おもしろい。なんやかんやで、腐女子やBLの世界は近くて遠い未知の世界だからねぇ。ただ、作者の人が訴えたかったのは、腐女子の生態ではなく、あくまで格差社会についてなので、そこら辺は注意すべきだった予感。<や、腐女子はあくまで話の取っ掛かりであって、途中からは完全に格差社会への言及が中心になるのよん
そゆわけで、腐女子の特徴を解説し、その腐女子の広がる社会的背景について言及した内容。やはり、日頃興味はあるけど知らない世界なので、非常に興味深くおもしろかったです。ただ、書かれてることが、正直、どこまで信用できるかは疑問なんだよね。「誰々さんは○○と言ってるけど事実は××」という感じで話が進むことが多いんだけど、ほとんど根拠が示されてないのよ。「事実」と「私はそう思う」との間に区別がついてないというかなんというか(^^;。
簡単に気になったところをメモ。
つまり、格差が激しくなり、より厳しくなった現実のため、現実逃避が盛んになる。その逃避の健全な手段として、腐女子化(自分が介在しない現実から隔離した妄想に浸ることに特徴のある)が拡大しているという論旨なのだけど、大変だなぁ。
[ 腐女子化する世界 ]
素晴らしい。ホロリとさせる過去ネタと熱い展開っ!! そのうち、エレオノールにもフラグが立ちますか?(^^;。
夏休み。メイゼルときずなが仁の家に泊まりにくる。つかの間の幸せな日常の中、仁は、失った過去を思い出す……。や、メイゼルのラストの言葉がとにかく泣ける。18歳で死んでしまった仁の妹の口癖「いつか」をキーに、みんなの想いを紡いだ内容が、非常に良く出来ているのよねん。ほんと、メイゼルをはじめとして、キャラがほんとに魅力的だよなぁ。凶悪なメイゼルをはじめとして、巻き込まれてしまった委員長の寒川さんがいいねぇ。あとは、わりとお気に入りだったエレオノールが、きちんとストーリーに絡むように復活したのも、Good。
ついでにビックリしたのは、今までと比べて、文章や展開に無駄な装飾がなくなって、格段に読みやすくなった点だったり。<をい。それにしても、悩ましいところで次巻に引いていて、とにかく次が待ち遠しいです。
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[ 円環少女 ]
変な話だ(^^;。いや、森博嗣がいかにも書きそうな恋愛ストーリーではあるんだけど、萌絵と犀川の描き方とは、また、ぜんぜん違う。というよりも、恋愛モノのフォーマットを使ってはいるけれど、まともに恋愛モノを書こうとしてるとは、到底思えないのよな。……窪居佳那(24歳)は「どきどき」するのが好きな眼鏡の大学院生。先生、後輩、謎の怪僧たちを相手に「どきどき」するに日々、という話。読んでるときには大笑いではあるのだけど、読後には、さっぱり残るものがない感じなのが、にんとも。
[ どきどきフェノメノン ]
素晴らしい。いや、短編集なので、各話で差はあるのだけど、なかでも特に、物理世界側を描いた作品が、非常に良かったです。……ただ、前作『グラン・ヴァカンス』に比べると、全体的に不親切で、ぐいぐい引っ張る感じはないのだけど(^^;。
突然、人間が来なくなった仮想リゾート<数値海岸>。その<数値海岸>で暮らす、人間から見捨てられたAIたちを描いたのが、前作『グラン・ヴァカンス』。そして今回は、現実世界―物理世界側も含めて、<数値海岸>の開発秘話や人間の訪問が途絶えた真相までも含めた内容。鮮やかでどことなくエロチックな描写も素晴らしいし、<数値海岸>の技術的な基盤や思想的な背景なんかの話も、なかなか楽しい。ていうか、キャラが変で面白すぎるだろ(笑)。ほんと、非常に素晴らしく、面白かったです。
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[ 廃園の天使 ]
ヤムチャが可愛そうだろっ!! や、零崎シリーズ第2段。前作『零崎双識の人間試験』の 5年前、戯言シリーズの過去話です。主役の零崎軋識こそは、戯言シリーズには出てなかったなのだけど、他のメンバーは、戯言シリーズの馴染みのメンツ。戯言シーズのそのままの雰囲気で、なによりファンサービスを非常に意識した作りに仕立てているのが楽しいです。ほんと、戯言シリーズが好きなら堪らない作品です。
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[ 零崎シリーズ ]
くだらねぇ〜〜、バカバカすぎる〜〜。もうとにかく、大笑い。……いや、表面的には、まるで内容がないような話にもかかわらず、楽しさの中に優しさを感じさせる内容で、素晴らしいよねん。
消えてしまった薫を探す話。きちんと犬神たちの想いを描きつつ、表面的にはバカでコミカルな内容に仕立てていて、非常にGood。ほんと、シリアスな根っこを維持しつつ、これだけ大笑いさせる内容に仕立てるのは、凄すぎです。とにかくくだらないんだけど、特に、手紙を巡るドタバタ劇「泡沫たちの宴」なんかは、もう、腹をかかえて笑いました。……しかし、薫探しがメインとはいえ、特に、本来ヒロインのハズのようこの出番が激減してるのは、いいのか(^^;。
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[ いぬかみっ! ]
さすが、壁井ユカコ。巧いなぁ。……おかしなホテルに集まる、いろいろな問題を抱えた住人たちのお話。つまり、[文庫]『ROOM NO.13011 /新井輝』の13階を、まるごとホテルにしてしまったようなお話ですなっ(^^;。
ホテル・ウィリアムズチャイルドバード、通称、鳥籠荘の日常を描いた連作短編。ストーリー的には、お涙頂戴系のお約束な話。内容はありがちながら、非常に雰囲気のある独特な作品に仕上がってます。切ないのは当然として、全体に、救いが薄いのも、Good。テクノサマタの少女漫画的なイラストも、雰囲気にあっていて、なかなか良いです。私的に一番面白かったのは、絵描きの浅井の過去とモデルのキズナとの今後を垣間見せた、第4話「籠の中の羽根のない鳥」かしらん。
しかし、私的に残念だったのは、舞台が現代日本でありながら、その実、リアリティの弱い無国籍風ファンタジーとして描いてるのがなー。キャラも極端すぎる。や、ライトノベルとしては、それは正解なんだろうけど、きちんとリアルな現代日本として描いてくれれば、もっと違う面白さが出ると思うんだけどなー。
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[ 鳥籠荘の今日も眠たい住人たち ]
駄作。キャラの行動や設定に説得力がないのが、とにかく酷い。まあ、ライトノベルなら、この程度の説得力でもいい、という話もあるかもしれないけれど、少なくとも、私にはダメダメです。
電撃の新人。『天空の城ラピュタ』もどきのボーイ・ミーツ・ガール。不思議な力を持つ少女・ギンを助けた少年・ソラは、ギンを狙う警察組織アルバユーリアの陰謀に巻き込まれ、やがて世界を救う、という話。とにかく、説得力がまったくないのが問題。つまり、理由付けや描写が不足していて納得できない。世界がハリボテで、すべてのキャラが頭の悪い小学生ようで、展開も都合よく進行するようにしか見えないのよな。まあ、新人さんだし、借り物のような自分のものになってないような文章で、あまり小説を書き慣れてるようには見えなかったので、仕方ないのかなー。
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[ フォーソルティアの風 ]
うわ〜、そういうラストかっ!! いきなり次巻が、めちゃくちゃ楽しみですっ!!
知謀で世界を統べる魔王サラと、そのライバルの元魔王ラジャスの二人を中心に、謀略戦をメインに描いたシリーズ第3巻。今回は、サラと同じ能力を持つ魔剣を巡る争い。いやもう、とにかくラストの新展開は、非常に期待できそうで、次巻がめちゃ楽しみです。
まあ、ラスト以外は、かなり酷い内容で以下略(^^;。いや、基本的に1巻で完結してる話で、2巻でも無理があったのに、さすがに新しい追加要素なしで、よくこの3巻を埋めたものだ。や、ほんと、この3巻は、ラストの新展開のために単にページを埋めた以上の意味は全くありません。せめて、もうちょっとハイエル中心に描いて、番外編的に仕立てれば良かったものを。
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[ 抗いし者たちの系譜 ]
びみょ〜。表紙は良いんだけどなぁ。
修学旅行、前編。ああ、そうだ。買うの止めようかと思ってたのに、ついつい表紙に惹かれて買ってしまってるよ(汗;。……いや、やっぱし、ラブコメとして成立してないのがなー。ヒロインたちとのキャラの掛け合いがほとんどなく、ラブコメイベントも低調なので以下略。ラブコメとして見なければ、王道的な修学旅行ネタでそこそこ楽しめる内容なのだけど、それは、私の求めるものじゃないからなー。う〜ん、どうにも、3巻以降はいいとこないからなー。次巻こそは見送りということで。
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[ ご愁傷さま二ノ宮くん ]
平坂読らしい言葉遊びの面白さだけでなく、青春ストーリーとしてきちんと綺麗に描かれていて、正直、ビックリ。いや、平坂読って、こんなに巧かったでしたっけ(^^;。
《ムーンチャイルド》と呼ばれる吸血鬼たちが通う夕月学園。その夕月学園で、学園祭「赤月祭」が開催される。聖司は、トラウマと向き合うように、スタッフとして奔走する……。と、あいかわらず、平坂読らしいバカでくだらない言葉遊びとネタを組み込んだ内容で、かつ、きちんと綺麗な青春ストーリーと成立させているのが、素晴らしい。いや、下品な演出とハートフルな内容が、またギャップがあって良いのよな。しかし、今回は、赤月祭編の前編という位置付けなのだけど、後半も、コレを持続させるつもりなのかどうか、ちょっと不安だ(^^;。
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[ ソラにウサギがのぼるころ ]
女っ気が足りないと思ったら、バロットが出てないじゃんっ!! うきぃ〜〜〜〜。
“我々十人と二匹が09メンバーとなり、今こそ歴史的な第一歩を踏み出すのだ”
かっちょいい〜〜。いや、軍により改造された哀しい背景を持つ主人公たちが、“マルドゥック・スクランブル−0・9”を名乗り悪の組織から街の正義を守る、という話。前作『マルドゥック・スクランブル』の過去の話なのだけど、いやぁ、よりカッコよくなり、戦隊モノというか、正義の味方っぽさが強まった印象。加えて、女っ気が少なくなり、ウフコックの可愛さが強調されるような見せ方になっていて、なんというか完全に、ターゲットは腐女子狙いだろ〜〜(笑)。
とりあえず、三週連続刊行ということで、すでに、3巻まででてるので、続刊も楽しみです。や、『マルドゥック・スクランブル』では、ウフコックとボイルドは別の道を歩んでるわけだけど、二人の確執まで描かれるんだろうか。
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う〜ん、ストーリー展開において、作者の都合が勝ち過ぎてる感がして、ちょっとなぁ〜。いや、「お前、そのタイミングでわざわざそこを離れるのは、なんのギャグですか〜」みたいに感じられるシーンがあったりなかったりして、にんとも。きっちりと計算してストーリーを構成してるのは見て取れるのだけど、それが微妙に仇になっちゃってる感じが。あと、1巻に比べて、ウフコックをはじめ、キャラの魅力が減じてる予感も(T-T)。
とはいっても、カトル・カールとの対決は熱いし、意味深なシーンを散りばめつつストーリーも加速しはじめ、とにかく先が気になる展開。続く3巻が非常に楽しみです。
参考:
ンブル
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