書き下ろし「ラーメン食いたい透明人間」が素晴らしい。大河がいなくなったあとの、グループの中心から外れていた能登と木原の二人の想いにフォーカスした内容なのだけど、冬の冷たく澄んだ空気感の中で綴られる二人の想いが しんみりと描かれていて、ほんと素晴らしい素晴らしい。
DVDの特典等の短編を集めて一冊にした『とらドラ!』最後の短編集。まあ、一本一本は尺が短く、ネタ優先のいかにもオマケといった内容。正直、面白いかと問われれば、かなり微妙な作品が多いのだけど、その中で「ラーメン食いたい透明人間」が非常に素晴らしかったです。あと、その他に印象的だったのは「ドラゴン泰子」。もともとDVD最終巻に収録されてたのか。うわぁ、凄い話書くなぁ。
[ とらドラ! ]
文学少女シリーズの番外編の三冊目。今回は後日談、というか今までの脇役のフォローの意味合いが多い内容。まさか、夕歌&鞠谷にフォローが入るとは思わなかったよ。……しかし、ななせの出番が少ないと、あまり心に来るものがないな。<をい。まあ、その中で印象的な話は、「遠子おばタンの秘密」。223ページのイラストに象徴される凍りつくような一連のシーンが素晴らしすぎるっ!!
[ “文学少女”シリーズ ]
神様アネモイとの出会いと別れを描いた『ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。』の続編が、約二年ぶりに刊行。うひぃ〜〜、日姉妹が愉快すぎる。や、主に、かつみ姉がっ。
一迅社文庫の創刊ラインナップのうちの一冊が、今になって、まさかの続編。日輪は、恋人のいちことともに、小さい頃に離れ離れになった姉妹の住む川毎町へ。というわけで、一癖も二癖もある登場人物たちが愉快な作品だけれども、特に、新キャラのかつみ姉が酷すぎるっ!! あまりにぶっ飛びすぎるっ!! ……いや、なんだかほとんど、かつみ姉に持っていかれた感のある二巻だけど、綺麗で切ないストーリーは健在。や、展開は、わりと無茶苦茶だけどさっ。それにしても、続編含みのラストだけど、続き出るの?(^^;。
[ アネモイ ]
ぐはっ、真昼の策略通りに良い方向に変わりつつある世界。しかし、劇薬のような変化の先には、転落が……。全滅エンドへの序章かぁぁぁぁっっっ!! <をい
賢人会議とシティ・シンガポールの同盟は、無事に、成就できるのか……。という感じで、魔法士の超バトルより、策士の頭脳戦がメインになりつつある最近の展開。すでに、主要キャラはみんなで仲良く世界を救おうというノリの中、うわぁぁ、予定調和ではあるものの、物語全体の、非常に大きな分岐ポイントに見えるラストに、とにかく、続きが読みてぇぇぇっ!! や、刊行ペースが遅いこの作品で、続きはいつだ(^^;。
[ ウィザーズ・ブレイン ]
麻奈実の出番が少なくて、がっくり。そして、前巻登場の瀬菜も瀬菜兄はともかく、本人はすでに空気すぎる〜〜。
そゆわけで今巻は、桐乃帰国のわりに、それぞれのキャラの日常を描いた短編的な内容で、全体に地味目。麻奈実や瀬菜はともかく、黒猫辺りも、もうすこしストーリーを展開させて欲しかったところだなぁ。……それにしても、京介が完全にエロゲ脳になっているのだけど、いつの間に、ここまで汚染されてるんだよ、をい。
[ 俺の妹がこんなに可愛いわけがない ]
「俺が死んだらCドライブに貯めてるエロ画像をこっそり削除してくれ」みたいな顧客の死後にやって欲しい依頼を代行するHCC社。そのHCC社に勤務する荒井香南の今回の仕事は、優れたIT技術者として一部では伝説として語られた野上正三郎の死後処理だった……。
という感じで、伝説のハッカー・野上の一生を、一般的な女性社員である香南視点で振り返るという内容なのだけど、私は、この野上と、そして作者である木本雅彦とも同世代なので、とにかく共感ビシバシ。すげー、懐かしい。めちゃ楽しすぎるっ!! てか、これ、同世代でなく、さらに、IT系の技術を知らない人が呼んで面白いんだろうか(^^;。専門用語も遠慮なく使われていて、すげー、ターゲット層が狭すぎる予感ががが。ただ、後半の展開は、転換点が強烈だっただけに、それ以降はちょっと肩透かしかなぁ。もっと波乱万丈な展開だったら、さらに面白かったのに。
[ 星の舞台からみてる ]
神聖タイハン王国との国交決闘。調停王子リャドラの卑劣な策略により、サツキは窮地に追い込まれる……。と、悪夢のような厳しい展開のハズなのに、ちょっ、サツキ、ニファーリア、タシアナとのいちゃ甘で緩いラブ展開にしか見えない件。もっとやれっ!! いっそこのまま、後半のお風呂シーンみたいなノリをあと10巻ぐらい続けてくれればいいのに、次巻で終わってしまうのかぁ〜。
[ ぷりんせす・そーど! ]