ETV特集「癌医療最前線(1)〜治療法がかわってきた〜」の感想を、NHK人間大学「死を看取る医学(9)〜癌と心のもち方〜」の感想を交えてつぶやきます。
取材現場は、主に国立ガンセンターでした。ここはタイトル通り、現在の癌治療の最前線です。技術はもちろんの事、これは初めて知ったのですが、患者さんと医師との関係も、最前線です。インフォームドコンセントをいとも簡単に慣れた口調で行っていました。これからの医療は患者さんの意思を尊重していくであろう事を再認識することが出来ました。また同時に、他の病院と明らかに差が生じている事をガンセンターでは治療に抗ガン剤を用いることが減っているという事実に対し、アンケート調査を行った他の病院の半数では増えているという事からうかがい知ることが出来ました。僕のいこうとしている大学病院の先生方や、友達の中にも告知に消極的な方がおり、やはりガンセンターのような医療体制に至るにはまだ時間がかかりそうです。そう、時間はかかりますが必ず患者さん主体の医療、つまり医療はサービスになるはずです。
これには、患者さんの意識改革も必要になってきます。これまでの治療法を医師に任せっきりにするのではなく、患者さん側からも治療に対する情報を得、自分で選択しなければなりません。選択する上で、より専門的知識を持った医師の助言や説明が必要であれば医師をご存分に利用して下さい。まずは、自分から病気を治すという心が必要なのです。NHK人間大学では、この点について精神神経免疫学のことを述べていました。これは、病は気からと昔から言われていることが最近科学的に証明され、心の持ちようによって、免疫力が高められ、癌の縮小が認められるということです。科学的に証明されたことから医療の現場でも患者さんの心の重要性が注目されていくことでしょう。免疫力を高める心とは、病気がきっと治るという希望と、不安のない心です。提示されたアンケートの結果によると、病名認知と不安によって現れる「いらだち」の割合は、ほとんど知らない患者さんで34%、ある程度知っている患者さんで83%、よく知っている患者さんで20%となっており、癌の告知を行った方が免疫力を高める上でよいことが分かります。
今日のETV特集「癌医療最前線(2)〜新たな戦略のために〜」は、研究の面で癌の予防と、癌にかかってしまった後のことを取り挙げます。また、NHK人間大学「死を看取る医学(9)〜癌と心のもち方〜」も午後2:30〜3:00に再放送されます。見逃してしまった方は、ビデオの予約をどうぞ。ちなみに、来週のNHK人間大学は「死を看取る医学(10)〜ターミナルケアとユーモア〜」です。