第9回スーパーダッシュ小説新人賞<大賞>。戦争のため浮浪児となり悲惨な生活をしていた少女・ニーナは、女の子ばかりの私設戦車隊に拾われ戦うことに……。という感じの内容だけど、ぐはー、意図的な演出なんだろうケド、重く悲劇的な世界観と、のどかな少女たちの描写に差がありすぎて、違和感ありまくり。主人公のニーナをはじめ、それぞれのキャラの描写も安定していない印象があって、つまらないわけじゃないけど、しっくりこなかったなー。好み的には、悲惨な世界観を抑え目にして、女の子戦車隊の明るいノリを中心にしてくれたらよかったのに……。
[ ニーナとうさぎと魔法の戦車 ]
天才だけが入学を許される閃学園。ポルノ作家としての才能を認められた芥川丈途は、変人だらけの学園に進学するが……。って、なぜこの設定で、エロコメではなく普通に学園青春モノなんだ? つまらなくはないけれど、期待ハズレもはなはだしいっ!!
いやもう、拍子抜けするぐらい普通の学園青春モノ。エロどころか、ラブも萌えも薄いのよ。ところどころ挿入される主人公の書くポルノ小説の出来が悪くないだけに、もう、ガッカリしまくり。そもそも、登場人物が高校生だからという配慮なんだろうケド、『R-18』ではなく『R-15』とヒヨったタイトルからして気に入らない。こういう設定でいくんだったらさ、そこら辺にいくらでも落ちている普通の学園モノなんかやらずに、きちんとエロやろうよ、エロ。せめて、もうちょっと尖がった部分がないとツライ。正直、デビュー作でこれなら、そう悪くない出来だとは思うんだけど、まったく、非常に残念な作品だ。
[ R-15 ]
最高傑作級。これは素晴らしいエロコメ。初心で大人しい女の子が、どう見ても似つかわしくない官能小説家を目指すために巻き起こるドタバタコメディなのだけど、ラブコメの王道を行くような展開が、いやぁ、楽しい楽しい。
数ヶ月ぶりに再会した幼なじみの女の子、氷坂月の様子がどこかおかしい。なぜか「男」として転校してきたり、えっちなイベントが頻発するようになったり……。という感じで、女の子らしい女の子が、性別を偽って学校に通ったり、官能小説家を目指したりと、もう、いろいろとムチャな設定なのだけど、それが、いい感じにトラブル続きのラブコメとして成立していて、とにかく楽しい楽しい。なるほど、これだけ大人しいキャラをドタバタラブコメに引きづりこむには、これぐらいムチャな設定のほうがいいのんな。ほとんど男に免疫がないのに、自分の夢のためにむりやりエッチな行動をとる女の子というシチュエーションもドキドキ満載で素晴らしい。ほんと、素晴らしいドタバタラブコメでしたっ!!
ミステリなのにラブ。富士見ミステリー文庫もかくやと言わんばかりの学園ミステリー。ある事件により「けだもの」呼ばわりされている山岡迅郎は、冤罪を晴らすために探偵部のドアを叩く……。という感じで、ワトスン役のじんろーと、謎の美少女名探偵を中心とした日常系学園ミステリの連作短編。ミステリ部分はともかく、キャラ同士の会話が楽しく可愛いキャラが魅力的で、いやぁ、玖梨湖いいね玖梨湖。ただ、主人公のじんろーがどうにもへらへらしすぎていて、個人的に好きくないなー。玖梨湖といい、円城寺さんといい、ヒロインは悪くないのだけど。
[ はい、こちら探偵部です ]
うおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ、上条ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!! 最高傑作級っ!! なんという熱いっ熱いっ熱いっ物語なんだっ!! いよいよ『神の右席』編、完結っ!! 当麻といい、一方通行といい、浜面といい、すげぇ、すげぇぇぇぇぇっっっ!!
え? なにこれ、最終回?? というぐらい、もう、盛り上がる盛り上がる。ほんと、すげぇよ、当麻。右方のフィアンマの計画がいよいよ成就するかという最終段階。世界を覆う天変地異。それでも諦めない当麻。立ち上がるその他の人々。さらに、一方通行と打ち止めも泣ける(T-T)。そして、ラスト。ゲコ太ぁぁぁ。うわぁ、うわぁ、ホントすげぇ。そして、今後の展開が、うわぁ、うわぁ〜〜。素晴らしすぎるっっっ!!
[ とある魔術の禁書目録 ]
2巻にして、SEに関係ないわりと一般的な話になっている件。今回は、新キャラを投入しつつ、飲み会の幹事をやったり部門間の調整をするわけだけど、この規模の会社でも部門間の調整とか必要なんだっ!!<失礼。……いや、すでに、SEの職場を舞台にする必然性はあまりなくて、新人SEの工兵というより、恋に鈍感な工兵のラノベらしいストーリーになりつつある予感(^^;。物語の基本構造はラノベらしい王道展開なのでつまらなくはないのだけど、飲み会の幹事とか一般的なネタに走るのではなく、もっともっと濃い話にしてもいいと思う。せっかく、ラノベらしからぬ題材を扱ってるのに……。
[ なれる! SE ]
なにこのすげー怒涛の展開っ!! 「クロム・ディザスター」と「加速研究会」の問題から派生して、次々起こる新展開がマジすげー。そして、手に汗握るラスボス戦と、うわっ、そんなところで、次巻に引くかぁぁぁぁぁっ!!
災禍の鎧、クロム・ディザスターに寄生されたハルユキ。加速世界を揺るがすこの問題に対して、ブラック・ロータスを除く六王は、ハルユキとネガ・ネヴュラスにある条件を突きつける……。という感じではじまる本巻は、もう、新展開の連続っ!! 新キャラ参入から一気に世界の謎に迫ろうとする展開がほんとすげーよ。そして、ラストバトルが熱いっ熱いっ熱すぎるっ!! うわぁぁぁ、早く続きが読みてぇぇぇぇぇっっっ!!
[ アクセル・ワールド ]
いきなり普通のドタバタ学園コメディになってる……。うーん、正直、微妙。せつない世界観と明るいキャラのギャップが魅力的な作品だと思ってたのだけど、単なる学園モノでは、その魅力が生かせてない予感……。
死者の街オルタスを旅立ったアイ一行。保護者風を吹かしはじめたユリーは、しきりにアイに学校に通うことを進めるが……。というわけで、学園編。学校に通わせたら、せっかくの世界観を生かせないんじゃね? というのもあるんだけど、前巻ラストのスカーやセリカの話も置いてけぼり。まあ、それはそれでつまらなくはないのだけど、やっぱり、物足りないのは否めないかなぁん。
[ 神さまのいない日曜日 ]