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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2003年12月に読んだ本



角川春樹事務所 ハルキ文庫
導きの星IV 出会いの銀河 /小川一水 【Amazon

とうとう完結。いや〜、むちゃくちゃ面白かったぁ〜。まあ、やっぱり、大味だったり、B級的な面白さ、っという気はするのだけど(^^;。

そゆわけで、地球外知性体を見守って文明を育てよう! という話の最終巻。いきなり怒涛の展開で、ほんとむちゃくちゃ面白かった〜〜。あと、慣性系同調航法は、なかなか感心で、ぐぅ。まあ、相変わらず、小川一水は、人と人とのドラマは大雑把過ぎてダメだと思うし、OTI のせいで、文明間の戦いは陳腐にしか見えないのだけど、そゆ細かい部分を気にさせないぐらいの有無を言わせぬ展開で、とにかく面白かった〜〜。<ただ、沈美娟辺りのネタは、もちっと感動的に描けたんじゃないかな〜〜。そこら辺は、残念、というか、振り返ると、あそこもそこも、もちっと描写してくれてたらなぁ〜、という部分は多いのだけど、そうすると、展開が悪くなるので、善し悪しか。

参考:
既刊の感想 → 導きの星
感想メモリンク → adramineさんStellaさん一歩さんさくらぃさん十夜さん


角川書店 スニーカー文庫
シャンク!! ザ・レイトストーリー VOL.1 /秋田禎信 【Amazon

いまいち。う〜ん、見所は、どむーんと髭だけかなぁ。

秋田禎信の新シリーズ、魔法使いを目の敵にする盗賊の話。かなり軽めの内容で、『オーフェン 無謀編』に近いノリかしらん。ただ、無謀編と比べて、主人公のキャラがかなり弱いんだよなー。や、無謀編は、オーフェン本編でキャラが確立した上で、バカな内容をやっていたので、それなりに面白かったように思うのだけど、この『シャンク!!』は、楽しいサブキャラに比べて主人公が完全に負けていて、どうにもいまいちなんだよねー。続きを読みつづけるかは、かなりびみょー。

参考:
感想メモリンク → 心音さんもりそばさんひささん


集英社 コバルト文庫
楽園の魔女たち 〜楽園の食卓〜 (前編) /樹川さとみ 【Amazon

なんといっても、少佐とファリスだろ〜〜。<この二人、すげー、面白かった

あとがきによると、次巻で終了だそうで、さらに、“正直、ここまでイタイ話にしちゃっていいものかとずいぶん悩みました”と書いてあるので、本編よりあとがきを先に読んでしまう私は、「うわっ、このシリーズでも最終巻になると、むちゃシリアスになるんかぁ〜〜っ!!」と、おそるおそる読み進めたのですが、……やっぱり、いつもの『楽園』のシリーズと同じだったり。まあ、確かに、最終巻にらしい展開にはなってるのだけど(^^;。とにかく、このシリーズも、もう終わるのかー。次巻は楽しみ〜〜。

参考:
感想メモリンク → Stellaさん宇乃字


早川書房 ハヤカワ文庫JA
クレギオン1 ヴェイスの盲点 /野尻抱介 【Amazon

野尻抱介のデビュー作。もともと富士見で出てたらしいですけど、そっちは読んだことはありませーん。いい加減な性格の社長と、美人パイロットのマージが、ぼろ宇宙船で運送業を営むお話。野尻抱介で、地球が舞台じゃない話って、あー、私、読むのはじめてですわ〜。

で、割とライトな感覚の SF なのだけど、見所は、や、やっぱし、健気な16歳のメイですかーーーっ!! <をい。って、でも、メイはあからさまに狙って作られたキャラなんだけど、そのわりには、キャラ萌え的な要素は、ちと希薄なんだよね(^^;。まあ、十分面白かったのだけど、『太陽の簒奪者』みたいな緻密さが、いまいち感じられないのも、ちと残念に思ったり。


祥伝社 祥伝社文庫
LOVERS /江國香織Amazon

恋愛をテーマにした、9人の女性作家によるアンソロジー。どの作品も、物語性よりも 20代の女性の共感を想起させることを狙ったような内容になってはいるのだけど、ただ、作者による作風と技量に差が大きくて、もちっと統一性を持たせろよ、と思ったりも。

まあ、それはともかく、9つの作品の中で、私的に良かったのは、以下 3作品↓。

キャメルのコートを私に /谷村志穂

背伸びをしていた女子大生が、ほんのちょっと成長する話。収録作品の中では、谷村志穂の作品を一番期待していたのだけど、期待に違わず、ほんとに上手い。文章が綺麗でリズムがいいよね〜〜。

七夕の春 /島村洋子

中学卒業後、卒業後の名簿管理のための定期連絡による心の交流。綺麗、とにかく綺麗。泣けるほど綺麗。

水の匣 /倉本由布

結婚を意識するようになって将来に迷い、昔の思い出を訪ねる話。オチはいまいちだったけど、これも綺麗でなかなか良かった。やっぱ、恋愛は、綺麗な話がいいよね。


メディアワークス 電撃文庫
シックス・ボルトIII /神野オキナ 【Amazon

はうぅ、ふつうだ、痛くないー。正直、期待ハズレだー。

そゆわけで、絶滅戦争を戦う少年少女の痛い話の3巻。なのだけど、この巻は、いまいち見所と言えるほどの見所がなくて、今一つ。いや、今後の展開へのネタフリという要素が強いせいではあるのだけど、それにしても、この巻で消化されたイベントは、どれも期待値以下というのが、率直な感想だよなー。や、今までの展開や設定から考えて、この程度では、生ぬるくてダメダメ、と言わざるをえないと思うのですけどー。

参考:
既刊の感想 → シックス・ボルト


メディアワークス 電撃文庫
護くんに女神の祝福を!(2) /岩田洋季 【Amazon

こっぱずかし〜〜〜〜〜〜。<もう、素晴らしすぎますぅ

初心な二人のあまあまな恋愛模様は、とにかく、とにかく、くらくらです。ほんとに、素晴らしい〜〜〜。展開や文章は、冷静に見ると、かなりダメだと思うのだけど、そんなのは、まったく問題にならず、ただただ、初々しい二人の付き合いとその二人を囃し立てる友人たちが、気持ちが良くて楽しい。ほんと、面白いわ〜〜。

祐巳&祥子さまにダブってしかたない”というのは、確かに、そうですね。というか、そのまんま(^^;。ただ、そこら辺の描写は、『マリみて』よりもストレートなので、そゆ方向では、『マリみて』以上に楽しめる予感〜。

参考:
既刊の感想 → 護くんに女神の祝福を!
感想メモリンク → NOGさん永山さんABWAYさんあずみん高森さん


メディアワークス 電撃文庫
めがねノこころ /ゆうきりん 【Amazon

“自分の心に眼鏡をかけて、誰とでも一定の距離を保っているのだな?”って、いや、良いねぇ〜。ただ、ネタを優先させすぎで、出来自体は、あまり良くないのがなぁ。……まあ、こういうノリの話は好きだし、続刊に期待かしらん。

そゆわけで、眼鏡少女な軍事兵器と嬉し恥ずかし同棲生活、という話。「めがねっ娘学園コメディ」と銘打っているけれど、残念ながら、萌え的な要素はないし、萌え方面では、今後も期待出来なさそう。今回は、単にネタを披露しただけの内容でしかないのだけど、まあ、ラブコメ&シリアスな方向では、わりと期待できそうだし、そもそも、こういうバカなネタを起点としたお話は好きなので、やっぱ、次巻以降に期待だよな〜〜。

こういう眼鏡さんは、眼鏡の偉い人にはどうなんだろう”ということだと、眼鏡っ娘的な要素は皆無なので、以下略。むしろ、無口系とかそんな感じじゃないですか(^^;。……そもそも、眼鏡っ娘方面に限らず、萌え的な演出&効果が全くなってないんだよなー。「甘え上手な妹」も、もったいなくも無駄にネタとして消化してるだけで、ほんと、萌え的な側面では、まったく評価に値しないと思ったり。

参考:
感想メモリンク → NOGさん永山さん草三井さんもりそばさん


メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインIV 世界樹の街(上) /三枝零一 【Amazon

早く続きを出せっ!! <来月出ます。 や、おもしろい、とにかく、おもしろいっ!!

電撃では、いちばん面白い作品の1つ『ウィザーズ・ブレイン』。絶望にたそがれる世界で、それでも、懸命に生きようとする少年少女の話。今回は、上下巻に分かれてるので、「おいっ、これで終わりかよ〜〜」という感想が先立つけれど、でもでも、やっぱりとにかく面白い。なにより、またまた、痛くて泣ける話かよ〜〜。今まで、各巻ごとに登場人物を代えてきた構成も、ここに来て、1巻の錬&フィア、2巻のヘイズ&ファンメイの直接対決。や、ほんとに、面白い〜〜。はやく、続きを〜〜〜。

参考:
既刊の感想 → ウィザーズ・ブレイン
感想メモリンク → みくろさん桐月さんまいじゃーさん永山さん


メディアワークス 電撃文庫
ルナティック・ムーンII /藤原 祐 【Amazon

端的に、下手で、つまらなくて、良いとこなし。

黄昏の世界で、遺伝的に人でなくなった変異種の哀しい話。いや、1巻を読んだときは、「下手なんだけど、とにかく話が好み」という感想だったのだけど、この 2巻は、下手なくせに、いろいろ凝りすぎっ!! 風呂敷広げすぎっ!! それ、効果的に描けてないばかりか、下手な部分が目立つだけ。ストーリーも、きちんと整理されていないし、見せ場が見せ場になってなくて、ちょっと酷いなぁ。……今後の展開を考えても、持ち直すのは難しそうだし、続刊を買うかどうか、迷うなぁ。<デビュー2冊目なので、仕方ないという部分はあるのだけど、もちっと、自分の技量を考えて書いてくれ、と言いたい

参考:
既刊の感想 → 1巻
感想メモリンク → 永山さんadramineさんけんじょさん


メディアワークス 電撃文庫
ダブルブリッドIX /中村恵里加 【Amazon

えぇい、生ぬるい。いや、もっと容赦なく、血臭のする内容を期待してたんだけどなー。

前巻のラストは、公園のベンチで良い雰囲気の虎司と安藤@眼鏡がラブラブモード、そこへ、優樹と仲違いして正気を失った太一朗が襲い掛かり、さあ、二人の恋模様はどうなるっ、待て次号っ!! ……というわけで、この巻も前巻に引き続き、虎司と安藤さんの二人の話しなんだけど、う〜〜ん、恋愛モノとして、かなり良い部類には入るんだろうけど、前巻で、あそこまで描いてしまった後だけに、正直、物足りないという印象。あと、太一朗の今回の描写もマイナスだと思う。いまさら、中途半端に明るい兆しなんて不要。きちんと、行きつくところまで描ききって欲しい&欲しかったんだけどなぁ。

それにしても、なにげに、傍観者の大田の描写の上手さに、くらくらだったりもして。

参考:
既刊の感想 → ダブルブリッド
感想メモリンク → 永山さん草三井さんもりそばさんヘポイさん


メディアワークス 電撃文庫
空ノ鐘の響く惑星で /渡瀬草一郎 【Amazon

渡瀬草一郎を読むのは初めて。や、なかなか上手いし、面白いじゃないですか〜〜。

そゆわけで、性格良いけど末子で妾腹な王子が、謎の異世界少女と三角関係っ!! ついでに、国は乱世へ動き出す、という話。異世界少女のリセリナもなかなか美味しいのだけど、なんと言っても、某司祭が素晴らしい〜〜。……って、内容的には、1巻かけてプロローグ、といった構成なので、次巻以降、どう展開するかだよなー。あと、善い人と悪い人が、あまりにくっきり分かれてるので、戦記モノとしては、ちょっと底が浅そうだよなー。とりあえず、続巻に期待ぃ〜。

参考:
感想メモリンク → 桐月さん睦月さん麻弥さんStellaさん草三井さん狩田さん高森さん大桃さんけんじょさん


講談社 講談社ノベルス
時の鳥籠 /浦賀和宏 【Amazon

う〜〜〜ん、いまいち。初期の浦賀和宏は、どうも、ダメかなぁ。

この前読んだ 『記憶の果て』と対になる内容。救急救命センターで働く青年医師が、奇跡的に助かった少女に一目惚れする話。や、音楽をネタにする日常描写は感心だし、各々のイベントは印象的に書かれてはいるのだけど、トータルでみると、どうにも展開はちぐはぐだし、内容らしい内容もなくて、単に、インパクトのあるネタを並べただけに見えちゃうんだよなー。結局、トータルで 1つの作品として仕上げる構成力とかそこら辺が、かなり弱い予感。『地球平面委員会』だと、逆に、そこら辺は上手かったので、ある時点で克服したんだろうけど、初期の作品はダメだなぁ。……デビュー作から、ちまちま読んでこうと思ったんだけど、このレベルだと読むのつらい。どうせ読むなら、素直に、最近の奴から読んだほうが良いかしらん。


朝日ソノラマ ソノラマ文庫
クロノス・ジョウンターの伝説 /梶尾真治 【Amazon

感動っ!!、泣けるっ!! 素晴らしい、最高傑作級ぅ〜〜っ!!

「クロノス・ジョウンター」というタイムマシンを題材にした 4つの短編が収録された作品。このタイムマシンの設定があざとくて、とにかく、せつない恋愛モノに仕上がってるのよ〜。外伝の「朋恵の夢想時間」はちと毛色が違うのだけど、恋に生きる漢の生き様を描きに描いた「吹原和彦の軌跡」であったり、たった数日の本物の恋を描いた「布川輝良の軌跡」であったり、お兄ちゃん好き好きな「鈴谷樹里の軌跡」だったり、どれも素晴らしい〜〜。私的に、いちばん感動的だったのは「鈴谷樹里の軌跡」なのだけど、「吹原和彦の軌跡」が漢なのでいちばん印象的だった。いや、ほんと良い作品だったよ〜〜。


エンターブレイン ファミ通文庫
いろんな地球の救いかた 2 /ゆうきりん 【Amazon

う〜、2巻で終わりか、もったいないなぁ〜〜〜。

そゆわけで、裸同然のコスチュームで戦う、変身美少女戦士モノの第2巻。冒頭からいきなりの展開&話の進みもかなりの駆け足で、私的に、打ち切りにしか見えないのだけど、どうなんだろう。とにかく、期待のシリーズだっただけに、たった 2巻で終わってしまったのは、すげ〜もったいない〜〜。設定的にも使い切れてないネタが多すぎて、あーーー、なんで、2巻で終わってしまうんだ〜〜。……まあ、2巻の王道な展開も、萌と一郎のラブストーリーも、それ自体は、そこそこ良かったんだけどさぁ。

参考:
既刊の感想 → いろんな地球の救いかた
感想メモリンク → 永山さん


講談社 講談社文庫
日本国債 改定最新版 (上)(下) /幸田真音 【Amazon

想像してた内容とは かなり違ったのだけど、なかなか面白かったり。……でも、ヒロインの歳が、30代後半というのは、納得いかないぃ〜〜

タイトルや帯から、日本経済大ピンチっ!! みたいな内容かと思ったのだけど、生命は狙われても、経済危機はほとんどなし。わりと軽め&コミカルな要素もあり、あくまでヒロインを中心に描いたエンターテイメントな内容なのよ。や、帯の“この国が破産する!”とか“破局のシナリオ!”という煽りは、あまりに内容とかけ離れてて酷いと思うんですけど。

そゆわけで、陰謀に巻き込まれた新人女性ディーラーが、信頼できる仲間を得て、共に立ち向かう、というのが基本的な筋。ラストの爽快感はいまいち弱いのだけど、ディーリング・ルームの描写は熱いし、オーソドックスな筋で、ほんと、面白かった。でも、やっぱ、この主人公の年齢設定が、疑問なんだよなぁ。ヒロインの描写や立ち位置から順当に考えれば、20代。むしろ、この内容だったら、10代でも十分通用すると思うのですけど。30代ちゅうのは、いったい、なにを考えてるんだっ、この作者っ!!


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる バラエティギフト /今野緒雪 【Amazon

[雑誌]『Cobalt』掲載分を纏めた短編集。各短編のあいまに「バラエティギフト」を挟む構成は巧いし、各短編も相変わらず高レベルなのだけど、うーん、でも、どれも短く、あくまで番外編という位置付けなので、物足りないと思ってしまうのが正直なところ。……や、そもそも、私は、最近、「妹選びはっ!! 妹選びはどうしたっ!!」という感じなので、さっさと本編の続きを進めて欲しいところだよなぁん。

参考:
既刊の感想 → マリア様がみてる
感想メモリンク → NOGさんうしとらさん富士書房さんadramineさん麻弥さん高森さん一歩さんヘポイさん


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