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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2001年9月に読んだ本



角川書店 角川スニーカー文庫
アウトニア王国奮戦記3 でたまか 純情可憐篇 /鷹見一幸

つまんないうえに、後味悪い〜〜
このラスト、プロとして、やっちゃいけないことなのでは。こういうストーリー構成を無視したようなラストは、自ら、小説家としての資質の無さを喧伝するようなものだし、多くのファンが離れてしまうような予感。あたし的にも、最近の一押し小説家さんだったのだけど、これでは、新シリーズが出たとしても、手を出しづらいよなぁ。

もともと、主人公のライバルのアリクレストの扱いに、不満と不安を抱いていたのだけど、結局、もっとも、陳腐で下手な扱いしか出来なかったのがなぁ。続編でフォローが入ればまだしも、今のところ、続編の予定も無いみたいだし、なんというか、いちばん期待していた小説家さんに、こういうことやられると、ツライにょ(T-T)。

参考:既刊の感想 → でたまか


集英社 コバルト文庫
GLASS HEART 冒険者たち /若木未生

この『グラスハート』シリーズは、若木未生作品の中では、いちばん好きなシリーズなのだけど、くぅ〜、やっぱり、素晴らしいにょ〜〜。……絶対的に、傑作と言いきってよい作品だと思う。

若木未生って、こういうぎりぎりで、危うくって、必死な文章と内容があっているよね。単語の一つ一つにまで、力が注がれているというか。先の展開が気になるというタイプの話でもないので、こちらも、一文、一文、じっくり読むだけだし。それに十分耐えうるし。今回は、新マネージャー加入で、微妙に丸くなってしまった気もするけど、全国ツアーだし、っていうか、ヒビキだし。これ、ヒビキ主人公だったら、ぜんぜん別ものの、凄い話になっていた予感(^^;。


角川書店 角川スニーカー文庫
ランブルフィッシュ (2)中間試験暴走編 /三雲岳斗

つまらなくて、買うの止めようかとも思ったのだけど、後半、いきなりおもしろいんですけど〜〜。<って、前半は、やっぱ、つまらないという説もあり(^^;。

全ては、[漫画]『修羅の門』ネタ<ちげー(^^; の おかげか。祭理方面のネタも良いし、なんといっても、「守ってあげます」が、ぐぅ!! いや、三雲岳斗って、こういう軽い作風の小説家さんでしたっけ? …… 1巻に増して、世界設定というか、リアリティはぼろぼろな気もしますが、逆に、これだけむちゃくちゃになると、気にならない予感。

参考:既刊の感想 → ランブルフィッシュ


徳間書店 徳間デュアル文庫
メタルバード(1) さあ、どこへ飛びたいか? /若木未生

若木未生には珍しい、主人公がノー天気なスペースオペラ。……つまんないんですけど

やはり、若木未生の持ち味は、神経を擦り減らしながら、必死に生きているような登場人物を描いてこそであって、ノー天気な主人公というのは、どうにもあわない気が。さらに、珍しく、スペースオペラに挑戦したのはいいけど、まったく説明不足&描写不足で、さらに、なにやりたいか意味不明な予感。……今まで、書いたことないような作品を書きたかったのは わかるけど、それで、「はじめて小説書きました」レベルの作品になってしまっては、終わっている気が。


メディアワークス 電撃文庫
時空のクロス・ロード3 バースディは永遠に /鷹見一幸

ウィルスのせいで崩壊した世界に、迷いこんでしまうというシリーズの三作目にして、完結編。おぉ、花美、眼鏡っ娘〜〜〜。<をい ……序盤というか、最初の1ページ目が、あまりに強力だったので、ラストは、ひたすら号泣か?と思ったのだけど、実際は、ほろりとした程度。う〜ん、構成は、なんの工夫もないし、設定も、今回、ほとんど活かしてないし、今までの話をまとめましたというだけで、1巻、2巻には、遠く及ばない予感。<完結編なので、今までのまとめ的な話でも良いのだけど、それならそれで、もうちょっと、今後の希望というか、メッセージ性を盛り込むべきじゃないのかなー。

それにしても、あとがき。“「鷹見一幸」という名前だけで本を買ってくれる…その方々の信頼を裏切ることは許されません”。……すでに、某アウトニアで、信頼を裏切ってしまっている気がするのは、気のせい(^^;。

参考:既刊の感想 → 時空のクロス・ロード


メディアワークス 電撃文庫
ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト /上遠野浩平

なにも、ブギーポップシリーズでやることないよなー、という気がひしひしと。いや、ブギーポップも炎の魔女も、一応、顔は出しているけど、別にいなくても、ストーリー上、特に、問題なさそうだし。……なにより、こういう話は好きなのだけど、ブギーポップでこういう話だと、ちと、求めるものと違うので、いまいちな感覚が強いし。素直に、あの二人にもっと注力して、別シリーズにしたほうが良かったのでは。

参考:既刊の感想 → ブギーポップ


エンターブレイン ファミ通文庫
機巧天使サンダルフォン(2) 試作天使の憂鬱 /富永浩史

ろりぃでばにぃでロボ娘と、幼なじみ眼鏡っ娘と、主人公との、三角関係巨大ロボットモノの第二巻。しかも、6機目は、眼鏡なメイドさん〜〜。……って、おかしい、1巻は、けっこうおもしろかったのに、この 2巻は、ただ どたばたしているだけで、いまいちな感じが。

っていうか、内容がないだけに、テンポとイベントの密度が重要だと思うのだけど、2巻は、そこら辺がいまいちな上、個々のイベントも、すでにインパクトがぜんぜんないからなぁ。漫画やアニメだと、これでもなんとか持ちそうだけど、小説では、もうダメかしらん。

参考:既刊の感想 → 機巧天使サンダルフォン


中央公論新社 C★NOVELSファンタジア
デルフィニア戦記 全18巻 /茅田砂胡

ラストで泣きそうになった。全編通して、とにかくおもしろかったよ。

というわけで、1993年〜1998年辺りに書かれた茅田砂胡の代表作? 茅田砂胡さんの書かれた『スカーレット・ウィザード』と『桐原家の人々』が凄くおもしろかったので、いつか読もうと思っていたのだけど、全18巻と、ちと長いので、いままで手を出さなかったのだけど、……予想を超えて、凄くおもしろかった。

内容的には、ほとんど、『スカーレット・ウィザード』と一緒な予感(^^;。……国を追われた主人公が、人外と出逢い、大陸の覇権を勝ち取るまでの話。まとめて、それなりに短期間で読んだせいもあって、全体的なストーリー展開に、ちと、ちぐはぐな部分が目に付いたりもしたけど、そんなのは問題にならないくらい、とにかくおもしろかった。これほど、のめりこんで読んだのは、すごく久しぶりかも。


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