将来、劉輝治世が『最上治』と言われることになることはわかっていたとは言え、よくあの状況から、文句のつけようもないハッピーエンドに持っていったな。非常に感慨深いラストでした。……いろいろと力技すぎるけど(^^;。
残り一日の生命を大切に使うため、眠りにつく秀麗。一方、都落ちした劉輝は……。というわけで、最終巻になって、いよいよ劉輝が本気になるの巻。といっても、旺季との差は絶望的で、いままで蓄積した実績もなく、力技になってしまうのは、正直、仕方ないか。でも、もうちょっと、劉輝の将来に名君主に至るための片鱗なり、前もって状況を打開する伏線が散りばめてあったら良かったのに(^^;。まあ、『彩雲国物語』のメインは、あくまで、秀麗であって、劉輝の物語というわけではないからしょうがないか。前巻までで、秀麗の物語はほぼ完結してたわけだし。
って、書いてるとどうも不満が先に出てしまうけど、劉輝の都落ちのくだりや、旺季との直接対決の場面は良かったです。特に、秀麗登場は、かっこよくてマジ泣ける。そして、全てが救われるラストが、ホント素晴らしかったですよっ!!
[ 彩雲国物語 ]
アレ? 姫小路兄妹って、ひとつ屋根どころか、同じ部屋で暮らしてたんだっけか(^^;。そして、ぎんぎん、可愛いよ、ぎんぎん。なにあのお風呂。……しかし、3巻になって、なおさらストーリーがなくなって、マジにキャラの掛け合いだけになってるな。素晴らしいケド、このままだと、どこかで飽きそうな予感も。
やぱし、すげー面白いな、これ。今回は、問題児三人の中で明らかに能力が足りてない飛鳥嬢のパワーアップ編。魔王魔王というわりには大して強くないんじゃね? とか、そもそも飛鳥がパワーアップしても十六夜に比べたらまだまだ弱いんじゃね? とか、思うところも多いのだけど、そういう荒削りな部分までもむしろ魅力に感じさせるような、ダイナミックで強引な筆致が素晴らしすぎるっ!! ほんと、おもしろいおもしろい。好み的には、特に、十六夜中心に、もっと傍若無人でいいと思うんだけど、とにかく、続きのすげー楽しみすぎるっっっ!!
やたら評判になっていたので買ってみたのだけど、さすが評判になっているだけあって、設定がぶっ飛びすぎてるなぁん。舞台は23世紀の日本。萌え作品が文学の正統となり、日本語から漢字が使われなくなっている未来。そんな未来で作家を目指す文学少年の主人公……。という感じで、とにかく設定だけでお腹いっぱい。ただ、肝心の内容は、う〜ん、小説として、面白かったかというと、かなり微妙。正直、読み進めるのがかなりしんどかったり。いやぁ、妹クロハの兄想いぶりは良かったんだけどねぇ。
[ 僕の妹は漢字が読める ]
主人公が超天才で、タイトル詐欺すぎる(^^;。いや、ダメ兄と優秀な妹ということで、べたな王道ストーリーかと思ったら、なに、この天才。一応、「実は隠れた才能が」というパターンを意識してる風ではあるけど、でも、はじめから天才を隠してないよね。そもそも、劣等生の根拠である「一科生」「二科生」に別ける高校の制度そのものも無理がありすぎて、どうにも読んでて違和感ありまくり。はじめから、達也パネェェェェェ、で良かったんじゃない?
というわけで、大人気Web小説が電撃文庫で刊行っ!! というのが売りらしい本作。魔法が科学的に解明された未来世界の高校で、主席入学の妹・深雪と補欠組の兄・達也の二人を中心とした物語。ただ実態は、やっぱり、無敵無双のお兄様とブラコンが素晴らしい妹という構図だよなぁん。兄妹はじめ魅力的なキャラと、銃と剣と魔法のバトル設定は非常に楽しみ。ただ、このバトル設定で学園モノなの? 大げさな設定のわりに、それだと物語のスケールはこじんまりしすぎな気が。や、きちんとおもしろいんだけど、一巻だけ読むと、いろいろとちぐはぐに思えて仕方ないんだよなー。今後、払拭されるのかしらん。
[ 魔法科高校の劣等生 ]