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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2002年4月に読んだ本



中央公論新社 C★NOVELS ファンタジア
暁の天使たち /茅田砂胡

新シリーズ。といっても、舞台は『スカーレットウィザード』で、登場人物は『デルフィニア戦記』なんだけど。……しかし、わざわざを終わったシリーズをこゆ形で続けることに対し、批判するファンがいるのは当然なのに、それをあとがきで「独自の判断や解釈をお持ちの方は、読まないほうが賢明です」と書いてしまうのは、ちと幼稚というか頭使ってないというか。そもそも、論点が違うやん。<ま、作品が面白ければ、どうでも良いのだけど。

で、その内容のほうは、……まだ、導入部分だから、なんともいえないけど、『デルフィニア戦記』にも、『スカーレットウィザード』にも、遠く及ばない予感。キャラといい、道具立てといい、やけにバランスが悪いのが、気になるところ。それなりには、面白くはあるのだけど、大丈夫なのかしらん。


富士見書房 富士見ミステリー文庫
DEAR3 二人で見つめる土曜日 /新井輝

そゆわけで、1日を 3回やり直す間に、事件を解決するミステリーな第 3弾。……う〜ん、つまんないんですけど。

や、ミステリー的な部分は、読者はだれもあまり期待してないだろうし(^^;、肝心の恋愛パートも、残ったネタでは最強と思われる、千尋を軸に据えた割には、盛り上がりに欠ける形で終わってしまって、にんとも。あと、1日目は、ネタのインパクトに比べて、中身があまりに弱すぎで、ダメのダメダメです。……やぱし、この作者さん、変に凝ろうとせず、素直な恋愛ストーリーだけを書いてくれれば、いいのに。<って、でも、このシリーズは、恋愛モノとしても、ほとんど完結しちゃってるのがなぁ。

参考:既刊の感想 → DEAR


集英社 コバルト文庫
東方ウィッチクラフト −神様はダイスを振らない− /竹岡葉月

魔女っ子ランラン、……ラストまで、いろいろな意味で、ぐはっ、って感じ。
まあ、相変わらず、どたばたしてるだけの内容なのだけど、園生っちのお話は良かった。…ラストはちと弱かったけど。それにしても、すでに恋愛方面は、期待してないけど、お話として、もちっと、深い部分が欲しいところ。ちょっと物足りない(^^;。

参考:既刊の感想 → 東方ウィッチクラフト


エンターブレイン ファミ通文庫
BIOME 深緑の魔女 /伊東京一

[文庫]『クロスオーバー』が、すごくおもしろかったので、買ってみたのだけど、こっちも すごくおもしろかったっっっ!!! 戦う生態学風味、ほんと、良かったよ〜〜。

内容は、フォレストセイバー(森林保護者)として生きる主人公が、環境異変のため、滅びようとする街を、その原因を突き止め、改善していこうとするお話。飽きさせない展開と、きちんと練られた設定というか伏線というか、その構成が、とにかく上手いね。や、とにかく、素直におもしろかった。ぐぅ!!

参考:既刊の感想 → クロスオーバー


メディアワークス 電撃文庫
新・時空のクロス・ロード 緑の指の女の子 /鷹見一幸

おもしろくはあったけど、でも、プロとして、いいのか、これで?

前シリーズと同じような話を目指したと、あとがきにも書かれてるのだけど、つまり、ほんのちょっと設定が違うだけで、ほんとにそのまま、前シリーズと同じことをやってるわけですよ。工夫もなにもなく、進歩がみられるわけもなく、わざわざ、同じネタで同じ内容の話を書く意味ってなに?

似たような話ばかり書く小説家さんもいるけど、そういう人たちと違って、あからさまに、ネタを考えずに手を抜きました、という部分しか見えてこないのは。こういうネタが得意とか好きとか、同じネタながら工夫や進歩が見られるとかならともかく、なんの必然性もなく、単に同じネタを使ってるだけなんだもん。

デビュー 1年半の小説家さんが、デビュー作の進歩のない焼き直ししか出来ず、しかも、そもそも元ネタも、他の人の作品の流用なわけだし、『アウトニア王国奮戦記』といい、小説家として、ものすごく致命的な欠陥があるとしか思えないんですけど。


メディアワークス 電撃文庫
悪魔のミカタ(2) インヴィジブルエア /うえお久光

………………………にゃん。
素晴らしすぎる〜〜〜っ!! <をい

ミステリとしては、いまいちだし、ストーリー構成も、あまり上手いとは思えないのだけど、独特の芸風が魅力なうえお久光のデビュー 2作目。や、この独特の芸風も、人を選ぶだろうし、むしろ、あたしは、選ばれない側の人なのだけど、前作と違って、今回の話は、ぐはっと来ました。っていうか、漢のロマン(^^;。

しかし、この似非ミステリ風味は、電撃文庫というより、富士見ミステリー文庫な予感が。

参考:既刊の感想 → 悪魔のミカタ


メディアワークス 電撃文庫
第61魔法分隊(2) /伊都工平

1巻は、作者の意気込みだけが先行して、ネタも詰め込みすぎ。正直、下手な部分ばかり目立つ作品という印象だったのだけど、この 2巻は、外伝的に登場人物が減ったせいか、適度にまとまってて、面白かったでし。……まだ、作者の都合とストーリーの流れに齟齬があって、ちぐはぐな部分が多いんだけど。<目立たなくなっただけで、まだまだ力量不足なんだよなん。

とりあえず、続巻もまだ付き合うつもりだけど、次は、登場人物、再登場か。……大丈夫か(^^;。


集英社 コバルト文庫
丘の家のミッキー(9)(10) /久美沙織

ラストは、めちゃくちゃ力技だったけれど、それでも、十分良かったよ〜〜。っていうか、あのラストの一連の展開がなかったら、最終的に、残念な印象しかもてなかった気もするけど。とにかく、ほんとに、いい作品でしたっ。……やぱし、もっと、昔に出逢ってたかった作品だよなぁん。

まあ、やっぱし、高校生編になってからは、それまでと比べて、かなり劣るという話はあるけど。桐村関係の話、特に、9巻辺りの展開は、なんとかならなかったのかなぁ。明らかに、本筋から浮いてて、異質なのだけど。突然、ああいう展開はないだろう。

とにかく、あたし的、超最高傑作少女小説な称号なのだけど、……微妙に、『マリア様がみてる』と比べるようになってしまって、ちと物足りなく感じるようになってしまって、いやん。<ちょうど、『マリア様がみてる』を読みはじめたのが、8巻読んだあと(^^;。

参考:既刊の感想 → 丘の家のミッキー


集英社 RIBON MASCOT COMICS Cookie
天然BAD /長谷川潤

が〜〜ん、かつては『すまいりん'E.S.P』や『空の5線譜』みたいな、想いをなかなか言葉に出せないような女の子を描いていた、純粋ないかにも少女漫画な世界を構築してた長谷川潤が、長谷川潤が、長谷川潤が、あぁ、裸で抱きついたり、セックスうんぬんとか、終いには、アナル攻めでバ○ブですと〜〜。あぁ、あぁ、あぁ、あぁ〜〜〜。

とりあえず、作者の言葉にある「りぼんっ子は読まんよーに」というのが、すべてを表してるというか、もう、あたし、ショックで寝込みそうです。<っていうか、絶賛、寝込み中。<をい


エンターブレイン ファミ通文庫
ふたり days of Broken Blood /山下卓

予想通り、素晴らしい〜〜。……泣ける(T-T)。

[文庫]『BLOOD LINK』の外伝。1巻のストーリーを香織視点から描くという、卑怯この上ない構成。や、目次見ただけで、めちゃくちゃ凄いのは、もう、はじめからわかりきってる話で、実際、めちゃくちゃ凄かったよ〜〜。まあ、4章、5章辺りは、もっとあざとく出来るorすべきという気もするけど(^^;。

もう、ただただ、凄かったとしかいえない。この外伝を読むためだけに、[文庫]『BLOOD LINK』を読むべし、というか、読め。ほんと、凄かったよ〜〜。

参考:既刊の感想 → BLOODLINK


幻冬舎 幻冬舎文庫
暗いところで待ち合わせ /乙一

タイトルから、怖い系の話ならどうしようかと思ったのだけど、内容は、むしろ、ちょっと良い話系だったので、よかった。やっぱし、乙一のこういう話は、ほんと良いわ〜〜。

あとがきを引用すれば、“警察に追われている男が目の見えない女性の家にだまって勝手に隠れ潜んでしまう”という内容。いかにもな乙一作品で、とにかく良いとしか書けないような、まったくもー。……ただ、『失踪HOLIDAY』収録の『しあわせは子猫のかたち』と比べちゃうと、あたし的には、生の人間は綺麗ではない感じなので、わずかにマイナスかも。あと、最大の見せ場以降、ラストが微妙に気が抜けちゃう感じも。って、些細な部分は置いといて、ほんと、素晴らしい〜〜。

参考:既刊の感想 → 失踪HOLIDAY


徳間書店 デュアル文庫
微睡みのセフィロト /冲方 丁

好みからは、かなり遠いのだけど、むちゃ面白かった。むう、SFハードボイルドかぁ。

観応者と呼ばれる超能力な人と普通な人がいがみあってる近未来で、娘を観応者に殺された主人公と観応者な女の子が、ともに協力して、観応者な凶悪犯を追い詰める話。人物関係というか設定が、いかにも王道で、だからこそ、面白いのよ〜。……でも、さすがに、主人公とヒロインの歳が離れすぎていて、恋愛もなにもありゃしないのは、がっがり。


早川書房 ハヤカワ文庫JA
夢の樹が接げたなら /森岡浩之

森岡浩之は、やっぱ、こういう設定の勝利という内容が、断然上手くて、面白いよ。短い複数の話からなる短編集、近未来SFっぽい話が中心なのだけど、ほんと、面白かったよ〜〜。

特に面白かったのが、表題の『夢の樹が接げたなら』と『スパイス』。『夢の樹が接げたなら』は、ほんと綺麗で良い話なのだけど、やけに印象に残るのは、『スパイス』。なんというか、漢のロマンだだだっ!! <をい ……全体に、ライトノベルの文法は、ぜんぜん使ってないのだけど、むしろ、こういうライトノベル的な色の少ない短編の方が、森岡浩之にあってるのではないだろうか。『星界』シリーズと比べても、ぜんぜんこっちの方が、面白かったよ。


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