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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2009年8月に読んだ本



集英社 スーパーダッシュ文庫
初恋マジカルブリッツ わたし、きもち、愛、すべて! /あすか正太

いつも通りエロエロな内容。って、もしかして、今回は珍しく本番まではなかった!? ……しかし、毎回毎回、ぇちシーンが続くだけの内容は、さすがにそろそろ飽きてきたなー。

[ 初恋マジカルブリッツ ]


メディアファクトリー MF文庫J
剣の女王と烙印の仔II /杉井光

杉井光が描くファンタジー。今回はミネルヴァの妹で不幸な運命を一身に背負うシルヴィアとどこまでも真っ直ぐな騎士ジュリオのターン。なんだか、ヒロインであるはずのミネルヴァの影が薄くなってるような(^^;。……うーん、やっぱり、杉井光の現代を舞台にした作品と違って、どうにもキャラと設定とストーリーがちぐはぐに思えて上滑りしてる印象。そして、むやみに嫌な奴が記号的に嫌らしく、ちょっと好みではないんだよなぁ。

[ 剣の女王と烙印の仔 ]


幻冬舎 幻狼ファンタジアノベルス
翼の帰る処2 ―鏡の中の空― /妹尾ゆふ子

うわぁ、意に沿わない上長の命令に仕方なく従いつつ、一長一短ある部下の扱いに苦労しつつ、そして、部下に任せ切れずに自分で仕事を抱え込んで倒れ込むという、相変わらず、中年サラリーマンには、涙なくしては読めないほどのシンパシーっっっ!! いや、いくら最近のライトノベルの読者層が上昇しているからといって、こんな年齢層を高めに設定して、ほんとに売れてるのかぁっっっ!!

というわけで、主人公のヤエトは、とうとう貴族に列せられるまでに至るので、我ら中間管理職の代表というには出世しすぎという気もするけれど、いやぁ、サラリーマンの苦労を、ライトノベルではありえないレベルで描ききっていて、とにかく共感しまくりっ!! もうそれだけで、素晴らしい素晴らしい。部下の扱いに悩む姿なんかは、ほんと泣けてくるよ(T-T)。

そして、スーリヤっ!! スーリヤっ!! スーリヤ再登場で、うひぃ〜〜〜。ラストの引きも凶悪で、下巻がすげー楽しみすぎるっ!!

[ 翼の帰る処 ]


新潮社 新潮文庫
神の守り人(上)(下) /上橋菜穂子

あまりの面白さに、たまらず一気に上下巻読了。って、でも、なんという問題山積なラスト(^^;。どうにも、話を広げすぎて風呂敷を畳み損ねたような、そんな予感が。……もしかして、ロタ王国の行く末が、今後のシリーズに絡んでいくのだろうか?

バルサは幼い兄妹を助けるが、妹には危険な何かが憑いていた……。という感じで、幼い兄妹を巡り、危険な存在として殺そうとする古の言い伝えを守る一族と、助けようとするバルサの戦いが、ジェットコースター的に手に汗握る展開で、いやぁ、読ませる読ませる。ただ、キャラは記号的だし、全体にわかりやすさ優先といった感じで、ちと物語としては深みがないのは仕方ないかしらん。そして、アレだけ国家の危機を煽っておいて、そっちのほうは、ほとんどフォローなく終了してしまうラストはちょっと……。バルサの立ち位置からすると、国レベルの話は解決しようもないのはわかるんだけど、それにしても、あまりにおざなりすぎるだろ〜。

[ 守り人シリーズ ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ソードアート・オンライン2 アインクラッド /川原礫

前巻で綺麗に決着がついていたので、「続きはどうするんだろう?」と思っていた第二巻ですが、内容は、その後の話ではなく、SAO攻略中の4つのエピソードを集めた短編集でした。や、主人公補正しまくりな キリトのフラグ立てまくりな過去が明らかにっ!!

そゆわけで、次世代MMORPG『ソードアートオンライン』で、数少ない女性プレイヤーとフラグを立てまくる、少年・キリトの4つの短編。心温まるストーリーはほんと素晴らしいのだけど、ただ、すでに前巻で、キリトとアスナが結ばれるまでが描いてるので、他の女性キャラとのアレコレは、ハラハラドキドキ。鈍いフリして、なんという女殺し。うひぃ〜〜〜〜。

ホント、4つの短編はどれもホント出来がいいのだけど、中でも印象的なのは、最後に収録されている「赤鼻のトナカイ」かしら。キリトの悲壮さが痛々しく、そして、ラストが切なすぎて泣ける〜〜。……それにしても、3巻もあるみたいなんだけど、こういう短編集で続けるつもりなのかしら?

[ ソードアート・オンライン ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
俺の妹がこんなに可愛いわけがない(4) /伏見つかさ

うひぃ〜、やはり桐乃は、もはや殺すしかなかったよなぁ〜。<ちげー

や、「いまどきの女の子な妹が隠れオタクだった」というネタ中心で続けるには、いい加減、相当苦しくなってきていたので、ラストの路線変更?には、かなり期待するところ。やたら黒猫が出張ってきて、幼なじみの麻奈実の出番が減ってる予感なのは、ちょっと気になるところではあるけれど(^^;。……と、今後の展開には期待なのだけど、ただ、この4巻に関しては、正直、各話の小ネタもいまいちで、メインストーリーである終盤の展開も盛り上がりに欠け、すまん、良いところがさっぱり見当たらなかったり。

[ 俺の妹がこんなに可愛いわけがない ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ヴァルプルギスの後悔 Fire2. /上遠野浩平

うぎやぁ〜、凪がぁ〜、綺がぁ〜〜。ギャぁぁぁぁぁぁっス!! 俺の綺や凪をどうするつもりだっ!!

ブギーポップの一連のシリーズでは、織機綺に、霧間凪、イナズマと、私の好きなキャラがベスト3が大活躍するこの『ヴァルプルギスの後悔』だけど、うわぁ、なんという過酷な展開だっ!! いよいよ本格化する魔女戦争に、とにかく凪周辺のキャラを追い込む追い込む追い込む展開っ。凪やイナズマでも手も足も出ないような 危機的状況の連続が、むちゃくちゃ面白いっ!! そして、統和機構の核心に迫るようなストーリー進行に、今後がほんとに楽しみだっ!! ……しかし、これだけ昔のキャラがたくさん登場してくると、いい加減、キャラの相関図はつけて欲しいなぁ。

[ ヴァルプルギスの後悔 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
アクセル・ワールド1 ―黒雪姫の帰還― /川原礫

主人公のハルユキが殺したくなるぐらいウザイ性格なのが好みではなかったけれど、それを差し引いても、非常に面白かったです。近未来を舞台にしたバーチャル格闘ゲームっ!! 盛り上がるべきところで盛り上がる王道的なストーリー展開が、とにかく素晴らしいっ!!

というわけで、第15回電撃小説大賞大賞受賞作ということもあってか人気の『アクセル・ワールド』に今更ながら手を出してみました。容姿も勉強も運動もダメで劣等感のため性格も酷い少年が、唯一得意なゲームの技術を生かし真の能力が覚醒っ!! 高嶺の花の美少女とラブラブにっ!! というベタで王道なストーリー展開がとにかく面白い面白い。いや、ベタな王道作品は、作家の技量が端的に作品に表れるわけですが、この作品は、この作者のデビュー作品にもかかわらず、これ以上なく高いクオリティで読ませるのだから、これでつまらないわけがないっ!! 逆に言うと、新人らしい荒削りな魅力的な部分はあんましないのだけど、ホント、良くも悪くも新人離れしたクオリティだなぁ。

まあ、主人公がウザすぎて好みではないのが残念だけど、とにかく続巻もすげー楽しみだっ!!

[ アクセル・ワールド ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
アクセル・ワールド2 ―紅の暴風姫― /川原礫

妹キャラが参戦だと……。いや、今回は、幼なじみのチユリのターンかしらん?と思って読んだら、むしろ、チユリの出番は減るばかりで、がび〜〜ん。

と、そゆわけで、黒雪姫とレギオンを結成したものの、なかなか勝てずに苦悩するハルユキの元に、ハトコで妹的な存在のトモコが現れ……。という感じで、チユリ参戦よりも、新キャラ追加を優先しますか(^^;。生き生きとしたキャラの織り成すバトル中心の燃える展開は、相変わらず素晴らしいのだけど、ただ、1巻や『ソードアート・オンライン』で見せたあの新人離れした高い完成度と比べると、世界設定の説明がぎこちなくて、いきなり荒削りな内容になっちゃってるのが気になるところ。そして、それよりなにより、さっさと、チユリを参戦させやがれっ!!

[ アクセル・ワールド ]


同人誌
AAST /須賀しのぶ

『アンゲルゼ』の最終巻は、大人の事情によって、ラスト二巻の予定だったものを、シーンというシーンを必要最小限に削って、なんとか一冊に纏め上げられて世に出たわけですが、この同人誌は、その削られてしまったであろうエピソードを作者自ら書き下ろして補完した作品。あの日、残されることになった覚野や湊、敷島が、そして、去らざるを得なかった陽菜が、何を思い、何を決断したのか、そんな想いが綴られた短編になっています。もう、これ以上ないファンサービスっ!!

収録されてるのは、陽菜が去ったあとの島の人々を描いた「クリスマスプレゼント」と旅立った陽菜とロンを描いた「金の女王と銀の翼」の二編。いやぁ、特に、「クリスマスプレゼント」が素晴らしい。覚野、湊、敷島の想いと終章に至る決断の経緯。うわぁ、熱いなぁ。……や、あの最終巻も非常に素晴らしいと思ったのだけど、この補完短編は、最終巻を読んだのであれば、ぜひとも読むべきエピソード。これを同人誌の形といえど出版していただいたのは、とにかく感謝だよなぁん。

[ アンゲルゼ ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
黄昏色の詠使いX 夜明け色の詠使い /細音啓

感動の大団円。全てが綺麗に纏まったラストは素晴らしいの一言。……とにかく、綺麗なラストなので、それ以外、何も書く言葉が出てこないのだけど、強いて言えば、ミオの活躍は良かったねぇ〜。逆に、シャオの扱い弱かったのは、そこはちと残念。や、それはともかく、シリーズを締めくくるのに相応しい、ほんとに綺麗なラストでした。

[ 黄昏色の詠使い ]


メディアファクトリー MF文庫J
僕は友達が少ない /平坂読

肉って、肉って、だははははははははははっ!! いやぁ、笑った笑った。とにかく、にやにやが止まらないっ!! もう、読んでて楽しくて楽しくて、非常に良く出来たコメディですよ〜〜。

平坂読の新シリーズは、前作の『ラノベ部』同様、部活を中心とした日常系ショートストーリー。ヤンキーのような外見のため友達がいない羽瀬川小鷹は、同じく友達のいない三日月夜空と一緒に、友達を作ることを目的とした部活・隣人部を立ち上げるが……。という感じで、一癖も二癖もある登場人物が部活でバカやってる日常を描いた内容で、そのキャラたちのやり取りが、もうもう、愉快で楽しい楽しい、楽しすぎるっ!!

まあ、やってることは、評価の高かった前作『ラノベ部』と同じなんで、面白いのは当然というか、「なんで、『ラノベ部』を止めて似たような話を始めたんだ?」という風には思ったりもするんだけど、まあ、いろいろ事情はあるのかしらん。や、『ラノベ部』と比べると、平坂読らしい突拍子のないバカバカしさはより強く出てるので、平坂読としては自由に書きやすいってのはあるんだろうけど。……とりあえず、まだ、キャラが出揃ってないので、次巻も非常に楽しみです。

[ 僕は友達が少ない ]


メディアファクトリー MF文庫J
オウガにズームUP!3 /穂史賀雅也

……いまいち。というか、これといったイベントもなく、話がぜんぜん動いてねぇ。

異世界の幼妻との半強制的な結婚生活を描いたシリーズ三冊目。今回は、ククルの母登場という話なんだけど、うーん、ククルの水着姿以外は、これと言って、目立つイベントがないんですが〜。特に、他の女の子たちとの恋愛系の絡みが弱いのが残念。まったりした雰囲気は悪くないのだけど、でも、ここまで中身がないのは、さすがにどうよ?

[ オウガにズームUP! ]


一迅社 一迅社文庫
星図詠のリーナ2 /川口士

いまいち。前巻に比べるとキャラのやりとりがいまひとつで、展開もあからさまな伏線だけで段階を踏んでないせいか、唐突感があって無理があるように思えるんだよなぁ。

マッピングファンタジー第二巻。第五王女のリーナは、難民問題に苦しむタヴァストに赴くが……。という感じで、難民問題を地図作りで解決っ!!という話だけど、うーん、前巻で魅力的だったキャラのやり取りが、どうにも定型的な感じになってしまっていて、あまり生き生きしてないのがなぁ。あと、ストーリー構成もいまひとつ。やっぱり、地図作りをストーリーの骨格にするのは無理があるんじゃね? 地図を作る過程はもともと地味目だし、その上、地図作り自体は、ほとんど役に立ってないし(^^;。……基本的には、地味でも手堅い王道ファンタジーを狙ってるんだろうけど、キャラもストーリーもいまひとつではなぁん。

[ 星図詠のリーナ ]


メディアファクトリー MF文庫J
二人で始める世界征服4 /おかざき登

今度こそのヤト参戦で、いよいよ盛り上がってまいりましたっ!! そして、あまりに酷い竜太の鈍感ぶりににやにやが止まりませ〜ん(笑)。マジ愉快すぎるラブコメになってるよっ!! ……人の迷惑を顧みないヤトの騒動がほんとに楽しい。マンネリ気味だった千紗とありすの関係をうまく引っ掻き回しているよなぁ〜。むしろ、本筋?の世界征服に近い部分は、バトル部分には違和感が多く、もう白虎とかいらねんじゃね?

なにはともあれ、次巻で最終巻か。どう纏めるつもりなのか、とっても楽しみです。

[ 二人で始める世界征服 ]


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