力学的エネルギーの実験 「どちらが速いか？」
☆有名な実験ですが、装置が高価
位置エネルギーが運動エネルギーに変換される斜面の運動の実験です。
平坦なコースとアップダウンがあるコースで、
鉄球を転がすときにどちらのコースが速くゴールするか？
実験すると納得できるのですが、装置が高価です。
そこで、安価に作成する方法を紹介します。
スタートの坂
コースさえできれば、プラスチックケースでコースを支えて実験する方法もあります。
☆コースには配線カバー（モール）を使います
市販品の場合、コースの材質に金属を使っている場合が多いのですが、
自作する場合は、安価で加工しやすいプラスチックが便利です。
プラスチック製で入手しやすい例として、床や壁に電線を設置する際に使う配線カバー（モール）が便利です。
モールの断面
このページの写真では、モールのカバーをはずし、
「床や壁に接する方」を使用しています。
配線をカバーする部分も鉄球の直径によっては使用可能です。
配線カバーは100円ショップでも販売されていますが、
1mを越える長いものは少ないので、ホームセンターであれば2mのカバーも販売されています。
幅や長さによって値段が違います。
幅が狭い物は、1mで200円前後、2mで250円前後で販売されているお店がありました。
☆コースを曲げるのが難しい
直線のコースはそのまま使えば大丈夫ですが、
初速をつけるための坂や、
アップダウンがあるコースの坂を作るために曲げる必要があります。
手でゆっくり曲げても加工できますが、
鉄球を転がす面を「内側」にして曲げるときに、コースの幅が変わってしまい
「波打ち」のような状態になってしまいます。
そのため、曲げたい部分を
ドライヤーで徐々に温めながら少しずつ曲げる
ようにすると、どちらの向きに曲げるときにも、「波打ち」がほとんど無い状態で曲げることができます。
曲げた後は、徐々にドライヤーから距離を離してゆっくり冷やすと曲げた状態で固定されます。
コースを曲げた様子
☆コースを支えるには？
◎プラスチックケースの場合
コースのアップダウンがあるので、コースを支える部分に工夫が必要です。
本実験では、コースに鉄球が通るだけですので、力はあまりかかりません。
支える部分は簡単な方法でも実験可能です。
下の写真は、簡単な方法として、プラスチックケースで支える方法です。
プラスチックケースで支える場合
両面テープ等でコースとケースを固定すれば、
この状態でじゅうぶん「どちらのコースが速いか」実験することができます。
プラスチックケースは積み重ねた本等でも代用可能ですので、
配線カバー2本の値段で実験できます。ここで使用した配線カバーは2mで250円程度でした。
◎角材で支える場合
市販品のように、コースに合わせた木の台を作成しなくても、
安価な角材で、コースを支えることもできます。
下の写真は、コースに使ったモールに近い幅の角材を使った例です
角材を使って支える場合（コースの全長は2mです）
☆スタートとゴールについて
◎スタートの工夫
スタートの坂も、角材で支えています。
また、坂を支える角材にＬ字金具を取り付け、
土台の角材に埋め込んだ磁石により固定しています。
これにより、坂の角度を調節するための微調節が可能です。
固定に使わないマグネットは鉄球の置き場所として
活用しています。
◎ゴールの工夫
ゴールは、衝撃を吸収するやわらかい素材の両面テープを
取り付けることで、ゴールしたボールが止まるようになっています。
角材の土台の場合
プラスチックケースの場合
レール上に丸めた両面テープをおいて、ボールを止めています。
☆鉄球について
・鉄球の入手で苦労する場合もあります。
・鉄球は扱っていないか、直径が小さい（5mm以下）もののみのホームセンターもあります。
・100円ショップで扱っている縄跳びの持ち手に入っている鉄球が使用できます。
・鉄球は玩具に使用されている例が多くあります。
（短いプラスチック棒の両端に磁石が埋め込まれた玩具があり、
極を意識せず接続するためのパーツとして鉄球が使われています。）
・素材として購入すると鉄球は高価ですが、身のまわりで使用されている例を
探す方法もあります。
・鉄球の直径は様々な種類があり、コースの幅に対して少し小さい場合、
と摩擦が大きくなり、十分な速度が得られないこともあります。
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