彩雲国物語の外伝2冊目。会誌直前の藍龍蓮に焦点をあてた「王都上陸! 龍蓮台風」、茶州編直後の茶克洵と春姫を中心に描いた「初恋成就大奔走!」、影月編後茶州との別れを描いた「心の友へ藍を込めて」の三篇+α。なんと言っても、奇行の目立つ龍蓮の行動について、きちんと理由付けしたところが良かったです。これで今後の展開次第では、龍蓮も秀麗争奪戦の最右翼になることも可能になった、ということで(^^;。……まあ、短編単体で閉じてるというより、次回作への仕込みも含めた繋ぎという側面も強く、とにかく、続きが楽しみ、ということで。
[ 彩雲国物語 ]
うひぃぃぃ〜〜〜〜〜。前作『滅びのマヤウェル』同様、非常に癖がある作品ではあるけれど、哀しい背景を包含しつつ、きちんと盛り上がるべき部分で盛り上がる熱い展開っ!! 学園超能力バトルっ!! とにかく素晴らしすぎる〜〜〜。
そゆわけで、神格能力を持つ風間瞳は未来に絶望しつつ生きていた。しかし、応援バカの桜井夕陽と付き合ううちに、だんだんと変わっていく……。一応、残念ながら打ち切られてしまった『滅びのマヤウェル』とリンクする作品。いやぁ、やっぱり、癖はあるけど、めちゃくちゃ面白いわ、岡崎裕信。哀しい背景と妙に楽しい文体が非常にGood。ストーリーの盛り上げ方の巧さも健在。そしてラストの泣けること、泣けること。粗はあるのだけど、とにかく勢い重視でいいねぇ。……しかし、綺麗に纏まった作品で、続きはなさそう&ない方がいいような話なのだけど、新シリーズと銘打って、どうするんだろう。
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いまいち。続編の主人公に、敢えて眼鏡っ娘の深優を起用する、というのは非常に素晴らしいのだけど、ただ、説得力に欠けるというか青臭いというか、ストーリー的にはちょっとなー。……や、特殊な状況に置かれた三人の恋愛ストーリーとして読めばそこそこ面白いのだから、素直にキャラのやりとりだけを描いてくれればいいのに(^^;。
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[ 終わる世界、終わらない夏休み ]
瞳子の秘密って、そんなことですか。いや、散々引っ張った上に、今までの読者への情報の提示の仕方も、正直巧いとは思えなくて、かなりガックリですよ。……まあ、展開的には、瞳子が動かなければいけない状況になったことが大きな進展。だけど、特に進展させなくても、このまま、まったりと進んでいくだけでもいいと思ったりする今日この頃だったり。
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[ マリア様がみてる ]
あの眼鏡はどういうことよ(^^;。や、お約束で王道でセオリー通りの展開。押えるべきツボはきちんとは押えていて、綺麗に纏まった良作です。……ただ、ヤマグチノボルの描写では、文章からはヴィジュアルのイメージが沸いてこないので、もうちょっと、イラストが多ければ良かったんだけど。
魔女っ娘が軍隊の中枢を成す世界。各国でお荷物扱いだった娘が集められた「いらん子中隊」は、いろいろありつつも、最後は力を合わせて巨大な敵に立ち向かう、という話。メディアミックス企画の小説化? お約束なストーリー展開は、ヤマグチノボルの良さが出てて面白かったです。「生身の女の子が戦闘機みたいに空中戦で闘う」というコンセプトもなかなか Good。ただ、小説だと、そのヴィジュアル的なコンセプトの良さがほとんど伝わらなかったのは、残念無念。アニメの方を先に観てたら良かったんだろうけどねぇ。
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[ ストライクウィッチーズ ]
素晴らしい。なんといってもバトルがとても面白く描かれています。そして、その後の各キャラの心情描写もなかなかに Good。恋愛モノとしても、また、青春グラフィティとしても、非常に高いクオリティを維持して、ほんとに良かったです。
そゆわけで、南の島後編。《銀のマリア》の誘拐事件に巻き込まれた護たち。絢子の叔父である正樹と一緒に、強力なビアトリス使いの犯罪者と立ち向かう。バトルの中で予想以上の成長を見せる護、そして、エメレンツィアや、由良理の気持ちは……。や、ラブコメとしてだけでなく、純粋に超能力バトルとして面白かったのが、岩田洋季の成長を感じさせてビックリだったのだけど<をい、加えて、悩みながらも自分の想いに自分なりの回答を得ようとするエメレンツィアや、由良理の描写がほんとに綺麗。非常に良かったです。最終エピソードへの仕込みといった要素も強いのだけど、その最終エピソードも、今から大期待。ただ、今後シリアスになっても、ラブコメは忘れずにいてほしいところであるけど(^^;。
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[ 護くんに女神の祝福を! ]
あうあひひっ、超最高傑作級ぅ〜〜。いやもう、私の望んでいた、その通りのラストで、ああういひ〜〜。とにかく、とにかく大満足なエンディングでしたぁ〜〜〜。
シリーズ完結。“死の神霊”の奪回に失敗し捕えられたリセリナ、ラトロアの元首であるジェラルドとの論戦に挑むフェリオとウルク、そして、メビウスの手により、とうとう世界は滅亡の淵に。世界の命運をかけた最後の戦いが、今、はじまる……。
という感じで、まず、ジェラルドら議員との会談が、安易に陥ることなく手に汗握る論戦として、ライトノベルを超える冴えを見せてて、素晴らしいわけよ。続く、最後の見せ場として機能する、最終決戦からエピローグにいたる過程が、非常にお約束な手法で手堅いながらも、きちんと最終巻に相応しいレベルで盛り上がりまくっていて、ほんとにほんと素晴らしい。そして、全ての物語の結末を見せるエピローグ。きちんと感動の中に安心して見送れるように演出されていて、もう、文句の付け所もなく素晴らしいとしか言い様がありません。……いや、パンプキンがあまりにカッコよすぎるだろ、とツッコミたい気は過分にあるんだけど(^^;。
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[ 空ノ鐘の響く惑星で ]
アタリハズレの激しい『とある魔術の禁書目録』では珍しく、中途半端な面白さ(^^;。話の筋はいつも通りなのだけど、いきなりのイタリア旅行は、さすがに無理がありまくりだろ。や、当麻とインデックスはいきなりペアチケットを引き当てイタリア旅行へ。そこでいろいろ巻き込まれ、ローマ正教とのバトルに、という話。……とりあえず、インデックスが活躍しすぎです。<をい。あとは、五和の扱いが下手でもったいねぇ。まあ、全体に、「いつも通り勢いはあるけど、いつも以上に無理がある」という感じが拭えない回だったなー。や、次回の罰ゲームと、今後のローマ正教との関係に期待ということで。<しかし、敵が女性だと、あまり危機感を感じないのは気のせいですか(^^;
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[ とある魔術の禁書目録 ]
散髪さいこーーーっ!! や、夢に向かってハサミを握る千夜子、一方、シーナ&バケッツのメジャーデビューも現実的になってきて……、という内容のシリーズ第八巻。そろそろシリーズの巻引きも視野に入れてるのかしらん?という感じに、各キャラの変化と未来へのリンクが目立つ話でした。将来への話が出てくると、プロローグのせつなさが強調されて、なおいっそう素晴らしい。そろそろシーナ&バケッツの話も収束しそうな雰囲気だけど、この先は、せつなさ大爆発の予感で、非常に楽しみです。……しかしそれにしても、「なんでも器用にこなす」部分が強調されると、健一ってすごくイヤな奴だよな(^^;。
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[ ROOM NO.1301 ]
微妙だなー。や、人間嫌いの少年博士アレックスと、そのアレックスに引き取られた野生児少女リーの物語、第2弾。細切れなイベントを並べた連作短編な話なのだけど、その細切れで淡々としてる部分が私的にはちょっとマイナス。というのも、こういうストーリーがメインではなくて、イベントの切り抜きのような形式で攻めるには、もっときちんと下地を作ってからやるべきじゃないかなー。新登場の眼鏡先生なんて、存在感を十分に示す前にデビューイベントが終わってしまったので、あっという間にいてもいなくても良いキャラに成り下がってるんですが(苦笑)。全体に、存在感というかバックグランドを感じられないまま、淡々とイベント消化されてる感じで、にんとも。
[ ねじまき博士シリーズ ]
いまいち。いや、秀麗の境遇等々が、物語世界内での結果というより、作者の都合にしか見えないのがなー。つまり、構成上の作者の意図ばかりが目立って、実際の背景描写がぜんぜん足りないのよ。一応、背景のフォローと強化は適時加えられてはいるのだけど、どうしてもタイミングが後手に回ってるケースが多くて、説得力として弱いんだよなー。
新章スタート。謹慎を命じられた秀麗の元に新たに結婚を求める新キャラ登場。って、また、新キャラかいっ!! これは、ネオロマンスとかのお約束なんでしょうか(^^;。……まあ、新キャラはともかく、情報の量も提示のタイミングも悪く、不満が残る内容でした。というか、単純に頑張れば報われる世界ではなく、権謀術数なやり取りも含めて描くなら、細部まで含めてきちんと理詰めで納得できるように書くべきで、「そういうことになってます」的な作者の都合を感じさせるような書き方はダメだと思う。しかも、今のところは秀麗に敵対する勢力の設定も微妙だからなー。……作者のやりたいことを描くには、背景があまりにすかすかだと思うのですけど。
[ 彩雲国物語 ]
素晴らしい〜〜。やっぱ、雪乃紗衣をカタルシスを演出するのが、すげーうまいよなぁ。や、最後のドンデン返しがむちゃくちゃナイスっ!! ほんと、あのドンデン返しだけで、大満足です。
そゆわけで、秀麗を含め無役の官吏に対して「一ヶ月以内にどこかの部署に採用されないとクビ」という通達が。秀麗はこの試練を切り抜けられるのかっ!! という内容。前巻で初登場のタンタンくんが、ここまで味のあるキャラクタになるとは思ってもいませんでした。ただ逆に、旧キャラたちは、どんどん影が薄くなっていて、すごく勿体無い使い方だよな。……作者の都合が目立つのは相変わらずなのだけど、なんやかんやで面白い。カタルシスを感じさせるような情報の提示の順番が、ほんとに冴えてるんだよなぁ。次巻への引きも波乱に満ちていて、非常に楽しみです。
[ 彩雲国物語 ]
とりあえず、「読書の感想をブログに書く」のはいいらしいゾ。……まあ、面白くはあるんだけど、読む価値はない本でした。いや、「好きで小説を読んでる奴は当たり前にそういう風に読んでるだろー」という方法を、わざわざハッタリかまして書いてるだけなんだよなー。現国の受験技術をかなり意識した作りになっているし、対象読者は、あまり読書をしていない&ハッタリの通用しやすい中高生向け、ということのようなので、そういう内容なのも仕方ないかもしれないけれど。
そういうわけで、速読を貶しつつ、ゆっくりと読むことの効用を述べ、実際に読むときには文章のどこに注意して読むべきかを解説&実践してみる、という内容。芥川賞作家が自身の長い読書経験に基づいた読書方法を紹介する、というコンセプトなんだけど、えっと、「長い読書経験」といっても、作者の人は、私より一回り若いみたいなんですけど(汗;。や、中高生向けというのはわかるんだけど、それにしたって、まだまだ若手の作家さんが、「長い読書経験」を自説の拠り所にしちゃうのは、ちょっとどうかと思ったり(苦笑)。
まあ、書いてある内容自体は、ほぼ同意。味わい、考え、深く感じろっ!! 誤読もまた善しっ!! 現国の受験技術も重要っ!! という感じ。ただ、作者の視点が、ちょっと一面的で視野が狭いのが気になりました。まあ、そこは、あくまで作者の経験則なので、仕方ないのかなー。あと、作者の推奨する読み方でこの本を読むと、読者に対する底意地の悪い皮肉が込められているように読めるのだけど、それって仕様ですか(^^;。<そこら辺のある種の「嫌らしさ」がこの本のいちばん面白い部分という説はあるんだけど(笑)
[ 本の読み方 ]
日本神話といえば近親相姦のパラダイスという印象があったので、そういうのを期待してたのだけど、ぜんぜん違って、しょぼん。『古事記』や『日本書紀』に記載された出雲神話の矛盾から、古代出雲のほんとうの姿を映し出す、という内容。
とにかく不親切で回りくどく、論旨が一定してない文章なので、非常に読むのに苦労したのだけど、大雑把に内容を纏めると、以下のような感じらしい。
疑問: 古代出雲の中心は熊野なのに、記紀には、杵築しか出てこないは何故? - 杵築は、古事記編纂当時、まだ開発がはじまったばかり - それが、古事記の編纂後、不自然にいきなり発展する - 出雲の中心の熊野も、その他大勢の一地方都市レベル - 古事記の内容に、出雲で一番偉い出雲国造はノータッチだった - 出雲神話となってるものは、他地域の神話の流用が多い 結論: 1) 『古事記』『日本書紀』の出雲神話は、中央の人の創作 2) 創作を既成事実とするために、編纂以降につじつまあわせが行われた 3) つまり、古代出雲大国なんてなかったんだっ!!
40年前に書かれた著作の文庫化で、当時、挑戦的な内容だった。その後、研究の進展はあるが、加筆修正は特になし。……ということらしいのだけど、これって、どれだけ信頼できる内容なんでしょ(^^;。や、文章自体が読みにくい上に、日本の古代史に詳しい人前提な書き方なので、まいっちんぐ。
[ 出雲神話の誕生 ]
解剖学者である作者が、昔ながらの動物解剖の魅力を訴え、最近の研究者や社会風潮を批判する、という内容。……とりあえず、タイトルは変えるべきだと思いました(^^;。
作者の人が、とにかく動物解剖が好きで、今の環境にいかに不満を持っているか、ということが凄く伝わる一冊。いや、動物解剖や社会批判を語る筆致の熱さに比べると、人の進化に関する部分はすごくさらっとしてるのよね。章立てからみても、全5章のうち、人間の進化に関するのは2章のみで、その2章も、ラストの社会批判に繋げる前振りという意図も見えたりする内容。いやぁ、ここまで、売るための見かけと実際に主張したい内容がくっきり異なると、むしろ清清しいぐらいです。ある種のエロゲみたいだ(^^;。……ただ、割り切って人間の進化の部分を切り捨てた方が、明らかに面白くなったと思うので、そこは非常に残念。やっぱり、人間を絡めた方が、売り上げがいいんだろうか。
で、進化について扱った部分は、オーソドックスなネタが多く、可もなく不可もなし。私的には、個々のネタをもうちょっと掘り下げて書いて欲しかったところ。あと、写真と図はもっと多めにわかりやすく入れてくれれば良かったんだけどなー。
[ 人体 失敗の進化史 ]
バカだ、バカすぎる(爆笑)。ていうか、そこまでやって、なんで未だに寸止めなんだっ、このエロエロ小説めっ!!
そゆわけで、おっぱい。<をい。もう、一冊通して、もみもみ、もみもみ、もみもみと。インパクトだけなら、胸革命や偽乳特戦隊といった他作品に一歩譲るけれど、ここまで生乳を攻めつづけた西野かつみと、出版を許可したMF文庫編集部には、素直に敬意を表したい。いや、4巻までは、まだわりと、服は着ていた気がするんですが(^^;。……ここまでやって、まだ一応、中高生向けライトノベルの枠を維持しているのは、凄いなぁ。
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[ かのこん ]
ヤマグチノボルらしい軽い内容なのだけど、その軽い内容を無邪気に楽しむには、タバサの背景は重過ぎるだろ。や、内容まで重くシリアスに仕立てるか、もしくは、重い背景を感じさせないような作りにしてくれればよかったのに。
そゆわけで、タバサを主人公にした連作短編。父の仇の娘に好き勝手に命じられる危険な任務を、毎回、どうにか解決する、という内容。使い魔シルフィードのキャラがまさかの面白さで、非常にコミカルに演出されてるのだけど、そのコミカルな演出と重い背景のバランスが悪すぎて、自分的には楽しめませんでした。もうちょっと本編の方が進んで、タバサの救いが明確になってくると、違う気分で味わえるようになるかもしれないけどさぁ……。
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[ ゼロの使い魔 ]
ダメ。いや、1,2巻で不安に思っていた要素が目立つようになってしまい、少なくとも、私的には×。やっぱり、ドタバタコメディとしてはともかく、恋愛モノとしてはいまいちなのがなー。細かな小ネタ、うんちくも、作中の奈津のように「中学生レベル」といって感じで、ちょっと。
そゆわけで、ツンツン高飛車お嬢様でランプの魔神であるシエラが主人公の陣を振り回すシリーズの第3巻。この3巻は、各キャラをもう一度掘り下げるような連作短編形式となってます。ギャグ主体なのも、それはそれでいいのだけど、やっぱり、恋愛としてはつまらないので、私的にはちょっとダメです。
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[ ぷいぷい! ]
うひ〜〜。そういうラストを描きますかぁ〜〜。や、元高校ソフトボール部の先輩後輩という繋がりを軸に、25歳を中心とした7人の女性たちの生き様を描いた作品。個々の短編で悩みやトラブルを乗り越えていく女性たちを生き生きと描きつつ、全体で一つのミステリーと仕立て上げる様は、さすが、加納朋子、巧いなぁ〜〜。
高校卒業から7年、久しぶりのソフトボール部部員たちとの再会は、当時の友人、牧知寿子の通夜の場だった。25歳になったソフトボール部の仲間たちは、主婦、編集部員、保母、看護士、プー、管理栄養士、OLと、それぞれに悩みながらそれぞれの人生を懸命に生きていた。……という感じで、仕事を覚え人生の軌道が定まりつつある25歳の女性たちを描いた作品。こういう感じの話だと、結婚が現実的になってくる20代後半がセオリーかと思っていたのだけど、就職から3年、仕事に生きがいを見い出し始める25歳と設定したところに作者の意図を感じますなぁん。加納朋子らしい、非常に味のある人間ドラマに仕立ててあって、とにかくグッド。とくに気に入ったのは、悪条件の社員食堂で奮闘する「雨上がりの藍の空」かしらん。
しかし、キャプテンの片桐陶子は、『月曜日の水玉模様』の主人公と同一人物ですかー。言われないと、絶対気づかないぞ、ソレ(^^;。
[ レインレイン・ボウ ]
おもしろい。生物の歴史の中で、あまり語られない最初の30億年を、丁寧に教科書的に記した内容。ただ、あまり馴染みのない用語(<生物学科出身なのになさけないという話はある(^^;)なのと、散漫に相反する学説が語られてるので、全体に理解しづらいのは、難点かしらん。
そゆわけで、生物の誕生は40億年前といわれるのに、話題になるのは、恐竜時代の0.65億〜2.5億年、三葉虫やアノマロカリスでも5.4億年。「それじゃあ、5.4億年より前は、どうなってるの?」という疑問に答えたのが本書。まあ、数年前にやってた [TV]『NHKスペシャル 地球大進化』のはじめの数話と似たような内容なのだけど、ただ、本書の方が、複数の学説を併記している分、誠実な印象です。ていうか、『地球大進化』では、やたらコラーゲン、コラーゲンと言ってた記憶があるのだけど、この本では、ほとんど見かけないのは、どういうことだ(笑)。
とりあえず、以下メモ。
あと、私的にいちばん興味深かったのは細胞内共生の話だったのだけど、ただ、そこら辺の記述は、他の教科書でも読めるレベルの話で、ちょっとガッカリ。まあ、この本の立ち位置からすると、当然なんだけどさ。
[ 生命 最初の30億年 ]
「あんな体験をした人がいる」「こんな体験をした人がいる」と、インターネットを介した恋愛体験を集め、それを元に、ウェブ恋愛の今を浮かび上がらせる、という内容なのだけど、その体験談が、ちょっと偏りすぎなのがなー。や、うつ病なりちょっと心の病が入っている人が多く、しかも、いかにも読者が思い描きそうなステレオタイプな体験談なので、「ふーん。作り物みたいな話だけど、ま、こんな人もいるかもねー」で終わってしまう。他人の恋愛をのぞき見るみたいな下世話な興味は満足させるけれど、それ以上のものではないんだよねー。
まあ、結局は、「ネットを介したからといって特別な恋愛というわけではない」「単に最近の若者一般の風潮を示しているだけ」という、あまり面白くない結論に落ち着いてしまう。ネタ的には、体験談よりもむしろ、『ウェブログの心理学(Amazon/bk1)』や『萌える男(Amazon/bk1)』と絡めて、いろいろ考察してるのが笑ったり。いや、そこでいきなり、本田透をもってくるかよ、みたいな(笑)。
まー、私のところにも、眼鏡な女子高生からメールがきて、恋愛に発展するような展開はないもんかねー。体験談には、チャットから恋愛に発展することが多いみたいなので、とりあえず、チャットコーナーとかを作ったほうがいいんだろうか。<をい
[ ウェブ恋愛 ]