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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2004年4月に読んだ本



集英社 集英社文庫
妖精愛 /谷村志穂 【Amazon/bk1
bk1

おもに 30代の女性の心を恋愛と絡めて綴った 9編の短編集なのだけど、……いまいち。どれも、表面的で、味わいがなさすぎる。

内容的には、私が谷村志穂に求めるような心を痛めた大人の女性を描くような内容。だけど、期待する心情描写が、どれも単なるパターン組合わせの表面的なものにしか読めず、がっくし。や、もともと、ストーリー的な要素に乏しく、描写や雰囲気を味わい、内容に共感することを目的とするようなタイプの作品だと思うのだけど、その描写や雰囲気が、単に設定と道具立てに頼っただけの作品になっている予感。特に、こういう類いの作品に共通だけど、セックスを演出の道具として楽に使いすぎだよなぁー。短編だと、特に、便利な道具的な側面が目立って、ダメダメだと思うんですけどー。


集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる チャオ ソレッラ! /今野緒雪 【Amazon/bk1
bk1

修学旅行と言えば、すぐさま、[WIN]『晴れのちときどき胸さわぎ』に脳内を占領されてしまう私なので、イタリアで、祐巳と由乃さんとタマタマと緊縛和尚が、ぐるぐる走り回りまくって、かなり異様なオレ脳内『チャオ ソレッラ!』が展開されまくりな読書タイムだったのであり、なにをどう感想を書けば良いのやら。とりあえず、由乃さんはコンボしまくりだっ!!

……本編が作者のイタリア旅行日記だったのと比べて、巻末の「紅薔薇のつぼみの不在」は、読み応えがあり非常に良かった。あと、由乃さんは、頭の中で、きちんと、池澤春菜の声になっていて、アニメの影響侮りがたし。

参考:
既刊の感想 → マリア様がみてる
感想メモリンク → あずみんadramineさんINNさんdominoさんむぎさんDAIさんCAXさん篁風さんYOICHIさん宇乃字流穂さん桐月さん十夜さん麻弥さん


幻冬舎 幻冬舎ノベルス
迷宮百年の睡魔 /森 博嗣 【Amazon/bk1
bk1

このシリーズは、やっぱりいまいち。特に、『四季』を読み終えた今では、そういう見方しかできないので、なおさら、いまいち感が強い。

そゆわけで、ジャーナリストのミチルとロボットのロイディが、殺人事件を解決っ!! という SF + ミステリ + 「人間とは?」みたいな話。設定は凄いし、あらすじだけ見ても面白そうなんだけど、なぜか、キャラは弱いし、ストーリーも盛りあがらないし、期待も大きい分、どうにも、つまらない。や、いまひとつミステリを逸脱してないのと、背景になってるテーマがありきたりなのが、問題かしらん? 期待できる設定なので、ストーリー的にも、もちっと頑張って欲しいところなんだけどなぁ。

参考:
既刊の感想 → 「百年」シリーズ


新潮社 新潮文庫
失恋 /鷺沢 萠 【Amazon/bk1
bk1

良かったっ!! や、電撃文庫が出るまでの繋ぎとして、タイトルだけで買ってみたのだけど、期待以上。タイトル通り、失恋をテーマにした、4編の短編集なのだけど、特に、短編「欲望」が、非常におもしろかった。

「欲望」
学生時代からの黎子の良き相談相手である悠介の視点で、黎子の元夫の水島を描いた作品。ありがちな構図のわりに恋愛色は弱めなんだけど、その見せ方、描き方が、非常に綺麗でせつなくて、素晴らしい。ラストも綺麗で、非常に良かった。……それにしても、「欲望」というタイトル、読めば非常にあっているタイトルだけど、印象的にはあってないよなぁ(^^;。

「安い涙」
一人で生きてきた女性がふと侘しさに襲われる、という内容。特に、どうという感想はなかったり。

「記憶」
複数の女性と関係を持つダメ男と分かっていながら、便利な女を演じつつ別れられない女性を描いた話。つまらなくはないんだけど、ダメ男が萌え作品レベルのモテモテぶりだし、主人公の女性の設定も、ちょっとやり過ぎという感じで、ちと、いまいち。

「遅刻」
酒場での出会いを描いた非常に短い作品。この1冊のエピローグ的な感じで良い。


メディアワークス 電撃文庫
めがねノこころ2 /ゆうきりん 【Amazon/bk1
bk1

やっぱり、いまいち。や、表面的にはコミカルに描きつつ、実はシリアスなストーリー展開、という構成を狙ってるんだろうけど、結局、コミカルにもシリアスにもなりきれずに中途半端な失敗作になってしまっていると思う。コミカルならコミカルに、シリアスならシリアスに、もっと、徹底的にメリハリを付けるべきだよなぁ。……あと、おバカなネタを有効に使えてないのも、大きくマイナスだと思う。

そゆわけで、眼鏡を着替えることでさまざまな能力を発揮するボディーガードとの同棲ラブコメ。今度の敵は、全裸で能力を発揮する《B・P》。ただ、「全裸の少女」ってところをはじめ、ここら辺のおバカな設定を全く生かせてないのが、最大の欠陥。《B・P》の設定は、もっと、いくらでもいぢれるネタだと思うんだけどなー。それに、ロシィ周りのネタも、「妹」や「アイドル」とか、演出も使い方も、非常に間違ってるとしか思えないんですけど。もったいない。や、ロシィやアリシアの変化は、なかなか期待させるモノがあるので、もうちっと頑張って欲しいトコなんだけどなぁ。いまのままだと、駄作で終わってしまうぞ。

参考:
既刊の感想 → めがねノこころ
感想メモリンク → 永山さん睦月さんもりそばさん桐月さん


竹書房 BOMBOO COMICS
ういうい♥days(1) /犬上すくね 【Amazon/bk1
bk1

さすが、犬上すくねっ!! 素晴らしいっっっ!! [雑誌]『まんがライフオリジナル』に連載中で、掲載誌の関係上、各話はちょっと短めで、そのせいで、ちと微妙な部分もあるんだけど、や、高校生恋愛モノで、この初々しい純愛ぶりがたまらない〜〜。……これで、キャラが(<特に、薫子とか(^^;)萌え方向にも良かったら文句なしだったんだけどなぁ〜。


メディアワークス 電撃文庫
ゆらゆらと揺れる海の彼方(2) /近藤信義 【Amazon/bk1
bk1

エミリアが、うわぁ〜、うわぁ〜、うわぁ〜〜

そゆわけで、[文庫]『銀英伝』モドキの戦記ファンタジー。今回は、アールガウ神聖帝国側を描いたものだけど、エミリアがなかなか美味しい〜〜。……しかし、ラシード&ジュラ側だけでなく、アールガウ神聖帝国側も描いてくということは、やっぱりかなり大きなシナリオを構想してるのね。正直、この作者の力量では無謀だと思うのだけど。

や、1巻も粗が多くて下手だと思ったのだけど、この2巻は輪をかけて酷い。エミリアとノウラがいなかったら、ゴミと断じて切るぞ(<今回、ノウラもなかなか良い役どころを与えた感じで、その点は、ぐっど)。設定的な甘さも感じるのだけど、加えて、ストーリー構成も描写力も、新人だといっても、かなり劣る。冒頭シーンとか篭城シーンとか、かなりダメダメだろ。少なくても、こういう長編は、もちっと力量を付けてから挑むべきだと思う。む〜、良いものは持ってるので、頑張って欲しいところなんだけどねぇ。

参考:
既刊の感想 → ゆらゆらと揺れる海の彼方
感想メモリンク → 睦月さんStellaさん葉月さんadramineさん


メディアワークス 電撃文庫
しにがみのバラッド。(4) /ハセガワケイスケ 【Amazon/bk1
bk1

ぅわぁぁ〜〜〜〜〜〜〜。……傑作、最高傑作級。もうもう、非常にせつない内容を、詩的に綴った優しい作品。まだまだ、微妙な部分はあるんだけど、3巻までと比べて、むちゃくちゃ完成度も向上してるしっ。内容的に、もの凄く好みという部分は当然あるんだけど、それだけじゃなくて、正直、ここまで巧さを見せてくれる風になるとは思わなかった。ほんと、非常に素晴らしい。

そゆわけで、やさしい死神のお話の第4巻。巻頭といい、巻末といい、各話についても、モモの扱いが非常に巧い。とにかく、せつないよ〜。各話の中では、「しちがつなのか。Tuesday, 7th July」が、すげー好み。泣いた。もうもう、とにかくとにかく、せつなく、くらくら。挿し絵のセンスも素晴らしく、あ〜〜〜、絶賛。めちゃくちゃ良いよ〜〜〜。

参考:
既刊の感想 → しにがみのバラッド。
感想メモリンク → 永山さんREVさん


メディアワークス 電撃文庫
結界師のフーガ /水瀬葉月 【Amazon/bk1
bk1

すまん、褒める部分が全くない。新人だから下手なのは仕方ないとしても、せめて、なにか魅力的な部分がないとツライと思う。もしかして、今の中高生には、ああいうタイプの主人公が受けるのかしらん?

美人だけどオヤジな性格の主人公が、純真な助手をからかいつつ、妖怪絡みの依頼を解決、という話。無駄が多く下手で工夫のないストーリー展開は、まあ、物語の方向性からして、わりとどうでも良いと思うのだけど、問題はキャラクター。キャラの魅力で勝負するような内容にもかかわらず、キャラが全く魅力的に描けてねー。美人のオヤジキャラの主人公を筆頭に、設定だけは「味のあるキャラ」として作ってあるのだけど、設定だけで、その先の描写がぜんぜんダメ。……正直、この程度で、なんで奨励賞を取ってるんだ?

参考:
感想メモリンク → 狩田さんINNさん心音さんadramineさん


メディアワークス 電撃文庫
シュプルのおはなし Grandpa's Treasure Box /雨宮 諒 【Amazon/bk1
bk1

「手堅い良作」という辺りが順当な評価だと思うのだけど、私的には、ちと物足りないなー。毒なり萌えなり、なにか変化球を交ぜてほしいところ。

そゆわけで、孫が自分の作った話を祖父に聞いてもらうという形式の連作短編。小さな子供が想像して作った物語という設定は、あざとさも含めていろいろな意味で巧いなぁ。作者がきちんと実力があるということなんだろうけど、欠点らしい欠点もなく、ほんとに手堅い作りだよなぁー。……ただ、私的には、素直過ぎるし好みと違うという部分もあって、やっぱり物足りない〜。

参考:
感想メモリンク → 心音さんadramineさん睦月さん永山さんkanadaiさんINNさん


メディアワークス 電撃文庫
埋葬惑星 The Funeral Planet /山科千晶 【Amazon/bk1
bk1

オーソドックスな展開で、純粋におもしろいんだけど、いまひとつ心に残らないなぁ。<主人公が、表紙イラストのフラン@女神官じゃなくてネコ型ロボットだしなぁ(^^;

死者を弔うために生きるロボットたちの世界で、ご主人様の願いを叶えようとするネコ型ロボットの話。ストーリーは、わりと考えて作っている&作ろうとしているとしてるのは見て取れてそこら辺は評価に値するんだけど、ただ、全体にちと未熟な部分が散見されるかなー。まあ、そこら辺は、デビュー作だし、今後に期待。

参考:
感想メモリンク → adramineさんINNさん永山さん心音さん


メディアワークス 電撃文庫
とある魔術の禁書目録 /鎌池和馬 【Amazon/bk1
bk1

うわぁ〜、下手で読みにくい文章な上に、構成も酷く、さらにツッコミどころ満載の内容。……でも、めちゃくちゃおもしろい〜〜。いや、これって、小説としては酷いと言いきって良いと思うんだけど、そもそも、小説の書き方じゃなくて、美少女ゲームのシナリオの書き方で書いちゃってるのんね。こういうの書くんだったら、小説なんて書かずに、素直に、シナリオライターを目指せよ(^^;。<小説だと酷さが目立つけれど、ゲームだったら、さらに面白く仕上げられるんじゃないかしらん

そゆわけで、行き倒れのボケ少女を助けることから始まるラブコメ。小説としての出来はかなり酷いんだけど、あざといキャラ設定が素晴らしく、そのキャラのやり取りを読んでるだけで、非常にむちゃくちゃ楽しい。インデックスと小萌先生だけで、大絶賛しようっ!! ほんとに、めちゃくちゃおもしろいよ〜〜。

ストーリー的には、もう、どーしようもないのだけど、もちっとマシな力量があれば、ラストも感動的に仕上げられたんじゃないかしらん?と思うと、ちと残念。って、これ、続編書くつもりなのか?うわ〜、めちゃくちゃこわい〜〜。

参考:
感想メモリンク → まいじゃーさんEarlさんもりそばさんadramineさん永山さんスズキトモユさんINNさん桐月さん一歩さん


富士見書房 富士見ミステリー文庫
Dクラッカーズ 接触 ―touch― /あざの耕平 【Amazon/bk1
bk1

なるほど、おもしろい〜〜。や、なんと言っても、ラストの 3ページが全て。あとは、変な委員長、千絵だぁ〜〜〜。って、あっ、→ の書影が、私の買ったのと違う〜〜。うわ〜、なんで私のには、千絵ちゃんがいないのだぁ〜〜。……ちゅうか、むさい男なんて、表紙に描くな、ボケっ!! <なぜか、私の買った版では、景が目立ってやがる

そゆわけで、わりと人気があって評価も高いらしい『Dクラッカーズ』の第1巻。終盤の病院での一連のシーンは、今後次第とは言え、ちと微妙だと思うのだけど、全体的には、構成も文章力も水準以上で、確かに、人気があるのもうなずける。っていうか、主人公が、7年前に別れた幼なじみ一筋の純情少女ですよっ!! きゃ〜〜〜〜っっっ!! さらに加えて、へんてこ委員長も登場ですよ。うきょ〜〜〜〜〜〜。<や、萌え的に強力なわけでは、ないんだけど(^^;

そんな感じで、第1巻はなかなか良い感じで、特に、ラブコメ&ミステリちっくな話としては、かなり期待なのだけど、やぱし、終盤の展開は、ちと不安だ。ちゅか、これ、続刊で、どう回していくんだ?


富士見書房 富士見ミステリー文庫
Dクラッカーズ2 敵手 ―pursuer― /あざの耕平 【Amazon/bk1
bk1

新キャラは眼鏡っ娘ですとーーーっ!! って、ダメだ、ぜんぜん眼鏡っ娘になってねぇ(T-T)。……やっぱり、萌え的にはダメなのか。ダメダメなのかっ。千絵も梓も、キャラとしてはかなり美味しく描かれてるのだけど、だからこそ、萌え的にダメなのはがっくしだ。はぅ〜、千絵ちゃ〜ん、千絵ちゃ〜〜ん。

それはともかく、ミステリ風ラブコメかと思っていたら、なんだか、超能力格闘アクションになってるんですけど〜〜。アクションシーンもそこそこ描けてるし、テンポのあるストーリー展開もなかなか良いのだけど、ラブはどうしたっ!! <まあ、ラストの梓と景は、そこそこ良かったんだけど、もっとラブっをっ!!

あ、戦闘シーンは、特にアクションは、ライトノベルの作家の中では、まあ、まともな方だとは思うけど、ただ、 わりとえげつなくて容赦ない描写を目指してる風なのに、ちと、血の臭いも骨の軋む音もしてこないよね。正直、やろうとするレベルには、まだまだ力量が追いついてなくて、そこら辺が、ちと残念。


富士見書房 富士見ミステリー文庫
Dクラッカーズ3 祭典 ―ceremony― /あざの耕平 【Amazon/bk1
bk1

クリスマスですよ、クリスマスっ!! 聖バレンタインデーと並ぶ最強イベントですよ〜〜。クリスマスを前に、浮かれ気味な梓と、戦闘で体はボロボロ&状況的にも追い詰められた景、形にならない不安に悩む美少女探偵千絵ちゃん、そんな中はじまる悪のセルネットとの大決戦っ!! 梓は無事に景との甘い聖夜を過ごせるのかっ!! うきゃー、うきゃー、うきゃーーーーーーーーーっっっ!!

や、最高傑作級ぅ〜。特に、梓の過去が素晴らしい〜〜。明かされた景と水原とセルネットの関係も、なかなかに良いねぇ。って、まあ、明らかにする方法は、もうちょっとわかりやすくても良かったとは思うけど。……それにしても、怒涛の展開で、すぐにでも終わりそうな盛り上がりなのに、え〜〜っと、残り、4巻?5巻? いったい、どう展開してくんだ??


富士見書房 富士見ミステリー文庫
Dクラッカーズ4 決意 ―resolution― /あざの耕平 【Amazon/bk1
bk1

千絵ちゃん、かっくいいーーーーーーーっ!! ……梓は半壊、えせ眼鏡っ娘の茜も置いてけぼりとなれば、我らのミス・ホームズ、千絵ちゃんが大活躍するしかないのですっ!! もうもう、千絵ちゃんさいこーーーっ!! きゃ〜〜〜〜〜〜。

『あなたを護らせてください』

泣ける、素晴らしーーーーっ!! や、とにかく、息をつかせぬ展開と言う感じで、物語として、非常におもしろい。序盤の状況から、あのラストを導く構成力、梓や千絵の想いを綴る描写力は、とにかく、素晴らしいの一言でしょう。明確に動き出した強力な敵とそれに挑む最高の仲間たち。イラストを含めたこの 4巻のラストは非常に秀逸。ほんと、めちゃくちゃおもしろい〜〜〜。


富士見書房 富士見ミステリー文庫
Dクラッカーズ5 乱 ―rondo― /あざの耕平 【Amazon/bk1
bk1

感動のエンディング、って、終わってね〜〜。……や、続刊も、評価は低いわけじゃなさそうだけど、こういう引き方は、ちゃんと面白さを維持できるのか、すげー不安だ(^^;。

そゆわけで、千絵スケ愚連隊と執行細胞との最終決戦。ラスト手前の公園のシーンではすごく感動したのだけど、正直、この 5巻は、ストーリーの流れが良くないし、全てのキャラを動かしきれてないように思えるし、なにより、我らの千絵スケの見せ場が少なすぎる〜〜。千絵がリーダーなんだから、もっと、千絵を活躍させろ、こんちきしょ〜。


富士見書房 富士見ミステリー文庫
Dクラッカーズ6 追憶 ―refrain― /あざの耕平 【Amazon/bk1
bk1

うわ〜、痛い、せつない〜〜。……でも、[WIN]『ONE』には負けるけどな(^^;。

そゆわけで、「あの激闘から三ヶ月、平和な日々を楽しみ、明るい将来を語り始めた千絵スケたち。しかし、その裏で、絶望的な計画が、着実に進行していた……」という感じの、まあ、パターン的なストーリー進行なのだけど、だからこそ、計画が目に見えて動き出したあとの展開は、非常にせつない。しかも、あの [WIN]『ONE』を彷彿とさせるような筋だし。いやぁ〜、泣ける〜〜。

ただ、この巻、ちと稚拙な部分が目立つなぁ。や、ベースのストーリー構成は悪くないのだけど、各キャラの行動やセリフが、いまいち練りこみが甘く、特に、各キャラの会話が、演出やタイミング的な部分を考慮に入れると、どうにも、首を傾げざるを得ない部分が、散見される。もちっと完成度が高ければ、もちっと感動的に出来たかしらん?と思うと、ちょっと残念だなぁ。


富士見書房 富士見ミステリー文庫
Dクラッカーズ7-1 王国 ―the limited world― /あざの耕平 【Amazon/bk1
bk1

うきゃ〜、めちゃくちゃおもしろいーーーっ!! 前半から中盤にかけての孤軍奮闘な千絵スケも涙を誘うのだけど、とにかく後半の盛り上がりが、うわー、うわーー。とりあえず、梓と景は脇に置いとくとして、千絵スケさいこー、千絵スケさいこー、千絵スケさいこーーーーっ!!

そゆわけで、物語も最終章に突入して、めちゃくちゃクライマックスっ!! とにかく、千絵スケさいこーーーっ!! この設定とこのストーリー構成から見ると、いろいろ間違ってると思う部分は多いのだけど、千絵スケが活躍してるから、全て許可。<をい(^^;。えいえん(<ちげー)に捕らえられた彼を救うために、一人想いを抱く千絵スケ、くぅ〜〜。や、ほとんど勢いだけのストーリー進行なんだけど、とにかくおもしろい。ほんと、千絵スケさいこーーーっ!!


富士見書房 富士見ミステリー文庫
Dクラッカーズ7-2 王国 ―a boy & a girl― /あざの耕平 【Amazon/bk1
bk1

うーん、正直、不満は多いのだけど、とりあえず、綺麗に終わったことは良かった。あとは、茜と甲斐は、良かったなー。まあ、茜はちびっこ眼鏡だしな。<をい

そゆわけで、シリーズ完結編。敵地に乗り込んでの戦闘、千絵スケの論戦、兄弟の対話、梓と女王の直接対決と…。ただ、どれも、私の求めるクオリティには遠く及ばず、ストーリー構成的な側面や演出面でも、あまり出来は良くなく、結局、「ストーリーを完結させた」という点以外、この巻は、ほとんど評価できない予感(^^;。<特に、千絵スケの論戦が、内容的にも構成的にも、ダメダメな印象で、がっくり

シリーズ全体でみれば、悪魔を召還して戦うアクションものとして、非常に吸引力のあるストーリーで、なかなかおもしろかった。でも、思ったよりも、恋愛色が弱かったのが、残念だったけど(^^;。……って、短編集は読んでないけど、そっちはそのうち。


幻冬舎 幻冬舎文庫
ささら さや / 加納朋子 【Amazon/bk1
bk1

ラストはなかなか感動。や、加納朋子らしい心温まるクオリティの高い日常ミステリ(って、ミステリ要素は弱いけど)。やぱし、加納朋子さんの作品は、いいわぁ〜〜〜

非常に頼りない新米ママと死んで幽霊になってしまった旦那さんのお話。新米ママが主人公というと、独身男性的には、なんともつまらんモチーフで、最初は、「おもしろくねー」とも思ったんだけど、読み進めるにつれてだんだんと慣れて、最後は、「くぅ〜〜〜」と、良い話だよ〜〜。新米ママのさやと、それを支える周囲の人たちと幽霊になっても見守る夫、ほんとに優しい雰囲気の心温まる良い作品です。

ただ、私の好み的には、恋愛色が弱いのは物足りないし、義父&義姉方面の話は、あまり絡めなかった方が良かったんじゃないかなー、と思ったりも。まあ、それはともかく、ほんとに良い話でした〜。


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