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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2014年9月に読んだ本



アスキー・メディアワークス 電撃文庫
王手桂香取り! 2 /青葉優一

二巻で金銀飛車角を飛び越えて玉将、さらに、中学最強との対決って、ラストも綺麗だし、ここで終わっちゃうのかしら!? 一瞬で有利不利が入れ替わる熱い対局が素晴らしかったのだけど、ここで終わりだとすると、もったいないなー。

そゆわけで、最強の駒娘、女王様の登場。全国大会優勝を目指し、女王様によるスパルタ指導がはじめる……。という感じで、いやー、玉将の化身である女王様が愉快。さすが女王様だけあって、キャラの存在感がハンパねぇ。ただ、他の駒娘たちはなおさら影が薄くなり、これなら、はじめから女王様だけいればよかったんじゃ(笑)。や、女王様は素晴らしいのだけど、前巻含め複数の駒娘を上手く描けていないのは、やっぱ、新人故の力不足なのかなぁ。……そして、打倒、中学最強を目指して短期間でメキメキと実力をつけ、その中学最強との一進一退の対局っ!! 桂香先輩との初々しいラブコメパートも含め、非常に面白かったです。

それにしても、二巻でラスボス戦にあたる全国大会終了まで描ききっていて、普通、もうちょっと巻数使う内容だと思うのだけど、どんだけもったいないスピード展開ですか。や、ラストも綺麗に終わっていて、次回といっても、高校生編とか奨励会編とかプロ編とか数年後にでもしない限り、この続きのままで書くのは難しいと思うのだけど、どう続けるつもりなんだ? というか、続くのか!?

[ 王手桂香取り! ]


メディアファクトリー MF文庫J
焦焔の街の英雄少女 /八薙玉造

うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! ……いや、ラストのヒキがあまりにエゲツなくて、どうなるんだ、これっ!!

スーパーダッシュ文庫中心に活躍していた八薙玉造のMF文庫Jでの初作品。巻末に八薙玉造のスーパーダッシュ文庫とスニーカー文庫での新作の広告が載っているのだけど、ここまで関係が良好なら、なんでわざわざ出版社変えて出してるんだ? ……それはともかく、この新作は、異世界からの敵により品川が壊滅した世界で、唯一、その敵に対抗できる烈火の剣皇・紅地杏と、その幼なじみの少年・黄塚光義の物語。外見は完璧超人なのだけど、幼なじみの前でだけは本来の気弱な姿を見せる杏と、それを優しく見守る光義という、二人の会話主体で進む展開と二人の関係がすげー良いっ!! それだけに、光義が戦いに巻き込まれてからの後半の展開は、正直、かなり残念に思いながら読み進めていたのだけど、ラストでまさか、そう来るかー。どうなっちゃうんだよ……。

八薙玉造は、容赦ない展開の一方で、愉快な会話が楽しく、この一巻もまさに、八薙玉造らしく楽しい作品なのだけど、ほんとマジに続きの展開がわからん(^^;。続きはどうなるのー。

[ 焦焔の街の英雄少女 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
オレのリベンジがヒロインを全員倒す! /八薙玉造

エロい(^^;。眼鏡な生徒会長の咲楽が、巻頭イラストからすでにエロい。や、自分勝手で手段を選ばない主人公というノリは、アリスソフトのランスシリーズに近いかな。倒すべきヒロインたちに比べて主人公・迅の能力が低すぎるので、ちょっとご都合主義的に感じるところもあるけれど、いやー、面白かったです。

そゆわけで、かつては最強の力で地球をも救った伊原迅。力を失ったことで性根も腐った迅は、昔のヒロインたちへの復讐を企てる……。という感じで、性根の腐った主人公とヒロインたちの闘いを描いた内容。やはり、八薙玉造の描くキャラのやり取りは楽しいな。腐った迅をはじめ、無条件に迅に好意を寄せる神那や他のヒロインたちも愉快。まあ、迅は、クズというほどクズじゃないし、どうせやるならもう少し酷く描くか、もしくはシリアスに寄せるかしたほうが良かったような気もするけど。……ストーリー的には、全体像がまだ見えないので、これから次第かなぁ。このままエロコメ的な路線で行くのか、もうちょっとシリアスに寄せるのか、続きにも期待です。ただ、スーパーダッシュ文庫だと、エロ方面はここら辺が限界なのかしらん。

[ オレのリベンジがヒロインを全員倒す! ]


角川書店 スニーカー文庫
神話殺しの虚幻騎士 /八薙玉造

ラグナロクを回避した北欧神話の神々との闘いという話か。会話の面白さは八薙玉造らしいのだけど、いまのところ、ヒロイン・マナとの絡みが少ないせいか、いまいち物足りないかなー。神との絶望的な実力差ゆえの詐術中心にならざるを得ない戦いも、いまひとつ爽快さに欠けるような……。

そゆわけで、八薙玉造の初スニーカー文庫の新作は、オーディンやら北欧神話の神々と、神に嘘と幻術で闘う人間・クラウスの物語。何故、滅ぶはずの神々が生き残っているのか? 何故、クラウスの姉・リンデは神に狙われるのか? という辺りが物語の骨格なんだけど、今のところ、どう転がるかわからんなー。正直、神が強すぎて、明るい未来がなかなか思い浮かべられない、というか物語作りが大変そう。口八丁な主人公は、八薙玉造らしいのだけど、キャラの造詣はあざとい割りに、いまいちこなれてなくて、まだまだこれからかなー。マナのもっとデレてからが本番かしらん。

[ 神話殺しの虚幻騎士 ]


メディアファクトリー MF文庫J
絶深海のソラリス /らきるち

最高傑作級ぅぅぅぅっっっ!! 22世紀の異能力者の訓練学校を舞台にした物語で、学園ラブコメものとして非常に秀逸なのだけど、それだけに、後半がヒデェ。や、ここまでクオリティの高い学園モノが書けるのに、わざわざそういう展開にした作者も、その展開を許した編集部も、とにかく凄いっ!! って、これでマジにMF文庫Jかよっ!! 凄すぎるっ!!

好きなライトノベルを投票しよう!! 2014年上期」で 2位と高評価だったので読んでみました。……期待以上に凄かった。前半は、ある意味良くある異能力者の学園モノで、天然幼なじみとか、高飛車お嬢様とか、キャラが非常に魅力的で、そのキャラたちを上手く見せながら、だんだんと打ち解けていく物語導入の描き方も、圧倒的に上手い。学園ラブコメとしても、間違いなくトップクラスの面白さなのだけど、うわぁ、それはありえないわ(笑)。前半が秀逸だからこそ、後半の展開が生きてくるのだけど、ここまで完成度の高い前半を描いたら、もったいなさすぎて、そういう展開にはしないだろっ!! 事前にこの作品に対する感想やコメントは読んでいたので、後半、そうなるのは知っていたのだけど、それでも凄すぎたっ!! まさか、ここまでするかーっっっ!! や、せっかくのSF設定なんかも、1冊読みきりで消費するにはもったいないよなぁ。

[ 絶深海のソラリス ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
韻が織り成す召喚魔法 ―バスタ・リリッカーズ― /真代屋秀晃

今年、第20回の電撃小説大賞<金賞>受賞作。カタブツ生徒会長の音川真一は、偶然、美少女悪魔・マミラダと契約し、ラップバトルで勝つと相手を支配できる魔法の力を手に入れるが……。と、あらすじを簡単に書くと、なんだか訳わからんのだけど(^^;、ラップでバトルというのは、思いのほか小説との相性もよく、目も付け所は、わりといい感じ。

ただ、正直、いまいちかなー。ストーリーは王道でいいのだけど、主人公である音川真一の造詣が、まだまだこなれていない印象。や、個性的な生徒会長という設定のわりには中身がなくて、状況によって、ふらふらしてる感じが強いのよね。ヒロインのマミラダや森崎、夜原も、ぶっとんだ性格のわりには、あんまりキャラとしての魅力を感じないし……。目の付け所はいいのだけど、それ以外にも、突き抜けたポイントが欲しかったなー。

[ 韻が織り成す召喚魔法 ]


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