している。モスクワやサンクトペテルブルクは、このランキングでは28位と63位である。首都では、2019年より週に55分間、長く働いている。つまり、労働週は、平均で37分６分間である。逆に北都では、労働週は４２分間、短くなり、３５時間５０分間となった。統計庁は、テレワ−クが行われているか、あるいは、職場に出ているか、これにかかわらず、実際の仕事時間を考慮した。労働週の長さは、地域によっては、９時間以上の差がある。春の行動制限以前、ロシア国民は平均で週38時間、働いていた。四月、非労働日の期間が始まると、労働週の長さは28.5時間まで短縮された。以前、マスコミと社会は、週四日制に移行する提案に注目した。2019年夏、ジュネーブの会議で、ロシア首相ドミトリ・メドヴェージェフは、週四日制への移行は、技術進歩の証となると、指摘。それによると、当初、職場と労働時間が減少し、国民には自由時間が増え、レジャ−に使うことができる。「これは、労働時間に忠実な組織のことである。柔軟なスケジュール、遠隔方法であり、また必要に応じて、職員を呼び出すことである」と当時、首相はこの案の理由について説明した。全ロ世論調査センターのアンケート調査によると、回答者の29％は、週四日制への移行を前向きにみているが、48％は、こうしたやり方には満足していない。約17％は、週に何日、職場に出るか、どちらでもよいと答え、6％は、回答しなかった。週四日制に反対の人では、主に農村と人口10万〜50万の都市住民や、人口50万〜95万の都市住民。2019年10月、労働省は5日から4日に労働週を短縮する可能性について報告を作成した。「将来、週四日制の導入問題に関する報告書を政府に提出した。この問題は、さらに研究が必要である」と労働省広報。今秋、「Superjob」社のアンケート調査から明らかになったことは、週四日制を支持する国民の割合は、昨年比で減少した。現在、労働日を週4日にするという前首相の提案は、回答者の40％が支持している（2019年では49％）。37％は反対しているが、1年前では、31％であった。年齢が上がるにつれ、過度の休日は望まず、24歳以下では賛成は44％だが、35歳以上だと、賛成は37％になる。高給取りの人々は、週労働日の短縮は、収入が減ると懸念して、あまり支持していない。社会心理学者アレクサンドル・シャホフによると、週四日制の導入は、仕事と休暇に対する国民の姿勢から、問題となるだろう。ロシアの文化土壌では、労働はネガティブにとらえられ、休暇は消極的な暇つぶしを連想させる。

−15日（火）「国内観光も、ウイルスに弱い」（ロシア地方のコロナウイルスは、観光産業を破綻させる）（独立新聞、アナトリ・コムラコフ）観光業を管理するため、新法が準備されていると、上院社会政策委員会委員長インナ・スヴヤテンコ。それによると、1996年の現行法は、海外におけるロシア観光客の保護に重点をおいているが、新法では基本的重点は、国内観光の発展。国内観光は、パンデミック時、多くの国で観光部門の完全破綻から救った。ロシアでも2020年、国内観光に重点が置かれた。観光部門は、最も被害を受けた部門のリストに入れられ、国は支援した。またもや観光部門の管轄が変更された。経済発展省（以前は、文化省）から政府直轄となり、担当は副首相ドミトリ・チェルヌイシェンコとなった。国内地方の訪問は、何ヶ月も、旅行者にとって、事実上、唯一可能なことであった。ロシア中央銀行によると、パンデミックの9ヶ月間（3月〜11月）、ロシア国民は海外旅行に39億ドルを使い、これは、昨年同期比で、7.5分の１である（290億ドル）。海外旅行の「節約」額はこの間、1.6兆ル−ブル。専門家によると、12月〜1月、海外旅行の若干の増加はありうる。現在、国民は観光目的で14カ国を訪れることができる（トルコ、アラブ首長国連邦、エジプト、キュ−バ、モルディブ等）。しかし、基本的にはこれは、事態を変えるものではない。持続するパンデミックの中、海外旅行の不振は、少なくとも5月の連休まで続くだろう。これは、ワクチン接種の成功にかかっている。コロナウイルス・パンデミックで最も被害を受けた分野について、専門家はインバウンド旅行業者をあげ、顧客97％を失ったと、ロシア観光産業協会会長アンドレイ・イグナチエフ。一方、ロシア旅行業者協会副会長ドミトリ・ゴリンは、インバウンド旅行の回復は、2021年春夏シ−ズン近くに始まると表明。これには、2021年1月1日から58カ国国民向け電子ビザの導入し、ロシア入国ははるかに安く、容易となることは、役立たない。クリミアやクラスノダル地方では、海外旅行に慣れた多くのロシア人にとって、三つ星、四つ星ホテルはほぼ満室となった夏の2ヶ月間、保養地オ−プン後、保養地方面だけでなく、他の方面でも活発化が見られた。夏の終わり、シ−ズンを長引かせるため、政府はキャッシュバックプログラムを発表した。国民には、ロシア国内の旅行代金、最高で1万5千ル−ブルを戻すとしている。このプログラムには150億ル−ブルの予算がついた。第一段階では、プログラムへの関心は大きくなかったが、チェルヌイシェンコ氏は、大統領にプログラムの延長を求めた。プログラム第二段階では、10月15日から12月5日の期間（2021年1月10日までの旅行出発も含む）、旅行券を購入でき、条件は緩和され、第一段階のように4泊ではなく、2泊で旅行代金が戻ってくる。最低旅行費の制限はなくなった（夏では、2万5千ル−ブル以上だった）。最大補償額は1万5千ル−ブルから2万ル−ブルになった。厳しい条件としては、支払いは銀行カ−ド「ミ−ル」とする点である。国内旅行需要の若干の増加は、航空券の価格下落も影響している。2020年夏、航空券料金は、2019年同期より、ほぼ25％安かった。ロシア国内の平均料金は24％下がり、1万5700ル−ブルから1万2000ル−ブルとなった。秋では17％安くなった。だが月曜日、政府は、キャッシュバックプログラムは、期待したほどのものではないと認めた。政府は補助金額を150億ル−ブルから12億ル−ブルに減額し、プログラムを利用した観光客の数は、300万人から25万人まで減少した。以前、観光庁は、キャッシュバックプログラムで約20万人は、65億ル−ブルで旅行券を購入し、キャッシュバック総額は12億ル−ブルだったと伝えた。だが観光客にも、観光部門にも、今年は多くの問題があった。旅行業者は、レストラン、美術館、劇場など制限が発表されたことで、新年、サンクトペテルブルクへの旅行が大量にキャンセルされたと伝えている。いつもは、これがあるため、モスクワ市民などが、訪れていた。ロシア旅行業者協会広報イリナ・チュリナによると、すでに11月、旅行業者はホテルの予約状態は20％台で、一方、1年前では65％の予約があった。海外の観光地に代わりうる山岳地も閉鎖されている。例えば、ムルマンスク州向け旅行券の販売は中止されている。モスクワ〜ムルマンスク〜ヒビヌイの二階建て「スキ−急行」運行は、新年祝日、コロナウイルス・パンデミックにより中止された。伝統的に国内観光の発展に取り組んでいた旅行会社は、2020年の落ち込みは、昨年比で30〜40％と伝えている。だが60〜70％の維持されている規模は、市場は比較的安定していると物語っていると、イグナチエフ氏。10月1日まで、会社は賃金優遇融資により、職員を維持できた。さらにスタッフの一部は、戻れるという期待と、最低賃金額という比較的高い失業手当を期待して、解雇された。こうしたプログラムが終わると、この部門は再び、怪しくなり、他の部門と同様に、プログラムの延長を求めている。2021年の展望について、高官は国内観光の発展の新国民計画をあげている。ロシア観光庁長官ザリナ・ドグゾワは、国民計画は、2021年上半期に承認されると、指摘。ドミトリ・チェルヌイシェンコによると、この課題は、国内旅行者数を1400万人まで増やし、観光部門の職員数を500万人まで増やすことである。観光と歓待業は2020年〜2021年、国家支援として約730億ル−ブルを受け取る。「2020年、この部門の変化は、きわめて本質的であり、何故なら国境閉鎖により、旅行の多くが国内で行われるようになったからだ。さらに多くの人は、一面ではCOVID後、ライセンスをもち、治療にあたっているサナトリウム・保養所に行き、他面、治療と回復のため、人を受け入れている」とロシア国民経済・国務大学教授ガリナ・デチャリ。旅行者の内容がきわめて変化した。「夏期、トルコ方面が閉鎖していたので、海外へ行けなかった人が多かった。こうした人々は、国内にある温かい海の海岸で最も快適な環境を探し求めた。そのため、最も高い施設も、最も安い施設も予約された」とデフチャリ氏。それによると、先ず、こうした事態から、ホテルオ−ナは儲かった。「先ず、彼らは民間クライアントに場所を売り、第二に、旅行業者には予約を入れさせた。個人の予約は、もっと安い」とデフチャリ氏。キャッシュバックプログラムは、そこそこ機能した。何故なら人々は、保険をかける必要があることから、地方から地方へ行くことには懸念を抱いているからだと、同専門家。「多くの人は、強制医療保険は登録されないと機能しないことを知らない。そのため、国内旅行をする場合、完全に機能する保険を必ず手続きする必要がある」と同氏。

−12日(土)「ロシアワクチンに対する殺到する需要で、パンデミック時、ロシア経済を支える」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）コロナウイルス・ワクチンは、ロシア経済のドライバ−になるかもしれないと、ロシア国民経済・国務大学経済発展学科准教授パヴェル・グリボフ。ロシア首相ミハイル・ミシュスチンは、ロシアワクチンには爆発的需要があると予想。首相は、コロナウイルス・ワクチンのような製品には世界で大きな需要がありうるとみている。これは、エネルギ−資源以外のロシア輸出規模を拡大するはずである。プ−チン大統領は、2030年までに非資源輸出量を2020年比で70％増やすという課題を提起した。このため、ロシアは国民計画「国際協調と輸出」を修正するだろう。ロシア輸出ポテンシャルを開花できる措置が定められている。ワクチンではロシアは大きな成功をおさめた。8月に最初のロシアコロナウイルス・ワクチンが登録され、名称は「スプ−トニクV」である。N.F.ハマレイ記念感染症学・微生物学研究センタ−の開発である。10月、2番目のロシアワクチンが登録された。国立ウイルス学・バイオ技術センタ−開発で「ヴェクトル」という。近々、第三のワクチンも登録される。ロシア科学アカデミ−M.P.チュマコフ記念免疫生物学連邦科学センタ−の開発である。ロシアでは、COVID-19ワクチンでは10種類以上の開発が続けられている。したがって、ロシアの供給は確固としたものである。2018年、ワクチン世界市場は、296億4000万ドルとみられている。しかし、COVID-19のパンデミックにより、この規模は数倍となるだろう。ロシア直接投資基金は、ワクチン「スプ−トニクV」の生産規模は2021年、10億回分である。ワクチン接種には、二回分が必要であり、そのため、この量は、5億人分ということになる。メキシコは、「スプ−トニクV」ワクチン、3200万回分を購入する予定であり、ブラジルは5千万回分、インドは1億回分、ウズベキスタンは3500万回分、ネパールは2500万回分を購入する予定。こうした国とは国際協定が結ばれている。こうした契約の履行は、同時に他国でのワクチン生産の現地化と平行して行われる。これは、インド、ブラジル、韓国、中国との協定に記述されている。最大の課題は、国内市場の需要を満たすことである。これは生産の現地化が寄与する。ロシアには、ロシアに必要な1億5千万回分のワクチンを生産できる十分な生産能力はない。ロシアには、ライバルがいる。例えば、「Pfizer」社と「BioNTech」社である。しかし、米独開発品は、先ず、数倍高く、第二に利用に問題がある。その輸送と保管には、−70℃の冷凍庫が必要となり、その他の問題もある。「ロシアワクチンの生産では韓国と興味深い契約がある。この契約が成立すると、輸出ではロシアは大成功となる」とグリボフ氏。韓国の企業「GL Ralpha」は、国内向けではなく、輸出向けに「スプ−トニクV」を生産する。この韓国の会社はこうした協定をロシア直接投資基金と結んだ。生産は2021年1月に始まり、市場にはロシアワクチン、1億5千万回分が投入される。「ロシア医薬品の大きな成功が待っている。これまで、ロシアの製薬部門は、輸出指向部門とは見なされず、その課題は、国内需要をできる限り満たすことであったが、ワクチン生産では我が国は、強いものがある。そのため、こうした分野は発展させる必要がある」とグリボフ氏。ロシアはこの問題では競争力はあり、客観的に技術的優位性を発揮できるかもしれない。「ワクチンによりロシアは、外国市場に参入することができ、ロシア医薬品は競争力があり、多くの国で需要があると証明できるかもしれない。将来、これはロシアに経済的見返りをもたらし、こうした契約は、それなりの値打ちがある」とグリボス氏。国は、ワクチン開発には数十億ドルを支出することになるが、この資金は、石油ガス市場などように大きな経済プロセスの一部ではなく、きわめて余儀なくされた措置である。国の経済は、こうした資金を集めないといけない。そのため、これはやむを得ない支出である。これは、常に、最初にワクチンを開発した国が見返りを受け取る可能性がある。「現代の製薬コストについて言うのは難しいが、COVID-19のワクチン価格は、その難易度による。医薬品は二つの成分からなる。さらに状況の緊急性も影響する。コロナウイルスは、急速に全世界で流行している。この問題をどうにか解決する必要がある」とグリボフ。回復した人の抗体は急速に消え、免疫記憶だけが残る。しかし、再感染のおそれはある。「最大の問題は、生産量、保管と輸送条件である。大規模な生産リソ−スと、しかるべきインフラを動員する必要がある」とグリボフ氏。

−9日（水）「辛い90年代の資金運用に戻ると、銀行にシグナル」（「今日の経済」紙、アレクサンドラ・メリニク）ロシア国民は、銀行預金を下ろし、証券市場で金融投機を始めるようになったと、政府付属金融大学法人金融・法人管理部長コンスタンチン・オルドフ。ロシアの金融機関は、ル−ブル建て及び外貨建て個人預金の停止に直面している。例えば、この数ヶ月間、国民は、預金を下ろし続けている。この9年間、預金は低金利でまった増えていないことから、スタグネ−ションがみられる。「今年、ブロ−カ−において、新たな個人口座開設の証人となった。つまり、国民は、銀行からお金を下ろし、証券市場で金融投機をするようになった。今日、どのような部門も、この2年間、金融市場の拡大に匹敵するほどの収益を確保できない。そのため、予想しがたい国内通貨相場の変動や、コロナウイルスパンデミックによるその他の要因の中、代替の金融手段は、より好まれている」とコンスタンチン・オルドフ氏。ロシア中央銀行の公式サイトに掲載されたデ−タによると、この13ヶ月間、銀行部門は、155億ドル、残高が減少した。預金引き下ろしは、預金総額を614億ドルまで減少させ、この9年間で、最低の数値となった。言い換えると、銀行は、2019年10月から今年11月まで、個人預金の5分の1を失ったことになる。資金流出ピ−クは、2020年3月で、まさにコロナウイルス感染症流行の始まり時期である。最初の感染者が現れたことや、国内通貨の不安定により、国民は、口座から約50億ドルを下ろした。「銀行危機は、自己資金を失うという恐れを多くの人の記憶に残した。銀行危機の恐れ、パンデミック、低い収益は、金融機関への信用をなくさせ、代替手段を探し始めた。国民は辛い90年代を思い出している。当時、多くの人は、不動産、株式、債券に投資した。今日、同じような様相が見られ、さらに外貨や「タンス預金」と資金の分散化が起きている。ル−ブル建て預金は、人気をなくしている」と同氏。原因の一つは、コンスタンチン・オルドフ氏によると、低金利であり、外貨預金は、事実上、ゼロである。こうした傾向は、公定歩合を引き下げた後に現れ、国内大手銀行30行の外貨預金の収益は1％以下である。最近、ロシアでは非公式、強いて言うなら、闇経済の割合は、納税の先延ばし、賃金支払い用融資、会社生き残り支援という形で多くの企業に国が資金援助したことで、増加した。「企業の一部は、パンデミック危機により、事実上“ゾンビ会社”となり、困難の克服後、資金活動を回復できないでいる。国家支援にもかかわらず、企業は倒産か、将来の納税を最小化するため、“グレ−ゾ−ン”へ移行する意向である」と同氏。中央銀行は、国内経済を効果的に支援するため、マネ−分野の監視レベルを引き下げた。その結果、若干の法人及び個人は、いつもの金融手段を使わなくなった。「来年、この部門は、世界経済の回復、パンデミックの減少、ワクチン接種という前向きなニュ−スがあれば、新鮮な空気を吸えることになる。しかし、ロシアでは危機時、増加した融資規模に気づくことになる。中央銀行は、公定歩合引き上げの可能性はないとしており、そのため、預金収益の増加はないだろう。国内通貨状態の懸念は、下落リスクがないとしても、消えることはないだろう」と同専門家。世界経済は、年4〜4％のテンポで成長するらしいが、ロシア経済は来年、2.5〜2.7％の成長、2022年は約2％の成長とみられている。予算赤字と、中央銀行発行の資金が不足すると、ル−ブルは不安定となるだろう。国内通貨の状態のほか、銀行から資金を下ろす場合、国民は、住宅1�u当たりの価格に従っている。コンスタンチン・オルドフ氏によると、この傾向は来年後も続く。「不動産優遇融資国家プログラムが2021年7月後も続くと、不動産市場は、個人資金の主な流れ先のままだろう。プログラムの継続は、住宅や証券市場へより多くの資金を投資させるようになるだろう」と同氏。「ドムロシア」と全ロ世論調査センタ−の調査も、これを確認している。例えば、ロシア国民の約66％は、不動産購入はメリットがあり、銀行預金にはメリットがないと確信している。古典的金融手段に対する個人の関心と信用の低下は、戻ることのない経済発展方向へ転換させるとの警告と見ることもできる。以前、プ−チン大統領は、政府は向こう10年間、デジタル変換プロセスを立ち上げると表明。大統領の発言後、中央銀行はデジタル・ル−ブルの発行を準備していると表明。「これは、フィンテック部門が銀行部門を完全に置き換えるという意味である。銀行は、金融システムの死滅する恐竜であり、そのため、預金又はその他のあまり効果のない商品に対する顧客の関心が戻ると期待できない。「スベルバンク」が名称を縮小したのも、偶然ではない。おそらく、将来、デジタル経済及びイノベーションと結びついた新たな形態が登場するだろう」と同氏。それによると、中央銀行にとって、将来に支援する計画について国民に知らせることは重要であり、また貯金向けの現代的金融手段を正しく選択する上で補助することも重要である。新技術の時、銀行など中間チェ−ンを変換する時が来た。

−7日（月）「北極経済計画には数十年間かかる」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）北極の開発は、気候、技術、石油価格の制約をうけると、エネルギ−＆財政研究所エネルギ−部次長アレクセイ・ベロゴリエフ。プ−チン大統領は、今後、ロシアは、北極や北方地により、豊かになると発言。有用鉱物の点からすると、北極方面は重要である。ロシアは、北国である。ロシア領の40％以上は、北緯地方にあり、そのため、北方はロシアにとって、特に関心深いものである。北極の開発は、特にロシア経済に必要な有用鉱物の採掘の点では、ロシアの将来がかかっている。だが北極は、もろい。経済活動は、最小リスクで行うべきた。ロシアの関心は、ロシア領土、領海、排他的水域だけではない。法律No.187がある。それによると、大陸棚の長さは、規準文書に記載されている地質条件が存在する場合、200kmという排他的経済水域を越えることができる。水中にある大陸端が200kmを超える場合、その地下資源も、ロシア国益エリアである。これに関し、ロシアは、国連に審査を求めたが、了解の回答はまだ得ていない。北極大陸棚や、その天然資源、地下資源の獲得をめぐる外交的争いは、21世紀中、継続されるだろう。ロシアの見解には、米国やNATO加盟国は同意していない。これらの国は、中国や日本と同様に、北極を狙っている。北極大陸棚は、最も大きく、最も調査されていないが、そこには膨大の有用鉱物が眠っている。ロシアはすでに、北極計画を実行しており、最も知られているのは、「ノヴァテク」社の液化天然ガス工場だが、2014年以前ではプランはかなりあった。この開発は、西側の制裁と、石油価格の急落で縮小した。2020年、状況は、「コロナ危機」と石油需要の減少でさらに悪化した。「北極海大陸棚の開発に関する全ての計画は、きわめてお金がかかり、技術的に難しい」とベロゴリエフ氏。この10年〜15年間、北極地域の開発方法が模索され、しかし、石油ガス会社以外、これを行おうとする会社はない。経済的制約の原因は、厳しい気候である。ロシアは、北極を500万k�uという世界最大の経済エリアにする法案を了承した。北極地域に与えられる優遇措置は、優良な欧州及びアジアの例より良い。優遇措置や、予算補助は、機能はしているが、目下、経済課題は、明らかに予定より遅れている。「ロシア企業の北極計画には、価格状況が悪影響している。現在の石油価格では、投資する意味はない。第一に採算性がとれず、第二にロシアにはその技術が不足している」とベロゴリエフ氏。西側諸国にもそうした技術はないが、北極の石油ガス開発プランは、2000年代半ばに作られている。当時、石油価格は記録的な値段であった。2008年の金融危機以前、これは1バレル140ドルを突破したこともあった。石油価格は200〜300ドルになるという予想もあり、そのため、北極への投資は、手に負えないものとは見なされなかった。現在では状況は変わり、ロシアでは制裁のため、西側技術の入手や、融資を受けられなくなった。「ロシアの北極計画は、世界的規模でパイオニアであり、何故なら世界では、ノルウェー以外、北極大陸棚を誰も開発していないからだ。北極のノルウェー部分だけが特殊で、ロシア部分より、かなり豊かな自然条件がある」とベロゴリエフ氏。米国とカナダは、北極では何もせず、ロシア企業は2014年以前、北極投資計画に外国からの投資を引き入れようとしていた。今日、こうしたやり方は、あまり現実的ではない。「ノヴァテク」社の例はあるが、その仕事は、海上ではない。液化天然ガス計画は、課税されないが、融資は政府保証がつく。こうしたやり方は、予算収入とはならない。「ロスネフチ」社は、「ExxonMobille」社に期待したが、契約は破綻した。そのため、ロシアには現在、大陸棚開発をする上で、技術基盤も、良好な経済基盤もない」とベロゴリエフ氏。大陸棚採掘に将来があると、言うのは難しいが、「ガスプロム・ネフチ」社の「プリタズトムノエ」計画がある。これは、オビ川河口にあり、大陸棚で仕事する際、余儀なくされる環境はさほどない。「北極大陸棚に関し、最も楽観的シナリオでは、2030年以降のことである。目下、探査作業が行われてる。この地域はまったく調査されておらず、そのため、地質調査計画が作られている」とベロゴリエフ氏。カラ海も探査されるが、東シベリア海及びラプチョフ海は、プランの段階である。「こうした仕事は、かなり長期展望となる」とベロゴリエフ氏。

−3日(木)「薩摩守は、OPEC＋の最大脅威」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）OPEC＋の新たな大臣級会議は、2021年の石油採掘協定の条件を定めると、国家エネルギ−安全基金主席専門家、政府付属金融大学講師スラニスラフ・ミトラホヴィッチ。この会議は、12月1日に予定されていたが、木曜日、12月3日に延期された。この二日間は、非公式協議に利用されるだろう。今日現在、OPEC＋は、2021年前半、減産量について、合意できていない。「The Wall Street Journal」誌によると、ロシアやサウジアラビアなど、OPEC+の主要加盟国間には、合意のコンセンサスはあるが、第三国による義務履行には問題がある。交渉には石油価格の現在の上昇も影響するかもしれない。11月27日、OPEC+代表者による事務会議が行われた。OPEC事務局長モハメド・バーキンドは、当時、OPEC＋の協議は、石油市場の調整では大きな影響を及ぼすと述べていた。OPEC+最大の問題は、新たなロックダウンとなったパンデミック第二波である。バーキンド氏は、OPEC+加盟国の忍耐と我慢に感謝をのべ、ワクチン開発は前向きなトレンドを生み出しているが、問題解決は遠いと指摘。パンデミックの動向が沈静しないうちは、リスク解消とはいえない。2020年、世界石油部門への投資は30％減少した。これは、2014年〜2016年以上の減少であり、石油部門は、結局、こうした経済危機から、「コロナウイルス危機」の始まりまで回復できていない。世界市場の今後の乱高下や、グローバルなエネルギ−危機を回避するため、世界石油部門には、12.6兆ドルの投資が必要であると、バーキンド氏。OPEC+との交渉を担当しているロシア副首相アレクサンドル・ノヴァクは、OPEC＋協定義務のきちんとした履行にロシアは一貫して重点をおいていると表明。ロシア大統領報道官ドミトリ・ペスコフは、ノヴァク氏は、大統領と連絡をとっており、ロシア大統領には、OPEC+交渉のあらゆる微妙な点を適時報告していると発言。「加盟国は今の制限を何ヶ月続けるか、合意するはずである。2020年1月1日から、全加盟国対象に1日当たり100万バレル増産すると合意があったが、現在、議論は、現在の制限の継続についてである」とミトラホヴィッチ氏。11月17日、協定加盟国は、2020年第二四半期の危機水準まで減産するなど、あらゆる条件に対応するはずとの報告が出てきたが、これは、OPECのいつものロビー活動のレトリックである。「OPEC＋では、現行の産油制限を延長する雰囲気だが、期間の問題がある。減産は、三ヶ月間か、半年間になる。これが、交渉の中心である」とミトラホヴィッチ氏。石油市場は、OPEC＋の雰囲気には前向きに反応している。石油価格は、1バレル45ドルになったが、協定が延長される場合、おそらく、1バレル50ドルという心理的大台を突破するだろう。「次に重要な点は、規律である。OPEC＋には、若干の国は協定義務をはたさず、規定以上に産油していると、疑いがある」とミトラホヴィッチ氏。批判の対象国は、イラクとナイジェリアで、OPECの現事務局長の国である。「最近、“Bloomberg”紙の記事を読んだ。それによると、OPECにはロシアにたいし、クレ−ムがある。ロシアも数ヶ月間、協定義務を履行していない。ロシア政府だけが、ロシアはOPEC＋協定の義務を95％履行していると、すぐさま表明した。こうした疑いは、議論となっている」とミトラホヴィッチ氏。OPEC+会議では、統計問題が提起され、加盟国は誰が誰を騙しているか、相互に証明することになる。サウジアラビアは、OPEC+協定に関し、ロシア政策を定期的に批判し、一度、これは三月危機となり、その後、石油価格は暴落した。こうした出来事から、ロシアなしでは、協定は不可能であり、これが加盟国を尻込みさせている。「一部の国のOPEC＋からの脱退の問題も協議されるだろう。数ヶ月間、イラクに関する議論が行われ、アラブ首長国連邦に関して、曖昧な示唆もある。一面ではOPEC＋は、石油価格の下落を食い止め、他面、協定加盟国の可能性を制限している。ここに、OPEC＋のグローバルな矛盾がある」とミトラホヴィッチ氏。同時にOPEC＋の非加盟国にとって有利に石油市場の再編が起きている。これは、米国、英国、カナダ、ブラジル等である。「おそらく加盟国は、“薩摩守”に対し、共同政策について協議する。さらにリビア問題がある。この国は、公式にはOPEC＋加盟国だが、制限は科されていない」とミトラホヴィッチ氏。リビアは、これを利用し、この数ヶ月間、1日当たり100万バレル以上、増産していた。

−12月1日「支援金：ロックダウン後、61の地域で収入が増える」（これは、国の経済危機補助金のせいである）（イズヴェスチヤ紙、エカテリナ・ヴィノグラドワ）2020年7月〜9月は、第二四半期と比較すると、国民の名目所得は、国内の多くの地方自治体で増加したと、国際会計コンサルティング会社「FinExpertiza」の調査。所得動向には、コロナウイルスにより引き上げられた失業手当や、家族手当が影響した。これは、過疎地住民の生活状態を改善したと、調査。経済の回復と季節要因はかなり影響したが、年全体では所得増は見込めないと、専門家。コロナウイルスパンデミックは、国民所得の動向にネガティブな影響を及ぼした。例えば、2020年第二四半期、実質可処分所得は、2019年同期比で８.4％減少し、第三四半期では、下落は鈍化し、4.8％となった。名目所得も、年換算では減少しているが、さほどではない。4月〜6月、2019年比、5.4％減少し、7月〜9月では、0.2％の減少となった。だが2019年の数値を無視し、2020年第二四半期を計算起点とすれば、これは最も厳しい制限のあった時期だが、前向きなトレンドが明らかになると、「FinExpertiza」社アナリスト。例えば、2020年7月〜9月では、4月〜6月と比べると、国民の一人当たりの平均所得は、ロシア全地域の三分の二以上で見られ、85地域中６１地域で観察されたと、調査報告書。最も増えた地域は、クラスノダル地方で51.6％、4万2200ル−ブル（月間）となった。ダゲスタン共和国も所得が増え、30.6％、2万9300ル−ブルまで増え、第三位は、カバルデイノ・バルカル共和国は25.3％、2万2100ル−ブルまで増えた。所得増加トップ10地域には、スタヴロポリ地方も入り、国民の名目所得は、前四半期比で24％、2万4700ル−ブルまで増え、ブリャンスク州及びロストフ州は22.3％、2万9700ル−ブル、及び19.6％、3万3000ル−ブルまで増えた。トップテンの最後の地域としては、チェチェン共和国（＋18.7％、2万5千ル−ブル）、セヴァストポリ（＋17.1％、3万2900ル−ブル）、北オセチア（＋15.8％、2万4100ル−ブル）となっている。第三四半期、国民所得の57％は、賃金であり、22.9％は、社会手当であり、10.1％はその他収入（送金、賞金等）。さらに5.6％は、自営業による収入、4.3％は預金等の金利。前向きの動向にもかかわらず、上記全ての地域において、クラスノダル地方以外、所得は結局、平均水準（3万5千ル−ブル）には届いていないと、調査書。このように、これは、とりわけ制限期間の低いベ−スによるものであり、制限のほとんどが解除された後、数百万の人々は職場に復帰し、企業は売上を増やした。だが低いベ−スが、7月〜9月、名目所得増加の唯一の原因ではない。「FinExpertiza」社アナリストは、国民の生活状態と、パンデミック時、12130ル−ブルまで増やした失業手当をもらう失業者数の間に直接の関係があると明らかにした。「地域における手当受給者の増加は通常、一人当たりの所得増加を伴うことなる。所得動向でトップ10地域では、国内失業手当全体の21％にあたり、この各地域におけるこの数は、ロシア全体の平均水準の倍以上である」と調査書。例外はクラスノダル地方だけで、ここでは手当をもらっている失業者は少ない。住民所得の増加は、観光客の増加であると、アナリスト。似たような状況はセヴァストポリでも見られる。(以下略)

2020年11月

−27日（金）「とんちんかんなことを言う：ロシア気象庁は、何故に予報を間違えるのか」（会計検査院は、気象庁改革プランの中断を警告）（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャホフ）気象予報は、気象庁が気象観測設備を適時に刷新できれば、もっと正確になるかもしれない。しかし、官吏は5年間でこの課題を結局、解決できず、設備刷新は再び、中断のおそれがあると、会計検査院。専門家は、ほとんどの国家計画の実施は質が低いと指摘。それも、その資金は十分出されているのだか．．。ロシア会計検査院は、気象庁が気象庁支部の設備刷新をどのように行われているのか、チェックした。検査報告では、この課題解決の二つの財源について指摘されている。これは、国際復興開発銀行から6千万ドルと、7950万ドルという国からの資金提供で、合計1億3950ドルである。気象庁にとって、資金に関する決定はすでに2014年に下されている。しかし、2020年までに計画総額は4110万ドル増え、1億8010万ドルとなった。銀行からの融資の割合は減少したが、国家予算からは増えた。つまり、政府からの資金提供は、1.5倍増え、7950万ドルから1億2060万ドルとなったと、会計検査院。こうした資金は、気象庁がそれとなく立てた目的に使う予定であった。「気象安全水準の向上、危険な自然現象、気候変動のネガティブな影響から個人、社会、国家に対し、生活にとって重要な利益の保護の向上」である。資金申請にはまた、気象庁のアップグレイドは、国民だけでなく、政府機関、経済部門、ロシア軍、非常事態省、国境警備隊等にとって、適時、信頼できる情報を提供する上で必要であると、指摘されている。設備や機器の購入は、地方気象支部や、本庁を対象としている。主な支出は、500TFLOPS（テラフロップス）以上の中央計算機の購入である。契約価格は4550万ドル。最強計算機は、適時気象予報の発展と予報信頼性の向上には必要である。つまり、資金（借入と予算）は、気象庁がソ連時代から常に批判にさらされてきた問題を一掃するため、集められた。「中央計算機」は、これはスーパーコンピュータのことである。現在、気象庁は32 TFLOPSのシステムを利用している。新スーパーコンピュータの高速性は、少なくとも500 TFLOPSである。この能力に匹敵するシステムは、モスクワ大学とロシア科学アカデミ−のみある。その結果、会計検査院は、気象庁の設備刷新の支出を検査して、2014年〜2019年の事実上の支出は1億710万ドル、59.3％にすぎないと明らかにした。この計画は2021年に終了する予定であったが、現在、中断するおそれがある。「この計画は、設定した期日より遅れて実施されており、中でも購入計画の体系的不履行によるものであり、効率や結果に悪影響している」と会計検査院検査官アレクセイ・サヴァチュギン。それによると、国際復興開発銀行からの借款終了日までに刷新計画が不履行となる可能性があると警告。計画の延長は、その費用増加につながるおそれがある。会計検査院は、いくつかの原因をあげており、それにより、気象庁の刷新が中断されている。これは、計画の不十分の検討、計画の質の低さ、購入手続きや、こうした国家発注の履行に関係するその他の事業の調整に時間がかかる点である。決定期間は毎年、延ばされ、平均で9ヶ月間である。さらに気象庁は、会計規則に違反していると、サヴァチュギン氏。気象庁長官イゴリ・シュマコフは、会計検査院の結論に同意している。「すでに欠陥の一掃を始めている」と同氏。本紙が取材した専門家では、気象庁を困難にしている問題について、まったく異なる見解である。下院の労働管理効率及び生産性専門家会議委員ニコライ・カルムイコフは、官吏に中には、計画を故意に堅持しようとするやり方があるとみている。（以下略）

−25日（水）「価格回復：ワクチンニュ−スは、石油価格上昇に貢献するか」（アナリストは、石油は年末までに1バレル50ドルまで短期的に上昇すると予想）（イズヴェスチヤ紙、ワレリ・ヴォロノフ）石油価格は、コロナウイルスワクチンの開発成功により、年末までに1バレル50ドルまで上昇する可能性がある。これは本紙が取材したアナリストの予想。ロシアワクチン「スプ−トニクV」は中間試験で95％以上の効果を発揮し、英国の「AstraZeneca Plc」では効果は70％としている。米国では、米国の「Pfizer」社とドイツの「BioNTech」社は、緊急使用の申請をおこなった。こうした中、Brent石油は3月以来、そのピ−クを突破し、1バレル46.5ドルとなった。ここ数日、石油価格は上昇動向である。すでに11月20日、Brent石油は1バレル44.13ドルとなり、11月24日の朝では47.7ドルとなって、3月以来のピ−クを突破した。こうした上昇は、英国製薬会社「AstraZeneca Plc」のコロナウイルスワクチンが、英国及びブラジルの中間試験で平均70％の効果を見せたというニュ−スを背景に起きたことである。石油価格上昇の傾向はおそらく、年末まで続き、Brent石油は50ドルを突破する可能性があると専門家。以前も石油価格は、コロナウイルスワクチンの開発成功のニュ−スで上昇したことがあると、「VYGON Consulting」社調査部長マリヤ・ベロワ。「石油価格は11月9日、慎重に上がり始めた。「BioNTech」社及び「Pfizer」社のワクチンについて、良好なニュ−スがある中、2日間で11％上昇した」と同アナリスト。当時、11月9日〜11日、Brent石油価格は40.2ドルから45ドルまで上昇した。その後、若干下がったが、「Moderna」社のワクチン試験の成功ニュ−スが楽観論に拍車をかけた。11月16日、Brent石油の1月先物価格は4時間で1ドル上がり、44.3ドルになった。「Sanofi」社、「Sinovac」社、「Johnson & Johnson」社も、以前、ワクチン開発を伝えている。ロシアのワクチン「スプ−トニクV」は、中間試験で95％以上の効果を発揮した。「現在、コロナウイルスに早期に打ち勝つ期待から楽観論がみられる。同時に主要国の国境閉鎖というネガティブなニュ−スが入ってこないと、Brent石油は年末までに1バレル50ドルを超えるかもしれないと、マリヤ・ベロワ氏。12月、石油価格は50〜56ドル付近となり、60ドルに迫る可能性さえあると、独立アナリスト、ドミトリ・アダミドフ。かなり大きな上昇もありうる。何故なら、投資家はエネルギ−資源に対する世界需要は早期に回復するとみているからだ。ワクチン開発と旅行禁止措置の解除は、飛行便の増加と落ち込んだ燃料需要の回復を意味する。しかし、ワクチンが開発されても、少なくとも2021年いっぱい、市場は危機前の水準には戻らないだろうと、「AMarkets」社分析部長アルテム・デ−エフ。「市場は、ワクチン登場の事実や、その早期登記、大量接種の開始は、資源需要を以前水準に戻すだろうか。しかし、そうはならないだろう。現在、石油価格の上昇は感情的なものである」と同専門家。それによると、ワクチンは今後、登録が待っており、その後、人類の大部分、あるいは先進国にワクチン接種するため、十分な量を生産する必要がある。「これはただちには行われず、半年から1年間がかかる。この間、相変わらず、新たなパンデミックの波が起こるかもしれない。EUでは2021年初め、第三波があるとみており、新たな制限措置が表明されるかもしれない」と同氏。OPEC＋も、IEAも現状をよく理解していると、アルテム・デ−エフ。来年、需要は危機前水準より1日当たり800万〜900万バレル少ないだろうと予測している。11月の報告では、OPECは2020年と2021年の世界石油需要の予想を10月の評価と比較して1日当たり30万バレル少なくしている。OPECは、2020年、1日当たり980万バレル減少するとみており（2019年比）、来年は1日当たり620万バレル増加するとみている。予想の見直しは、コロナウイルスの感染増加と、多くの国で制限措置が再度導入されたせいである。長期的にみて、エネルギ−資源の需要増は見込めないと、アルテム・デ−エフ。それでも、ワクチンの大量接種後、ロックダウンや制限措置はないだろうが、消費は2019年の水準には戻らず、これは収入減のせいである。「このことから、人々は積極的に旅行せず、以前のように新車を購入しないだろう。収入はどこでも、回復には時間がかかり、何故なら世界経済はこの100年間で最も深刻なリセッションに入ったからだ」と同専門家。2020年でも、2021年でも、こうした状況により、石油価格は1バレル45〜50ドルにはならないだろうと、アルテム・デ−エフ氏。現在の価格上昇は、短期的なもので、ワクチン試験の発表からパンデミックの停止まで、数ヶ月かかると分かるようになると、終わるだろうと、同専門家。石油市場で需要供給のバランス回復要因となるのは、減産を定めたOPEC＋協定だろうと、「QBF」社アナリスト、クセニヤ・ラプシナ。11月17日、OPEC＋加盟国大臣は、OPEC＋協定条件の遵守問題について検討したが、新たな勧告はなかった。OPEC＋は、市場の不確実性から決定を先送りした。2021年初期、産油水準の変更勧告は、11月30日のOPEC会議で下され、OPEC＋は12月1日、下されるかもしれない。

−20日（金）「世界経済はソ連の運命」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）世界の国家債務の増加は、先進国の繁栄を脅かすと、エコノミスト、ドミトリ・アダミドフ。国際金融協会（Institute of International Finance）によると、年末までに世界の債務規模は277兆ドルになる。この額は、世界GDPの365％にあたり、先進国の国債増加の結果である。今夏、米国債は1ヶ月間に1兆ドルが増えた。トランプ政権は、米経済に資金を積極的に投入している。FRBは、4.5兆ドルという量的緩和を行い、最近ではさらに2兆ドルのプランが承認された。米国は、古典的な危機対策を行っており、構造的経済問題は、大量の資金を流通させることで解決されるというものだ。この方針は、1974年に初めて導入され、当時、米国では第二次世界大戦がきっかけとなった1940年以来の連続的経済成長が止まった。どうようなことが、EUで起きている。「コロナウイルス危機」は、欧州の金融経済政策に終止符をうった。この政策は欧州の状況を左右し、そのおかげで、2019年、EUは国債総額をEUのGDPの79.3％まで引き下げることができた。「コロナ危機」により、EUの国債レベルはEUGDPの101.7％になった。欧州委員会は「2021年と2022年、この数値が下がるとみていない」と表明。新たなロックダウンは、欧州経済に問題を追加するだけである。先進国や、また先進国と共にその他の世界も、戦略的問題が提起されている。国債の水準は、合理的水準を超え、経済成長による問題の解決は、見られない。「コロナ危機」は、世界経済にとって「黒鳥」だが、2020年までは西側の国債を楽しんでいたが、ドイツ政府だけは、問題を解決するために体系的に努力するよう求めた。「国債は、その返済が不可能(デフォルト、借り換え)になるか、物価上昇により、債務負担を減らすインフレになるか、そうしたおそれがある。何らかの担保なしに通貨を無制限に発行する環境では、これは、2021年〜2025年、高インフレになる意味である。こうした進展は、米ドル及びユ−ロも含め、世界主要通貨に該当する。世界では似たようなことが、70年代に起きた。当時、世界経済に「スタグフレーション」という言葉が現れ、低い経済成長率と高インフレ率が組み合わされたものである。こうした状況は、国民経済にとって、袋小路である。「世界主要通貨では、二桁のインフレ率が見込まれる。これは、起こるが、今のところ、いつになるか、分からない。だが、今後3〜4年、世界経済の変化に直面するはずである」とアダミドフ氏。ソ連史では、似たようなことがあった。ソ連は1988年〜1990年、海外市場で借款をした。その後、通貨を大量に発行し、インフレ率は当時、国家統制によって抑えようとしたが、ス-パ-インフレとなった。ゴルバチョフ政権は、国際的立場を譲り、譲歩することで、ソ連経済を立て直し、最終的には世界経済に統合されることを期待したが、ソ連政権は、それにかわって崩壊となった。「世界経済では、若干異なる。今日、金融市場はソ連と比較すると別なものであるが、プロセスは類似している。最初に国家債務が増え、その後、若干デフレとなり、その後、インフレ率が急騰する」とアダミドフ氏。インフレ率は、社会に対する税であり、それを実感しない社会層や経済組織は存在しない。これは、先進国の繁栄や生活水準に対する脅威である。「世界経済の成長はかなり前に止まったことがある。2008年〜2009年の金融危機後、世界は成長の天井にぶつかり、90年代〜2000年代の古い経済モデルは、完全に寿命が尽きている」とアダミドフ氏。「大恐慌」後（2008年〜2009年の出来事を、米エコノミストはこのようによんだ）西側では、新たな経済発展のモデルが思いつかず、そのため、世界は古いレ-ル上で、「コロナ危機」に突入した。「世界にはスタグフレーションが待っている。70年代、これは米国やいくつかの欧州国で起きたが、今日では全世界である。東南アジアでは、成長は、低いベ−ス効果で若干続くが、全体としては、経済危機は、グロ−バル的性格のものである」とアダミドフ氏。21世紀20年代〜30年代、世界は低い経済成長率の中で生き、蓄積された「脂肪」は徐々に燃焼されるだろう。「これが新たな現実であり、人類はこれを忘れていた」とアダミドフ氏。問題は特に主要新興国である。そこでは現実的に経済飛躍はあるだろうか。これまで、インド、中国、その他東南アジアのリ−ダ国は最大の牽引車として、膨大な安い労働力を利用してきた。アジアの人口は増えているが、これは経済の量的発展の方法であり、地域のリ−ダは、他の方法を提案できるだろうか。「中国は、60年代末のソ連状態にある。スタグフレーションでないとしても、最小に経済成長という停滞に移っている」とアダミドフ氏。

−18日（水）「世界経済の回復は、ドル安を照らし出す」（「今日の経済」紙、アレクサンドラ・メリニク）2021年、米ドルが他の通貨に対し、20％下落するという傾向が、三つの理由から出てくるかもしれないと、金融経済専門家アレクサンドル・トリフォノフ。「Citigroup」社のアナリストはその報告で、米ドル相場は来年、20％安くなる可能性があると推測。「Bloomberg」紙が公表しているその引用文では、世界におけるワクチンの普及は、市場の特徴は下落傾向であり、そのため、米ドル相場は、ドルがかなり安くなった2000年代の半ばのように変化するだろうとしている。中国がWTOに加盟してから、ドル相場は数年間、長く下落し、世界貿易のグローバル化と貿易高の増加となった。「予想は若干オ−バ−だが、現実的である。ドル相場の下落傾向は、、三つの理由による可能性がある。その一つは、国民のワクチン接種の開始であり、それによりロックダウンの減少、経済の開放、上昇となる。米有価証券のような保護資産から、ロシアも含め、新興国の、よりリスクの高い資産へ自動的な移行が始まる。それにより、ドル需要は減り、他国通貨の需要が増える。米ドル相場は、ル−ブルや、ポンド、フラン等に対し、安くなる」とアレクサンドル・トリフォノフ。「Bloomberg」紙の結論では、世界におけるワクチン接種は、世界経済の回復や、成長を早め、アナリストによると、それにより、危機時、信頼できると見なされる通貨、つまり円やドルに対し、投資家の関心は下がる。「Citigroup」社によると、米FRBの緩和政策と、世界経済の正常化は、米国のスタグネ−ションの中、他国のGDP成長率を加速する。こうしたシナリオでは、米資産に対する投資家の意欲は減退し、国際資産に向かう。「現在、米国は量的緩和政策を表明しており、これは経済を支えるために行われている。FRBは国債を買い、銀行に対し、広く融資する意向である。ドナルド・トランプ氏の提案で、この量は1〜2兆ドルになる可能性がある。こうしたことは、ジョ−・バイデン氏も話しており、30〜40億ドルまで緩和すると伝えている。リ−ダに関係なく、量的緩和は行われ、ドルが増え、相場は下がるだろう」と同氏。米国は合計でワクチン開発にすでに120億ドルを支出している。英・スウェーデン製薬会社「AstraZeneca」の仕事には12億ドルが投資されている。この会社は英国オックスフォード大学の学者と共同して開発に取り組んでいる。また米政府は、「Johnson & Johnson」社へ4億5600万ドルを提供している。米国ではワクチン開発には、「Merck」社や「Pfizer」社も取り組んでおり、バイオ技術の会社「Moderna」にも4億8600万ドルを投資している。この会社のワクチンは、英紙「The Guardian」の推測では、いくつかの理由により第一段階では、米市場のみに投入され、きわめて高価である。このため、豊かでない国では、手に入らないかもしれない。「昨年、ユ−ロにたいし、ドル安となった。これは、米FRBの政策によるもので、国の経常収支がマイナスの中、外貨相場を意図的に下げたものである。つまり、米の輸出高は輸入高より少なく、経済は損失となった。米金融当局は、このようにして、商品を安くし、貿易収支のバランスをとろうとしている」と同専門家。世界の市場は、ワクチン試験のニュ−スに反応する。例えば、11月9日、「Pfizer」社と「BioNTech」社は、そのワクチンは90％の有効と発表した。その後、「Moderna」社のワクチンテストの結果を公表した後、米通貨は1.3％下がり、1ドル76.4ル−ブルとなった。「AG Bisset」社投資役員ウルフ・リンダルは、ドルは、来年、対ユ−ロで、36％下落するおそれがあると予想。ちなみに、2020年、米通貨は主要通貨と比較すると、そのピ−ク時より11％下落した。ヘッジファンドの金利は対ドルで、この10年間で最高水準となり、ファンドの三分の一以上は、今年上半期、その中で最も人気があったのは、ドルショ−トである。2021年、アレクサンドル・トリフォノフによると、新たな米通貨安となるが、36％ではなく、20％安としている。20％以上下落すると、米有価証券から大量に離れ、その保有者は、損失をこうむり、そのため、米金融当局は、こうしたことは許さないだろう。

−16日（月）「老馬はくたばりかかっている：石油経済状態の評価」（「ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ」紙、「経済」）ロシアの“石油という馬”はまだ無事だが、石油に依存する経済なので、GDPのかなりの部分を失わないように国は、少なくない努力をする必要があると、「ロスナノ」社代表アナトリ・チュバイス。チュバイス氏によると、現在、ロシアの燃料エネルギ−部門は、経済の20％をしめ、予算収入の40％をもたらし、輸出の60％にあたる。こうした状況で、ロシア経済は、石油採掘に依存しており、専門家の予想では、近々ほぼ必要がなくなり、製薬にみに利用されるだろう。「有名なカウボーイの諺“馬がへたったら、馬から下りたほうがよい”」とチュバイス氏のコメント。同氏は、これが間もなく起こるとは、予想しなかったが、今日、支配的である市場関係者の過度な楽観論にもかかわらず、遅かれ早かれ、この馬はいずれにしても、くたばるとみている。欧州諸国にとって、炭化水素時代の終わりは、ロシアへの依存の終わりを意味するが、ロシアにとっては、これはGDPの五分の一を失うことになる。「この意味では、先手を打つ必要がある。私の見解では、もっと厳しく、根気よく、積極的に行うべきである」と同氏。今春、世界石油価格の下落に関して、老馬を例にあげた。「RBK」社のインタビューでの同氏の発言にコメントして、ロシア産業家・企業家協会副会長ダヴィド・ヤコバシヴィリも、石油部門は間もなく終わりとなると指摘。「おそらく、我々の世代は、石油部門零落の証言者とはならないだろうが、子供たちは全く異なる世界で生きることになるだろう」と同氏。

−12日（木）「石油需要は、二度と回復しない」（飛行機に対する高い関心は、過去のもの）（独立新聞、オリガ・サモファロワ）世界の石油消費量の半分以上は、輸送である。その内、約20％は、飛行機輸送である。まさに世界需要のこの部分が経済危機前の水準には二度と戻らない可能性がある。この理由は、パンデミック時に明らかに低下した移動心理の変化である。テレワ−クや、遠隔契約への移行や、国境閉鎖リスクに対応できないことは、世界の人々がコロナウイルスに克服しても、さほど移動しないことになる。航空会社の損失は、1兆ドルとみられている。燃料メ−カは、経済危機前の需要に戻ることは、近い将来では不可能とみている。ロシアの航空会社は10月、飛行便を減らしたと、水曜日、ロシア航空庁。10月、飛行機乗客数は、昨年同期比で約40％減少した。春の自粛時、乗客数は91％減少した。8月、乗客数の減少は35％。しかし、10月になると、減少傾向が復活した。年全体で、ロシア国内の飛行機輸送量の減少は、パンデミックの中、45％になると、輸送料精算会社「TKP」の予想。「年末までに航空会社は、乗客7100万人を輸送し、その内、1200万人は国際便で、5900万人は国内便」と1ヶ月前、「TKP」社営業次長ズラタ・ヴォロンツイワ。2021年、ロシアの航空輸送量は1億400万人になり、2700万人が国際便、7700万人が国内便と、ヴォロンツオワ氏。例えば、昨年、ロシアの航空会社全ては1億2800万人を輸送した。国際便が5500万人、国内便が7300万人。ロシア航空会社の状況は、航空輸送量の世界的減少傾向を完全に反映している。IATA（国際航空運送協会）によると、年全体で航空会社の売上高は昨年比で50％減少し、金額では4200億ドルの減少である。来年、この部門は回復しない。2021年、この部門の収入は2019年比で46％減少し、金額では8380億ドル減少する。欧州航空航法安全機構（Eurocontrol)は、欧州における航空輸送量は、経済危機前の水準には良くて2024年、悪いと2029年となるとみている。旅行需要は、実際、回復しないかもしれない。ビジネス旅行しないで、遠隔でビジネスを行う可能性や、一連の矛盾した自粛制限は、パンデミックが弱くなっても、人々の旅行する気分を引き下げると、英国の会社「Inmarsat」の調査。この結論は、よく飛行機に乗る世界12カ国の9500人を対象にアンケート調査にもとづくものである。乗客のほぼ83％は、制限が解除されても、以前の旅行習慣に戻る気はない。回答者の約41％は、あらゆる交通手段をあまり使わないようにする発言。回答者の三分の一によると、搭乗回数を減らすつもりと発言。国境閉鎖が見通せないこと、各国における安全方法が矛盾している。こうしたことは、航空輸送に対する需要の減少原因の一つである。専門家は、以前旅行規模に戻ることは基本的に可能であるとはみていない。「私たちは長いこと、家で巣ごもりしていたが、現在、バ−チャルで仕事をすることに慣れている」と「Inmarsat Aviation」社グロ−バル営業担当副社長クリス・ロジェルソン。（以下略）

−10日（火）「“世紀の建設”、良い時期まで延期」（今年、ロシア経済の落ち込みは、GDPの5％）（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャホフ）ロシア経済の回復は、減速していると、今年9ヶ月間の会計検査院の報告。それによると、経済の落ち込みは、政府予想の水準3.8％では止まらず、GDPの5％になるかもしれない。国民計画「人口」や、巨額投資の国民計画「世紀の建設」など、例えば、輸送ル−ト「欧州−西中国」など、その実行が危ぶまれていると、専門家。ロシア経済の問題は、夏終わり頃始まり、当時、石油価格は、OPEC＋協定による産油制限による伸び幅が終わった頃で、再び、需要減などファンダメンタルの要因に反応し始めたと、木曜日に公表された会計検査院の報告「2020年1月〜9月、連邦予算の執行」。それによると、ロシアの産油量は年初から6.5％減少した。産業全体の減少は、9ヶ月間で2.9％。9月は最も悪く、回復は、加工部門の状況悪化により一時ストップした。8月まで加工部門では成長がみられ、一方、9月では再び1.6％の減少となった。比較的良好な状況は、国家予算から資金が出て、強制自粛とは関係ない国営部門や、銀行及び保険部門、また農業部門（0.4％の伸び）である。この3部門は、粗付加価値の10％以上で、GDPを支えている。しかし、家計支出も15.6％減少している。この原因は、実質可処分所得が年初から4.3％減少しているせいである。会計検査院によると、低所得の影響は明らかであり、消費者需要と小売売上にネガティブな影響を与えている。9月、小売売上高の減少は、年換算で３％となり、年初からでは4.8％。サ−ビス部門は相変わらず、マイナスである。「有料サ−ビスの動向は、もっとポジティブだが、落ち込みはそれでも大きい。9月では12.2％、年初からでは18.7％」と会計検査院。減速する経済により、連邦予算収入は1月〜9月、昨年同期比でGDPの約2％減で、その結果、GDPの16.8％まで減少した。最大の減少（昨年同期比、今年３つの四半期）は、有用鉱物採掘税や、輸出関税など、石油ガス部門にみられる。「連邦予算はすでに長期の石油低価格帯に入ったと言える」とロシア国民経済・国務大学予算政策研究所長イリヤ・ソコロフ。こうしたことは、落ち込む資源収入を石油ガス以外の収入（間接税等）で補填することになる。これは、前年9ヶ月比、約0.5兆ル−ブルが引き上げられた。「石油ガス以外の収入が、2019年比でマイナス成長の年となる可能性もある」とソコロフ氏。会計検査院の専門家評価は、政府は過小収入の中、何で節約するか、物語っている。支出を節約するが、これは初めてのことではない。「連邦予算の執行は2019年と2020年の9ヶ月間、支出では過去10年間では最も低く、中でもコロナウイルスによる経済危機の中、2019年〜2020年、国民計画の実施当初から厳しい状況のせいと説明できると、経済大学「発展センタ−」主席研究員アンドレイ・チェルニャフスキ−。例えば、国民計画「人口」も実行が危ぶまれる。会計検査院の予想では、今年は人口の自然減では5年連続となる。2020年1月〜7月、この数値は昨年同期比で、30％以上増え、31万6千人となった。人口状況について、会計検査院は、かんばしくないとみている。ロシアにある78の地方自治体で、出生数は減少しており、同時に62の自治体で死亡者数が増えている。支出減少は、大統領が提唱し、常に政府にとって、優先的である主要プログラムや国民計画の執行でも、明らかである。「国民計画“保健”への資金提供はたった40％で、幹線インフラの改修と拡大総合プランでは、19.3％、輸送回廊連邦計画“欧州−西中国”では、2020年1月〜9月、資金提供はまったくなかった」とチェルニャフスキ−氏。国民計画に対する支出執行水準は、連邦予算支出執行の平均水準より8.1％少ないと、会計検査院。同時に政府はやむなく、昨年より多く地域に資金提供したが、さもないと、国民計画の停滞がもっと際だったろうと、専門家。ガイダル経済政策研究所金融調査センタ−長アレクセイ・ヴェデフの意見によると、ロシアの経済発展はこの数年、三つのネガティブ・ショックの影響をうけた。石油価格の下落、世界経済の成長率の鈍化、ロシア輸出の減少である。「その結果、経済状態の指数の下落がみられる。予算の影響は、予想できるものであった。先ず、予算収入が減少した。その結果、今年、実質GDPの落ち込みは4.8〜5％とみられる」とヴェデフ氏。一方、経済に関する公式予想は、もっと楽観的でマイナス3.8％である。「比較的低い落ち込みは、中でも、予定水準に予算支出が維持することで、達成されるだろう」とヴェデフ氏。以前、本紙が取材した専門家は、予定水準での支出の維持は、大統領の国民計画やコロナウイルス影響の一掃という政府プランにもかなりネガティブに影響するとみている。すでに11月7日、政府は2021年〜2023年の予算改正案を承認した。向こう三年間、支出は3.5兆ル−ブル、増やす予定。2021年、支出は1.5兆ル−ブル増える。しかし、専門家の意見では、3.5兆ル−ブルは、落ち込む収入全体を補う上では不十分である。「この9ヶ月間、かなり大幅な予算赤字となり、これはこれまでと比べ、標準的ではない。2020年、この傾向が持続すると、赤字は4兆ル−ブル以上になる可能性がある」とロシア国民経済・国務大学ソコロフ氏。同氏によると、政府は赤字を長期の資金調達で補うほかなく、将来、予算安定のリスクがともなうことになる。同専門家によると、予算収入の早期の回復は期待できない。先ず、世界経済の緩慢なる回復は、危機前の水準に石油価格をゆっくり戻している。第二に、パンデミックの終息の見通しが明らかでなく、世界経済とロシア経済の回復を遅らせている。第三に企業の損失は利益税収入に悪影響するだろう。さらに企業は、これまで累積した損失の半分を救済されるようにロビー活動をしている。

−6日（金）「旅行の時期ではない：ロシア外務省、国外に出ないよう国民に求める」（ロシア外務省は、パンデミックにより、海外旅行は延期するよう国民によびかける）（GAZETA.RU紙、イリナ・ヴラソワ）ロシア外務省スポ−クスマン、マリヤ・ザハロワは、世界のコロナウイルス状況が安定するまで、できる限り、海外旅行を延期するよう勧告。同時にロシアのコロナウイルス状況は、危機的であると認めたが、状況は、制御できていると、発言。先週だけでも、世界でコロナウイルスに400万人が感染し、これはパンデミックが始まってから記録的な数値。この数ヶ月の結果からすると、最悪の予想が当たっていると、ロシア外務省スポ−クスマン。「世界における、きわめてかんばしくない感染状況からして、できる限り、不急の海外旅行は延期し、コロナウイルス状況が安定したもっと後の時期に延期するようお願いしたい」とザハロワ氏はのべ、あらゆる点から判断して、第二波はもっと強力で、第一波より危険と思われる」と強調。11月5日時点、世界では4800万人以上が感染し、その内、約1500万人以上が、治療中であり、120万人以上が死亡した。感染者が最も多いのは、米国、インド、ブラジル、ロシア、フィリピン。ロシアでは、事態は危機的であるが、感染者数は二日続けて、1万9千人以上。国内では170万人が感染し、その内、120万人は快復し、約3万人が死亡した。事態は制御されていると、11月5日、大統領報道官ドミトリ・ペスコフ。それによると、「根拠のある理由」により、状況安定化について、正確な予想は、目下、できないとし、「良くなることを常に期待しているが、悪化にも用意ができている。これは、規定の行動である」と指摘。ペスコフ氏によると、いくつかの地域では、感染対策が弱まっている。それによると、コロナウイルス対策ではロシアは、他国の全てのやり方を参考にしているが、先ず、自国の今春の経験を基本にしている。以前、消費者監督庁長官アンナ・ポポワは、コロナウイルスの持ち込まれたケ−スの90％は、トルコからの帰国者で、このため、「きちんとした措置」をとるよう求めた。トルコとの飛行便が再開された8月初めからロシアにはトルコに滞在していた約150万人が帰国した。まさに海外で感染した旅行者の主な部分のこれに該当し、その数は合計で1万人となる。ロシア観光業協会広報イリナ・チュリナは、後に、こうしたデ−タは、トルコは当時、唯一の休養地点であるせいであり、まして、トルコ都市経由でロシア国民は、他の多くの国へ飛行移動しているからなおさらである。「現在、他国からロシアへ入国する観光客は全てトルコ経由である。直接便のない国から飛行する場合、イスタンブール経由で入国するが、デ−タにはイスタンブールからの入国となり、人は飛行機から飛行機に転乗したことになる」と同氏。11月1日、トルコ駐在ロシア大使アレクセイ・エルホフは「インタ−ファクス」通信のインタビューで、トルコ滞在中にコロナウイルスに感染したロシア観光客の総数は、326名であると語った。当時、保養地で87人のロシア国民が隔離され、31名は入院した。エルホフ氏によると、トルコではコロナウイルスの患者の発見、隔離、治療に関し、自国の法律や規則がある。旅行に行くと決めた観光客は、感染した場合の費用を補える保険に入るよう奨めた。

−11月3日（火）「ロシアのインフレ率は、外貨相場や低い国内物価に左右される」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）ル−ブル下落は、ロシア経済のファンダメンタル要因によって、インフレ率加速とはならないと、「オトクルイチエ・ブロ−カ」社投資マネージャー、チム−ル・ニグマトウリン。「ノ−ヴォスチ」通信によると、ロシア経済では中央銀行や政府の年間4％というインフレターゲット以上にインフレ率を加速しうるマクロ経済要因が機能している。この予想は、米大統領選による新たなル−ブル安の中で行われた。物価上昇で最大要因は、年初から25％も安くなったル−ブルと、それによる食品以外の品目の物価上場である。中央銀行のインフレ報告では、国民所得や支払い能力のある需要の減少など、脱インフレ要因が補っている。「インフレ率とインフレ率に対するル−ブル相場の判断で重要な点は、ロシア消費構造における輸入の割合が大きい点である。輸入割合は、様々に評価できる。何故なら商品・サ−ビスの直接輸入もあるが、商品・サ−ビスコストという間接的輸入もある」とニグマトウリン氏。間接輸入とは、ロシア商品の部品や関連品である。輸入は、食品から自動車、工業品にいたる、あらゆる分野にある。ロシアでは、輸入品代替生産プログラムが動いているが、若干の分野は存在せず、そのため、世界市場でやむなく購入することになる。ここ数年のロシア農業の成功でも、ロシアでは海外で購入される種子その他関連物など、輸入が基本となっている。「これは10〜15％で、そのため、つぎのように推測できる。ル−ブル相場が今後12ヶ月、維持されるならば、輸入商品・サ−ビスの価格は大幅に上がるだろう。だがル−ブル相場が現在の水準で維持され、1年間、横ばいという確信はない」とニグマトウリン氏。ル−ブル安をインフレ率のせいにできるが、1％前後である。「インフレ率に対する外貨相場の大きな影響は、あまりありえない。ル−ブルは、ファンダメンタル要因に対し、かなり弱く、このプロセスが1年間続くとみるのは不可解だ」とニグマトウリン氏。今年、ル−ブルは対ドルで25％、対ユ−ロで35％安くなった。ロシアのインフレ率は、こうした数値よりかなり小さく、そのため、ロシア通貨は、状況安定後、上昇するだろう。先ず、これは、バイデンが人気のある米選挙の高揚が鎮火するからだ。対ロ制裁は、ただでさえ、限界まで達している。そのため、新大統領のもと、根本的変化はおそらくないだろう。「インフレ率からみると、ル−ブルの年間平均価値は意味がある」とニグマトウリン氏。ドルや、ユ−ロ相場のほか、インフレ率上昇のドライバーとしては、野菜果実価格の季節的デフレが終わり、同時に収穫の不調から、砂糖とひまわり油は高騰する。教授、経済学博士レオニド・ホロドは「ひまわり油と砂糖の価格は、ロシアのインフレ率に影響しない」と指摘。「食品は、インフレ率を促進させる最大要因の一つである。食品インフレは、ロシア国民にも、その他全ての国に人にも、家計への痛打となる」とホロド氏。天然資源と収穫問題では、2020年、何も大きな問題は起きない。「北カフカスと、南連邦管区では、ヒマワリの収穫は25％減少した。ここでの出来事は、ロシア市場にとって、価格決定要因ではあるが、ひまわり油だけでは満腹にはならない」とホロド氏。ひまわり油の価格上昇は、食品インフレを加速させない。「砂糖の高騰には特別の理由がある。昨年、大収穫があり、生産者以外は全て喜んだ。今年、砂糖の収穫量は、ささやかなもので、そのため、価格は高騰した」とホロド氏。砂糖は多くの商品生産に影響するが、価格上昇を他の品目に転嫁できない。生産プロセスでは他の成分も存在するからだ。「小麦価格の上昇は、はるかに悪い。そこでも価格上昇はあるが、季節的なものである。ヒマワリ油のように価格上昇は、穀物にも起こるならば、確かに悪くなったろう」とホロド氏。第三等の小麦は、農作物栽培にとっても、酪農にとっても、飼料等として、ベ−シックのものである。「ロシアの穀物収穫量は悪くなく、そのため、物価上昇に影響する最大要因は、為替相場である」とホロド氏。ロシア国内では何も恐ろしいことは起きず、海外では危機は発展し、EUの場合、二回目のロックダウンの損害評価はすでにある。これは、GDPの2〜2％になる。これは、ロシアにも打撃を与え、何故ならロシア国家予算と輸出の中心は、炭化水素資源の売上による収入からだ。

2020年10月

−30日（金）「コロナウイルス危機前の水準に戻るのは、2022年までかかる」（早急なる回復は期待できない）（独立新聞経済部長、ミハイル・セルゲ−エフ）会計検査院とガイダル研究所の新予想では、来年に経済危機から脱却できるというロシア政府の期待に対し、懐疑的となっている。この予想のリスクシナリオは、来年夏までコロナウイルス第二波は続くことを根拠にしている。クウドリン氏は、2021年は厳し年になるとすでに指摘。それによると、ロシア経済を新たな現実に順応させるには、2年間もかかるとしている。ネガティブなシナリオでは、ドルは、比較的早く回復する場合より、約4ル−ブル高くなる。ロシア会計検査院は、2020年、対ドルの年間平均ル−ブル名目相場は69.2ル−ブルとなる。中庸なシナリオの場合、2021年、68.7ル−ブルまで高くなる。ネガティブ（リスク）シナリオは、様相がまったく異なる。今年、ドルの年間平均相場は、72ル−ブルで、2021年では、ドルの平均相場は、72.5ル−ブルとなる。「こうした慎重なシナリオの場合、パンデミックの終息時期と世界経済の回復テンポに関し、不確定要素が高く、ロシアも含め、新興国市場の通貨に悪影響する。そのため、ル−ブルの交換レ−トは、客観的均衡値より5〜6％安くなる」と会計検査院の予想。来年は厳しくなるが、ロシア経済には、新たな現実に順応するため、さらに1〜2年間がかかると、アレクセイ・クウドリン氏。会計検査院は、GDP回復テンポに関するマクロ経済予想が、政府より、もっと悲観的である点について、経済危機対策と国民行動計画の効果があまり期待できないせいとしている。水曜日、クウドリン氏は、ロシア予算計画の不可解さについて指摘し、国は国民計画や国家プログラムに数兆ル−ブルを支出しているが、ここには、明瞭な基準や根拠のある数値がない。政府は、国民計画への資金提供規模を見直す必要があると、クウドリン氏。国民計画の内訳は今日にいたっても、政府に提出されていないと指摘。「予算法案の趣意書には、国民計画実施の客観的デ−タや、分析デ−タ、状況予想が含まれていない。第二審議会までに考慮すべき内訳が出るの待っている」とアレクセイ・クウドリン氏。国家プログラムの内訳書には、目標、課題、期待される成果、主要指数がまったくないことも珍しくない。2021年、国民計画及び国家プログラムには2.2兆ル−ブルが予定されている。会計検査院によると、ル−ブル安の予想は、少ない石油需要の持続と、2021年、外貨収入の遅い回復にもとづいている。「ル−ブルにとって基本ファクタ−は、石油価格である。今日、石油に対する世界需要の約7％が事実上、消えている。ワクチンが登場するつれ、人々の移動と石油需要は戻ってくる。石油は数多くない資源商品の一つであり、ドル安の中、5年間最大値から増えていない」と、「BKSミ−ル・インベスト」社資産管理部長アンドレイ・ルセツキ−。2021年の第二四半期、欧米では国民の多くは、ワクチン接種されていると思われる。ロシアでは、1月1日から全面ワクチン接種が予定されている。そのため、おそらく、2021年夏までにウイルスは活発でなくなる」とルセツキ−氏。その予想では、来年、石油価格は1バレル45〜50ドルの範囲で、ル−ブルも1ドル70ル−ブル近くになる。「おそらく、コロナウイルス・ワクチンは、すでに広く接種され、ロックダウン・リスクは最低となるだろう。石油需要は増え始め、したがって、石油価格も上がるだろう。常に米経済への資金投入の中、米通貨の長引く下落も否定できない。こうした要因は、国内通貨のかなりの支えとなるかもしれない」と「Forex Optimum」社主席アナリスト、イワン・カプスチャンスキ−。だが同専門家は、ネガティブな出来事も排除していない。「コロナウイルス状況が制御不能となれば、再度のロックダウンも排除できないだろう。まして、地域によっては、かなり厳しい装置や制限がすでに導入されているから尚更だ」とカプスチャンスキ−氏。「ロシアにインフラ問題がある場合や、石油価格が1バレル40〜45ドルの場合、ロシア政府にとって、ル−ブル高にはメリットがなく、何故なら予算収入は輸出に左右されるからだ。最もあり得る相場は、少なくとも2021年上半期、1ドル70〜75ル−ブル、これはポジティブなシナリオの場合である」と「シネルギア」大学主席講師ドミトリ・ファラポントフ。

-28日（水）「ハロウィンとバレンタイン：何故、ロシア人は外国の祭りが好きなのか」（ロシアではハロウィン祭の衣装需要が６倍）（GAZETA.RU紙、イリナ・ヴラソワ）ロシア国民は、ハロウィン祭やバレンタイン・デ−のような外国の祭りを、スラブ民族の祭りや、ロシア正教の祭りより好んでいる。専門家によると、全ては歴史的断絶と弱いマーケティングのせいである。こしたことに国が無関心であるせいである。毎年、ロシアにおけるハロウィン祭用衣装はますます大きな需要となっている。今年、コロナウイルスで、宴会数は明らかに減少するが、国民は祭り衣装などを積極的に購入している。10月、「Ozon」社でのカーニバル衣装の売上高は、6倍となったと、マ−ケット・プレイスアナリスト。主に買物客は、骸骨絵柄のワンピースやコスチュームを選択している。祭り前日では、カーニバルマスクの売上は倍増し、メ−キャップ材の売上は2.5倍。最もマニアックのユ−ザは、人工血液を購入し、この需要はこの２週間で9.5倍。子供用のコスチュームも購入しており、売上高は10月、昨年比で4.5倍。人気のトップは、脅かすものや、暗いイメ−ジのものではなく、ピカチュウなどの縫いぐるみが選ばれている。室内の装飾には、カボチャが買われ、需要は昨年比で10倍である。こうした目的には、また人工の蜘蛛や、寝具、吊り下げデコレーションで、10月、こうした商品の売上高は、昨年比で53％増。マ−ケット・プレイス「Wildberries」の分析部によると、ハロウィン祭用テ−マ商品の需要は、昨年比で2.5倍。衣装、メ−キャップ材、マスクのほか、ネットショップのユ−ザは、特殊衣装、アクセサリー、化粧品を購入し、それにより祭りの格好や雰囲気をつくっている。例えば、10月19日〜25日、華麗なスカ−トワンピースや、カラフルなショ−ト・スカ−ト、カラ−タイツ、ストッキング、カツラ、つけ爪、ポマード、ブラック・アイシャドウ、スパンコールの売上が増えている。お祭り用ウイルスになろうとする人は、「アヴィト」社で、いくつかの面白いものを見つけることができる。同社広報は、価格2万ル−ブルの2メ−トルのコロナウイルス・コスチュームの売上に注目している。だがもっと、廉価なものもある。例えば、緑の微生物の形をした膨らむ衣装もある。これはほぼ十分の一の価格である。全体として商品掲載サイトでは、ハロウィン祭用品は10月、昨年同期比で18％増。女性用コスチュームは14％増、男性用は23％増。10月、問い合わせの約22％は、子供用コスチュームで、女児用は今年、45％増、男児用コスチュームは11％増。室内装飾用のインテリアデコレーションは、増加のドライバーとなった。昨年の2.4倍である。ロシアにおけるハロウィン祭の人気は、高まる一方である。バレンタイン・デ−も同じである。ロシア国民は、外国の祭りに関心があるが、スラブ民族の祭りや、正教の祭りは、目立たない。この理由について、専門家は説明した。「こうした祭りの人気は、先ず、マーケティングに左右される。西側ではすでにこうした祭りを商業化しており、ロシアでは革命後、まったく商業化はなかった。ソ連崩壊後また「鉄のカ−テン」が取り外された後、市場が「気晴らし」できる「商業」祭りがない中、3月8日を除けば、こうした間隙を埋めたのがハロウィン祭とバレンタイン・デ−である」と「Telegramチャンネル」社創始者マラト・ムラジャン。「カウフマン」社オ−ナ、「プ−チン」ブランドの創始者スラニスラフ・カウフマンは、外国の祭りの主な優位点は、歴史が途切れていない点にあると指摘。共産主義祭りに替わったり、ソ連邦が新生ロシアになったり、古い世代は他の祭りで育っている。「こうした歴史的つながりが断絶していることは、我が国の民族的、文化的、宗教的祭りに人気がない主な要因である。こうした「新しいこと」により、文化的価値が下がっている」とカウフマン氏。第二の要因として、祭りを普及する上、国のやり方がきわめて形式的である。「押しつけようとしているが、これは長年、微妙な問題であり、経験ある大手企業に発注すべき本格的長期計画である。一方、我が国では誰もこれには真剣に取り組んでいない」と同専門家。さらに外国の祭りは、ロシアの祭りと異なり陽気であり、そのため、若い世代には容易に浸透し、時間を楽しく過ごし、明るい宴が好きである。「ロシアでは、お祭りは形式的で、きわめて重苦しく、もの悲しいものだが、我々自身はそうではない。もちろん、戦勝や、記念式典、栄誉式典など、真面目な点もある。しかし、生活は楽しむべきであり、そのため、全てが気に入るように民族祭りにはポジテイブな面を加える必要がある」とカウフマン氏。

−26日（月）「公定歩合は変えない」（GAZETA.RU紙、アレクサンドル・レスヌフ）ロシア中央銀行は、二回も続けて公定歩合を変更しなかった。これは、企業や個人債務者にとってよいことだが、過去最低の不動産融資金利であり、こうした借入金利で、企業は返済がより容易となると、専門家。しかし、若干の専門家によると、じきに中央銀行は、再び通貨融資政策を引き締めざるえず、何故なら公定歩合の維持又は引き下げで、より大きくル−ブルが下がるからだ。金曜日、中央銀行は、またもや、公定歩合を4.25％に据え置くと決定した。ロシア金融市場の多くの専門家は、少なくとも半年間は、金融政策を引き締めないと考えている。そうでないと、これは経済全部門にきわめてネガティブな影響を及ぼす。それでも、これは国内の経済状況全般には、大きな影響を及ばさず、現時点で、引き下げラウンドは終わり、つまり、商業銀行の融資金利も下がらないと、「BKSミ−ル・インベスト」社。「こうした中でも、金利を下げる若干の余裕はある。しかし、本道はすでに通過していると思う。約4％というインフレ・タ−ゲットでは、融資金利の大幅引き下げは期待できない」と「BKSミ−ル・インベスト」社情報分析部長ワシリ・カルプニン。この意見には、「シンコバンク」代表ゲンナジ・バルセゴフも同意。同氏によると、銀行金利のいっそうの引き下げの動機は、中央銀行が公定歩合の方向に動いた後にのみ、出てくるだろう。同氏によると、これは、次の理事会で起きるかもしれず、そうなると、商品・サ−ビスの需要は若干増えるだろう。「借入がより容易になればなるほど、金利が下げれば下がるほど、消費者需要を喚起する可能性が大きくなり、国民は、必需品の購入に支出し、不動産、自動車を買うようになる」とゲンナジ・バルセゴフ。本紙が取材した専門家の一部は、中央銀行は、公定歩合の大幅引き下げに再び戻ると考え、何故ならこれなしには、ロシア経済にとって現在の厳しい時期、金利の低い借入金なしには、国民の購買能力は引き上げられず、あるいは、せめて破綻させないこともできないだろう。統計庁のデ−タによると、今年第二四半期、国民の実質可処分所得は、8％減少（1999年以来、四半期では記録的）し、第三四半期では4.8％の減少である。「公定歩合の引き下げは理にかなっており、「さらに1〜1.5％の引き下げで、企業にとって借入はもっと容易となる。取り組むべきことはある。問題は、優先順位である」と「アルパリ」社主席アナリスト、アンナ・ボドロワ。とはいえ、一部専門家は、公定歩合の引き下げを期待すべきでなく、きわめて近いうちに、引き上げを余儀なくされると警告。例えば、「フリ−ダム・ファイナンス」社ロシア証券市場取引部長ゲオルギ・ワシェンコは、来年第一四半期にも、こうしたことが起こるとみており、これにいくつかの理由があるとしている。先ず、ロシアにはインフレ上昇が明らかに加速しており、インフレ率は基本指数の一つであり、中央銀行はこれによって、決定を下す。今年、中央銀行のインフレ・タ−ゲットは4％であり、現時点、年換算ですでに3.8％になっている。中央銀行の新たな予想では、国内も物価上昇は3.9〜4.2％とみている。第二の理由では、インフレ率近くに公定歩合を維持することは、通貨量が大きく増えることになる。「通貨量はただでさえ、年間16％増え、一方、経済は8％縮小した。GDPに対する通貨量の先行増加は、ル−ブル安にするおそれがある。こうしたリスクには対応しないといけない」と同アナリスト。中央銀行が来年、公定歩合を引き上げると、これはビジネスの心理と危機脱出の展望に打撃を与える可能性がある。おそらく、事態から抜け出せず、公定歩合の引き上げは、主に、経済が急テンポで成長する時期向けであり、過熱から経済を守る必要があると、「フリ−ダム・ファイナンス」社。さらに、同社によると、金利の変動自体は、銀行融資及び不動産融資は、再び高くなり、市場ではいっそうの引き上げを期待するようになるだろう。当初、これは住宅や長期使用品に対する消費者需要の増加となるが、その後、経済成長率は再び、急落する。

−21日（水）「国民の半数以上、経済危機は、まだ先とみている」（「ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ」紙、「経済部」）国民の半数以上は、経済危機はまだ始まったばかりと考えている。すでに現在、四人に一人（24％）は、家庭の経済状態はかなり悪化していると実感。家庭の経済状態が良いと考えている人は、回答者のたった15％で、回答者の半数以上（60％）は、良くも悪くもないとみている。国民の半数以上は、どちらかというと、自分の生活に満足していると、全ロ世論調査センタ−のアンケート調査デ−タ。46％は、現在、生活には完全に満足していると答え、30％は、生活にはどちらかというと、満足していると回答。23％は、生活には完全には満足していないと指摘。六人に一人（15％）は、今年経済危機の最悪期は、現在であるとみている。ほぼ同じ数（16％）は、経済危機はすでに去ったとみている。今年9月は、8月比で、人員カットした会社数は倍増した（国全体で7％から14％に増えた）。このことは、失業者が増えるという意味である。国内失業率は、増え続けている。パンデミックのピ−ク時、第二四半期、公式に登録された失業者数は、930万人で、これは、労働可能年齢人口の約12％。失業者には、手当を多くすると約束されたが、9月、労働省にはこの資金はすでに終わっている。

−19日（月）「1年後は休日：2021年12月31日は、労働日ではなくなる」（政府は2021年の休日日程を承認）（GAZETA.RU紙、クリスチナ・シゾフ）来年から12月３１日は、休日となると、ロシア政令。これまで、休日日程の変更については、労働省が述べていた。同省によると、この提案は、今年は実施しないが、2021年は可能となる。12月31日の休日については、国民の約半数が支持している。ロシア首相ミハイル・ミシュスチンは、2021年の休日変更の政令に署名した。12月31日（金）は、休日となると、政府サイト。政令趣意書によると、新年1月2日と3日は、土曜日と日曜日になる。これは休日の祝日なので、11月5日（金）と12月31日（金）に移動した。さらに休日の土曜日、2月20日は、月曜日の2月22日に移動する。このようにして、三連休となる。2月21日〜23日である。来年は合計で休日は、1月1日〜10日、2月21日〜23日、3月6日〜8日、5月1日〜3日、5月8日〜10日、6月12日〜14日、11月4日〜7日となる。ロシア労働・社会保護省は、以前、2021年の休日変更に関する政令案を準備した。同省によると、刷新された休日日程は、国民及び様々な組織の利害を考慮して作られた。それによると、これにより「休日と祝日をより合理的に利用できるようになる」2021年12月31日の休日を支持する人は、国民のほぼ半数。48％が支持していると、全ロ世論調査センタ−。この考えを支持しない人は、14％。36％は、この提案には無関心。女性はかなり支持している。男性の43％に対し52％である。男性はこの案に否定的である。女性11％に対し。18％である。国民の37％は、12月31日を休日にするという願望は、時間が足りないせいとしている。さらに25％は、この日は、仕事の短縮や、パ−テイなどで、きちんと仕事をしないと、指摘。12％は、この日は、新年前に穏やかに休みたいとし、11％は、家族や近親者と時間を過ごしたいとしている。9％は、祝日前日であると考えている。これに反対する回答者の36％の意見では、ロシアにはただでさえ、多くの祝日がある。そのため、12月31日は、休日にする必要はない。回答者の15％は、新年祝日はただでさえ、長いと指摘。13％は、12月31日は、休日にすべきでない。そうでないと、余分な「酔っ払いや喧嘩」が起こる。12％は、働くべきと考え、7％は、休日になると賃金が減ると心配している。全ロ世論調査センタ−によると、国民の27％は、12月31日はフルタイムで仕事をし、その内、29％は女性で、24％男性。12月31日がフルタイムの仕事でない人は21％で、37％は、スケジュールによる。新年前日はまったく仕事をしない人は、回答者の14％。しかし、今年、12月31日に関しては、変化はない。2020年、12月31日は、通常日であり、休日変更基準にしたがうと、労働日である。8月半ば、労働省は、2020年12月31日を休日にできないことを説明し、前日の一つに移動することは、労働法の基準に合致しないと指摘。同省によると、この点は、2021年の休日変更で考慮される指摘。同省は、この説明を下院労働・社会政策委員会委員長ヤロスラフ・ニロフの照会の回答として送付。労働省によると、とりわけ、労働日の変更は、労働法110条に違反するおそれがある。同時にニロフ氏は、地方首長のみが12月最終日を休日にするか、どうか、決められる。これは、大晦日を労働日にしている近隣の自治体を困惑させるおそれがあると指摘。昨年、12月31日を休日にするという考えを上院議長ワレンチナ・マトヴィエンコと一部下院議員は出した。プ−チン大統領は当時、12月31日を休日にすることは、理にかなっているが、新年前に慌ててやる必要があるか、疑問であると発言。

−15日（木）「ロシア、さらに三カ国と航空便の再開」（「ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ」紙）ロシア航空会社は、2週間後、日本、セルビア、キュ−バの三カ国と航空便を再開する。コロナウイルス対策本部によると、ロシア政府は、11月1日からセルビア、キュ−バ、日本と、航空便を再開すると決定した。「首相ミハイル・ミシュスチンは、モスクワ−ベオグラード、モスクワ−カヨ ココ、−サンタクララのル−トの航空便を週二回、運行する。さらに11月1日から日本へ飛行できる。モスクワ−東京（週二回）、ウラジオストック−東京（週一回）となる。新型コロナウイルスの流行がどうなるか分からない中、ロシア政府は、飛行可能な国のリストを拡大した。COVID−19のパンデミックにより、3月27日から多くの国との飛行便はストップしていた。問題の深刻性が下がるにつれ、8月1日から制限が解除され始めた。ロシアの空港からは、トルコ、エジプト、タンザニア、スイス、英国、モルジブ、アラブ首長国連邦への飛行は許可された。9月21日から、コロナウイルスのパンデミックにより導入された制限は、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスへの飛行では解除され、9月27日から韓国への飛行が再開された。国際便の再開により、出国便プログラムは、一時停止された。

−13日（火）「ロシアにとって、どの米大統領が都合がよいか」（「見解」紙、オリガ・サモファロワ）市場は、11月の米大統領選で、民主党のジョ−・バイデンか、ドナルド・トランプか、どちらが勝利するか、推測している。このことで、様々な経済シナリオが描かれている。米大統領選でバイデン氏が勝利した場合、ロシア経済にはどのような影響があるのか？これは「ノ−ス・ストリ−ム2」にどう影響するのか、石油価格はどうなるのか、ドル相場はどうなるのか？今週、「Reuters/IPSOS」が実施したアンケート調査によると、バイデン氏は、ウイスコンシン州、ペンシルベニア州、ミシガン州、フロリダ州、アリゾナ州の5州でトランプ氏を若干、リ−ドしている。これらの州は、選挙勝利で、決定的な影響力をもっている。経済的観点からみて、どの大統領がロシアにとって、メリットがあるのか？一面では、バイデン氏は、トランプ大統領と異なり、石油ガス部門を優先部門とはみていない。従来の炭化水素資源を彼は喜んでグリ−ン・エネルギ−に換えるだろう。しかし、これはロシアのガスや石油に役立たないだろうか？「トランプ氏は、「ノ−ス・ストリ−ム2」に対し、かなり厳しい態度をとっている。彼は、米液化天然ガスの輸出拡大の支持者である。そのため、ロシアのパイプライン天然ガスは、ライバルと見なしている。トランプ氏が制裁を科したのは論理的なことだが、これはパイプ敷設会社「Allseas」をプロジェクトから離反させ、すでに1年にもわたって見られる事態をいっそう複雑にしている。トランプ氏にとって、「ノ−ス・ストリ−ム2」を巡る争いは、経済問題であり、バイデン氏にとっては、政治問題である。しかし、ロシアにとっては、これは容易なことではなく、悪化さえありうる。民主党は、ロシアは悪の帝国であり、あらゆる方法で圧力をかける必要があると考えている。最も明瞭な方法は、ロシアのエネルギ−計画と争うことである」と国家エネルギ−安全財団代表コンスタンチン・シモノフ。だがバイデン氏の影響は、二重の効果がある。石油の観点からみると、ロシアはバイデン氏の勝利でメリットがあるかもしれない。「バイデン氏も含め、民主党にとって、石油とガスは、アメリカ経済では優先部門ではない。そのため、バイデン氏の場合、石油会社に対し、グリ−ン・エネルギ−のため、新税を科す可能性がある。オバマ氏は当時、新税導入には間に合わなかった。バイデン氏は、この問題に戻るだろう。バイデン氏が勝利した場合、主要産業としてシェ−ルオイルに対して、姿勢が変化するかもしれない。「Wall Street」の人々は喜ばず、現在の価格では収益すれすれにあるこの部門にやむなく融資している。近い将来、石油価格は上がらないとみている。これは、1バレル40ドル前後に維持され、シェ−ルオイル企業にとって、適当ではない。そのため、バイデン氏の場合、シェ−ルオイルの採掘は縮小する可能性もある」とシモノフ氏。ロシアの石油会社にとって、これは都合のよいことであり、何故ならライバルの立場が弱くなり、OPEC＋協定の産油限度を引き下げることができるからだ。他面、バイデン氏は、トランプ氏が2018年半ばから破綻させたイランとの核協定を復活させる可能性がある。米制裁で、イランの産油量は減少し、一方、バイデン氏の勝利の場合、イランの石油輸出量は1日当たり200万バレルに戻ると、国際エネルギ−フォ−ラム代表、元米エネルギ−省高官ジョ−・マックモニグル。それによると、イランは、すぐにではないとしても、産油量を200万バレルまで増やすだろうが、すぐに1日当たり50万バレルを増やし、石油市場にとって、これはかなり多い。「バイデン氏がオバマ氏の政策に戻ると、まさにオバマ氏こそ、イラン石油を市場に戻したのだが、この要因は、ロシアにとっても、石油価格にとっても、悪影響となる」とシモノフ氏。「TankerTrackers」社のデ−タによると、イラン輸出は、米制裁にもかかわらず、9月には急増している。9月、これは1日当たり150万バレルとなっているかもしれない。「これは、バイデン氏が大統領選で勝利すると見込んでいくつかの国が石油買い付けを始めたせいかもしれない」と「フリ−ダム・ファイナンス」社のエフゲニ・ミロニュク氏。ロシアにとっても、「ノ−ス・ストリ−ム2」にとっても、ル−ブルにとっても、バイデン氏か、トランプ氏か、誰がよいか、はっきりは言えないと、専門家。一方では、「FxPro」社主席アナリスト、アレクサンドル・クプチケヴィッチによると、バイデン氏の場合、ロシアガスに対する圧力は下がり、ワシントンのロビー活動の弱化は、おそらく、ガスプロム社を元気なるだろう。他方、石油ガス価格は、下落するだろう。トランプ氏の場合、一面では制裁は、最初、多くの人が思ったほど、激しいものではない。この場合、石油価格はおそらく、もっとよくなるだろう。それでも、もちろん、世界経済の回復にもかかっている。「だが終わりのない貿易戦争は、世界の資源需要に明らかに影響し、リスク回避となり、つまり、（ル−ブルも含め）収益資産を手放し、保護資産（ドル、円、フラン）を購入させている」とクプチケヴィッチ氏。ドミトリ・バビン氏によると、ロシアにとっては、外交リスクからみると、やはり、トランプ氏のほうが望ましい。「ソ連時代から米国との関係は、民主党候補が大統領になると、伝統的に悪化した」と同氏。「石油価格、ル−ブル、ロシア資産にとって、現大統領が続行したほうが好ましい。これは、バイデン氏には、ロシアとの地政学的問題ではより厳しい立場である点からも、より好ましい」とミロニュク氏。一方、市場は、バイデン氏の勝利を見込み、ドル売りがこれを語っている。ドル相場が下がる一方、元相場は逆にこの17ヶ月で、最高値となった。金曜日には1％以上、上昇した。この4年間で、最大の上げ幅である。原因の一つは、中国との貿易戦争を終わらせるバイデン氏が勝利すると投資家が思っているからだ。最初、バイデン氏の勝利はドル安となるかもしれないが、長期的にみると、もっと厳しい通貨・金融政策がドルを支えるだろうと、ドミトリ・バビン氏。トランプ氏が勝利すると、ドルは長期にわたり、安くなり、何故なら彼は、超緩和通貨政策の支持者だからだ。勝利後すぐに、ドルは主要通貨に対し、過去2年間で最低となるだとう。とはいえ、ドルに関しては多くの点で、経済状況にかかっている。経済の弱い回復は、主要通貨に対し、ドル安にさせ、早い回復と、2％以上のインフレ率は、ドル高にすると、同専門家。　

−9日（金）「消費者信頼感指数、5年間で記録的数値」（「ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ」紙）統計庁による消費者信頼感指数は2020年第三四半期、突如、記録的に上昇し、一気に8ポイント上がって、−22％となった。これは、ロシアの経済状況の見通しをマイナス又は横ばいと評価する人の数が減少したことを示すものである。消費者信頼感指数は、来年の経済期待に関し、アンケート調査にもとづき、形成される、ロシア国民に突如現れた楽観論は、実質消費者行動に関するアナリストの観察とは食い違うが、国民は、危機に順応し始めたともみえる。「この指数は、2014年と2015年のみ、かなり上昇した」と統計庁。最も楽観論が多かったのは、30〜49歳の世代（上昇率は10％）と15〜29％の若年層（7％）。この指数上昇は、楽観的な国民が増えたことではなく、悲観論者が減少したことによる。来年、ロシア経済をプラスに変化するとみている人の割合は、第二四半期の18％と比べ、第三四半期では15％まで下落した。ネガティブ評価の割合は45％から36％まで減り、横ばいは34％から45％に増えた。回答者の個人経済状態指数も改善した。来年、自身の経済状態の改善を期待する人の割合は、以前通りで10％である。横ばい評価の数は56％から64％に増加し、ネガティブ評価の割合は31％から23％に減少した。また大きな買物をする用意のある国民数も増加した（13％増）。第二四半期、消費者信頼感指数は、第一四半期比で19％下落し、マイナス30％となった。この指数ではロシアは欧州ではスロバキア、ギリシャ、ポルトガル、スペインと並び最悪の位置にある。とはいえ、戦略策定センタ−長ウラジスラフ・オニシェンコによると、回答者の期待は、6月初め、隔離解除やコロナウイルスを克服したと、政府の表明後、過大となったのかもしれない。統計庁のアンケート調査は、現在の「第二波」の始まりというニュ−スが出る前に行われた。これは、スベルバンクのデ−タでも確認されている。7月〜9月、家計支出は昨年比でほぼ横ばいで、9月末〜10月初め、再び下がり始めた。スベルバンクのデ−タによると、最も売り上げが被害を受けた分野は、カフェ、レストラン、娯楽、スポ−ツ、ホテル、「本、音楽、写真、ビデオ」であり、それでも、後者は、強制「自粛」の中、高い需要があるはずだった。プレハ−ノフ記念ロシア経済大学企業活動・ロジスティクス学科准教授イゴリ・ストロガノフは、国民は危機にすでに順応し、そのため、悲観的予想には反応しないとみている。「人には次のような特性がある。驚けば、驚くほど、あまり気にならなくなる。順応し、気づかなくなる」と同専門家。格付け会社「エクスペルトRA」の主席エコノミスト、アントン・タバフによると、期待感と消費者信頼感指数の上昇は、主にいわゆる“先送りされた需要”と、コロナウイルス第一波からのきわめて早期の脱却によるものである。その予想では、現在、消費者信頼感指数は、これ以上は上昇せず、横ばいとなる。

−7日（水）「千ル−ブル以内：コロナウイルス・ワクチンの価格はいくらか？」（コロナウイルス・ワクチン価格の上限）（GAZETA.RU紙、スヴェトラナ・クラフチュク）連邦独占禁止庁は、コロナウイルス・ワクチンの価格を伝えた。目下、この価格は接種1回分、千ル−ブル以内で設定されている。こうした価格は、ワクチン生産量により定まる。増産には資金が必要となると、同庁。連邦独占禁止庁長官イゴリ・アルテミエフは、接種1回分、千ル−ブル以上にはならないと発言。「価格は例えば、千ル−ブル以内といわれるが、千ル−ブルまで高くなるかもしれないと理解している。何故ならワクチンは、比較的少量が生産されているからだ。生産拡大には資金が必要」と同氏。それによると、料金がコストにより定められるという独自の方程式が作られる。何故なら、現在、他国と比較できるベ−スがないからだ。連邦独占禁止庁長官によると、目下料金は設定されていない。しかし、千ル−ブル以下となるだろう。「リファレンス国に対し、指標が出てくると、今後、価格はさらに下落する」と同氏。具体的にどのワクチンを指しているのか、明らかにしなかった。何故なら、ロシアではワクチン三種類が開発されているからだ。目下、ロシアでしか、公式にはワクチン登録されていない。現在、リファレンス国にもとづく分析はない。それによると、その他の会社は、まだ自社のワクチンを試験している。「もちろん、企業が出している情報を見守っている。ワクチン接種料がどのくらいなるのか、追跡している。現在、二回の接種が必要だが、これは法的要因ではない」と同氏。モスクワでは、9月初め、登記後のワクチン試験が始まった。二日後、最初の参加者に接種された。調査には4万人が参加する。モスクワに住んでいる人であれば、誰でもボランティアになれる。1万人は擬薬が投与され、これはワクチンの有効性を検査する上で必要となる。ワクチン接種は無料である。試験は、首都の医療機関16カ所で行われている。連邦独占禁止庁長官は、コロナウイルス治療薬の価格問題にも触れた。「ロシアではリファレンス国全ての中で、最安値となるだろう。そのため、1万2千ル−ブルを欲しても、これは、例えば、ポーランドやカザフスタンで20ル−ブルであれば、20ル−ブルとなるだろう」とアルテミエフ氏。この場合、連邦独占禁止庁は、高価格を認めない。同庁は価格設定する際、リファレンス国にもとづく比較特性法を利用する。何故なら海外では類似の薬品がすでに生産されているからだ。以前、ネットでは、ロシアのコロナウイルス薬「アレプリヴィル」価格について、激論があった。「プロモメド」社代表アンドレイ・ムラデンツエワによると、この薬は、大都市の薬局には1パッケージ12320ル−ブルで納入されている。これは40錠、200mgである。一方、類似品は50錠、200mg、1パッケージ、11550ル−ブルとなる。コロナウイルスの流行は昨年12月に始まった。夏、ロシアその他の国で、感染率は若干下がったが、9月から新たに増加し始めた。例えば、ロシアでは毎日、感染率が上昇している。昨日、ロシア83の地域で11615人が感染した。その内、28.3％は、無症状である。この間、188人が死亡し、6252人が快復した。最も感染者が増えているのはモスクワである。1日当たり、4082人の市民が感染した。

−10月5日（月）「外国企業の支社は、ロシアで登記できる」（外国企業は今後、ロシアで別個の会社を登記する必要はない）（イズヴェスチヤ紙、エカテリナ・ヴノグラドワ）製薬会社、医療会社、教育関係会社など、こうした外国企業の支社は、ロシア企業と同じく、ライセンスを取得出来るようにすると、経済発展省の法案。全体として、ロシア市場参入の障壁緩和の対象となるのは、一気に52の業種。経済発展省は、新法により、外国企業の到来を期待している。しかし、専門家は、ロシア市場への参入簡素化の裏面は、国内企業の利益を損ねることであると見ている。現行法では、ロシア国内でのライセンス取得は、法人を設立し、国家統一法人簿に登記しないと、できないと、経済発展省ライセンス交付・監督活動・認可・自主規制政策部長アレクサンドル・ヴドヴィン。だが外国法人には、こうしたデ−タはない。ロシア国内で活動を始める前に、国家統一法人簿に登録できない。何故ならこの法律は、特別のリストに登記して支社の認定を求めているからだ。「ロシア国内でライセンスにもとづき、活動を予定している外国企業は、子会社を設立する必要がある。法律の改正では、この規制部分が削除される」とアレクサンドル・ヴドヴィン。改正により、外国企業の支社は、登記簿に登記した番号と日付にもとづき、ライセンスを取得できる。法案は、「事業活動体の権利と法的利益の保護」にしたがい、「事業環境の変革」措置として、準備されたと、経済発展省。改正案では、この対象となるのは、52の業種であり、その業務開始にはライセンスが必要となる。その内最も要望のあるのは、教育分野、医療分野、旅客自動車輸送、製薬分野である。許可された外国法人支社の名簿のリストによると、ロシアでは2015年〜2019年、外国企業の支社2257社が活動していた。改正法により、ほぼ全てのライセンス交付される事業を実行する多くの外国企業がロシア市場に参入させることができると、ロシア法律家協会会員マリヤ・スピリドノワ。さらにロシアの法律関係ですでに活動している外国企業が以前許可されなかった分野に取り組むことを促進させる。この措置は、何らかの形で外国企業が事業拡大する上で寄与し、新たな職場を生み出すなど、そうしたことが起こるはずであると、同専門家。とはいえ、全ての外国企業が、独立した法人を設立しないで、支社によりロシア国内で活動できるわけではない。先ずこれは、金融分野に関係する。中央銀行は、外国企業には銀行業務のライセンスを交付せず、政府もその規則に影響を及ぼすことはできない。何故なら、中央銀行は政府から独立しているからだ。ライファイゼンバンク、ロスバンク、ｼｲﾃｲバンク、「ユニクレジット」、ドイチェ銀行は、どのような手続きが望ましいか、本紙の問いに答えなかった。欧州ビジネス協会、ドイツ商工会議所は、経済発展省の改正案は、どれほど必要か、これについてはコメントしなかった。法案の合理性には疑問はない。これにより、外国企業は、参入の法的形態の選択では、より柔軟性をもてるようになると、「CPMG」社ロシア・CIS担当法務実務パ−トナ−、オリガ・ヤシコ。だが改正案の実行は容易ではない。何故なら既存の多くの法律が関係するからだ。各業種ライセンス交付条項は改正が必要となる。従来の法人にとって、支社の主な優位点は、本社と銀行口座を共有できる点であり、一方、独立した「子会社」は別個の口座をもつ必要があると、格付け会社「NCR」執行役員ドミトリ・オレホフ。このほか、外国法人のロシア子会社は、本社から資金提供を受ける場合、追加の書類が必要となる。この法案が発効すると、時間や経済コストを最適化することで、行政障壁を大幅に引き下げ、またロシア経済全体の投資魅力が向上すると同専門家。だがそれでも、一定の懸念はある。「こうした新法の主なリスクは、ロシアプレ−ヤの利益を損ねることや、ロシアの経済的豊かさや、安全が強く関わっている戦略的重要な市場に対する外国企業の参入である」とドミトリ・オレホフ。当初、ライセンス交付は、企業活動をより規制する目的で導入されたと、「フリ−ダム・ファイナンス」社アナリスト、エフゲニ・ミロニュク。中でも、国家間の金融情報の自動的交換により、現代の管理方法では、厳しい規制の必要性はなくなったと、推測できる。改正により、企業に対する行政負担を低下できるが、企業数は多くは増えないだろうと、同専門家。

2020年9月

−30日（水）「希望はすてない：ロシア国民は、新年をどこで過ごしたいか」（アナリストは、新年で最も人気のある場所をあげる）（GAZETA.RU紙、イリナ・ヴラソワ）ロシア国民は、新年祝日の旅行を計画し始めた。現在、主に国内方面の予約が入っているが、それでも、海外旅行も希望している。例えば、タイ向け航空チケットは、クリミア方面の倍の人気である。ユ−チュ−ブのおかげで、メキシコの関心は140倍も増えた。人気海外旅行の価格は、感染症の不確実性の中、需要減により、昨年より下落した。ロシア国民は、秋の休日と新年祝日の準備を始めた。航空チケットの需要は三倍増えたと、オンライン販売店「Wildberries」のアナリスト。それによると、9月前半、チケット問い合わせ数は、8月比で33％増。例えば、9月、航空チケット閲覧トップは、フルガダ市（エジプト）とシャルム・エル・シェイク市で、ロシア国民の関心はほぼ６.5倍。それでも、この方面は、まだ公式には閉鎖されている。エジプト首都カイロには、ほぼ5倍の人気で、ギリシャ首都アテネは、ほぼ4倍の人気。スペインで最も人気のある都市バルセロナの航空チケットは3倍増である。それでもそこへの旅行は、政府はまだ許可していない。秋、最も人気のある方面としては、「Wildberries 航空チケット」社のアナリストは、モルジブ（3倍増）、キエフ（2.4倍）、ニューヨーク（72％増）、トビリシ（40％増）、エレバン（24％増）、ミンスク（14％増）、ベルリン（6％増）をあげている。特記すべき点としては、メキシコの航空チケットの需要はほぼ140倍増。同社は、これは、YouTubeにメキシコの観光地以外の旅行動画のせいとみている。ロシア南部の航空チケットの需要は、さほど増えていない。例えば、ユ−ザは、ロストフ・ナ・ダヌ−とクラスノダルの航空チケットの需要は12％増、ゲレンジク市は5％増となっている。シンフェロ−ポリとクリミアの関心は、同社によると、8月末とほぼ同じレベル。新年、多くのロシア国民は、国内で休暇を過ごそうとしている。新年に対するロシア国内の航空チケット需要は、9月では24％増加したと、「Wildberries」社。新年を迎えるため、ロシア国民の多くは、現在、カリニングラド、カザン、サンクトペテルブルクで過ごす予定。アナリストは、クラスノヤルスク（3.5倍）、ノヴォシビルスク(約倍)、エカテリンブルク（55％）に対する需要の急増と指摘しており、今夏初めから人気の上がっているウラジオストックでは50％増である。新年旅行の海外方面としては、ユ−ザは、プーケット（タイ）（9月、ほぼ3倍増）とアンタルヤ（トルコ）（14％増）のチケットについて問い合わせしている。「Aviasales」社にユ−ザが問い合わせした冬季休暇でトップは、タイとトルコである。ロシア国民は、新年休暇としてアラブ首長国連邦や米国はさほど検討していない。「興味深い点としては、新年祝日のタイ行きチケットは、クリミアの倍以上の需要である。しかし、購入の点からすると、国内方面はもちろんトップである。これは、確実性が高いからだ。その上、タイは外国人観光客には閉鎖されており、政府は、10月から入国できる方法について協議しかしていない」と同社広報。12月30日〜1月10日、観光方面としては、ロシア国民は、モスクワ、サンクトペテルブルク、ソチ、カリニングラド、シンフェロ−ポリ、クラスノダル、ミネラリヌエ・ヴォデイ、カザン、ノヴォシビルスク、エカテリンブルクへの旅行を検討していると、「OneTwoTrip」社。海外旅行先の国としては、トルコ、タイ、アラブ首長国連邦、イタリア、モルジブ、米国、ウズベキスタン、チェコ、タンザニア、エジプト行きのチケットについて、かなり問い合わせしている。「予約についていえば、新年祝日、チケットの購入は主にロシア国内向けです。海外旅行チケットの購入は、目下、さほど多くはない。現在、先ず、予約はタイ、アラブ首長国連邦、イタリアである。新年祝日向けに購入された航空チケットの平均価格は、昨年同期より30％安い」と同社広報部長エレナ・シェレホワ。同氏によると、現状ではかなりの旅行者が2019年同様に予め、新年チケットを購入する予定であり、何故なら人々はコロナウイルスの状況に懸念しており、再度の国境閉鎖や、制限措置の復活の若干の可能性で、観光客を慎重にさせている。昨年、ロシア国民は、航空チケットの予約は2.5倍増やし、海外旅行にかなり関心があったと、「OneTwoTrip」社。新年祝日の旅行内容も、若干変化しているように思えると、「Aviasales」社。それでも、ロシアは相変わらずトップであり、続いてタイ、ドイツ、スペイン、イタリアである。同社によると、国内チケットの平均価格は、2019年水準のままである。タイ、アラブ首長国連邦、米国は20％安く購入できるが、逆にトルコは15％高くなっている。ロシア国民が最近、航空チケットについて、よく問い合わせしている事実は、ロシア旅行業者協会会長ドミトリ・ゴリンも認めている。「先ず、国内旅行のPR活動や、航空チケットの大幅割引は、新年旅行にとって、刺激となるだろう。第二に、あらゆる国内旅行に対し、旅行者に20％に戻すキャッシュバックも、拍車をかけるかもしれない」とこうした傾向について同氏は説明。それによると、海外旅行の選択は相変わらず、きわめて少ない。現在、休暇で最も人気のある国は、タイであり、8月、44万8千人がそこで休暇を過ごしており、それも、最盛期の快適シ−ズンである。ドミトリ・ゴリン氏は、現在、早期予約は、人気はなく、多くの不確実性の持続により、事前予約の傾向があり、出発の1〜3週間前に旅行を決定することに注目している。新年旅行の可能性についていえば、ゴリン氏によれば、現在、タンザニアへの特別飛行プログラムの立ち上げ問題について議論している。「新たな予約は、以前ほど活発ではないが、新規予約はある。旅行会社と観光客は現在の不確実性に順応している。現在、旅行会社は、旅行代金の1〜3％を前払いして、特別の事前予約ツアーを提案している。全額支払いは、国境が完全開放した後に行われる。旅行予約を来年に変更する人もいる」とロシア旅行業者協会会長。

−25日（金）「ル−ブルの波：国内通貨は年内に高くなるだろうか」（専門家は、目下、ドル預金を奨めない）（イズヴェスチヤ紙、ロザ・アルマクノワ）ドル相場は木曜日、77ル−ブル、ユ−ロ相場は90ル−ブルを突破したが、本紙が取材した専門家は年内にル−ブル高になることもありうると指摘。これは、石油価格の上昇と世界金融市場の心理改善があれば、ありうる。この場合、ル−ブルは、1ドル70〜75ル−ブル、１ユ−ロ82ル−ブルまで高くなる可能性があると、アナリスト。だが新たな記録も否定できない。コロナウイルス第二波、世界の地政学的状況、制裁の激化など、ル−ブルにたいし、いっそうの圧力になるかもしれない。これにもかかわらず、アナリストは、貯金や投資手段として、外貨の購入を勧めていない。現在、相場はきわめて高く、いっそうの上昇には限界がある。9月24日、モスクワ取引所で取引開始後、ドルは77.4ル−ブルまで上がり、この数ヶ月で初めて春の数値に近づいた。ユ−ロも、90.2ル−ブルになった。ル−ブル安の原因は、本紙が取材した専門家の意見では、世界金融市場のリスクの大幅な見直しや、欧州における感染症状況の悪化のため、保護資産への資本の移動である。だが通貨価格は新興国だけでなく、先進国でも下がっている。国際コンサルティング会社「FinExpertiza」副社長イルギズ・バイムラトフによると、ドル高の主因は、常にリスク回避である。現在、欧州での新たなロックダウンの開始が投資家の不安となっている。向こう3年間、公定歩合の低金利を維持すると表明した米FRBも火に油を注いでいると、「TeleTrade」社主席エコノミスト、マ−ク・ゴイフマン。米大統領選が近づくにつれ、不確実性も無視できないと、同氏。国内通貨にとって、有用鉱物採掘税の引き上げも圧力になる。これは、エンドユ−ザに影響すると、金融・投資管理アカデミ−専門家アレクセイ・クリチェフスキ−。ル−ブル安のさらなる要因は、石油価格のネガティブな動向や、地政学的リスクであると、「フィナム」社アナリスト、アンナ・ザイツエワ。対ロ制裁の活発化も、大きな影響となっていると専門家。隣国ベラルーシの状況や、アレクセイ・ナヴァリヌイ事件も、かなり圧力となっている。とはいえ、「エクスパ−トＲＡ」社主席エコノミスト、アントン・タバフによると、ル−ブル安の新たな原因は、トルコ問題や米市場の神経症のほか、存在しない。ル−ブルにとって、2020年は、完全に試練の年となった。ル−ブル相場下落の原因は、コロナウイルスの流行と制限措置の導入であり、国境の全面閉鎖や、全世界の会社の休業となり、またOPEC＋協定の破綻による石油価格の下落である。3月初め、Brent石油は1バレル51ドルから4月半ばには20ドルまで下落した。その結果、ドルは66ル−ブルから80ル−ブルへ、ユ−ロは72.5ル−ブルから90ル−ブルに上昇した。夏の初め、短期のショッキング価格の後、ル−ブルは高くなり始め、ほぼ危機前の数値となった。ドルは68ル−ブルで取引され、ユ−ロは76ル−ブルで取引された。それでも、6月半ばからル−ブルは再び下がり始め、比較的高値の石油価格も防ぐことはできなかった。9月は、8月のトレンドを続け、当時、ル−ブルは、様々なストレスをうけ、大きな乱高下となった。相場は上昇したが、ル−ブルだけが下落した。先月、ロシア通貨は米通貨とともに2.3％安くなり、ユ−ロでは2％安くなった。為替市場の不安定な環境で専門家はそれでも、貯金及び投資手段として、外貨購入を勧めていない。現在、相場はきわめて高く、今後の上昇には限界があると、マ−ク・ゴイフマン。外貨は投資手段を形成する上で魅力的ではなく、何故なら若干ル−ブル高の可能性があるからだと、イリギス・バイムラトフ。こうした中、ロシア証券市場に注目すべきであり、投資家にとっては、過小評価と、会社によっては高い配当金で相変わらず魅力的である。「BCSプレミエル」社投資戦略家アレクサンドル・バフチンによると、中期的リスクを考えると、国債や信頼できる社債が注目されている。アナリストによると、短期的にはル−ブルに対する圧力は続くが、ル−ブル高のトレンドも排除できない。ロシアに対する制裁軽減や、1バレル50ドルまでの石油価格の上昇、世界金融市場の心理改善などあれば、そうしたトレンドも出てくる。これは、ロシア証券に対する外国人投資家の関心となるだろう。2020年末までにポジテイブなシナリオでは、アナリストによると、ル−ブル相場は1ドル70〜75ル−ブル、1ユ−ロ82ル−ブルとなる。ネガティブなシナリオでは、ロシア通貨は1ドル78〜80ル−ブル、1ユ−ロ89〜91ル−ブルで、年を越えるかもしれない。

−17日（木）「米制裁により、EUには、ロシアガスの代替がないと確認」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）「ガスプロム」社は、EUエネルギ−市場で固い立場を維持していると、国家エネルギ−安全基金主席専門家、金融大学講師イゴリ・ユシコフ。「ガスプロム」社代表アレクセイ・ミレルは、ロシア大統領と会い、欧州ガス市場の状況について語った。ここでの出来事は、ロシアエネルギ−部門の展望に直接影響する。同氏によると、ロシア天然ガス輸出は2020年、「ガスプロム」社の歴史で、５つの最良業績に入ると、「10年代」のロシア輸出のかなりの増加を考えると、あり得ることである。「ガスプロム」社は、EUでは強固なポジションをもっている。液化天然ガスは、かなり高く、ノルウェーや、オランダ、アルジェリアなどEUへの他のガス輸出国は、採掘量を増やしておらず、「ガスプロム」社の代替とはならない。「ミレル氏の予想は、EUガス市場の出来事に対し、楽観的な見解ではあるが、2017年及び2018年と比べ、今日、明らかに消費減少がみられる。これまで、ロシアは、ガス輸出では常に記録的にものとなっていたが、2018年、2000億㎥を超えた」とユシコフ氏。現在、ガス輸出にはいくつかの要因が影響している。先ず、2019年〜2020年の暖冬。第二に、液化天然ガス市場における供給過剰。第三に「コロナウイルス危機」と、それによる欧州におけるエネルギ−消費量の減少である。こうした理由で、ロシアガスの展望は、コロナウイルスのパンデミックだけでなく、欧州におけるエネルギ−状況にかかっている。2019年、世界市場では液化天然ガスは過剰となり、一方、中国では米国からの液化天然ガスの購入は一時停止となった。こうしたことで、EUのガス価格は、ガスプロム社にとって、受け入れがたい価格まで暴落した。コロナウイルスのパンデミックは、こうした傾向を強めるばかりだが、ガスは石油ではないので、コロナウイルスには直接関係ない。「欧州では、ガス市場で激しい競争があり、価格は暴落し、そのため、2020年、ロシアガス2000億㎥は、話題とはならない。多くは、欧州で冬がいつ始まり、2020年末、気温はどうなるか、そこにもかかっているが、輸出総量1650〜1700億㎥が実態に近い」とユシコフ氏。記録からは離れるが、ここ10年間の展望からすると、今年、ガスプロム社にとって、さほど悪い年ではない。「こうしたかなりの暴風さえなければ、はるかに良いものとなるだろう」とユシコフ氏。ロシアの収入についていえば、これは今年、ガス取引の価格を考慮すると、かなり減少する。1バレル100ドルの石油時代、欧州市場では1000㎥の価格は400〜450ドルであった。春には価格危機により、ロシアは、EUにおけるガスプロム社のガス売上高より、金の売却により多くの収入を得たという出来事があったが、これは偶然のことである。危機時、常に保護資産として、金の需要は増える。「経済的にみれば、ガスプロム社はかなり落ちこんでいる。EUスポット市場で価格は千㎥50ドル以下となり、ガスプロム社の長期契約では、100ドル以下となっている」とユシコフ氏。全体として、2020年は世界にとっても、ガスプロム社にとっても、悪い年である。ロシアのパイプラインによるガス輸出では、販売量と価格で落ち込みはあったが、こうした状況は、欧州におけるロシア企業の立場には影響していない。「コロナウイルス危機」はいずれにしても、一定の限界はあるだろう。おそらく、こした出来事の後、EUでは優先課題が若干変わるだろう。例えば、代替エネルギ−が大きな役割を演じるだろうが、欧州ではガス需要は減少しないだろう。「最近の出来事は、欧州エネルギ−市場の展望に影響するだろう。欧州では今日、自前のガス採掘は減少しており、この量では、輸入によって、完全には置き換えることはできない」とユシコフ氏。若干、自前採掘は、燃料競争により、他のエネルギ−源で補われるだろう。これは、最も明らかな現象であり、ここ数年、欧州エネルギ−市場でも見られる。したがって、ガス輸入は、一部、風力やソ−ラに換えられ、これは、EUではどこでも建設されている。「誰も、ガスをやめようとはしないだろう。燃料競争では、炭化水素資源の価格は下落しており、これは今日、再生可能エネルギーの発展により、より競争力が出てきている」とユシコフ氏。風力発電やソ−ラ発電は、EUで経済革命とはならず、デンマークやドイツではエネルギ−価格は限界まで上昇している。ドイツではこのため、石炭需要が増えたことを考えると、EUにおいてガスは、かなり展望がある。「代替エネルギ−への補助は、現代の環境ではかなりコスト高であるが、その他の点でEUにおけるエネルギ−資源市場はますます、混迷するだろう。そこでは、石炭も、ガスも、再生可能エネルギーも存続し、水素のような新たなエネルギ−源が登場し、ガスプロム社についていえば、欧州におけるロシアの立場は強固である」とユシコフ氏。まさにこのため、対ロ制裁は、米国の対外政策の基本の一つとなった。

−15日（火）「10年間の所得危機」（2010年代初め、国は最早戻ることのない「豊かな」時代にあった）（独立新聞経済部次長アナスタシア・バシカトワ）木曜日、政府は経済発展省の2023年までの社会経済予想について検討する。同省によると、今年の経済落ち込みは、懸念したほど深くはなく、その後、回復成長が始まる。それにもかかわらず、2023年でも、ロシアは経済危機前である2013年の国民所得水準には戻ることはない。この年は、今日では最早戻ることのない「豊かな」時代といわれる。2023年、国民所得は、シナリオにもよるが、2013年より3〜5％少ない。パンデミックとロックダウンは、ロシア経済に打撃を与えたが、経済発展省の最新の予想によれば、想定したほど、大きくはない。経済発展省は、これまでの予想と比べ、今年の評価を改善した。経済の現況は、個人と企業に対し、新たな支援措置を求めず、経済危機は、構造的な性格ではなく、一連の部門において、中小企業の枠内でおさまり、厳しい経済状況は、未払い危機とはならずと、経済発展省の結論。政府は最新予想を9月17日に検討する。新たな予想によると、ロシアGDPは2020年、予想した約5％ではなく、3.9％の落ち込みとなる。2021年、経済成長は3.3％となり、2022年では3.4％、2023年では3％となる。これが基本シナリオである。ちなみにロシア統計庁のデ−タによると、2020年第二四半期、ロシアの経済落ち込みは、年換算で8％となった。以前、経済発展省は、落ち込みは約4％と予想していた。2021年、国民所得は3％増え、その後、増加は減速し、2022年では2.4％、2023年では2.5％となる。統計庁によると、2020年第二四半期、個人の実質可処分所得は、前年比で8％減少し、半年間では、2019年同期比で3.7％減少した。「私たちの見解では、2021年以降、経済発展省の予想は、現実的というより、目標値に思える」と「Macro Markets Inside」社分析部専門家。「今年の評価は現実に近い」と専門家は述べたが、それでも、予想によると、2020年、経済の落ち込みは4〜4.5％になる。「石油価格の早い回復、世界経済における記録的な流動資金量、予想より早い消費者需要の増加などが、数値を改善させた。特に重要な点は、8月までにロシア国内の自粛措置をほぼ完全に解除したことである。それでも、秋にも再度自粛の必要が出てくるかもしれない」と「フリ−ダム・ファイナンス」社アナリスト、エフゲニ・ミロニュク。同氏によると、国家回復プランが経済に与えるインパクトは、ロシアにとって有益なものである。「経済発展省の最新デ−タは、きわめてありうるものであり、何故なら政府が行った巨額の投入は、経済にとって、跡形もなく、なくなるわけではない」とロシア経済大学准教授オリガ・レベヂンスカヤ。しかし、同専門家によると、こうした「故意に作られた実質賃金は政府介入の停止と共に消滅し」、「安くなっている国内通貨の中、支払いを停止すると、再びデ−タは悪化する」と同氏。国家統計庁によると、労賃は、国民所得の約三分の二にあたり、ここ数年、この割合は明らかに増えている。20％以上は社会手当である。その他は、他の形態の所得であり、資産や、事業等の所得である。政府が公務員給料の全面的維持と、社会手当の増加を止め、民間部門で労賃増加の財源が出てこず、その上、企業活動が回復しないと、国民の経済状態はさらに長いこと、改善しないだろう。マクロ経済分析・短期予想センタ−の計算によると、今年第二四半期、国民の実質可処分所得は、経済危機前の2013年の四半期平均値より約13％少ない。ちなみにパンデミック問題が出る前、ロシアは停滞した経済状態にあった。2013年は、国民所得が堅調に増えた最後の年となり、今では、「豊かな」年とも言える。2014年から国民所得は減少し始め、年によっては、2018年や2019年、象徴的に増加した年もある。これは過去を振り返ってのことだが、ネガティブなトレンドを変えることはなかった。2014年からの統計庁デ−タと経済発展省の新予想をベ−スにすると、2023年でも、国民所得は、2013年水準には戻らない。これは、シナリオにもよるが、約3〜5％少ない。したがって、国民所得の危機は2014年〜2023年という10年間続くことになる。

−10日（木）「来年から休み：12月31日は休日になるかもしれない」（労働省は2021年の休日スケジュールを準備）（GAZETA.RU紙、アレクサンドル・レスヌフ）労働省は、新年祝日を10日間連続で休めるように来年、休日を移動させるよう提案。同時に同省は、来年12月31日を非労働日にする予定だが、今年はこうしたことはない。この政令案がこのまま承認されると、1月1日から10日まで休みとなり、来年、最初の労働日は月曜日となる。しかし、このためには5月の連休を短縮することになる。5月の休日移動プランによると、5月1日〜3日及び8日〜10日は休日となる。例えば、2020年では5月の連休は1日〜5日と9日〜11日で、つまり合計では6日間ではなく8日間あった。来年、さらにいくつかの連休がある。とりわけ、2月21日〜23日、3月6日〜8日、6月12日〜14日、11月4日〜7日である。「刷新された休日スケジュールは、組織及び様々な個人の利害を考慮して作成され、これにより合理的に休日を利用できる」と労働省。さらに一つ、新規の日程は、来年12月31日だが、これも休日にする提案である。こうした考えはすでに下院で支持されている。とりわけ、下院労働・社会政策委員会委員長ヤロスラフ・ニロフは、この決定は賢明な判断とし、これは昨年もやればよかったと指摘。同氏によると、ロシア自由民主党は、12月31日は常に休日となるように休日を自動的に変更するよう提案した。「2021年12月31日の休日には2年かかったが、これが行われる。こうしたことから、賢明な決定となったが、如何せん、きわめてゆっくりである。これは昨年12月も調整できた」とヤロスラフ・ニロフ氏。労働省によると、今年、12月31日を休日とする決定は下されなかった。しかし、地方政府は以前同様に地方レベルでこれを行うことができると、すでに8月半ば、ヤロスラフ・ニロフ氏は述べている。「12月31日に人々が仕事にやってくると、半ばときめいた状態で食卓を用意し、互いに祝いを述べ合い、最早、誰も実際には、重要問題に取り組んでいない」と同氏。昨年、12月31日は火曜日だったが、ロシアの41地方自治体はこの権利を行使しなかった。その中にはレニングラード州、スヴェルドロフスク州、ヴォルゴグラド州、タタルスタン自治管区、ユダ自治管区もある。しかし、こうした機会を利用できるのは国家公務員だけであり、一方、民間企業の社員はこれには関係ない。ただし、若干の企業経営者は社員に対し、休日を慌てて準備させないようにしている。そのため、労働日を最後の土曜日、12月28日に移動させる申請書を出した。年最後の日を休日にするという考えは、若干のビジネス界の代表も支持している。とりわけ、食品メ−カ・供給会社協会「ルスプロドソユーズ」専務理事ドミトリ・ヴォストリコフは、労働生産性が最も低いので、12月31日は、家で新年の準備をさせるほうがよいと発言。これには、ロシア商工会議所会頭セルゲイ・カトウリンも賛成し、祝日サ−ビスを行う企業は売上が伸びるので、儲かるばかりだろうと説明。とはいえ、ロシアでは定期的に長い新年休日を短縮するという提案が出てくる。その理由の一つは経済的な問題である。昨年、アナリストの計算では、この間、休日1日で、1200億〜1500億ル−ブルの損失となる。その結果、加工業の休業により、ロシアは毎年、約1.3兆ル−ブルの損失となっていると、「BCSプレミエル」社金融アナリスト、セルゲイ・デイネカ。「AMarkets」社分析部長アルテム・デ−エフは、当時、新年祝日の損失は月間GDPの1.2〜1.5％になると評価していた。最も大きな損失を出す部門としては、鉱業部門と重工業部門をあげた。しかし、同時に長い祝日は、小売店の助けになっていると、会計会社「Deloitte」のアナリスト。例えば、昨年、新年の支出は14％増えた。プレゼント、娯楽、新年食卓に国民は平均で約1万9300ル−ブルを使った。

−7日（月）「石油ガスは、新興国の経済的切り札になる」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）今後10年間、炭化水素資源の放棄は、EUでは徐々に進められるが、世界ではそうには、ならないと、国家エネルギー研究所長セルゲイ・プラヴォスドフ。ロシアエネルギ−省次官パヴェル・ソロキンは、石油ガス時代の終焉という話は、陰謀論みたいなものと指摘。ソロキン氏によると、　世界の状況が悪いほど、市場がより乱高下するほど、より衝撃が大きいほど、様々の根拠のない話が出てくる。こうした陰謀論は、存在しない問題を解決するためのものである。こうした論理は、「コロナウイルス危機」時、メインストリートとなった炭化水素資源の終焉論には使えるものである。COVID−19のパンデミックは、従来のエネルギ−資源の需要を減らし、人々を家から出さず、以前では現実の活動を求めた多くのことが遠隔で行うようになったが、石油ガスの放棄を意味しない。先進国では労働様式の変化により、世界市場における炭化水素資源の需要回復は遅れるだろうが、最終的に需要が回復することに疑いの余地はない。石油ガスは、主なエネルギ−源として残るだろう。「そこでは二つの異なる意見が争っている。欧州の人たちは、炭化水素ではないエネルギ−の方向に進み、再生可能エネルギ−や、電気自動車などを発展させると主張している。これは高くつくという考えには惑わされず、欧州でのこの論拠は、こうしたコストで気候について配慮しているという意味である」と、プラヴォスドフ氏。そこから、一連の欧州諸国では代替エネルギ−の発展につながった。2020年上半期、分析センタ−「Ember」のデ−タが存在する。以前、このセンタ−の報告は、年全体として出てきたが、今回は半年である。原因は明らかにイデオロギー的なものである。「Ember」のデ−タによると、再生可能エネルギ−（風力、太陽、水力、バイオマス）の割合は、欧州の発電部門では、炭化水素資源（石炭とガス）の割合より多い。再生可能エネルギ−の割合は、欧州発電量の40％であり、炭化水素資源の割合は34％である。残りの24％は原子力発電であり、これも、有力の「緑」の党の絶え間ない圧力下におかれている。鉱物燃料、あるいは炭化水素資源は、欧州では上半期、1年前より18％少ない。この原因は、欧州における電力消費量の7％減と、欧州のエネルギ−政策である。欧州では、料金を用いて、代替エネルギ−部門を伸ばそうとしている。消費者は高い再生可能エネルギ−と安い炭化水素資源からなる平均価格を支払う。これは、欧州におけるこうしたエネルギ−分野の発展の保障である。「第二の見解は、世界で最も人口の多い中国とインドで、石油、石炭、ガスを放棄するつもりはない。そこでも再生可能エネルギ−はあるが、全体の一つとしてあるだけである」とプラヴォスドフ氏。新興国経済は石油ガスをますます多く利用するだろう。今日、最も好まれない原料は石炭と見なされているが、インドでは、このエネルギ−資源の消費を大幅に増やす予定である。「石炭は環境的には最も汚染する。多くの国は、この消費を削減しようと努めているが、こうした電力発電は、環境的悲劇となるが、石炭消費を増やそうとするインドの最大の問題である。こうしたことは中国でもあり、常にスモッグで覆われている」とプラヴォスドフ氏。中国も、石炭を放棄するつもりはなく、熱電併給発電所の改修方針を堅持しているが、石炭消費を停止することはない。それでも、徐々にガス発電に移行するつもりである。「今日、中国はその他の国全てが使う量とほぼ同じ石炭を消費している。中国は、他のエネルギ−にも進むが、目下、自国に向いている」とプラヴォスドフ氏。石油ガスについていえば、同氏によると、予想のほとんどは、エネルギ−バランスで優位である。「若干の産出地は枯渇しつつあるが、そのかわり、新たな産出地を発見しており、そのため、そこには政治的駆け引きがある。欧州は、石炭税を導入すると脅しており、そこで、炭化水素だけでなく、こうしたエネルギ−資源で生産された物品にも課税するつもりである」とプラヴァスドフ氏。世界において商品の主要メ−カは中国であり、そこでは石炭、ガス、石油を燃焼させてあらゆるものが生産されている。そのため、欧州がこうしたプランを行うと、どうなるか、想像しがたい。「今後二三十年、炭化水素資源は放棄されず、エネルギ−部門は以前と同じである。その後はどうなるか？この答えは難しい。様子をみてみよう」とプラヴァスドフ氏。ドイツが顕著な例であり、そこでは「緑」の党が活躍している。原子力を徐々に放棄するよう働きかけている。ドイツの原子力発電は半減し、そのかわり、石炭消費量が急増した。何故なら再生可能エネルギ−は、この減少分を補うことができなかったからだ。その結果、ドイツの政策は、デンマークと並び、欧州で最も高い電力となった。

−9月2日（水）「BAM鉄道にはどれほど電力が必要か」（幹線鉄道拡大計画には目下、説得力がない）（ワレリ・ジュベンコ：協会「エネルギ−ユ−ザ共同体」副代表）電力を担当している各省庁では、バイカル・アム−ル鉄道及びシベリア横断鉄道の電力供給の拡大案について議論している。残念ながら、この議論は非公開である。一方、こうした議論に専門家やビジネス界を引き入れることはまったく無駄ではなく、代替方法を検討し、経済の現況を考慮すべきかもしれない。これにより、この大規模なインフラ計画に対する経済のリスクと支出を最小限にできるだろう。例えば、最もありうる案としては、新たな電力網施設や、総出力950〜1150MWｔ、1300〜1700億ル−ブルという発電所の建設が検討されている。エネルギ−インフラの建設には、官民企業も関心を示している。「ルスギドロ」社、「ロスセチ」社、「スエク」社などである。だが鉄道は、最も貨物量が多い場合でも、地域発電所を安定的に稼働させることはできず、そのためにはBAM鉄道沿線地域の工業ユ−ザからの電力需要が必要となる。最大の金産出地「スホイ・ログ」でも、発電所一つで十分であり、それ以外、さらに有望な計画を、確信をもってあげることはできない。一方、地域に基礎となるユ−ザがいないのに、万一に備えて発電所を建設することは、はたしてエネルギ−企業には関心があるだろうか。エネルギ−企業の支出コストは、他の経済部門が支払う。さらにバイカル・アム−ル鉄道とシベリア横断鉄道の輸送能力を1.5倍にするが、それに見合った物流の増加は保証されていない。拡大の基本根拠は、ロシア石炭部門の企業が減少する西方への石炭輸出を東方、アジア太平洋諸国に向けることで補おうとする意向である。ロシアエネルギ−省は、今後10年間、アジア太平洋諸国における輸入石炭の需要は1億5千万トン以上増える可能性がある。だが現実的には東方において唯一の大市場はインドであり、ここは、ロシアからの直接の陸上路はない。インドへのロシア石炭の輸出は、中国ほどメリットはない。中国は、IEAの予想では、2023年までに石炭消費を約3％減らす。またオーストラリアやインドネシアとの激しい競争も忘れてはいけない。すでに昨年、石炭のアジア価格は、欧州価格まで下がり、そのため、東方への輸出で特に大きな利ざやを期待できない。どうやって、ロシア石炭は輸出市場で競争に勝つのだろうか？鉄道輸送料金の割引によるロシア石炭の輸出魅力は、そろそろ尽き果てている。2019年、石炭輸送におけるロシア鉄道の利益率は、「INFOLine」社によると、穀物、石油、鉄など、他の主力輸出品の半分である。このように石炭輸出増加の可能性は、そのために東方分野が拡大されるわけだが、さほど説得力のあるものではない。そのため、大規模な鉄道及び電力インフラを建設する必要があるという予想の根拠を再度検証することも無駄ではなく、代替案とリスクシナリオを検討すべきである。さもないと、タマン海港の建設で起きた状況の反復となるかもしれない。海港建設計画は、石炭価格が下落する中、主要荷主（「スエク」社や「クズバスラズレズウゴル」社）には関心がなかった。税金や公共料金をとおして、国全体が「出し合った」という、インフラ準備、設計、土地買収に投資された資金は、無駄となった。

2020年7月

−28日（金）「ワクチンは、国内石油企業を救う」（飛行便回復なしには、燃料需要は回復しない）（独立新聞経済部次長アナスタシア・バシカトワ）石油価格は「若干高い」ほうがよいが、ロシアで経済問題のピ−クは超えたと、テレビ放送でプ−チン大統領。だが「IHS Markit」社の予想では、石油需要の回復は、飛行便が再開するかどうか、コロナウイルス以前の経済活動に戻れるか、どうかにかかっている。アナリストによると、コロナウイルスに対する有効なワクチンが開発されるまでは、そうには、ならない。石油の世界需要は、記録的な早さで増加した。この4ヶ月間で1日当たり1300万バレル増えた。これは、パンデミックによる4月の暴落からであると、分析会社「IHS Markit」社。5月から7月、石油の世界需要は、各国政府が、隔離措置を緩和し始めてから、急増した。現在、需要は、2019年同期の89％である。4月ではこの数値は78％だった。しかし、上昇は一時的なものである。回復テンポは、2021年第一四半期には減速すると、同社。需要は、2019年第一四半期の約92〜95％となるだろう。石油市場にとって最大のネガティブ要因の一つは、アナリストによると、航空便の大幅減である。それによると、現在、航空燃料の実質支出は昨年の50％にすぎない。「需要回復には、旅行や通勤を再開する必要がある」と「IHS Markit」社副社長ジム・ブルクハ−ト。「これは、コロナウイルスに対する有効なワクチンが開発されるまで、起きないだろう」と指摘。国際エネルギー機関（IEA）は、世界の石油需要は2020年、1日当たり810万バレル減少し、1日当たり9190万バレルとなると伝えた。「8月、IEAは初めて世界需要は下落すると予想を見直した（数ヶ月前、IEAは上昇すると見直した）と、スベルバンクマクロ経済調査センタ−専門家。「原因は、コロナウイルスの感染率が高いままであること、それに航空部門の回復が弱い点である」と指摘。IEAは石油精製工場の石油消費が若干回復したと指摘したが、その回復テンポは、多量の在庫で「弱く」なっている。「アロル・ブロ−カ」社主席アナリスト、アレクセイ・アントノフによると、「IHS Markit」社は「きわめて楽観的な予想をしている」。「おそらく、下半期、回復が目立つが、経済がコロナウイルス以前の水準に戻るのは、2〜3年かかる」と同氏。「企業活動の低下と、表に出ない失業者の増加による消費の落ち込みは、全世界において、今後も石油需要の減少となる」と指摘。それによると、支払い能力のある需要の不足は問題となるだろう。「BCS」社主席アナリスト、ヴィタリ・グロマジンは、ワクチン製造は石油需要が完全に回復する上で必要条件であり、特にこれは航空燃料消費にかかっている。「今後、秋にも自粛をともなうコロナウイルス第二波のリスクが続く。こうしたネガティブのシナリオでは石油貯蔵所が満杯になるおそれが出てくる」と同専門家。「国間及び都市間の航空便の回復、有効なワクチンの開発は、石油及びエネルギ−資源の安定的回復にとって重要な要因と見なすことができる。だがウイルスが突然変異し、パンデミックが新たな様相を呈するとしたシナリオはどこにも述べられていない」と「アルパリ」社主席アナリスト、アンナ・ボドロワ。OPEC＋加盟国の協力で、石油ショックの反復は回避できるが、1バレル40ドル近くの、より低い価格が、市場に戻ってくる公算は今後数ヶ月以内にかなり高いと、グロマジン氏。ただし、同専門家によると、飛行する場合、ソ−シャル・デイスタンスを守り、はるかに多くの飛行機を利用し、当然、燃料需要に良好な影響を及ぼすというシナリオも排除されていない。産油の約三分の二は、様々な燃料生産に利用されている。そのため、以前の輸送状態に完全に戻らないで、危機以前の水準に来年、需要が回復することは、期待できないと、「フィナム」社アナリスト、アレクセイ・カラチェフ。「さらに在庫過剰により、収益の低い計画が再び、利益が出るような水準まで価格を上昇させることはできない」とパラチェフ氏。しかし、石油価格の新たな暴落にとっても、現在、明らかな原因は存在しないと同氏。「フリ−ダム・ファイナンス」社アナリスト、エフゲニ・ミロニュクの説明によると、シェ−ルオイル会社は、従来の石油会社より容易に新たな危機衝撃に耐えることができる。「中期的（6〜12ヶ月）には、シェ−ルオイルの採掘のほとんどを凍結しても、こうしたボ−リング装置の再開は、シベリアの採掘困難な産出地よりはるかにコストがかからない」と指摘。その結果、カラチェフ氏の予想では、ロシアの石油輸出収入は、2021年には危機以前の水準に戻らず、約30％少なくなるだろう。

−26日（水）「休みも遅れもなし：何故にテレワ−ク要望が増えているのか」（ロシアではテレワ−ク業務の需要はほぼ3倍増える）（GAZETA.RU紙、イリナ・ヴラソワ）パンデミックは去りつつあるが、自粛全期間、テレワ−クをしていた人は、オフィスにすぐ戻ろうとはしない。人材会社の試算によると、テレワ−ク業務の求人数は、昨年比で倍増、この業務の需要はほぼ3倍。テレワ−クは、自粛解除後も要求があると、「アヴィト・ラボトイ」社アナリスト。テレワ−クの人気は、求職者も企業も増え続けている。例えば、同社によると、テレワ−ク求人数は2020年7月、2019年7月より、2倍以上多い。テレワ−ク求人数は、国内の自粛緩和後も、続くだろう。6月、こうした求人は、5月より14％多く、7月では6月よりさらに14％多いと、アナリスト。テレワ−クという業務形態は、地方を活発化させている。「アヴィト・ラボトイ」社のデ−タによると、昨年比で最も求人数が増えているのは、エカテリンブルク市（＋212％）、オムスク市（＋163％）、クラスノヤルスク市（＋161％）、チェリャビンスク市（+155％）、サラトフ市（+152％）。「hh.ru」社広報によると、2020年4月〜8月、「hh.ru」社サイトにはテレワ−ク業務形態の求人7万2千人が掲載され、これは、昨年同期より77％多い。テレワ−ク求人数で上位は、モルドヴィア共和国、アルタイ共和国、ヤマル・ネネツ自治管区、カルムイキヤ共和国、ウリヤノフスク州で、こうした求人数は2〜3倍である。テレワ−クは求人者も活気づけている。その動き（「テレワ−ク」で希望するスケジュールを記載した書類数）は2020年7月、昨年同期比でほぼ三倍となったと、「アヴィト・ラボトイ」社。自粛時、テレワ−クへの移行は、「職業選択の志向に影響していると、「ラボタ.RU」社営業部長ウラジーミル・コリツキ−。それによると、2020年4月初め、昨年同期比でテレワ−クの求職はほぼ4倍。今年、第二四半期、テレワ−クを希望する求職者の割合は第一四半期比で、1.5倍。モスクワ市とモスクワ州では、テレワ−クの求人に対し、7倍以上の応募と、同専門家。しばしば企業は、「マーケティング、宣伝、PR」分野でテレワ−ク求人を出している。テレワ−ク人気では、市場で7%のシェアのある「IT、インターネット、通信」及び、「人材管理」の分野である。テレワークは、保険やコンサルティングの分野でも人気があり、テレワーク求人の6％にあたる。特記すべき点としては、こうした求人の平均賃金は、市場より5％低い。だがこれは、職種と地域によるものであり、場合によっては、通常業務の平均賃金より高いケースもある。しばしば、テレワーク求人は、今年、IT分野、通信、販売、管理スタッフ、マ−ケテイング分野に多いと、「hh.ru」社。分野によっては、パンデミックの中、テレワーク体制を始めたばかりである分野もある。例えば、求人数は2020年4月、前年同月比で、「ホームスタッフ」で17倍、「ワークスタッフ」で4倍、自動車業務、売買、公務員で2倍。「ラボトイ・ＲＵ」社のデータによると、テレワーク求人が最も多いのは（74％）は教育、販売（14％）、ＨＲとマ−ケテイング分野（6％）。先ずテレワークには、法律家、エコノミスト、人事、IT専門家、コールセンタ−スタッフ、サポートスタッフを組み入れていると、ウラジ−ミル・コリツキ−。パンデミック終息後、テレワークで仕事をする専門家は、IT産業、PR分野、マ−ケテイング分野、マスコミ、金融と、「PROGRESS」社創立者ドミトリ・ソロポフ。「現実からすると、うまくやり方を作り上げると、テレワーク時、職員の効率は下がっていない。ちなみに従業員はテレワークで仕事をしながら、しばしば、効率を上げている。時間外勤務など少なくなり、早引きをやめ、遅刻もやめている。やむなくテレワークへの移行したことからすると、必要な場合、人々は新たな環境に順応できる」と同専門家はこうした業務形態のメリットを指摘し、連続生産に関係ない会社の約50％は、現在、週に2〜3日、社員がテレワークできるようにしている。「全ての企業はテレワークには、様々に対応している。以前、揺るぎなかった大手企業でも、パンデミック後、例えばIT分野では徐々にテレワーク体制を導入し始めている」と「Selecty」社経営パ−トナ−、アルセニ・フェドトキン。それによると、IT企業のクライアントの中で、計画の約70％は完全にテレワークで行っている。コロナウイルス以前では10〜20％。同専門家の予想では、テレワークで仕事をしている人のほとんどは、オフィス業務に戻らないだろう。「ほとんどは、テレワークや、フレキシブル・スケジュ−ルで仕事をすることになる。以前オフィスにいた人の数はなくなるだろうと思う。IT分野では30％はテレワーク体制のままであり、HR分野では10〜15％になると思う」とフェドトキン氏。「ラボトイ.RU」社によると、テレワーク傾向は続くとみている。同社の試算では、テレワーク業務は、オフィスより効率的と、企業の75％が確信している。

−24日（月）「自動車資金：国民は中古自動車を購入」（ロシアでは中古自動車の需要増加）（GAZETA.RU紙、チム−ル・ハサノフ）市場における新車不足や、ル−ブル貯金を維持したいという願望で、中古自動車の購入に拍車がかかっている。中古自動車の需要は、厳しい経済状況にかかわらず、増えていると、「アフト.RU」社調査。中古自動車は、自動車所有者にとって魅力があるだろうが、新車市場は先送りされた需要が満たされると急減するとみられると、専門家。7月、「アフト.RU」社サイトで自動車売却広告に関心が増えていると、同社広報。7月だけでも、中古車への関心は昨年同月比で17％増加したと、広告会社。問い合わせ数でトップは次の地域。サンクトペテルブルクとレニングラード州（需要増は24％）、クラスノヤルスク地方（＋17％）、ニジェゴロド州（＋17％）、モスクワとモスクワ郊外（+16％）、クラスノダル地方（+14％）。2020年第二四半期、中古車需要は第一四半期比では4％減で、2019年同期比では11％減と、「アフト.RU」社。前年比で最も減少した地域は、サマ−ラ州（−50％）、ニジェゴロド州（−45％）、チェリャビンスク州（−36％）である。モスクワとサンクトペテルブルクは、郊外も含め、若干の増加。中古車の需要増は、6月の売却ブ−ムと、市場における新車不足により煽られ、新車が手に入らなかった人は、中古車を購入している。今年7月、欧州ビジネス協会によると、国民は新車14万2千台を購入し、これは2019年より7％多い。7月にこれだけ数値が大きいことについて、欧州ビジネス協会自動車メ−カ委員会委員長トマス・シテルツイエリによると、自粛時、デイ−ラが休業している時に起きた先送りされて需要のせいである。「アフト.RU」社も、自動車需要は国民の先送りされた需要のせいであると、思っている。「物価上昇とル−ブル安もこれに影響している。自動車は、購買力下落から資金を救う人気ある方法である。デイ−ラは、新車不足に直面し、現行価格を引き上げている」と「アフト.RU」社広報。同社アナリストによると、デイ−ラにとって、中古車買い入れの主なやり方は、「下取り」である。だが今夏、これは事実上ストップし、主に新車納入量の減少と新車需要増のせいである。その結果、デイ−ラは、「下取り」取引で、メ−カからの補填に期待できず、市場から直接、中古車をやむなく購入している。同時にデイ−ラへの中古車供給の減少は、買い換え者にも影響している。これまでデイ−ラは、さほど売れない自動車を売っている。「今後、買い換え者も、新車不足を実感し、あるものを市場価格で購入している。これは、価格上昇につながっている。あらゆる点から判断して、新車供給が始まる9月末になって、価格は下がるだろう」と「アフト.RU」社。新車市場では高い需要が維持されているが、自動車入手の問題は、どの車種も持続している」と「アフトスペチセンタ−」社。「こうしたことから、8月の販売実績は、7月ほど多くないと推測できる。秋についていえば、新車不足は10月まで続き、そのため、新車供給は、9月末以前は望めず、したがって、販売水準は高くなく、自動車はないからである」と「アフトスペチセンタ−」社。「特別投資契約」では基準が厳しくなっていることからも、市場には不確実性が加わっていると、自動車専門家セルゲイ・イファノフ。ロシアにおける自動車生産現地化の点数評価方式への移行と、国家補償規模との結びつきは、生産投資に影響していると同氏。「ロシア自動車産業では、国のプレ−ル−ルの変更は、危機と一致しており、前回は2015年のことであり、自動車メ−カが外貨と結びついていることから、ル−ブル安により数値は良好となった。現在、再びル−ブル安となり、現地化の減少は避けられず、その後、政府は補償規模を減少させている。もちろん、これは不安感を与え、ロシア企業にとって役立っていない」とイファノフ氏。新車に対する大きな需要は、年内には満たされ、その後、市場価格は下がると、イファノフ氏。同時に中古車は自動車所有者にとって、魅力を持ち続けると、同氏。

−19日（水）「米経済へ打撃：ロ中連合は、どのような脅威があるか」（ロ中連合はドルに打撃）（GAZETA.RU紙、イリナ・ヴラソワ）ロシアと中国が実施している脱ドル政策は、米ドルの地位に影響し、貿易取引の手段として、魅力を失いつつある。専門家の分析では、ロ中決済で国内通貨への完全移行は実際可能だが、微妙な点が多々ある。ロシアと中国は、米ドルを拒否する方針を堅持している。両国がとっている貿易での脱ドル政策により、今日、歴史上初めて、国家間の決済で、ドル使用は半分以下になっている。貿易で国内通貨の割合が最大となっている。第一四半期、取引の46％はドルで、30％はユ−ロ、国内通貨（ル−ブルと元）は24％と、「Nikkei Asian Review」紙。ロ中の段階的ドル離れの主な動機は、米国に対する地政学的緊張であると、金融・投資管理アカデミ−専門家アレクセイ・クリチェフスキ−。ロシアでは、この6年間、全ては制裁にいきつき、したがって、米通貨決済がブロックされるリスクを引き下げる必要があると、と同専門家。クリチェフスキ−氏によると、貿易戦争のほか、中国には香港問題があり、そのため、自尊心が高ぶっている。例えば、米中決済の他の通貨（ユ−ロ、元、ル−ブル）への移行は、地政学的要因でかなり早まっている。専門家によると、国内通貨の直接入手や、他の主要通貨（ユ−ロ、フラン、ポンド）に対し、ドル価格を段階的に引き下げる道を開く各国間のスワップ協定を忘れてはいけない。ロ中決済で50％以下にドルの割合を引き下げることは、米ドルが徐々にその強さを失っていることを証明しているとクリチェフスキ−氏。ドルは、米財務当局が世界からさらに2.1兆ドルという、以前に予定された新たな借款を行う秋に一時強くなるかもしれないと、「TeleTrade」社情報分析センタ−専門家ピョ−トル・プシカレフ。その後、この金額規模は、ドル相場にネガティブに影響し、ドルに対するユ−ロ相場は1.25に、翌年は1.30にもなるかもしれないと、同氏。「この時、中国の元も同じテンポで高くなるか、米中の貿易対立や、大豆、液化天然ガス、設備など中国により米品目の大量の購入合意を思い起こすと、疑問である。トランプ大統領がさらに4年間、ポストにあるならば、避けられない「ビックデイ−ル」の締結があるだろうか。さらに中国自身も「きわめて魅力的」で高い元を特に見たいとは思っていない。中国も米国との貿易がより難しくなるだろう」と同専門家。日々の決済ではなく、企業収支における多額の貯蓄の場合、相場変動は大きなリスクとなる。最長3年間のパンデミック後、欧州経済の完全回復も見込まれる点も劣らず重要であり、何故ならこうした中、EUの金融状況はドルに対するユ−ロ相場の変動のように、ユ−ロ分野ではドル決済から離れることは合理的であり、より予見できると思われる。「あらゆる中国又はロシア企業のバランスでユ−ロによるバッファ−マネ−は、2〜3年の間、下落するおそれはほとんどなく、国内通貨の「過剰」は言うまでもなく、今後、より多くの外国パ−トナ−との決済で直接ユ−ロを使う可能性があり、EU諸国との貿易もかなり早く拡大する」とピョ−トル・プシカレフ。国内通貨決済に完全に移行することは、ロシアにとっても、中国にとってもさほどメリットはなく、金融・投資管理アカデミ−専門家。「財務省と中央銀行は故意に予算赤字を減少させるため、主要通貨に対し、ル−ブルを引き下げ、一連のガス石油会社ではほとんどの決済はすでに数年、ユ−ロで行っている。ドルを完全に拒否するという本格的な課題は提起されておらず、決済でその割合を徐々に減らし、ロシアと中国だけでなく、他の国でも、そうであり、投資家は、米通貨や国債を購入するより、貴金属の購入を好んでいる」とアレクセイ・クリチェフスキ−。「フリ−ダム・ファイナンス」社ロシア証券市場貿易管理アナリスト、アレクサンドル・オシンの分析では、ロシアと中国は、それでも、ドル及びユ−ロの決済から離れ、国内通貨に移行する可能性はある。それによると、これは、想像される世界の客観的な長期傾向の中で起こりうるが、段階的であり、長期的にみると、中国とロシアの経済力が強まり、世界の通貨システムにおけるこうした抜本的な変化による世界のショックリスクが減るにつれ、起きてくるだろう。国家貿易支払いシステムの強化の主なドライバ−は、先進国のインフレ動向であると、同氏。それによると、現代世界のマルチ通貨システムは、70年代から80年代初め、米国及び先進国におけるインフレショックの中で形成された。「事実上、こうしたプロセスは予想したように、ブレトン・ウッズ協定の枠組みで世界経済における商品量と通貨量の不一致の下、発展し、これは市場に対し、貯金、両替、経済プロセスなど、代替通貨の模索を求めた。当時、中国や一連の新興国に生産拠点を移す傾向に拍車がかかり、徐々に一連の新興国の金融支払いシステムが強化され、これは現在見たの通りである」とアレクサンドル・オシンは述べ、現在、こうした傾向が続いていると指摘。ロシアと中国が国内通貨で決済を始めることは、先ず、ロ中の経済と政治が世界の政治経済トレンドに左右されることが妨げとなっていると、オシン氏。こうした決済のメリットは、さほどはっきりしない。「フリ−ダム・ファイナンス」社アナリストによると、発達した国内通貨金融システム存在の主なプラス要因は、これは、経済貨幣化の高い水準と融資・投資リスクの低い水準である。「こうしたことは先ず、条件が同じであれば、新技術の生産拠点を形成することができ、何故ならハイテク部門は広い分野に対し、かなりの投資が必要であるからだ」とオシン氏。

−17日（月）「イエローストーンではない：何故にロシアではエコツ−リズムが発展しないのか」（ロシア高官は、ロシアのエコツ−リズム潜在力を発揮する方法を思いつく）（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャホフ）政府は、極東のエコツ−リズムの発展について、地方の官吏と話し合った。一面では自然を保護するが、同時に投資にとって過剰な行政障壁を撤廃するような法律は存在しない。現在、エコツ−リズムは、全観光の2％にすぎず、それでも、ロシアは特別保護自然区の面積では世界一位である。副首相ドミトリ・チェルヌイシェンコは、土曜日、8月15日、エコツ−リズムに関する拡大会議を開いた。会議は非公式で行われ、ペトロパヴロフスク・カムチャツキ−市から40km、カムチャッカの丘陵にある観光地「ラグナ」で行われた。エコツ−リズムは、世界経済で急速に発展する部門の一つと、会議は始まった。「パンデミック以前、この部門は1日10億ドルをもたらした。世界において、全観光客の約三分の一は、エコツ−リストである」とチェルヌイシェンコ氏。ロシアは特別保護自然区の面積では世界で第一位である。これは国土面積の13％で、国立公園60カ所、ユネスコ自然遺産11カ所。しかし、ロシア国立公園と自然保護区の実態はオ−プンにされていないと、チェルヌイシェンコ氏は述べ、大統領は観光分野に関し、個別の国民計画を作るよう政府に指示したと指摘。政府は、この部門を躍進させるよう指示された。「世界ではエコツ−リズムの発展は専門家の分析では年20〜30％だが、ロシアでは2％である。そのため、潜在力はきわめて大きい」と副首相。観光部門のずばぬけた潜在力について、会議ではカムチャッカ地方知事ウラジーミル・ソロドフは述べた。知事は、この地方の観光発展に関し、大きな責任があると述べた。観光客を現在の24万1千人から100万人にすると指摘。しかし、これは、今後数年の間に行うことであり、9月の選挙後のことである。観光を発展させる上で、自然公園や保護区を破壊しないことが重要であると、知事代行。このためにはカムチャッカにおける投資計画を評価するため基準を利用することが必要であり、有害生物の侵入の禁止、自然保護を原則とする投資計画への移行が求められる。チェルヌイシェンコ副首相は、この案が気に入っている。同氏は、天然資源省にいくつかの投資計画をあらためて評価するよう指示すると発言。おそらく、ある計画は拒否されるかもしれないと、同氏。ソロドフ氏は、副首相にさらに一つのお願いをした。「監視官が少ないという問題があり、特に火山地ではそうだ。これはユネスコ自然遺産でもある。たった20人の監視官が広大の土地を任されている。地方予算は補助金であり、連邦政府の資金援助が必要である」と知事代行。自然遺産の保護にはボランティアが必要であり、銃の扱いを教える必要があると指摘。さらにソロドフ氏は、保護区でのプラスチック利用に対し、猶予期間を設けるよう求めた。「風船は禁止すべきだ。鳥にとって有害なもので、鳥の胃の中で見つかり、大量死につながる」と地方官吏。また連邦政府に対し、ヘリコプタ−用飛行場の利用規則を簡素化するよう求めた。こうした輸送手段がないと、カムチャッカでは、河川や湖にほとんどいけなくなる。「規則が心血を注いで書かれたことは理解するが、離陸・着陸には一人当たりの換算で1万9千ル−ブルがかかる。資金を求めない。規則の簡素化が必要だ」とソロドフ氏は述べ、カムチャッカ地方は、2025年までに観光客を大幅に増やし、観光部門の職場を1万人まで増やすと約束した。例えば、カムチャッカでは、漁業は経済の中心だが、1万4千人が働いている。エコツ−リストの数はロシアでは2024年までに800万人から1050万人まで増やすことができると、ロシア天然資源省次官ムラド・ケリモフ。こうしたプランには全ての出席者が満足したわけではない。「エコツ−リストが800万人か、1100万人か、これは基本的にたいした数値ではない。プランを変える必要がある」と新プロジェクト推進戦略提唱機関副代表オリガ・ザハロワ。米国並にする必要があり、そこでは年間3億1800万人が自然公園を訪れている。ルワンダ並みにすることはできる。そこではゴリラのいる国立公園は一カ所しかないが、国の予算にはロシア特別保護区の20倍の収入が入っていくる。ザハロワ氏の説明によると、880頭のゴリラの経済成績は、これを見に観光客が来るのだが、年間1500万ドルであり、ゴリラのいる国立公園の入園料は一人750ドルから、1500ドルまで引き上げられた。米国民は国立公園を年4回訪れるが、ロシアでは国民の大部分は一回も行かない。しかし、エコツ−リストで稼ぐこともできる。「今日、ロシア人の多くは観光客にならず、旅行者や、第一発見者になりたがり、これにはかなり支払うつもりでいる」と同氏。パ−ク「三つの火山」の代表セルゲイ・バチンは、会議で発言し、カムチャッカは米国のイエローストーンより良いと繰り返した。「カムチャッカは、地上で最良の場所である。会議前に世界の多くの国をめぐってきた。カムチャッカは、世界の果てではなく、世界の中心である。全ての飛行機はカムチャッカ上空を飛ぶが、我々を通りすぎてしまう」と同氏。会議参加者は、土地を貸与する仕組み関しても懸念を表明。多くお金を出す人は、まさにこうした人は、自然の影響を考えずに借り入れる。これに関し、1.5年〜2年という決定期間も批判され、観光部門にたずさわり、投資しようとする企業にとってきわめて不都合である。ロシア観光庁長官エレナ・ルイセンコワは、エコツ−リズムがこの部門の2％にすぎないことを嘆いた。「観光客の多くは、実際、けして自然公園には行かず、よくて、知っているか、その内の5カ所を訪れた程度である。こうした場所には全観光客の約70％が訪れている。国立公園内に商業施設などインフラを建設することは望ましくないと、会議参加者の一致した意見である。それなりのインフラのあるエコツ−リズムを発展は、その付近が望ましく、直接公園内は見学のみである。しかし、見学を行う前に、自然地域内にトイレを作る必要があると、参加者は指摘。綺麗な場所で慢性的にトイレが不足しているという問題は、きわめて重要な問題である。コロンツキ−自然保護区副代表ロマン・コルチギンは、トイレの建設は、官民協力の形で行う必要がある。しかし、この協力の成功例を見たことがない。これは、論理的なことであり、会議参加者はエコツ−リズムの問題について、高尚な話しから始め、そして何から始めるべきか、トイレの建設という結論となったと、参加者の一人。本紙が取材した専門家は、国内観光、その多様性、エコツ−リズムのポテンシャルは膨大という点では高官と一致している。ロシア観光庁のデ−タによると、ロシア人の約60％は、生まれ故郷から外に出ていない。総合戦略研究所専門家エレナ・キセレワは、ロシアではGDPに対する観光の貢献は約3.5％であり、昨年半ば、高官はこれを2035年までに6％まで増やすと表明。こうした考えを実現できる可能性はある。何故なら、ロシア国民に人気のある海外旅行先に対し、制限が完全に撤廃されていないからだ。「だが観光の発展は、未整備のインフラや観光地への悪い交通の便、現代的宿泊施設の不足、低いサ−ビスレベル、若干の地域の環境問題によって妨げられている」と同氏。欧州ロシアは多かれ少なかれ、観光客によって開拓されているが、極東は通人のみで、資金のある人のみであると、「ビジネスロシア」役員ウラジーミル・クズネツオフ。「極東で使うお金で、もっと身近なところで、かなり満足でき、良いサ−ビスを受けることができる」と同氏。

−13日（木）「ロシア国連大使のワクチン発言は、二つの陣営に分ける」（「今日の経済」紙、アレクサンドル・メルニク）コロナウイルスのワクチン開発で国際協力するというロシアの意向で、国によっては、打算的な雰囲気が出てきた」とロシア科学アカデミ−世界経済・国際関係研究所欧州研究センタ−主席研究員ウラジーミル・オレンチェンコ。ロシア国連大使ワシリ・ネベンジャはコロナウイルス流行に協調して国際的に対抗し、パンデミックに全面的に勝利するため、ワクチン及び薬剤の開発及び生産で外国と協力する用意があると発言。同外交官は、ワクチンの臨床試験は、高い効果と安全性を示したと強調し、また試験には他の「有望なワクチン」も投入されたと指摘。「今日まで誰も、コロナウイルスパンデミックがストップしたと宣言していない。ストップしていないことから、世界はコロナウイルス流行による緊張状態にあると見なすことができる。こうした中、根本的な問題は、ワクチン問題であり、つまりきわめて効果ある治療によりウイルスから人を守ることができるか、あるいは感染を予防できる薬剤の発明である。世界で初めてコロナウイルスワクチンが2020年8月11日にロシアで登録され、「スプ−トニクV」と名称がつけられた。このワクチンは、すでに多くのワクチンが開発された既知のプラットフォームをもとにロシア保健省N.F.ガメレヤ記念国立感染症・微生物学研究センタ−により開発された。ロシア直接投資基金代表キリル・ドミトリエフは、ロシアはすでにワクチン10億回分の提供要請を20カ国から受けている。これは、調査が行われるサウジアラビアとアラブ首長国連邦に提供される。フィリピンも今月に提供されると、プ−チン大統領。ロシア大統領の発言後、国際社会はこのワクチンの効果と安全性について、議論となった。先ずこのワクチンに不信を抱いたのは米国であり、大統領顧問ケリーアン・コンウェイは、ロシアの開発は、米国より遅れているが、米国ではこうしたワクチンの登録ではもっと厳しい基準があると表明。ワクチンとしては、WHOも懐疑的であり、米国の発言を繰り返している。「多くの国は、民間企業や英国、米国、フランス、ドイツに登記され、この分野で仕事をしている大手企業も含め、ロシアが初めてワクチン開発したと表明し、ワクチン登録を行ったとことに反応するだろう。その後、ロシアはWHOに対し、このワクチンを検討し、所定の手続きでこれを承認するよう求めた。しかし、いまだ決定はない」と同氏。一方、WHOは新型コロナウイルスに対するワクチンが世界に登場したと表明する用意はまだないと、WHO保健プログラム局長ラナ・アリ・ハジはベイルートからテレビ会議で伝え、世界最初のコロナウイルスワクチンの登録に関し、ロシアの表明についてコメント。当初起きた困難にもかかわらず、ロシアは世界保健機関も含め、外国と協力する用意があると表明した。「そのため、国連で我々はワクチンの共同開発と利用の意向があると述べたことは正しいことだ。おそらく、こうしたことで、ワクチンをもっと改良できるだろう。当初、2020年3月末にうっかり訴えたわけではない。この間、「G20」諸国とテレビ会議が行われ、パンデミック問題が議論された。そこでロシア側から、ワクチン開発についても、「コロナ危機」克服条件や、経済・社会的影響に対し、協力について提案があった。そのため、ロシアは協力する用意があるという国連代表の発言後、他の国がどのような反応するか、待つ必要がある」と同氏。ウラジーミル・オレンチェンコ氏によると、こうした協力は少なくない困難を伴うが、全ての国が、優位に立とうとする願望からロシアと計画的に仕事ができるわけではない。これは米国のことである。「多くの国は、打算からこうした問題にアプローチしている。特に米国、日本、英国である。これらの国は、ワクチンが登場したならば、他国のワクチンを買い占めるため、多くの申請をしている。これは、寡占化の表明である。おそらく、ロシアの立場により、感染症学的、医学的、商業的、政治的利害が錯綜することになり、何故なら米国や英国にとって、全てを政治化させる特徴があり、特に彼らが競争できない分野ではなおさらである。ロシアは、こうした国や、おそらく他の国も、協力を避けるため、政治的理由や動機を探そうとすることに備える必要がある。それでもロシアは、常に対話に対し開かれている」と同専門家。

−11日（火）「闇に去る：ロシア国民、酒類の購入が少なくなる」（パンデミックにより、酒類の販売は15％減）（GAZETA.RU紙、「ビジネス」部）パンデミック時、ロシア国内の酒類需要は昨年比15％減と、「タクスコム」社。外食産業は、この間、酒類売上は半減し、価格を3％引き上げた。最も顕著なのは、シャンパン需要の減少であり、サイダ−だけが増加した。専門家の意見では、こうした減少は、「闇市場」の拡大のせいとみている。酒類の販売は今年3月〜7月、平均で、前年同期比15％減と、「タクスコム」社アナリストの試算。小売段階で減少が前年比13％で、アルコール飲料の平均価格が1％下落し、外食産業における売上は2020年3月〜7月、2019年同期比、55％の減である。この場合、平均価格は3％上がっていると、「タクスコム」社デ−タ。最も価格上昇したのは、ワインと強いお酒である。つまり、ウオッカ、ウイスキー、ラム酒、テキ−ラ等と、ワインで、平均で昨年より8％高くなった。一方、ビ−ル価格は4％の下落。自粛体制の導入初めから増加している唯一のものは、サイダ−である。この売上は前年比7％増えたが、価格は9％下落した。最大の需要減はシャンパンで、前年比30％の減、ワインは7％の減。ビ−ルと強いアルコール飲料の売上は各々9％と13％の減。酒類需要の減は、ワイナリー「ファナゴリヤ」広報から分かる。「一般のワインもシャンパンも需要は減少しています。これは、個人需要の減少のせいかもしれません。自粛体制を守っているか、あるいはテレワ−クに移行した多くの人の所得は減少している」とコメントし、ワイナリーそのものの売上は減少しておらず、需要減はおそらく、卸し会社や小売店が実感しているのかもしれない」と強調。「Simple」社グル−プ代表マクシム・カシリンも、需要減を指摘。「これは予想通りの減少であり、特に驚くことではない。何故なら「HORECA(ホレカ)」分野がアルコール飲料も含め、閉鎖されており、ここは大きな売上がある部門である」とカシリン氏は述べている。同氏によると、ワインなど酒類を扱っている会社の減少レベルも様々で、「HORECA(ホレカ)」分野に該当するかどうかで左右される。「Simple Group」のような「レストラン」会社の場合、「販売」会社がスーパーマーケットで多くを売り、レストランはさほど目指さず、売上はあまり減少しないが、かなり落ち込みを大きいと、同社社長。「何故なら、以前、レストランでお酒を飲んでいた人が、しばしば、お酒を買いに酒屋にいくようになった」とマクシム・カシリン氏。小売会社協会専務理事代行ウラジーミル・イオンキンは、需要減のデ−タを信じていない。それによると、ロシアではお酒をあまり飲まなくなったという調査からすると、ロシア国民が正規のアルコール飲料をあまり飲まなくなったと証明しているのかもしれない。「スコルコヴォでは、このテ−マにたいし、興味深い調査が行われた。それによると、闇市場に移行しようとした人は戻っては来ない。これは所得が回復し増えても、そうである。何故に、「検証済み」の密造酒で節約し、購入できるならば、高いウオッカを買う必要があるのか」と同氏は本紙に語り、闇市場は「口コミ」がよく発達していると指摘。スコルコヴォ・センタ−の論文「ネット上における需要別違法アルコール飲料の消費分析」で、「密造酒」、「安いウオッカ」のような言葉の検索動向を調査したアナリストの結論は慰めにはならない。それによると、「灰色」アルコール飲料の需要は、最近まで増え続け、統計上、アルコール飲料消費量の減少率の減速は、部分的には、密造酒と違法ウオッカの消費増のせいである。

−6日（木）「ロシアは、イラン及び中国と共に新たな経済ブロックに加わる」（米制裁をうけている各国は、互いに惹かれている）（独立新聞、ミハイル・セルゲ−エフ）ロシア、中国、イランは、経済交流及び政治関係を拡大して、新たなブロックを形成していると、イランは考えている。これらの国を近づけている力は、米国の制裁圧力であり、イラン、ロシア、中国がその被害をうけている。これらの国は、相互貿易では米ドルを使わず、自国通貨を使っている。そして、米制裁迂回の特別の仕組みを生み出している。さらにイランは、中国及びロシアとの新たな長期協力協定を準備している。「Tehran Times」紙のインタビューで、イラン外交官は新たなアジアブロックについて伝えている。来年三月、イラン・ロシア協力協定が期限切れとなる。「協定の見直しについて、プ−チン大統領と合意した」とモスクワでの交渉後、イラン外相ムハメド・ジャヴァド・ザリフ。「協定を見直し、包括的長期戦略協定を作るほうがよい」とザリフ氏。同時にイランは中国と25年間パ−トナ−シップについて交渉を続けており、若干のイラン高官は、これをイランと中国の「ターニングポイント」とよんでいる。イラン・中国協定によると、中国は石油ガスも含め、イランの多くの分野に4000億ドルを投資する。一方、イランは向こう25年間、中国にエネルギ−資源を安定的に供給する。イラン、ロシア、中国が長期戦略協定の交渉を行っており、東洋に新たな世界秩序が形成されるという印象であると、イラン元外相ラミン・メフマンパレスト。「我々は、将来における新たな世界秩序形成の証人となるだろう」と元イラン外相。この協力に責任のある唯一の国は米国であり、その圧力政策がイラン、中国、ロシアを接近させた」と指摘。現在のロシア・イランの貿易高は20億ドル以下である。それでも、双方は250億ドルまで貿易高を増やすと合意している。ロシア・イランの輸出内訳でイランには、主に食品と農産物、木材、製紙製品、機械、設備、自動車等が輸出されている。ロシア輸入の主な部分は、食品、農産物、金属、金属製品、化学品である。昨年、イランとロシアは、銀行間システム「SWIFT」を利用しないで、自国送金システムによる関係を立ち上げた。ロシアは、イランに原発「ブシェル−２」の建設を続け、2026年に完成する予定。イランもロシアから対空防衛システムS−300を購入している。またロシアと共同で国際輸送コリド−ル「北−南」計画を実行している。7月末、ロシア・イランの輸送分野の協力に関し、作業グル−プの会議が行われた。ロシア代表団の代表交通省次官ウラジーミル・トカレフ、イラン代表団の代表は、道路・都市建設省次官シャフラム・アダムネジャド。双方は、カスピ海海路、国際輸送コリド−ル「北−南」北西ラインによる輸送を拡大することで合意した。ロシアの専門家は、ロシア・イランの経済協力の拡大には、飛躍的な力はないとみている。「米圧力に屈したくない国からなる仲間はずれの国を作るという米政策は、不可避的にこうした国を団結させる。上海協力機構やBRICS形成後、他の組織の出現が見込まれる。この参加国はいずれにしても、一極世界が変形する中、共同で行動する」と金融管理ハイスクール分析部長ミハイル・コ−ガン。しかし、同氏によると、イラン外交官のこうした期待は、おそらく外国的協力のことかもしれない。イランとロシアは、中近東における政策で積極的に足並みを揃え、「食料と交換する石油」プログラムで協力している。だが経済交流の拡大について言うのは、現在、時期尚早である。石油価格の下落の中、ロシアとイランは、中国を頼りにしており、その投資は、経済を支え、新たな職場を創生する」とコ−ガン氏。

−8月4日（火）「平均以下：ロシアにおける賃金変化」（ロシアにおける賃金中央値）（GAZETA.RU紙、「ビジネス」部）ロシアにおける賃金中央値は、税引き後、3万5千ル−ブル。有用鉱物採掘部門では、賃金は6万5千ル−ブル、軽工業では2万ル−ブル。近々、賃金上昇は、インフレで相殺される。格付け会社「RIAランキング」　の専門家は、国家統計庁のデ−タをもとに、ロシアの様々な部門における賃金中央値を計算した。今期（2019年5月1日〜2020年5月1日）、賃金中央値は3万5千ル−ブル。「まさにこれが、ロシアの一般勤労者がもらっている賃金である」と調査報告。計算では所得税の支払いも含まれる。賃金中央値は、財閥と掃除夫を足して、計算される平均賃金より、もっと正確な数値とみられている。中央値は、「賃金列」の中央額を指し、これを二等分する。つまり、勤労者の半数は、賃金中央値より多くもらい、半数は少なくもらう。調査では、大中企業の正規職員の賃金が調査された。いくつかの部門では、平均的勤労者は、月給5万ル−ブルをもらい、6万ル−ブルの人もいる。賃金で最良の部門（有用鉱物採掘部門）では賃金は6万5千ル−ブルにもなる。これは、賃金が最も低い部門（軽工業）の三倍である。ここでの賃金中央値は、2万500ル−ブルである。「中期的には賃金上昇はインフレ率をわずかに上回る程度であり、四半期によっては、平均賃金が下がるかもしれない」と調査。部門間及び部門内の賃金格差は、大きくは縮まらないだろうと、調査執筆者。月給10万ル−ブル以上の高給勤労者の割合が多いのは、漁業部門である。この部門は、その他の部門をかなり引き離している。ここでは勤労者の三分の一は、10万ル−ブル以上を、もらっている。専門家は、高い賃金は、漁師の仕事の厳しさのせいと説明。賃金のかなりの格差は地域によってもある。特にモスクワと比較すると明らかになると、7月27日に公表された「ラボタ.RU」社の調査結果。例えば、モスクワ及びモスクワ州では、ドライバ−は月8万ル−ブルをもらっている。極東では同じ仕事でも6万7千ル−ブルで、エカテリンブルク市やチェリャビンスク市、ウファ市、クラスノダル市、ニジニイ・ノヴゴロド市では、5万ル−ブルしかもらえない。もっと高給取りは医師である。モスクワでは月給約10万ル−ブルである。最も低いのはエカテリンブルク市で約3万5千ル−ブル。教員で最も給料が高いのはモスクワ郊外で、月給6万9千ル−ブル。オムスク市では教員給料は5万9千ル−ブル、モスクワでは4万8千ル−ブル、エカテリンブルク市では2万4千ル−ブル。モスクワでは警備員の月給は4万8千ル−ブル、ブリャンスク市では4万4千ル−ブル、サンクトペテルブルク市及びヤロスラブリ市、ウファ市では3万ル−ブル。モスクワのショップ店員もかなりもらっている。首都では月給4万5千ル−ブル、ニジニイ・ノヴゴロド市ではその半分である。全ロ世論調査センタ−の7月調査デ−タでは、国民の40％以上は、給料までお金が足りないと指摘。アンケート調査回答者の十人に一人はこうした状況は慢性的と答えている。回答者の多くは（72％）は、自分の経済状態を悪いか、かなり悪いとみている。回答者の39％は、給料前にお金が足りないと回答。多くの場合（７０％以上）、月に二度、賃金をもらっており、１１％は月に一度である。アンケート調査には１８歳以上、1600人が参加。それでも、国民の多くは、万一に備えて、貯金をしようとしている。「ライファイゼンバンク」の試算では、現在、60％の人が預金をしている。その内、42％は、約10万ル−ブルの貯金があり、37％は10万〜50万ル−ブルの貯金があり、21％には、50万ル−ブル以上の貯金がある。迫り来るコロナウイルス第二波が若干の人に貯金を迫っている。大都市市民の45％以上は、第二波を見込んでおり、38％は、自粛体制の再来にそなえ、貯金を始めている。もっと裕福な人は、当初、貯金をし、その後、使うつもりでいる。だが理にかなった貯金をしているのは18％の人にすぎない。パンデミック状況が改善し、自粛措置が完全に解除された後、平均月給約7万4千ル−ブルを望んでいると、「ラボタ.RU」社。ロシア女性は、男性より低い賃金に甘んじている。例えば、平均で男性は8万6千ル−ブルを望んでおり、女性は6万1千ル−ブル。回答者が期待する賃金レベルは、コロナウイルス流行当初から変化している。当時、男性は10万3千ル−ブルを望み、女性は8万ル−ブルを望んでいた。

−31日（金）「大不況が待っている。ロシア・エコノミストの予想」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」部）米国とドイツでは、四半期別のGDP数値が公表された。こうした数値は、エコノミストも、市場も予想したが、それでもショックはかなり大きい。計算方法は様々だが、結論は一つで、世界経済は深い危機の中にあることだ。米国のGDPは今日、過去最低値となった。第二四半期、32.9％の落ち込みがあった。これは、1947年以来、最悪のGDP数値である。この時から米国はGDP値統計を取り始めた。エコノミストは、34.2％の落ち込みは予想していた。米国ではGDP値は、欧州と異なるやり方で計算される。計算は、こうした成長率、あるいはこの場合、この落ち込みが年末まで続くという推定にもとづいて行われる。だが現実にはそうはならず、経済は、パンデミック第二波が来ないならば、徐々に回復し始める。第一四半期と比較すると、GDPは9.4％落ち込みである。パンデミックは、米国を深い経済に陥れた。2020年2月、米国では約600万人の失業者が登録されていたが、6月になると、三倍増え、現在、1775万人である。先週、175万人が失職した。欧州の状況も厳しいものである。ドイツ統計庁は、GDPは10.1％下落したと伝えた。この後、最大の株価指数DAXは、500ポイント、4％下落した。現代発展研究所金融経済部長ニキ−タ・マスレンニコフは「米国は、No.1の経済国ですが、そのため、当然、経済が大きいほど、落ち込みも大きい。反発も、驚くほどのものとなる。今日、32％の落ち込みだが、 中程度に修正された予想でも、例えば、ゴールドマン・サックスのように、第三四半期の落ち込みは22〜25％としている。そのため、最も著名なペシミストでも、7％以上は出さない。パンデミック第二波がある場合、年間、10〜12％に落ち込みなる可能性がある。これには石油価格や、シェ−ル・オイルの状況も影響する。さらに中国と貿易戦争があり、さらに他の貿易対立もある。米国では労働者五人に一人は、貿易と関係しているので、これはかなり際立っている。まして、貿易は第一四半期、13％減少したが、第二四半期については、数値はまだ出ていないが、予想はほぼ同じである。ロシアのエコノミストは、世界経済も、ロシア経済も悲観的に見ている。「こうした結果は、回復は以前よりかなりゆっくりで、金融市場では大きな修正リスクがあるだろう。何故なら金融市場とリアルセクタ−経済の動きの乖離は、市場修正が避けられないほどになっている。問題は、これがいつ始まるかである。8月は、まだ若干であり、9月ではかなり危機的となる。伝統的に8月は、ロシアではネガティブなニュ−スが中国から入ってくる。中国経済は債務の点からはかなり過剰であり、融資によりきわめて刺激されている。これはその他の国にもあてはまる。目下、状況はきわめて不透明であり、きわめて不安定であると、ニキ−タ・マスレンニコフ氏。世界は経済回復には5年間かかると、専門家。金融・取引所アナリスト、ステパン・デムラは「GDPの落ち込みは予想通りだ。米経済の落ち込み予想では35％も、40％もあった。ロシア経済は完全に石油に依存している。GDPと石油価格の関係は92％である。「石油尖塔から降りる」という話は、クレムリンのおとぎ話である。したがって、ロシアの状態は、先ず、次のアネクドートのようである。「ウオッカが値上がった。父さん、飲むのを控えて？いいや、息子よ、お前が食べるのを少なくしなさい！」ロシアの石油は誰が使っているのか？米消費者は厳しい状態にある。企業アンケート調査によると、レストランビジネスでは約80％は市場から去り、全体では約40％が去る。現在、オ−プンしていても、閉めるつもりでいる。中国は「破綻の運命」にある。不動産市場では52兆ドルのバブルであり、いまにもはじけるだろう。全てが漂う。2021年にロシア経済が回復することは忘れたほうがよい。長く続く。世界経済が回復するまで続く。今後5年間、回復はないだろう。大不況ではない。恐慌が待っている。

−28日（火）「ロシア経済危機の規模」（lenta.ru紙、「経済」）専門家はロシア経済に対するコロナウイルスの影響規模を分析し、ロシアは危機の深さでは、GDPの落ち込みでも、失業率でも、工業指数の動向でも、比較的順調な国にはいると表明したと、経済大学の報告「ロシア及び世界におけるコロナウイルスの経済的、社会的影響」に記載されている。ロシア経済は2020年、予想通り、5.5％の落ち込みで、事実上、世界平均値に一致する（世界GDPの落ち込みは5〜7.5％と予想されている）。失業率は、危機時、1.6％の増加のみであり、工業指数は10％近くの落ち込みで、今年1月〜5月で90.4％。コロナウイルスは、ロシア予算にとって大きな試練となり、予算収入は危機時、ロシア最大の輸出品であるエネルギ−資源の需要減の中、減少した。2020年上半期、予算収入は5％減少し、9.1兆ル−ブルとなった。この間、支出は約10兆ル−ブルとなり、これは2019年同期より約30％多い。2020年、予算赤字はGDPの5％となる。数兆ル−ブルの支出にもかかわらず、ロシアは経済支援規模では、G20の中でアウトサイダーである。支出額はGDPのたった2.9％にすぎない。調査によると、G20で自国経済を最も支援した国は例えば、ドイツ、イタリア、日本、英国、フランスである。だがこうした国では、被害者に対し、予算で直接支援するより、国家保証を与えたり、その他の準国家的手段を与えたりしている。国家予算を最も支出している国は、米国とオーストラリアである。最も被害を受けたG20の国は、南アフリカ、イタリア、フランスで、最も工業の落ち込みが大きい。また大規模な危機はインド、米国、カナダにもみられ、失業者が急増している。以前、ロシア統計庁は、ロシア国民の実質可処分所得は、3ヶ月間で8％減少したと伝えた。これは2013年初め以来、最大の減少である。ロシアのGDPは2020年６月、年換算で6.4％落ち込んだ。

−24日（金）「地下鉄以外であれば：ロシア国民はオ−トバイに乗り換える」（オ−トバイとスク−タの需要はコロナウィルス流行の中、45％増）（GAZETA.RU紙、チム−ル・ハサノフ）ロシア国民は中古オ−トバイをよく購入するようになり、2020年第二四半期、オ−トバイ需要は45％増えたと、「アヴィト・アフト」社の調査結果。需要は供給を上回り、オ−トバイやスク−タに対するこうした高い関心は公共交通における過剰な接触を避けたいという心理のせいである。2020年4月〜6月、ロシア国民の中古オ−トバイの需要は45％増えたと、「アヴィト・アフト」社。第二四半期、需要は供給より3倍多くなっている。バイクの最高値について、アナリストは、ノヴォシビルスク市とクラスノヤルスク市をあげ、これら都市では41万2600ル−ブル。平均価格以下はイルクーツク市（16万4800ル−ブル）、ウリヤノフスク市（16万2700ル−ブル）、ウファ市（15万9900ル−ブル）、ペルミ市（15万9200ル−ブル）、サラトフ市（15万2700ル−ブル）、オムスク市（14万4700ル−ブル）、バルナウル市（12万1600ル−ブル）である。4月〜6月、モスクワとサンクトペテルブルクで、二輪車に最も関心が示され、この2都市だけでも、ロシア全体の需要の6％以上にもなる。モスクワではオ−トバイ需要は1年間で6％増え、サンクトペテルブルクでは16％増えた。最も需要が増えた場所は、バルナウル市、イルクーツク市、ノヴォシビルスク市、オムスク市でだる。各都市とも昨年比で50％以上増えた。オ−トバイとスク−タの需要急増は、先ず、パンデミックの中、個人の輸送手段への高い関心のせいであると、「アヴィト」社。以前、同社はアンケート調査を行い、国民の43％は自粛解除後も、高い感染リスクから、公共交通をほとんど使わない意向。これは、代替の移動手段を探す動機となっている。「アンケート調査結果によると、パンデミックの中、これまで自動車をもっていなかった国民の9％は、自動車購入をするときめている。国民は、自粛終了にもかかわらず、相変わらず、公共の場にいることを最小にし、個人移動手段にかなり関心をもっている。オ−トバイは自動車より入手しやすいので、この需要のかなりの増加は当然である」と「アヴィト・アフト」社代表キリル・ヴォチャコフ。以前と比較すると、国民は野外オ−トバイ（バギ−等）も、購入している。第二四半期、この需要は81％増である。この傾向について、専門家はパンデミック後の消費者行動の変化のせいと説明している。隔離時、多くの人は、郊外住宅に籠もる傾向があり、こうした場所ではこれは最も適切である。オ−トバイにたいする高い需要は一時的なもので、今年の状況のせいであると、自動車産業コンサルタント、セルゲイ・ブルガズリエフ。「職場までの距離が60km以下の場合、オ−トバイやスク−タの購入はきわめて理にかなっているように思われる。しかし、この需要はきわめて一時的なものであり、ロシアでは10月から4月まで、寒い気候であり、二輪車の利用には適さない。パンデミックの終わりと共に、オ−トバイを購入する理由はなくなるだろう」とブルガズリエフ氏。オ−トバイの利用範囲は、道路事情にもかなり関係しており、特にオ−トバイは、道路がよく手入れされている大都市の住民が購入する。コロナウイルスは、個人の独立性と安全性にとって、個人交通手段がいかに重要か、示していると、自動車専門家セルゲイ・イファノフ。これに関し、都市、特に首都における個人交通手段に対する当局の対策は、感染流行に手を貸すばかりである。「高い駐車料金、狭い通り、駐車場所の撤廃、残った駐車場にある多くのカ−シェアリング自動車、公共交通用の車線、都市中心部への将来の進入禁止、人口過密など、現在、これは感染流行に適するものであり、何故ならまさにこうしたことが、モスクワ市民がより危険な公共交通のため、個人自動車をあきらめている根拠となっているからだ」とイファノフ氏。

−22日（水）「6都市：ここから海外へ飛行できる」（ロシアは国内6都市から海外へ飛行できる）（GAZETA.RU紙、イワン・アプレ-エフ）ロシアは徐々に国際飛行便を再開する。6都市から飛行が許可される。最も西部では、サンクトペテルブルク、最も東部ではウラジオストックとし、大きく区分した地域から空港を一つずつ選択した。首都からは3空港から飛行できる。ロシアは国際飛行便再開の第一段階として、6つの飛行場から始め、各空港は、大きく区分した地域に一つずつあると、イズヴェスチヤ紙は、政府に提出されたロシア航空庁長官アレクサンドル・ネラチコの案を伝えた。モスクワでは、「ヴヌコヴォ」空港、「シェレメチエヴォ」空港、「ドモデドヴォ」空港からの国際便の再開が提案されている。さらに政府は、サンクトペテルブルク、ロストフ・ナ・ダヌ−、エカテリンブルク、ノヴォシビルスク、ウラジオストックからの国際便を認める意向。また国際便制限撤廃の第二段階として、連邦消費者監督庁は、世界の感染流行状況を見守り、二週間おきにロシアのあらゆる国際空港から飛行できる国のリストを政府に提出する。これは、航空庁及び外務省と協力して行う。副首相タチヤナ・ゴリコワは、飛行再開は、コロナウイルス感染率が10万人当たり40例以下で、感染者の1日当たり平均増加率が1％以下の国が対象となる。目下、こうした指標で該当するのは13カ国であり、欧州では9カ国（英国、ドイツ、ハンガリー、イタリア、オランダ、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、ポーランド）で、アジアでは4カ国（ベトナム、モンゴル、スリランカ、中国）である。ちなみに、3月27日からロシアは、コロナウィルスの流行により、国際旅客便を停止した。例外は、海外に残留した国民の帰国便と、貨物便、郵便物の飛行便等である。7月17日、保健相ミハイル・ムラシコは、ロシアは国際便を一連の制限付きで再開できる。こうした中、保健相は、乗客全ての強制検査と、乗客全てソ−シャル・デイスタンスの遵守をあげている。「国際便の再開は必要だが、今日の状況であらゆる規制緩和は、一定の修正、制限、予防を伴うものでないといけない」と同相。ロシア観光庁は、海外での休暇プランはまだ、時期尚早と述べている。「旅行会社は目下、消費者監督庁が3月19日に出した勧告に従っている。こうした勧告を撤廃して初めて、何らかの旅行について語ることができる。これも、大使館の業務再開、国際便の再開、国境の開放を伴うものでないといけない」と観光庁長官ドミトリ・ゴリン。海外では今日まで多くの隔離措置がとられ、全ての外国がコロナウイルス検査の陰性証明書なしで入国を認めているわけではない。またロシア国民の30％以上は、年内、休暇旅行を取りやめており、25％弱は休暇旅行をする意向と、財団「世論」の最新の世論調査結果。この調査デ−タによると、2020年、休暇旅行は国民の24％が予定している。一方、回答者の36％は、年内、休暇旅行は予定していないと回答。何故なら子供の世話で仕事をしていないか、休暇中だからである。約12％は、今年、休暇なしで仕事をし、15％はすでに今年、休暇ととっている。年内に休暇旅行を強く望む国民は、おそらく実行するだろう。ロシアでは28％がクバンへ行き、13％はクリミア、12％は、モスクワである。ロシア首都は来訪者に対し、閉鎖されず、当局はコロナウィルス流行の第二波の原因があるとみていないと、モスクワ市長セルゲイ・ソビャニン。

−20日（月）「憲法改正により、新たな予算で仕事が始まる」（「今日の経済」紙、アレクサンドル・メルニク）憲法改正国民投票の結果、国全体の路線が根本的に変化したと、下院予算・税委員会委員エフゲニ・フョ−ドロフ。ロシア大統領ウラジーミル・プ−チンは、2021年及び2022年〜2023年の計画期の連邦予算に関する拡大会議で、政府は三カ年予算の編成の際、憲法改正に投票し承認した国民の気持ちを考慮すべきであり、予算は新憲法の精神と条文及び、人々の要請に応えるべきであると表明。同議員は、大統領発言の重要な意義を指摘し、2020年6月25日〜7月1日に行われた憲法改正国民投票の結果、国全体の路線が根本的に変化したと説明。「これは正反対のものであり、主権と独自決定を目指すものである。当然、国民投票後、国内のあらゆる出来事は今後、まったく異なる志向、論理、原則となる。大統領はこれについて述べているが、予算も例外ではない。そのため、こうした転換により、根本的に別の経済、国家政策、法律が見込まれる。これについては、プ−チン大統領は詳細に述べ、2012年の大統領教書の枠内で公定歩合のゼロ化経験を利用する案を述べ、その後、オフショアにある企業に公式には属しているロシア企業の所得の隠蔽を認めない法制度を適用でき、金融システムを国有化し、財産制度の原則を変え、司法改革を行える。こうしたことが、国民投票後、見込まれ、繰り返すが、これはまったく別の経済構造を意味する」とフョ−ドロフ氏。こうした変化は、徐々に起こり、2022年〜2023年にも及ぶ。「将来、新政策の影響が見込まれる。例えば、金利がゼロとなると、これはル−ブル発行の原理を変え、国内のル−ブル量は2〜3倍増えることになる。財産制度の形成は、財産構造そのものを変え、国の金融基盤を根本的に刷新することで、オフショアから退去することになる。こしたことは、連邦予算、国家計画の実行、社会生活及びその他の分野に影響する。もちろん、戦略変更全体は、連邦予算でも考慮する必要が出てくる」と同氏。我が国経済システムの急激な方向転換は、別の予算となり、そのため、来年の規模は、今年より一桁大きくなると、同氏。脱オフショアが実現すると、フョ−ドロフ氏によると、税収が倍増し、国家経済の発展に向けることができる。さらに予算拡大会議で大統領は、死活にかかわる重要部門のプラン全ては、国民の雰囲気とコロナウィルスパンデミックにかかわる出来事を考慮して行う必要があると強調。そのため、過去の経験を考慮し、追加資金を長期的、戦略的プランに向けることが重要であり、保健制度、教育制度の発展や、国防及びインフレの維持に向ける必要がある。プ−チン大統領は、会議参加者に国家金融制度のバランスと安定性の向上のため、予算規則とインフレターゲットを守り、責任ある予算政策を今後も維持するよう求めた。ちなみに2020年、連邦議会向け教書で、プ−チン大統領は、政府は国民の意見を考慮する必要があると、何度も強調。ロシア大統領は、先延ばしせず、国が直面している大規模な社会、経済、技術課題を解決するよう求め、その内容や指標は、国民計画に反映しており、その実現には国家管理、政府の仕事、政府の全ての機関に新たな資質が求められ、国民との直接対話が必要であると指摘。「ロシアの法制度では憲法の指導権はないので、全ての決定は、例えば、パンデミックの当初、WHOのような国際機関に従っている。しかし、ロシアにとって、これは必ずしも、最良のパターンではない。大統領が指摘した国民計画の数値は、すでに国民投票前に記述されていた。そのため、憲法改正後、システムが変わり、別の一次数値となり、国民所得は上がり、経済力を増大し、産業その他の部門が強化される。これは国家及び経済建設にとって、他の可能性が生まれる」とフョ−ドロフ氏。

−16日（木）「別荘の需要：パンデミックにより、不動産市場は多年の不況から脱出」（ロシアの郊外不動産市場は不況から脱出）(GAZETA.RU紙、イリナ・ヴラソワ)パンデミックは、郊外不動産市場を不況から抜け出す上で貢献。「アヴィト不動産」社のデ−タのよると、上半期、郊外家屋の購入需要は77.7％増、賃借需要は35％増である。「不動産情報局」のサイトによると、自粛時、売買・貸借広告の閲覧数は7倍に増えた。専門家は、これは長期的トレンドになる可能性があり、別荘の購入は急いだほうがよいと見ている。7月初め、郊外不動産市場は長年の不況から抜け出しただけでなく、かなりの過去の成績を上回っていると、「アヴィト不動産」社アナリスト。専門家は、一定の消費者トレンドがあると指摘。2020年4月と5月、自粛当初、別荘賃借にかなりに需要があり、経済危機前の3.2倍となり、自粛解除後、まさに郊外不動産の購入が最も優先的なものとなり、こうした住宅購入の関心は昨年と比べ、1.5〜2倍となった。郊外不動産への需要はここ数年、きわめて弱く、別荘は長きにわたり、価格が下がっていた。「長い間、価格はきわめて安かった。例えば、2014年、家屋の価格が2千万ル−ブルだったが、同じ家がパンデミック前では最高で1400万ル−ブルだった」と「NDV−スーパーマーケット不動産」社都市不動産部長エレナ・ミシェンコ。それによると、現在、100万ル−ブルから1000万ル−ブルの別荘や郊外家屋は積極的に解体されている。現在、最も動きのある商品である。例えば、モスクワ郊外市場の発展は、2008年の金融危機前の時である。その後、コテ−ジは徐々に値下がっていると、パ−トナ−ネット「CBRE」のアンナ・ラジャボワ。「ここ数年、モスクワ郊外の市場は静かだった。これは、高級住宅もそうで、2019年、需要はきわめて低く、モスクワ郊外の高級コテ−ジの平均価格は、約6％下落した。2億8200万ル−ブルから2億6560万ル−ブルまで下がった」と「メトリウム・プレミアム」社高級不動産管理部長。現在、自粛時、急激な需要減となった首都市場と異なり、逆に郊外市場は、上向きな動向を見せている」とアンナ・ラジャボワ。「長い間の静けさは活発化に変化した。パンデミックは、当初、賃貸需要を活発化させ、その後、コテ−ジの購入需要となった。人々は、契約を終え、郊外の家に早く引っ越そうとしている」と専門家。同氏によると、購入者の優先順位は変化し、若干のクライアントは、すでに行った集合住宅の購入契約を取りやめ、郊外の家に留まるというケ−スもある。「ヤンデクス不動産」社のアナリストによると、5月、自粛時、郊外住宅の需要はほぼ1.5倍となった。モスクワ地域についていうと、「3月半ばから州内の家屋賃借への高い関心がみられ、4月では購入需要も急増した。5月、郊外住宅の販売広告にたいする問い合わせは2.5倍となったと、「ヤンデクス不動産」社。モスクワ郊外では4月〜5月（自粛時）、別荘の賃借も、購入も需要は増加した。最も増えたのは賃借で、それも長期である。「2020年4月〜5月、昨年同期比で、広告閲覧数は5倍となり、日によっては、7倍にもなる」と「不動産情報局」分析センタ−主席専門家ヴィクトリア・キリュヒナ。「コテ−ジ購入への関心も、昨年と比較すると増えており、昨年同期比で2.3倍である」と同氏。「不動産情報局」は、5月半ばから需要が徐々に減少していると指摘しているが、自粛解除とともに、主な制限の撤廃の後、市場の動きは少なくとも昨年より約30％も多いと、同専門家。「6月、需要は昨年より30〜40％多い。7月も郊外不動産は、かなり注目されている」と「NDV−スーパーマーケット不動産」社エレナ・ミシェンコ。その予想によると、秋まで仕事がこのように進むと、需要は下がるだろう。「コロナウィルス流行第二波があると、この傾向は持続するだろう。しかし、この場合、購入より賃借になるだろう。目下、予想は時期尚早である」とミシェンコ氏。それによると、郊外不動産の購入需要は、安定するかもしれない。「一面では、賃貸市場における春の需要が間接的に支える。人々は郊外生活の優位点を高く評価しており、おそらく優先順位を変えるだろう。他面、コテ−ジの需要は、テレワ−クの普及により増えるだろう」と同氏は伝え、テレワ−クの普及とテレワ−ク調整法の承認により、通勤通学移動を減らし、つまり、家からオフィスまでの長い道のりは、問題ではなくなるだろうと指摘。郊外不動産への大きな需要は、価格も関係している。「アヴィト不動産」社のデ−タによると、長期貸与の家屋及びコテ−ジは、約33.3％値上がった。別荘は17.7％、タウンハウスは10％である。「不動産情報局」の試算によると、経済危機前（3月初め）と比べ、郊外の不動産価格は10％高くなった。同社分析センタ−主席専門家によると、大きな価格上昇はすでに起きており、需要は下がりつつあり、さらに最も手頃で人気のあるものはすでに売却済みか、あるいは需要ピ−ク時に賃借されている。ヴィクトリア・キリュヒナ氏によると、今年、「不動産情報局」は、価格の大幅上昇を見込んでおらず、何故なら価格見直しがすでに行われたからだ。「今後、郊外に住み、積極的に使うとすれば、不動産金利がきわめて魅力的なまさに現在、購入すべきだろう」とエレナ・ミシェンコ氏。アンナ・ラジャボワ氏によると、高級不動産市場では、価格下落の条件はなく、大きな値引きを期待すべきではない。

−14日（火）「住宅問題の解決方法は、ルーズベルトの“ニューディール政策”のミニチュア版」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）住宅建設は、ロシアが貧困に打ち勝ち、コロナウィルスによる経済危機から脱出に寄与すると、政府付属金融大学教授アレクサンドル・サフォノフ。ロシア大統領ウラジーミル・プ−チンは、ロシア史上初めて、住宅問題を解決できるチャンスがおとずれたと考えている。大統領が考えているように住宅問題の解決は、人間とロシア家族にとって正常生活の基本条件の一つであり、そのため、歴史的チャンスを逃さないように全力を尽くす必要がある。副首相マラト・フスヌリンのプランでは、500万世帯が2026年までに住宅を入手できる。プ−チン大統領は、これは現実的数値だが、大きな目標を設定するなら、より多く獲得できると発言。このためには平米当たりの単価を下げ、建設コストを引き下げる必要がある。プ−チン大統領は、住宅価格が国民の手に届くようにするため、建設コストに注視する課題を提起した。中央銀行による公定歩合の引き下げと建設部門支援の政府対策は、不動産融資の金利低下となった。ロシアでは、年利6.5％という優遇不動産プログラムが出現したが、これでは住宅問題を解決できない。「コロナウィルスによる経済危機」は、実質所得の減少となり、最も被害を受けたのは、複数の子供のいる家族であり、その住宅問題の解決は、人口政策最大の課題である。そのため、不動産金利や、住宅市場価格の低下だけでは、不十分であり、国の巨額資金が必要である。「国家の投資なしには、住宅問題は解決できない。我が国には貧しい人が多くおり、どうやっても、新しい住宅を手に入れることができない」とサフォノフ氏。そのため、優遇不動産プログラムは、ロシアの尺度で生活に困らない人を対象としてる。統計デ−タを見ただけでも、こうした人々にはすでに住宅があり、そのため、この人たちに不動産融資の需要を期待できない。現在、住宅投資への収益性は低下しており、これは、ル−ブル建て、ドル建て住宅価格が常に上昇していた10年〜15年前のようなメリットのある資産ではない。このように国は低金利によって、さらなる投資家をロシアの住宅部門に引き入れることはできない。ロシア経済建設部門の最良のドライバーは、子供が多くいて貧しい家族の住宅問題の解決であるが、現在、こうした住民グル−プは、「どうにかやりくりしている」が、標準の不動産融資に必要な資金がない。「ロシアには危険家屋や、大修理及び改修が必要な住宅が存在する。ここでも、国家の関与は避けられない。そのため、大統領の発言は次のように解釈する必要がある。先ず、「コロナウィルスによる経済危機」からの脱出や、貧困対策ではエコノミストの提案の一つは、国家投資を大幅に増やして、住宅建設を積極的に始めることである」とサフォノフ氏。「コロナウィルスによる経済危機」からの脱出や、貧困対策の問題は、ロシア経済の問題は先ず、最貧困層に打撃を与えたことから、一つのものである。「この基本は、貧しく子供の多い家族が危険家屋から無料の国家住宅に移転することである」とサフォノフ氏。それにより、ロシアは課題の多くを解決でき、何故なら建設は経済成長のドライバーであり、ロシア国民経済全体を結びつけるものである。「これは、鉱業であり、鉄鋼であり、金属加工であり、輸送であり、建設部門への人々の引き入れである」とサフォノフ氏。ロシアでは、30年代のルーズベルト大統領の「ニューディール政策」を思い起こすことが好きである。これはロシアでは様々の時代や経済の特性により不可能だが、ミニチュア版では、これにより住宅問題の解決ができる。国は、経済へ巨額の資金を投資し、これは人材に好影響し、多数の人々に仕事を与え、中小企業も含め、多くに企業に固い発注を出すことができる。「これは、労働市場問題の一部を解決できる。住宅公共事業を整備し、これにより、こうしたサ−ビスを節約できる。ロシアの公共料金は、古い技術と結びついており、これにつぎを当てることは無意味だ。フルショフ時代にように建設を行えば、公共インフラが現代化できる」とサフォノフ氏。水道及び電気の公共サ−ビス、排水、その他サ−ビスのことである。「こうした分野を見直す必要がある。住宅を購入すると、家具や器具も購入する。これも、ロシアの産業にとって、さらに一つのドライバーである」とサフォノフ氏。住宅建設への投資により、ロシアは経済を回復させ、長きにわたり、経済を前進させることができる。「住宅部門は、貧困対策の一つであり、子供の多い家族の環境作りの一つの要素である。国の関与なしにはこれは不可能である」とサフォノフ氏。

−9日（木）「経済の成功が、ロシアの投資魅力を高める」（「今日の経済」紙、マキシム・ブウト）ロシアは、国内改革と魅力的経済により、投資家にとって、魅力的な欧州諸国トップテンに入ったと、ロシア国民経済・国務大学経済安全学科准教授、経済学博士パヴェル・グリボフ。ロシアは、昨年、外国投資家にとって、最も魅力的な欧州諸国のトップテンに入り、9位となったと、コンサルティング会社「EY」の調査書「欧州諸国の投資魅力」。それによると、ロシアでは昨年、外国投資家は191件の計画に投資した。そのうち、直接投資計画の99％は、コロナウィルスの流行にもかかわらず、実行されている。「コロナウィルスの流行と石油価格の下落による経済危機の影響にもかかわらず、これまでに着手した計画は、実行され、新たな契約も締結される。2019年の計画全てを分析した。そのうち、外国からの直接投資の34％は、すでに完成段階にあり、65％は、実行中であり、１％のみ未確認である。こうした数値は平均では、欧州の評価より良く、ロシアへの直接投資計画は検証済みで長期的性格のものということができる」と「EY」社CIS諸国担当経営パ−トナ−、アレクサンドル・イヴレフ。「投資魅力の評価は、きわめて妥当である」とグリボフ氏。「こうした背景で、投資リスクにもとづく国の評価という他のランキング（Due diligence）において、ロシアの優良性を思い浮かべることができる。ここでも、ロシアの成功はきわめて顕著である。全ては、投資家業務の緩和対策で、国家指導部の戦略の成功を意味している。おそらく、全ての措置が完全に実施されてはおらず、当初考えたように機能していないかもしれない。しかし、少なくとも、外国企業は、ロシアですでに存在する傾向を前向きに評価していると思う。ロシアにとって、コロナウィルス流行の影響は、他国より小さいという結論を出した国際機関の最近の発言を想起すれば十分だろう。「EY」社の調査によると、2018年と比べ、ロシアにおける外国からの直接投資の数は９％減少した。この調査に参加した欧州諸国の55％も、落ち込み動向であり、欧州における外国からの直接投資の数は、１％以下（0.9％）の増加である。経済危機により、投資へのアプローチも変化し、大手企業は完全に仕事のやり方を変えている。調査結果から分かったことは、コロナ後の世界では、投資判断に対する一定の影響は、次の三つの傾向である。一つは、製品・サ−ビスの入手を容易にする技術変化の加速である。第二は、気候変動と安定的発展の問題への高い関心と、サプライチェ−ンの再編である。最後は、国内外における購入に関し、優先順位の見直しである。「“EY”社の調査結果によると、ロシアはここ数年、経済計画でそれなりの成功をおさめている。投資家にとって国家保証の役割は、つまり、ロシアへ投資された外国資金の保護のことだが、これはさほど大きくはないと思われる。実際、最近懸念されていることは、ロシアの投資魅力に対し、「Baring Vostok」ファンド代表マイケル・カルビに対する訴訟はかなり影響するだろうといわれた。だがこうしたことにはならず、影響はかなり小さかった。しかし、この問題から分かったことは、ロシアでも、投資及び投資家保護の法律はかなりあるが、その機能は、まだきちんと出来上がっていない。これに関し、国内の投資環境を改善したいのであれば、少なくない仕事が残っている」とグリボフ氏。2019年、ロシアは世界銀行のランキング「Doing Business」でも、その数値を大幅に改善した。三つポジションが上がり、28位となり、ビジネスの容易度ではスペインを追い抜いた。目標は以前のままで、2024年までに上位20位に入ることであると、大統領は何度となく指摘し、経営者の地位改善のため、ロシア法を改正する課題を提起した。このランキングには190カ国が入っている。2016年から、ロシアは「Doing Business」では12ポジション上がり、BRICKSでは最良の国となり、欧州諸国の半分を追い抜き、フランスやオランダのような国となっている。中国は2018年だけでも46位から31位となった。これは、ロシアは業績の上であぐらをかくわけにはいけないという意味であり、改革を続け、法律を整備する必要がある。だが投資引き入れでは、それでも政治の役割が大きい。「ロシア投資魅力の上昇ポテンシャルは、まだまだ大きい。取り組むべきことはあり、目指すべきことがある。しかし、それでも、大計画、プログラム、インフラ施設への国家投資に重点をおいている。公式にはまさに国は、外国からの資金引き入れの目標は存在すると表明している。その規模は、それでも、望むほどのものではない。しかし、成功する上で大きな抑制要因は、西側がロシアに科した制限と制裁であり、経済投資に関しては、これについては認識する必要がある。この体制が解除されたり、緩和されたりしない限り、大きな飛躍は期待できない。ロシアの有望部門に対し、外国からの資金は普通に流入するが、これは「許可」された分野だけである。現代世界では、外国からの投資はきわめて政治と結びついていると、パヴェル・グリボフ。

−7日（火）「ロシアで世界最大の原子力砕氷船を建造」（“リ−デル”型は、ロシア新世代砕氷船の基準となる）（独立新聞、タチヤナ・ポポワ）世界最大の原子力砕氷船（“リ−デル”型砕氷旗艦）は、造船所「ズヴヨズダ」で建造が始まった。将来の原子力砕氷船用の船体パ−ツのカットが行われている。船名は「ロシア」である。世界造船史上、最も強力な原子力船は、北海路において、年間いつでも、商船を護送でき、専門家によると、ロシアは重量級造船で、新たな技術レベルに達する。“リ−デル”型は、ロシア新世代砕氷船の基準となるだろう。「ロシア」号の長さは、210m、幅47m、吃水13m。この砕氷船には、原子炉RITM型２基、タ−ビン４基、スクリュー電動機4基が装備される。砕氷船発電機の総出力は、120MWtで、速度2ノットで、厚さ4m以上の氷を走破できる。氷の厚さ2mの場合、砕氷船の速度は12ノット近くになる。原子力船は、幅約50mの水路を作り、大型輸送船（5万トン以上）や、船体幅50mのArc7クラスのガス輸送船を北海路にそって、経済的の案内できる。砕氷船の建造完了は2027年。“リ−デル”型砕氷船の運転開始までは、最大出力60MWｔの原子力砕氷船などが、北海路にそって輸送船を案内する。「国内造船所は、ほとんどは、しばしば、ツア−リ時代や、旧ソヴィエト時代に設立されたものであり、そのため、ほとんどが古い非効率的なインフラ「残滓」である」と戦略・技術分析センタ−長ルスラン・プホフ。造船所「ズヴヨズダ」の場合、逆である。この造船所はゼロから設立され、ソヴィエト後、最新で最大の乾ドックや、独特のクレ−ン「ゴリアフ」、様々な機械製作設備をもっている。そのため、新世代原子力砕氷船のような複雑なものは、おそらく、現在、この造船所しか対応できないだろう」と同氏。戦略・技術分析センタ−副長コンスタンチン・マキエンコは、北海路は輸送船にとって、有利で使い易いものすることができると指摘。「このためには、大型専用船が必要である。先ず、これはハイテクガス輸送船や砕氷クラスのタンカ−である。造船所「ズヴヨズダ」のほかに、ロシアでは大型船を建造できない。我が国には他にこうした造船能力がないだけのことである。大型ガス輸送船やタンカ−のほか、新生代の砕氷船も必要となる。世界最大のものである。これはイノベーションへの投資であり、造船を発展させるハイテク開発が求められる」と指摘。「造船所「ズヴヨズダ」では、200のフロ−テイング手段が建設される」と「インフォTEC−タ−ミナル」役員ルスタム・タンカエフ。「最も技術的に複雑で、他の造船所で開発されていない海洋技術、つまり“リ−デル”型原子力砕氷船のことだが、祖国造船の誇りとなるだろう。事実上、我々は重量級造船という新たな産業部門の起点に立っており、その基盤には造船所「ズヴヨズダ」がなるだろう」と発言。ちなみに砕氷船建造の契約は造船所「ズヴヨズダ」と「アトムフロ−ト」社によって今年4月23日に締結された。国の発注者は「ロスアトム」社で、造船所「ズヴヨズダ」は、プ−チン大統領の決定により、この契約唯一の執行者によって選択された。さらに造船所「ズヴヨズダ」は、「アフラマクス」型タンカ−の建造を開始した。これはカザフスタン初代大統領ヌルスルタン・ナザルバエフに敬意を表して名付けられた。造船所「ズヴヨズダ」は、大統領の指示により、「ロスネフチ」社を中心に企業連合によって設立された。現在、この造船所の受注量は39隻で、オプションを入れると59隻になる。28隻を発注したロスネフチ社によりパイロット操業ができる。造船所「ズヴヨズダ」のラインナップには、35万トンの船舶、海上プラットフォーム部品、砕氷船、商船、特殊船、以前ロシアでは必要な排水設備や油圧施設がなかったことで生産されていなかった技術など、あらゆる複雑性、仕様、用途の海洋技術が入る。

−7月2日（木）「コロナウィルスの流行で、低層住宅が人気」（集合住宅の建設は、旧式となっている）（独立新聞経済部次長、アナスタシア・バシカトワ）産業部門の中で、破滅的4月の後、失地挽回し始めたリ−ダが現れ、これは家具部門である。経済大学の分析では、新しい構造的トレンドのせいとしている。住宅建設、特に郊外の住宅建設だが、「セコンドハウスのコンセプト」と結びついたものは全て、パンデミック後の急速な発展を示すものである。しかし、パンデミック以前でも、一戸建て住宅の建設には、建設される住宅面積のかなり部分、つまり40〜50％であった。家具メ−カは、大手加工部門の中で、4月の二桁落ち込みを挽回し始めた唯一の部門であると、経済大学発展センタ−の専門家。家具部門は5月、年換算で2.2％の成長をみせた。4月の落ち込みは24.6％。4月、かなりの打撃をうけた他の部門は、落ち込みを続けた。これは、衣類、機械・設備、コンピュータ、電子機器等である。エコノミストによると、こうした家具部門の成功には二つの理由がある。「これは、新病院向け家具製造や、新たな構造トレンドの“発芽”のせいかもしれない。何故なら住宅建設（特に郊外）、AIハウス技術、遠隔オフィス、セコンドハウス構想と結びついたあらゆることなど、パンデミック後、急速に発展する可能性があるからだ」。国内で建設されるかなりの部分は、現在、一戸建て住宅の建設である。例えば、2020年1月〜4月、一戸建て住宅の建設割合は、全住宅建設の51％以上にもなる。この間、一戸建て住宅の建設は950万�uとなり、これはけして夏期の別荘ばかりではない。統計庁のデ−タによると、園芸用の土地に建設された住宅の面積は、1月〜4月、90万�uにすぎない。年平均でみると、2016年〜2019年、一戸建て住宅の建設割合は、建設された全住宅比では、約40〜46％になる。さらに昨年、市場関係者が伝えたところでは、一戸建て住宅の建設は、集合住宅より早く増えている。現在、住宅建設の落ち込みは、一戸建て住宅にも影響したが、この分野ではこれは、集合住宅よりはるかに影響は小さい。「ロシアにおける一戸建て住宅の建設は、現在ではなく、2〜3年前から始まった」とロシア経済大学准教授エレナ・バプキナ。先ず、こうした関心の変化は、賃貸市場で起きた。春期数ヶ月、都市住宅の賃貸需要は落ち込んだが、郊外不動産の賃貸は急増した。「別荘賃借の経験は、若干の賃借者には好まれ、特に、今年、初めてこのように休暇を過ごした人には人気があった。こうした夏期休暇の過ごし方は、かなり人気が出る可能性があり、したがって、次の夏では価格が上がるかもしれない」と「部屋の世界」社社長パヴェル・ルシェンコ。若干のクライアントの場合、賃借後、個人住宅を取得するか、建設するかもしれない。バプキナ氏によると、郊外に個人住宅を建設することは、大都市で子供のいる家族向けの集合住宅の部屋を購入するより、安くすむかもしれない。ただし、同時に反対の見方もある。あらゆる必要なインフラにアクセスできる整備された地域の大きな個人住宅は、高級地域にある集合住宅の大きな部屋と同じく、手が届かないかもしれない。ロシアで建設される集合住宅の部屋の平均面積は、すでに数年、50�uにもならず、国民所得の多年にわたる減少の結果である。人々は主に小さな住居のみ手に入れることができる。しかし、バプキナ氏は「パンデミックは、一連の経済部門の職員にとって、テレワ−クができると示唆した。これは、また都市から徐々に職場の集合場所という地位を奪っていくだろう」と指摘。「ロシア農業銀行」鑑定センタ−も、農業地域に住宅を取得したいとする市民の高い需要があると指摘している。「専門家の意見では、農村への移転願望は、目下、ロ−カルのものだが、経済変動後、専門家によると、農地への引っ越しトレンドが起こるかもしれない」と同行の予想。「ロシア農業銀行」鑑定センタ−のデ−タによると、2〜3百万人は数年以内に農業地域へ戻るかもしれない。「これは、既存のインフラを考慮した場合である」。今後のインフラ整備と長い期間を考えると、専門家によると、「ロシアの農村は、人々が戻る上で、事実上、無制限の可能性をもっている」と指摘。

2020年6月

−29日（月）「強い誘惑：経済に対する国の関与は増えるだろうか」（コロナウィルス流行の中、国の割合は増えるとみている）（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャホフ）コロナウィルス流行後、ロシア経済における国の割合は、増加するかもしれない。何故なら企業は政府の金融支援を受けざるえないからだと、専門家。ところが、政府高官は、こうした予想を否定し、国家保有資産を民間企業に売却するプランが復活すると発言。もちろん、購入を希望し、自由になる資金が持ってる人がいればの話だが．．。ドイツの航空会社「Lufthansa」の救済に90億ユ−ロの支援金が出されたと、「Deutsche Welle」紙。経済危機と制限措置の中、事実上、全ての国は、企業に対して、金融支援をしている。「Lufthansa」社の話は、一つの顕著の例である。国家支援の問題は、欧州委員会で決定され、航空会社向け資金は経済安定基金（WSF）から拠出され、これはリキャピタリゼーション（recapitalization）に60億ユ−ロ、さらに融資国家保証として30億ユ−ロである。こうした措置により、会社は存在でき、社員2万2千人を維持できるとみている。この人道的措置の裏面は、会社事業における国の割合の増加である。「Lufthansa」社の株主は、これを良く理解しており、政府側の非生産的影響を懸念している。この航空会社最大の株主（15.5％保有）は、国との取引を反対しようとした。しかし、最終的に株主はそれでも、国家支援に同意した。とはいえ、この選択は最良なのか、倒産か、それとも国家支援か。欧州委員会は、支援によりコロナウィルスの流行による経済危機に対し、「Lufthansa」社は対応できるだろうと、表明。ロシアでは、政府はコロナウィルスの流行により被害をうけた企業に対する未曾有の国家支援を行っている。これは、巨額であり、航空部門も含め、数十の部門を対象としている。国から受け取る正確の金額デ−タは目下ない。本紙が取材した専門家は、欧州委員会のやり方で行うという意向は政府には目下ないとみている。「しかし、コロナウィルス流行の状況から、厳しい財政状態に陥った民間企業の安くなった株式を国が買い取るという誘惑に強く駆られる」と「TeleTrade」社主席アナリスト、マ−ク・ゴイフマン。例えば、「ノルリスキ−・ニッケル」社の国営化という話はかなり誇張されたもので、基本的に有望会社であり、現在のさほど良くない時代でも持ちこたえていると同氏。「経済に対する国の関与は、企業への多額の支援が行われる中、今後数ヶ月間、大きなトレンドになりうる。ロシアには伝統的に、国の支配というイデオロギーや、まさに国有こそが市場の混乱を克服できるという考え方がきわめて強い」とゴイフマン氏。「Lufthansa」社のような国家支援のやり方は、基本的に可能であり、これは行われてるが、ドイツほどの規模ではないと、ロシア国民経済・国務大学国務・国家管理研究所社会部門経済・金融学科教授リュドミ−ラ・プロニナ。「しかしロシアでは、国営会社と大手企業の資本における国の割合は、すでにかなり大きい。ガスプロム社、ロスネフチ社、国営銀行における国の保有株式をあげれば十分である。ロシアでは企業の方針を決める上で、会社社長や大株主の影響はさほど強くない」とプロニナ氏。ミシュ−スチン政府における民営化取引の監督者は、財務省であり、この傘下に経済発展省から国家資産管理庁が入った。財務省は、経済に対する国の関与には関心がないと、分からせようとしている。逆に近々、国有資産の民営化プランの復活、つまり、国有株式を民間投資家に売却するとうプランに近々、戻ろうとしている。2020年〜2022年、国家資産民営化三カ年プランは、すでに1月、メドヴェージェフ政府によって承認されている。現在、国は国営企業約700社の資産保有者であり、1130社の株主である。この3年間、186社の国有株式と、国営企業86社の株式が売却される予定である。しかし、実際、プランでは大手企業の民営化は少ない。例えば、「ソフコムフロ−ト」社資本金（75％＋１）、「ロススピルトプロム」社（75％＋１）、「バンクVTB」社（50％＋１）、「キズリャル・コニャック工場」社（50％＋１）などの資本金における国の出資割合を削減する予定である。さらに「マハチカラ貿易港」と「ノヴォロシスク貿易港」という二つの海港の民営化も予定されている。財務省は、前政府が作成した民営化プランは大きく修正されるか、この問いには答えなかった。しかし、以前、6月、オンライン会議で、財務次官アレクセイ・モイセ−エフは、最初の民営化取引は、今秋に行われると発言。同氏はこの中身は明らかにしなかった。民営化加速の必要性について、昨年10月、ワシントンでの外国投資家との会合で、財務相アントン・シルアノフは述べた。「毎年、民営化で36億ル−ブルを受け取る予定だが、民営化は一度限りの追加収入のためではなく、経済における国の割合を低下させるためである」と発言。さらに、民営化問題ではロシア政府は「若干弱気」と指摘。政府はいずれにしても、民営化プランに戻ることになるが、何故なら2020年、予算の赤字は、中央銀行の予想では4〜6％になると、プロニナ教授。「政府には株式を売却する意味はあるが、その需要はきわめてばらつきがあり、政府の提案する価格にかなり左右される」とゴイフマン氏。それでも、受け入れられる価格になると、計画に入っている民営化対象は魅力的ではあるが、経済危機の中で「落ち込んだ」株式、例えば、VTB銀行、「ソフコムフロ−ト」社などがある。「キャピタル」社主席エコノミスト、エフゲニ・ナドルシンは「すでに現在、企業と国の依存関係は、コロナウィルスの流行前より強まった」とみている。「コロナウィルスの流行が終わっても、依存関係は高い、ままとなることもありうる。被害を受けた企業への国家支援は、欧州と比べると、かなり控えめなものであるにせよ、企業に対する補助となり、官吏の影響を増加させる」とナドルシン氏。とはいえ、民営化で得られる収入をかなり少ないと注目している。「年間36億ル−ブルの収入という課題では、これはかなり小さなものだ。そうなると、政府の関心は何にあるのか、分からなくなる。おそらく、その手続きのほうが、成果より高いものとなるだろう」とナドルシン氏。ロシア経済における国の割合について、正確のデ−タはない。専門家の計算では、60％にもなる。

−25日（木）「中露は、イランに対するブロックシナリオに対し、様々に対応」（SWIFT制度からロシアの排除のおそれは、6年前と同じ）（独立新聞、アナスタシア・バシカトワ、経済部次長）イランに対する金融ブロックシナリオは、つまり銀行間支払いシステム「SWIFT」からの排除は、米国と対立関係にある経済大国にとって、最早、ファンタスティックではない。中国の高官は、中国は、これに対しては、心理的だけでなく、本当に準備する必要があると表明。ロシア財務省は、楽観論を抱き、制裁の6年間、ロシアは金融システムを発展させてきたと指摘。あらゆる点から判断して、ロシアはこうした結末をまだ信じていない。中国は、米国が制裁を科した場合、ドル支払いシステムからの排除の可能性に対し、準備する必要があると、中国証券監督管理委員会副委員長は表明。とくにこれは、SWIFTシステムを利用するドル決済をさしている。「我々は、精神的だけでなく、前もって本当の排除に対し準備する必要がある」と香港紙「South China Morning Post」は中国高官の発言を伝えた。「ドル決済において、このシステムに依存することは、米国の制裁の際、中国を弱いものにしている」と中国高官。また同氏は、ドル価値の下落リスクも指摘した。中国は、海外に金融以外の投資の形で約2兆ドルをもっている。さらに中国は、米国債の最大保有国の一つであり、米国債への中国の投資額は約1.1兆ドル。「海外資産が元であれば、こうした懸念はない」と同氏。おそらく、ロシアの高官は、SWIFTシステムからロシアを排除するという米共和党議員による新たな脅威にもかかわらず、楽観的である。こうした脅威は2014年に叫ばれ、政府は、財務省と中央銀行がSWIFTシステムから排除による国内決済の保護に積極的に取り組んでいると伝えた。財務次官アレクセイ・モイセ−エフは、この脅威はそれでも理論的なものであると指摘した。たしかにロシアをSWIFTシステムから排除することは、ロシアだけでなく、ロシアとの貿易相手国全てにたいし、困難な状況にする。制裁のこの6年間、一定の措置がとられた。先ず、中央銀行は、国内支払いカ−ドシステムを承認した。これをベ−スに、カ−ド「ミ−ル」とスピード支払いシステムが誕生した。第二に国際協力の強化と国際市場の積極的開拓が行われたと、対ロ金融制裁の脅威に関する調査報告で中国社会科学院ロシア・東欧・中央アジア研究所准教授。第三にロシアにおいて、国際カ−ド発行者の活動条件がロシア支払いカ−ドシステムと一致するようになり、ロシア政府は国際支払いシステムカ−ドにもとづき、ロシア国内取引の処理のため、ロシア統一代金清算センタ−を設立した。さらに金融情報伝達システムも作られた。ただし、これは主にロシア国内で利用される。「国際レベルでこうしたシステムを使うには、ロシアは中国、トルコ、イランその他の国との協力を発展させている」と同氏。研究者は、SWIFTシステムに代わる海外の代替システムの存在を指摘。中国の国際銀行間支払いシステム（CIPS）、EUの「INSTEX」などがある。またBRICS開発銀行も存在する。火曜日、投資家会議「ルネッサンス・キャピタル」で演説し、アレクセイ・モイセ−エフ次官は、2014年、制裁により国が直面したショックについて指摘。それによると、ロシアは様々な事態進展のシナリオに準備している。同氏によると、財務省は中央銀行と共に国内通貨による決済のため、独立システムを開発してきて、金融独立性のための措置をとってきた。「何故なら、SWIFTシステムその他の国際システムから排除されると、2014年には語られた。そのため、この６年間、仕事をしてきた考え方で、今後も仕事を続ける。あらゆるシナリオに対応するつもりでいる」と同氏。しかし、おそらく、今日まで、こうした脅威は、ロシア金融当局にとって、どちらかというと仮説的にとらえられている。それでも、米国はロシアをSWIFTシステムから排除するという問題がまたもや提起されている。これは、6月に共和党が提案した最も厳しい対ロ制裁の一つである。米上院議員によると、こうした排除は、ロシア石油会社にとって、ドル決済をきわめて難しくする。共和党調査委員会は、米議会に対し、SWIFTシステムからロシアを排除するよう求めている。多くの専門家も、こうしたシナリオにも懐疑的である。「SWIFTシステム自体、こうしたシナリオには全面的に反対であり、何故なら支払いシステムは、多くのクライアントを失うおそれがあり、何故ならSWIFTシステム加盟契約は、国とではなく、各銀行と結ばれるからだ」と「アルパリ」社センタ−副長ナタリア・ミリチャコワ。「これは、米国にとって、EUとの関係を断絶するおそれがあり、あるいは、米国自体がSWIFTシステムに制裁を科し、米銀行が排除されるおそれがある」と指摘。イランは、他国の銀行を介して決済と支払いを行っているが、そこにはロシアや中国のように大きな銀行部門はないと専門家。「SWIFTシステムのユ−ザ数ではロシアは米国に次ぎ、世界二位である」と「アロル・ブロ−カ」社主席アナリスト、アレクセイ・アントノフ。ロシア最大の輸出品は、炭化水素資源であり、これはロシア経済の弱点でもあり、一定の力でもある。ロシア市場は、こうした措置をとる上で、西側諸国にとって、きわめて重要であると、ロシア経済団体「ロシア・オポ−ラ」幹部会委員イリナ・カピタノワ。実際、専門家はすでに政府がとった措置で十分であるか、突然、米国の脅威が現実のものとなった場合、そうした状況にロシアの金融システムは準備ができているか、評価できかねている。だが、西側諸国はそれでも、国際支払いシステムからロシアを排除できないと期待することは、楽観論としては、十分な根拠とはなりえない。

−23日（火）「全てに開放：ロシア人はいつ旅行を始めるか」（ロシア観光庁：国内の人気地域は、7月初めまでに開放）（GAZETA.RU紙、「ビジネス」部）ロシア観光庁長官は、国内保養地の観光シ−ズンはスタ−トと表明。それによると、7月1日から、国内全ての人気地は、他の地域からの観光客を受け入れる。「今後、ウイルス感染状況により、制限を段階的に解除すると期待している。7月初めまでに最も人気のある観光地全ては、開放される。つまり、夏の観光シ−ズンがスタ−トすると言える」と「ノ−ヴォスチ」通信はロシア観光庁長官の発言を伝えた。観光庁長官ザリ−ナ・ドグゾワによると、今夏、最大の課題は、カリ−ニングラドからウラジオストックまで、国民にとって、安全で気軽な休暇である。以前、観光庁長官は、いくつかの地域では、安全休暇規則がすでに承認され、海水浴場ではマスクの必要はないと伝えた。こうした緩和にもかかわらず、現況ではまったく制限なしにするとはいえない。安全な距離を守るという義務の維持については、クリミア共和国副首相イリナ・キヴィコトも指摘。それによると、共和国ではシ−ズンに向け、積極的な準備をしている。7月1日、クリミアでは、400カ所以上の海水浴場をオ−プンする予定である。準備では、衛生基準への合致や、海底の潜水調査、ライフセ−バ−の教育も行われると、キヴィコト氏。地域間旅行向け観光部門は、来月から立ち上げる予定と、副首相ドミトリ・チェルヌイシェンコ。「基本的に6月は、スタ−トを切るために施設とインフラの準備につかわれ、7月1日から地域間旅行向けにこの部門を完全に立ち上げできるように計画している」とチェルヌイシェンコ氏は、6月8日、首相ミハイル・ミシュスチンとの拡大会議で発言。また副首相は、政府内でどのような国内観光支援措置が検討されているか、語り、子供のいる家族向けの優遇料金も導入されると指摘。「先ず、まさに家族旅行や、子供のいる家族を支援する必要があり、子供のいる家族向けに優遇料金を提供する。子供が確実に夏に休養できるように子供の観光を多様化させる必要がある」とチェルヌイシェンコ氏。副首相によると、夏に旅行会社、鉄道会社、航空会社は「ゴ−ルヌイ・アルタイ」、「バイカル」、ハカス州、カリ−ニングラド州など、新たな観光地10カ所をオ−プンすると発言。それによると、こうした方面でチャ−タ−機が使われ、旅行はかなり安くできる。ロシア国家安全保障会議副議長ドミトリ・メドヴェージェフによると、コロナウィルスの流行は、国内観光の発展にとって、刺激となるだろう。「こうした流行は、それでも、国内観光発展を加速させる刺激となり、結果的には新たな生活様式になるかもしれない」と国内観光の発展及び観光部門の支援に関する「統一ロシア」党会議で、メドヴェージェフ氏の発言。同氏によると、観光部門の企業を支援する必要があり、特に特別な経済方式を導入することで支援し、何故なら観光業はコストを下げる必要があるからだ。ドミトリ・メドヴェージェフ氏は、旅行会社に対し、「リ−ス支払い猶予」方式を導入するよう提案。何故なら通常、旅行会社の自動車は、こうした融資条件で取得した輸送手段だからだ。ロシア観光庁によると、コロナウィルスの流行によるロシア観光部門の収入不足は、1.5兆ル−ブル。長官によると、この損失を戻すのは、2021年末以降となる。

−19日（金）「新兵器と憲法改正が西側行動に対するロシアの回答」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）ロシアの軍事技術の成功と国際法条項の遵守は、西側政策を変えることにはならないと、モスクワ社会経済大学副学長、歴史学博士ボリス・シメレフ。ロシア大統領ウラジーミル・プ−チンは、核兵器防衛力ではロシアは、米国とほぼ同等の力を保持していると表明。これはミサイルの数も、弾頭の数もほぼ同等という意味であり、有望な開発でもトップである。プ−チン大統領によると、ソ連崩壊後、冷戦で勝利者と考えた者は、自分に合わせて世界を作りかえ始めた。こうした政策では彼らは、国際法を無視し、そのため、ロシアはこれにやむなく対応することになった。ロシアが復活せず、それなりのポジションを占めなかったならば、世界はもっと悪くなり、もっと危険になっただろう。そのため、プ−チン大統領は、米国が今や、ロシアと同等と話し合うようにロシアが努力した最近の変化を指摘した。ロシアは世界における自国の立場を強化するため、積極的な内外政策を実施している。このため、７月１日に憲法改正の国民投票が行われ、国民には第79条の改正が提案される。変更の第一点は、国際条約遂行の制限である。ロシア国法より国際条約が優位にあるというロシア憲法第15条第4章は、有効であり続けるが、以前、憲法裁判所がすでに指摘したこの条項履行の規定が追加される。今後、国際機関への権限委譲は、これがロシア憲法の基本に反せず、人権を制限しない場合に限り、可能となる。ロシア憲法に反する国際機関の決定は、遂行すべきではない。欧州人権裁判所や一連の国際裁判所の政治決定に対するリアクションを西側がロシアに対する政治圧力として利用している。新しい重要な点としては、内政不干渉、平和共存の保障、平和と安全の維持と強化措置という国連憲章の原則をロシア憲法に加えることである。これによりロシアは、国際法の原則を重視し、自国対外政策の基本とする。明らかにこれは、1991年後、国連憲章の基準を無視し、履行しない米国および西側諸国の行動に対する回答である。「いわゆる西側パートナーにはこのシグナルは聞こえない。ロシアはあたかも、国際法を破り、西側価値観を尊重しない国としてみられている」とシメレフ氏。共和党は、ロシアに対する新法案を準備し、苛酷な制裁を科し、「テロリズムのスポンサ−」と我が国を認定し、SWIFTシステムから排除する。これは、ロシアと西側の関係全体を毀すものである。「そのため、どのような決議を採択し、国際法の意義を認めて憲法をどのように改正しても、西側はこれを考慮しないだろう。そこではロシアに圧力をかけ、破滅させる方針がとられ、そのため、西側はクリミアから去り、ドンバス支援をやめ、プ−チン氏の退陣、中国との協力の停止という降伏を期待している」とシメレフ氏。米中関係は悪化しており、ヒ−トアップしている。以前、両国の密接な貿易は二国関係の拡大で一種の障害となると思われたが、事態は反対の方向に進んでいる。現実は、政治経済に関するレ−ニンの定義が正しかったことを確認させる。「政治とは、経済が濃縮された表現だが、経済より優位にある」米国は、中国を粉砕すべき敵国とみている。中国との長い戦いで良いポジションを占めるために、米国はロシアを戦列から離脱させようとしている」とシメレフ氏。それによると、ロシアと中国の結びつきは、米国には歯が立たない。中国の経済力とロシアの軍事力は打ち勝つことのできない恐るべき力である。「そのため、ロシアに対する西側の態度変更の根拠はない。ウクライナはNATOから戦略的パートナーの地位をえた。これは、エストニア経由で戦略爆撃機を飛ばし、ウクライナを渡さないという宣言である。バイデン氏が突如、選挙に勝ち、米軍基地がウクライナにも誕生するというシグナルである」とシメレフ氏。西側との関係は一方的には変えることはできず、そのため、現代世界に存在する現実に依拠する必要がある。「近い将来、対立と冷戦を起点としないといけないかもしれない。対立の理論からすれば、緊張緩和の合意は、カリブ海の危機後、米ロにあったように関係が沸点に達した後にのみ、到達できる」とシメレフ氏。

-17日（水）「ロシアはリ−ダ：砕氷船は、予算にどのような航跡を残すか」（政府は、北極計画をリセット）（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャホフ）政府は、北極計画を再び立ち上げ、少なくとも、北海路を発展させるため、5隻の砕氷船を建造すると、首相ミハイル・ミシュスチン。専門家は、北極への投資は支持しているが、北極計画をきわめてお金がかかり、経済的合理性には疑問を抱いている。ロシアは北極への進出を強めると、6月15日、副首相との拡大会議で首相ミハイル・ミシュスチン。「最新の強力砕氷船の開発を続ける必要がある。これは、国にとって必要な活動でもある」と首相。砕氷船を建造することで、北海路の輸送ポテンシャルを開拓し、欧州とアジア間の新たな経由路に対する国際ビジネスの関心を高めることができる。「もちろん、北極という戦略的に重要な地域におけるロシアのトップ位置を確保できる」と首相。首相は、北海路の仕事向けに現在、原子力砕氷船5隻が建造されていると伝えた。5月末には4隻目となる原子力船の起工式があった。「これらの砕氷船は本当にユニ−クで、強力なエンジンと汎用性に優れ、氷上でも水上でも、水深の深い場所でも、浅い場所でも利用できる。こうしたものは、世界どの国にもない」と首相。政府は、砕氷船の開発、海港及び工場の建設・改修を北海路全体の海路インフラの改修・拡大総合プランに入れた。北海路による物流は、増やす予定と、首相は述べたが、最新プランの具体的数値は明かさなかった。2019年、天然資源省のデ−タによると、北海路による貨物輸送量は1700万トン。2024年までに物流は5700万トン、2028年では1億1800万トンになると予想。ロシアの北極地域では、天然ガスの83％、石油の17％が採掘されている。しかし、明らかに、石油ガス計画が、この地域開発の唯一の分野ではない。北海路は政府の考えは、中国のグル−バルな計画である新シルクロードの一部になるうる。2019年、アイス・シルクロードにより中国から欧州へは、大型貨物を載せた中国船20隻以上が運行された。本紙が取材した専門家は、北極計画はきわめて展望があると指摘。「北極の潜在的可能性は、実際、明らかになっていない。ここですでに実施されている計画は、船舶建造部門の支援や、輸入品代替生産の発展にとって貢献するものであり、さらに遠隔地域の経済発展や、雇用創出にとっても、劣らず重要である。旧ソ連時代、ムルマンスク市とヴォルクタ市の人口は半減した」と国家エネルギ−安全基金及び政府付属金融大学の主席専門家スタニスラフ・ミトラホヴィッチ。「ロシアはもちろん、北海路を発展させる必要がある。砕氷船は川の入ることができ、1年間常に輸送ができるわけではない遠隔地への必要物資を届けることができる」とロシア国民経済・国務大学国務・管理単科大学労働・社会政策学科教授、経済学博士ヴェラ・スモルチコワ。忘れてはいけない点としては、米国は北極地域にいくつの基地を建設し、2029年までに砕氷型軍艦数を増やすつもりであると、ロシア国民経済・国務大学金融・安定的発展研究所准教授オレグ・フィリポフ。「この条件は当然、ロシアも対抗することになる。ロシアは現在、最も大きな砕氷船をもっているが、老朽化しており、そのため、新たな民間船舶や軍艦を建造する必要がある」とフィリポフ氏。専門家は、北極計画はきわめてコストが高いと指摘。北極の主な資金源は国家予算であり、その収入は石油価格の下落とコロナウイルスの流行で減少している。「現時点で、北極に対する唯一の投資源は、連邦予算である。だが今後、北極計画が発展するにつれ、民間企業がおそらく、これに加わってくる」とフィリポフ氏。大企業も、政府が税優遇を行わないと、北極での投資を拡大しないかもしれないとミトラホヴィッチ氏。「北極の場合、お金を惜しんではいけない。北極は支出したものより、はるかに多くを予算にもたらす」とスモルチコワ氏。しかし、目下、北海路発展に対する政府支出はかなり多い。北極支出の一部にすぎない砕氷船への支出である。今年1月、ドミトリ・メドベージェフ政府は、新世代原子力砕氷船の建造予算1275億ル−ブルを承認した。これは、2027年に進水する。原子力砕氷船は厚さ4.3mの氷を砕くことができ、幅50ｍの通路を作り、一年中、10〜12ノットで船団を案内できる。2033年までにこのタイプの砕氷船3隻を運行する計画である。プ−チン大統領は2035年までに北極艦船を13隻以上（内、9隻は原子力）の大型砕氷船にするという課題を提起した。これにはどれほどかかるか、現在、誰も語らない。しかし、初期支出もかなり際立つものであり、その経済的合理性には疑問が出てくる。「現時点で、コストと収益の問題は、さほど正しい設定ではない。短期間で、計画の収益性を評価することは難しいが、将来、国が投入した投資額は膨大な成果を出すかもしれない」とロシア国民経済・国務大学専門家オレグ・フィリポフ。政府が北極計画の一部を最適化するかもしれない。おそらく、全ての計画は必要ないだろうと専門家。「いずれにしても、始まるだろう。どのような道も一歩からである」とミトラホヴィッチ氏。

−12日（金）「外国人にとって、モスクワ、ミンスク、キエフ、ペテルブルグでは、物価、ますます高く」（生活費が最も高いのは、ポストソヴィエト地域では、アシハバード）（独立新聞、アナトリ・コムラコフ）仕事をしている外国人にとって、世界主要都市の生活費比較によると、旧ソ連共和国の首都では、物価は昨年、かなり上がった。最も物価が高いのは、トルクメニスタンの首都アシハバード。仕事をしている外国人の滞在では、世界で最も高い都市は、香港。米コンサルティング会社「Mercer」によるランキングでは、二位はアシハバード、三位は東京である。上位十位には、チュ-リッヒ、シンガポール、ニューヨーク、上海、ベルン、ジュネーブ、北京（上位20都市では中国は4都市）。ユ−ロ圏では、滞在する場合、最も高い都市は、アイルランドのダブリンである（それでも、全体では46位）。欧州で最も高い都市は、スイスのチュ-リッヒで、第四位、ベルンとジュネーブは、8位と9位。アフリカではビクトリア市（セーシェル共和国）以上に高い都市はなく、南米ではサンホセ市（コスタリカ）。「Mercer」社によると、このランキングは、国際企業が社員に対する補償額を定める上で、役立たせるもの。このリストは、住宅費、交通費、食費、衣類・靴、日用品、娯楽費を含め、様々な都市の生活費を比較分析して作成され、合計で200以上の商品･サ−ビスを比較した。このほか、地元通貨に対するドル相場も考慮された。2020年、EUの多くの都市は、ユ−ロに対するドル高で、ランキングは下がった。新たなランキングは、これは26回目の年次調査で、3月に実施され、部分的にはコロナウイルスの流行要因も反映している。通常、「Mercer」社は、調査結果を6月末に発表するが、今年は、若干早めに公表された。ロシアの首都モスクワは、今年、21位で昨年より６つランキングを上げ、外国人にとって最も高い東欧の都市のままである。大きく物価が上がったのはロシア第二の都市サンクトペテルブルクで、75位から59位となった。まさに3月はル−ブルが、西側通貨に対し急落した。ロシア中央銀行のデ−タによると、主な通貨に対するル−ブルの実効相場は、インフレを考慮すると、2020年3月、11.4％下落（2月比）し、年初からでは11.5％下落した。合計209都市の中で、最下位はチュニスだが、リスト後部では旧ソ連の二国、ウズベキスタンのタシケントと、キルギスの首都ビシケクがいる。こうしたグル−プの中でさほど物価が高くないのは、トビリシ（203位）、ミンスク（194位）、エレバン（191位）、アルマ−タ（189位）、バク−（172位）である。ウクライナの首都キエフは106 位（これれも急上昇で、2019年では150位）。最も驚く結果は、トルクメンの首都が第二位であることだ。長年、香港がトップである事は説明できるが、政治的緊張はあるものの、香港に対しては投資家の関心が高いからだ。アシハバードは、1年間で5位上昇したが、その理由は正反対のものだ。政治学者、CIS諸国問題専門家アンドレイ・スズダリツエフは、アシハバード市のランキング上昇は、厳しい経済状況のせいである。「トルクメンでは、すでに2年間、大きな経済的落ち込みが見られ、さらに昨冬では食糧不足も問題となった。つまり、事態は為替相場の問題だけでなく、物資不足もある。トルクメンは、独裁主義の地域で、国はきわめて閉鎖的で、必要な商品の購入やサ−ビスを受けることが難しい所である。厳しい輸入制限により、まさに外国人が利用する輸入品は、かなり高いものとなっている。同専門家によると、これは90年代のモスクワの状況に似ており、当時、食糧不足により、例えば、乳製品はフィンランドから輸入された。「トルクメンは、地理的にも多くの市場から離れ、そのため、外国人専門家がアシハバードで、他の都市より多く支出することは驚くあたらない」とスズダリツエフ氏。旧ソ連の中央アジアにおいて、他の国ではタシケントやビシケクがランキングの最後尾にいる点には驚かない。「ここでは、状況はトルクメンと根本的に異なり、比較的発展した工業や農業生産があり、最大の点は、ウズベキスタンとキルギスの経済は、はるかに開かれている点である」と指摘。同専門家の発言は、「ECA International」社によって、2018年に実施された類似の調査結果によって裏付けられる。当時、トルクメンは、常時滞在し、仕事をする専門家にとって世界で最も高い都市となり、1年間で146位から1位まで上昇した。「ECA International」社アジア担当役員リ・クエインは、これは、外貨不足、物価高騰、商品不足により闇市場の交換相場が下落したせいと説明。それ以来、状況は改善せず、2020年5月半ば、政府は、地元企業は外貨売上100％を政府に移譲すべきと表明した。政府はこの場合、1ドル3.5マナトでドルを買い入れる。一方、闇市場では1ドル22.8マナトであった。専門家は、こうしたランキングでロシア都市の大きな「変動」に注目している。「ランキングは3月に作成され、当時、アジア及び欧州の大都市のほとんどは、隔離措置にあったが、ロシアではそうではなかった。コロナウイルスの流行がこうしたデ−タに影響したことは疑う余地はなく、ロシアはコロナウイルスの流行の被害を最も受けた国の一つであり、今後数ヶ月滞在費ランキングでポジションを変えるだろう」と「フィナム」社アナリスト、アレクセイ・コレネフ。「以前、ロシアは少なくとも大都市では、不動産価格では世界主要なの金融・貿易センタ−に急速に追いついた」と指摘。モスクワに滞在する外国人の生活費や、外国人労働者の内訳、国内のマクロ経済状況に影響する要因全体を総合的に検討する必要があると、経済大学都市・地方開発学科副学部長エフゲニ・プリセツキ−。「モスクワもサンクトペテルブルクも、様々な外国人が働いている。一面ではこれはサ−ビス分野、商業、建設、輸送で働く労働移民である。通常、これは低賃金労働で、賃金水準や生活水準は、その能力をかなり制約している。他面では、これは高技能専門家であり、例えば、外国から来た大学講師である。第三にこれは、管理者、つまりマネージャーである」とプリセツキ−氏。同専門家によると、昨年、高級住宅部門（ビジネス/プレミアムクラス）は、ロシア大都市では成長傾向が見られた。「この5〜6ヶ月間、賃貸料金が上がっている。さらに比較的弱いインフレ率にもかかわらず、例えば、自動車維持費やその他サ−ビス費用が大きく増えている」と同氏。「KRK Group」代表ニキ−タ・リャビニンは、ロシア都市の「物価高」は物価上昇のせいとみている。「ロシアでは毎年、交通料金、公共サ−ビス料金、食品など様々な商品の価格が上がる。大都市ではこうした傾向は、かなり顕著である。モスクワやサンクトペテルブルクの賃貸料金も高い需要のせいであり、貸手は、借手を探す苦労はない。資源価格の上昇で、一連の商品価格（例えば、乳製品や、肉製品）が上がっている。6月1日から例えば、乳製品のデジタルマ−キング制が導入され、これも価格に反映する。昨年、ヤシ油に対する付加価値税が上がり、ヤシ油を使う製品価格の上昇となった。モスクワやサンクトペテルブルクでは、住民の高収入も考慮する必要があり、こうした都市での生活費にも反映する」と指摘。

−9日（火）「貯蔵所を満たす：中国の石油輸入量は記録的」（中国は記録的な石油量を輸入）（GAZETA.RU紙、アレクサンドル・レスヌフ）5月、中国は石油輸入量を4月比で15％増やしたと、「Bloomberg」紙。これにより中国は昨年11月に樹立した石油輸入量の記録を更新し、先月、輸入された石油量は約4800万トン。何故に中国はエネルギ−市場にとって、最も厳しい時期に石油輸入量を急増させたのか、調べてみた。これは1日当たり約1150万バレルにあたり、つまりロシア石油会社全てが産油する量より多い。OPEC＋協定により、現在、ロシアは1日当たり850万バレル以上は産油できない。アナリストによると、それにより中国は安値で石油を購入するチャンスを利用している。「石油の合理的輸入国にとって、中国はもちろん、そうした国だが、価格がきわめて低い水準にある間に石油の備蓄量を増やさないことは、先のことが見えないといえる」と「アルパリ」社副社長ナタリヤ・ミルチャコワ。今後、中国が大量の石油輸入を止めるという見込みはない。実際、中国経済は徐々に回復していると、多くの国が現在、飛行便の制限を解除し、世界で最も購入能力のある中国人観光客の殺到を期待しているからも分かると、ミルチャコワ氏。2020年末ではないとしても、2021年上半期では、観光部門は復活すると、同氏。これは、航空燃料の需要は今後、増え続け、今年秋にはBrent石油は1バレル50ドル近くになると、同アナリスト。すでに現在、ロンドン取引所では1バレル41ドル。経済大学のマルセル・サリホフ氏は、中国のこうした石油輸入デ−タの正当性には疑問をもち、何故ならこれは、他の専門家の評価とは一致しないからだ。「国際エネルギ−機関と米エネルギ−情報局が伝えているものと、中国の内部デ−タとの評価の食い違いは、約200万バレルある。したがって、中国のデ−タからすると、今年第一四半期、いかなる需要減少もないということになる」と同専門家。これは、中国が以前より安く必要な資源を購入するため、世界石油市場の状況を利用できたという意味である。つまり、実質的な経済復活のことではない。中国大都市のデ−タが以前の数値に戻りつつあるとしても、住民の移動からすれば、これは基本的に経済回復のシグナルではない。実際、産業的にみても、対比可能な信頼できるデ−タはないと、同氏。「おそらく、実際、中国は低い価格を利用し、ここ数ヶ月、戦略的備蓄を増やしている」とサリホフ氏。戦略的備蓄を満たすという同専門家の意見は、世界において、石油需要の実際の回復には、根拠はないが、中国のような国は実際、コロナウイルスの新たな波に備え、エネルギ−資源を貯めているという信号である。「他の国から判断すると、ロシアも含め、状況は厳しい。消費は落ち込み、回復はきわめてゆっくりである」とシリホフ氏。「欧州もほぼ似たような構図である。そのため、現在、コロナウイルス流行の状況を分析するならば、二次的影響が出ている」と指摘。それにより、二次的影響は、失業率の上昇、企業の閉鎖によるもので、その結果、世界全体の経済活動が低下する。「現在、市場では大きな楽観論が支配的だが、これはきわめて裏付けのないものである」と同専門家。しかし、投機要因を考えると、石油は今後数ヶ月間、価格上昇する。その後、修正され下落する。経済大学のマルセル・サリホフ氏によると、年末には石油はいずれにしても、1バレル30〜35ドルまで安くなる。「アルパリ」社のナタリヤ・ミルチャコワは、この予想とは違い、夏、Brent石油の価格は40〜45ドルに維持され、秋までに50ドルになる。しかし、これはコロナウイルス流行の第二波が来ないという場合である。

−5日（金）「不安定時代：ロシアは、穀物備蓄を用意」（農業省は、ロシア国内の穀物不足を予想）（GAZETA.RU紙、アレクサンドル・レスヌフ）ロシア農業省は、「不安定時代」に安いパンを国民に提供するため、穀物安定化備蓄を用意する問題を検討していると、農業省広報。専門家は、ロシアは何故に世界穀物市場でシェアを失い、国内農業はどのような困難に直面しているのか、説明した。農業省は、「不安定期」に安いパンを生産するため、必要量の穀物を加工業者に提供できる穀物安定化備蓄を用意する問題について検討していると、同省広報。「2020年の経験からすると、不測の事態、先ず国民にとって最大の社会的重要な商品の一つであるパンの価格の急騰を避けるため、穀物備蓄をもつ必要がある」と同省。初めてこうした考えが、5月20日、農業状況について、プ−チン大統領との会議で、穀物輸出業者組合理事長エドウアルド・ゼルニンが出した。ゼルニン氏は、既存の介入備蓄を製粉企業のみに提供できる組織に変えるよう提案した。現在、飼料生産のため、酪農部門がこれを利用している。既存の介入備蓄の本質は単純なものである。穀物供給が需要を上回る時、生産者から余剰穀物を買い取り、不足している場合、公開市場で穀物を売り、それで価格上昇を抑える。明らかにコロナウイルスの流行の初め、需要急増により、穀物備蓄量は危険レベルまで低下した。6月4日時点、農業省のデ−タによると、取引では穀物136万トンが販売された。以前、「ロシア新聞」の報道によると、全体で約150万トンを売る予定である。4月13日にスタ−トした介入が始まるまで、それより若干多い175万トンがあった。つまり、現在、備蓄としては39万トン弱しかないことになる。製粉部門だけでも、介入事業者（統一穀物会社）のデ−タによると、1か月に残った備蓄量のほぼ三倍、110万トンを消費する。将来ありうる「不安定の時代」、備蓄量が終わらないようにするため、「統一穀物会社」は農業省と協力して、3年間に備蓄量を600万トンにする予定であると、数日前、同社トップマネ−ジャ−、ドミトリ・セルゲ−エフ。農業省はこうした数値については公式には認めていない。国内穀物市場状況の懸念は、収穫量の減少の可能性とも結びついている。すでに4月。農業省次官ジャムブラト・ハウトフは、今年、穀物収穫量は1億2530万トンになると発言。同省広報によると、現在、この予想は約1億2000万トン。農業省によると、昨冬の異常気象は収穫量に影響するおそれがあり、先ずこれは秋まき穀物と多年生植物のことである。ロシア国民経済・国務大学国際農業事業・食糧安全センタ−長アナトリ・チホノフによると、少ない雪という暖かい冬では、土壌に必要量以下の水分量となった。農業省広報によると、気象条件により、農家は生産計画を立て、自然作用の影響を最小にする土壌処理対策をとる。おそらく、それ故に農家は、外国の栽培物保護手段の輸入を増やしている。連邦税関庁のデ−タによると、1月〜3月、ロシアには昨年同期より、こうした手段は20.4％、額では2億8500万ドル多く輸入された。収穫量の減少は穀物安定化備蓄量の補充の必要性とともに、国の輸出に影響しないわけがない。今春、政府はユ−ラシア経済連合に入っていない国向けの輸出枠を定めた。農業省によると、4月26日、穀物輸出の非関税方法が選択された。「割当枠で申請された穀物の輸出後、小麦、小麦・ライ麦混合物、ライ麦、大麦、トウモロコシのユ−ラシア経済連合以外の国へ輸出することは、2020年7月1日までストップする」と同省広報は説明し、今季、穀物総輸出量は4500万トンで、2018年/2019年のシ−ズン数値を上回る。ロシア穀物協会会長アルカジ・ズロチェフスキ−によると、こうした制限が今後も導入されると、農家の意欲は低下し、播種の減少となる。そうなると、ロシアは世界市場でのポジションを失うことになるが、それでも、食糧輸出は、国家政策の優先分野の一つのままだろう。「代替の納入者を探すことには問題はなく、ロシアが制限を導入すれば、ロシアの輸出量の一部はライバルへいく。エジプトでの最近の入札を思い起こせば十分である。ウクライナがエジプトを完全に獲得した」と同専門家。電子版雑誌「IDKエキスパート」によると、5月初め、エジプト食糧購入局は、穀物6万トンの入札を実施した。エジプトは、ロシアが穀物輸出する伝統的市場の一つである。その結果、入札ではウクライナの会社「Venus」が勝利した。ウクライナと共に入札にはスイスの「Glencore」社と米国の「Bunge」社も参加した。ロシアは入札には参加しなかった。ズロチェフスキ−氏によると、弱いル−ブルも、農業部門における生産経済に圧力をかけ続けている。同専門家によると、こうした植物保護手段は、その半分は輸入であり、残りは輸入部品を用いて、ロシアで生産されている。「今季、こうした損失を価格上昇によって一部、補うことはできたが、来年、予想ではさほどよくない。おそらく、価格は下がり、これも一種の「締め具」となり、生産経済を締め付け、また生産者の意欲を低下させる」とアルカジ・ズロチェフスキ−氏。同氏の意見は基本的には業界紙「Milknews」で公表された「シンゲンタ」社の農家への定期的アンケ−ト調査の結果によって裏付けられる。収穫量を増やす予定の農家数は、全体の68％で、3年前では89％あった。回答者の79％は、収穫量増加の最大方法は、肥料と植物保護手段と指摘。かなりの収入を見込んでいるのは、昨年の35％から18％と減少した。農業省広報によると、農家は農業への投資を減らし、その結果、この部門全体の成長鈍化となるとは見込まれない。しかし、それでも一定のリスクは存在する。「農業省は一連の地方自治体のコロナウイルスの流行状況により、投資計画の実行期間を延期する可能性を示唆しており、これは、こうした計画の費用にも影響する。ちなみにこうしたシナリオは、世界経済全体の特徴でもある」と農業省広報。

−6月2日（火）「喜ぶのは早い：ル−ブルは1ドル75ル−ブルまで戻るだろうか」（専門家は、いつドルが高くなるか、語る）（GAZETA.RU紙、アレクサンドル・レスヌフ）6月1日、モスクワ取引所でル−ブルは1ドル69.38ル−ブルと高くなり、これはほぼこの3ヶ月間で初めてのことである。本紙が取材したアナリストによると、ロシア通貨は、石油に続いて高くなっているが、現在の価格はあまりにも楽観的なもので、近々、ル−ブルは再び、1ドル75ル−ブルまで下がる公算が高い。こうした数値は、OPEC＋協定が破綻した3月6以来、見ることはなかった。その金曜日、取引は1ドル68.57ル−ブルで終えたが、早くも3月10日、長い休日の後、1ドル72.24ル−ブルとなり、ル−ブルは急速に安くなり、3月18日には1ドル80.87ル−ブルとなった。アナリストの意見では、ル−ブルを1ドル70ル−ブル以下にした最大要因は、徐々に高くなる石油である。この記事を書いている時（モスクワ時間15時51分）、ロンドン取引所におけるBrent石油の8月先物は3月12日と同額で37.84ドルであり、米WTI石油も3月最高値に戻った。現在、7月契約ではWTI石油は35.58ドル（3月10日では35.49ドル）。「現在、石油価格の回復が大きな影響を及ぼしている。ル−ブルは3月初めの数値に戻った。ロシアの株価指数は回復している」と「フリ−ダム・ファイナンス」社アナリスト、ワレリ・エメリヤノフ。同専門家によると、新興国通貨ではル−ブルだけが高くなっているわけではない。「新興国トップ通貨ファンド“WisdomTree Emerging Currency Fund”は、1月のピ−クから13％下落し、その後、4.5％上昇したが、年初より8％低いままである」と同アナリスト。「ル−ブルは1月〜3月、23％安くなったが、その後16％回復し、現在、5月初めより11％安い。つまりロシア通貨は他の通貨と共に全体のトレンドにしたがっているが、世界の平均より1.5〜2倍強い」と指摘。ワレリ・エメリヤノフ氏によると、こうした動きは、メキシコのペソも示している。「ウイルス流行の当初からこの二つの通貨は、同じように動いている。時々、これにトルコのリラとチリのペソも加わっている」と同アナリスト。それによると、国内通貨の現在の動きは、突然、中断されるおそれがあり、何故ならル−ブルはあまりにも楽観的であり、これは、起こるべきして起こる問題である。「現在見られる石油価格の上昇でも、これは、ル−ブルにとって絶対的にポジティブで快適な条件となるには不十分である。第二にコロナウイルスのリスクはけして消えることはなく、それに慣れ、存在するものとして受け入れるようになった。しかし、これは、その脅威が小さくなったという意味ではない」と「アルパリ」上級アナリスト、アンナ・ボドロワ。同専門家によると、基本的には現在の1ドル69ル−ブルはありえない。正当に評価すれば、1ドル75〜77ル−ブルとなる。さらにル−ブル高となり、1ドル67ル−ブルになるとは、ル−ブルは、外的背景が楽観論で満たされる場合のみである。Brent石油が1バレル43〜45ドルの場合である。現在、ロンドン取引所のデ−タによると、こうした範囲で2022年7月の先物のみが取引されている。ワレリ・エメリヤノフ氏によると、ル−ブルが1ドル70ル−ブル以下になることはきわめて重要なことである。しかし、全体としては市場状況は、「慎重かつ前向き」と評価できる。何故ならグローバルな投資家は、いつでも、石油やル−ブルその他高リスク資産から撤退する用意があるからだ。そうなると、ル−ブルは再び、暴落することになる。「若干の修正がそろそろあるだろうし、数週間の内に1ドル75ル−ブルもありうる」と同アナリスト。しかし、もう少し長い期間（半年から1年間）では、ル−ブルの適切相場は、投機リスクも計算に入れ、1ドル66〜67ル−ブルである。「石油価格が45〜50ドルの場合、1ドル67ル−ブルには容易に戻る。こうした数値に近づくにつれ、ロシア通貨の動向は、より滑らかとなり、より穏やかとなる。つまり、ル−ブルに対するドルの下落は1日当たり0.5〜0.7ル−ブルで、2〜3日間で10〜20カペイカである」と同アナリスト。本紙が取材した両アナリストとも、ル−ブル高は、国内石油業者、つまりロシア国庫には寄与しないという意見である。アンナ・ボドロワによると、予算赤字の一掃を難しくし、ただでさえ利益を失っている国内石油輸出企業や、その他の輸出企業にも悪影響する。「彼らは、OPEC＋協定を遂行するため、減産が必要であり、昨年の価格よりはるかに低い価格で売らざるえず、売上は少ないル−ブルとなる」と「フリ−ダム・ファイナンス」社のワレリ・エメリヤノフは述べ、ロシア通貨では現在、1バレル2600ル−ブルであり、しかし、昨年、最安値でも3700ル−ブルであった。ル−ブル高を快適と実感している唯一の企業は、輸入企業であり、実際、輸入品は若干安くなるだろう。しかし、これは国内需要にはさほど役立たないだろう。ワレリ・エメリヤノフによると、人々には現在、お金はなく、そのため、彼らにとっては、ドルが65ル−ブルでも、85ル−ブルでも、同じことである。為替相場の動向問題をきわめて表面的にとらえている人も喜ぶだろう。「経済危機時や、経済危機から抜け出す時、経済にとっては、高い国内通貨は、寄与するというより、有害かもしれない」とアンナ・ボドロワ。「安定的で揺るぎないル−ブルは金融システムにとって、一種誇りみないな根拠にもなる。しかし、これは表面的な評価である」

2020年5月

−29日（金）「ロシアの経済回復プランは、世界の効果的経験を考慮」(｢今日の経済｣紙、マキシム・ブウト)政府が準備しているロシア経済回復プランは、すでに証明されているいくつかの世界経験にもとづくはずであるとロシア国民経済・国務大学経済・社会科学科准教授アリセン・アリセノフ。「今週、雇用や国民所得の回復、経済成長、長期構造改革を保障する全国行動プランの作成作業は終わる」と首相ミハイル・ミシュスチンは、大統領とのビデオ会議で発言。大統領はすでに4月、こうしたプログラムを6月1日までに用意するよう指示していた。首相によると、発表前に細かい点は今週中にも、修正される。すでに知られていることだが、このプログラムは2021年末までを予定しており、９つの章からなり、様々な分野に対し、500以上の対策を行う。すでに予算規模と対策の段階的実行は定められている。「個人と企業を支援する三つの対策は3月〜5月に政府が承認したものだが、一定の前向きな成果はあった」とアリセノフ氏。「だが最大の支援措置としては、2020年末までの納税猶予である。企業は2ヶ月間の活動凍結“で大きな損失を被り、現在、かなりの徴税緩和が求められる。これにより、経営者は企業発展のため、資金を最大限に生かすことができ、かなり早く以前に売上に戻すことができる。経済成長回復の全国プランの基本目標は、最新技術の導入や労働市場の新たな可能性の利用、輸出の拡大、積極的な輸入品代替生産による個人の実質所得の増加、失業率の低下、経済の安定的な成長である。まさにこうした課題にもとづき、一カ年半の間に実行する対策が作られた。支援措置は部分的には導入されている。例えば、5月22日、下院は第三審議会で年齢一歳半未満、第一子の最低補助金を二倍にし、また休業中、失職した人に対する補助金最高額を引き上げる法案が了承された。一方、プ−チン大統領は、6月1日から雇用支援特別融資プログラムを立ち上げ、その中には賃金支払いに対する直接の補助もある。「より正確にいうと給付金といえるまさにこうした補助金のやり方を、自国企業を援助するためにとっている。つまり、一定の期間、国は予備金で企業の賃金支払いを補っている。最低賃金ではなく、従業員が自粛前に受け取っていた賃金の80％を補償する。これは、企業が発展し、職員を維持する上でかなりのインパクトである。フランスとスペインはこのようなやり方をとり、ドイツは社会的重要な部門では従業員賃金の100％さえ補償し、例えば、文化分野である。こうした措置が必要であることは明らかで、ロシアで2月、公式には64万人の失業者がいたが、5月初めには190万人まで増えた。明らかに賃金支援なしには、人員の削減と解雇は続く」とアリセノフ氏。一時的支援措置として、ロシア中小企業は、納税、保険金、融資、賃借料の半年猶予が与えられた。最低賃金以上の賃金に対する保険金の支払い額は30％から15％まで引き下げられた。また国は、賃金支払いのため、企業にたいし、無利子融資と無償支援を予定している。第二四半期、保険金納付はなくなる。さらに企業は、最低、従業員の90％を維持するならば、金利2％という優遇融資をうけることができる。個人事業にとって、保険金納付による税控除も必要である。全体として、経済発展省のデ−タによると、国は企業及び個人にたいし、すでに3.3兆ル−ブルを投入した。「世界において、企業支援のさらに一つの重要措置は、税滞納の見直しと、見込みのない債務の帳消しである。コロナウイルスの流行期、企業の財政状態は明らかに悪化した。現在、経営者にとっては、企業活動の再開と以前の売上高に戻るため、新たな低金利融資が必要である。債務という”しっぽ“は重い負担である。国は定期的に見込みのない税未納の帳消しを行っており、こうした”恩赦“は自粛解除後も適切である。経済の”リセット“は企業にとっても国にとっても、不可避的に損失をともなう。しかし、企業がより早く回復成長するば、国もより早く以前のレベルの税収に戻る。企業に見込みのない、問題のある債務を請求することは、前向きなプロセスを希望のないものにするおそれがある」とアリセン・アリセノフ。

−26日（火）「欧州とアジアは米ガスを拒否」（「見解」紙、オリガ・サモファロワ）欧州ガス市場でトップになろうとする米国の野心は、完全に消滅しつつある。欧州とアジアの購入者は罰金制裁があるにもかかわらず、米液化天然ガスを拒否している。ガス市場の価格競争は、ロシアにも損失となっている。だがロシア液化天然ガス輸出会社とパイプラインガスには、大きな優位点がある。コロナウイルスは、液化天然ガス欧州市場でトップとなる米国の野心に終止符を打っている。すでに昨年、米国、カタ−ル、ロシア産液化天然ガスをめぐり、激しい争いが展開されていた。欧州への液化天然ガスの最大供給国は今日までカタ−ルだった。だがここ数年、その跡を米国とロシアが追っている。ロシア液化天然ガスの輸出は、レオニド・ミヘリソンの民間会社「ノヴァテク」に許可が出ている。昨年は米国とロシアの液化天然ガスにとって、欧州市場獲得で激しい争いの年だった。両国はEUへの液化天然ガスの供給をかなり増加させた。カタ−ルは液化天然ガス約2400万トンを供給しているが、ロシアは2018年の440万トンから2019年には1500万トンまで増やし、第二位となった。米国は「ノヴァテク」社を追い抜くことができず、それでも欧州市場には2018年の270万トンから2019年には約1300万トンまで増やした。さらに年末までに米液化天然ガスはトップになることができた。11月、米国は欧州最大の液化天然ガス供給国になり、2020年2月末時点ではトップをキ−プしていたと、米国エネルギー情報局（EIA）は伝えた。もちろん、今年、市場からカタ−ルもロシアも自国液化天然ガスで締め出せると期待していた。さらに米国エネルギー情報局（EIA）は、米液化天然ガスの輸出は、米ガス部門内の危機や、コロナウイルスによるガス需要の減少の中でも、増え続けると考えていた。まさに5月初め、輸出は2020年、21％増え、2021年も同程度増えると言われた。だが状況はガス拡大という米国人のプランに対し、反対の動きをみせた。アジア及び欧州のクライアントは、向こう2ヶ月間の米液化天然ガスの購入をやめている。例えば、7月、彼らは発注された米液化天然ガスの60％近くがコロナウイルスの流行の中、世界の在庫増と需要減少のため、破棄されるおそれがあると、「Bloomberg」紙。米メ−カは、7月、35〜45回の出荷分の中止申請を受け取るかもしれない。これは6月より多い。とりわけ、米国最大の液化天然ガスメ−カである「Cheniere Energy」社は7月出荷の約30回分の中止申請を買手から受け取った。また、ルイジアナ州にある「Sempra Energy」社のタ−ミナルや、テキサスの「Freeport LNG Development LP」社プロジェクトからの出荷は中止された。平均で1月から4月、毎月、米液化天然ガスの出荷は60〜75回あった。しかし、6月では、買手は「Sabine Pass」と「Corpus Christi」のタ−ミナルから米液化天然ガス出荷10回分をキャンセルした。状況は深刻になるばかりで、7月も、すでに出荷の半分以上がキャンセルされている。「ガス市場では、価格戦争がみられ、事実上、石油市場のようである。ガス市場だけでもかなり激しい競争があり、何故なら石油市場ではそれでもOPECがあり、減産協定がある。ガス市場ではこうしたものはまったくない。そのため、ここでは誰が最初に脱落するか、待つしかない」とロシア政府付属金融大学主席研究員、国家エネルギ−安全基金主席専門家スタニスラフ・ミトラホヴィッチ。世界をみると、ビッグプレ−ヤとしては、オーストラリアの液化天然ガスもある。だがこれが先ず、市場から去るか、これも疑問である。一面では、オーストラリアでは液化天然ガスは、米国より高い。他面、こうした計画には、大手プレ−ヤが参加しており、とりわけ、長期にわたり、オーストラリアの計画を維持できる「Shell」社などが参加している。問題は、どの程度長く、損失を出す取引が続くのか、こうした経済的変動に最初に誰が持ち堪えられなくなるか、その点ある。ガスプロム社はもちろん、他のプレ−ヤと同様に現在、厳しい状況にある。ガスプロム社は、欧州において、カタ−ルのガスとも、米国のガスとも競争しており、ロシアの液化天然ガス（ノヴァテク社）とさえ、競争している。例えば、5月20日、オランダの取引所「TTF」ではガス価格は千立米当たり46〜47ドルまで下がり、三月末（80ドル）と比較すると半分となった。バウムガルテン市にあるオ−ストリアの取引所ではガスは、1バレル62ドルした。これは、輸送費や輸出関税も含め、ロシアガスの原価より低いと、「Fitch」社天然資源・原料部長ドミトリ･マリンチェンコ。だがガスプロム社にとって、欧州へのガス供給は、千立米の価格が50〜60ドルの場合、経済的にメリットがあると補足説明。「欧州取引所におけるガス価格がロシアより低いと、ガスプロム社は燃料の一部のみを取引所で売ると理解すべきである」とスタニスラフ・ミトラホヴィッチ。ガスプロム社のガスの多くは長期契約による納入である。そこでは価格は、多くは石油景況に左右される。「そのため、こうした状況はガスプロム社にとって、さほど悪いものではない。ガスプロム社は、低いガス原価と安い輸送費により、欧州での競争に耐えることができるだろう」とミトラホヴィッチ氏。現況は、何故にロシアは自己の競争優位点を放棄すべきないのか、明瞭に示している。これは、パイプラインによる安いガス輸送費である。「新たなバイパスガスパイプラインの計画は、これは、ロシアガスの技術的に、より最新であり、クリ−ンな輸送だけでなく、こうした計画は経由国によるリスクはない。そのため、“ノ−ス・ストリーム−２”は、完成させ、パイプラインを満たすために努力しないといけない。“トルコ・ストリーム”も同じである」とミトラホヴィッチ氏。同専門家は、ガスプロム社は最終的に欧州市場におけるこの状況からおそらく勝利者となって抜け出すだろうと確信している。もちろん、欧州へのロシアガスの輸出崩壊は避けられない。「今年、欧州へのガスプロム社の供給量は2000億㎥から1650億㎥まで減少するだろう。しかし、これは大悲劇ではない。5年ほど前、ガスプロム社は欧州は1500億㎥さえ輸出できないと予想されたが、ガスプロム社は年間供給量は2000億㎥まで増加させた」と同氏。この危機の年、欧州へのガス供給量の減少は誰も避けられない。全体として、「大鍋」が縮小する。だがロシア輸出会社の損失は、他の供給会社より少ないだろう。「ガスプロム社と“ノヴァテク”社は、欧州市場におけるシェアを数パ−セントは維持し、おそらく欧州が高い米ガスをもっと拒否すると、若干増やすだろう。米国などは、減らすだろう。一面では、これは喜ぶべきことだが、他面では、ガス輸出売上も減ることになる」とミトラホヴィッチ氏。アジアにおけるガス需要は欧州より早く回復するだろう。つまりガス価格は最初にアジア市場で値上がり、その後、欧州市場で値上がる。それがいつかは、コロナウイルスの状況、第二波があるかどうか、それにかかっている。

−22日「アナリストは、ル−ブル高の原因をあげ、今後の見通しを分析」（「今日の経済」紙、アレクサンドル・メリニク）ここ数日間のロシア通貨の上昇は、主に外的、内的要因によるものと、金融アナリスト。ロシア通貨はここ数日間、安定的に上昇している。例えば、モスクワ取引所のデ−タによると、ドルは2ヶ月半で初めて71ル−ブル以下となり、ユ−ロは78ル−ブル以下となった。これまでと異なり、ル−ブル高は全ての取引で続き、取引最初だけではない。ちなみにロシアの主要株価指数も4日連続で上がっている。モスクワ取引所の株価指数は0.5％上がり、ロシア証券取引所（RTS）では1％が上がった。アナリストは、ル−ブル高は内的要因とも、外的要因とも関係している。「オトクルイチエ・ブロ−カ」社主席アナリスト、アンドレイ・コチェトコフは、本紙の取材で、ロシア財務省は1日のオ−クションで国債公募規模では記録的であり、5月20日には1700億ル−ブルの国債を売却したと指摘。「市場では中央銀行は2020年6月の理事会で公定歩合を引き下げる可能性があるという考え方が主流である。このため、市場において国債の需要がきわめて高い。ロシア財務省はこれまで記録的規模の国債を公募している。これまでの最大規模は2019年4月で、1日に国債1370億ル−ブルを売却した」とコチェトコフ氏。こうした高い国債需要の中、ル−ブル需要が観察され、何故ならかなりの資本がロシアへ入っているからだ。「そのため、投機家は収益が増えると期待して、国債を購入している。さらにロシア証券市場ではリスクの再評価が起きている。中央銀行が公定歩合を下げると、低リスク商品の収益は減少するが、市場収益は高いままである」と同専門家。こうした動向は、ここ数ヶ月で最高値となった石油価格の上昇継続の中、観察されている。例えば、Brent石油価格は取引始め、1バレル36.6ドルとなり、WTI石油は34.4ドルになった。つまり、月初めから50％値上がったことになる。これは、ロシア証券市場のいっそうの値上がりとル−ブル高を促進させる可能性がある。独立経済専門家、「All Economics」プロジェクト執筆者アントン・シャバノフは、短期的展望を分析し、これは上向きと評価した。「ここ数日、ル−ブル高は二つの要因のせいである。その一つは、財務省がかなりの為替介入を行い、つまり国民福祉基金から大量のドル売却に着手した点である。こうした動きは、予め予定され表明されたものともいえる。財務省は、2020年6月半ばまでこうした政策を維持するつもりである」と同専門家。国民福祉基金は、2020年3月、追加石油ガス収入を受け取った。これは予算規則にしたがうと、1バレル42ドル以上の石油価格の売却分は国民福祉基金に繰り入れられる。その結果、12.2兆ル−ブルとなった。「ル−ブル相場に良好な影響を与えた第二の重要ファクタ−は、石油など輸出している大手企業が米ドル獲得のためル−ブルを売ったが、現在、財務省が行っている為替介入に匹敵する規模のドルを売り始めている点である。これは、企業には納税と株式配当金の支払いがあるせいである」と同アナリスト。輸出企業はこれまで、静観のかまえだったが、近々、市場で販売を活発化させるかもしれない。アントン・シャバノフ氏は、こうした行動をロシア通貨の二重支えと指摘し、それで近い将来、ル−ブルは高くなる。「2週間、ル−ブル高となると推測する。だがその後の予想は難しい。何故ならコロナウイルスの流行状況は明らかでないままであるからだ。自主隔離からの脱出は近づいているが、これは、ロシア経済が早急に回復するという意味ではない。回復は困難で段階的なものであり、おそらく、1年はかかるだろう。2020年末までにロシア経済はコロナウイルス流行前の水準に達するだろう」とシャバノフ氏。

−20日（水）「1年間は必要：政府はロシア経済回復三段階プランを作成」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」部）ロシア政府はロシア経済・雇用・収入回復の全国プランを作成した。この実現には1年間かかる。経済成長と国民の所得増は、2021年下半期となる最終段階になって見込むことができる。今年第二、第三四半期となる順応段階では、最も被害をうけた経済部門の状況を安定化させ、こうした部門が増えないようにする。コロナウイルスによる規制は相変わらず存続するとみられると、「インタ−ファクス」通信。ロシア地域の約70％は、第三四半期末までにロシア消費者監督庁の勧告によると、経済開放第二段階以下となる。以前、消費者監督庁は自主隔離からの段階的解除について勧告を公表した。第一段階ではサ−ビス部門の企業と、食品以外の品物を扱っている独立店舗は活動を再開する。これはすでに一部地域で行われている。こうした店舗の面積は、400�u以下とし、買物客１人に対し、4�u以上を設ける。この段階では散歩やスポーツを行うことはできるが、以前同様にソ−シャルデイスタンスを守る必要がある。第二段階へ移行するためには、感染率、つまり、一人の感染者が感染させる人の平均数は0.8５以下とする。さらに各地域ではコロナウルス感染患者用空きベッド数が50％以上とし、1日当たり10万人当たり検査90件以上を行う。この場合、面積800�uまでの店舗が開店できる。一部学校や大学の授業が再開される。第三段階では、コロナウイルスの感染率は0.5％まで下がり、検査は1日当たり、10万人に対し110件以上とする。公園、ホテル、レストラン、カフェがオ−プンされる。ロシア経済順応第一段階の最大の成果は、経済落ち込みのストップである。以前、経済発展相マクシム・レシェトニコフは、コロナウイルスにより、ロシア経済は毎日、1000億ル−ブルを失っていると表明していた。このロシア経済回復段階は、9ヶ月間、2021年半ばまで予定している。この段階では、ロシア国民の所得は再び増え始め、経済は回復し始めるとみられる。だがこの段階では20％の地域しか、ホテル、カフェ、レストランを開けることができない。2021年半ばまでに、国内の失業率は下落し始め、GDPは成長し始め、国民の実質所得は2019年レベルまで回復するとみられる。最終段階は経済の大きな成長があるとしている。これは、2021年下半期とみている。この段階になって初めて企業全てがコロナウイルス以前のように活動を始める。2021年末までに、国内失業率は５％以下、GDP成長率は2.5％以上と予想している。この時までに勤労者の賃金は2.5％増え、所得が最低生活費以下のロシア国民の数は減少する。

−18日（月）「全てが恐れている：中国に対する米国の制裁は経済に打撃」（専門家は、中国に対する米国の制裁はどのような結果になるか、語る）（GAZETA.RU紙、アレクサンドル・レスヌイフ）米中の争いは再び、新たな段階に入っている。5月13日、上院共和党議員グル−プは、対中制裁法案を提出した。多くの専門家は、両国の緊張のエスカレ−ションは、世界経済が、コロナウイルス流行の危機から徐々に抜け出すという淡い展望に終止符を打つことになるとみている。中国が法案可決後、二ヶ月以内にコロナウイルス発生に関する完全報告を出さず、人が動物からウイルスに感染しうる全ての市場を閉鎖したと確認せず、コロナウイルスの流行後、香港で拘束された全ての活動家を釈放しないと、米政府は中国に対し、制裁を導入する権利がある。米国はかなり前からウイルス流行に関し、中国を非難し、ウイルス情報を隠蔽していると中国を疑っている。数日前、ドナルド・トランプ氏は、「Fox News」で、中国側が米代表団が1月に訪中した際、感染症の流行について触れもしなかったことに失望していると、表明。すでに5月初め、「The Daily Telegraph」は、感染症の情報の伝達や、武漢研究所にあったコロナウイルスの廃棄という中国政府のやり方に疑いをもった情報同盟「ファイブ・アイズ」（米国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、英国の諜報機関）の報告を公表した。ミズ−リ州検事長エリック・シュミットも、火に油を注ぐことになった。コロナウイルスの流行による損害賠償を中国に求めた訴訟を起こした。同じ事を、ミシシッピ州検事長リン・フィッチも行った。中国への非難は、中国と対立するトランプ政権の「切り札」である。現大統領の最初の選挙戦時、同氏は米企業が再び祖国に戻り、米国が“再び大国”となるようあらゆることをすると表明していた。そのため、まさにリンゼー・グラム議員が対中制裁法案を出したことは、注目に値する。「リンゼー・グラム議員は、米上院における大統領代理人といえるだろう。最も大統領の一貫した支持者であり、同志である。「地獄の制裁」の導入に奔走し、これはかつてロシア向けに発言したことだ」とロシア科学アカデミー米・カナダ研究所主席研究員、経済学博士ウラジ−ミル・ワシリエフ。こうした中、同氏は同時に作用する二つのメカニズムが合体しているとみている。「一つは中国にコロナウイルスの流行の責任があるとする諜報機関の報告の準備である。この報告は、すでに承認された制裁法をもとに中国に対する経済的、政治的クレ−ムを出す口実となるだろう」とウラジ−ミル・ワシリエフ氏。同専門家は、トランプ政権は、対敵対者制裁措置法（CAATSA）に似た法律の制定に期待し、あたかも米国民全てを代表して対中制裁導入の法的枠組みとなるこに期待している。法案が承認されない可能性はほぼない。「理解している範囲からすると、上院で単純過半数で可決でき、今日の米中関係の特殊性を考え、民主党議員も、これを棚上げにできる可能性は小さい」と同氏。それによると、新法案の本質は、トランプ政権に両国経済関係のインフラに合法的に影響を与えることができるようにすることである。「米国にとって、米国内で仕事をする中国企業に対し、影響を与えることが重要である」と同専門家。「例えば、こうした企業の資産や口座を凍結することや、製品を差し押さえることである。実際、これは米市場で直接仕事をしている中国企業に対する圧力バ−である」と指摘。他方、この法律は、米企業が中国へ移転することを阻害する措置を導入する上で役立つ。技術的にはこれは、融資の拒否や、資金移動の制限にもおもえるが、本質的には、中国を米企業の投資にとって、さほど魅力のないものにすることである。トランプ政権は、大統領に就任した時からまさにこれをやろうとしている。部分的にはこうした政策の影響は現在、すでに出ている。数日前、明らかになったことは、米国で台湾の大手ICカ−ドメ−カ「TSMC」の工場がオ−プンする。将来、この工場は有望な第五世代ナノプロセッサを製造する。さらに5月14日、トランプ氏は、「Huawei」社通信機器の利用を米企業に禁止する期間を延長する指示令に署名した。翌日、テレビ局「CNBC」は、米政権は、全ての最重要医薬品は米国内で製造するという指示令を準備している。テレビ局「CNBC」によると、このきっかけとなったのは、FDA部長の一人ジャネット・ブドコクが、医薬成分供給の72％は海外からであり、その内13％は中国からのものであると発言してことである。新制裁法の最大派生効果は、ロシア科学アカデミ−米カナダ研究所のウラジ−ミル・ワシリエフは、トランプ政権が貿易交渉の第一段階の条件をのませるため、利用しようとする可能性が高いと指摘。「米大統領は、中国がその輸出量を増やすか、それとも、貿易交渉第一段階で定められた輸入の一部を断念するならば、この法の枠内で中国へ制裁を科すと脅すことができると、ウラジ−ミル・ワシリエフ。「中国が何らかの追加義務を負うと、制裁は科されないだろう」と指摘。ほぼ2年間続いた米中の関税戦争の結果、2020年1月、双方は貿易協定を結んだ。協定の主な条件は、中国は今後2年間、総額2000億ドルの米商品を追加購入する義務を負う。これは、工業品、農産物、燃料、サ−ビス部門であり、それによりトランプ氏は、米国への中国輸出が輸入をはるかに上回っていることで発生した貿易赤字を減少させようとした。ウラジ−ミル・ワシリエフ氏は、他の多くの専門家と同様に、トランプ氏は中国がこうした協定条件を守るよう制裁という脅しを利用するかもしれない。5月11日、中国の日刊紙「Global Times」は、米国との交渉に近い筋は、高官にこれまでの協定を破棄し、新たな交渉を始めるよう助言したと報じた。「まったそういうことはない。これには関心ない。我々は協定を結んだ。これは聞いている。双方はこの協定が双方にとってよりメリットのあるようにするため、貿易交渉を再開したい」とトランプ氏は、こうした見方に対し、憤った。米国と中国が完全な経済戦争に戻ると、その影響は、全世界の経済が実感することになる。昨年7月、貿易戦争時、中国の経済成長率は年計算で6.3％まで下落し、これは、1992年3月以来、最低の数値である。中国経済の減速は、その他の国全てに影響した。世界のGDP成長率は減速し始め、ロシアではとりわけ、中国の需要減により石油価格の下落となって打撃となった。「米中の経済対立が緊迫した段階まで発展すると、先ず全世界が恐れる事態だろう。彼らが完全に取っ組み合うと、これは全世界経済を破綻させるだろう」とウラジ−ミル・ワシリエフ。「経済的にみると、これは現在のリセッションがさらに悪化し、時間的長さからも、激化した問題全体の深さ点からも悪化するだろう」と指摘。

−14日（木）「ロシア、医療従事者を適時に経済支援することで、自国将来に貢献」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）医療に対する緊急経済支援は、ロシア経済にとって無意味なものではないと、プレハ−ノフ記念ロシア経済大学マネ−ジメント・ビジネステクノロジー学科主任教授ワレリ・マスレンニコフ。ロシア首相ミハイル・ミシュスチンは、ロシア医療従事者の労働とリスクが適時に報われるため、あらゆることをする必要があると表明。それによると、医療従事者に対する報酬はきわめて重要であり、そのため、政府はその履行を注視する必要がある。経済と人々へを支援するあらゆる措置は、資金が適時に支払われないと、効果がなく、そのため、この問題は重視しないといけない。首相によると、現在、コロナウイルス流行対策の最前線にいる医療従事者に対し、追加報酬の支払いが遅れている。財源問題はここにはないが、行政機構の適時の動きには問題がある。ロシアはコロナウイルス対策でどの程度支出するか、目下分からないが、膨大な資金となることは明らかだ。例えば、プ−チン大統領は、ロシアはコロナウイルス検査数を1日当たり30万件にすると表明したが、これは多額の資金を投入するという意味にすぎない。この数値は、現在、ウクライナで行われている検査数より多く、さらにこの数値では、ロシアは米国にのみ劣るだけである。そのため、ロシアは感染者数では世界三位であり、それでも、ロシアの事情は、多くの国より良いということは分かる。ロシア大統領と政府は、ロシアの生活には高い価値はあるが、これは高くつくもので、こうした支出をどのように評価するか、そうした問題が出てくる。火災消火に対する緊急放水にように、健康の促進がロシアに将来、付加価値として純粋に経済効果をもたらすだろうか？「これは、我が国経済における新たな価値創生のプロセスとしてみている。古い関係は壊され、新たな関係作りが行われている。国の援助なしに自由市場は何も調整できない。市場は価格上昇によってのみ、消費を減少できるだけだ」とマスレンニコフ氏。同氏によると、国は刺激策によって、新たな原則にもとづく根本的に新しい経済体制を構築しようとしている。「こうした流れは三つの要素からなる。先ず、余剰生産物を生み出すために立ち上げる能力であり、第二に価格形成の新たな原則である。国は、価格形成を余儀なく行うが、どのようなやり方でこの問題を解決できるか。第三にこれは、消費者と供給者を段階的に連結させる。国が資金を出し、その規模を計画すると、それは当然、自由な市場を壊し、消費者と供給者を連結させる目的意識的な政策を行う。ただし、ロシアではこれはだいぶ前から始まっている」とマスレンニコフ氏。同氏によると、このプロセスは、社会的関心を経済に向けると言うことができ、これはかつて去ってしまったものだが、現在、再び戻っている。まさにこうした分野に対し、現在、政府がロナウイルス対策のため、とっている経済刺激策を組み入れることができる。「これが実際、どうなるか、様子を見てみる」とマスレンニコフ氏。全体として、コロナウイルス危機は、ロシア経済も、世界経済も作りかえ、当然、早急な回復はないだろうが、何故なら感染症の流行は数ヶ月以内には終わらないからだ。さらに世界は新たな流行の恐怖の下に生きることになり、この状態は数年続くだろう。その結果、世界は以前のようにはならず、これは、多くの経済貿易関係に変化をもたらすとう意味である。「コロナウイルスは、無制限な消費社会から合理的な消費経済への移行プロセスを早めた。再編は大きなものであり、不均衡は強くなった。新たなリソ−スは存在せず、そのため、リソ−スの増加による経済成長はおそらくないだろう。このため、経済における国の役割が増大するという新たな体制への移行を目の当たりにしている」とマスレンニコフ氏。それによると、7〜8年間の戦略で3〜5年間の経済プランが必要であり、これは、これまでとは異なる。「国民計画は、これは非現実的目標を立てたことにより成り立たなかったわけではない。どのように消費者と供給者を結びつけ、こうしたチェ−ンの参加者の経済的利益をどのようにして均衡させるか？国家発注は、一度きりのものだから、どのように2年、3年、5年の計画を立てるか？とマスレンニコフ氏。こうした問題は、ロシアに新たな経済体制を構築することで解決できるが、これは、国有規模を単純に増やす意味ではなく、国家管理の質を向上させることである。「製品を選ぶかどうか分からないので、できるかぎり、発展計画を立てたほうがよい。まさにそれ故、計画方式の役割は高まるだろうが、これは、経済の法則に反しない」とマスレンニコフ氏。

−12日（火）「ロシアは、石油価格1バレル10ドルにどれほど対応できるか」（「今日の経済」紙、アレクサンドル・メリニク）金融耐力及び経済危機に対する準備態勢によりロシアは、石油価格が1バレル10ドルまで下落しても、耐えることができると、プレハ−ノフ記念ロシア経済大学金融マネ−ジメント学科教授コンスタンチン・オルドフ。財務相アントン・シルアノフは「ヴェドモスチ」紙のインタビューで、石油価格の1バレル10ドルは、ロシアにとって受けいられる価格だと、発言。それによると、ロシアには必要な金融緩衝手段があり、それにより経済にたいする大きな影響を回避できる。「エネルギ−資源の採掘や精製を行っている企業は最近、石油価格の下落で困難に陥っていることはよく理解している。こうした企業にとって、収入の減少と1バレル40ドル以下の石油価格の下落はきわめて重大である。何故ならこれは、企業の収益に影響する最大の要因であるからだ。しかし、アントン・シルアノフ氏は、ロシアが貯め込み、年金資金及び公務員向けに利用できる予備金にもとづき、石油1バレル10ドルについて分析しようとした」と同専門家。専門家によると、ロシアは予算赤字を補う予備金をもっている。国民福祉基金として貯められた資金で、5年間、石油1バレル20ドルでも予算支出を補うことができる。だが同氏によると、この期間は、その一部が大型プロジェクトに投資されている予備金の評価により、1年間から3年間の間となりうる。「世界でもロシアでも、コロナウイルスの流行により悪化している状況は資金支出にも影響していると理解することが重要であり、何故ならこうした資金は失業手当や、公務員部門の人件費、金利補助、中小企業の融資返済の延期などに使うことができるからだ」と同氏。ロシア政府は、プランにしたがって行動しており、そこで切迫した問題を解決する。将来、税や通貨融資政策に関し、政府のリアクションは、これまでの経済危機とは異なるとみられる。政府は、成長展望に前向きに影響する支援政策を継続する。以前、政府と中央銀行は、経済や国民にとって、コロナウイルス流行の影響を最小にするための措置を表明した。「政府には資金支出に関し、ビジョンをもつ必要がある。国民福祉基金は2020年末までに7兆ル−ブルの残がある。政府は、経済が自主隔離やコロナウイルス流行により変化しないように経済を支援する必要があるとすれば、最大の資金で支援する必要がある。石油価格1バレル10ドルの場合、中央銀行はロシアの金融資産を放棄しようとする投資家を引き留める必要がある。これが起きると、国内通貨相場は1ドル120ル−ブルぐらいまで下落するおそれがある」と同氏。財務相アントン・シルアノフは、2020年、石油価格は平均で1バレル30ドルとなり、来年は若干上がるが、わずかと、伝えた。ちなみに世界市場における石油価格は、5月1日、OPEC＋新減産協定の発効により上昇に転じた。この協定では産油は1日当たり約1000万バレルが減産する。「1バレル10ドルの石油価格は長期におよぶとは思わない。石油価格がマイナスまで下落したことを目の当たりにしたが、1バレル30ドルには早急に戻った。今日、近々、経済はエネルギ−資源の需要増加の中、回復し始めるはずとはっきりと言うことができる。これにより、今後2〜3年間、1バレル35ドル〜50ドルの範囲で石油価格は変動することになる。そのため、ロシアに貯えられた資金は、減少した収入の回復や、コロナウイルス流行により被害をうけた国民の支援に使うことができる。そうなると、アントン・シルアノフ氏は正しいということになる」と同専門家。同氏によると、今日、自粛体制の終わりやコロナウイルス流行の下火以前に、ロシア経済や世界経済の回復時期について言うのは時期尚早である。「政府が落ち込みがどれほど深いか、理解できない内は、回復時期の予想はできないだろう。最近、世界や、ロシアも、深い凍結と経済の仮死状態にある。回復プロセスは、政府対策の成功度に直接左右される。そのため、ロシア経済が自信をもち、自粛措置が解除される時まで待つ必要がある。しかし、一つのことは明らかで、経済はコロナウイルス流行後、変化し、何故なら個人消費の好みが別のものになるからだ。今日、ロシアは、予備金を1年間又はきわめてありえることだが3年〜5年間、支出する必要があるとする不確実性から解き放たれつつある。

-7日（木）「全てが同時に：何故に石油価格が値上がり、どのくらい持続するか」（Brent石油とWTI石油は、5月初め、上昇）（GAZETA.RU紙、アレクサンドル・レスヌフ）5月初め、OPEC＋協定が発効してから、石油価格は上昇し始めた。5月6日、WTI石油6月先物はICE取引所で1バレル25.4ドルまで上昇し、Brent石油6月先物は、31.5ドルまで上昇した。専門家は、産油大国の減産だけでなく、一連の国での隔離措置の緩和による需要増も石油価格に影響した。5月から6月まで1日当たり970万バレル削減するというOPEC＋協定により、石油市場に自信が戻ってきた。すでに月初め、石油価格は、4月末の最低価格より100％上昇した。5月6日、Brent石油価格は32ドル以上となり、4月14日以来のものである。市場にとって一つの前向きなシグナルは、多くの国での隔離措置の撤廃による石油需要の段階的回復である。例えば、米国では、自動車交通量は経済危機前の85％まで戻ったと、「S&P Global Platts」社アナリスト。ロシアエネルギ−省次官パヴェル・ソロキンによると、4月、需要減は3千万バレルだが、現在、石油消費量は先月の最低数値に対し、250万〜350万バレル増えていると、5月6日、同氏。次官はまた、取引条件は基本的に遂行され、何故なら現在、市場では、協定参加国全ての利害が一致しているからだ。「参加国の行動やその規律に影響する最大要因は、行動しないと、必然的に罰則があるという理解である。この場合、罰則とは新たな市場崩壊である。これは誰も望まない」とソロキン氏。ロシアの石油会社は、できるだけ早く、協定条件を履行しようとしており、必要な場合、数週間で、最大１ヶ月以内に以前の水準まで産油を増加することができる。石油価格下落の最大成果の一つは、市場から非効率的な産油計画の排除であると、ソロキン氏。まさにそれ故、3月初めに失効した以前のOPEC協定の延長は意味がなく、石油世界市場はいずれにしても過剰生産のリスクに直面していた。過剰生産量に関係なく、それが1日当たり3000トンであろうと、2000トンであろうと、1500万トンであろうと、いずれにしても現在の価格になったろうが、若干遅かっただけだ。「均衡価格以上に実質価格を維持しながら、市場ではありえない多くの計画を立ち上げられるようにした。これは深海計画であり、アフリカ、アメリカの一連の計画である」と次官。特にこれは、米国のシェ−ルオイル企業に関するものであり、その必然的倒産については、専門家はかなり前に警告していた。すでに4月初め、「Whiting Petroleum」社は倒産申請をした。この会社は、この部門のリ−ダの一つである。それに続き、ロイター通信によると、このような手続きを、老舗シェ−ルオイル会社の一つ「Chesapeake Energy」も準備している。しかし、まだ全ての石油会社が減産に移行するわけではない。例えば、5月5日、エネルギ−資源問題担当のテキサス鉄道委員会は、最大の産油地域ではあるが、州内の減産は拒否した。全体として、米石油産業の状況は、世界の減産傾向に向かっている。「Avatrade」社主席アナリスト、ナイム・アスラムによると、4月末までに米国の現行油井の数は40％減少し、この4年間で最低となった。ロシアの大手企業の場合、事情は異なる。例えば、「ガスプロム・ネフチ」社の場合、産油収益は、1バレル20ドルでもあると、同社副社長アレクセイ・ヤンケヴィッチ。しかし、会社は投資計画の縮小をそれでも余儀なくされると思っている。ヤンケヴィッチ氏によると、産油の拡大と設備の改修に向けられる資金は今年、20％減少するかもしれない。エネルギ−資源需要が増え続け、OPEC＋協定が効力があると、世界の石油備蓄は今年第三四半期にも減少し始めるかもしれないと、ソロキン氏。現在、多くの国では、備蓄量は限界となっている。韓国とシンガポールの石油貯蔵庫は満杯であり、インドでは95％である。欧州全体も同じような状況であり、米国ではクッシング在庫は81％である。現在、世界の大型タンカ−350隻は、浮かぶ石油貯蔵庫として利用されている。サウジアラビアの石油会社「Saudi Aramco」は、石油200万バレルを輸送できる船舶で十隻に一隻はこのような状態とみている。しかし、世界の主要経済国が回復し始めると、石油需要はさらに増え、備蓄は減少し始めるだろう。とはいえ、そのため、石油価格が経済危機前の水準に戻ると期待してはいけない。先ず、石油高値はエネルギ−資源依存国が、早急に比較的廉価に回復するチャンスを少なくすると、ソロキン氏。第二に石油価格が急騰すると、世界の多くの企業は増産を始め、再び、石油過剰生産となり、価格は下落するだろう。そのため、最も現実的な予想の一つは、スイスの金融会社「UBS」の予想である。そのアナリストによると、石油価格は、夏までに安定化し、年末までにBrent石油は1バレル約40ドルとなる。ロシアの高官はかなり保守的である。「ヴェドモスチ」紙のインタビューで、財務相アントン・シルアノフは、石油平均価格は第一四半期の高値を考えると、1バレル約30ドルとなるだろう。「ガスプロム・ネフチ」社の予想では、はるかに範囲が広い。同社の予想では、2020年、石油価格は15〜40ドルの範囲で変化するが、長期的展望では50ドルレベルに戻るだろう。とはいえ、現在の石油価格の上昇は、追加の石油需要が影響したとは、専門家全てが思っているわけではない。「ACRA」社法人ランキング部長ワシリ・タヌルコフは、石油価格下落後、自己のポジションを回復させようとする投機家のせいとみている。「フィナム」社アナリスト、アレクセイ・カラチェフは、1バレル30ドルでも、かなり楽観的な価格であるとみている。しかし、経済が徐々に回復すると、年末までに1バレル40ドルは、きわめてありうる価格と同氏はみている。

−5日（火）「スベルバンクの予想：ロシアGDPの落ち込み4.2％、ドル相場は約70ル−ブル」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済部」）スベルバンクは、ロシアのGDPは年全体で4.2％落ち込み、ドル相場は最大で70.7ル−ブルまで下落すると予想。現在、ドル相場は75.28ル−ブル。ロシアGDPの落ち込みは、来年、3.1％まで減速し、再来年は2％まで減速する。今年、予想されるインフレ率は3.7％、来年はさらに0.1％上昇し、再来年はさらに0.2％上昇する。この計算は、今年石油平均価格32ドルとし、その後2年間は1バレル50〜55ドルとして行われている。今年、公定歩合はさらに0.5ポイント下げられ、5％となり、その後、5.75％まで引き上げられると、スベルバンク。以前、中央銀行は、公定歩合は5.5％まで引き下げ、ロシアGDPの落ち込みは4〜6％と予想していた。中央銀行は、さらなる公定歩合の引き下げを否定していない。2021年、経済の回復成長は2.8〜4.8％、2022年では1.5〜3.5％と予想している。中央銀行は、今年、Urals石油は1バレル27ドルとし、来年は35ドルまで上昇し、再来年は45ドルまで上昇するとして、予想を立てている。以前、国際格付け会社「Fitch」は今年の世界GDPの落ち込みは1.9％から3.9％まで予想を引き下げた。IMFはロシアGDPの落ち込みは5.5％と予想している。ビジネス・オンブズマン、ボリス・チトフは、自主隔離が半年間延びると、GDPは20％以上も落ち込むとみている。スベルバンクは、ル−ブル相場は今年、70.7ル−ブルで安定化し、翌年は70ル−ブルまで下落し、再来年はさらに50カペイカ高くなる。専門家の多くは、この銀行のこれほどの楽観的予想を信じておらず、ドル相場はさらに上がるとみている。それによると、ル−ブルは現在、中央銀行がル−ブルを支えるため、外貨準備高を使うことで、1ドル75ル−ブル付近で維持されている。輸入企業は小売業の縮小で外貨を購入していない。一つの説では、ル−ブル相場は、早くも近々、自由変動となり、当然、石油ガス価格が今後数ヶ月間に回復しないと、1ドル100〜105ル−ブルになることもありえる。コロナウイルスの流行により、ロシア経済は毎日、約1000億ル−ブルを失っている。専門家は、企業の状態は第二四半期、きわめて悪化すると予想している。

−5月1日（金）「専門家は、ロシア政府の新たな経済対策プランにもとづき、予想を行う」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）ロシア政府は、ロシア経済の直接支援に力を集中すべきであると、経済学博士アンドレイ・グトコフ。ロシア大統領ウラジ−ミル・プ−チンは、経済支援緊急措置を準備し、しかもすぐに発効させるよう政府に指示した伝えた。ロシア大統領によると、今日、国民や企業が直面する状況は厳しいものである。興味深い点は、この発言は、連続したものである点である。先ず、大統領は一昨日、演説し、そこで新たな企業支援措置を発表し、第二に昨日は、首相が発言し、そこで関係省庁に5月25日までにロシア経済を危機から抜け出すプランを作成するよう指示した。これは、6月1日を隔離措置の撤廃と、経済回復の開始点とみているからである。またこの支援は、予算からの補助金なのか、それとも国は返済の先送りといういつもの措置と税猶予だけなのか、目下分からない。「問題は、こうしたプランは、仮説に立っているいる点である。この仮説では、流行のピ−クは間もなくやってくる。待望の場面であり、夏にはそこから抜け出せる。こうした点から、我々ができる唯一のことは、農業及び食品産業に力を注ぐことであり、何故なら夏は天候が悪くなるという予想があるからだ」とグトコフ氏。我々には最重要な問題があり、何故なら西側専門家の分析をみると、先進国における春の経済ストップが秋まで続くと、食糧不足になるという。この問題は雑誌「Nature」でも取り上げられ、何故ならこれは全世界に影響し、特に流行第二波の脅威を考えるとなおさらである。そのため、農業を忘れてはならず、さらに春最後の月が始まっているので、短期間で農業を動かさないといけない。「この課題に力を集中しないと、ロシアの冬は、食糧面で厳しいものとなるだろう。倒産とその結果による失業、生活水準の低下は第二の問題である。この点からすると、大量失業を避けるため、経済に資金を投入する必要がある」とグトコフ氏。国民への補助金に関し、様々な意見があるが、政府はこれを行うという印象はなく、何故なら我々は厳しい外交状況にあるからだ。このため、ロシアにとって、国債を増やすなど西側の危機対策は、少なくとも我々は制裁とパ−トナ−の行動を考慮する必要がある。ロシア政府付属金融大学世界経済・世界金融学部准教授ラザル・バダロフは本紙の取材で、ここでは空想はできないと指摘。「今日、銀行には何らかの特別のものはおそらく期待できない。彼らはコロナウイルスの被害者に対し、融資返済の猶予や先送りを認めるが、それ以上は同意しないだろう。銀行は、現在起きていることの影響を秋近くに実感すると理解している」とバダロフ氏。ちなみに銀行は、クライアントへの融資返済の猶予にはさほど乗り気はせず、政令にもとづいて行っているだけである。例えば、25万ル−ブル以上を借り入れた人に対し、融資返済の猶予について、彼らは、中央銀行の勧告にもかかわらず、行うつもりはない。「経済への資金の直接投入についていえば、こうした金融手段は存在するが、これは可能だが、しかし、政府の立場からすると、こうしたやり方は実際には検討されていないと思う。西側では私の考えでは、こうした実例はあるが、我が国は一連の考えから、そうしたものはない。ナビウリナ中央銀行総裁は、インフレ加速のリスクがあると表明しており、これがその理由の一つである」とバダロフ氏。経済専門家グル−プ主席専門家ウラジスラフ・グリゴロフによると、国は、隔離によって被害を受けた経済部門を支援する必要がある。「国民と企業への支援を拡大する場合、最も被害を受けた部門と層を選ばないといけない。ここには多くの経済部門があり、航空部門や、観光部門などがある。さらに小企業は、最も強く被害を受け、そのため、こうした企業に対し、支援拡大が検討され、さらにその目的は、大量倒産や、国民の極貧への転落を防ぐ状況を作り出すことである」とグリゴロフ氏。ウラジスラフ・グリゴロフによると、国民のかなりの部分は、賃金で生活をしており、そのため、経済危機対策ではこうした事情を考慮する必要がある。「こうした人々にとって、現在の状況は、悲惨なものである。そのため、こうした措置は、被害を受けた国民と企業の支援拡大に向けられるだろう」とグリゴロフ氏。

2020年4月

−29日（水）「コロナウイルス、世界から食糧を奪う」（「見解」紙、アレクセイ・アンピロゴフ）コロナウイルスの流行が、世界経済の重要な部門、農業に影響を及ぼし始めている。多くの国は、今年下半期、食糧不足に直面するおそれがある。さらに地域によって、永遠に去ったと思われた飢饉問題が勃発するかもしれない。農業は世界全ての国で今日まで、地球の気候に合わして行われ、強い結びつきがある。「播種週間」や「収穫週間」は、ソヴィエト時代の何らかの抽象的な表現だけでなく、良くて数週間あるが、年間の気候周期の中でわずかな期間である。農業サイクルの主な段階を変えることは現実には不可能である。例えば、4月に小麦や大麦を播種できず、5月末に行っても意味がない。北半球の温帯のほとんどでは、こうした栽培は、多くの収穫をもたらすことはなく、夏の干ばつでだめになる。その後の生産サイクルの段階は、農業植物栽培に直接関係している。地球上の全ての動物は、複雑な食物連鎖を介するにせよ、植物バイオマスの消費者である。そのため、農業植物栽培のあらゆる「失敗」は、食品産業にも、酪農用飼料の生産にも打撃となる。あらゆる牧草、例えば牧草地や放牧地にある牧草がきわめて少なくなると、こうした打撃はきわめて大きくなる。状況は、世界市場の主な穀物が小麦、トウモロコシ、米、大麦、エン麦、ソバ、エンドウである。この場合、小麦、トウモロコシ、米という「ビッグスリー」の割合は、世界で消費者される食糧の45％である。こうしたことから、農業のあらゆる失敗は、きわめて憂慮するものである。食糧資源は、世界できわめてばらばらに生産されている。主要穀物さえきわめて輸入に依存している多くの国があり、世界市場で独占的穀物輸出国もある。この10年間の統計によると、主な穀物輸出国は、米国、カナダ、オーストラリア、アルゼンチン、ロシア、EUである。こうした穀物輸出6カ国が全世界の穀物輸出の約90％をしめている。毎年、世界市場で穀物を輸入している伝統的消費国もある。これは日本、中国、トルコ、エジプト、サウジアラビア、さらに数十カ国である。この10年間、主な食肉輸出国は米国、カナダ、ブラジル、アルゼンチンであり、全世界食肉の三分の二以上を生産している。各国、きわめて様々なやり方で農業を行っている。例えば、ロシアでは十分バランスのとれたやり方をとっており、これは自国資源で食糧を最大限保障し、また輸出力を強めるため、国内農業の強い面を利用することである。例えば、穀物生産ではロシアの余剰率を考え、ロシアは世界穀物市場で輸出国として振る舞っている。食肉生産は構図は若干異なり、食肉の輸出制限され、何故なら国内市場を賄うことが主な課題と見なされているからだ。ちなみにこの課題はロシアではすでに数年前に達成され、今日、国産鶏肉で95〜98％が賄われ、最も不足している牛肉でも、この数値は、約91％になる。そのため、きわめて起こりうる食糧危機は、ロシアにとっては手に負えぬものではなく、ロシアは国内資源によって、この問題を解決する意向である。しかし、食肉輸出の多くの国では例えば米国では、状況は違う。食肉輸出大国は、調整を行わず、民間企業に独占権を与えてる。こうしたやり方は、平時には正しい。民間企業は効果的にコストを「カット」し、米鶏肉の低い原価を確保している。米政府は、米肉の販売でロビ−活動を行い、米国に従属する国から自国食糧部門を奪っている。さらに米企業は輸出促進のため、補助金をもらっている。EUの「食糧ロビ−活動」も同じようである。だが欧米からの農産物のとめどない増加の主因の一つは、合法及び非合法移民の安い季節労働の利用である。それにより、コストをかなり「カット」することができ、あらゆる外国の競争者を追いやり、あらゆる欧米品のコストをかなり安くでき、例えば、大豆、小麦、牛肉、鶏肉である。現在、米国食糧部門は、スキャンダル続きである。いくつかの実例をあげてみる。食肉コンビナート「Smithfield」はサウスダコタ州にある古い建物である。廊下、階段、更衣室、食堂、全て狭いもので、人々は肩と肩を触れないながら移動して仕事をしている。こうした大きな施設で、豚の解体は主に移民が行い、現場では英語のほか、数十カ国語が飛び交っている。当然、こうした中で、距離を取るとか、消毒、いっそうの手洗いは、まったく役立たない。その結果、当初、一人が感染したが、一週間後、80名となり、二週間後では644名となり、現在では800名以上となっている。二名はすでに死亡し、二十名は重篤である。当然、コンビナートはすでに閉鎖され、当分再開されない。「Tyson Foods」社が米最大の鶏肉工場であり、感染のおそれがあり、きわめて狭い労働環境にもかかわらず、きちんと出勤すると、ボ−ナスとして500ドル出すと、労働者に提案。だが会社はコロナウイルスで自社従業員5名が死亡した後に出した。基本的に「Tyson Foods」社は、従業員が166名感染したアイオワ州にある工場だけ閉鎖して、被害を最小限にすると決定した。さらにテネシー州とカンザス州にある工場では愚かなやり方で感染を抑えようとしている。しかし、そこでも、感染はいつでも拡大するおそれがある。何故ならこうした工場では、すでに90名と77名の感染が確認されているからだ。「Tyson」社の一般従業員は、毎分、約80羽を加工し、ほぼ全米を養い、同時にさらに10カ国への米鶏肉輸出を保障している。状況はきわめて危機的であり、「Tyson」社は、「The New York Times」紙で、米国民へアッピ−ル文を掲載した。さらに大きなスキャンダルは、コロラド州にある「JBS」社牛肉加工コンビナ−トで起きている。この工場の匿名従業員のよると、生産ラインでは消毒も、保護手段も、賃金割増金もないが、仕事を失うリスクはある。その結果、牛肉は感染兆候のある人や、感染者が捌いている。無権利にもかかわらず、移民労働者は集会を行うつもりだ。だが保健局は調査を始め、コロナウイルスの流行が終わるまで、この工場は閉鎖された。こうした公になっているケ−スに加え、はるかに隠れた表に出ない移民問題や、季節労働者の問題があり、現在、農業植物栽培の重要段階で働いている。米農産品の生産状況はかなり悲しいものとなるだろう。誰も、半年後ではなく、一ヶ月後にも、大食糧輸出国の損失がどのようになるか、言うことができない。つまり、間もなく、世界食糧市場でかなり緊迫した状況が待っている。人によってはこれは価格上昇であり、人によっては、現実となった本当の飢饉となるかもしれない。

−27日（月）「中央銀行、経済危機時、公定歩合に関し、西側シナリオに初めて従う」（「今日の経済」紙、マクシム・ブウト）ロシア中央銀行は、公定歩合を5.5％まで引き下げて、一度に複数の前向き要因を動作させると、「フィナム」社グル−プ・アナリスト、アレクセイ・コレネフ。ロシア中央銀行は、4月24日の理事会会議で、公定歩合を一気に50ベイシックポイント引き下げて、5.5％にした。中央銀行はこれにより、今後の通貨融資政策に関する中央銀行のプランについて市場にシグナルを送った。「基本シナリオにそって事態が進展する場合、中央銀行は、今後の理事会でいっそう公定歩合を引き下げることになる。実際、100ベイシックポイントでも、公定歩合を引き下げる余力はある」と中央銀行。3月20日の前理事会では、中央銀行は公定歩合を６％の水準に維持した。その前の理事会、2月7日では中央銀行は、公定歩合を25ベイシックポイント、引き下げた。現在、中央銀行は、企業と銀行部門は期待していたそのものを実行した。「2日前、多くのアナリストのコンセンサス予想では、中央銀行は、公定歩合を0.5％引き下げると一致していたが、この決定は予想外のものでない」と同専門家。「過去を振り返ると、これまでの経済危機では、世界の主要経済国は、国内経済を支えるため、公定歩合を引き下げたが、新興国は、高いインフレ率を懸念して、しばしば公定歩合を引き上げた。今回の経済危機はユニ−クで、多くの新興国も公定歩合を引き下げている。これは、国内経済がインフレまでいかないほど、かなり問題があるからだ。安い資金で企業も、一般の消費者も支える必要がある。資金は、人々や企業ができるだけ多く購入し、さほど生産が減少しないように全ての分野に必要である。公定歩合に関し、ロシア中央銀行のこうした動きは、待望のものであった。公定歩合引き下げ表明後、ロシア経済は直ちに良好な反応をした。例えば、ル−ブルは対ドル、対ユ−ロで高くなり、プレ−ヤは、ニュ−スにより利益確保に走った。ドルは、4月25日、65カペイカ下がり、74.1ル−ブルとなった。ユ−ロは79.9ル−ブルまで下がった。市場は、今後公定歩合を引き下げるというシグナルも前向きにとらえた。アナリストは、中央銀行の決定は経済へより多く資金が入るようにするという意見である。まさにこうし意味で、銀行部門も中央銀行の決定を支持している。「これまでの経済危機時、中央銀行は先ず、公定歩合を引き上げ、このようにして経済発展にブレ−キをかけた。今回、中央銀行はきわめて正しい行動をしている」と「VTB」銀行代表アンドレイ・コスチン。「ロシア中央銀行は、公定歩合の決定を下す前に常にタ−ゲッテイング、つまりインフレ抑制を目指す。公定歩合が高いほど、インフレ率は低く、この関係は直接結びついている。昨年、目標として、最大値４％のインフレ率が設定された。その結果、2019年のインフレ率は3％。現在、インフレ率は2.9％で、つまり公定歩合の引き下げのリスクはなかった。今や、中央銀行の新たな政策にもとづき、前方を見る必要がある。年全体で、ロシア中央銀行は、公定歩合は見込まれるインフレ率4％まで下げる予定である。世界市場の石油価格がかなり下落した場合にかぎり、公定歩合は4.5〜4.8％の水準で維持されるかもしれない。「実効公定歩合」という概念があり、これは公定歩合マイナスインフレ率で計算される。この良好な水準は現在、2.5〜3.2％である。現在、中央銀行は、経済をこれに合わせている」とコレネフ氏。中央銀行は、同時に今年及び今後2年間、ロシア経済の基本シナリオを見直した。中央銀行の見解では、ロシアGDPは2020年、4〜６％、落ち込む。今後、ロシア経済の回復成長が見込まれ、2021年では2.8〜4.8％、2022年では1.5〜3.5％。これは、中央銀行がコロナウイルスの流行と石油価格の暴落以前に最もありうると見ていたこれまでのシナリオより一桁低い。中央銀行の基本予想では、2020年、Ulalsブランド石油の平均価格が1バレル27ドルとし、2021年及び2022年では1バレル35ドルと45ドルまで上昇するとなっている。今年の落ち込みについて、中央銀行は、隔離措置と国内需要の減少のせいとしている。中央銀行自身も、こうした要因がロシア経済のインフレ率を減速させていると指摘。「中央銀行の決定は、経済にとって、有効である。これにより、企業は安い資金を得ることができ、個人はより有利に融資を受けることができる。さらに物価を引き下げ、そのため、今回の中央銀行の動きは、適時であり正しいものだ。さらに6月の会議でも公定歩合の引き下げは継続されると考える根拠はある。一方、経済はこうしたことがきわめて必要である。インフレ率によりこうしたことができる。たしかに、どのよう場合でも経済の破綻は特別の問題であり、どの程度か考慮する必要がある。現在、どの予想も、誰もコロナウイルス流行の状況がどれだけ続くか、分からないし、流行第二波があるのか、誰も分からないし、国の経済や世界経済が現在の経済危機からどのように脱却できるか、分からないことから、信頼できるものと見てはいけない。いずれにしても、経済の回復期がやってくる。2008年の金融危機後、1年半で経済は回復した。現在のリセッションから脱出シナリオがどのように進展するか、目下、誰も予想できない」とアレクセイ・コレネフ。

−23日（木）「ロシアの金塊重視は、値下がる石油のカウンターウエイト」（「今日の経済」紙、マクシム・ブウト）今年、全ての資産が目減りした。ロシアは、早めに正しい投資戦略を選択していたと、「オトクルイチエ・ブロ−カ」社投資商品部長アントン・シャバノフ。専門家の試算によると、年初から世界の主な原料価格は大きく下落した。例えば、Brent石油は73％下がり、WTI石油は81％下落した。世界市場の砂糖価格も11％、コ−ヒは15％、銅は20％下落した。プラチナ、銀、パラジウム等の価格も下落した。金だけが10％以上も堅実に値上がり、専門家の予想ではさらに上がり続ける。例えば、数日前、「Bank of America」は、金価格の長期予想を出した。1900ドル以上の過去最高値は2011年9月。現在、金１トロイオンスは、スポット市場で1678ドル。「Bank of America」のアナリストは、1年半後、金１トロイオンスの価格は3000ドルとなり、過去の記録より50％以上、高くなる。「金は常に危機時には人気があり、何故なら最もリスクの小さい資産と見なされるからだ」とシャバノフ氏。「ロシアはここ数年、予備金作りとしてこうしたことを考え、基本的にはうまくいっている。OPEC＋協定の破綻後、世界の主な商品である石油は価格急落した。これは、市場でパニックを引き起こし、今でも続いている。この状況は、世界諸国を隔離し、貿易を止めたコロナウイルスの流行と重なる。砂糖、カカオ、貴金属など最近まで活発に販売されていたその他多くの商品も価格下落した。しかし、金は常に一種の保護資産として「恐怖時の通貨」とみられていた。投資家が高リスクの証券や原料から自分の資金を引き上げると、資金を失うおそれのない場所に投資する必要がある。これは常に“金”である。今年3月末、この10年間で一日当たり最大の値上がりをみせた。当時、世界の大手採金企業3社は操業を一時停止しており、米FRBは国債及び不動産会社の債券を無制限に購入するプログラムを公表した。「金は、最後の期待であり、政府が現在、我々が直面しているような激震に対抗するため、対策をとるなど、通貨下落にたいする保護手段となる」と「Goldman Sachs」銀行のアナリスト。2014年〜2015年、金融危機後、ロシアは、金を積極的に買い始め、その時から輸入量は一途に増やしてきた。例えば、2018年、ロシアは金274トンを購入した。2019年、ロシアは158トンという世界で最も多く金を買い付け、金の総保有量は2200トンにした。金保有量ではロシアは現在、世界5位である。米国は8千トン、ドイツは3300トン、イタリアとフランスは2400トンである。「今後18ヶ月間、金価格の空前の上昇について、“Bank of America”の予想はどの程度、現実性があるか、評価することは難しい。現況からすると、投資家は何を恐れているのか分かるが、そのため、彼らは金を大量に買い付け、これまで最も信頼できる投資手段と見なされているドルやユ−ロへの投資を信じていない。世界経済が明日どうなるか、誰も言うことができない。こうした状況で、自由になる資金を金に投資するという、ここ数年のロシアの戦略は、まさに正しかった。比較的安く金を購入すると、売れば現在では、かなりの利益となり、もちろん、世界経済危機とコロナウイルスの流行という困難な時期では無駄にはならない」と同専門家。アナリストによると、世界市場における金のリスクは最小である。リスクとしては、強いドル、金融市場の低い乱高下、アジアの大国における装飾品の需要減少がある。またここ数年、世界の中央銀行間の取引で偽金塊の売買が頻発しているが、これはいつもと比べ、特殊なのかもしれない。一方、ロシアは金により収入を受け取り始めた。例えば、ロシアは2019年、英国に金塊53億ドル分を売却した。これは、EU離脱の中、英国は、こうした動きの中、避けることのできない金融危機を緩和するため、金を積極的に買い付けた。アナリストによると、この取引でロシアはかなりの利益を得た。何故なら金資産の形成は2015年から始め、当時、金は1トロイオンス1160ドルだったからだ。「現在、金を売却すると、純益が出る」とシャバノフ氏。「生産量は急減し、予算支出は見直され、増加し、銀行は活動を縮小するだろう」と同氏。「こうした中、投資家の目標は金となり、ロシアには最高値で金を販売できる悪くないチャンスが出ている。中でも、石油価格下落による収入減を補う上でも有効である。まさにこれはすでに行われている」と同氏。例えば、ここ数週間の出来事の中、ロシア大手採金三社（「ポリュス」社、「ポリメタル」社、「セリグダル」社）の株式はモスクワ取引所で最高値を更新した。米国はドル発行国であり、いつでも自国口座にある、あらゆる国のドル建て資産を凍結できる。そのため、ますます多くの国が、金塊で自国予備金を補充し始めてる。しばしば、ロシアに金を求めている。「ドルが世界の基軸通貨となった時、ドル相場は金により保障され、これは純粋に経済的手段と考えるようになった。しかし、時の経過とともに、米国は米通貨を外交政策の一部にし、様々な国の資産を凍結したり、制裁を科したり、他の手段をとったりしている。同時に金備蓄によりドル相場を補完するという議論はすでにない。理論的には米大統領は朝目覚め、「米ドル建て資産をなんらかの国から奪う」と宣言できる。多くの国家にとって、こしたパタ−ンは零落であり、何故なら米国債は世界の投資で最も人気のある手段の一つだからだ」とアントン・シャバノフ氏。ロシアにとってこうした脅威は最早、重大ではなく、ロシアは米国債への投資は2014年から一貫して縮小して、現在、経済にとってリスクなしに利用できる最低部分のみ残してある。一方、米国は金にしたロシアの貯蓄に影響を及ぼすことはできない。金はロシア国内に保管され、世界のあらゆる通貨で金を売ることができる。そのため、金は、危機時、米挑発から一定の金融保護手段にロシアにはなっている。

−21日（火）「予想の時：ロシア国民の所得は6.4％減少する」（ロシア格付け機関「ACRA」の基本シナリオでは経済は4.5％落ち込む）（イズヴェスチヤ紙、ドミトリ・グリンケヴィッチ、エカテリナ・ヴィノグラドワ）国民の実質所得は2020年、6.4％減少し、平均ドル相場は75.9ル−ブル、インフレ率は5.2％、GDPは4.5％落ち込むと、格付け機関「ACRA」の基本シナリオ。事態のもっと前向きなシナリオもある。アナリストは、楽観的なシナリオでは所得の減少は1.3％で、物価上昇率は3.9％、GDPの落ち込みは0.8％。両ケ−スともアナリストは、2020年、コロナウイルスの完全克服は否定しており、隔離が終わると、復活もありえるとみている。本紙が取材した専門家はロシア格付け機関「ACRA」の分析に基本的には同意しているが、多くは国民の支援レベルにかかっているとしている。ロシア格付け機関「ACRA」は、ロシア経済の進展について、三つのシナリオを考えている。基本シナリオ、楽観シナリオ、悲観シナリオである。三つのシナリオとも共通の前提条件は、少なくとも、年内にはコロナウイルスの流行問題は解決できない。基本シナリオでは、隔離三ヶ月後、制限のかなりの部分が撤廃される。中国のようにすると、その時までに感染者数は最低となる。アナリストは、政府がウイルスが季節的となり、夏の減少後、再び、流行するならば、年内に制限措置を復活させるかもしれない。またこれはロシア国内外旅行の部分的自粛の持続となる。もし事態が基本シナリオにそって発展すると、2020年、国民の実質所得は6.4％減少し、失業率は2.1％増え6.7％となり、物価は5.2％上昇する。GDP成長率はマイナスであり、これは4.5％の落ち込みである。ドルの年平均相場は75.9ル−ブル。2020年、連邦予算は赤字となる。アナリストによると、5.6兆ル−ブルの赤字となる。悲観的シナリオでは隔離は強化され、サ−ビス部門の仕事は大きく制限され、少なくとも2年間はワクチンはない。この場合、実質所得は9.9％減少し、失業率は8.9％まで増え、物価は7.7％高騰する。GDPはドル相場86.2ル−ブルの場合、7.5％減少する。予算赤字は8.5兆ル−ブルとなる。事態がネガティブに発展すると、政府は新生ロシアではけしてやらなかったような強硬措置をとるかもしれない。とりわけ、悲観シナリオでは、需要が急減する。これを防止するために政府は、「空から資金をばらまく」ような手段をとるかもしれない。とりわけ、失職の場合、所得と同じ補助金や、国民の広い範囲に直接資金を渡すようなやり方である。前向きなシナリオでは、ウイルスは早くも夏頃にはかなり少なくなり、あるいは大量の抗体からすれば、国民のかなりの部分は、軽症又は無症状で病気に打ち勝っている。この場合、過度な隔離措置は、6月にも過剰となるかもしれない。楽観的なシナリオでは、所得減少は1.3％とわずかで、失業率の増加は0.2％、インフレ率は3.9％となる。GDPはこのシナリオでは0.8％の減少で、年全体でドル相場は平均で７２.1ル−ブル。予算赤字は2.5兆ル−ブル。とはいえ、三つのシナリオ全て、マクロ経済指数の上昇は来年となる。例えば、基本シナリオでは2021年、国民所得は2.7％増え、失業率は5.9％まで下落し、小売価格の上昇率は2.2％まで減速する。GDPはドル相場が74ル−ブルの場合、2.2％まで加速する。予算赤字は3.1兆ル−ブル。悲観的シナリオでは基本シナリオ同様に2.7％の所得増があり、失業率は7.2％まで下落し、インフレ率は1.3％まで減速する。GDPは0.5％増え、平均ドル相場は77ル−ブル。予算赤字は4.2兆ル−ブル。前向きシナリオでは、2021年、国民所得は1.6％増え、失業率は危機前水準まで下落し、物価は3.5％上昇する。GDPはドル相場66ル−ブルの場合、1.8％成長する。予算はそれでも赤字である。収支の差は、約1兆ル−ブル。客観的要因のほか、事態の進展にはかなり国家支援措置が影響するだろうと、格付け機関「ACRA」のアナリスト。とりわけ、大手企業が政府から直接援助を受けるが、多くの国と関係のない中小企業では、こうしたチャンネルはない。彼らは、銀行を介してのみ、支援を求めることができる。したがって、銀行部門の順応性は、ロシアにおける経済危機の深さにかかっている。中央銀行と政府の支援で、銀行は流動資金を途絶えなくすことができるが、脆弱部門は、倒産、デフォルト、失業の発生源となるだろう。その結果、早急に需要が減少し、供給は減少すると、ロシア格付け機関「ACRA」。コロナウイルスの流行の中、国民は銀行との関係を強め、消費水準を維持するか、それともより節約するか、やむなく選択することになると、アルファバンクの主席エコノミスト、ナタリヤ・オルロワ。とはいえ、後者はこの3年間、実質可処分所得が減少していることを考えると、おそらく不可能であろう。この実質可処分所得は2020年、5％減少すると、同専門家。「国家補償の規模が増えると、国民はさほど所得を失わない」とロシア国民経済・国務大学専門家アレクサンドル・デリュギン。現在の国民に対する国家支援では、賃金水準は6.5％〜10％減少すると、同氏。コロナウイルスの流行による損失を最小にするには、国家支援の規模を2兆ル−ブルから5〜7兆ル−ブルまで増やすことが妥当であると、ガイダル経済政策研究所金融センタ−主席研究員アレクセイ・ヴェデフ。その予想によると、ロシアGDPは、今年7％下落するが、その後、修正され、2021年には4〜5％の成長となる。

−17日（木）「数兆ル−ブル：コロナウイルスによるロシアの損失」（ロシア経済にとって、コロナウイルスによる損失は18兆ル−ブル）（GAZETA.RU紙、イリナ・ヴラソワ）コロナウイルスの流行により最も被害をうけたロシア経済の各部門の損失は、17.9兆ル−ブルであり、最大1550万人が失業すると、「国民格付け機関」（NRA）のアナリスト。基本シナリオによると、GDPと実質所得の落ち込みは約３％、ドル相場は85〜90ル−ブルまで上昇する。新型コロナウイルスの流行で最も被害をうけたロシア経済各部門の損害は17.9兆ル−ブルとなり、労働市場で不必要となる人数は最大で1550万人と、「国民格付け機関」マクロ経済展望にもとづき、「イズヴェスチヤ紙」が伝える。自己隔離体制は、2020年、ロシアにおける数十の部門で、付加価値が3.9％〜83.9％減少すると、同展望。予想では最も損失の大きいのはホテルと外食産業である。サ−ビス部門はかなりの損害で（−77.5％）、衣類・靴の生産は−52.7％、文化・スポ−ツ・レクリエーションは−46.1％。一方、被害の最も少ない部門は、食品とタバコで−3.9％、農業・林業・漁業は−5.1％、有用鉱物採掘部門は−6.6％。「我々の分析は、損失額は17.9兆ル−ブル。労働市場で必要のない人の数は最大で1550万人。税の減収は4.2兆ル−ブル」と「国民格付け機関」の「展望」で指摘され、こうした損失は国の経済にとっては受け入れがたいものであり、そのため、より早期に危機から経済が抜け出すため、追加措置が必要と指摘。同機関のアナリストは、新たなマクロ経済予想を出した。これは、三つのシナリオで構成されている。石油市場の不安定、コロナウイルスの流行、中国経済の回復プロセスによる複合ショックである。最良のシナリオではロシアのGDPは0.4〜0.7％成長し、実質賃金は0.3％〜0.6％上昇する。ドル相場はこの場合、75〜80ル−ブルで推移し、インフレ率は6.2〜6.5％。とはいえ、こうしたシナリオの確率は15％。悲観的シナリオの確率は、この倍以上である。今年、GDPは最大で7.1％落ち込み、2022年までゼロ成長であり、2024年になって、1.5〜1.7％の成長となる。この場合、実質賃金は7.5％〜7.8％減少し、ドル相場は100〜103ル−ブルとなり、インフレ率は最大で9.2％になる。「悲観的シナリオの前提は、世界経済は、2008年〜2010年の金融危機をはるかに上回る影響を受けるが、この確率は目下、さほど高くない」と同展望。確率50％という最も現実的シナリオは、−3.3％のリセッション、3〜3.2％の賃金減少、ドル相場85〜90ル−ブル、インフレ率7.2〜7.3％である。アナリストによると、政府は大きな損失を放置せず、最も良好なシナリオで危機から経済を抜け出すように追加措置をとるだろう。専門家は、政府がすでに被害を受けた企業にたいし、納税の猶予、融資返済の猶予、倒産の一時猶予を認める緊急措置をとっていることに注目している。前日、ロシア大統領ウラジ−ミル・プ−チンは、基幹企業リストを作り、市場より低い6％の金利で特別融資を行えるよう指示した。さらに大統領は、中小企業は従業員1人当たり1万2100ル−ブルを受け取ることができ、こうした資金は、従業員の賃金に使うことができると表明。また各地方に対し、予算の安定性とバランスを確保するため、2000億ル−ブルを交付し、また航空会社支援のため230億ル−ブルを拠出する必要があると表明。専門家の試算によると、経済支援総額は現在、すでに2兆ル−ブルにもなる。

−15日（水）「ロシア在住の外国人、二重国籍が認められる」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済部」）ロシア在住の外国人は、ロシアパスポ−トを取得する際、母国国籍の維持が認められる。ロシア国籍を申請する際、これまでは外国人は母国国籍を放棄する必要がった。ロシアには、ロシアパスポートを取得する際、外国人に対し、母国国籍の維持が許された前例がある。例えば、フランスの俳優ジェラール・ドパルデューは、2013年にロシア国籍を取得した。この俳優はノヴォシビルスク市で登録され、税金を払っていない。簡易手続きにより申請する外国人に対し、その直前の3年間、ロシア国内に在住するという必須要求や、ロシア国内における合法的収入源を確認する必要性は廃止された。こういした緩和は、旧ソ連国籍を持っている人や、旧ソ連構成国で居住していた人に対しても、対象となる。この緩和は、ロシア国民と婚姻状態にあり、共通の子供を養育している外国人や、その両親がロシア国籍を所有している外国人も対象となる。

−13日（月）「石油戦争の終了：OPEC＋加盟国は、2年間プランを承認」（エネルギ−相は、OPEC＋加盟国の新協定の数値をあげる）（GAZETA.RU紙、オリガ・ドウブラヴィツカヤ）産油国は減産で合意した。OPEC＋加盟国の新協定は、2022年5月1日までとし、これには23カ国が参加すると、ロシアエネルギ−相アレクサンドル・ノヴァクは、G20会議後、発言。今後2ヶ月間、OPEC＋加盟国は1日当たり1000万バレルを共同で減産し、500万バレルの減産は米国、ノルウェー、アルゼンチンなど非加盟国に見込める。産油国は、前回交渉の破綻後、1ヶ月してから、新たな減産協定を承認した。OPEC＋加盟国は、1日当たり1000万バレルを減産するが、他の産油国の分を入れると、1500万バレルになるかもしれないと、エネルギ−相アレクサンドル・ノヴァクは、G20会議後、テレビ局「ロシア２４」で述べた。「今日、G20の枠組みには20カ国が参加しているが、多くの国は、市場状況を回復するための措置について語っている」とノヴァク氏。「例えば、カナダは1日当たり100万バレル、減産すると表明し、米国、ノルウェー、アルゼンチンなども述べている。「OPEC＋加盟国が行う1000万バレルの減産に加え、OPEC＋非加盟国の減産がさらに500万バレルが出てくる」と指摘。それによると、今日、減産にはOPEC＋加盟国だけではなく、産油国全てが参加する必要がある。「減産に参加する国の数をかぞえたが、その総産油量は、世界全体の産油量1億バレルの内、約7000バレルを産油している。これは70％であり、きわめて大きな貢献である」と同相。OPEC＋加盟国は、効力2年間の協定を結んだ。協定数値について、4月9日に協議した。「OPEC＋加盟国と非加盟国が全体で、今年5月と6月の2ヶ月間、1日当たり1000万バレルを減産するという断固たる措置をとることで、意見が一致した」とノヴァク氏。その後、下半期、産油を一部回復させ、減産は1日当たり800万バレルとする。2021年の数値は1日当たり600万バレルで23カ国全てが参加すると、同氏。この割当量は2022年5月1日まで続く。ノヴァク氏は事態の進展を注視する必要があると発言。1500万バレルは、ほぼ市場バランスを生み出すが、それでも、若干の供給過剰は続くと、「BCSプレミエル」社主席アナリスト、セルゲイ・スヴェロフ。「協定に23カ国が参加したことは重要であり、米国では減産は、自然的な原因で生まれ、何故ならシェ−ルオイル会社の一部はすでに倒産しているからだ」と同専門家。2022年4月末までというOPEC＋加盟国の長期合意を考えると、市場は3カ年の安定シグナルを受け取るのだが、価格は制限措置に対し、消費「落ち込み」に敏感となるだろうと、ロシア国民経済・国務大学法人管理ハイスクール国際商業学科准教授タマ−ラ・サフォノワ。「ロシアとサウジアラビアの決定は、安定の確信を生み出し、不確実の時期後、世界市場に対し、共同で影響する力があると再度確認させるものである」と同専門家。「現況では産油量は消費量を後追いすることは避けられず、どの会社も、原油の受け入れ、精製に対する要求の世界的減少により、産油の自然減は避けられない」と指摘。こうしたことから、各国は国民の隔離措置と燃料増加とのバランスをとるため、輸送量の安定化に努めるだろう。この会議後、プ−チン大統領とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の電話会談が行われたと、大統領府広報。「減産に関し、OPEC＋加盟国の交渉に関する問題について話し合われた」と同広報。「この問題について、ロシアとサウジアラビアの今後の会談が決められた。今日、その前にプ−チン大統領は、石油市場の状況についてトランプ大統領と協議し、この問題について、露米協議の継続も決められた」と指摘。3月初め、OPEC＋加盟国はウインにおいて、追加減産について協議した。この問題は、コロナウイルスの流行による需要減と価格下落から出てきた。当時、OPEC＋加盟国は、2020年、石油需要は1日当たり48万バレル減少すると予想していた。このため、加盟国は第二四半期、1日当たり150万バレルという追加削減を提案した。OPEC＋加盟国は、1日当たり100万バレル減産し、非加盟国は50万バレルを減産する。第一四半期に有効である協定にしたがうと、加盟国は2018年10月水準より、170万バレル減産する。それでも、交渉の中で、ロシアエネルギ−相は公式の会議終了を待たず、議場を後にしたが、これは「予定通り」と同相。1日当たり1500万バレルを減産する決定が下され、公表された会議は、ロシアの参加なしに行われた。翌日、ウインに戻ったノヴァク氏は、OPEC＋加盟国大臣会議に参加したが、この会議は失敗に終わった。ロシア側は、少なくとも第二四半期、現行の産油量の維持を主張した。合意失敗後、OPEC＋加盟国には、産油量に関して義務がなくなり、一部の主要プレ−ヤは、産油量を増やし、かなりデイスカウントして売ると表明した。この表明は、サウジアラビア、イラク、クウェートである。合意破綻後の最初の営業日、石油価格は30％下落し、1991年以来、最大の暴落となった。3月、石油価格は何度か、最低記録を更新した。例えば、Brent石油とWTI石油は2002年レベルまで下落し、ロシアのUrals石油は1999年のレベルまで下落した。エネルギ−省次官パヴェル・ソロキンによると、同省は様々なシナリオを分析し、その中には、石油価格が1バレル30ドルまで下落するものもあった。しかし、この水準は維持されたことをエネルギ−省は、「ショックシナリオ」とよんだ。石油市場に対し、最も大きな影響は、コロナウイルスの流行であると、ソロキン氏は述べ、何故ならそのことで、世界の消費は大きく減少した。「人々が出歩かず、飛行機にも乗らない世界で今見られる隔離により、ほぼあらゆる商品の需要が大幅に減少し、つまり商業輸送も減少し、これは、石油市場が支出した費用である」とソロキン氏。4月9日の交渉は10時間、続いた。減産量は、ロシアとサウジアラビアのほか、全加盟国に対し、2018年10月の水準をもとに計算される。加盟国は1日当たり1100万バレルを基本に行われる。「需要供給の状態は、ぞっとするものである」とOPEC事務局長モハメド・バルキンド。「予想される過剰産油量は時に第二四半期、以前あったものより多い」と指摘。3月初め、世界における石油需要増加の予想は、1日当たり10万バレル以下だったが、現在、1日当たり、680万バレルの需要減が見込まれており、第二四半期だけでも、この予想数値は、1200万バレルに近い。OPEC事務局長によると、第二四半期、世界市場における過剰石油量は1日当たり1470万バレルになる可能性がある。空いた貯蔵所の量は現在、約10億バレルであると、バルキンド氏は述べ、13億バレルという過剰供給は、5月にもこうした貯蔵所を満杯にするおそれがある。会議後、公表された協力数値には、メキシコを抜かして、交渉に参加した全ての国が合意した。タス通信によると、メキシコエネルギ−相ロシオ・ナレは、「怒って」議場から出て行った。減産プランではメキシコは、1日40万バレルを減産する。後に分かったことだが、メキシコは10万バレルしか、減産するつもりはなかった。交渉はG20の枠内で金曜日も続けられた。メキシコ大統領アンドレス・マヌエルは、金曜日の記者会見で、OPEC＋新協定で、米国は他の国が求めている量よりかなり少ないメキシコの減産量を補うため、1日当たり25万バレルを減産する。金曜日、4月10日に、G20会議後、ホワイトハウスのブリ-ヒングでトランプ大統領が明らかにしたことは、米国は、メキシコのため、1日当たり25万バレルを減産する。メキシコは、後にその補償を行う。「米国はメキシコを助け、彼らは行えるようになったら、この補償を行う」と米大統領。トランプ大統領は、米国には「状況に強く影響する力」があると表明し、「必要な時」にゲ−ムに参加すると発言。OPEC＋加盟国協定破棄に続く、ロシアとサウジアラビアの石油戦争は、米国の石油会社にとって看過できない価格となった。米国が増産しているシェ−ルオイルの採掘は、こうした価格では採算がとれない。米国の石油会社は、このため、ホワイトハウスに対し、サウジアラビアに対し、軍事支援の一時停止と、ロシアのエネルギ−会社に対し、新たな制裁を科す問題について検討するよう求めた。

−9日（木）「真実を求めて：ワインを買い込む」（ワインショップの売上げは、自主隔離の中、3割増）（GAZETA.RU紙、イリナ・ヴラソワ）自主隔離の体制は、多くの商品の需要を激減させたが、ワインショップは、こうした危機をうまくかわしている。酒類の需要は、先月急増したと、「Nielsen」社アナリスト。各専門家は、こうした動きは、物価上昇に国民が備えているとみている。自主隔離体制の第一週目、「ワインショップ」の需要は昨年比31％増えたと、スベルバンク「スベル･デ−タ」計画の調査。3月30日〜4月5日、国民の買物支出額は前週比及び昨年同期比で22.9％減少した。だがいくつかの分野では、支出は際立って増えている。先ず、「ワインショップ」である。昨年より3割以上多い。また食品分野も若干の増加、9.2％の増加が見られる。各アナリストは、こうした動きは、国民がカフェ−やレストランへ行くのは止めたせいとしている。それによると、これは、需要が多少なりとも安定している「唯一のカテゴリー」である。さらに自己隔離の期間が始まったことは、デジタル商品への関心を高め、この商品の購入を17.4％増やしている。明らかな理由により、医薬品と医療品の需要は昨年比15.5％増えている。「衣類、靴、アクセサリ」、「スポ−ツ」、「美容サロン」、「家具、インテリア」の分野では、需要は事実上、完全になくなったと「スベル・デ−タ」調査書。すでに数週間連続で「航空チケット」、「旅行会社」、「ホテル」の分野では、売上が最低となり、今月初めこれに「スポ−ツ」、「美容サロン」、「レクリエーション」なども加わった。似たような状況が、「衣類と靴」（−94.2％）、「家具とインテリア」（−81.0％）、「日用器具、家電」（−58.2）などにもみられる。ロシアにおける酒類の売上は、すでに3月に増加した。国際コンサルティング会社「Nielsen」のデ−タによると、酒類（ワインを含めず）の売上高は先月、堅調に増加した。3月の第一週、増加は2.6％だが、第二週では11.9％となり、第三週、第四週では23.8％と25.4％。酒類売上高の増加率の加速は、ビ−ル売上高増に支えられている。3月の後半二週の売上高の77.6％がこれに該当する。また先月、ビターズ (bitters)の売上は大きく増えた。3月16日〜22日、増加率は121％、3月22日〜29日では113％（昨年同期比）。ワイン会社「Alianta Group」では先月、需要は20％増（昨年比）と、同社開発部長アレクサンドル・ブイヘヴィッチは述べ「売上は主に大手ショップへの大口納入で増加したと説明。3月最終週、「ラドガ・デイストリビュ−ション」も売上が増え、月第一週の数値より20〜30％多い。先月、売上増は、ワインショップ「SimpleWine」でもみられた。昨年比で10〜20％の増であると、「Simple」グル−プ会長マクシム・キシリン。各専門家は、こうした需要増は、消費者がドル相場が上昇すると、物価に必ず影響すると理解して、備蓄をつくっているせいである。酒類納入業者は、価格を引き上げる意向であると、カシリン氏は述べ、「Simple」社はおそらく、価格を変えると、伝えた。「Alianta Group」も、今後の価格上昇についてパ−トナ−と協議していると、ブイネヴィッチ氏。いくつかの商品の買付価格は、大手食品納入業者も検討する意向。コ−ヒ、紅茶、香辛料、缶詰、マカロニ、パン、魚も値上がっている。カテゴリーによっては、価格上昇は5〜20％になると、「ロシア食品協会」。同協会専務理事ドミトリ・ヴォストリコフによると、最も大きな価格上昇は、缶詰、コ−ヒ、紅茶、カカオで20％上がるとみられる。販売店はまだ値上げには同意していないが、今後2週間以内に状況は変わるかもしれない。

−6日（月）「備える必要がある：クレムリン、世界経済危機の警告」（クレムリンは、世界経済危機に備えるよう求めた）（GAZETA.RU紙、イワン・アプレ−エフ）世界経済危機に備える必要があると、ロシア大統領報道官ドミトリ・ペスコフ。それによると、経済危機克服のため、多くの国の行動や措置は足並みを揃える必要がある。またロシア経済に対する休業日の影響にもふれ、大きな打撃だが必要な措置だ。「この経済危機に備える必要がある。もちろん、多くの国の行動、措置の足並みを揃える必要がある」と報道官。経済危機の影響は一掃しないといけない。さらにペスコフ氏は、休業日の延長にも触れ、経済にとって大きな負担だと指摘。しかし、優先順位は人々の生命と健康である。4月30日まで、コロナウイルス流行のスピードを抑えるため、有休の休業日となる。以前、マクロ経済分析･短期予想センタ−の専門家は、長期予想として、ロシア経済はかなりの確率で石油価格の下落と、コロナウイルスの状況の中、2年間のリセッションに陥ると推測。ロシアにとって、経済危機は、他国よりもっと深刻かもしれないと、指摘。それによると、石油価格の下落は、隔離で閉鎖された工場のかなりの部分は、再び開けることができなくさせる。経済予想の「建設的案」は、ロシアの経済政策において、失業阻止と国民所得の支援を優先にして、立案されている。4月3日、ロシア大統領報道官ドミトリ・ペスコフは、コロナウイルスによる経済状況変化の様々なシナリオを心得ていると発言。それによると、事態進展の最も悲観的なパタ−ンも検討されている。その翌日、IMF専務理事クリスタリナ・ゲオルギエバは、コロナウイルスの流行による世界経済のリセッションは、これまで起きたあらゆる経済危機より、はるかに恐ろしいと表明。「コロナウイルスにたいし、特に脆弱である新興国市場、新興国に特に注意を払う必要がある。命や、生存手段を守るため、そうした国で生活する人々を支援するよう政治家に求める」と同氏のFacebook。WHOのテドロス・アダノム事務局長との共同記者会見で、同氏は、コロナウイルスとの闘いは、命を救うか、仕事を守るかと、若干の人々を言っていると指摘。「これは、架空のジレンマだ。人々の保護と、経済の保護は、切っても切れない関係だ。ウイルスの制御は、生存手段を守る上で、必要条件である」と同エコノミスト。「状況は実際、容易ではなく、未曾有のものである。もちろん、政府は毎日どころか、毎時、状況を監視している」とペスコフ氏。それによると、必要な支援措置は今後の状況により、選択される。昨日、ロシア首相は、航空輸送、観光、外食、体育、スポーツ、補習分野の雇用支援と維持に26億ル−ブルを出すと表明。これは、コロナウイルスにより一連の企業の一時強制休業に対し、行われるだろう。大統領も以前、大統領令を出し、これは、ウイルス流行と闘う上で必要な動きであると表明。金融機関には、中小企業に対する緊急資金として出される融資収入の減少分は補償される。また融資返済は、半年間、延期される。さらに従業員給料に対する優遇融資の要求は簡素化される。石油価格は下がり続けている。3月30日、標準石油価格の予想は2020年〜2021年、「Bank of America」により引き下げられた。例えば、北海石油Brentの価格予想は1バレル37ドルまで下落した。WTI石油の価格予想は1バレル32ドルまで引き下げられた。2021年、「Bank of America」のアナリストは、Brent石油とWTI石油の価格は、各々1バレル45ドルと42ドルと予想。また時期によっては、1バレル20ドル以下にもなるとみている。

−4月2日（木）「“マットレス”貯金：国民は、現金貯金3兆ル−ブルを使う」（コロナウイルスで、“生”現金貯金の割合は2015年以来、初めて減少する）（イズヴェスチヤ紙、アンナ・カレジナ）今年、国民は現金貯金から1兆ル−ブル〜3兆ル−ブルを使う。つまり、国民が今日「マットレス」の下に隠している資金の10％〜50％使うことになる。人々の「貯金箱」を開けさせるのは、コロナウイルスの流行による経済状況、収入減少、失業者増だろうと、国家格付け機関（NRA）と「BCSプレミエル」社の専門家の予想。最近では現金貯金が減少した時は、2015年である。ただし、当時、1％の減少にすぎない。各専門家は、2020年、国民は主にル−ブル貯金を使い、外貨は為替差益で儲けようとして当面、維持するだろう。ここ数年、現金貯金の割合は、約26％の水準（昨年12月、26.3％）で維持され、約19％はル−ブル貯金であると、国家統計庁のデ−タにもとづく、国家格付け機関（NRA）と「BCSプレミエル」社の専門家の報告。「BCSプレミエル」社の分析によると、国民には10.6兆ル−ブルの貯金があり、その内、6.2兆ル−ブルは国内通貨であり、4.4兆ル−ブルは外貨である。国家格付け機関（NRA）のアナリストは、若干多く、6.3兆ル−ブル〜6.7兆ル−ブルである。現金貯金はここ数年、増え続けている。例えば、国民は万一に備え、2.1兆ル−ブル以上を貯金した。2015年は例外で、当時、国民は現金貯金を１％減らした。しかし、2020年は、「貯金箱」の保全にとって、かなりの試練となるかもしれない。「ロシアで自己隔離体制が2週間以上続くと、失業者が6〜8％と、大幅に増えると予想している。無職の人の数は、300万人増えるかもしれないと、国家格付け機関（NRA）代表セルゲイ・グリシュニン。今年2月のデ−タによると、失業者数は340万人。専門家の予想が正しいとしると、この数値は、600万人以上となる。「すでに現在、サ−ビス分野では大きな打撃があり、この回復はかなりゆっくりにかもしれない。さらに国民の可処分所得も減少するおそれがある」と国家格付け機関（NRA）代表。「BCSプレミエル」社金融アナリスト、セルゲイ・デイネカは、2020年は生活水準が下がる年の一つになるかもしれないと指摘。「我々の分析では、個人の実質可処分所得は今年、2〜４％減少し、ロシア経済全体の落ち込みは2.5〜2.8％になる」と同氏。昨年、統計庁の最新デ−タによると、GDPは1.3％成長し、実質可処分所得は0.8％増加した。「現状は高い貯金傾向のある個人も、貯金を利用する上で十分要因となると推測できる。このプロセスの始まりをすでに夏にも見られ、2020年末までに現金貯金のル−ブル部分は15〜20％、1〜1.2兆ル−ブル、減少するかもしれない」とセルゲイ・デイネカ。国家格付け機関（NRA）のセルゲイ・グリシュニンは、「貯金箱」からの支出はかなり多くなるとみている。それによると、国民の貯金の約半分は、流通に回るかもしれない。つまり、国民の「マットレス」貯金は、約3.3兆ル−ブル減少する可能性がある。先ず国民はル−ブル建て現金貯金を使い始めるだろう。「外貨貯金は現在の不安定レベルを考えると、国民は最後に使うだろう」とセルゲイ・デイネカ。国民は外貨を触れていけない貯金というより、むしろ相場変化による所得手段とみていると、説明。現金問題は、コロナウイルスの流行により、国民が感染の懸念から利用を躊躇うせいでもある。ロシアでは、一般のやり方ではなく貨幣を消毒しようとして、お金を失う例がすでにある。例えば、消毒しようとして6万5千ル−ブルを燃やしたモスクワ市民のことが以前、ニュ−スになった。さらに先月、現金利用の危険性について、ロシア消費者庁、中央銀行、造幣局は説明した。これら機関は、WHOのデ−タを用いて、理論的にウイルス伝達路にはなりうるが、現金利用の害について、厳しい勧告はないと指摘。コロナウイルスの寿命は、紙では3〜4日間。造幣局広報によると、「ロシア貨幣の印刷に利用される紙幣用紙の製造では、バイオ性質のある特殊添加剤が用いられている」。中央銀行は、入行後、14日間以上、規定のやり方で放置された「クリ−ン」な貨幣を金融機関に渡すと伝えた。銀行には、お客が頻繁に触れる表面の消毒など、衛生に注意を払うよう勧告。いずれにしても、消費者庁によると、予防措置は役に立ち、そのため、現金に触った後とか、ATMを利用した後、手を洗い、現金を計算する際、顔を触らないよう勧告している。

2020年3月

−31日（火）「食品の騒ぎ：国民は、冷凍室を購入」（販売店は、この品目の需要倍増を指摘）（イズヴェスチヤ紙、アンナ・シヴシキナ）国民は、食品備蓄のため、冷凍室を購入している。この商品の需要増は、オンライン販売店のデ−タによると、この2週間で1700％増えた。冷凍は、食品保存の健全な方法であると、食餌療法専門家。だがあまりにも多く備蓄すべきではないと、指摘。国民は、長期隔離に必要な他の商品も購入している。遠隔作業用のイヤホン、停電用発電機、ゴミ捨て回数を減らす廃棄物クラッシャーなど。この二週間、冷蔵庫と冷凍庫の需要は、「ヤンデックス・マ−ケット」でも、マ−ケット・プレイス「ベル−」でも増加したと、「ヤンデックス」社広報は伝えた。例えば「ベル−」社では、先々週末（3月16日〜22日）、前週と比較して、冷蔵庫の問い合わせは50％、冷凍庫は約30％増えた。冷凍室に対する異常なほどの需要は3月7日〜17日にみられ、当時、発注数は6倍に増えた。この間、平均売上は1.5倍となった。「ヤンデックス・マ−ケット」でも、冷蔵庫需要の急増が認められ、問い合わせは倍増し、注文のピ−クは3月19日。またサ−ビス・ユ−ザは、冷凍庫を探し始め、昨年3月の約倍。「ホロジリニク・RU」社は先週、冷凍室販売が5.3倍増えたと、伝えた。3月16日〜22日、この商品の需要は、通常の冷蔵庫より数倍多くなった。これは、食品の長期保存を意味する。先週及び先々週、販売数は同じで、ほぼ相違はないと、「goods.ru」社。昨年の数値と比較すると、冷凍室の販売数は17倍となったが、平均売上高は2千ル−ブル減少したと、同社。だが若干、こうした増加は、売り場の拡張と機種の増加のせいでもある。もちろん、冷凍品は、かなり長期に保存できるが、あまりにも多く貯蔵していはいけないと、保健省特任食餌療法専門家長ヴィクトル・トウテリャン。「時間が経つと、こうした食品の栄養分は減少し、そのため、少量を備蓄し、定期的に入れ替えたほうがよい」と同専門家。それによると、栄養学的にみると、最も人気のある冷凍半製品であるペレメニは有害であると見なすことはできない。人によっての適量さえ守れば、毎日食べてもよいと、ヴィクトル・トウテリャン。多くのネットショップは、他の商品の需要増も認めており、これは自己隔離と関係するかもしれない。例えば、「ベル−」社では、特に先々週半ば、発電機がよく売れた。当時、発注数は1.5倍となった。「ホロジリニク・RU」では、ガソリン式発電機などの一週間の販売台数は、3.8倍増えた。生活廃棄物クラッシャーの需要増も伝えられ、先週、三倍増となった。これは、人々がコロナウイルスにより、外出したがらないせいであり、クラッシャ−を使って、一週間以上、ゴミ捨てに出ないつもりであり、プラスチックや金属は生ゴミと違って臭わないと、同社。またクラッシャーの販売台数は8倍増えた。さらに「ベル−」社専門家は、イヤホンの需要増を指摘。このピ−クは、3月10日と18日。この2週間、このカテゴリー品目の売上は約20％増加した。イヤホンの需要増は、遠隔作業への移行と、ビデオ通信利用のせいかもしれないと、「ヤンデックス」社広報。「いくつかの品目に関し、3月の動向は、基本的に、人々の心理に影響し、特に遠隔作業への移行となった、まさにコロナウイルスの流行のせいである」と「ホロジリニク・RU」社営業部長ウラジ−ミル・ヴェセロフ。だが家電等の需要増は部分的にはル−ブルの急落のせいでもある。同じような売上の急増は2014年末にも見られたと同専門家。首都地域では先々週、日用機器及び家電の需要が急増した。これは、「プラットフォルマOFD」社のデ−タ。平均売上は、昨年同期比で70％増。販売トップは、テレビ、ノ−トブック、スマートフォン、ゲ−ム機である。それによると、ユ−ザは価格がまだ上がっていないので、輸入品を積極的に購入している。ケ−スによって、100％の値上がりもある。しかし、急な買物はすでになくなりつつあると、専門家。

−27日（金）「戦略的備蓄：ロシア国民、108日分の買いだめ」（ロシア国民はコロナウイルス流行のため、108日分、買い貯め）（GAZETA.RU紙、「ビジネス」部）ロシア大手販売店のアナリストは、ロシア平均的家庭の備蓄量は108日分とみている。食品に対する急激な需要はすでに終わったが、納入業者は、卸し価格は上昇すると、ス−パ−に連絡。3月9日〜22日の隔離措置の中、備蓄のため購入した物は、平均的家庭で108日分と、ロシア大手販売店「X5 Retail Group」社。この会社は、いくつものスーパーマーケットを経営しており、ロシア全体で1万6千店舗以上をもち、日に約1500万人が訪れる。分析は、同社経営の全スーパーマーケットの売上デ−タをベ−スに行われた。「X5 Retail Group」のアナリストによると、この期間、買物客の半数以上は、備蓄のために買物をした。長期保存品に需要があった。1週間で、肉缶詰の販売量は通常の38倍、冷凍食品は約30倍、野菜は29倍、穀類は25.5倍、砂糖は24.6倍、塩は19.7倍となった。「Nielsen」社会計担当によると、3月9日〜15日、新年の祝日（1月1日〜7日）に次ぎ、消費者活動では2020年で二番目となった。最も増加したのは、ソバ（昨年同期比で66％増）、米（64％増）、砂糖（56％増）、肉缶詰（54％増）、穀類（38％増）である。食品以外では、ウエット・テイッシュで、54％の増加。消費者行動は、大小都市で事実上相違はないと、「X5 Retail Group」。最も多く備蓄しているのは、年金生活者であり、特に缶詰、穀類、マカロニ、植物油、塩、トイレットペーパーを購入している。このカテゴリーの人の備蓄量は、「X5 Retail Group」社の計算によると、一世帯当たり、平均で、126日間。同社によると、備蓄購入のピ−クは3月17日。今日現在、同社は、モスクワにある店舗で、最も需要にあった穀物及び缶詰は、数日前に需要が減少した。現在、備蓄量を補充するために訪れる消費者数は、急減していると、アナリスト。その予想では、高い需要はさらに数日続き、その後、正常化する。国民はコロナウイルスの流行と通貨相場による物価高騰をおそれ、食品を貯めていると、3月半ばに知られるようになった。ソバ、マカロニ、砂糖、缶詰、衛生品の買い占めが始まったと伝えられた。SNSユ−ザは、ロシア店舗における空の棚が映った写真をアップしている。ロシア政府は、食品不足を看過せず、国民に長期にわたり食品を貯めないように求め、これには消費期限があると指摘。コロナウイルスの流行の中、ロシアでは食品不足は見られていないと、産業通商相デニス・マントウロフ。「食品は100％ある」と「インタ−ファクス」通信は、同相の発言を伝えている。マントウロフ産業通商相によると、品不足を避けるため、スーパーマーケットには60日分の在庫を用意する課題を出している。連邦独占禁止庁は、生活必需品の不当な値上げをチェックするため、毎日、物価監視を行うと伝えた。同庁は、パン製品、穀類、食肉、鶏卵、油、野菜・果物に特に注意を払う意向。3月25日、モスクワ市長セルゲイ・ソビャニンの発言によると、モスクワにおける食品の過度な需要は減少しつつある。いずれにしても、販売店は、特に穀類など、食品の卸し価格の上昇について、納入会社から通知を受け始めたと、「ヴェドモスチ」紙。こうした通知は、「レンタ」、「マグニト」、「コマンドル」など、スーパーマーケットにも入っている。

−24日（火）「ロシア中央銀行、2014年の教訓から、公定歩合を据え置く」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）公定歩合を6％に据え置くことで、ロシア中央銀行は、独立性を示していると、ロシア国民経済・国務大学国家管理学科主任教授ウラジ−ミル・クリマノフ。ロシア中央銀行は、石油市場のパニックにより起きたル−ブル下落にもかかわらず、公定歩合を６％に据え置くと決定した。Brent石油、WTI石油、Urals石油の価格は、根拠なく低い水準にあるだけでなく、常に「右往左往」している。これはインフレ率や、ロシア予算政策の行方、さらに2020年のロシア経済成長に影響する。特記すべき点としては、公定歩合に関して、市場の大きな圧力が中央銀行に向けられ、そのため、大統領報道官ドミトリ・ペスコフは、中央銀行はクレムリンのあらゆる関与なしに、独自に決定を下したと、表明。「ロシア中央銀行の政策は、本当に自主的なものであり、ロシア政府から独立しており、影響しうるその他の勢力については言うまでもない。これは一にも二にも、明らかなことで、中央銀行は今日のようなこうした厳しい状況における行動戦略をもっている」とクリマノフ氏。さもないと、公定歩合は引き上げられたかもしれない。何故ならル−ブルは、OPEC＋の協定破綻後、かなり下落したからである。中央銀行が今日、決定を下した後、ル−ブル相場は再び、下落した。ロシア金融市場の乱高下に積極的に関与する投機家の行動がある。「肝心なことは、政府の行動とともにこれが悪影響とならないことだ。これは、2020年の特徴として、ロシア予算政策の最大手段が経済成長の促進となるという意味である。そのため、モスクワでは国民福祉基金の開封を求めている」とクリマノフ氏。また支出増させるため、予算見直しも予定されている。最近の状況悪化も考えると、ロシア予算政策は通貨・融資政策と連動しないといけない。「当然、ロシア政府は予算政策を変更するだろう。このため、公定歩合の据え置きは、一見、さほど正当な行動でないと思われ、何故ならル−ブルは大幅に下がり、石油価格は低水準にあり、新たな底を探している。いっそうのル−ブル下落を阻止し、公定歩合を引き上げることは論理的なことである」とクリマノフ氏。他方、2014年12月、公定歩合が9％から17％に引き上げられた中央銀行理事会会議は成果をもたらさなかった。中央銀行が今日、最近の出来事で、感情的な決定に走らなかったことは良いことだ。「そのため、不必要な情緒的な行動を避けるため、中央銀行は公定歩合を引き上げないと決定したが、この問題には再び戻る可能性はある」とクリマノフ氏。全ては、ロシア経済の状況が今後どうなるか、石油価格は安定するのか、世界は、コロナウイルスが欧米、中国にもたらしたものから、離れることができるのか、そこにかかっている。世界貿易が完全に回復するだろうか。ここにはかなりのニュアンスがあり、米国は政治的引き締めに入るかもしれない。さもないと、石油市場の状況のため、対ロ制裁に関し、最近の米脅威は理解できない。「近々、ロシアにとって、容易ならぬ状況となり、何故なら循環的な世界経済危機が訪れるとただでさえ、見ていたからだ。これは2021年〜2022年に来るとみていたが、おそらく、現在、早めにきたのだろう。これは、必要であった経済の構造改革が今日にいたっても行われず、そのため、問題が発生しただけだ」とクリマノフ氏。それによると、年初からロシアではミハイル・ミシュスチンの新政府に大いに期待し、新たな経済プランを作るとみられる。「これは予期しなかった。石油価格は暴落し、予算は世界の炭化水素資源に対する依存性を引き下げとはどうやらいえないようで、いずれにしても、ロシアにとっては、打撃である。予定した収入はおそらく2020年、得られないという意味だ」とクリマノフ氏。コロナウイルス要因も問題として加わり、そのことで、長期展望をプランニングすることが難しくなっている。コロナウイルスはEU諸国をおそい、世界経済に大きな不調をもたらしている。「こうしたこで、ロシアでは2020年、社会支出を増加させると決定した。もちろん、有益な目的だが、こうしたトレンドは2020年の減少する収入と重なり合う。これは、ロシア政府にとって大きな試練となるだろう」とクリマノフ氏。さらにこの問題は、こうした社会プログラムを実施する予定だった地方にも及んでいる。クリマノフ氏によると、これは、いかなる決定も先送りされるか、あるいは見直されるということになる。

−19日（木）「予備金と対策で、コロナウイルスの“不況圧力”からロシア経済を救う」（「今日の経済」紙、マクシム･ブウト）政府と中央銀行は、ロシア経済発展を支援する対策を行っている。これは、コロナウイルス流行の中、必要なものであると、ロシア戦略研究所エコノミスト、ミハイル・ベリャエフ。ロシア政府と中央銀行は、ロシア経済に対するコロナウイルスの影響と市場の乱高下を最小にするため、支援策をとっていると、政府サイト。国際金融市場と資源市場におけるコロナウイルス流行と乱高下の経済的影響に対する措置がとられる。政府は、2020年、予定した水準に対し、予算支出は削減しないと表明。財務省はリアルタイムで、地方予算のバランスを監視し、必要に応じて必要な金融支援を行う。政府と中央銀行は「ロシア経済に対する現況の影響程度を正確には定めることは目下、できず、何故なら主要な経済及び金融数値は、時間的に遅れて出てくるからだ」と指摘。「ロシア経済の状況は、今日、感染症と石油価格の下落という二重の圧力下にあるが、困難な状況ではない」と同エコノミスト。「現在、肝心なことは、予防措置をとることで、基本的には無駄にはならない。ましてこうした措置は、経済の刺激と発展に向けられるからだ。石油価格の下落からすると、今年、予算収入は不足するだろう。基本的にコロナウイルスにより中国も、全世界も経済成長が減速することは疑う余地のないことである。ロシアも、グローバルなプロセスに組み込まれており、そのため、全体的落ち込みは実感している。これは、ロシアGDP成長にとって、一種の「不況圧力」である。コロナウイルスの流行も外国輸出企業との協力チェ−ンを破断させ、中国の多くの企業は、仕事を一時休止したが、ロシアは生産用部品を中国から輸入している。こうした状況では、いかなる救援措置も時期尚早とはならず、経済は発展の刺激を待っている。ロシアではコロナウイルスは、流行までにはならず、それもプラスとなって、壊滅的損失とはならず、世界で起きている芳しくない外的影響だけは実感している。政府と中央銀行は、「十分な財源はあり」、経済の堅牢性と金融安定性にとって必要なあらゆる措置をとる」と表明。「対外需要の減少、外国からの部品供給問題、末端需要の乱高下、資金の入手性など、これらは銀行及び企業がとる判断に影響する」と同表明。経済支援の役割は分配され、定められる。政府は、予算及び経済政策でネガティブな影響に対抗する意向。中央銀行は、流動資金供給手段を機能させ、また銀行・金融管理について判断する。ロシア経済発展確保の行動措置は、必要な場合、拡大される。「刺激措置は、いくつかのカテゴリ−に分けられ、そこには地方支援だけでなく、中小企業の支援も入っている。中央銀行は、会計報告書や優遇条件による融資を容易くする一連の企業支援策を出した。商業カテゴリーの場合、何らかの手段により、事業に打撃がないように50億ル−ブルが出ることは知られている。だが現状で経済刺激の最良策は、中央銀行により公定歩合引き下げの持続だろう。このプロセスが止まるか、あるいは、引き上げられると、状況は悪化するだけである。対ドルル−ブル相場は下がり、これは必然的にインフレ率が上がることを意味する。中央銀行は、公定歩合を上げようとするかもしれないが、これは誤りである。ロシアは、今後、数年間、経済危機時、金融に不安がないように、十分な資金を貯めている。最大な点は、経済メカニズムを立ち上げるため、こうした資金を使い、GDPを成長させることである。まさにこうした措置が、経済にも企業にも必要である」とミハイル・ベリャエフ。

−12日（木）「国民計画、コロナウィルスとOPEC＋の破綻に対するロシアにとって安全クッション」（「今日の経済」紙、ドミトリ・シコルスキ−）ロシア格付け・分析機関（AKRA）のロシアにおける金融状況の評価は、意味があると、ロシア国民経済・国務大学経済国家管理学科主任教授ウラジ−ミル・クリマノフ。ロシア格付け・分析機関（AKRA）は、ロシア金融市場の状況について分析を行った。同機関によると、コロナウイルスの発生と減産に関するOPECとロシアの交渉決裂は、ル−ブルの大幅安となり、ロシア株価の下落となった。その結果、「金融ストレス指数」の上昇となった。最近、これは1.5ポイントだったが、現在、3.1ポイントである。これは、ロシアにおける金融危機の可能性が大きく上昇したと意味する。こうした急激な変動（一気に2ポイント）はロシアでは12回おき、2008年、2009年、2014年である。同機関によると、「金融ストレス指数」の危険点は2.5ポイントであるが、これを突破しても、必ずしも危機が到来するわけではない。ロシアで似たような状況が2016年にあったが、当時、金融システムで大きな危機は起きなかった。「AKRAの評価はよく熟考されたもので、そのため、同機関の見解はどちらかといえば、信頼できる。他方、こうした予想は、最近の出来事の前にも、出した方がよかった。現在、コロナウイルスとエネルギ−資源価格の急落によりロシア経済に生まれた状況により、きわめて明白な事態が起きている」とクリマノフ氏。それによると、危機といえるネガティブな現象は、出現近くにあるのではなく、すでに出現している。問題は、ロシア金融システムにおける差し迫る危機は、専門家により半年前にも予想されていた。「これは、コロナウイルス発生以前でも、世界経済成長に減速が見られ、最近の出来事はこのプロセスを強めただけである。さらに経済サイクルが終わりに近づき、世界では危機が起きている。こうした状況は2009年の出来事後、11年〜12年経って、世界経済で起こるはずだった」とクリマノフ氏。こうした理由により、現在のプロセスは、OPEC＋交渉の破綻やコロナウイルスから派生したものではなく、以前に経済に蓄積された傾向の結果である。コロナウイルスとOPEC＋交渉の破綻は、こうしたプロセスのたんなるきっかけである。「石油減産に関するロシアとOPECの不合意により引き起こされた問題はかなりやっかいである。まさにこれが世界市場における石油下落となったが、世界の経済サイクルの動きは、ロシア経済における多くのネガティブな現象を待たなければいけないと示すものだ」とクリマノフ氏。こうした要因全てを考慮すると、同機関がこうした結論を出したことは、驚くことはない。経済状況は困難だが、これは、最近の出来事だけのせいではない。おそらく「氷山の一角」が出たにすぎないのだろう。G.V．プレハ−ノフ記念ロシア経済大学マネ−ジメント・ビジネステクノロジ−学科主任教授ワレリ・マスレンニコフは、ロシアの状況は現在、容易ではないと、指摘。「危機は実際、起きているが、これはすでに初年ではない。危機と見なせるあらゆる傾向が我が国では4年間も続いているが、これは誇張してはいけない。問題は、経済問題が破綻などといえる状態には達していない点である」とマスレンニコフ氏。それによると、我が国は危機的状態はなく、何故ならロシアの外貨準備高は十分の水準にあるからだ。「この3年間、予算の点で、税収を大幅に増やした。税関は関税を十分に徴収し、外貨準備高はある。ロシア金融システムの能力として見なすべきでもある国民計画がどのような効果となるか、問題はこの点である。ここにうまく動かす余地があり、何故なら多くの点は、ずらし、先送りできるからだ」とマスレンニコフ氏。このようにロシア金融システムの状況は、安定しており、連邦予算は計画の数値を履行することには疑いはないが、ネガティブな面を無視してはいけない。石油価格の下落はル−ブルの乱高下を引き起こしたが、先ずこれは、より低い数値で通貨が固定するリスクがあり、第二に国内インフレの上昇のおそらがあり、何故ならロシアでは消費物資の三分の一は輸入品である。問題は、状況の不確実性でもあり、何故ならOPEC＋の新たな協定が結ばれるのか、よく分からないからだ。この問題では、サウジアラビアの投棄にもかかわらず、メデイアや政治的な見通しは存在する。目下、特に恐ろしい事が起きているわけではなく、石油価格は1バレル40ドルに近づいており、これは、年全体では連邦予算の基準価格42.5ドル以上になるという意味だ。「こうした石油状況はロシアに影響しており、何故なら予算収入は、60〜70％は石油に依存している。これは大きなことだが、問題はプレ−ヤが石油市場で価格戦争を続けるつもりかどうか、そこにあり、たしかにこれは、いろんな終わり方がある。サウジアラビアは、こうしたやり方をとって6年前には負けており、一方、シェ−ルオイルを考えると、米国はこれにはメリットはない。米財務相は2日前に駐米ロシア大使とたんに会ったわけではない。おそらく、この状況について話し合い、何故なら米国はシェ−ルオイルにかなり左右されるからだ。そのため、ロシアには交渉ではなく、取引のチャンスがある」とマスレンニコフ氏。

−10日（火）「国民福祉基金、10年間はもつ：ロシア財務省は、石油価格の下落に懸念していない」（財務省は、1バレル25ドルまで石油価格が下落するという見通しに驚かない）（GAZETA.RU紙、ラファエリ・ファフルトジノフ）ロシア国民福祉基金の資金は、石油価格が1バレル25〜30ドルまで下落しても、落ち込んだ収入を補う上で十分あると、財務省。国民福祉基金を補充するため、予算規則によると、公開市場で外貨が売られることになる。石油価格の下落がさらに続いても、ロシアはマクロ経済及び金融安定性を維持できると、財務省。「公開市場での取引で、石油価格下落による外貨流入の減少を補い、国内通貨相場を安定させる」と同省。国民福祉基金の流動資金は石油価格が25〜30ドルになって落ち込む収入を補う上で、6年〜10年間はもつと指摘。3月1日時点、国民福祉基金の流動資金規模は、10.1兆ル−ブル、GDPの9.2％である。また財務省は、市場の乱高下により、国債のオ−クションを一時中止するかもしれない。この決定は、市況を考慮して下されると、財務省。石油価格の暴落は、ル−ブルにも影響していると、同省。2020年、債務プランは、国内市場で1.7兆ル−ブルの調達を前提としており、総額では2.3兆ル−ブルが調達される。国債規模が予定数値よりかなり少なくなると、この差額は、他の財源で補うことになる。ドル相場は外国為替市場「Forex」では月曜日、3月9日、73.28ル−ブル、ユ−ロは83.80ル−ブルとなった。モスクワ取引所は、今日は休日でやっていない。月曜日朝、Brent石油1バレルの価格は33.48ドルで、下落率は35.5％と、ICEのデ−タ。WTI石油価格は38％下がり、29.96ドルとなった。夕刻近く、下落は一部反発し、Brent石油は36.4ドルとなり、前日より約20％低い。先週末、減産交渉の失敗が石油価格の下落となった。ロシア代表団は、OPEC＋協定の延長に反対し、ロシア代表団は2019年末に調印され、2020年4月1日まで機能する以前の協定案を第二四半期も延長するよう提案した。石油のいっそうの減産問題は、コロナウィルスによる。2月、OPECは石油消費量の以前の予想量を1日当たり23万バレル、減少させた。予想見直しの理由は、コロナウィルスの発生であり、OPECの予想では、中国及びその他の地域における輸送分野や産業の燃料消費量に影響するはずである。3月9日夕、ロンドン取引所ISEは、取引を終了し、その結果、ロシアの株式は7〜22％、下落した。例えば、ロスネフチ社のグローバル預託証券（GDR）価格は、21.43％下がり、4.53ドルとなり、「ノヴァテク」社は19.96％下がり、111.5ドルとなり、「ルクオイル」社は22.13％下がり、62.98ドルとなった。さらに「ガスプロム・ネフチ」社の株価は16.88％下がり、22.9ドルとなり、ガスプロム社は4.55ドルまで下がった。ロシアの一連の銀行株式は11〜18％下がった。2019年12月31日、中国政府は、武漢市でコロナウィルスの発生を表明した。これは新型コロナウィルスであり、COVID−2019と名付けられた。最新のデ−タでは、世界で感染者数は11万953名以上となった。すでに3877名死亡し、62135名が回復した。

−6日（金）「ジェンダー問題：ロシアでは誰が買物にでかけるか」（アナリストは、ロシア国民はどのように家事を分配しているか、分析）（GAZETA.RU紙、「ビジネス」部）「Nielsen」社のアナリストは、ロシアでは買物は誰がしているか分析した。ロシアではこれは女性が行い、買物の80％以上は女性が行っている。婦人の権利は向上しているが、昨年、この傾向が強まったとアナリスト。日常の食品等（日用消費財）の買物は、ロシアでは相変わらず女性の仕事である。2019年、この買物の84％は女性が行っていると、「Nielsen Shopper Trends」の調査デ−タ。こうしたデ−タは、ネットユ−ザの中で女性の割合を調べたネットショップ「ウトコノス」のデ−タが確認している。調査で分析されている日用消費財（FMCG）は、食品、衛生品、化粧品、酒類、タバコ、日用化学剤、ライト、電池等のことである。昨年、日用品の買物を行う女性の割合は増え、2018年ではその割合は82％だったが、2019年には84％であった。ネットショップ「ウトコノス」の分析によると、2019年、買物の大部分は実際、女性が行い、全買物の約80％にあたる。先ず、これは、家族用食品の購入など、家事はまさに女性が行っていると、同社。「さらに男性は主に「イベント」用の一回限りの買物を行い、女性は主に定期的な買物を行っている。過去をみても、この家事分担は、さほど変わっておらず、平均で男性の買物は20〜22％である」と「ウトコノス」社。こうした買物のやり方から分かることは、女性の権利獲得は活発化してはいるが、ロシアでは無償家事労働のかなりの部分、例えば、食料の用意など、相変わらず、女性の責任となっている。すでに2016年、「Nielsen」社のアナリストによると、世界における家計の管理はもっぱら女性が23％で、もっぱら男性は18％。「Nielsen Shopper Trends」のデ−タは、「Deloitte」社スタッフ、エゴル・メテルキンが確認している。こうした分担は、食料の半分以上は、食品であり、約10％は、衣類と靴である。まさにこのカテゴリは、主に女性が担当している。さらに女性は通常、子供用品の購入を行っている。2016年、「Nielsen」社のアナリストによると、家庭の23％は、女性だけが幼児の世話をしている（男性だけは５％）。こうしたデ−タは、女性は買物では主に子供用品やヘルス用品を購入するという「GfK」社のデ−タによっても確認される。女性が頻繁に購入する商品カテゴリ−には、医薬も含まれると、「GfK」社。これは「Nielsen」社のデ−タと一致する。2016年、病人の世話は22％が女性であり、男性は５％である。2016年、「Nielsen」社アナリストが明らかにした傾向は現在も持続し、今後数年はロシアでは続くと、メテルキン氏。家事の多くが、出来合い料理または半出来合い料理に移行することだけは変化するかもしれないと、同専門家。そのデ−タによると、男性は主に大型品の買物をし、例えば、冷蔵庫とかテレビである。さらに男性はより多く酒類やタバコを購入すると、メテルキン氏。2028年までに世界の女性は日用消費財の支出の75％をしめると、「EY」社の予想。婦人を新たな新興市場と呼ぶこともできる。今後5年間、女性の収入は世界全体で13兆ドルから18兆ドルまで増えると、コンサルティング会社の予想。ジェンダ−平等は、世界が2030年までに解決しようとしている国連安定的発展戦略の基本課題である。しかし、世界経済フォ−ラムの調査によると、ジェンダ−平等に現在、縮小傾向があるので、東欧では、男女の経済平等が達成されるにはさらに124年間かかる。

−3月3日（火）「ウイルスは通さない：予防対策を定める」（ロシア政府は、コロナウィルスによる大統領教書の実現にリスクがあるとみていない）（GAZETA.RU紙、ジャンナ・ネイゲバウエル）下院予算・税委員会は、2020年〜2022年、連邦予算の修正案を承認した。会議に出席した財務相と経済発展相は、コロナウィルスは、連邦議会向け教書で大統領が提起した目標の遂行を妨げないと表明。それでも、マクロ経済予想は見直す。何故なら専門家は、感染症の影響を過小評価したからだ。新型コロナウィルスの発生と世界市場の不安定性は、2020年1月15日、連邦議会向け教書で大統領が表明した社会公約の遂行を妨げるものではない。これは、2020年3月2日、下院予算・税委員会会議で参加者の発言。ロシア国家予算システムは、外的ショックから保護されていると、経済発展相マクシム・リシェトニコフ。これにより、大統領が提起した課題を履行でき、そのため、下院は「2020年及び計画期間2021年と2022年の連邦予算」法の修正をきわめて冷静に検討できる。「どのような事態であっても、どのような雰囲気であっても、最終的にいずれにしても、予想したような経済サイクルに入ると理解すべきである」と経済発展相。いずれにしても、議会に提出されたマクロ経済予想は見直す必要がある。最新シナリオは2020年1月半ばのデ−タで検討されたが、今日、これはすでに客観的でないかもしれない。問題は、冬の初め、2019年の全てが総括されておらず、現在、出ているような全ての外的要因が出ているわけではない点にある。これは新型コロナウィルスの流行のことで、予算作成者は、2020年第一四半期末までに中国経済は回復し始め、世界経済に対するこの流行の影響は「限定的」という考えであった。現在、経済発展省は状況について新たに分析を行い、これは4月9日までに提出される。一方、財務相アントン・シルアノフは、コロナウィルス状況と石油価格の下落についてコメントし、社会的義務の遂行に対し、世界経済問題は影響しないと表明。「私たちは、国民福祉基金に立派な資金を貯えていると答えたい。1バレル30ドルでも、予算で定めた義務に対し、約4年間は資金提供できる。エネルギ−資源市場で何が起ころうが、世界経済の成長率がどのように変化しようが、教書課題の実現資金は、先ず見つけられ、どのような場合では修正されず、財源は見つけられ、完全に資金提供される」と財務相。以前、シルアノフ氏は、コロナウィルスによるロシア経済の1日当たりの損失は10億ル−ブルと見積もっていた。この損失は、中国との貿易高の減少による。それでも同相は、「これは、政府が取り組んでいる課題の遂行に基本的に影響しない」と確信していると発言。政府は、ロシア経済の安定性を維持できるとすでにロシアの政治家は発言している。例えば、2020年3月1日、プ−チン大統領は、国民福祉基金も含め、貯蓄された資金で、グロ−バル経済の状況が悪化しても、全ての予算義務や社会義務の履行には十分である」と発言。プ−チン大統領はその教書で、中でも母親支援金プログラムの拡大、三歳児〜七歳児に対する毎月の補助制の導入、学級主任への割増給料制の導入、初等学級生徒への無料給食など提案。予算・税委員会委員長アンドレイ・マカロフは、予算修正案の早急なる承認が重要と強調。修正案は、2020年、予算収入が2140億ル−ブル増え、20.6兆ル−ブルになり、2021年には6460億ル−ブル増え21.9兆ル−ブルになり、2022年には7550億ル−ブル増え、22.8兆ル−ブルとなることを前提としている。こうした収入の一部は、総額2.4兆ル−ブル以上のスベルバンク株式の購入に関する政府と中央銀行の取引による収入である。支出は、2020年、2021年、2022年、19.7兆ル−ブル、21.2兆ル−ブル、22.4兆ル−ブルとなる。予算黒字は１％以内とみられる。予算は、3歳〜7歳の子供のいる貧困家庭に3年間、7500億ル−ブル以上を支出する。案では、母親支援資金の支出は、2020年には1223億ル−ブル、2021年には2107億ル−ブル、2022年には2657億ル−ブルに増やされる。一方、初等学級生徒向け無料給食には各地域は、2020年には218億ル−ブル、2021年と2022年には436億ル−ブルを受け取る。約1.3兆ル−ブルは3年間、奨学金受給者の増加のため、ロシアの各大学に向けられ、2463億ル−ブルは、小学校の増設に向けられる。発展水準の低い地域は、年間100億ル−ブルの範囲で財政援助され、幼年美術学校の修理や、保健施設の現代化プログラムには年間、500億ル−ブルが支出される。下院予算・税委員会は、修正案を承認し、2020年3月4日に開かれる第一審議会でこれを承認するよう下院に求めた。

2020年2月

−28日（金）「風邪とコロナウィルス：ロシアではニンニクが値上がっている」（ロシアでは、コロナウィルスのニュ−ス後、ニンニクが高騰）（GAZETA.RU紙、ジャンナ・ネイゲバウエル）若干のデ−タによると、2020年1月、この価格は、2019年同月比で137％となった。これは、コロナウィルスのせいである。多くの人は、この植物の薬効を信じている。独占禁止庁は、価格高騰のクレ−ムは受け取っていないが、極東ではそれ以外の18品目も含め、ニンニクを注視している。同庁のデ−タによると、今日ロシアではニンニク１kg当たり平均で212ル−ブル。昨年、この平均価格は155ル−ブル。ショップの金融デ−タを処理している「タクスコム」社も、同じ傾向を示すデ−タを出している。同社によると、ニンニク1kg当たりの1月価格は233ル−ブル、年間で34.3％値上がった。2月にこれは5.5％上昇した。価格上昇の原因は、新型コロナウィルスの流行であると、取材したアナリストの見解。ニンニクに含まれる成分は、病原体要因に対する耐性を実際に向上させ、また体調や能力に良好に影響すると、連邦栄養・バイオテクノロジー・食品安全研究センター長ドミトリ・ニキチュクは述べ、日にニンニク1〜2片を摂取するよう助言。マ−ケテイング専門家協会理事ニコラス・コロの予想では、ニンニクのほか、今後半年間、民間医療薬とみられている他の食品の需要も増える。これには、辛子、わさび、蜂蜜がある。そのデ−タによると、蜂蜜の価格は2020年1月、昨年同月比で2.7％上昇。ニンニクの効能に対する国民の信頼のほか、価格上昇の客観的理由はないと、野菜果物組合専務理事ミハイル・グルシコフ。本紙の取材で同氏は、2019年の収穫量は「きわめて普通であり」、ロシア市場のかなりの割合は輸入品だが、輸入に問題は起きていない。通常、ニンニクは中国から夏に一度だけ輸入されるが、収穫後は国内倉庫で保管される。そのため、中国の感染症流行はこれには影響しない。連邦独占禁止庁は、ニンニク価格の高騰に対するクレ−ムを今のところ受け取っていないが、極東連邦管区における価格変動を注視していると、独占禁止庁農産事業体管理部長アンナ・ミロチネンコ。この地域で確認されているニンニク価格の上昇は、国全体より低く、20.9％である。だがこれは、極東で今月に値上がっている唯一の品目ではない。マスコミの報道によると、2月初めから、この地域では社会的に必要な食品が値上がっている。原因は、中国からの輸入制限である。そのため、副首相、極東連邦管区大統領全権代表ユ−リ・トル−トネフは、連邦独占禁止庁に18品目の地域価格を調査するよう指示した。月末、価格は安定し始めた。またミロチネンコ氏によると、同庁は、市場間関係者により違反が発覚した場合に限り、介入もあると強調。目下、極東も、ロシア全体でも、ニンニクに関して、違法行為は確認されていない。以前「ヴェドモスチ」紙は、「ロシア農業銀行」部門別鑑定センタ−専門家の意見では、店は中国品を購入したがらないので、ロシアではニンニク不足のおそれがある。こに対し、農業省次官マクシム・ウヴァイドフは、そうにはならず、何故なら国内生産で、輸入品不足を補えるからだ。コロナウィルス流行の中、連邦独占禁止庁は、例えば、マスクなど、医療品の価格高騰や需要増を指摘している。同庁は、その価格凍結を検討したが、これは結局、決定されなかった。

−25日（火）「ロシア・ル−ブル、米制裁に持ち堪える」（「見解」紙、オリガ・サモファロワ）2月、投資家がドルに走ったが、ロシア通貨は、1ドル64ル−ブル付近と、力を見せた。ル−ブルは、対ドルで安くならない新興国の数少ない通貨の一つである。ロスネフチ社の子会社に対する米制裁も、ロシア通貨には打撃とはならなかった。こうした堅牢性はどこにあるのか？ル−ブルは、相変わらず、1ドル64ル−ブル以下で取引されている。2月、ドルはほぼ毎日高くなっている。月初めからすでに2.5％高くなり、2017年5月以来の最高値となっている。中国の元も、トルコのリラも、南アフリカのランドも、ロシア・ル−ブルほどの安定性はない。コロナウィルスや、通貨政策を緩和することで経済を刺激する中国の試みにより、中国元は1ドル7元まで安くなった。投資家は、中国経済の成長率が急減することに懸念している。トルコのリラは、コロナウィルスにさほど関係ないが、すでに1ヶ月間、リナ相場は、対ドルで下落し、これはトルコ中央銀行による公定歩合の引き下げが影響している。対ドルで15ランドまで安くなった南アフリカの通貨安は、金価格の急騰にもかかわらず起きており、これは通常、この通貨を支えている。こうした中、ル−ブルは、安定している。「ル−ブルは、目下、新興国の通貨相場安のトレンドにない。ドルは、64ル−ブル以下であり、最近の最高値以下にある」と「FxPro」社主席アナリスト、アレクサンドル・クプチケヴィッチ。この2週間、ル−ブルを顕著に支えているのは、石油であり、2月初めから反騰している。2月10日からBrent石油契約は、53.1ドルから59.3ドル付近まで回復した。このように石油価格は6ドル、11％以上高くなった。「石油価格が最近のドラマチックの中期的下落のピ−クを通過した後、ロシア通貨はすでに急落する要素はない」と「アルゴ・キャピタル」社ヴィタリ・マンジョス。「ライファイゼンバンク」アナリストによると、国債に対する外国人の顕著の殺到が下落からル−ブルを支えており、これは、最近のロシア中央銀行理事会における公定歩合引き下げの根拠の一つでもある。「投資家は、国家予算の強さによっても、ル−ブルを急いで売ろうとはしない。これは、ロシア国債のデフォルトリスクを一掃し、投資家に市場に懸念材料が出ても、ル−ブル資産への投資で動揺させないものである」とクプチケヴィッチ氏。予算規則の枠内できわめて柔軟な外貨購入も、ある意味で安定要因となっていると、マンジョス氏。それによると、ロシア・ル−ブルは、政府による「スベルバンク」の支配株購入の結果、予算規則の枠内で国内市場における外貨購入規模の縮小により長期的に支えられる。投資家はドルに高い需要がある時、急いでル−ブルを売らないことは、ル−ブルの強さを物語っている。だが他方、これは、ル−ブルを堅牢なものにしているわけではない。「過去をみると、現在のロシア・ル−ブルのようにル−ブルは、長らく困難に陥り、ある時はネガティブな要因を無視するが、その後、完全にあるいは他より大きく下落に移行する」とクプチケヴィッチ氏。その予想によると、当面、世界市場で米通貨に対し、安定した需要が続くと、ル−ブルは、他の通貨に追いつくかもしれない。「証券市場、金、ドルが同時に強くなる状況は、異常である。通常、異なった方向に動くものである」と同氏。これは、何かが下がり始めることを意味する。「コロナウィルスの流行リスクや、世界工業生産の減速リスク、先ず、市場が落ち込むおそれがある。これは、石油とル−ブルを落ち込ませる。こうした中、1ドル70ル−ブルは、上半期、7月までにも、ありうる。年末までい1ドル71ル−ブルまで下がるおそれがある」とクプチケヴィッチ氏。マンジョス氏は、1〜2ヶ月の間に1ドル61〜68ル−ブルの範囲で変化し、その後、ドル高になる可能性がある。まさに今週、ル−ブルは、その弱点をみせ、これは地政学状況と制裁である。「ロスネフチ」社販売子会社に対する米制裁のニュ−スの中、火曜日、ドルは60カペイカ、0.9％高くなった。「今回、パニックはきわめて早く去った。いずれにしても、大きな制裁は、容易にドル相場を70ル−ブル付近まで押し上げることができる。これは、外国資本がロシアからかなり引き上げた場合、起こるだろう」と同専門家。とはいえ、「ITI Capital」社主席投資戦略家イスカンデル・ルツコは、ロシアに対し、新たな制裁がないか、あるいは、世界市場で大きな修正がなければ、年末、1ドル63ル−ブルとみている。

−20日（木）「経済改革と西側の失敗で、ロシアは空前の投資増」（「今日の経済」紙、マクシム・ブウト）2019年、外国からの記録的投資というロシアの成功は、良好な要因が重なったためと、「オトクルイチエ・ブロ−カ」社投資マネージャー、チム−ル・ニグマトウリン。昨年は、制裁導入後の全期間で、ロシアの投資活動で最も成功した年となった。ロシア資産に対する外国人の投資は、49.5％増となったと、会計コンサルティング会社「KPMG」の調査。外国企業による購入規模は、209億ドルまで増えた。国内取引の総額は19％増え、401億ドルとなった。「KPMG」社は、2019年に行われた、あるいは表明された全ての取引を計算した。これには500万ドル以上の取引及び総額は公表されていないが、取引高が1000万ドル以上の取引が含まれている。先ず、外国企業は、ロシアの石油ガス資産に関心があり、これは全取引の34％にあたる。次ぎにイノベーションや技術分野の投資で、ロシア市場の全取引の12％である。「証券市場も含め、ル−ブル資産の需要は昨年、かなり増えた」と同専門家。「KPMG」社に調査では、経済状況の安定の中、ロシア資産への投資は成功すると、かなり確信をもっている。外国企業は、ロシアは制裁にうまく順応し、石油高値への依存の克服に成功したという明らかな兆候をとられており、投資による収益の予想はかなり当たっている。新たな現実に順応するプログラムが動いており、これは予算規則、国民計画であり、国民福祉基金は補充されている（2020年、国民福祉基金の規模はGDPの７％以上となる）。同時に相変わらず、国家債務の水準は低い。2019年初め、「ルスアル」社、「En+」社、「エヴロシブエネルゴ」社の制裁解除も、ロシア資産に対する投資見通しに確信をもたせるものとなった。昨年、液化天然ガス計画に対する投資ブ−ムであった。それ以外の主なドライバ−は、不動産と建設部門であった。2019年、ロシア企業は、新たな購入するより、以前購入した外国資産の売却のほうが多かった。アナリストによっては、国内資産に再投資するため、能力を拡大しようとする国内企業の志向があるとみている。「最近の出来事からすると、地政学的リスクはますます強く、ロシア市場に影響するかもしれない。そのため、予想ではこれは無視できず、ベネズエラにある「ロスネフチ」社子会社をめぐる制裁状況は、急速に変化しうると示すものである。地政学状況を考慮しなければ、ロシア資産に対する外国人の関心は、2020年も増えるだろう。かなりセンセ−ショナルの数値は、計算方式によって、見ることはないだろう。2019年の高いベ−ス効果は、今年は、外国からの投資増加率ではまったく別となるだろう。増加は基本的には無限ではありえないし、おそらくピ−クに近いと理解すべきだ」とチム−ル・ニグマトウリン。

−18日（火）「減速：何がロシア経済の成長を妨げているのか」（中央銀行、第一四半期のGDP成長率2.5％と予想）（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャホフ）中央銀行の予想によると、ロシア経済は第一四半期、比較的高い成長率となるが、その後、減速し、年全体では1.5〜2％になるにすぎない。年初、記録的に低いインフレ率は、加速し始め、４％近くにもなる。ネガティブなものは、リスク要因として中央銀行はすでに見ている中国のコロナウィルスである。ロシア経済は、第一四半期、年換算で2〜2.5％の成長になると、月曜日公表された中央銀行の「通貨融資政策」報告書。GDP動向には内需が寄与し、とりわけ、年換算で家計支出が3〜3.5％増加する。先ず需要は、賃金増加で増えるだろう。国民は国産品、輸入品をより積極的に購入する。中央銀行の予想では、輸入品による需要増は、6〜6.5％になる。しかし、年全体ではさほどバラ色にはならないと、中央銀行。GDP成長率は1.5〜2％になる。ちなみに昨年、GDP成長率は1.3％。2020年、ロシア経済の成長率は国家投資による国民計画の実現効果に完全に依拠していると、「BKSプレミエル」社金融アナリスト、セルゲイ・デイネカ。「1.5〜２％の成長率は、政府が予算引き締め期に貯められた資金をどれほど効率的に運用できるかにかかっている。予算からの公金投入が、経済のリアルセクターでビジネス活動にどれほど影響するか、こうした資金が、消費者需要の将来の回復のベ−スとなるのか、そこにかかっている」とデイネカ氏。ロシア経済の成長は、いくつかの要因で抑制されていると、中央銀行。例えば、労働可能人口の減少である。「国民の年齢構造により、今後数年間、労働可能人口の減少の持続は、年金受給年齢の引き上げの貢献を考慮しても、2020年〜2022年、潜在的経済成長率を抑制する要因のままだろう」と中央銀行。さらに債務負担が増えると、中央銀行はみている。融資は、通貨供給の主なドライバ−だろう。「2020年〜2022年、融資は購買力需要の向上に匹敵し、価格安定のリスクを生まない程度に増加し続けるだろう。経済の債務負担はなだらかに増加し、経済における金融安定にとって、問題とならないレベルで増える」と中央銀行の報告。コロナウィルスの感染規模が不確かなことも、ネガティブ要因となっている。すでに先週、中央銀行は、コロナウィルスの伝播は、ロシアの金融安定にとって、大きなリスクにはならないと、表明していると、中央銀行副総裁クセニヤ・ユダエワ。それによると、ロシア経済に対するこうしたリスクの影響は、中央銀行の政策と予算規則への市場の信頼により、限定的としている。しかし、いずれにしても、中国コロナウィルスの状況は、世界の石油消費量の増加を抑制するだろう。「2020年、コロナウィルス伝播の今後については、石油価格の動向や、世界経済の成長にとって大きな不確実要因である。各専門家は、ロシア経済に対するコロナウィルスの影響を誇張していない。「コロナウィルスの脅威について、感染が長期に続くというシナリオは、ロシア経済に対し、かなりネガティブな影響を及ぼす」とデイネカ氏。中央銀行は2020年の基本シナリオで、Uralsブランド石油の価格予想を1バレル55ドルとしている。しかし、2021年初めまでに石油価格が1バレル50ドルまで下がり、その後、そのレベル付近で推移する。中央銀行の予想は、世界経済成長率が下落し、OPEC＋諸国外で産油がかなり増えることで供給が需要を上回ることを根拠にしている。最終的には価格の問題だが、これは、すぐには上昇しない。1月、年間インフレ率は2.4％まで下落した。インフレ率の下落自体は、予想されたもので、主に昨年引き上げられた付加価値税の影響が終わったせいである。第一四半期、中央銀行の予想では年間インフレ率は、記録的な数値となる。事実上、欧州と同じ２％になる。しかし、年半ば、物価は再び上昇するだろう。2020年、物価は3.5〜4５上昇すると、中央銀行の予想。「物価上昇を抑制する主な要因は、消費者需要の「圧迫」状態の持続と、ル−ブル相場の安定状況である」とデイネカ氏。ちなみに中央銀行は、2015年、インフレ・タ−ゲット政策に移行した。当時、「通貨融資政策の基本方針」では、インフレタ−ゲット値は４％と記載され、それでも、ロシアの物価上昇は、それまで６％以下になったことはなかった。これに続いた石油価格の下落や、ロシア企業・銀行に対する制裁にもかかわらず、中央銀行は、インフレ目標を変えないと決定した。インフレ率の記録値、2.5％は、2017年に達成された。

−14日（金）「実質所得の増加で、貯蓄と支出の目標に変化」（「今日の経済」紙、マクシム・ブウト）貯金のない国民の割合が過去最低となったことは、経済において前向きな動きがいくつかあると示すものだと、プレハ−ノフ記念ロシア経済大学マネ−ジメント論・ビジネステクノロジ−学科主任教授ワレリ・マスレンニコフ。2019年第二四半期、ロシア国民の実質所得の増加は、食品の品質や品揃えをより求めるようになり、買い物客は、価格をさほど気にしなくなったと、スベルバンクの短観「イワノフ消費者指数」に記載されている。デ−タによると、貯金のない国民の割合は、2019年末、過去最低、36％まで減少した。こうした傾向の原因は、2019年下半期、国民の実質所得の増加があげられている。「このデ−タによると、数年間続いた実質所得の減少期は終わっただけでなく、状況の改善傾向が見られ、国民はこれには、すかさず反応している」と同専門家。「経済は厳しい時期を超え、安定している。健全プロセスには、制裁とローバル危機が影響し、そのため、ネガティブな期間が若干、延びた。しかし、今や、これは明らかに過去となった。基本的に健全化には、「グレ−」な金融スキムの阻止が影響した。また闇給料やその他のごまかしから脱却もかなり影響している。国民のかなりの部分、所得が完全に合法化された後、人々は、より確信をもてるようになり、国家予算は追加収入だけでなく、経済をいっそう発展させるリソ−スを得ることができた。そのため、こうした傾向は、ネガティブなトレンドの転換を物語っている」と発言。「スベルバンク」のアナリストは、比較的高額な商品を購入しようとする消費者の意欲が高まっていると指摘。「国民の実質所得の増加により、価格要因の意義が低下し、節約志向が弱まる傾向が出ている（さほど顕著ではないが）」と短観。回答者の83％は、昨年以上に多く買物をしていると発言し、ほぼ半分（47％）は、焼きたてパンを買える店を頻繁に訪れていると発言。各専門家も、比較的高額な商品を買おうとする国民の意欲が増していると指摘し、こうした指数は第四四半期、２％増加した。新年祝日の国民の支出増も、消費者確信の上昇を裏付けるものであり、2020年、新年食事費の支出は、前年比で10％増加した。「ここ数年、ロシア市場における消費者需要は、きわめて安定しているが、多くは借金によるものだ。これは、住宅市場だけでなく、生活用品にも関係している。その結果、消費水準は、高止まりで、現在、再び増加傾向が出ている。他方、国民の借り換え度は、結局、かなり上昇した。しかし、現在、中央銀行の努力により、このネガティブなトレンドも、転換した。実質所得増加の中、融資が必要という考えも出ている。基本的に、多くの国民は借金に対する態度を変えている。一定の債務のある人への融資の禁止で、大きなトラブルを回避できるだろう。そのため、スベルバンクのデ−タは、実態にきわめて近いと見なすことができる」と同専門家。消費者心理の改善について、スベルバンクの専門家は、インフレ減速及びネガティブ・ニュ−スのない中、ル−ブル高、金利下落、所得増加のせいとみている。このアンケ−ト調査は、全国の成人約5千名に対し行われた。大型買物や貯金条件の「悪い評価」の割合は、50％から44.5％、60％から56％まで下落した。また自己の経済状態を“悪い”又は“きわめて悪い”という回答者の割合も30％から25％に減少した。「全ロ世論調査」センタ−の最近のアンケ−ト調査によると、ロシア国民のほとんど（71％）は、現在、節約し、将来のために貯金すべきと考えている。また国民のほぼ半分（48％）は、貯金は銀行ですべきであり、三分の一（32％）は、銀行からお金を下ろすべきと考えている。「国民貯金のほとんどは、銀行債務の返済に使われ、これは、ここ数年に見られる現象である。基本的に銀行は顧客口座のデ−タにもとづき、国内の状況を分析できる。半年以上の預金数が増えると、これは、国民所得が増えている証拠である。短期、例えば1ヶ月の口座残高は、人々が当面の消費以外に現在の借金の返済のため、預金しているものである。しかし、全体の傾向からすると、工業や農業は、生産増をみせている。そのため、おそらく、銀行は国民所得の一定の増加も、以前の借金をより早く清算する志向も認識しているのだろう」とワレリ・マスレンニコフ。

−12日（水）「産業通商省、コロナウィルスのため、中国企業を替える意向」（イズヴェスチヤ紙、「経済」部）ロシア産業通商省次官ヴィクトル・エフトホフは、ロシア軽工業の予備品で、中国のコロナウィルスによる事態を3月初めまでは、どうにかできると、テレビ局「ロシア−24」のインタビューで同次官。それによると、産業通商省は、中国企業を替える意向だが、これは、ロシア側にとって、「かなり異常なことだ」。エフトホフ氏によると、中国は全衣料品の36％、靴の60％以上をロシアに輸出している。「軽工業市場の34％をしめているが、もっと多く獲得できる。他方、全ての製品を輸出することだが、海外進出プログラムを介して現在、積極的におこなっていることだ」と、同次官。以前、本紙の取材時、エフトホフ次官は、ロシアの軽工業メ−カは、中国のコロナウィルスの伝播により、代替パ−トナ−を探し始めたと、発言していた。新型ウイルスによる肺炎の発生は、2019年12月末、中国の武漢市で起きた。WHOは、この感染症を国際規模の非常事態を認めた。2月11日時点、全世界における感染者は4万2千人以上、支社1019名。現在中国では、4500万人が隔離状態にある。

−10日（月）「養育費のほかに、離婚時の費用も追加」（ロシアでは、両親は離婚すると、住居を子供に提供する義務がある）（GAZETA.RU紙、「ビジネス」部）ロシアでは、家族法改正法が発効する。これは、離婚の際、両親は子供に対し、経済的に保障する範囲を拡大するものである。第86条は、裁判によって、両親にたいし、未成年者の場合、住居費用を要求できる。改正法では、裁判によって、親は子供に住居を提供する。この場合、追加費用は、扶養費とは関係ない。家族法第86条「子供に対する追加費用の両親の分担」が改正された。「追加費用の両親の分担規定、この費用の割合は、両親･子供の経済的、家族状態及び、毎月支払うべき金銭のその他考慮すべきその双方の利害にもとづき、決定される」と、改正法。以前では、子供の医療あるいは、未成年者のリハビリの追加費用のみを両親に求めることができた。現在、法律に新たな条件が加わり、「常時生活できる住居のないこと」が入った。改正法が下院で支持され、上院で承認された。上院憲法・国家建設委員会副委員長エレナ・ミズリナは、この法律についてコメントし、子供と住んでいない親から経済支援金を徴収できると指摘。「この法律はきわめて必要なものであり、これははっきりと、両親が離婚し、あるいは、両親は事実上、婚姻関係にあり、子供と一緒にいる親に住居がない場合、子供に住居を提供する問題の待望の解決となる。こうした親と子供が一緒に住めるか、どのような運命となるのか、実際、懸念はある」と保守的家族政策で知られているミズリナ氏。同上院議員によると、先ず家族法第86条の範囲は、一面的解釈となっている。このことにより、裁判ではこの条項は、もっぱら子供の治療、健康回復、リハビリのみに関する費用として解釈されてきた。マトヴィエンコ上院議長も、この法律の重要性を指摘。「これは、子供の保護を強化し、家族の絆と、子供の運命に対する責任の強化に貢献する措置である」と同氏。離婚する際、子供を追い出すケ−スも珍しくはない。例えば、2020年初め、元サッカ−選手夫妻アンドレイ・アルシャヴィンとアリサ・カジミナの争い事があった。この女性は、ロシアチ−ムの元キャプテンから二人の子供と一緒に追い出されたと非難した。立ち退き要求の文書について、この女性は自身のネットで公表した。「娘の誕生日にパパと祖母からのプレゼント」と書かれている。特にこの文書には、未成年の娘エセニヤの姓や、前回結婚時の息子の姓が載っている。この文書は、サッカ−選手の母タチヤナ・アリシャヴィナの名で書かれ、住居はこの人の所有となっている。そこで、元姑は元妻に子供と一緒に2020年3月1日までに立ち退くよう要求している。2020年1月29日の掲載後、数時間して、カジミナ氏は、この文書を除去した。だがマスコミは再度掲載した。その後、タチヤナ・アリシャヴィナは、元嫁に対する要求について、曖昧なコメントをした。「これは皆さんのことではない。我々家族の問題だ。皆さんに判断する権利はない。私は彼女がしたように行動する。これは、適切な行為だ」と発言。アルシャヴィンとカジミナは2016年に結婚し、離婚は2019年に判明した。

−6日（木）「キャビアとウオッカ：さらに何によってロシアは驚嘆させることができるか」（何故にロシアは、新たな食品ブランドを創れないのか）（GAZETA.RU紙、ルステム・ファリャホフ）キャビアとウオッカ。国際市場でこの二つの品目だけがロシアを連想させる。これにさらに何を加えることができるだろうか？マトリョーシカやカラシニコフ小銃のように全世界で知られるロシア食品ブランドのことだ。このテ−マについて、商工会議所で国内メ−カと、マ−ケット専門家が議論した。議論の結果は、悲観的なものだ。世界に提案できるものはないということだ。「食品ブランド。何によってロシアは世界を驚嘆させることができるか？」このテ−マについて、2月5日、食品メ−カ、マ−ケット専門家、ブランド専門家は議論した。このフォ−ラムの主催者は、ロシア商工会議所だが、このイベントについて、かなり楽観的である。「クレ−プ、キャビア、ウオッカなど、世界でロシアを連想させる食品シンボルであり、きわめて少ない。本当にそうだろうか」実際、そうではない。キャビアやウオッカはロシアを連想させるが、クレ−プはそうではない。主催者は、この問題を注目させようとしている。実際、ロシアはさらに一つの食品シンボルや、国外でロシアのシンボルとなりうるブランドを生み出すことができるか？このテ−マについて議論を始めて1時間半で明らかになった。「ロシアは広大な国であり、そこでは注目に値する食品は多く生産されている。しかし、これはうまく提供し、売リ込む能力がない。これは、連邦特許庁長官グリゴリ・イヴリエフも認めている。ロシア特許庁は、無償でブランド作りについて食品メ−カを研修する意向があると、参加者を喜ばせた。「あらゆる町に行き、研修を行い、内外の専門家を連れて行く。肝心なことは、希望者20名以上を集めることだ」とイヴリエフ長官。国際連合食糧農業機関専門家ドミトリ・ズブヤギンツエフは、研修を先延ばしせず、ブダペストからスカイプで海外へ自社製品を恥をかかないで進出させるために、どうしたよいか、講義した。実際、国際連合食糧農業機関は、飢餓対策を専門としており、いかに専門的な助言が海外で好まれ評価される国産ブランド創り役立つか、さほど分かっていない。この問いに対する回答は、会議ホ−ルではなく、商工会議所のロビーで探すことになった。ここには出展者がいる。その一つに「シュタイヤーマルク・カボチャ」生産者がいる。すでにロシアの大手ス−パに納入している。基本的は、欧州市場を制覇するつもりである。例えば、オ−ストリアや、アラブ首長国連邦である。しかし、カボチャやその種子はロシアの食品ブランドになるだろうか？おそらくならないだろう。あるいは、「Feel Right」ブランドのオイルメ−カがある。これは、我々のテ−マにはならない。会社代表エレナ・ワシリエワによると、国民経済達成博覧会場にあるソ連時代の有名な噴水「民族の友情」は、小麦やヒマワリ種子だけでなく、麻束によって飾られている。おそらく、これは、ポストソヴィエト地域において、製品進出にとって、悪くない案であるが、グロ−バル市場にとって、ソヴィエトシンボルは、おそらくマイナスだろう。隣のブ−スは、「クルミコ−ヒ」の生産者である。オリジナルのやり方である。しかし、「Sibereco」社によると、「せめてモスクワ市場を制覇したい」と、こうしたことは、トムスク州の蜂蜜ム−ス・メ−カ「ヂコフク−スノ」も夢見ている。商工会議所のフォ−ラムには、ウラジ−ミル州キルジャチ市のメレメニ・メ−カなども出展している。しかし、クリミアのワインメ−カは、欧州市場の獲得を夢見ることはできない。制裁に反しても、それでもうまくいかないだろう。中国市場は、大変苦労して獲得していると、ブランド・マネージャー、エレナ・ミロシニク。ワイン約10万本が昨年、中国とタイに輸出された。これは、中国にとっても、年間2千万本を生産している「マッサンドラ」にとっても、大海の一滴にすぎない。「Getbrand」社クリエイティブ部長アレナ・フィリナも似たような見解である。「ユニ−クな製品、正確にはユニ−クな商品やブランドは現在ない。海外市場の消費者を驚かすものは、正直いって、何もない」とフィリナ氏。かつて、中国市場にロシアのアイスクリームを売り込んだプ−チン大統領だけが喜んでいる。習近平氏は、ロシアのアイスクリームを気に入った。商品が分かりやすい：ロシア、シベリア、雪、アイスクリームとなる。各専門家によると、アイスクリームは例外かもしれないが、きちんとしたブランドがないことで、政府は一働きしないといけない。2018年3月1日付け大統領教書で、大統領は、6年以内に非資源輸出の規模を倍増し、2500億ドルにする必要があると指摘。この規模から、世界の様々な国の消費者に共感を生むような一つ二つの製品が誕生する期待はある。しかし、現在、質の高い製品を生産することを学んだ企業は、やっとのことで海外に進出している。この進出では国の支援はわずかである。ロシア輸出センタ−を中心として援助については、地域のメ−カも、ほとんど聞いたこともない。5年間に商品を海外に進出させるという「ロ−ドマップ」は結局、実現しなかった。このプログラムは2012年に始まり、111の措置があった。その結果、80％は遂行された。ロシア輸出センタ−によると、海外に進出したいとする国内メ−カの支援は、かなりの努力が要り、もちろん、お金もかかる。ロシア輸出センタ−長マクシム・フィルモノフによると、昨年、センタ−は、1万社以上を支援した。しかし、現行法は、個々のブランドではなく、商品グル−プを輸出するためのものである。ロシア輸出センタ−は、いくつかの分野を同時にあつかっている。優遇融資もあるし、リスクも回避される。展示会は、上海やEUで催される。しかし、こうした支援は、鶏肉、ソバ、植物油、蜂蜜、御菓子、マカロニなどの食品メ−カである。しかし、これでは海外のマ−ケットは驚かない。

−2月4日（火）「ウイルス攻撃：OPEC、急激な減産の可能性」（サウジアラビアは、OPECに急激な減産を求める）（GAZETA.RU紙、ラファエリ・ファフルトジノフ）コロナウィルスの感染で、石油需要は減少し、そのため、市場の損失と落ち込みを避けるため、短期間には大幅な減産が必要と、サウジアラビア政府は主張している。サウジアラビアは、危機が続く間、1日当たり50万バレル、減産するよう提案する意向と、「The Wall Street Journal」誌。他のプランは、「石油市場を刺激する」ため、1日当たり100万バレルの減産である。おそらく、この問題は、OPEC加盟国の臨時会議で検討され、これは3月5日から2月の14日か、15日に日程変更される。OPEC加盟国と、OPEC＋といわれる準加盟国は、世界最大の石油消費国である中国の需要減にいかに対応するか、その問題について協議するため、2月4日か、5日に会合をもつだろう。「石油価格はおそらく、中国が以前の石油消費量に戻る兆候が見えないかぎり、1バレル50ドル付近となるだろう」とアナリスト、エドワード・モイヤ。中国の証券市場は、取引開始後、暴落したと、「Bloomberg」紙は伝え、「未曾有の売り」と指摘。10日間、中国と香港の金融市場は、春節により休んでいた。8％以上の主な銘柄の下落は、コロナウィルスの流行のせいである。最も大きく下落したのは、通信、技術、採掘企業の株式である。石油先物は7％、鉄鉱石先物は6.5％、鉄鋼先物は6％の下落。銅、石油、ヤシ油も、中国市場で認められている1日当たりのリミットまで下落した。「市場関係者の多くは、こうした状況に直面したことはなく、命を脅かすと感じる時は、お金が必要であるということに非難してはいけない」と、「Shanghai WuSheng Investment Management Partnership」社役員。「CSI 300 Index」（上海証券取引所と深セン証券取引所で取引されている上位300銘柄）は、9.1％下落した。２８００社以上の株価は、10％以上、下落した。「Financial Times」紙によると、月曜日、株価の下落は、2007年以来の記録的であった。中国10年物国債の収益は、2014年以来、最低まで下落した。元は、対ドルで1％以上安くなった。中国経済に対するコロナウィルスのネガティブな影響について、中国発展・改革委員会副委員長は認めた。とはいえ、ロイタ−通信のインタビューでは、中国は経済への影響を最低限にできると発言。それによると、国はコロナウィルスの発生源である湖北省に必需品を供給する措置を強める。全体として、中国の金融当局は、中国経済に対するネガティブな影響は短期的なものとみている。一方、感染症の犠牲者数は増え続けている。国際格付け会社「Moody's」によると、コロナウィルスは、世界経済に2008年〜2009年の金融危機以上の損害を与える可能性がある。ちなみにロシア通貨はコロナウィルスのパニックの中、すでに1月27日から安くなり始めた。先週、ロシア通貨は対ドルで2ル−ブル安くなった。月曜日、取引ではネガティブの動向が強まった。取引ではロシア通貨は、昨年12月以来、初めて心理的大台、1ドル64ル−ブルを突破した。その結果、中央銀行は、ドル相場を80カペイカ引き上げ、63.9ル−ブルとした。ユ−ロも1.1ル−ブル上がり、70.7ル−ブルになった。そのほか、コロナウィルスにより旅行関係のロシア企業は2020年第一四半期、1億ドル近く損失を出すかもしれないと、旅行業者協会専務理事マイヤ・ロミゼ。これは、3月までに状況が改善されない場合のおおよその収益減少額である。

2020年1月

−31日（金）「国境閉鎖：ロシア、1億ドル失う」（コロナウィルスでロシアの旅行業者は1億ドルの損失）（GAZETA.RU紙、オリガ・シェルンコワ）ロシア企業は、コロナウィルスで1億ドル以上、損失するかもしれない。これは、2020年の最初の三ヶ月間だけの損失である。中国の新型ウイルスの状況が安定化しないと、ロシアは約100万人の観光客が減少するおそれがある。極東の国境はすでに閉鎖され、空路も同様な措置の問題が出ている。これは、ロシア旅行業者協会専務理事マイヤ・ロミゼの発言。これは、3月までに状況が改善されな場合のおおよその損失である。まさにこの早春の月に夏旅行の受付が積極的に行われている。「3月までに状況が安定しないと、約1億ドルの損失になるとみている」とロミゼ氏。海外旅行ビジネスは、1千万ドルから1千1百万ドルの損失となる。ロシア旅行業者協会の分析では、最終的には売られることのないパッケ−ジ旅行の費用も含まれている。ロミゼ氏によると、昨年、ロシアと中国の旅行は20％増加した。旅行者のほとんどは、今日、海南島にいる。最新デ−タによると、そこに1100人が滞在している。中国全体ではロシア人は5600人が滞在している。これは2月4日までに国に帰ることにしている。ロシア人が3月、4月に予定していた中国旅行を中止し始めた。ロシア旅行業者協会によると、旅行者は賠償を求めることができる。旅行日程より早く中国から帰国したロシア人も、一部賠償を期待できる。これは「ロシア旅行活動の基本」法14条で保証されている。だが補償には裁判所の決定が必要となる。旅行者が期待しているようにすぐには返金されない。返金には少なくとも2週間かかるとロミゼ氏。それによると、返金はさほど簡単の方法ではない。第二のやり方がある。お金を失わないために、旅行者は他の方面の旅行を予約する。例えば、中国旅行はアラブ首長国連邦や、タイ、キュ−バ、ドミニカ、メキシコ、モルディブなどに変更する。ケ−スによって、追加料金が必要となる。先ず、海外旅行ビジネスの売上減は、外食産業、土産店、ラグジュアリー市場とホテルの収入減も含まれると、ロシア国民経済国務大学教授ガリナ・デフタヤリ。「当然、損失はかなり大きなものとなる」と同専門家。2019年初め、中国旅行者は、全外国人の中で、ロシアで最も支出するようになった。中央銀行の試算によると、2019年第一四半期、中国はロシアに2億6400万ドルを落とした。ロシアには1年間に中国人が百万人以上、やってくる。中国人は、レ−ニン像を見るためモスクワにやってきたり、サンクトペテルブルク市や、アム−ル州など中国に近い地域にやってきたりすると、デフタヤリ氏。共産党史にある記念場所にそって旅行する、いわゆる「赤いル−ト」が中国人には人気がある。全世界で、中国人旅行者は、2019年、1275億ドルを使ったと、「Trip.com Group и UnionPay International」社の計算。中国人がショッピングにあまりお金を使わなくなったが、旅行に選ぶ国の数は、増えている。例えば、昨年、その数は158カ国で、前年より17％増加した。2018年、中国人の旅行支出は1300億ドル。支出規模は明らかに減少している。2015年、気前の良い中国人旅行者は海外で2150億ドルを使った。コロナウィルスが中国で初めて検出されたと、2019年12月31日に報じられた。ウイルスは、「2019-nCoV」の名で知られている。最新のデ−タによると、感染による死亡者数は、170人になった。感染者は世界全体で7711人である。この病気が確認された国の数は増えている。これは、タイ、オーストラリア、シンガポール、日本、米国、マレ−シア、ドイツ、フランス、インド、フィリピン、フィンランドである。現時点でロシアでは、この発症例は一つもない。以前、ロシア政府は、1月31日から鉄道を一時ストップすると伝えた。この制限は、少なくとも2月7日まで続く。中国へはモスクワからの列車のみが行く。5つの地域で徒歩及び自動車国境も閉鎖されている。これは、ハバロフスク地方、プルモ−ルスキ−地方、ザバイカル地方、ユダ自治州、アム−ル州である。近々、極東の中国国境も完全に閉鎖されることになる。この政令には、ロシア首相ミハイル・ミシュスチンが署名した。ロ中国境の長さは、4300km。ロシアは、中国の航空便の制限も考えていると、副首相タチヤナ・ゴリコワ。だが正式な中止までに航空会社自身が、スケジュールを変更し始めた。とりわけ、ウラジオストックからの中国便は中止となった。「9Air」社、「アヴロ−ラ」社、「Pegas Fly」社である。それ以前に「NordStar」社は、ウラジオストックから海南島への飛行便も中止した。だがロシアの大手航空会社は相変わらず、中国へ飛行機を飛ばしている。ウイルス感染源の高い拡大リスクにより、他の国も制限措置をとっている。例えば、香港とマレーシアは、中国人の入国を禁止した。モンゴルと北朝鮮は、中国との国境を一時閉鎖すると決めた。ジョージアも、中国との空路を閉鎖し、2月3日以降、カザフスタンも閉鎖する。交通路の制限は、ウイルス拡大を抑制する理にかなった方法である。ロシアも、「SARS」の時に同じようなことをした。2003年、極東の三地域にある中国国境を閉鎖した。ロシア旅行者には、旅行先を中国に選ばないように勧告されている。ロシア外務省は、特別な必要性がなければ、中国へ入国しないように勧告している。

−28日（火）「外国人所得税、30％から13％に引き下げ」（ノ−ヴィエ・イズヴェスチヤ紙、「経済」部）財務省は外国人の所得税を30％から13％に引き下げる法案を準備し、合意のため、各省庁に送付。これは、ロシア税法224条を改正するもの。専門家は、外国人の違法労働を闇から出すための環境作りが必要とみている。これは、当時の首相ドミトリ・メドベージェフが指示したものである。事実上、外国人の個人所得税は、ロシア国民の個人所得税13％に等しくなる。改正案では、外国人所得という項目も削除される。例えば、営業許可証による雇用労働による所得、高技能専門家の所得、外国からのロシア国民の移転国家プログラムの参加者、ロシア船籍の船員、難民の所得という表現は、「労働活動による」所得に替えられ、税率は13％となる。つまり、外国人の労働所得に関する税率は、納税者のカテゴリーに関係なく、13％となる。財務省によると、この改正による国の収入減は、約38億ル−ブル。説明によると、この法案が承認されると、公表された後、1ヶ月後に発行するが、1年間という個人所得税の納税期開始以降となる。このように、新税率は、2021年以降となる。経済大学税管理・不動産経済研究所長ワジム・ザシコによると、法律によって、違法外国人労働者を闇から表に出す必要があり、これは国家予算にとって、長期的にはメリットがある。「ここにはきわめて単純な目標がみられる。行政管理を簡素化し、脱税する外国人を減らすことである。全て13％である。そのため、現在国内にいる多数の違法外国人労働者が構想では闇から表に出ることになる。ロシアには登記されている外国人約1600万人、登記されていないが、働いている違法外国人約300万人がいる。課題は、この300万人が合法化され、闇から出すことである。試算では、当初の税収減は38億ル−ブルで、将来、この措置が成功するならば、約220億ル−ブルのプラスになる」と指摘。

−24日（金）「銀行金利、過去最低」（独立新聞経済部次長アナスタシア・バシカトワ）預金金利は過去最低となり、専門家の分析ではさらに下がり、ル−ブル預金では平均年利5％まで下がる。インフレを加味した実質収益は、さらに少なくなる。例えば、30万ル−ブルの預金の場合、昨年では約1万2千ル−ブルを稼ぐことができたと、国際会計コンサルティング会社「FinExpertiza」。資金を増やしたり、維持したりすることさえ、ますます難しくなっている。1月中旬、個人預金が最も多い銀行10行のル−ブル預金では、最高金利は平均で年5.9％弱。これは、中央銀行のデ−タ。「ロコ・インベスト」社分析部長キリル・トレマソフによると「これは、過去最低の金利だ」。「年初から金利はすでに12ベイシック・ポイント下落している（1ベ−シック・ポイントは、１％の百分の一）」とトレマソフ氏。「預金金利はさらに下がるとみており、おそらく年内に5〜5.5％になる」と指摘。「銀行預金は収益の点からするとかなり魅力を失っており、人々は、少なくともインフレ以上収益となる新たな手段を探そうと証券市場に殺到している」と「アリパリ」社主席アナリスト、アンナ・ボドロワ。同氏によると、「現在、最も収益の多いル−ブル預金は、半年間預金で、それ以外は金利4.5％以下である」と指摘。そのため「人々は個人投資手段、外貨、不動産に殺到している」とボドロワ氏。同氏によると、「ロシア市場はきわめて若く、安定性はなく、これもその魅力に影響している」と説明。「おそらく2020年、世界市場の経済状況は2019年より良いだろう。したがって、預金割合を減らして、投資家は比較的高収益ファンドや、株式、国債への投資を増やすだろう」と「フリ−ダム・ファイナンス」社アナリスト、アレクサンドル・オシン。それによると、これはきわめて正常で理にかなっている。「金利下落の中、預金市場の拡大はすでに減速している」と「BKSプレミエル」社投資戦略家アレクサンドル・バフチン。「以前であれば、努力もせずに、預金により消極的な投資家が自己資金を保存し、増やすこともできた。金利が下がると、投資で収益を得ようとする人々は、問題について若干研究したり、投資コンサルタントの助言を受けたり、代替手段に投資したりしている」と指摘。同時に「SDM−バンク」局長エレナ・ヴォルコエドワによると、「現在、預金は、資金保存として、最も手頃で最も普及している方法であり、収益の低下は、預金者に一定の不満を抱かせるが、けして替えることはない」と説明。国際会計コンサルティング会社「FinExpertiza」の専門家は、昨年、どのような投資が個人にとって最も利益があり、どのようなものが失敗だったか、分析した。調査では、実質収益が分析された（名目収益−インフレ）。基準として、2019年初め、昨年末に収益が固定されたもの30万ル−ブルの投資が用いられた。収益トップハビットコインで、約80％の利益。「年初、ビットコインに30万ル−ブルを投資した投資家は、23万7千ル−ブルを稼ぐことができる」とアナリスト。しかし、この手段は大きな変動があると、「FinExpertiza」社代表エレナ・トルブニコワ。一昨年、ビットコインの価格は逆に約半減した。昨年、貯金で最悪なパタ−ンは、現金ユ−ロである。2019年の初めめと末ではル−ブルとユ−ロの両替相場の差は、インフレ率を入れると、ユ−ロの価値を下げ、30万ル−ブルの約19％、つまり5万7千ル−ブルが損したことになる。貯金の他のパタ−ンでは、30万ル−ブルの箪笥預金で、インフレにより9千ル−ブルの損となった。つまり、約3％の損である。ドル現金貯金は、相場差により価値が下がり、インフレを入れると17％の損であり、5万2千ル−ブルの損である。現金外貨貯金の場合、ル−ブル高の傾向は通常、ロシアでは長続きしないと、認識する必要がある。より長期では、ル−ブルは対ドルでも、対ユ−ロでも、価値が下がっている。例えば、2008年初め、ロシアではドルは約24ル−ブルで、2014年初めでは約33ル−ブル、現在では約62ル−ブルである。ユ−ロはこの間、36ル−ブル、45ル−ブル、現在は68〜69ル−ブルである。こうした中、外貨は多くの個人にとって、自己資金を投資する最も都合が良く信頼できる手段である。さらにドル建て銀行預金の実質収益は、総額30万ル−ブルの場合、昨年では930ル−ブル（0.31％）。ユ−ロ預金は2.3％損し、約7千ル−ブルの損である。そのかわり、ル−ブル預金者は約1万2千ル−ブルの利益があり、インフレをいれると約４％の利益である。プラチナ、金、銀の投資利益は2019年、マイナスで、−5.5％、−8.2％、−10.4％であった。損は1万6500ル−ブル、2万5000ル−ブル、3万1000ル−ブルである。しかし、パラジウムの場合、実質ル−ブル利益は約22％で、約6万6千ル−ブルである。「だが貴金属は、これは長期投資手段である。所有者が“貴金属貯金”を3年以前に売る場合、所得税１３％を支払うことになる」と警告。2019年、株式ファンドは、投資家に20％の実質利益をもたらし、約6万ル−ブルである。国債ファンドは利益6.6％、約2万ル−ブルをもたらした。住宅一次市場に対する実質投資利益は約３％、つまり約9千ル−ブルである。不動産二次市場では利益は0.4％、「1200ル−ブルの利益」である。

−22日（水）「戦争前夜の臭い：何故にロシアはこれほど金を貯めているのか」（ロシアは2018年、金159トンを購入）（GAZETA.RU紙、ナタリヤ・エレミナ）ロシアは昨年、積極的に金を購入した。その結果、金保有量は2270トンで、世界5位。このようにロシアは、制裁から自国を保護するだけでなく、稼いでいる。金価格は今後も上昇すると、専門家の予想。昨年、外貨準備高における金の割合は18.5％から19.9％に増えた。このようにロシアは、世界ランキングでは第五位を維持できた。ロシアはこの位置には2018年になり、上位五カ国から中国を締め出した。公式デ−タによると、昨年12月末、中国の金保有量は1948トン。とはいえ、ロシアはトップからはかなり離れており、米国の金備蓄量は8133.5トンである。ドイツは3370トンを保有している。イタリアは2452トン保有し、フランスは2436トン、保有している。英国のアナリストは、ロシアによる金の積極的購入に懸念している。ロシアは、金保有量では世界の上位に食い込んでいるが、間もなくとイタリアとフランスを追い抜くだろう。外貨準備高を補充するため、ロシアによる金の積極的購入は、世界にとって「悪い兆候である」と英国の「Daily Express」紙。「金は誰が保有しているか、政府が保有してる」と報じている。専門家によると、金は伝統的に防衛資産であり、世界市場が不安定な時期、全ての投資家はそこに逃げ込む。ロシアは、2014年のクリミア併合後、金の購入を積極にすすめている。中央銀行副総裁ドミトリ・トウリンによると、金は権利や政治的リスクから完全に保護できるものである。それによると、外国銀行の預金が押収されたり、凍結されたりするおそれがあり、紙幣はインフレで目減りするおそれがあるが、金にはこうした問題はない。これは他国の例からも明らかである。イランに対し、厳しい制裁が科された時、イランは石油取引を続け、一部の取引は金で行った。「ロシアにおける金の保有量は現在、第一次世界大戦前のロシア帝国の保有量とほぼ同じである。この数年間、ロシアは金保有量の増加テンポではトップである。金は、ロシア国内にあり、「反危機クッション」であり、常に通貨の価値がなくなる政治的不安定の時期、資金保存の最も安定した手段と考えられている」と「ユニバ−・キャピタル」社主席戦略家ドミトリ・アレクサンドロフ。とはいえ、ロシアは米債券の購入は止めておらず、逆に再び増やしている。米財務省のデ−タによると、2019年11月、ロシアは米国債に7億9400万ドルを投資した。こうして、その総額は114億9100万ドルとなった。最近の数値からすると、これはさほど大きな金額ではない。例えば、2013年2月、ロシアは米国債1643億ドルを保有していた。「現在、ロシアにとって、米国債で儲けるチャンスはある。どうしてそれをしないのか？まして、この10年間、ロシアは米国債の割合を最低限にしたからなおさらだ」と「AMarkets」社分析部長アルテム・デ−エフ。ロシアは金への投資を今後も増やすだろうと、専門家。「金への関心は来年も続くだろう。選挙のある年、米国ではきわめて緊張したものとなり、金融市場に悪影響し、グロ−バルな危機リスクは、増大し、各中央銀行は低金利で経済を刺激するだろう。金価格は8年前の価格1700ドルに戻る可能性がある」と金融・投資管理アカデミー専門家ゲンナジ・ニコラエフ。さらにロシアは国内メ−カから多量の金を購入しており、これは経済支援措置の一つとみることができる。「金価格の動向は、投資家やファンドの需要を左右するだろう。現在、リスクがあっても、金価格は1オンス1550ドル付近のままである。だが金価格は第二四半期から景況が改善する中、下落に転ずるだろう。我々の分析では、金1オンスの年平均価格は約1492ドルで、とはいえ、地政学的状況により金価格の激しい変動や上昇も否定できない」と「プロムスビャジバンク」ロマン・アントノフ。

−17日（金）「政府、孤立に備え、貯金」（ロシアの外貨準備高はこの10年間で最大）（独立新聞経済部次長アナスタシア・バシカトワ）1月上旬、外貨準備高は5575億ドルとなった。2019年12月、外貨準備高は5540億ドルと、中央銀行のデ−タ。これはこの11年間で最大の金額である。専門家の説の一つは、新たな対外危機に備えてる。ただし、孤立した場合、この貯金で2〜3年間はもつと、専門家。この額は、2008年以来、最大となる。2019年12月、外貨準備高は約5540億ドルで、1年前より約18％多い。貯めた金の価格は、昨年27％増えた。外貨準備高における金の割合は、18.5％から19.9％に増えた。外貨準備高は1年間で約16％増えた。この増加は主に予算規則の枠内で財務省による外貨購入によるものと、「ロコ・インベスト」社分析部長キリル・トレマソフ。またそれ以外の外貨準備高補充源は、国内市場での金の購入。「これは、純粋に発行行為であり、中央銀行はル−ブルを刷るだけである」とトレマソフ氏。その予想では、2020年、ロシアは、外貨準備高が5966億ドルであった2008年7月の記録を打ち破るかもしれない。「これほどの外貨準備高により、国は地政学的脅威、中でも制裁リスクからの保護レベルを上げることができる。またこれは、外国人購入者にとって、ロシア資産の魅力要因でもある」と「BKSプレミエル」社主席アナリスト、アントン・ポカトヴィッチ。さらにこうした貯金は、経済成長促進政策への移行で、行動の場を生み出している。「ロシアは“万一に備え”外貨準備高を貯めている。この“万一”とは、新たな世界金融危機から制裁激化、局地的政治不安定からグロ−バルの激震まで、都合良く解釈できる」と「アルパリ」社上級アナリスト、アンナ・ボドロワ。「政府にとって、外貨準備高は、経済における不測の事態に対し、使える資金である。さらに外貨準備高は、政治的安定性を実感させる」と「アロル・ブロ−カ」社アナリスト、アレクセイ・アントノフ。「定期的に発生する世界金融危機や新制裁のおそれの中、安全クッションを作る必要がある。外貨準備高が最低であった時、どうなるか、ロシア国民は1998年8月に見ている」と「フィナム」社アナリスト、セルゲイ・ドロズドフ。「外貨準備高の存在で、“時間をかせぐ”ことができる。悲惨な結末とならないように困難な時期が過ぎるのを待つことができる。貯えの目的は、国の輸出収入の大きな、一時的減少に備えることである」とロシア国民経済・国務大学准教授セルゲイ・ヘスタノフ。実際、ロシアの対外孤立のシナリオを前提とすると、専門家の分析から判断すると、それでも貯蓄された記録的な外貨準備高の規模では、国は長くはもたない。「2〜３年である」とポカトヴィッチ氏。「きわめて節約モ−ドで、多額の費用を使う国家計画や、経済を国が刺激するための巨大建設などなしでも、この規模の資金では2〜2.5年である」とアントノフ氏。「中国とも、CIS諸国とも貿易をしており、EUの主要国は貿易拡大を期待し、ロシアの顔色をうかがっている」とボドロワ氏。「そのため、孤立はないだろう。しかし、最もネガティブなシナリオを前提にすると、専門家の分析では、輸入なしに2〜3年はもつ」と同氏。比較してみる。現在、外貨準備高の規模は、2020年の予想ではロシアGDPの約三分の一（ドル建て）である。そのため、「フリ−ダム・ファイナンス」社アナリスト、アレクサンドル・オシンによると、実際、ロシアには比較すると、中程度の外貨準備高がある。GDP比で最も多くの外貨準備高があるのはスイス、台湾、香港、南アフリカ、サウジアラビアである」と同氏。外貨準備高の運用は、中央銀行がやっている。財務省は国民福祉基金の資金を管理している。この基金は「国の戦略的予備金であり、石油ガス収入の急減や予想外の減少から予算を守るためのものである」と、財務省広報。国民福祉基金の主な部分は、中央銀行の外貨口座にあり、米国及び欧州主要国の最も信頼できる流動国債に投資されていると、同省。