シリーズの集大成とも言える、とても綺麗で素晴らしいフィナーレっ!! ……でも、ラストのレモンパイは反則だと思う。
シリーズ最終巻。遠子先輩の両親の死の真相と、そして、遠子先輩、流人、ななせ、心葉の終着点は……。という感じで、心葉も流人も、やっぱり、どうしようもなくヘタレだ。そして、とことん ななせ を虐めるようなストーリー展開に、とにかく ななせ が不憫すぎる(T-T)。……そんな全てを巻き込んで、シリーズの全ての想いを積み上げた心葉の叶子との対峙から決意に至るラストシーンは、素晴らしいの一言。涙なしには読めない内容に、語る言葉を持ちません。ほんとうに素晴らしい作品でした。
[ “文学少女”シリーズ ]
ベタな展開だけに、読んでるこっちが恥ずかしくて、イタすぎるよっ!! ……ただ、あまりにそのまんまな展開すぎるので、もうちょっと捻りがあっても良かった気も(^^;。
そゆわけで、昔書いたネット小説のキャラが、忘れたい記憶とともに現実化してやってくる、というイタイ設定が話題だった前作。今回は、熱くなった主人公が、思い込みで突っ走ったあげくイタイ展開にっ!! という、やっぱりイタいゾ(笑)。一巻に比べると、ネタは薄くなっている感じだけど、逆にネタに寄らずにふつーに楽しめるようになってきた印象。新しい設定も追加されてきているところを見ると、それなりに長いシリーズを想定してるのかしらん? イタイ展開だけでなく、拓巳、桜、火琉奈の三角関係にもわりと期待してたり。火琉奈も、桜も、生き生きしたキャラになってきていて、楽しみだなぁん。
[ セキララ!! ]
むちゃくちゃおもしれぇーーーっっっ!! や、近未来の月を舞台にした、地球外文明との戦争を描いた作品なのだけど、その SF的な設定と演出が、ホントむちゃくちゃおもしろいぃぃぃっ!!
2025年、わずかに月に進出し始めていた人類は、突如、謎の地球外文明のロボットによる攻撃を受ける……。という感じで、近未来の月を舞台にした異星ロボットとの闘いっ!! なんといっても、月面上での物理特性を細かく説明しつつ描写された戦闘が秀逸っ!! そして、異星ロボットの謎を散りばめながら展開するストーリーが、おもしろいおもしろい。近未来ハードSF風に細かく設定&説明する演出と、地球外文明との戦争というキャッチーなネタが、うまく融合していて、ほんと面白かったです。特に、今巻のラストのオチはえげつなくて好きだなぁ。
ただ、キャラが幼稚なのが珠にキズ。いや、ヒロインのツンデレはああいうキャラだから仕方ないといえ、どうにも、登場人物たちの、全般的な行動や思考が幼稚なのはいただけない。仮にも、選抜されて月に来た、良い年した大人という設定なのに……。こー、林譲治は他作品でも、わりと大人を描くのが苦手な感じなので、せめて、少年少女を主人公にすれば良かったのに。一応、ライトノベルレーベルなんだし……。
あと、挿絵があまりにしょぼいのは、もうちょっとどうにかならなかったのかなー。というか、あれなら、正直、挿絵いらんだろ……。
[ ルナ・シューター ]
本格的な歴史小説に、ロボット登場って……、どういう読者層を狙ってるんだ(笑)。明智光秀vs雑賀孫市っ!! 燃えるぅ〜〜〜。
明智光秀配下の少年、小平太を主役に、織田軍と一向宗、石山本願寺との闘いを描いた本格的な歴史小説。何故か、ロボット「羅刹兵」が出てくるけどなっ!! いやぁ、その羅刹兵の登場シーンがとにかく秀逸。すっかり騙されたよ、巧いなぁ〜〜。めちゃくちゃおもしろいっ!!
基本的には史実そのままで、一部分だけフィクションを交えた解釈で描きかえるのは、私的には、[漫画]『修羅の刻』を彷彿とさせるような内容。ていうか、『修羅の刻』の織田信長編同様、敵将は雑賀孫市だし、当然、ラストは本能寺だろうし。これで、蛍も出てきたら最高なんだかなー。<をい。……というか、さっぱり女性キャラが登場しないのは、ライトノベルとして、どうよ? 無駄に薀蓄が多いのも、エンターテイメントとしてはバランスが悪いと思う。
それにしても、そもそも歴史小説を出してくるって、初出の講談社ノベルスや、今回の幻狼ファンタジアノベルの狙うターゲット層と合致してるのかしらん? や、私も、山岡荘八とかの歴史小説を読んでだ時期はあったので、そんなに違わないのかもしれないけど。
[ 天魔の羅刹兵 ]
青春だっ!! 青春すぎるよっ!! うわぁ〜〜、若さを爆発させてる覚野が、とにかくもう、可愛いこと可愛いこと。<をい ……そして、ヤバそうなフラグばかり立てまくる展開は、続きがすげー怖いんですが(^^;。
少しずつアンゲルゼ化が進行する陽菜。そんな悩み苦しむ陽菜も、とうとう、初めての実戦へ……。というわけで、戦時下の世界を舞台に、主人公を過酷な状況へ追い込むことで定評のあるシリーズ第三巻。相変わらず、追い込まれていく陽菜だけど、今回はそれよりも、周辺のキャラに対するフラグの立て方が凄い印象でした。というか、いかにも未来のない敷島の立ち振る舞いには、もう、涙なしには読めません(T-T)。ラストの台詞が、またもう、凄いなぁ。次巻は、冬か。各キャラの行く末が、気になって仕方ありませんっ!!
[ アンゲルゼ ]
あうあうあうあう、うきゅぅぅぅ〜〜〜。もうもうもうもう、くらくるするよぉ〜〜〜〜。……って、だははははっ。海月〜〜〜。だんだんだんだん、はきゅぅ〜〜〜〜。
と、久々のGシリーズ。萌絵が東京に行ったため、萌絵を口実に海月に会う機会が減った加部谷。そして、久々に会った海月が大学を去ると聞き、加部谷は……。というわけで、萌絵の出番が減り、この作品の魅力も半減か? と思ったのだけど、いやぁ、加部谷が、頑張る頑張る。特に、図書館以降の加部谷がさいこーーーーーーーっ!! そして、海月は、なんじゃそりゃ〜〜〜。……そして、赤柳の探る真賀田を巡る謎もスケールの大きさを見せるようになり、いやぁ、続きがめちゃくちゃ楽しみですっ!!
[ Gシリーズ ]
相変わらず、頭の悪い会話に、気の抜ける戦闘が楽しすぎるっ!! そして、重要な役どころにも関わらず、脈絡なく登場しておざなりに退場していく吸血鬼勢力の扱いはどうよ(爆笑)。いや、この独特なノリは、やっぱ、面白いなぁ〜〜。
そゆわけで、藤堂家に居候する、神話的な世界からやってきた愉快な二人を描いたシリーズ第三弾。今回は、春菜の親友の沙紀は実は……、といった内容なのだけど、ストーリーはあってないようなもんだよな、コレ。あくまで、バカなノリを楽しむ内容(笑)。……とはいっても、確かにノリは楽しいのだけど、あまりにノリ以外に見るべきものがないのも、ちょっとどうかと思ったりも。贅沢かしらん(^^;。
[ 藤堂家はカミガカリ ]
はにゃあぁぁ〜〜〜〜、支倉凍砂イヅナ可愛いよ。可愛すぎるぅぅ〜〜っ!! そして、ネタ中心のコミカルな内容は、なかなか楽しめました。……ただ、どうせならもっとネタに突き抜けてくれればよかったのに。すごく中途半端なのが非常に残念。こういう作品って、とことん内輪向けネタで突っ走るか、そもなければ、内輪ネタは最小限に抑えて、イヅナ中心の萌え系ラブコメに徹するべきだったと思うんですが。
池袋に集まるライトノベル作家たちは、みんな化け物ぞろいだった……。という感じで、杉井光、支倉凍砂、上月司、風見周、鈴木大輔、あざの耕平、有沢まみずといった実在のライトノベル作家をモデルにしたキャラたちの日常を描いた作品。とにもかくにも、ツンデレ狼の葉隠イヅナ(支倉凍砂)が、可愛いこと可愛いこと。もう、ヒカル(杉井光)とイヅナ(支倉凍砂)のラブラブな関係に、にやにやがとまりませんっ!! イヅナ(支倉凍砂)の可愛さだけで、ホントめちゃくちゃ楽しいっ!! くらくらするよぉ〜〜。イヅナっ!! イヅナっ!!
ただ、内輪ネタに走るあまり、おざなりになってしまっているストーリー展開は、どうにもラブコメとしては物足りないし、逆に、その内輪ネタは、そんなに突き抜けてるわけではないので、そこは残念なんだよなー。自主規制的に、中途半端に抑えてしまっている印象。……いや、こういう内輪ネタは、むしろ、読者があきれるぐらいに突き抜けてないと、駄目だと思う。
[ ばけらの! ]
だははははっ、ラストは爆笑っ!! ……なのだけど、全体的には酷い出来。う〜ん、いろいろな要素を突っ込んではいるんだけど、それらはむしろ、無駄が多いだけで、方向性が定まっていない印象なのよな。ハーレム系のラブコメならラブコメで、描くべきポイントが違うだろっ!!
っていうか、1巻で強調されていた女装&TS的な部分は薄くなり、タイハンとの闘いもうやむやになり、作品としての“売り”がさっぱり定まってない。どうにも、作者の人の「いろいろ試しながら、手探りでストーリーを進めてます」的な部分が、ちょっと目に余るんじゃないかしらん? さすがに、もうちょっと書くべきものを整理して、方向性を定めてくれないと、正直、売り物としての体裁が整ってないと思うんだけどなー。
[ ぷりんせす・そーど! ]
なるほど、夢枕獏が帯にコメントを寄せるわけだっ!! 一人の漢の圧倒的な迫力が魅力的な作品。もう、勢いだけで無茶苦茶やってるのが、すげーすげー。がしがしガジェットを突っ込んだ、めちゃくちゃ強引なストーリー展開。とにかく、猥雑で荒々しく、粗野で無軌道な話だなぁ。
虎の刺青をした野生的な漢・フォイルは、己を見捨てたヴォーガへの復讐だけを求め生きるっ!! という感じで、ストーリーも設定も荒削りで無茶苦茶なんだけど、有無を言わさぬ強引で荒々しい迫力だけで魅せる作品。いきなりタイポグラフィの演出なんかも入っていて、いかにも勢いだけで実験的に書いたというノリは、ホント素晴らしい。……っていうか、50年前に刊行されたSFの古典で、名作とか傑作とかいう呼び声が高いらしいけど、むしろ、B級エンタテイメント的なノリで、怪作とか奇作とか、そんなタイプの作品だと思うんだけどな(^^;。
[ 虎よ、虎よ! ]
ゴミ。いや、謎のないミステリ、ラブのない恋愛モノのなにが面白いんでしょうか? ……確かに、いつもの早狩武志らしい作品ではあるのだけど、それなのに、悲しくなるぐらい面白くない。優秀なシナリオライターが必ずしも優秀な小説家ではないということかなぁん。
幼なじみが妊娠。隠された相手は誰だ? という話で、一応、“ミステリー”と銘打たれてるのだけど、はじめから犯人はバレバレなところで、単に、いつ探偵役はそれに気づくか、という話で、そりゃ、ミステリーになってないだろ。だからといって、恋愛モノとしても、青春モノとしても微妙すぎ。当然、キャラ萌えにもなってない。結局、読者として楽しむような要素が皆無。この作品って、作者が楽しんで書いてるんだろうな、とは思うものの、読者が読んで楽しむようには書かれてないのよ。これを商業出版で出すには、あまりにアマチュアすぎる。それこそ、ゲームだったら CG や音楽でデコレートすれば、売り物になるかもしれないけれど、文章だけではダメだろ。そもそも、それを文章だけでも売り物にするように修正させるのは編集の仕事だと思うんだけど、なんでこのレベルのものを出版してるの?
[ ハーフボイルド・ワンダーガール ]
最高傑作級ぅ〜。いやぁ、笑える小ネタを散りばめつつ、まったりとした日常の描写が、おもしろいおもしろい。一言で言えば、平坂読版の生徒会シリーズ(→感想) なんだけど、これは素晴らしいっ!!
たまたまラノベ部に入部したラノベ初心者の文香と、ラノベ部部員たちのまったりとした日々の活動を描いた内容。当然、ライトノベルに纏わる小ネタがふんだんに投入されていて、笑える笑える。そして、その小ネタだけでなく、主人公の天然娘・文香や、無口で百合属性な暦といったキャラクタたちも、とにかく魅力的。天然系の文香と、まったりとした優しい雰囲気の日常が、ほんとにいいなぁ。よう太の描くイラストも非常にマッチしていて、文句の付け所もなく素晴らしいっ!! いやぁ、作品の根底には、ライトノベルへの愛情も感じさせて、ライトノベルを読む方々には、広く読んでもらいたい作品です。おすすめっ!!
[ ラノベ部 ]
ラストのタバサがかっこいいっっっ!! そして、レモンちゃんってなんだよっ!! もう、サイトとルイズの関係は、ダダ甘くって素晴らしいですっ!! ……それにしても、戦闘はほとんど要らんという話はあるとはいえ、あまりに呆気なかったよなぁ。
ガリアとの戦争がはじまったものの、互いに小康状態。それをいいことに、サイトとルイズはいちゃいちゃし、それを見つめるタバサにも変化が……。という感じで、サイトとルイズのいちゃいちゃぶりには、もうくらくらしっぱなし。もっとヤレっ!! そして、一方の、タバサは単純に三角関係の一角になるのかと思ったら、その絡み方にはちょっとビックリでした。ラストのタバサが凛々しくていいですな。……それにしても、今後の展開はさっぱり見えないなぁ。いや、下手にストーリーをつけるぐらいなら、ひたすらいちゃいちゃしてた方が楽しかったりするんだけど(笑)。
[ ゼロの使い魔 ]
雪国の女装がバレた!? そのため、入れ替わりをやめた雪国と舞姫。……という感じで、このシリーズも第三巻にして、方針転換かしらん? 男の子に戻った雪国と蜜との真っ当な恋愛ストーリーに軸足を移したような展開。うーん、これはこれでいいんだけど、ただ、恋愛モノとして読むには、障害やライバルの描き方がちょっと物足りないかなー。胡蝶の宮や、新キャラの古葉烏子には、もっともっと頑張って欲しいところ。
物足りないといえば、作家が女性というためか、リビドーに基づいたエロも足りんっ!!<をい いや、ラブコメとしては、わりと際どいシチュエーションも多いにもかかわらず、エッチ系に発展しそうなイベントが、ことごとくスカされてる印象が強いんだよなぁ。どうせなら、もっとエロエロにも頑張るべきだと思う。
[ SH@PPLE ]
いかにも、「物語の纏めに入ってます」という急展開にビックリ。あぁ、いよいよ次回最終巻かぁ〜〜。
佳奈への告白で傷つく日奈。そんな日奈をきっかけに、13階の住人たちは少しずつ変化を見せてゆく……。と、それはさておき、あとがきでお馴染の鈴璃が本編初登場っ!! いやぁ、鈴璃は、本編でもパワフルで、存在感の大きいこと大きいこと。そして、ストーリーはいよいよ佳境に。正直、いつもと違う雰囲気に違和感を覚えないでもないけど、凄いところで次巻に引いていて、続く最終巻が待ち遠しいぃ〜〜。
[ ROOM NO.1301 ]
あー、短編なら短編で、きちんと本編と分けて欲しいなー。あと、この作者の人は、正直、器用じゃないと思うので、シリアスとコミカルを混ぜたり、裏で設定を匂わせたりするのは、止めた方がいいと思ったり。ゴミ。
バレンタイン風イベントを中心とした雑誌掲載分の短編集+書下ろし。バレンタイン風イベントは、くだらないだけで、残念ながら、私には楽しませんでした。まあ、そこら辺は好みだから仕方ないんだけど、でも、それなら、他の富士見ファンタジア文庫の作品と同じように、本編と短編集で、別扱いして欲しいなー。あと、酷いと思ったのは書き下ろしの「槍衾を往く」で、こー、もともとレギオスの設定って粗が多いと思うんだけど、加えてこの短編は、まったく説明が下手。なんだか、作者の自己満足のせいで、無駄に意味不明になってる印象なのよ。もしかして、『レジェンド・オブ・レギオス』(→感想) の最新刊を先に読んどけば、印象も変わったのかもしれないけど、別作品を読むことが前提と言うんだとしたら、それはそれで酷いだろ。
[ 鋼殻のレギオス ]