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プリンストン旅行記

ボールド小フォントのリンクは写真

Princeton:ニュージャージー州プリンストンまでうちから車で約2時間(渋滞がなければ)。ニューヨークからはニュージャージー・トランジット(鉄道)で約一時間。

彼方に微かに見えるのがU2を見に行ったジャイアンツ・スタジアム
ニューヨーク・シティとプリンストンの中間にある工業都市ニュー・アーク

東海岸で四季があり雨雪が降り森が多く、アイビー・リーグの名門校を持ちニューヨーク・シティに電車で一時間という基本的にうちと同じタイプのエリア。しかしまあ結構違っていた。うーん、いいとこだったのだ。

街は tiny で pretty. 中心部はコンパクトで小奇麗な商店街。大学はほどほどの広さのキャンパスがあり(ゴルフ場付き)、建物は同じ建築材で統一されていて tidy(英語でごめんなさい。韻を踏みたかったもので)。2度移転しているとのことで Yale より新しく計画的に作られたキャンパスなのだと思う。古いのが悪いのではない。Yale 付近には伝統を感じさせる美しい建築も多いのだが、なんというか暗いのだ。ここは現地の日本人の間で「日本より安全な街」と言われる。そのあたりもこの二つの大学町の雰囲気の違い。
この「大学と研究所の街」の感じは筑波学園都市にも似ている。数学や物理(湯川秀樹やアインシュタインがいた)の研究に向きそう。その反面「三日で飽きる街」とも言われており、美しく平和で裕福で、刺激がなく退屈そう。

大学付近以外はこんな感じで森
大学の門

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プリンストン徒歩旅

アメリカは徒歩旅行に向いていない。ニューヨーク・シティのような都会は別として基本的に人々の足は車。何しろ広いし電車・バス便は不便で歩道もない。これは私が果敢にも挑戦した徒歩一人旅の記録である。

ホテルでタクシーを呼んでもらい、3マイル(5キロ?)程離れたプリンストン大学へ。タクシーにはメーターもないがこの安全な町でたいしてボられることもあるまいとタカをくくる(実際平気だった。後に行き先別料金表があると判明)。帰路交通手段確保のため運ちゃんに名刺をもらうが街中にはタクシーがいて一安心。
大学の美術館が閉まっていて(後に入り口を間違えていたと判明)入れず、キャンパスを見物して街中へ。

キャンパスはこんな感じ。カッコイイ

スターバックス行ってアイス・カプチーノ飲んで、バナナ・リパブリック行って服見て、本屋行って本買って、って、何やってんでしょう、これじゃ日頃と変わらない。こんなところまで来て。
気を取り直して大学生協(ここは専門書がとても豊富)で詳しい地図を買い、再び観光。

これがDINKYの駅だ。ちっちゃくてかわいい
ウォータールー(ワーテルロー)の戦いの碑。上部にいるのがナポレオン。どうしてここに?
芝刈りのおじさん達が教えてくれたアインシュタインの家。全然普通の人家(人が住んでいる)

アインシュタインの家に向かって歩いていたら芝刈りをしているおじさんがその先だと教えてくれた。数年前にアインシュタインの娘だか姪だかの映画の撮影で使用されたのもここだか隣の家だそうだ。
アインシュタインのお姉さん(か妹)も長い間住んでいて、この通りを看護婦に連れられて通るのをよく見たものだっけ、なんてローカルな話を聞く。近所の名所(?)アダムス・ハウスも「この先の垣根を刈ってる家」と教えてくれた。スウィートなおじさん達だった。

こんなんで観光おしまい。歩き疲れて街に戻り、タクシーでホテルへ帰った。プリンストンは徒歩旅全然オッケーです。

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車で再び街中へ。再度挑戦美術館へ。

プリンストン大学の美術館。手前のはピカソらしい

IVYリーグ美術館全制覇の野望--その2

キャンパス内にいくつかピカソやムーアの彫刻が。美術館の規模は Yale 大のより小さい?ルーベンス、ヴァン・ゴッホ、モジリアニ等いろいろあるが、やはりマスタピースは多くないような。シャガールの一枚が一番よかった。あとジョージ・モリスという人の。ルノアール、ゴッホは面白いものはなく、モネの数枚のうちの2枚とピカソは達者なデッサン数枚。それとドガの数枚のうち超上手い素描一枚がよかった。これぐらい描けるといいなあ。ピカソはちゃんとデッサンが上手いのだ。

教会のステンドグラス実物はきれい

前日ほぼ制覇していてあまり見るところもなく(他に行くとしたら高等研究所か)、帰路についた。

プリンストン味の旅

その1:「Sunny Garden(竹亭)」--中華
実は夫のビジネス・トリップのお供だったので一日目の夜は久々のビジネス・ディナー。当然ヨコめし(英語ごはん)、タダめし。立食ではないが会の前半は立ち飲み。ワイン・グラス片手に次々知らないおじさん達とにこやかにお天気の話をするというあれで、自分のパーティー苦手さ加減をあらためて実感。一体この世にパーティー好きはいるのか?

食事になり席に就くと隣は一番偉い人。自分の社交性のなさをあらためて実感。コミュニケーションは語学力ではない。女が愛敬で評価されたらわたしは「」。アメリカでは男女問わず愛敬の点数配分は高い。ので料理の味も何もわかったものではないが、その分割り増してもよくはなかった。決して安いコースではなかったと思う。中華にしてはサービスもよく、店の雰囲気もよいのだが。

その2:二日目昼はプリンストンの街中でも一等地といっていい場所にある「Teresa's Cafe Italiano」--イタリアン
店はよくあるイタリアン・カフェの洒落た雰囲気。渋谷、青山のフレンチかイタリアン・カフェの感じ。日本から旅行や出張で来れば気に入るかも。アメリカに住むとこの手の「おシャレさ」に鈍感になる。
パスタは、うーん、どうしてアメリカで出るパスタはこうなのか。アメリカンはもちろんイタリアンでも「充分に茹った」パスタ。TVCMでやってる「アルデンテ」は何を意味するのだ?ソースの味は悪くないのだが。アーティチョークと茄子のピッツァはバジリコ・ソースでまあまあ。

その3:二日目夜は全米トップ200内というシーフード・レストラン「Good-Time Charley's」--シーフード/アメリカン
しかし店内はファミレス風。メインを一皿でシェアすることにして、アペタイザーにクラム(蛤)半ダース、オイスター半ダース、エビ2ダースを頼む。
よく煮込んだマンハッタン(トマト味)・シーフード・チャウダーが最初に来て、うーむこれは、いままで食べたチャウダーの中で一番おいしかったかも。ボストンの「リーガル・シーフード」とタメ張れると思う。ブイヤベースのようなコクが。「クラム」でなく「シーフード」チャウダーだからかも。
オイスターは不思議な薄味。私には物足りない。クラムは身も太って味も濃い。シュリンプ・カクテルはどこで食べてもこんな味か。
メインにソフト・シェル・クラブのエンジェルヘア(細いパスタ)。ソフト・シェル・クラブはなかなか。パスタは、、、
値段も良心的だし、気軽に入れる(そこそこ)おいしい店。

その4:穴場。Princeton Forrestal Cillage Factory outlets のフード・コート(ファースト・フードの寄り集め)内にある「The Boardwalk Fresh Seafood Market
シーフード・サンドイッチの店。フィッシュ&チップスとオイスター・フライのピタ・サンドイッチを食べる。フィッシュはナゲットみたいのがコロコロ。おまけに酢が付いてない(ガーン!)。しかし味はロンドンの屋台よりずっと上。牡蠣は味が濃い。アメリカでおいしい牡蠣フライを食べるのは難しいのでこれが代りになるかも。「フライ」というより「フリッター」風。
こんなファースト・フードがうちの近所にもあるといいのに。

総じて私が食べた限りではプリンストンの「味」はイマイチ。イマ2かも。反論がある方はおいしい店を教えて下さい。

平和な街に行ったこともあって旅は恙無く終わった。かろうじて事件といえばホテルのチェックイン時に2つ目のキーを頼んだが忘れられてて翌日出掛けに作ってもらい、ホテルに戻って部屋に入ろうとしたら最初の一つ目のキーが使えなくなってた、ってこと位。これも渡米当初なら「事件」だったかもしれないが、今やアメリカってそんなものと思っていて動揺しない。
「事件」が豊富な旅の方が記憶には残るかもしれない。


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