和/英 A4変形 200P
江戸末期、シーボルトは植物学研究のため、日本の絵師たちに植物画を描かせました。彼の著書『日本植物誌(フローラ・ヤポニカ)』の植物図のもとになったそれらの図譜は、現在でも専門家たちの研究対象であるとともに、元祖ボタニカル・アートともいうべき芸術作品として多くの美術ファンを魅了しています。
本展では、近年になってようやくその存在が広く知られるようになったロシア科学アカデミー・コマロフ植物研究所所蔵の植物図譜を紹介いたします。伝統的な手法による桂川甫賢、「拓本」技法を生かした水谷助六、シーボルト初来日の折、彼のために様々な絵を描いた川原慶賀、また再来日時に雇われた狩野派の清水東谷らの作品を中心に日本の植物図譜の歴史を辿ります。
主な内容 ・ シーボルトコレクション、『日本植物図譜』とリンネ時代の植物画 ・ 植物画制作の若干の特徴 ・ 桂川甫賢、伝統的スタイルの植物画 ・ 水谷助六、拓本技法を用いた植物画 ・ 川原慶賀、世界的レベルの植物画芸術 ・ 清水東谷、科学性と芸術性の美しい融合 ・ シーボルトの生涯と日本植物学の揺籃期 ・ 出品リスト
監修:タマラ・チェルナーヤ/ロシア科学アカデミー、コマロフ植物学研究所図書館司書長 編集協力:高橋輝和/
岡山大学教授 露文和訳:飯塚俊明 |