気体の性質で「謎の粉」の分析
☆思考力を駆使する実験を気体の性質で
実験結果をもとに、結論を導き出すときに、思考力が必要となります。
思考力を駆使する実験は、酸・アルカリの単元などで、多く行われています。
ここでは、気体の性質の単元で、実験結果から結論を導き出す思考力を駆使する教材例を紹介します。
☆1つの試験管から2種類の気体が発生する
今回紹介する実験では、導入で「謎の粉」を紹介し、その粉から出てくる気体を分析し気体の種類を同定します。
気体の性質の実験では、多くの場合、1つの試験管からから1種類の気体が発生する実験を行います。
例えば、発生した気体が「石灰水を白くにごらせた」結果が得たとき、既習事項をもとに思考し、「発生した気体は二酸化炭素」という結論にいたります。
しかし、本実験では、
「1つの試験管から、2種類の気体が発生」する
ので、多くのグループでは、
1つの試験管から1種類の気体が発生すると考えるグループが多いので、
実験する前に予想した気体によって分析順序が異なると、各グループで違った結論になります。
そのため、最終的に「2種類の気体が発生した」と結論できるようにグループ同士の話し合い活動を促します。
本実験では、「酸素」と「二酸化炭素」が同時に発生する「謎の粉」を準備し実験します。
☆謎の粉の作り方
酸素を発生させる「過炭酸ナトリウム」と二酸化炭素を発生させる「炭酸水素ナトリウム」を混ぜて作ります。
試行錯誤をした結果、分量は、
炭酸水素ナトリウム(NaHCO3) 0.3g
過炭酸ナトリウム(2Na2CO3・3H2O2) 1.0g
をチャック付きビニル袋の中に入れて混合すれば完成です。
(上記の分量は試験管1本分(1グループ分)です。実験グループの数に合わせて調整してください。)
材料の入手方法:
炭酸水素ナトリウムは「重曹」として、ドラッグストアだけでなく100円ショップでもクレンザーの代わりとして、「掃除コーナー」で安価に販売されています。
過炭酸ナトリウムは「酸素系漂白剤」の粉タイプとして、ドラッグストアでも販売されています。(最近は、100円ショップでもスニーカーの漂白剤などとして売られているようです。)

チャック袋に入れた様子
☆実験方法
「謎の粉」をアルミホイルで作った船型の皿に入れて、写真のようにセットします。

発生した気体を水上置換で集める例です

この分量を試験管で加熱すると、18mmの試験管約4本分の気体を集めることができます。
もちろん1本目は、元の試験管の中の空気ですので、石灰水も火のついた線香も反応しませんが、
2本目から4本目までは、石灰水も火のついた線香も反応します。
また、酸素の同定には、火のついた線香だけでなく、インジゴカーミン液による酸素の検出もおすすめです。
☆思考力を駆使する活動につなげるアプローチ
実験結果を考察する場面では、思考力を駆使することが必要となってきますが、
これまでに考えていなかった結果が出る場面では、思考力をさらに働かせる必要にせまられます。
この実験では、
二酸化炭素が発生しているのに、火のついた線香が炎を出して燃える!
という事実を突きつけられ、
「二酸化炭素は火を消す働きがある」という固定概念を覆す場面が設定できます。
実験を行ったグループ同士で情報交換をさせると、話し合い活動が盛り上がり、周囲の意見を取り込んで自分の考えを深めることが期待できます。
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