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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2014年8月に読んだ本



アスキー・メディアワークス 電撃文庫
白銀のソードブレイカーII ―不死身の剣聖― /松山剛

うわっ、ほんとにシリーズなのか。単巻ばかりの松山剛なので、どうせ2,3巻で終わるような話になるかと思っていたのだけど、そこそこ続きそうな展開で、ちょっとビックリですよ。<をい

そゆわけで、剣聖殺しのエリザと傭兵レベンスのシリーズ。この二巻は、エリザなしで剣聖と戦うことになったレベンスは特訓を、という感じで、レベンスのパワーアップ回。わりと危機的状況のハズなのに、師匠といい、サンちゃんといい、緩いよなぁ。挿絵が裸だったり緊張感が感じられない雰囲気すぎる(笑)。

師匠や新キャラのサンちゃんはじめ、もちろん、エリザやレベンスといったキャラたちのやり取りが、あいかわらず楽しい。まあ、今回は繋ぎ的な回で、そのため、松山剛らしいあざとく泣ける要素が弱いこともあって、愉快な面が強調されすぎていて、本来重いハズの物語との違和感は否めないけどなー。……今回、レベンスのパワーアップで、続きはどうなるんだろ? 剣魔の設定を考えると、ちょっと微妙な気もするのだけど。

[ 白銀のソードブレイカー ]


ソフトバンククリエイティブ GA文庫
のうりん9 /白鳥士郎

緑園祭本番。工と商はほんと可愛いな。マジ天使。あと、新キャラの継の妹が、眼鏡でなかなかいい味だしていて、今後、ちょいちょい顔を出して欲しいところ。……しかし、工と商は可愛ゆかったし、怜も良かったけれど、それにしても、ガンダムとドラゴンボールネタが酷い。や、個々のネタは面白いのだけど、それがやたら続くだけで中身がなく、正直、いまいち。後半、林檎の今後を絡めてきたり、売り上げ合戦とかは面白かったけれど、全体的に、いまひとつかなー。

しかし、美濃加茂市長は収賄罪で起訴されたのだけど、市長本人は否認しているとはいえ、何の躊躇もなくネタとして使い続けてるのは凄いな。裁判に負けたら、いろいろマズイんじゃなかろうか。

[ のうりん ]


角川書店 スニーカー文庫
星降る夜は社畜を殴れ /高橋祐一

第19回スニーカー大賞<特別賞>受賞作。ブラック企業ネタを、『ベン・トー』のようなバトル的なノリでギャグにした内容の作品。頭を空っぽにして楽しむタイプの作品だと思うのだけど、ええっと、サラリーマン暦が長いと、いろいろと考えてしまって、純粋に楽しめない(^^;。タイトルから社会人向けかと思ったのだけど、むしろ、学生さんとかが読んだほうが楽しめそうな予感がっ。

初期のコンセプトであろう“定時退社をめぐる社畜との激闘を描いたバトル・コメディ”というのであれば、定退ダッシュに生命を賭けたこともあるし、純粋に楽しめたんだと思うんだけど、過労死、セクハラ、名ばかり管理職、御用組合とハードな問題をネタにするのであれば、バトルだけでなく、もうちょっとアプローチを変えて欲しかったところ。ネタが重いところにその料理の仕方が微妙なので、社会人として考えてしまって、ちょっと笑えないんだよなー。インパクトがある内容だけに、もったいない作品だ。

[ 星降る夜は社畜を殴れ ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ソードアート・オンライン15 アリシゼーション・インベーディング /川原礫

ベタにわかりやすい悪役の登場なんだけど、『SAO』は、どうにも悪役の造詣がチープなんだよなー。あっさり殺して、敵役を交代したほうが良かったんじゃね?

というわけで、前巻、アリシゼーション編も終了?というところで、急展開の引きからの続きだけど、うーん、驚きのラストから一転、ありきたりな敵役の登場と捻りのないストーリーに、一気に、期待がしぼむ。やりたいことはわかるけど、あまりに工夫もなくストレートすぎて、いくらなんでも、面白味がなさすぎるだろー。唯一楽しみなのは、アスナの絡み方ぐらいなのだけど、無駄に進行が遅いのもなー。この内容なら、この巻で、アスナとの邂逅か、せめて大門の破壊まで進めて欲しかったところ。今後かなり大胆な展開がないのであれば、さっさとキリト復活させて、敵ボスを殺して欲しいなー。

[ ソードアート・オンライン ]


小学館 ガガガ文庫
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6.5 /渡航

.5とナンバリングされているので短編集かと思ったら、体育祭イベントで本編でもおかしくないようなガチな話だった。もっと軽い内容を予想していただけに、重かったわー。

内容は、体育祭イベントで文化祭のリベンジ、再度委員長になった相模をフォローする八幡たちという展開だけど、相模にリベンジのチャンスを与えるとか、それを相模が受けるとか、正直、ちょっと無理あるよね(^^;。あと、八幡のエゲツない解決方法はいつも通りで、それを雪乃が受けるのまではわかるのだけど、城廻先輩とかがいて、あそこまで露骨にエグイ案を実行するのかなー、というのは、ちょっと違和感。八幡の解決策って、雪乃がいて少人数の奉仕部だからこそ採用できるのであって、もっと大きな枠組みだと、なかなか採用しないんじゃないかと。今回は特にイヤらしいし。まあ、あのやり方があってこその『俺ガイル』という感じではあるけど。

もう一編収録されていたクリスマスの話は、こちらは和む〜。どうみてもリア充にしか見えないよな、八幡。自分をないがしろにしがちな八幡なので、その八幡のこういう幸せなシーンはいいわぁ〜。

[ やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 ]


角川書店 スニーカー文庫
俺の教室にハルヒはいない3 /新井輝

ほんと、新井輝独特なキャラのやり取りは絶品。やー、内容的には、酷いハーレムものになってる気もするけれど(笑)。

人気声優と声優志望の幼なじみとの三角関係をメインにした青春ストーリーの第三弾。今回は、みんなで海に、という話。いやー、マナミさんといいカスガといい、無防備なのか天然なのか、凄く際どく攻めてくるのがいいねっ。ユウとのやり取りが絶妙すぎるっ!! 未だマナミさんの正体に気づかないカスガというバランスも楽しい楽しい。そして、何気に、メイン二人以外からも告白っぽいことをされているのだけで、なんだこの主人公。モテすぎだっ!!

今後、少しずつ新人声優として人気を獲得していくカスガと揺れ動く二人という感じになっていくのかな? 内容的には、声優ネタを絡めた、わりと普通の恋愛モノのようにも思えるのだけど、そこは新井輝なので、続きも非常に期待しています。

[ 俺の教室にハルヒはいない ]


メディアファクトリー MF文庫J
疾走れ、撃て! 10 /神野オキナ

まさに手に汗握る展開っ!! ラストに向けて怒涛の展開で、盛り上がる盛り上がるっ!!

停戦明けから数ヶ月。人類の生き残りを懸けた、史上最大、最期の作戦が始まる……。と、物語の終わりまで残り三巻、いよいよ始まる最終決戦ということで、もう、凄く怒涛の展開すぎるっ!! 特に、ラストの展開が凄くて、早く続きが読みてぇ〜〜。や、お約束の展開に繋げるような敵の妨害だけど、ちょっと飛び道具感があるよなぁ。そしてそれよりも、作者がどのくらいの犠牲を描くつもりなのか、すげー怖いんですけど。

理宇とミズキや伊達と夏華といったラブコメパートは和むのだけど、残り予想される死闘中心の展開の中で、理宇周りのハーレムな状況はどうケリをつけるつもりなんだろ? とにかく、続きが楽しみで仕方ない。あとがきによると、年内に原稿を書き上げる予定ということは、年内に一冊出して、最終巻は、来春かなぁ。ほんと、続きが早く読みたいっ!!

[ 疾走れ、撃て! ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
王手桂香取り! /青葉優一

好きなライトノベルを投票しよう!! 2014年上期」で上位にランクインしていたので買ってみました。第20回電撃小説大賞<銀賞>受賞作の新人作品。タイトル通りラノベでは珍しい将棋ネタなのんね。

内容は、将棋好きの主人公・歩の元に、将棋の駒が女の子の姿で現れ……。という、将棋の駒の美少女擬人化モノ。美少女擬人化モノだけど、駒たちは、恋愛の対象に入ってくるわけでもなく、あくまで将棋の先生という立場なので、萌え系というよりも、青春スポ根モノっぽい雰囲気のほうが強いかな。いままで敵わなかった他校の強敵たちに、短期間の特訓で実力を上げ、憧れの先輩たちと一緒に挑んでいくという熱い展開っ!! たぶん、駒たちが女の子である必要はあんまりない。というよりも、駒娘三人いても、正直印象弱いというか(^^;。

全国大会目指しての特訓と勝負だけでなく、先輩との青春ストーリーとしても良質なのだけど、ただ、やっぱ将棋を小説で描くのは難しいわ。文章で書かれても、さっぱりどういう盤面になっているか思い浮かべることが出来ないのよ。わりにガチに駒を動かして将棋の対局が描かれているのだけど、これ、本当に将棋をやってる人じゃないと、着いていけないんじゃないか? 絵で書いてあると、実際理解できてなくても雰囲気で理解できた気分になれるのだけど、5五銀とか書かれても、さっぱりわからんよね。これはキツイ。

しかし、一人ずつ弱い駒から娘が増えていく展開かと思ったら、このラスト、どういうことだよ!? そして、全国に行くと、対局相手も駒娘持ちとかそういう展開になるのかしらん?

[ 王手桂香取り! ]


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