板倉庵おすすめメニュー
九州ではもりそばとざるそばの区別はあまり厳密にはしていないようです。普通、もりそばをざるそばと呼んでいます。もっとも東京でも単にきざみ海苔がのっているかどうかがもりとざるの差になってしまっていますが。
そばは原則として、国産の石臼挽きのそば粉を使い、通常は10:2の外2で打っています。卵は使わず、ミネラルウォーターだけで打ちます。当初は卵を使っていましたが、卵を入れると不自然にこりっとした食感が出過ぎると感じるようになったためです。
固い固いそばを腰があると喜ぶ方も多いようですが、私は、口や歯に優しい素直な食感のそばが好きです。歯に当たると自然にぷつんと切れるようなそんな感覚でしょうか。
あまり表現が上手ではありませんが。 いくら食べてもまだ食べたい、私流の旨いそばはそんなそばだと考えているんですが、当然反論がありそうですね。
一茶庵の片倉康雄さんが著書の中で「原材料が70%」とおっしゃっています。あれだけの大名人にして技術はわずか30%しか寄与しないと断言されているのです。我ら素人はその計算でいけば、「原材料が90%以上」ということになるでしょう。 したがって、良いそば粉を使うことは旨いそば作りの全てというと言い過ぎるかもしれませんが、大変大きな部分を占めています。
ちなみに、私が買っている粉屋さんはここです。
板倉庵おすすめメニュー、というよりも私が最も好きなメニューという方が正しいです。
そばの上にかつおの削り節と刻み海苔、さらに辛目の大根おろしをきれいに三等分してのせる。好みでネギやわさびなどの薬味を入れる。この上に汁をぶっかける。
かける汁は、から汁でも良いが、辛すぎると思う方は、から汁を作るときに返しに合わせるだしの量を多くして下さい。 たとえば、私の場合でいえば、返し2に対してだしを5合わせてから汁を作っているが、これを2:7とか2:8程度にすれば程良い塩加減となると思う。
博多ラーメン特有のメニュー?として「替え玉」というのがあることを知っていますか? つまりは、お代わりの麺という意味で、中にはいくつも食べる人がいるらしい。
私のおろしそばは、この替え玉ではありませんが、二杯目が大変旨いのです。その理由は、汁にそばの水気が混じってちょうどよい辛さになるのが二杯目ぐらいということです。
新橋に信州というそば屋があり、私はそこのおろしそばが大好きです。冬場には、長野で特別に栽培してもらったというネズミ大根のおろしそばが食べられます。ネズミ大根は長さが15センチ位のややネズミ色をした小さな大根で、その辛さに特徴があるようです。(しっぽの形など全体が大きなネズミに似ているのでこの名が付いたのかもしれない。) ものすごく辛い大根ですが、その辛さは、青首大根のただ辛いのとは異なり、何か辛さに味があるというか、品があるというか、一種特別の大根という気がします。(そう言われて食べたからではないと思うのですが)
もともと消化の良いそばに、消化酵素の豊富な大根を合わせて食べる、究極の健康食といえるのではないでしょうか。器が一つですむので、大勢のそば会には最適のそばメニューといえます。必ずもう一杯食べたくなる、そんな蕎麦です。
これも板倉庵の人気メニューです。これが一番好きだといってくれるお客さんも沢山います。
ただ、もり蕎麦に比べ少々手が掛かりますので、毎回はできません。それでも、これから寒くなってくると、要望は強まるでしょうね。
若い人向きには地鶏を、やや年齢が高いときは柔らかい若鶏を使います。胸肉を適量用意します。白ネギも適量購入して下さい。一人当たり、鶏肉は3センチ四方のものが3切れ程度、ネギは長さ3センチのもの3本程度を目安にすると良いでしょう。
塩胡椒した鶏肉をフライパンで表面が焦げるまで焼きます。ネギも焦げ目を付けておきます。これらは、そばを出す直前に、甘汁(温かいそば用の汁)で一煮立ちさせ、具だけそばの上に並べます。(煮汁は使いません。少々脂っこく、しつこいですから)
難しいそばですが、何とか打ってみたいと努力しています。
格好だけは一応つくようにはなりました。味の方は??自分ではよくわかりません。うまいと言ってくれる人がいますので、結構いい線行ってるのかなと自惚れたい気持ちもないわけではありません。