■フリーターに住民税課税(04.10.26)
もともとフリーターに住民税がかからないわけではないのですが、現在個人住民税は1月1日時点で給与を支払っている人について企業が市町村に給与支払報告書を提出し、それに基づいて市町村が課税するため、1月1日時点で就労していない人には事実上課税できない事態となっています。
そこで総務省はフリーターやパートなど1年未満の短期就労者についても給与支払実績の報告を企業に義務付けることとする税制改正を行おうとするものです。
新たに課税が行われると言うものではなく、現在制度の不備により課税漏れとなっているものに対して適正に課税されるわけですから、不公平が是正されるというふうに捉えるべきなのでしょう。
■【税金雑学25】浅田次郎『蒼穹の昂1』(04.10.18)
ピーウー(原文は漢字)は鼻で笑って、 まとわりつく春児を石段の下に蹴り落とした。
「銭だ。銭をもってきやがれ。六十両、耳をそろえて持ってくりゃ立派な宦官にしてやらあ」
二度三度と、頭上に唾が吐きかけられた。
割れ鐘のように響くピーウーの声は悪意に充ち満ちていた。地べたから見上げた巨大な姿は悪魔そのものだった。もうこれ以上何ひとつ奪えるはずのない母の手から、一粒の種籾までも、機にかかった織りかけの布までも情容赦なく取り上げていく、税吏の姿そのものだった。(講談社文庫207頁)
最近、浅田次郎にはまっています。本を読んでいて、たまたま税がらみのフレーズにあたったらつい収集してしまいます。
■【税金雑学24】浅田次郎『プリズンホテル4春』(04.10.7)
「おっと、危ねえ危ねえ。こともあろうに子分と弟子を手にかけちまうところだったぜ---で、なんだ。てめえら雁首そろえて。カチコミや家宅捜索(ガサイレ)ならちっともてえへんしゃねえぞ、仕事のうちだからな。それとも何か、まさか税務署の差し押えじゃあるめいな」
「いえ、ご心配なく。おととしの税金でしたらつい先日、延滞金もろとも払ってきやした。泣きも脅しも利きやせんでしたが、面目ねえ」(集英社文庫94頁)
■電子申告やってみたけど・・(04.9.28)
納税証明を取ったところで中断していましたが、今日法人税の電子申告にトライしてみました。満を持して、会計専用ソフトメーカーのサポートの方までに来ていただいての申告。よもやうまく行かないとは思ってもみませんでした。
セキュリティーの心配から、事務所のサーバーはインターネットに接続せず、スタンドアロン機のみインターネットがつながっているので、やや変則的ではありますが、税務会計ソフトで作成した申告書のデータを電子申告の形式にコンバートしてから国税庁配付のe-Taxソフトに取り込もうという方針でした。理屈上はうまく行くはずですが、何度やってもエラーメッセージが出るばかり。
しょうがなく国税庁のヘルプデスクに助けを求めると、e-Taxソフトはまだ今年の改正には対応していないとのこと。税務会計ソフトからの受け入れはできない(プリントアウトしてからチマチマと手入力すれば可能ですがそれでは日が暮れます。午後6時までしか受け付けていないので、日が暮れたらつながりません)とのことでした。国税当局は、電子申告を勧めてくれと言いますが、この状況でどうして勧められましょうか。
■相続時精算課税制度にかかる贈与税の申告実態(04.9.17)
財務省は、8月31日、「平成15年分相続時精算課税制度にかかる贈与税の申告実態について」を公表しました。これによると、同制度を利用して贈与を受けた人の数は7万8千人で、取得財産の総額は1兆1621円とううことです。受贈者一人当りの平均取得財産は約1500万円ということになります。
昔は人生50年で、子供がお金の必要となるときに親の相続が発生し、財産の移転が行われましたが、人生80年では、残りの30年で貯えた財産を消費し、子供に相続させることができません。このような制度で、まだ余力のあるうちに、財産の移転を促そうということなのですが、その目的は達せられているようですね。
■【税金雑学23】入湯税(04.9.16)
温泉の問題が世間を騒がせています。各地で温泉の不当表示が明るみに出る中、三重県紀伊長島町では、町営の温泉施設があるにもかかわらず税法上必要な入湯税条例を制定していなかったことが十四日明かとなりました。「入湯税」は、1人のお客につき150円程度を温泉施設が市町村に代わって徴収し、自治体に納める間接税です。ほとんどの温浴施設は、この税額を入浴料のなかに含める内税方式をとっているため、入浴客は入浴税が徴収されていることを知らないのです。
地方税法の条文を以下に記載しておきます。
(入湯税)
第701条 鉱泉浴場所在の市町村は、環境衛生施設、鉱泉源の保護管理施設及び消防施設その他消防活動に必要な施設の整備並びに観光の振興(観光施設の整備を含む。)に要する費用に充てるため、鉱泉浴場における入湯に対し、入湯客に入湯税を課するものとする。
(入湯税の税率)
第701条の2 湯税の税率は、入湯客1人1日について、150円を標準とするものとする。
(入湯税の徴収の方法)
第701条の3 入湯税の徴収については、特別徴収の方法によらなければならない。
■開業8周年(04.8.30)
8月31日、当事務所は開業8周年を迎えます。ご利用を感謝申し上げます。
ある方が、ホームページは別荘のようなものと言っていました。その心は、持っていないと、持っている方がうらやましいが、持っていると維持管理が大変。まさにその通りですが、初心に帰って、ご利用いただいている方のニーズを考え、運営していきたいと思っております。
今後とも、よろしくお願い致します。
■【税金雑学22】ジェームズ三木・税金(04.8.29)
脚本家のジェームズ三木さんの名前の由来が「税務署行き(ぜいむしょいき)」だったって今日TVを観ていて初めて知りました。
ついでですが、江戸川乱歩が「エドガー・アラン・ポー」、二葉亭四迷が「くたばってしまえ」、半村良が「イーデス(良)・ハンソン(半村)」、阿佐田哲也が「朝だ徹夜」というのは有名な話です。
■【税金雑学21】有名税(04.8.23)
プライバーシーの侵害など、有名であるがためにある程度は我慢しなければならない不快な出来事(広辞苑第5版)。有名であるばっかりに半ば強制される寄付金や、不都合な面一般(新明解国語辞典第5版)。有名人であるがゆえに、余計な経費がかかったり、名前を利用されて迷惑を受けたりするのを、税金に見立てていう語
(大辞林第2版)。有名人であるために、好奇の目で見られて苦痛を受けたり、出費がかさんだりすることを、税金にたとえていう語(大辞泉)。有名人であるために、好奇の目で見られて苦痛を受けたり、出費がかさんだりすることを、税金にたとえていう語(デイリーコンサイス国語辞典)。
我慢・不快・強制・不都合・迷惑・苦痛を象徴するものとして「税」という言葉か用いられていることが分かります。
■平成16年分路線価(04.8.16)
国税庁は8月2日、平成16年分の路線価を公表しました。全国ペースでは1F当たり115千円で、前年の121万円に対して5%の下落となりました。東京・大阪・名古屋などの首都圏部では下げ止まりや上昇に転じた箇所もあります。
路線価は、国税庁のホームページにも掲載されていますので、インターネットでも閲覧できます。
■用件のある方は受付を通して(04.8.5)
私の属する税理士会では、税務署の人事異動があると所轄税務署の配席図が配られます。今年の配席図には「職員に直接ご用件のある方は受付を通して下さるようお願い致します」という注意書きが新たに記載されていました。以前は、税務調査などの担当の調査官の席に直接行って話をしていましたが、どうもそれはお断りという趣旨のようです。税務署員の机の上には納税者の個人情報などがあるわけですから、部外者が自由に行来すると万が一の情報流出の恐れがあるわけですから、当然だと思います。とは言うものの、税務署の敷き居が高くなったという感も否めません。時代の流れですね。
■消費税の仕組みをあらためて考える(04.7.23)
「日本では企業(事業者)は消費をしても消費税を負担していない。」ということをご存知ですか。仮に本体価格1,000円の商品を買ったら個人も企業も等しく1,050円払っていますから、企業も消費した時に消費税を支払っているように見えますよね。
でも良く考えてみると理論的には企業は消費税の負担はないことになるのです。 消費者が1,050円の買い物をしたとすると、消費者は50円の消費税を負担したことになります。この商品を消費者に売った小売店は1,050円の売上であり、仮に仕入値が630円だった場合、売上の消費税50円から仕入の消費税30円の差額である20円を税務署に納めることになります(話を簡単にするために仕入れ以外の経費はなかったものとしています)。そして、この小売店に商品を売ったメーカーは売上が630円であり、仮に仕入れがゼロであったとしたら、このメーカーは売上の消費税30円から仕入れの消費税0円を差し引いた30円を税務署に納めることになります(やはり話を簡単にするために、原料なしで商品が製造されたことにしています)。つまり、消費者が負担した50円の消費税を小売店が20円、メーカーが30円預かり、消費者に成り代わって税務署に納めているわけで、理論的には小売店もメーカーも1円の消費税も負担していないということがおわかりになったと思います。
理論的にはとお断りしたのは、 転嫁の問題や、益税の問題がありそう単純ではないからなのですが、逆に企業の消費をも課税の対象とする税も考えられるわけで、その意味では現在の消費税は「消費者税」というのが正しいということなのです。
■累積納税額日本一斉藤一人氏の税金観(04.7.14)
長者番付けTOP10常連で累積納税額日本一の『斉藤一人の絶対成功する千回の法則』を読んでみました。曰く、『税務署は儲かっている人のところに行くもの。税務署の目が厳しい会社は、経営がうまくいっている会社です。』だから『商人にとって税務署は「福の神」。来なくなったらおしまいです。』そして、『「今年は納税額でトップになろう」といって遊んで』いれば、税金を払うのもゲーム感覚でワクワクできるとおっしゃっています。このようなプラス発想が、成功の秘結なのでしょうね。
■所得は悟りなり(04.7.10)
所得の起源はウパランサというサンスクリト語だそうです。その意味は、得られたものということで、禅では精神的に得られたものすなわち悟りを意味するということです。これを得ることが修行の最大の目的。今も、所得を得ることは人生の最大の目的だったりして。
■検索エンジン登録状況(04.7.7)
MSNで永らく『税務相談』のトップでしたが、最近忽然と消え去りました。原因を調べてみたら、MSNの検索エンジンの変更にありました。LookSmartから、Inktomiに変更になったのが原因のようです。Inktomiは、調査によれば、googleやLookSmartとかなり異なる検索結果を示すようです。
なお、googleで国税庁の次の次に後退していましたが、元に戻りました。
■e-Tax雑感(04.7.1)
1.『e-Taxソフトの使用に当
たっての注意事項』考
現時点で電子申告にe-Taxソフトを利用する場合には、いくつかの注意が必要です。例えば、「定率減税額(再差引所得税額×20%。ただし250,000円が限度となり
ます。)」欄は、最高250,000円の限度額判定を行わず、再差引所得税額×20%の計算式で自動計算されているため、限度額である250,000円を 超 える金額が表示されたまま「作成完了」した場合、「エラー 値が範囲外です。(XXXX)」(注1)というメッセージが表示され、「定率減税額」欄の数字
が反転し、作成完了ができない状態となります。この場合には、定率減税額欄に250,000円と補正入力しなければなりません。(国税庁のHPより)
このような問題は、通常の市販の税務ソフトでしたら致命的なバグのはずですが、国税庁のHPでは、『e-Taxソフトの使用に当
たっての注意事項』とあっさりと記述するだけで、ソフトの改定を未だ行っておりません。
冗談ですが、このような対応は、某自動車会社が、 『自動車の使用に当 たっての注意事項』として、車が燃えることがありますと、HPに記載しているのと同じではないかと言った人がいました。
せめてお詫びぐらいしてほしいとの声もありましたが、そんな国税庁さんがお詫びしたと言うことで、今話題になっています。『平成16年6月28日 受付システ
ムの障害について 』で、『6月28日9時以降、受付システム で、法人税申告の平成16年度税制改正に係るデータ受信ができない事象が発生しましたが、11時30分に解消されました。ご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げます。』とありました。謙虚と言うべきでしょうか。
2.e-Taxは海外かららでもできる
奇特な方がいらっしゃるもので、アメリカからe-Taxで電子申告してみた方がいらっしゃるそうです。当然に出来たそうです。海外旅行中に思い立って、確定申告するということが可能な時代になったんですね。この点はすごいと思います。
3.実験したい
現時点で電子申告は、テストができません。いきなり、ぶっつけ本番で申告しないといけないのです。申告しても、本当にうまくいったのか不安でなりません。テスト送信できる環境を是非用意していただきたいものです。
■個人情報保護について(04.6.23)
当事務所は、個人情報の重要性を認識し、以下の取り組みを実施致しております。
1.会員登録いただいた会員に関する情報は、所長が税理士法上の守秘義務等に基づき、適切に管理しております。
2.上記会員情報が、第三者に提供、開示されることは一切ありません。
3.会員情報が保存されたPCは、パスワード等で保護され、事務所のLAN環境からも遮断され、所長以外の第三者(職員も含めて)が接触することはできません。
4.上記PCは、インターネットに接続されていますが、常時接続ではなく、ルーター、ファイアーウオールソフト等の一般的なセキュリティー対策が講じられています。
5.現時点では、会員登録時については、送信は暗号化等の対策は講じられていません。 早急にSSL等の対策を取りたいと考えています。
■んな、アホナ財形(04.6.23)
先日、住宅財形を払い出しました。ご承知の通り、財形は非課税が売りの預金ですが、非課税となる適格払い出しには、登記簿謄(抄)本や、住民票の写しなどの書類が必要です。仕事の合間をぬって、法務局や市役所に出向いて取ってきました。登記簿謄(抄)本は手数料千円、住民票は300円でした。ここではたと気付きました。それだけ利子の源泉税がかかっていただろうかと。私の場合、絶対にかかっていないはずなので、目的外払い出しにするのが結局は得でした。もっと早く気がつけば良かった。銀行の人もちゃんとアドバイスして下さいよ。
■e-Tax試行(04.6.21)
この程e-Tax(電子申告)を試してみました。不満が沢山ありました。まず、利用可能時間。確定申告期は少し違うようですが、今は午前9時から午後6時までです。インターネットはいつでもどこでもが売りのはず。6時までですとちょっと終了時間が早すぎはしないでしょうか。次にインストール。パソコン操作は人並みにできると自負しておりますが、ストレートにうまくいきませんでした。ICカードリーダーの認識が OSによってうまく行かなくて困りました(原因は、プラウザのバージョンの問題でした。USBを挿す場所が違っているとダメだったという話も聞きました)。これまで、いろいろなソフトやハードをインストールしてきましたが、ここまで、手こずったのはあまり記憶がありません。パスワードにも戸惑います。電子申告に関連して、様々な識別番号やパスワードがあって、どこにどの番号を使うのか迷いました。e-taxソフトの操作性もよろしくない。マニュアルを見ないと進められませんでした。ふつうは感覚的に操作して間違いはないのですが、これに関しては、マニュアルをみても良く分かりませんでした。(例えて言えば、10年前に外国製ソフトを手探りで使っている感じかな)
電子申告自体には期待をしております。すみやかに使い勝手の良いものになることを待ち望んでおります。
■検索エンジン登録状況(04.6.17)
日経パソコン6/21号によると、「Yahoo!JAPAN」のWeb検索エンジンがgoogleからYSTに変わったそうです。さっそく当事務所の登録状況をチェックしてみました。
「税務相談」「税金相談」「税理士」「税理士事務所」等 で、トップページに表示されました。最近は広告料を払っているスポンサーサイトが優先的に上位に表示されますので、どうしてもまん中当たりの掲載となります。
ついでにgoogleでも試してみましたら、永らく国税庁の次だったのが、次の次に後退していました。(残念)
■【税金雑学20】イスラムの税金(04.6.12)
イスラムにはザカートという一種の税金があるそうです。ザカート は、『イスラム教の五行 (イスラム教)の一つで、困窮者を助けるための義務的な喜捨。制度喜捨あるいは救貧税とも訳される。ザカートの本来の意味は「浄め」。』だそうです。(フリー百科事典『ウィキペディア』より)
税金というと、国家に取られるものと感じがちですが、『イスラムでの税金は「神の取り分」であって、支配者のものにはならない。それは困窮者に分配される原資に過ぎない。』との発想は、宗教的国家ならではとは言えますが、税金の本来の姿を現しているように思われ、眩しく感じます。
■6月1日電子申告全国開始に暗雲(04.5.28)
2月1日名古屋国税局管内に続き、6月1日に全国で開始予定の電子申告ですが、ちょつともたつきが見られます。予定では6月1日からは平成16年4月以降決算法人の申告ができるはずでしたが、平成16年度改正税法に準拠したe-TAXソフトの作成が遅れ、公開が6月以降になるようです。
なお、e-TAXソフトと電子証明書が手許にある場合には、平成16年決算法人で申告期限の延長が認められている場合などの確定申告など限定されたケースに限って電子申告が行えます。どうしても6月1日に電子申告をしてみたい方は、いろいろと工夫してみて下さい。個人の申告はできるはずですから、平成15年分確定申告の期限後申告を行うとか、修正申告を行うというのでもよいですね。
私も、既述のとおり、4月1日に電子申告開始届出書を地元の税務署に提出しておりましたが、今日やっとe-TAXソフトが届きました。恥ずかしながら、日税連ICカードは申請が遅れたためまだ手許にありませんが、住基カードはありますので、あとICカードリーダーを入手すればインフラは整います。
■【税金雑学19】脂肪税(04.5.26)
2月19日付の英紙タイムズは、英政府が深刻化する肥満問題を解消するため、乳製品やハンバーガー、菓子類などの高脂肪食品に「脂肪税」として、付加価値税を課税することを検討していると報じました。
既にポテトチップスや炭酸飲料などには最高税率の17.5%が課されているが、さらにバターやチーズなどの乳製品、ハンバーガー、宅配ピザ、チョコレートバーなどの菓子類に課税対象を広げる見通しとのことです。【ロンドン19日時事】
オーストラリアでも、現行のオーストラリア版消費税(GST、一律10%)以外に、脂肪や糖分を多く含んだ食品(ファストフードやソフトドリンクなど)にさらに課税。またGST非課税のスナックなどにもGSTを課税する、などの内容ということです。
体重当たりいくらという具合に課税するわけではなさそうですので肥満の方はご安心を。
■平成15年分長者番付(04.5.21)
平成15年分の確定申告で所得税額が1千万円を超えた高額納税者を公示する、いわゆる“長者番付”が17日、全国の税務署で一斉に公表されました。今回の公示対象者は前年分よりも1.9%少ない7万3959人で、平成に入ってからでは最低の人数となりました。
個人情報保護の時代に時代錯誤な制度となっており、廃止の議論も盛んです。もしかすると今年が最後となるかもしれません。
■【税金雑学18】代表なくして課税なし(04.5.12)
今日、日本経済新聞の経済教室だったかを読んでいたら東京大学の中里実教授(租税法が専門)の解説記事が載っていました。その内容は割愛しますが、中に、『代表なくして課税なし』という有名な文句がありました。高校時代世界史をかじった方なら懐かしいと思われるかもしれません。
イギリスが、当時植民地であったアメリカで、法律・商業関係の書類・刊行物などに印紙を貼ることを規定したことに対して、「参政権もないのになんで税金を払わなきゃいけないの」という抗議が起こり、「代表なくして課税なし」という憲法論を展開されました。これがアメリカの独立戦争につながっていくわけです。
蛇足ですが、この時期トマス・ペインという人が『コモン・センス』を発刊しています。この中で「イギリス本国からの独立は当然の常識」と訴え独立の気運を盛り上げました。さらに蛇足ですが、当「こもんせんす」は、この『コモン・センス』からとったのではなく、P.G.ビノグラドフの『Common Sense in Law』からとりました。
■平成16年度住宅税制改正の概要(04.4.29)
平成16年3月26日所得税法等の一部を改正する法律案がが国会にて可決成立しました。個人納税者に関心の深い住宅税制関係の改正点の概要について解説します。(All About Japanの記事を大幅に参考とさせていただきました。)
(感想)まとめてみると、不動産を売って少しだけ儲かった人は、100万円控除の廃止で損、たくさん儲かった人(あまりいないと思いますが・・)は、税率の軽減で得。不動産を売って損をした人は損益通算の廃止で大損、マイホームを売って損をした人だけはすこし救済される範囲が拡大・・ということになりましょうか。
■電子申告開始届(04.4.21)
4月1日に先に開始した名古屋国税局管内以外の全国において電子申告・納税等開始届出書の受付が開始しました。私も4月1日に地元の税務署に開始届出書を提出してきました。(地元新聞の小さい記事となっていました。)6月からの電子申告に間に合わせるためには、4月中に開始届出書を提出しないと、CD-ROMが5月中に届かないようですので、お気をつけください。また、電子証明書については、税理士の場合は日税連の電子証明書を使用しますが、一般納税者の方は住民基本台帳カードを使うのが便利かと思います。
当事務所も電子申告対応に向けて準備を進めております。
■消費税総額表示いろいろな対応(04.4.5)
4月1日になり具体的な対応が見えてきました。昨日の日曜日、近所のジャスコと理髪店に行きその対応が180度違っていて苦笑してしまいました。ジャスコの方は一部品目ではあるようですが、総額表示後の金額が総額表示前の金額と同額となるように本体価格を値下げして割安感を演出していました。一方理髪店の方は、
お客様各位 日頃より、当店をご愛顧賜りまして 誠にありがとう御座います。 この度、施行されます改正消費税の 問題を受けまして、当店でも消費税5%を 上乗せした総額表示の料金を、 今年、2004年4月1日より 提示させていただくことになりました。 皆様よりお預かりした大切な消費税は、 しっかりと税金として 納めさせていただきます。 何卒、 ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。 |
という掲示とともに5%値上げしていました。そもそもこれまで内税3,800円だったものが、内税3,990円となったわけで、その店が既に課税事業者なのか、それともたまたまこれから課税事業者になるのか、それとも平成17年より課税事業者となるのかは分かりませんが、便乗値上げの感を拭えません。同業組合の指導の下に(地域の理容組合のHPにその旨の情報が掲載されていました)やむを得ずこの機会に値上げしたのかもしれませんが、この対応は一般消費者の理解を得にくいのではないかと思った次第です。
■顧問税理士が・・・(04.3.28)
国民年金のコマーシャルに出演していた女優の江角マキコさんの国民年金保険料が未払いとなっている件で、江角さんが謝罪会見をしているのを見ました。『顧問税理士の作成した確定申告書の社会保険料控除の欄に国民年金が記載されていたので、国民年金を支払っていたと信じていた』という主旨の弁明でした。事情は分かりませんが、顧問税理士が気の毒な気がしました。
■消費税総額表示(04.3.22)
4月1日より消費税の総額表示が義務付けられます。総額表示とは、商品やサービスの価格を、消費税込みの総額で表示する方式です。業界によって具体的な対応が若干異なり、消費者の混乱を招きそうです。
主な業界 | 表示方法 | 具体例 |
スーバー | 総額のみ表示 | |
コンビニ | 総額のみ表示 | |
百貨店 | 総額に本体価格併記 | 1029円(本体価格980円) |
100円ショップ(ダイソーなど) | 本体価格を総額の前に表記 | 100円(税込み105円) |
外食(すかいらーくなど) | 本体価格を総額の前に表記 | 本体価格480円(税込み504円) |
ガソリンスタンド | 総額のみ表示 | 1リットル105円 |
出版 | 書籍の間に挟むスリップなどに総額を表示 | 定価1050円(本体1000円+税5%) |
(上記表は04.3.17北國新聞より転載)
■税理士の大晦日(04.3.14)
平成15年分確定申告期間が明日15日に終了します。昨日の土曜日を終了目標に仕事をしてきましたので、とにかく終了しました。昨今は年末年始の感慨がどんどん薄れてきていますが、確定申告終了だけは季節の節目を感じます。さしづめ、3月15日は税理士にとっての大晦日といったところでしょうか。
確定申告期が終わっても時間の余裕が出るわけではないのですが(わたしの場合かえって忙しくなります)、気分を切り替えて、新しい気持ちで仕事に取り組んで行きたいと思っております。
■【税金雑学17】人頭税(04.3.7)
人頭税とは、住んでいる人の頭数(人数)に応じて税金をかける制度です。
沖縄県宮古島 には、「賦計石(ぶばかりいす)」と呼ばれる人頭税石が残っています。この島では、身長がこの石の高さ143センチに達すると、税金を納めなければならなかったと言い伝えられています。
中世イギリスにも人頭税は存在し、かのサミュエル・ピープス氏がその『日記』(世界の奇書の一つに数えられています)に次のように記しています。「今日の午後二人の男がそれぞれ帳簿を手に、人頭税を徴収にきた。帳簿を覗いてみると、私のことは、『サミュエル・ピープス、ジェントルマン、税額本人10シリング、召使2シリング』と書いてあった。わたしは文句も言わずそれを払った。これくらいで放免になるまいと思い、ずっと前から10ポンド用意していたのだ。でも、わざわざこちらから身分を明かす必要もないだろう。」(岩波新書・「ピープス氏の秘められた日記」より)少し補足説明すると、当時の男性の身分は、貴族を別にすると上からナイト・エククァイア・ジェントルマンの順で、エククァイアの税は一人10ポンドでジェントルマンの20倍でした。もちろん彼はジェントルマンからエククァイアに昇格しています。
近くは、イギリスのサッチャー氏が首相のとき人頭税(正式にはコミュニティー・チャージ=地域住民税)を導入しました。これは評判が悪く、メジャー氏が 廃止しました。
日本の地方税の均等割りも人頭税の一種です。平成16年税制改正で、同一生計の所得ある妻に対する個人住民税の均等割の非課税措置を撤廃する方針ですが、古今東西評判の悪い人頭税に近付いているのでしょうか。
■【税金雑学16】印税(04.3.4)
印税といっても税金とは関係ありません。古本屋で買った昔の本には本の後ろの著者や出版者などが書いてあるページに印紙のような物が貼ってあり、そこの著者の検印が押してありました。昭和のころまでの本には、「検印省略」という記載がその名残りをとどめていましたが、今ではそれもありません。
出版社から著作権者への報酬は、本の発行数に応じて何パーセントかが支払われますが、検印の数(発行数)に応じて支払われることが、出版社から見ると税金に似ているとか、収入印紙(税)に似ているところから印税という言葉が作られたようです(この部分は、重箱の隅というメルマガの記載を引用)。
細々と原稿料をいただく身でありますが、印税で税金を納める身になりたいものです。原稿の依頼お待ち申し上げます。
■e-Taxソフトの不具合(04.2.16)
前述の通り、名古屋国税局管内で電子申告がスタートしましたが、国税庁が電子申告用に無償配付しているe-Taxソフトで不具合がいくつか報告されているようです。私の耳に入っている不具合は、(1)減価償却が限度を超えてされてしまう(2)定率減税が25万円を超えてされてしまう(3)各種明細との整合性がうまくいかずそのため正常に送信できないというものです。もちろん早急に手直しされるとのことです。
スタートしたばかりですので、初期不良はつきものです。
■個人(個人事業者を除く)納税者の確定申告(04.2.4)
住宅ローン控除や医療費控除のある方、保険の満期などの一時所得のある方、年金受給者、二ケ所から給与を受けている方などの、簡単な確定申告は要領さえ分かれば十分に自分で作成することができます。
まず一押しは国税庁の確定申告書作成コーナーを利用すること(2月4日・5日は納税者の情報が他に漏れたとかでサービス提供を中断していましたが・・・。しっかりして下さい!!国税庁さん。情報漏えいなんて問題外ですよ。電子申告も心配になるじゃありませんか。)。申告書をパソコンでアウトプットできますので、とても便利です。
ちょっと相談したい時は当バーチャル事務所の「税金相談室」をご利用ください。でも、メール相談ですので、あまり複雑な案件には対応できません。また、少ない資源で運営しておりますので、あまりたくさんのご相談がありますと、回答が遅れます。
どうしても税理士を探したい向きは、税理士お探し隊なんかも便利。希望の条件にあった税理士を紹介してくれるそうです。私もその中に登録されているようなので、ちょっと宣伝です。
■名古屋国税局管内で電子申告スタート(04.2.2)
いよいよ名古屋国税局管内をかわきりに電子申告・納税がスタートしました。紙での申告は当面残りますので現時点では特段のメリットは感じにくいですが、私は必ず電子申告がスタンダードになると思っています。税務相談もインターネットで、申告もインターネットでという時代がやってきました。もちろん当事務所では電子申告に積極的に対応していく予定です。
■公的個人認証サービス開始(04.1.30)
1月29日より、インターネット経由で行政への申請を可能とする公的個人認証サービスが開始されました。市町村が発行する住民基本台帳カードに電子証明書機能が付加される形です。同ICカードは2月2日名古屋国税局を皮切りにスタートする国税電子申告・納税システムにおいても利用可能です。
私も29日さっそく市役所に行って発行を受けてきました。簡単な手続きで即日交付されました。3月 31日までは住基カード取得費用の500円だけで取得できます。顔写真付も選択でき、身分証明書としても使えます。住基ネットの問題点も指摘されているところですが、データ流出の有無はカードを持っているか否かには関わりないですよね。
■ストックオプション課税は「給与所得」と認定(04.1.21)
『海外の親会社から付与されたストックオプション(株式購入権)による利益が「一時所得」か、税額がほぼ倍になる「給与所得」に当たるかが争われた訴訟の判決が21日、横浜地裁であった。川勝隆之裁判長は「親会社が子会社の役員らにストックオプションを付与したのは、役員らの労務が親会社の利益になると認識して行ったもので労務の対価」として給与所得と認定。国税当局の課税は適法と判断し、原告側の請求を棄却した。ただ、過少申告加算税の課税は取り消した。
』(NIKKEI NETより)
一昨年・昨年の東京地裁判決では「一時所得」と判断を示していましたので、納税者側2勝1敗です。これから申告しなければならない方はますます悩ましいところです。対応策について近日中にUPさせていただきます。
■そろそろ確定申告の準備を(04.1.20)
今日税務署から確定申告の用紙が郵送されてきました。確定申告が必要な方は早めに準備をしましょう。還付申告は早く出せはそれだけ早く税金が戻ります。有料とはなりますが、簡易な還付申告については当事務所でも対応させていただいておりますので、お問い合わせください。
■国税電子申告・納税システム(その1)(04.1.13)
電子申告がいよいよ平成16年2月2日名古屋国税局管内の個人の申告を皮切りにスタートします。6月1日には全国に拡大します。国税庁の公表している資料と日税連の資料を元にシリーズで説明していきます。
(事前準備)
(1)税務署へ「電子申告等開始届出書」を提出・・・利用者番号・仮暗証番号・e-Taxソフト(無償です)が送られてきます。そのソフトをパソコンにインストールして事前登録手続きを行います。なお、e-Taxソフトのデモ版が国税庁にUPされています。「電子申告等開始届出書」は税務署に用意してあります。もちろん国税庁のHPよりダウンロードできます。
(2)電子証明書の取得・・・法務省が運営する「商業登記認証局」地方公共団体が運営する「公的個人認証局」(現時点では今月下旬から取得可能となる様です)や国税庁長官が定める民間認証局から取得します。費用に差はありますが安いもので10年間500円(公的個人認証局のもの)とのこと。
(3)もちろんパソコンとインターネット接続環境それにICカードリーダー・・・OSはウインドウズ98SE以降。私はMacユーザですが、バーチャルPCでエミュレートは大丈夫なのかまだわかりません。
今日私の所属する北陸税理士会で電子申告の研修会がありました。国税局の担当官と税理士会の情報システム委員会が講師です。私も20分程の時間説明役を勤めさせていただきました。
■【税金雑学15】フジサン・税金(04.1.5)
縁起の良い初夢に「一富士二鷹三茄子」というのがあります。その由来をインターネットで検索していると、次の文章にぶつかりました。
徳川家康である神君が駿府城に居る時、初ナスがあまりに高かったため、その値段の高さを「まず一に高きは富士なり、その次は足高山(愛鷹山)なり、其次は初茄子」と言い表したというもの(東京堂刊「故事ことわざ辞典」より)なんだそうです。なんでそれが縁起が良いのかまでは調べていません。(ご存知の方がいらっしゃったら教えて下さい。)この言葉を耳にすると私は、富士山の上に茄子をくわえた鷹が飛んでいるのをイメージしてしまいます。
ところで、税金関係には、「フジサンジョウ(富士山上)」という言葉があります。「不動産所得」「事業所得」「山林所得」「譲渡所得」の頭の字を並べたものですが、他の所得から赤字を差引ける(損益通算できる)所得を覚えるための言葉です。
平成16年税制改正において、この一画の「ジョウ」がなくなるらしいです。つまり、土地・建物などの長期譲渡所得の金額又は短期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、土地・建物などの譲渡による所得以外の所得との通算および翌年以降の繰越しを認めないこととされるそうです。初夢と違って、対象となる方にはあまりお目出度くない話ではないかとと思います。詳細が分かりましたら、「個人税務情報」にて解説します。
■あけましておめでとうございます(04.1.1)
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
昨年は、アクセスカウンタ100,000名を迎えた記念すべき年でした。次は1,000,000名の方にご来所いただき、ご愛用していただけるHPとなるべく精進して参ります。今年もご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。
おそらく、来所者の方もお感じだとは思いますが、当HPはデザインが際立って地味だと思っています。開設以来ほとんど大幅改定を行っておらず、相当古臭くなっているとも感じています。HP開設時に比べて、本業が忙しくなり、HP運営に割ける時間が減少しており、なかなか新機軸を打ち出せません。実現は確約できませんが、コンセプトないしはデザインをリニューアルしたいとは思っています。今年の抱負です。