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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2012年8月に読んだ本



宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣)(4) /谷春慶

ちょっ、ハピ子マジヒロインすぎるっ!! なにこのヒロイン力。他のヒロインたちが、雑魚にしか見えない……。逆に、他のヒロインたちは、ほんと印象が薄くて、ストーリーもあまり動きがなくて、「あれ? これで終わり?」というのが、読後の率直な感想。いや、前巻は、クライマックスといわんばかりに盛り上がっただけに、拍子抜けというか、ちょっと残念だなぁ。まあ、前回盛り上がったからこそ、今回は、箸休め的な内容だったんだろうけど、それなら、短編集な構成にすれば良かったのに。ビーストモードもハピ子も短編集向けのネタだと思うんだけどなぁ。

[ モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣) ]


小学館 ガガガ文庫
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(5) /渡航

潔癖だなぁ、八幡。ラストの雪乃に対する八幡の独白は、ちとビックリ。いや、八幡らしいといえば八幡らしいけど。

そういうわけで、雪乃のいない夏休み編。とりあえず、戸塚マジ天使。そして、由比ヶ浜の頑張りのわりに、八幡の護身は相変わらず凄いな。そしてそして、雪乃姉は相変わらず怖ぇ。それにしても、正直、もうちょっとストーリーを動かすのかと思ってたのだけど、さほど何事もなく夏休みが終わってしまうとか、青春モノなのにわりと地味な夏休みだよなぁ(^^;。いや、だからこそ、この作品らしいか。そして、やっぱりラストの独白というか、八幡の心情変化がターニングポイントなんだろうけど、次巻以降、八幡的に、なんやかんやで態度には変化しない気もするのだけど、どうなるんだろ。

[ やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 ]


メディアファクトリー MF文庫J
疾走れ、撃て! 7 /神野オキナ

ダイダラの新兵器「ハッチフェイス」、えげつなっ!! お約束な設定だけど、あまりに残酷すぎる。そして、理宇がうわぁぁぁぁ。そういう展開か、キツすぎる。なんだか一気に重い展開メインになってるのだけど、次巻を読むのが怖い、怖すぎる……。

そゆわけで、ほぼ一年ぶりに出た『疾走れ、撃て!』が、凄すぎる。新たに投入されたダイダラの新兵器。今までの常識を画す兵器により窮地に陥った理宇はやがて……。と、クリスマス前の浮かれた雰囲気は、この手の話ではある意味フラグなんだけど、その後の展開は、思った以上に重かった。いや、まさに物語の転換点というべき内容で、ほんと凄い、そして怖い。もう、理宇の覚醒時のミヅキに関する記述に、背筋も凍る思い。そして、その後の理宇が痛々しくて痛々しくて。その上、理宇を取り巻く軍上層部の思惑が、どう転んでも、理宇たちの不幸にしかつながらないような予感なのが、ほんと、重すぎて、続きはどうなるんだろう? 最後の虎紅の笑顔がまた、せつないなぁ。

[ 疾走れ、撃て! ]


アスキー・メディアワークス メディアワークス文庫
ビブリア古書堂の事件手帖3 〜栞子さんと消えない絆〜 /三上延

犯人はお前かぁぁぁぁぁぁっ!! ……や、そゆわけで、美人の眼鏡お母様の暗躍が怖い『ビブリア古書堂の事件手帖』の第三巻。栞子さんは眼鏡っ娘設定なのに、表紙の絵は、いつも眼鏡をはずしているのは、いったいなに? 眼鏡っ娘愛好家に喧嘩売ってるの? イラストの人、死んでしまえ。

それはともかく、今回は、「ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(集英社文庫)」「タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの」「宮澤賢治『春と修羅』(関根書店)」の三篇。『たんぽぽ娘』は、ひらがなみっつでことみちゃんはじめ、わりとあっちこっちでネタにされてる作品だけど、コバルト文庫だったのか(^^;。そして、智恵子さん怖すぎる。

今までは、巻き込まれ的に謎を解決する展開だったのが、「宮澤賢治『春と修羅』(関根書店)」からは、客の依頼でトラブルを解決していく形になり、これは物語の転換点? もともと智恵子さんの失踪の謎もあり、これから、大きなトラブルに巻き込まれていきそうな感じだけど、所詮古本屋で、どんなトラブルが待ってるんだろ。智恵子さんを見てると、今後、『R.O.D』的な展開になっても不思議ではないと思うけど(笑)。

[ ビブリア古書堂の事件手帖 ]


朝日新聞出版 朝日ノベルズ
それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ【完全版】11 /庄司卓

ほんとに出たよ、10年ぶりの新作。いやぁ、ラスト二冊を残すだけの状況で、出す出す詐欺を繰り返すだけ繰り返すもののいつまで経ってもぜんぜん出ず、そして、最後には、富士見ファンタジア文庫のラインナップから消えてしまった『ヤマモト・ヨーコ』の最新作が、あの名作のラストエピソードが、10年経って、とうとう出版っ!! うわぁ、マジ信じられない。

で、特に復習せずに、いきなりこの完全版 11巻を読んだのだけど、これだけキャラがいるのに、きちんと思い出せるのが凄い。どんだけ各キャラが魅力的で、立ってるんだ? いや、誰が誰だかわからなくなる作品も多い中で、これは凄いことだと思う。さすが、90年代を代表する名作の一つなだけのことはあるなっ。洋子とまどかのやり取りは相変わらずで、シルヴィーとかレッドスナッパーズとか懐かしいねぇ。……ただ、オールドタイマー絡みの話は、どうなってましたっけ? NESSの政変とかもどんな話だったっけ?<をい

しかし、魅力的なキャラも素晴らしいけど、SF設定も相変わらず魅力的すぎるよな。宇宙の大規模構造を出してくるスケールの大きさはどうよ? 人為的な超新星化の理由付けとか、ほんと、どんだけ壮大だっ!! そりゃ、グレートヴォイドを目指したくもなるだろうけど、その発想が凄いよなぁ。

さて、次で、今度こそ最終巻ですが、あとがきの“次の第十二巻ですが、すでにある程度進んでおります”という文章を読んで、すっごく不安を覚えたのは、私だけでしょうか?(^^;。庄司卓の最終巻は、また平気で数年待たされる気がしてならない……。

[ それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
妹ホーム2 /柏葉空十郎

日本の二次元は敗北しましたっ! スウェーデンって、なんだそれはっ、すげー、すげー(爆笑)。舞衣ちゃんは、めっきり残念すぎるキャラになってしまってるけど、その想像の斜め上を行くようなめちゃくちゃな議論がすげー。とにかく爆笑しまくり。もう大笑いでしたよ。一方、もう一人の妹である真伊は、相変わらず可愛いすぎる〜。

いやほんと、広島弁使いの真伊がめちゃくちゃ可愛いくてたまらないので、真伊だけ書いてくれるぐらいでもいいと思うのだけど、この二巻は、新キャラに生徒会副会長の妹原愛、登場。佑たちは、エアコンを買うために、妹原愛の口利きでバイトをするが……、という話。新キャラ登場、しかも、妹でもないキャラをだして、いったいどうするねん?と思ったら、案の定、妹原はキャラ弱いなぁ。どうにもこの作品、話の組み立てに関しては、下手という感が否めない。佑も、さすがに都合よくアホすぎない? 舞衣といい、真伊といい、キャラはいいので、特に、真伊を中心にした妹萌え小説でいいと思うのだけどなぁ。

[ 妹ホーム ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
姫狐の召使い2 /春日みかげ

安倍清明に召喚された水原光は、平安時代の日本で、光源氏となってハーレム状態に。今回は、六条さん登場で、六条さんメイン回。いやもう、美少女でお淑やかな六条さんがメインヒロインすぎるっ!! 紫の作中の発言じゃないけど、幼なじみの紫と、あと許婚の葵さんも、めっきり影が薄くなってしまったな(^^;。一応、『源氏物語』をベースにしてるっぽいので、次回はまた、新ヒロイン登場なのかしらん。『源氏物語』はぜんぜん詳しくないんだよなー。……本命の清明との仲は着々と進展してるけど、いまからラストで、現代社会から一緒に来た幼なじみ葵を取るのか、平安時代に生きる清明を選ぶのか、気になって仕方ない。続きも楽しみです。

[ 姫狐の召使い ]


講談社 講談社ラノベ文庫
彼女がフラグをおられたら 大丈夫、この臨海学校は安全だから、絶対敵に見つかったりしないよ /竹井10日

臨海学校ということで、今回は、もちろん水着回。イラストがあるとはいえ、小説で水着回って、ビジュアル的に意味があるのか?という疑問はなくはないのだけど、それはともかく、恵の可愛さは、ほんと異常だなっ!! ペアルックのシーンとか、白いワンピースとか、転がらざるを得ないだろっ!! 凶悪っ!!

そして月麦は、そういう方向かっ。脅威のロリババァ。まさか、お姉ちゃん対抗とは……。や、ダダ甘な展開はむしろ好きなので、もっとやれっ!! という感じだけど(^^;。それにしても、颯太はフラグを折りまくって孤独に生きていたという設定だったと思うのだけど、完全にハーレム展開すぎる。一応、死が待ち受ける展開なハズなのに、ほとんど、いちゃ甘な内容が凄いな。その一方で、裏で動いてる話が、やたらスケールがデカいのだけど、そっちのほうは、どうなってくんだろ。

[ 彼女がフラグをおられたら ]


宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
クロス・エデン2 魔法王国ミシュリーヌ編(後) /吉野匠

後編、やけにハーレム色が強くなったな(^^;。そして、敵役の魔導師・バルドールが切ない。いや、ちとネタばれかもしれないけど、いきなり飛ばされた異国の地で、サラリーマンとして何年も何年もコツコツと働き、それでも望郷の念は捨てきれずに、やがて故郷に似せた風景をゲーム上に再現する……。只でさえ慣れないことが多く戸惑うことの連続だっただろうに、その上、ゲーム開発のチーフマネージャとして一定の成果を出すなんて、下手にその大変さが想像できるだけに、もう、切なすぎて泣けてくる(T-T)。そんなに大変だったら、経理に小言も言いたくなるよな。てか、大魔導師が、普通のサラリーマンと同じように、嫌味しか言えないところが、また泣ける。

それはともかく、あれだけばら撒いた伏線をどう収束させるのかと思ったのだけど、わりと力技で終わらせた感が強いな。想像よりもスケールも小さかったのも、ちとがっかり。なにより、謎を明かしていく過程もかなり駆け足で、しかも、行動を伴うでなく会話中心なのもマイナスよね。や、ハーレム展開は好きなのだけど、篠崎や月渚がらみも展開早く、うーん、もう一冊分ぐらい使った方が良かったんじゃないかな。いや、十分面白かっただけに、ちょっと残念感漂う後半でした。一応、綺麗に終わってるけど、続きは出ないのかしらん?

[ クロス・エデン ]


メディアファクトリー MF文庫J
この部室は帰宅しない部が占拠しました。5 /おかざき登

もしかして、これまでは序章で、次回から本番?(^^;。や、とうとう、ゆすらが恋に覚醒。いよいよ、夕也を巡るラブバトルも本格化しそうな展開。それにしても、夕也のラッキースケベ能力が素晴らしいこと素晴らしいこと。どうやったら、そんなに偶然にキスできるんだ?(笑)。

そういうわけで、帰宅しない部vs生徒会の戦いも最終決戦、という話なのだけど、それはどうでもよくて<をい、覚醒したゆすらが可愛い可愛い。まあ、いきなり夕也を避けるようになるとか、もうベタすぎです。ゆすらも可愛いですが、生徒会側の左京も、まさかそういう展開とはっ!! 今までも、会長殿にいぢられる姿が非常に楽しかったのだけど、この展開はいろいろ期待せざるを得ないっ!! や、今後、いよいよ本格化しそうなラブバトルに、続きが楽しみですっ!!

[ この部室は帰宅しない部が占拠しました。 ]


アスキー・メディアワークス
アクセル・ワールド12 ―赤の紋章― /川原礫

黒雪姫の過去の一端が明らかに。奴がラスボス? ……それにしても、巻頭カラーイラストのフーコがエロくてけしからんですな。そんな姿をハルユキに見せたんかいっ!!

そゆわけで、ISSキットをはじめとする加速研究会の暗躍が目立ちつつある加速世界。ハルユキは新アビリティ《理論鏡面》を獲得できるか!? という感じの内容だったけれど、うわぁ、ここでアクア・カレントが絡んでくるのかっ。アルゴン・アレイは、裏で暗躍する感じで動いてたと思うのだけど、そんなあっけなく出てきて良いのん(^^;。そして、黒雪姫の過去も、加速研究会に繋がっていくのかしらん。そんな事件があって、黒雪姫は、よく、こんないい娘に育っているな。一方、ホワイト・コスモス、がくがくぶるぶる。

終わってみたら、ショコラたんペロペロと過去話で、なんだか物語自体はあまり進んでない気がするけど、ほとんど忘れられつつある感じの《大天使メタトロン》戦はいつになったらはじまるんでしょうか?

[ アクセル・ワールド ]


ソフトバンククリエイティブ GA文庫
のうりん4 /白鳥士郎

いやー、工が可愛すぎるっ、幼女だけどなっ!! ……今回は、耕作、農、林檎の三人で、耕作と農の結婚の準備が着々と進む田舎へ、という話。前巻の引きから、もうちょっと修羅場的な展開になるかと思ってたのだけど、そこら辺は割りと弱めで、結局、いつも通りに下品でした。てか、ベッキー酷すぎる(^^;。基本、三角関係恋愛モノがベースだと思うのだけど、下品すぎてぜんぜんラブコメに見えないのが凄いよな。そして、これだけ下品なのに、現在日本における農村の問題点を真面目に語っているのは恐ろしい。農村の現実はキビシすぎる。それにしても、やたら『銀河』してた気がするけど、アレ、何年前の作品だ。『ナウシカ』ネタもそうだけど、時代が昭和すぎるだろっ。

そして次回はボイン大活躍となっ!? 良田さんの扱いは今でも十分酷いのに、あれ以上、どうするんだ(笑)。

[ のうりん ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
輪環の魔導師10 輪る神々の物語 /渡瀬草一郎

ヤンデレは世界を救う。いや、力ではなく、最後は想いの強さが勝る、という感動的な展開だったハズなのに、そこはセロとフィノなので、フィノの病的な妄執が神すらをも平伏すという感じで、なんだか微妙にコミカルな展開に(^^;。いや、いかにも『輪環の魔導師』らしいラストだけれども。

そゆわけで、『輪環の魔導師』もいよいよ最終巻。覚醒し神の力を振るうイスカ。セロとアルカイン達、および魔族の長ウィスカ達は、各々、イスカの待つ最終決戦の地、聖都ハルマニオスへ……。という感じで、いかにもラスボス戦という白熱した戦闘も見所だけど、やはり印象的なのは、フィノの病みっぷりという、それでこそ『輪環の魔導師』だよな。神すらもびびる想いとか、なにそれ(笑)。そんな二人に割り込んでいくティアネスも、なにげにすげーよ。

そして、後日談も含め、綺麗なラスト。ホント、素晴らしいシリーズでした。……惜しむらくは、『パラサイトムーン』を読んでなかったことか。『パラサイトムーン』を読んでたら、また、感動もひとしおなんだろうけど、普通の書店では、すでに入手が難しいからなぁん。

[ 輪環の魔導師 ]


宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
グッドナイト×レイヴン /深沢仁

無気力で荒んだ少年少女たちが、一回7万円の報酬で窃盗のバイトを行う、という、アンニュイな雰囲気の青春モノ。内容的には、わりと少女向けというか、電撃文庫でいえば壁井ユカコ辺りの芸風で、このラノ文庫のカテゴリとちょっと違う気もするんだけど、売り上げ的に大丈夫なんだろうか(^^;。

アンニュイな雰囲気重視な作品で、その雰囲気はなかなか良い感じ。ただ、作品としては、ちょっと地味だよなー。設定的には、ファンタジー要素を加味した怪盗モノなのに、何でだ? う〜ん、ここまで主体性がない主人公は、ちょっとツライか。「暇だ」が口癖で無気力なところは、わりと共感できるキャラなんだけど。さらに加えて、他のキャラも、物語を引っ張っていくタイプのキャラではないので、エンタメとしては相当地味すぎる。年長組が、多少頑張ってるけど、中心の三人が動かないのは、そもそも続編も大変だと思うのだけど。バラバラだった三人が、だんだんと仲良くなっていくのは、青春っぽく微笑ましくて良いのだけど、ただそれだけで、三人に物語があるわけではないのがなぁ。

[ グッドナイト×レイヴン ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
いもうとコンプレックス! ―IC3― /稲葉洋樹

最近の新人作品では特に好きな作品だったのだけど、えっと、打ち切り? ……う〜ん、あのラストから1冊で纏めるのはさすがに無理があるというべきか、強引に纏めたわりにはそれなりに綺麗なラストになっているというべきか。とにかく、ここで終わってしまうとは、もったいないっ!!

大吾は、妹・佳奈美に取り憑いた神様・リンと、佳奈美の身体をかけて勝負することに……。という感じで、シスコンラブコメ第三弾は、リン登場で物語も大きく動き、一気に完結。佳奈美の義妹設定は、唐突な上、せっかくの妹モノとしてはどうかと思うし、それ以外も、ミコトやリンとの関係といい、そもそものリンとの対決といい、無理筋な展開が多いなぁ。どうにも、無理やり着地点を決めて強引に終わらせた、という感じが強くて、がっかり。いや、やっぱり、佳奈美の唐突な義妹設定が残念すぎる上に、ストーリー上も、志保を動かすぐらいにしか活かせてなくて、ほんと残念すぎて困る。いろいろ、もったいないなー。

[ いもうとコンプレックス! ]


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