初短編集。祈梨の家にお泊りして新婚さんな雰囲気を味わう「HのあとにはIがある?」が、もう、くらくらです。あと、変化球として大笑いだったのが「Bは何でも知っている?」。鈴蘭、なにやってますかっ(爆笑)。鈴蘭は、どんどんお茶目なギャグキャラになってくなぁ〜〜。……全体にコミカルな印象の作品が多かったのだけど、今後もこういうラブラブあまあまなコミカル路線で進めて欲しいところです。
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既刊の感想 → 初恋マジ カルブリッツ
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あずみん、
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ダメ。キャラはぜんぜん可愛く書けてないのが致命的。あと、そもそも、作品全体が非常に雑に書かれてるようにしか見えないのが、にんとも。
そゆわけで、下ネタ満載で下品なシリーズ第2段。クラスメイトの華さんも、もしかして宇宙人?という内容。前巻と同様、下品でエッチな内容なのだけど、この2巻は下品なだけで、ストーリー的にはあまり見るべき部分がありません。なんといっても、キャラが魅力的になるように描かれてないのがダメダメ。あと、これも前巻と同様に、まるで新人の書くような下手な文章はなに? ……う〜ん、『星くず英雄伝』は好きだったんだけど、どうも最近の新木伸は、ちょっといまひとつなんだよなー。
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既刊の感想 → S式コミュニケーション
うわぁ、ネフィシカ怖いよ、怖すぎだよ〜。……衰えの目立つ女王バンディーカを中心に、その子供たち―ネフィシカ、グラーシカ、イーダルの思惑が描かれたのが今巻。カリエは今回、完全に脇役なのだけど、サルベーンも含めてフォローがあるのは次巻以降かしらん? なにはともあれ、ネフィシカ怖いよ〜。
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既刊の感想 → 流血女神伝
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葉月さん、
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恋愛に絡めたちょっと不思議な話を集めた短編集。いやぁ、「奇跡のラブ・ストーリー」という帯から予想したほどには、恋愛色は弱いものの、私が本多孝好に求めていたテイストのちょっとせつないお話で、なかなか良かった。……ただ、本多孝好の描く高校生はかなり無理を感じるので、そこがちょっと残念だ(^^;。
FINE DAYS
放課後の教室で不思議少女と出会う、という話。いや、いかにも30代の作者が無理して考えた高校生像、といった感じで、いやん。ストーリー的には、せつなくて良かったのだけど……。
イエスタデイズ
素晴らしいっ!! 勘当同然に家を出た主人公は、ある日父親から呼ばれる。残り数ヶ月の生命となっていた父に、その父の昔の恋人を探すように頼まれる、という話。父と息子を中心とした不思議な心の交流と、理想のまぶしさと現実の力強さを描いた内容は、せつなく綺麗で、ほんと素晴らしい。オススメ。
眠りのための暖かな場所
幼い頃に妹を亡くした女性が似たような影を感じさせる後輩と出会う、という話。ありがちなネタをぼんやり書いてしまったような内容で×。いや、キャラはむしろ非常に良かっただけに、ガッカリだなぁ。
シェード
クリスマス。以前から狙っていたプレゼントを買いに行くが、すでに、それは買われた後だった……。や、綺麗に纏まった良作。ちと、小さく纏まりすぎてる感もあるけど。
とつぜん、そういう展開かよっ!! いや、必ずしも突然ということではないのだけど、これだけ魅力的なキャラクターを配置しておいて、あくまで謎解きが中心で、キャラクターたちのアレコレにページを割くことがほとんどないので、そこに到るまでの過程が最低限しか描かれてないのよね、しょぼん。
家の外ではサーバルタイガーなお嬢様探偵千秋さんが謎を解く、シリーズ三冊目にして最終巻。兄貴と歌って踊れる編集者の静さんが結婚し、いよいよ、良介と千秋さんはどうなる?といった内容。……って、やっぱ、これだけ魅力的なキャラを揃えて、あくまで謎解き中心というのは、もったいないよなぁ〜。まあ、小説としては、十分以上に面白いんだけど。
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既刊の感想 → 覆面作家シリーズ
茶州で奇病が流行りだし、謎の新興宗教・邪仙教が州牧への敵対を示しながら勢力を伸ばし始める。影月編、全3巻の中篇。……まあ、中篇なので次巻を読まないことにはなんともいえないけれど、それでも、強いて言えば、いまいち。今巻の見どころは、秀麗の必死の交渉ということなんだろうけど、正直、作者の描きたいことと、実際の描写が空回りしてるようにしか読めませんでした。いや、秀麗の今の立場での強引な交渉を描くことがそもそも難しい、というのが根本にあるんだけど、そこの部分についてまともにフォローもせずに下手に逃げるだけで、また、交渉相手にしても、前巻から構成から考えると、それじゃダメだろ(^^;。まー、なにはともあれ、次巻次第なんだけど、前巻が良かっただけになー。
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既刊の感想 → 彩雲国物語
微妙というか、いまいち。まあ、新人相応かしらん。九条院アリスのキャラはそれなりにいいんだけど、ストーリーの組み立てや演出は、「作者の意図はわかるけど力量不足だよねー」という部分が散見されて、ちと残念。
お嬢様の九条院アリスは、婚約者(下僕)の鬼百合三月との日常を謳歌していた。そんな九条院アリスの前に「三番目」を名乗る殺戮人形が現れる。九条院アリスは、実は、ロストテクノロジーにより生まれた改造人間だったのだっ!! ……まあ、基本的には、王道的なストーリーだったり設定だったりするのだけど、「王道だからちょっと展開や演出を工夫しよう」としてる部分がどうにもちぐはぐで、上滑りしてる感が強いのがなー。そもそも日常も戦闘シーンも全体に描写が今ひとつだと思うのだけど、まあ、キャラは類型だけど悪くはないので、今後に期待かしらん。
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コモリケイさん、
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短編集2冊目で、シリーズ最終巻。とりあえず、編集者、バカですか?<をい。や、この短編の中で、「雨(後編) fandango」を最後に持ってこなくて、どうするよ。……作品としては文句ない内容。なんといっても、「雨(後編) fandango」が、シリーズのラストを飾るに相応しいものでした。
そゆわけで、これで『半分の月がのぼる空』も最後となる短編集。本編自体は、6巻で完了していて、今までの短編を集めた、あくまで短編集という位置付け。全体的には、「短編集ならこんなもんかなー」という感じの可もなく不可もなしといった作品が多いのだけど、書き下ろしの「雨(後編) fandango」が、今までの想いを散りばめた大団円的な雰囲気を纏った作品で、非常に良かったです。だからこそ、あれはラストにもって来るべきだと思うんだがな〜。一応、シリーズラストなのに、普通の短編集な構成にするなんて、何も考えてないとしか思えないのだけど。
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既刊の感想 → 半分の月がのぼる空
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やっぱり、ともはねは和むなぁ〜。……啓太、ようこ、ともはね、カオルの日常。薫がいなくなって第二部スタートという位置付けのハズなんだけど、内容はぜんぜん変わってねぇ〜〜。いや、一応、ドタバタが減じて、まったりとした雰囲気が強くなっていたり、各キャラもいろいろ成長してたりするんだけど、もっと大きく変わるのかと思っていたよ。まあ、まったりとした内容も悪くはないけど、正直、ちょっと物足りなく思ったりも。
参考:
既刊の感想 → いぬかみっ!
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短編集第2段。前回の短編集はいまいちだったのだけど、今回の短編集はおもしろかったです。や、前回は薄っぺらいギャグ主体だったのが、今回は、必ずしもギャグ中心ではなく、本編では書けないキャラの別の一面を描くのに成功してる予感なのが、勝利の鍵。中でも気に入ったのは、セイがミミコの家に遊びに来る「特区の少年王」と、かつてのアリス、カーサ、ジローを描いた「古城の一夜」といったところかしらん。
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既刊の感想 → BLACK BLOOD BROTHERS
めちゃくちゃおもしろい。“SFを超えるサイエンス・ノンフィクション”という帯の煽りがまさしく正しい。ほんと、SF読むならこれを読めっ!! と言いたくなる勢いでおもしろかったです。
最新の宇宙論からパラレルワールドの存在とやがて訪れる宇宙の死を示した上で、この宇宙が滅びる前に別の宇宙へ脱出する方法について検討を行ったのが本書。まあ、「別の宇宙へ脱出する方法」についてはむしろ蛇足感が強いのだけど、最近の宇宙論でよく耳にするところの、インフレーション理論、量子重力理論、ひも理論、M理論、人間原理という辺りを、上手く読者を引き込むような筆致で解説してあり、非常におもしろい。ていか、作中でやたらといろいろなSF作品を引き合いに出して解説してるのだけど、それらのSFと似たようなスタンスでこの本も書いてるだろ(笑)。まえがきによれば、“予備知識がなくても読んで理解できるように”ということなので、詳しい人には食い足りないこともあると思うけど、ほんと、楽しませる内容に仕立ててあってオススメ。ひもとかは漢のロマンだしなっ。
だはははっ、ダメだろ(笑)。や、主人公の38歳の元刑事がかなりダメ人間。なのに、モテモテなのは、一体(^^;。主人公が女性たちに振り回されつつ事件を解決すると言った話なのだけど、うわぁ、とにかく、ラストの見せ方がにくいなぁ〜〜。
柚木草平シリーズ第一弾。元は講談社で出ていたものが、東京創元社で復刊ということらしい。元刑事でフリーライター兼私立探偵の柚木草平は、妻子と別居中。そして、私生活でも調査でも出会う女性は美女ばかり。ハードボイルドを気取る彼の周りは女難の相がいっぱい、といった内容。ミステリーというより、○曜サスペンス劇場といったノリに近いと思ったら、既に、そういう2時間枠でドラマ化もしてたわけね。一言で言えば、「中年男性向けファンタジー」という表現がピッタリで、「読者の妄想を形にしました」的な部分が強くて、正直、そういう部分がちょっと鼻につくのだけど、まあ、いろいろな女性に振り回される主人公、というのは、単純におもしろいかしらん。そんな女性キャラの中では、特に、夏原祐子が良いキャラしてるのだけど、ただ、解説を読むと続刊以降で出なさそうなのが、ちょっと不安だなぁ。
『クリスタルサイレンス』の短編2篇を含む、計5篇からなる短編集。藤崎慎吾の作品は、今まで長編の『クリスタルサイレンス』と『ハイドゥナン』を読んでて、長編だとネタが詰め込みすぎで却ってピンボケな印象が強かったのだけど、今回読んだこの短編集は、さすがにそういう散漫な部分がなく、ふつーにSFとしておもしろかったです。どれも、良い意味で「お約束」で「順当」な展開なのも、ぐっど。特におもしろかったのは、「猫の天使」かな。
とりあえず、各短編について、簡単に↓。
レフト・アローン
『クリスタルサイレンス』のサイボーグ戦士ジロウの話。まー、『クリスタルサイレンス』の短編として、可もなく不可もなし。
猫の天使
生物医学の研究者が猫の脳みそにチップを埋め込んで、猫の視神経の信号をハックする。果たして、猫の見る世界とは……。ネタ的にはお約束なんだけど、お約束なだけに順当におもしろい。オチも好み。
星に願いを ピノキオ二○七六
『クリスタルサイレンス』のネット世界の人たちのその後の話。予定調和的にせつなく、なかなか。
コスモノーティス
人型を捨てるほど宇宙環境に適応進化した人類たちの物語。変な人類たちがコミカルでかつ、ロマンがあってなかなかおもしろい。人称が“君”なのもミソ。
星窪
『ハイドゥナン』でもネタにされた石の記憶の話。可もなく不可もなし。
参考:
既刊の感想 → クリスタルサイレンス、ハイドゥナン
魔法で呼び出されるランプの魔神が、ツンツンした高飛車お嬢様というシリーズ2冊目。キャラの配置が悪いように感じたのでシリーズ化して続きが出てもコけるだけ、と思ってたのだけど、すみません、きちんとおもしろかったです。ただ、萌えを中心とした恋愛部分は弱めで、あくまでコメディが中心になっているので、その点はちょっと残念。あと、こういうタイプの話は、主人公は語り部的な存在で、あくまでお嬢様の座堂シエラを中心に描くべきだと思うのだけど、主人公の新木陣が目立ちすぎてるのも、なにか間違ってるとは思ったり。
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既刊の感想 → ぷいぷい!
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iris6462さん、
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まさとさん、
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そのエピローグは、なにかいろいろ違うだろ〜〜(笑)。や、宇宙空間における真空の恐怖が非常によく描かれた作品で、ほんとにおもしろかったです。特に、事故直後のシーンは凄すぎるよなぁ〜。
そゆわけで、地球軌道に浮かぶ宇宙ステーションで大事故が発生。真空に晒され、多くの人たち死んでいく。たまたま気密が保たれたいくつかの区画に、わずかに残された人たちは、互いに連絡を取り合い、生存への道を探るが……。なんといっても、事故直後に二ノ瀬の目にするシーンが凄まじいよなぁ。とにかく、あのインパクトが凄いこと、凄いこと。その後の展開も、緊張の連続で、とにかく読ませる内容に仕上がっていて、ほんと、おもしろい。……ただ、ヒロインが、全く魅力がないのは、ちょっとどうかと思うのだけど(^^;。
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somaruさん、
deltazuluさん、
yama-gatさん、
FOOLさん、
がるさん、
adramineさん、
INNさん
びみょー。なのだけど、この巻は「いよいよこれから」というところで終わってるので、まあ、次巻次第かしらん。内容的には、あと四日で滅亡する世界での「終末の過ごし方」でループもの。それにしても、基本的な設定というか舞台背景が「穴ありまくりで突っ込みどころ満載だけど気にするな」という作りなのに、わざわざ、その突っ込みどころありまくりな部分に触れようとする展開は、正直、かなりどうかと思うんですけど。ただまあ、キャラと雰囲気はいい感じに仕上がってるのが、なによりも魅力。甲子園が素晴らしい〜。や、なにはともあれ、次巻次第だなー。
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kanadaiさん、
t-snowさん、
deltazuluさん、
INNさん、
コモリケイさん、
永山さん、
somaruさん、
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