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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2012年6月に読んだ本



富士見書房 富士見ファンタジア文庫
いもうとコンプレックス! ―IC2― /稲葉洋樹

相変わらずの妹愛っ!! いや、大吾の行動は、さすがに目に余るというか、そろそろ笑える範囲を超えてやりすぎだと思う部分もあるのだけど、佳奈美のやきもちとか、大吾を巡る恋愛模様が楽しい楽しい。観覧車とか、さいこーーっ!! てか、妹を好きすぎる兄も兄なら、妹も妹だろっ。ほんと、どういうバカップルだっ!!

そゆわけで、妹・佳奈美のことが好きすぎる大吾が、佳奈美の友達づくりに奔走する物語の第二弾。今回は、新キャラにアイドル登場。でも、新キャラの由美は、大吾の争奪戦に絡みそうで絡まなそうな微妙な立ち位置は、どうよ。大吾のハーレム化は進んでそうで、実際、佳奈美と志保のツートップが変わらんというのはなぁ。いやまあ、お兄ちゃん大好きで天然ボケ気味な佳奈美は可愛くていいのだけど。イラストのふくれっ面もなかなかにGoodっ!! ただ、その一方の志保の活躍がいまいち足りない気が(^^;。そして、ラストの展開は……、ミコト方面の展開は、良くも悪くも作品の方向性を大きく変えちゃいそうで、正直、怖いのだけど、ほんとどうなるんだこれ?

[ いもうとコンプレックス! ]


メディアファクトリー MF文庫J
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ6 /鈴木大輔

最高傑作級。はうっ、メガネコンテストだと……。メガネ回に限らず、しりとりにしろ、図鑑にしろ、秋人の秋子に対する激甘ぶりが目立つ回が多く、まったく、なんだろうな、このバカ兄妹はっ!! 秋子に比べて、他のヒロインたちは、やぱし勝ち目が弱いようにしか見えないわけだがっ!! 特に、鳴り物入りで登場した、秋子同様に妹ポジションな ありさが、えっと、ぜんぜん活躍してないわけですが(^^;。

そゆわけで、いつもと違いエピソード集というか、要は小ネタ中心の短編集なのだけど、これがまた、おもしろいっ!! 秋子推しがいつも以上に酷い気もするのだけど、風呂場といいメガネ対決といい、銀兵衛もなかなか頑張ってるな。ヒロインたちの中では、真面目で常識人的な立ち位置なので、いろいろと不憫すぎる。そして、ラストのアナスタシア視点の話も面白かった。いや、アナスタシアは、かなり意味不明なキャラだったわけだけど、わりとガチに秋人を想ってたのか。この視点は卑怯すぎて、今後のアナスタシアに眼が離せねぇ〜。……それにしても、秋子はホント、揺るがないなぁ。

[ お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ ]


集英社 集英社文庫
追想五断章 /米澤穂信

死んだ素人作家が同人誌に寄稿してたらしい5編の短編を探す……、どんだけ難易度高いんだっ!! いや、「死んだ父親が書いていた小説を探してほしい」と依頼を受けて、という話なのだけど、さすがに、プロの作品ならともかく、素人の、しかも、どんな同人誌に寄稿したかもわからない作品が、なんで見つかるんだ?<をい

そゆわけで、5編の小説、リドルストーリーとそれを束ねる20年以上前の未解決事件の謎を絡めた構成が、いやぁ、素晴らしい、素晴らしい。そして、ラストの真相がせつない、いい作品でした。ちらちらと謎の断片を見せるやり方が秀逸で、とにかく読んでて興味がつきない。……しかし、主人公の芳光は、可南子か笙子といい話になると思いきや、まったく恋愛展開がなくて残念無念。というか、芳光というキャラが、最後までいまいちよくわからず、結局、お前は何がしたかったんだ? と思ったりも。五つの物語と父娘の話としては良かったけれど、芳光は、いまいち自己主張弱い主人公だよなっ。

[ 追想五断章 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
新約 とある魔術の禁書目録(4) /鎌池和馬

前巻があまりに酷かったので、しばらく読むのを躊躇してたんですけど、なにこれ、すげーおもしろいんですけど。3巻同様、複数キャラ視点の群像劇ということで、「鎌池和馬の筆力じゃ、ぜったいつまらないよな」と失礼なことを思ってたんだけど、ごめんなさい、すげぇぇ、マジに面白いっっっ!!

反学園都市サイエンスガーディアン主催の格闘大会「ナチュラルセレクター」。学園都市から派遣されたたった三人の木原によって、大会は地獄と化す……。「ナチュラルセレクター」の裏で暗躍するグレムリンvs木原vs巻き込まれた一般選手、という構図のバトルの連続で、木原もヤバイけど、グレムリンのマリアンが狂いすぎてぶっ飛びすぎてるだろっ。なにその人体改造能力っ!! 攻守が次々に入れ替わる熱いバトルの連続で、ほんとすげー、おもしろすぎるっ!! そして物語的には、当麻の使い方が素晴らしい。あまり表に出てこないにもかかわらず、圧倒的な存在感っ!! ていうか、当麻はすでに人ではなく、正義という名の特殊な現象として扱われているように思えるのだけど、気のせいですか(^^;。いや、人間としての当麻が描かれなくなったら、インデックスとか美琴とか、今後、出番がちゃんとあるんだろうか。

……それにしても、『新約』になってから、なにがやりたいのか、正直わからないんですがっ。ほんと、どこに進むんだろう、この物語。

[ とある魔術の禁書目録 ]


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