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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2003年1月に読んだ本



角川書店 スニーカー文庫
放課後退魔録III 殺し屋と月見うどん /岡本賢一

あれ? いつから、連作短編に。いや、面白さは相変わらずなのだけど、連作短編だと、ちと、重さが足りない感じ。や、もともと、このシリーズって、わりと重いイメージがあったんだけど。……それはともかく、特に、第四話と終章が良いね。というか、やぱし、夏芽と九堂先輩、良いよね。あと、新キャラの、五郎八も、なかなか美味しい(^^;。

それにしても、次巻から、夏芽は、どうなってしまうのだ〜〜。って、いうか、なにか、話のテーマが違くなってるんですが。<や、そもそも、夏芽の話が、なんとなく軽く流されてしまった感じで、そこら辺、ちと不満。

参考:既刊の感想 → 放課後退魔録


角川書店 スニーカー文庫
アウトニア王国再興録3 でたまか 天下大乱篇 /鷹見一幸

あー、駄目。いかにも、鷹見一幸らしい、駄目っぽさ。この陳腐さ漂う背景と、下手で無駄の多いストーリー展開、いい加減、何とかしてください。作者の人は、そろそろ、自分の下手な部分を認識して欲しい、というか、もちょっと、プロの自覚を持って欲しい。<鷹見一幸って、好き勝手書いてるだけで視野が狭く、すごくアマチュア的だと思うのよね

そゆわけで、まだ、戦闘に入らず、ダラダラと無駄なイベントと、取ってつけたような展開だけ。全体的なバランスも悪く、まったくダメダメ、良いとこなし。終盤の展開も、あーあ、と、かなり呆れた感想しか出てこない。伏線は弱すぎるし、演出的にも駄目。やっぱ、鷹見一幸、頭悪すぎ。もう、前から言ってるように、頭使わず、お約束なストーリーだけ書いてればいいのに。

参考:既刊の感想 → でたまか


集英社 コバルト文庫
GLASS HEART LOVE WAY /若木未生

最近低迷してる若木未生の作品では、久々に、満足できる内容。って、各話ごとに、わりと出来の差が大きいんだけど。<まあ、5年前の作品とかも、混ざってるみたいだしなー。

そゆわけで、若木未生の作品の中では、私のいちばん好きなシリーズ『GLASS HEART』の最新刊。といっても、今回は、テン・ブランクの話ではなく、オーヴァークロームの話で、いわば、番外編みたいな内容。で、「LOVE WAY」と「アンダーエデン」辺りが、痛くて、ゾクゾクくるね。やっぱ、若木は、こういうギリギリで、張り詰めた内容のほうが、面白いと思う。……まあ、オーヴァークロームの二人も、そのファンたちも、ちと壊しすぎ、という気はするけど。ミュージシャンって、ああいうもんなのか(^^;。

あと、昔書いた「LOVE WAY」と、今の若木が書いた「II」を比較するという話だと、文章のキレや表現なんかも、やっぱし、昔の方が、ダンゼン良いという感想しか出てこないのが、悲しいというか、切ないよな。

参考:既刊の感想 → GLASS HEART


富士見書房 ミステリー文庫
DEAR4 貴方に言えない日曜日 /新井輝

もともと、かなり微妙なシリーズだったけど、もう、ダメダメだ。

ミステリーとして酷いのは、いつものことだけど、今回、恋愛モノとしても、かなりダメだと思う。主人公を代えて頑張ってるけど、もう、ネタが尽きてるのか、つまり、恋愛モノとしても、無理やりな感じがして、そもそも、見どころがない。…… 1日を 3回繰り返すというフォーマットも、初めから、無理があったけれど、構成的にも、いい加減、ぼろぼろだし、もう、限界だと思う。まあ、今更、このフォーマットを止めたら、作品としての特色がなくなってしまうので、問題あるんだろうケド。<あとがきによると、次回、短編かもしれないようなことが書いてあるけど、どうなるんだ?

参考:既刊の感想 → DEAR


角川書店 スニーカー文庫
さみしさの周波数 /乙一

せつない系の短編 4編。やっぱ、せつない系の乙一は、すごく良いな。

読んでる間は、「フイルムの中の少女」「失はれた物語」が印象的だったけど、心に残ったのは「未来予報」。「お前ら、いつか結婚するぜ」と未来を予報された二人の恋愛ストーリーなのだけど、こういう話、すごく好きっ。すごく綺麗っ。や、ここら辺の綺麗なセンスは、さすが、乙一という感じ。……他の作品も、なかなか良かったんだけど、ただ、全体に、ちょっと小粒で、ラストが弱い感じで、そこら辺は、ちと物足りなかったかも。


メディアワークス 電撃文庫
悪魔のミカタ(7) 番外編・ストレイキャット リターン /うえお久光

6巻、7巻と続いた番外編。この番外編は、結局、ちょっと、いまいち風味。特に、この7巻は、全体的に抑え目で、うえお久光らしい独特のセンスというものも、私的には、あまり感じられなかったり。

それにしてもだ。亜緒と由真のコンビは、素晴らしいよね〜。この小学生編な番外編は、この二人と一匹こそが全てと思うのだけど、逆に、ここまで強力なキャラが、本編に出ていないとは、どういうことだっ。次巻以降に登場したら、それはそれで、興ざめなんだけど(^^;。……逆に、主役の恕宇は、終始、可哀想な役回りで、そこら辺が、この番外編の物足りなさを助長してる予感。せっかくの小学生なんだから、もうちょっと、美味しい部分も加味すれば良かったのに。<そゆのは、日奈の担当にしたんだろうけどさぁ

参考:既刊の感想 → 悪魔のミカタ


メディアワークス 電撃文庫
いぬかみっ! /有沢まみず

おもしろいといえば、おもしろいんだけど、どうにも、くだらなすぎで、内容なさすぎ(^^;。

内容は、犬神、よう子におもちゃにされる犬神使いの話で、どたばたラブコメディ。有沢まみずというと、[文庫]『インフィニティ・ゼロ』が、わりと不安定なので、読む前は危惧してたのだけど、そういう点は、わりと問題なさそうな予感。といっても、雑誌連載モノのためか、各話ごとに、方向性がぶれる部分が、気になるといえば気になるのだけど。……とりあえず、まだまだ、これからという内容なので、今後に期待。


富士見書房 ミステリー文庫
ブラインド・エスケープ /樹川さとみ

最近読んだ中では、ダントツに面白かった〜。ノンストップ、ハイスピード、アクションって感じ? ……しかし、なんでこの内容で、富士見ミステリー文庫から出るんでしょ。ぜんぜん、ミステリーじゃないじゃん!! <まあ、富士見ミステリーで、まともなミステリーは知らないんだけど、それにしても、これは、ぜんぜん違うだろ(^^;

で、内容は、誘拐犯に仕立てられた少年と、誘拐された少女が、警察と敵から、逃げまくるという話。樹川さとみさんって、もともと、筆力ある人なわけで、いつもと違う芸風でも、ほんと面白い〜〜。や、牽引力があり、まったく退屈させない展開で、なにより、主人公二人の描写が、とにかくたまらない。解かり易く少年に引かれていく由貴も描写とか(^^;。まあ、樹川さとみさんが、コバルトで書いてきたのと違って、初挑戦のジャンルということで、リアリティの演出とかで、いまいちこなれてなかったり、多少、無理してるように感じる部分はあるのだけど、そんなのは、ほんとに瑣末なことで、もう、とにかく面白かったよ〜〜。

で、次作があるなら、きちんと「闘うメイドさん」で、希望(^^;。<樹川さとみさんが、きちんと「萌え」の文法を理解されてるのか、という部分でアレなんだけど。<って、萌え系の話なのか(^^;;;


メディアワークス 電撃文庫
放課後のストレンジ ユージュアル・デイズ /大崎皇一

おもしろかった〜〜。や、電撃の新人にしては、それなりに文章力もあるし。……それにしても、電撃の新人って、電撃ゲーム小説大賞経由がほとんどだと思うのだけど、このレベルで、なんで、賞を取ってないの??<確かに、突き抜けたおもしろさはないのだけど

内容は、超能力研究クラブの面々の話。や、とにかく、癖のある登場人物と、その人物関係が、凄く、おもしろいや。正義の鞘香とか、胡桃、皇莉、継也の関係とか。あと、わりと容赦ないのが、良いね(^^;。とりあえず、いかにも、続きがあります、という内容なので、続きに期待。や、むしろ、次巻の出来が、勝負でしょ。


集英社 コバルト文庫
緑のアルダ 石占の娘 /榎木洋子

榎木洋子の新シリーズ。わっ、こういうのを、待ってたんだよ〜〜〜。

『龍と魔法使い』『リダーロイス』と舞台を同じくする話。私は、『龍と魔法使い』を読んで、榎木洋子を買うようになったので、や、たまらないね〜〜。って、でも、『リダーロイス』のシリーズは、読んだことなかったりするんだけど(^^;。……とにかく、榎木洋子の他シリーズと比べて、この「守龍」ワールドは、めちゃおもしろいよね。

まあ、世界は同じといっても、時代は全く違うので、あくまで続編というわけではないけれど。でも、ヨールが出てくるし、そのうち、とうぜん、シェイラとかも出てくるでせう、というのはあるんだけど(^^;。そうすると、『リダーロイス』のシリーズも、やっぱ、読まないといけないかなー。


講談社 講談社ノベルス
冷たい密室と博士たち /森博嗣

素晴らしぃ〜。特に、ラストの 3ページぃ〜〜。や、前巻に比べて、犀川と萌絵の二人の関係が、ほんと、楽しい。まあ、今回、結婚がテーマだしなぁ、万歳!! って、でも、第二弾から、結婚をネタに扱ってたら、今後の展開が、たいへんなんじゃ。はっ、もはや、すぐさま、アレでソレな関係にっ!! <絶対ない

そゆわけで、S&Mシリーズの第二弾。今回は、山奥の研究所での密室殺人。って、また、密室殺人かー。や、前作同様、素直で親切な伏線が散りばめてあって、わりと解かりやすい予感。まあ、『黒猫の三角』もそんな感じだったので、ここら辺が、ミステリとしての森博嗣の特徴なのかしらん? でも、ただ、今作は、なんか、はじめから出入り口の用意されてるような密室条件だし、犯行方法も、綺麗に見えないのがなぁ。ミステリ的側面では、前作から、二周りぐらい弱まったと思う。いや、私的には、ミステリパートは、わりと、どうでも良いので、構わないけど。

参考:既刊の感想 → S&Mシリーズ


講談社 講談社ノベルス
笑わない数学者 /森博嗣

ひたすら素晴らしい〜〜。もう、電車の中で、にやけまくりで、変な人化。まさか、このシリーズが、ここまで、恋愛モノとして、ポテンシャルが高いとは思わなかったよ〜〜。萌絵の攻撃的な行動、さいこーーっ!! マジ、すごいっ。とにかく、傑作ですよ、これ。犀川の反応も、たまらないね〜〜〜。

そゆわけで、S&Mシリーズの第三弾。今回は、二人で、クリスマスパーティー、しかも、泊り込み、という話。ミステリ的には、今回のトリックは、本の裏表紙のコメントにもあるとおり「自明」なので、以下略。や、もはや、ミステリは演出的な要素に過ぎない予感だし。<しかし、その裏表紙のコメントも、ほとんど、「ミステリとしてはダメだが、物語としては面白い」と言ってる様なもので、ミステリとして売ってる本のコメントとしては、かなり、身も蓋もないよな(^^;。

参考:既刊の感想 → S&Mシリーズ


講談社 講談社ノベルス
詩的私的ジャック /森博嗣

ぜんぜん、解からなかった(大汗;。や、そもそも、この巻は、今までのS&Mシリーズの、素直で親切な作風とは、意図的&実験的にパターンを変えてあって、内容も、美人女子大生、連続殺人事件、しかも、下着姿で死亡、という、○○サスペンス劇場ですかー、という感じだし(^^;。<結局、全体に、ミステリを遊んでる感じで、論理的な要素は減じてる予感

で、恋愛ストーリー的には、この巻辺りが、シリーズ内で、前半の最大の見せ場に位置すると思うのだけど、なんだか、いまひとつ。や、この巻では、わりとまともに、恋愛モノとして、萌絵の内面を描こうと、踏み込んでるのだけど、あくまで、ミステリに軸足を置いた書き方なので、だからこそ、恋愛モノとしては中途半端で、物足りなさを感じてしまう。そもそも、萌絵の内面を描くよりも、じゃれあってる二人を描いてくれた方が、面白いんだけどなぁ(^^;。

参考:既刊の感想 → S&Mシリーズ


講談社 講談社ノベルス
封印再度 /森博嗣

最高傑作級ぅ〜〜〜。とにかく、めちゃくちゃたまらない。もうもう、ごろごろ、うきゃ〜〜。うわ〜、うわ〜、とにかく、とにかく、犀川と萌絵、さいこー。はははははっ、すごいッスよ〜〜。もうもうもうもう、はうはうはうはう、うきゃ〜〜〜〜〜〜〜〜。

そういうわけで、S&Mシリーズの 5冊目。とにかく、素晴らしい。クリスマスと言い、その後のアレと言い、もうもう、さいこーーー。この二人、ほんとに楽しすぎる〜〜。や〜、もう、めちゃくちゃ良いよ〜〜。あと、叔母様もナイス。とにかく、面白かった。面白すぎ。とりあえず、読めっ!! > ALL

参考:既刊の感想 → S&Mシリーズ


講談社 講談社ノベルス
幻惑の死と使途 /森博嗣

というか、杜萌は、どうしたー。<次巻を読め、ということなんだろうけど(^^;

や、ある程度、二人の仲が進展した段階で、新たな恋愛軸を模索するのは、恋愛モノとして当然なわけだけど、杜萌登場で、浜中と顔合わせ、そうきたかー、と、思ったとたん、杜萌退場で、がび〜ん。さらに、村瀬登場で、ががび〜〜ん。オレに、どうしろと(T-T)。<なにか、ちがう……

しかし、トリックは、久々に、だいたい読めたんだけど、ただ、最後の説明も、全部、疑問な部分が説明されてない予感で、きちんと納得させてもらえないのが、にんとも。あと、シリーズの最初の頃は、素直で親切に、行間にトリックの答えが書いてあった風なので、それなりの読解力があれば、だいだいラストまで解かるような作りになってると感じたのだけど、ここ数巻は、前半は、ただ材料を提示してるだけ、という感じで、本来、ミステリって、こゆもんかもしれないけど、私、基本的にミステリを読まない人なので、ちとツライ。や、犀川と萌絵の関係も、一段落してしまってる予感で、ちと、ピンチ。

参考:既刊の感想 → S&Mシリーズ


エンターブレイン ファミ通文庫
黒闇天女にご用心 ビンボー神は女子高生!? /伊東京一

“あの伊東京一がハートフルコメディに挑戦!”ということなのだけど、ダメ。今までどおり、シリアス系の異世界ファンタジーを書いてた方が、断然良いと思うぞ。

そゆわけで、ファミ通文庫らしい、軽くて内容のないコメディ。それなりに個性のあるヒロインを揃えてはいるけれど、全く萌え的な要素がないのが、マイナス。コメディとしても、道具立てが悪い予感。あとがきに、作風を変えてることを、冗談風に“今の世の中軽いストーリーの方が売れる”とか書いてるのだけど、もしかして、舐めてる? 他の軽い作品は、軽いなりの魅力があるわけだけど、単に、軽いだけじゃ、最悪だろ。いや、極端につまらないわけではないけれど、なんだかなー。

あと、この作品が不幸だったのは、イラストの人が、ポイントを外しまくってるんだよな。や、ゲーム原画やソレ系の雑誌で描いてるんなら、ちゃんとツボを押えろよ。いや、編集サイドのカップリングというか、人選ミスの予感もするけど、もう、なんとかしろ〜〜。


講談社 講談社ノベルス
夏のレプリカ /森博嗣

すげ〜、素晴らしすぎる、最高傑作。もう、ラストでやられた、こんちきしょ〜〜。最終章のチェス以降が、とにかく秀逸。もうもう、素晴らしすぎる〜〜。

そゆわけで、S&Mシリーズの 7冊目。そして、前巻『幻惑の死と使途』とペアになる本。兄 x 妹。しかも、兄は、詩人。さらに、どことなく、リリカルっぽいタイトル。や、これは、期待、大期待ぃ〜〜、と思ったら、萌え的なテイストが、ぜんぜんないじゃん。加えて、予想通りに、犀川と萌絵の絡みもほとんどないし、ダメダメだぁ〜〜。トリックにしても、どうせ、アレがコレでこうなんでしょ、つまんね〜〜、と思っていたら、がび〜〜〜〜〜ん

もうもう、とにかく、ラストの萌絵の描写がたまらない〜〜〜。ああいうの、すごく好きなのよ〜〜。や、犀川も良いよね〜〜。ほんとほんと、とにかく、良かったよ〜〜。あ、あと、事件の真相は、完全に読み違ってたよ(汗;。や、悔しいので、きちんと検証をしたい気持ちもあるのだけど、ラストの感動がすごくて、それどころじゃないというか、あああぁ、いや、ほんと、いいわ、これ〜〜。

参考:既刊の感想 → S&Mシリーズ


エンターブレイン ファミ通文庫
まじしゃんず・あかでみい I 女神降臨!? /榊 一郎

なるほど、鈴穂ちゃんですねっ!! ……って、でも、正直、いまいち(^^;。

そゆわけで、召喚された謎の人外と眼鏡っ娘幼なじみが、主人公を取り合う、萌え系な内容。でも、文体も描写手法も、萌え的な内容にあってないのが、にんとも。結局、単に、そういうお約束なイベントを並べただけで、演出レベルまでは、萌え的な要素が意識されてないので、結果として、各イベントのインパクトが非常に弱くて、物足りない。特に、三角関係が、話のベースにあるのに、恋愛描写が淡白なのは、問題だよなぁん。や、萌えを理解してない人が、萌え系の話を書こうとして失敗した、解かりやすい例だと思う。

この人の小説を読むのは、たぶん初めてなのだけど、まあ、あとがき読むと、萌え系は、はじめてみたいだから、仕方ないかなー。そもそも、作風とあってない予感もするし。や、萌え系の話って、内容なさそうなので、書くの簡単に見えるけど、たびたび「萌えって、なんじゃろ?」という話をみかけるぐらいなので、きちんと把握できてない限り、手を出すべきじゃないと思うのだけどな。


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