第2回『このライトノベルがすごい!』大賞、<優秀賞>受賞作。いかにもアメリカな舞台で、ハードボイルドな青年フィリップと犯罪集団から追われるアンジェリーナの物語。あとがきによると、「エセハードボイルド」と言うことらしいけど、なるほど確かにそんな感じ。いや、スタイリッシュでハードボイルドなのだけど、こう、ハードボイルドというには、いかにも女の子が書きそうで、女の子が好みそうな内容なのよな。まあ、そういう女の子向けっぽい作品なので、正直、好みではなかったけれど、それでも、独特の文章力は素晴らしく、なによりぐいぐい引っ張るストーリーがおもしろかったです。……しかし、フィリップの正体は王道にアレかと思ってたら、よくわからない正体で、そこは、別に工夫しなくても良かったような(^^;。
[ R.I.P. ]
もはや様式美だけど、すばるん、鈍すぎっ!! その台詞のあざといことあざといこと。もう、とにかくにやにやしまくりですよ。葵と泊まりで京都旅行という展開で、とにかく鈍いすばるんと、意識しまくりな葵が、愉快すぎて楽しい楽しい。ほんと、二人のギャップが酷いな(^^;。いやもう、同室とか、葵がとにかく楽しい、素晴らしい。
一方、時同じくして、修学旅行で京都に向かう慧心の面々。竹中、不憫すぎる(笑)。誘拐劇はちと無理ありすぎだけど、ラストでそういう展開か。今後5年生チームと合流していく展開かと思ってたのだけど、こうきたかー。
[ ロウきゅーぶ! ]
今回は耀メイン、……と思ったら、十六夜の過去編だと。いや、内容的にも、耀は、三人の中で活躍が少ないことを気にして頑張るという話で、表紙も耀なのだけど、なのになのに出番的に、十六夜に食われてるよ、酷い(^^;。
ほんと、キャラも楽しく、スケール大きく豪快な物語がほんとに楽しい。いや、耀も、正直、飛鳥と同じくらいには活躍してるんじゃね?と思うんだけど、どっちにしろ、やっぱ、十六夜が飛び抜けて強力でパワーバランス崩してるよな。いや、個人的には、十六夜メインでぜんぜんかまわん、というか、もっと暴れていいと思うんだけど、今回は、そんな十六夜のライバル登場?のための仕込みか。いやぁ、ラストの展開といい、次巻がすごく楽しみすぎるっっっ!!
前巻ラストの爆弾発言を引き継いではじまったわけですが、この段になって、まさかの新キャラフラグ。ヲイっ!! ……と、冒頭の新事実のわりに、中身はいつも通りでした。ぎんぎん、可愛いよ、ぎんぎん(*^^*)。
というわけで、今巻の見所は、なんと言っても、アナ、ぎんぎん、秋子による看病対決。特に、ぎんぎんの添い寝、なにそれ。なんという破壊力っ!! ごろごろごろ〜〜〜。いやもう、素晴らしい素晴らしい。ほんと、秋子のフルオープンな恋愛感情と違い、ぎんぎんの一歩引いた一生懸命さが可愛すぎるったらありませんよっ!! ……そして、ラストではいよいよ、ありさ登場。次巻がすげー楽しみすぎるっ!!
うわっ、何巻続けるつもりなんだこれ(^^;。や、すっげーおもしろいんだけど、これ、来年のエリザベスマッチまで続ける展開だよね。いったい、どうするんだぁぁぁっ!!
学園祭&エリザベス予選でお祭りな一週間っ!! しかし、前巻で「貸し」を作ったモモは、この一週間をタキとデートして過ごさなければならなくなり……。というわけで、軽いノリのキャッキャッウフフがメインかと思ったら、わりと重い展開。新人選手がビギナーズラックと才能で一気に頂点に駆け上がる短期決戦的な物語作りかと思いきや、なんだか長期連載でやるような展開に舵を切ってたのがビックリ。いや、スポ根ものとしても好きだし、女の子同士のキャッキャッウフフも楽しいのだけど、どこに行くんだ、この物語?
[ アイドライジング! ]
魔法科高校生最大の戦い「九校戦」。高校生たちによる熾烈な魔法勝負。しかも、その裏でテロの気配が……。や、読む前は「今更、高校生同士の戦いでどうするんだ?」と思ってたのだけど、きちんと裏の展開を配置して、「兄貴からみれば、所詮、九校戦は子どものお遊び」という風にみせる構成。や、すっげー盛り上がりそうだけど、ああぁ、やっぱり本番は下巻かー。いやもう、続きがすげー楽しみすぎるっ!!
それにつけても、深雪はやはりブラコンすぎておかしすぎる(爆笑)。そして、兄貴の天才ぶりはとどまることを知らないな。すでに、設定は破綻しまくっていると思うのだけど、いまだに帯で“劣等生の兄”と謳っている事実は驚愕を禁じえない。達也って、どう見ても、真の跡取り、世界最強の後継ってのがバレバレと思うんだけど(^^;。いや、俺TUEEEEなラノベも多いけど、ここまで実力差が激しい作品も珍しいよな。この段になってライバルっぽく話に絡んできそうな一条の次期当主とか、あまりに不憫すぎて、どうするんだこれ?
しかし、ここまで破綻しまくってる設定なのに、設定語り過多な作風は、どうにも違和感が強くてにんとも。いや、気にしたら負けなんだろうけど、ここまで頭が悪く整合性の取れてない設定は、ちょっとなー。
[ 魔法科高校の劣等生 ]
おおう、まさかそういう展開とはっ!! 素晴らしいっ!! 文化祭。とうとう杏子は善一に……。と、ラブコメのストーリー展開としては、なかなか興味深いのだけど、全体としては、やっぱり地味な印象は否めないよな(^^;。魔法も超能力もない普通の学園モノといっても、キャラもストーリーもパッとしないのは、ちょっとツライ。青春物語としては、そう悪くはないと思うのだけど。
そういえば、独身でいぢられる先生と言えば、最近は30歳とか40歳ぐらいが多いと思うのだケド、この作品の綾子先生は25歳か。正直、若すぎるというか、昭和の時代の作品かっ!!
[ 暴走少女と妄想少年 ]
浅井朝倉戦決着。ラストが、待ち望んでいた展開なのに、せつなすぎる(T-T)。武将女体化という全体的に軽いノリの作品なのに、感動させるところはきちんと感動させるのが、やっぱり上手いなぁ。
いやぁ、信奈がデレてからいまいちだったけど、ここに来て、良晴の女難というかモテ期も、いよいよ常軌を逸して、なんだこれは。すげぇ(^^;。とにかく、すごくハーレムです。特に、五右衛門、大活躍だな(笑)。一方、半兵衛ちゃん。それはどういう伏線だ(T-T)。そして、ここ最近のストーリーの軸の一つだった信澄とお市の物語もいよいよ決着。泣ける。……いよいよ織田も絶頂期になろうかと言うところだけど、ここで良晴を巡ってそういう伏線か。続きも凄く楽しみすぎるっ!!
[ 織田信奈の野望 ]
うわぁ、今になって、彩夏に纏わるあのはじまりの物語の再来か。相変わらず、せつなく哀しい筆致は素晴らしい。……でも、すごく重要なこのネタで、ニコイチなバランスの悪い構成になっているのは、もったいないよ。エンジェル・フィックスの話は、きちんと独立した一冊として書いてくれれば良かったのに。
この巻は、四代目を中心に、三代目襲来とエンジェル・フィックス再びな話を一つの物語に仕立ててるんだけど、これが中途半端でバランス悪いのよ。四代目と父親とのエピソードも彩夏の物語もいい話だっただけにもったいない。特に、エンジェル・フィックスのほうは、四代目との仲違いと修復の過程の描写が、かなり端折られていて、いまいち説得力弱くて唐突だよね。
それにしても、アリスの気持ちの駄々漏れ具合は、もう素晴らしすぎるねっ!! くらくらするぅ〜〜。
[ 神様のメモ帳 ]
正直、ツマランかったです。こういう頑張って尖がってる作品は、学生時代に読んでたら、絶賛してたかもしれないけれど、オジサンには、どうにも辛いわ。
宝島社の『このラノ 2012』で 7位。さすがに10位以内で読んでないのも不味かろうと手を出してみたのだけど、これはキツイ。変人集うオカルト研究会の壊れた面々という話なのだけど、それぞれのキャラの絵に描いたように素直な狂気ぶりが、個人的に、どうにもダメ。読みやすいし、話の構成も上手いと思うけど、後半を「予定調和で地味にふつー」と感じてしまってる時点で、たぶん、想定読者からハズレまくってる予感。江西陀のエロトークとか、すごくヒロインしてる清宮とかは、良いのだけど、それならふつーに部活モノやってるほうが、好みだしなぁ。
[ 丘ルトロジック ]
完結。まさかこの巻で終わらせる/終わらせることができるとは思ってなかったのでビックリしたけど、感動的でいいラストでした。クリスとミネルヴァだけでなく、ジュリオやシルヴィア、フランたちも含め、群像劇として綺麗に決着させていて、いやぁ、素晴らしい。
聖都に迫るアンゴーラ軍と女帝アナスタシア。いまだ反目する聖王国軍と連合公国軍を率いて絶望の戦いに挑むフラン。一方、記憶を失ったクリスと再会したミネルヴァは……。という感じで、いろいろ強引に感じる部分もなくはないけど、それぞれの物語は綺麗に、そして感動的に幕引いていて、ほんと素晴らしい。特に、ジュリオとシルヴィア周りが凄いね。フランvsアナスタシアも凄惨で、うわぁぁぁ。ラストのパオラとシルヴィアのそれぞれのエピソードがホント泣ける。いい話でした。
[ 剣の女王と烙印の仔 ]
おっぱいさん頑張る。いや、耶宵の黒さと琴音の頑張りが目立つ巻でした。恋子はそこそこ絡んでるけど、ヒロインのゆすらが空気になりつつあるな(^^;。……それにしても、前半のラブコメハーレム展開から、まさか、ああいう感動的な話に繋がるとはっ。こういう優しい雰囲気は、おかざき登の真骨頂だねぇ。そして、次こそ恋子回? てっきり、琴音が入部する超展開かとばっかり思っていたのだけど、もしかして違うのかしらん。