だはははははっ、もうもう、随所に散りばめられた小ネタに大笑い。初っ端から、悪魔超人でH8って、飛ばしすぎだろ〜〜。まあ、悪魔超人はともかく、コンピュータネタとSFネタがわかる人なら、抱腹絶倒ぉ間違いなしっ!! いやぁ、かなりツボにはまって、めちゃくちゃ面白かったぁ〜〜。
第8回えんため大賞佳作。ARM7のニーモニックを暗唱するような性癖を持つマイコンオタクの広野が、声優志望で腐女子の沙奈歌と付き合うことになる、という異文化恋愛モノ。とにかく小ネタがめちゃツボにはまりまくり。や、この作者の人、たぶん私と同世代かやや下ぐらいで、興味分野もかなり近い線だと思うのだけど、逆に、このネタで、本来の主要読者の中高生は、どのくらいついてこれるんだ。私はすげー面白かったからいいのだけど、なんというか、わからない人向けのフォローすらもない気がするんですが(笑)。まあ、一応、小ネタだけじゃなく、テンポがあって切れ味の良い文体で、理系少年の恋愛モノとしても、わりとよく出来てます。……小ネタの素晴らしさに比べると、ストーリーとかそういうのは、もはや、どうでもいいわけだけど。<をい
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[ 声で魅せてよベイビー ]
なにも、こんな10年以上前に滅んだようなファンタジーを、しかも、劣化コピーでしかないようなレベルのものを、書かなくてもいいと思うんですが。作者の人が、こういうのが好きで、昔を懐かしんで書いたのは想像できるんだけど、……自己満足でしかないと思うぞ。
頭の悪い剣士と守銭奴な少女をパーティの軸とした、コメディ調の剣と魔法なファンタジー。要は、スレイヤーズ以降にたくさん出たファンタジーの類型。そして、作者の人は、そういう類型的な作品が書きたかったんだろうから当然なんだけど、コレといった特徴のない作品になっちゃってるのよね。なんというか、「昔は、こんな作品もあったよねー」で終わってしまう。決して酷い内容というわけではないんだけど、取り立てて読む価値もなし。
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[ リミットレス! ]
うわぁ〜、その展開は凄すぎる〜〜。いや、このストーリーは、いったいどこに向かうんだぁぁーーーっ!! ……ユリ・スカナ王国の新女王ネフィシカに軟禁されたカリエ。ネフィシカを選んだサルベーンは、カリエの娘セーディラとエドを追う。ザカール人を取り込もうと目論むネフィシカの構想に、エティカヤのバルアンがとる世界戦略は? 滅びに向かいつつあるルトヴィア帝国のドミトリアス(ドーン)の行く末は? ミューカレウス(ミュカ)は一縷の希望となるのか? ネフィシカの妹でルトヴィアの皇后であるグラーシカは? 僻地ギノラーダフに左遷されたイーダルは愛に目覚めるのか?
ユリ・スカナ編も後編ということで、いよいよテンションも高まりまくりっ!! とにかく次が待ち遠しいぞぉぉぉぉっ!!
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[ 流血女神伝 ]
むちゃくちゃ面白かったっ!! 非常に主観的で陰謀論と被害妄想に満ちた内容なのだけど、だからこそっ、作者の心の底からの魂の叫びが迸っていますっ!! とにかく作者の誠実な性格と不器用な生き方が感じられて、確かに、萌えるわ(^^;。。
そゆわけで、耐震偽装問題の中心人物の一人、元イーホームズの藤田東吾社長による自費出版本。藤田氏の視点から耐震偽装問題を書いたものなのだけど、ここまで一方的で妄想が入り混じった内容じゃ、そりゃ出版社は二の足を踏むだろうし自費出版にもなるよなぁ。逆に、そこまで徹底して容赦のない藤田視点の内容なので、本当に面白かったです。
主張は一貫してて、「国の基準の問題だったので、当然国が責任を取るものだと思ってた。だから、バカ正直に調査&報告したのに、俺のせいにされたっ!! 国の陰謀だっ!!」という感じかしらん。確かに、当時のマスコミの対応は酷かったし、最終的にイーホームズに非がなかったことも明らかになったのに、別件逮捕と免許取り消しで、結局、倒産まで行ってしまう過程を見ると、国の対応は酷すぎるとも思うけど、そうはいっても、さすがに視野狭窄と陰謀論がすぎるだろっ!! いやまあ、そういう本音が滲み出てるところが本書の素晴らしいところなわけだけど。……以前やってた、木村建設の篠塚元支店長のドキュメント番組も、あまりの切なさに涙なくては見れなかったけれど、ほんと世界は不誠実で哀しいよねぇ。
[ 月に響く笛 耐震偽装 ]
焚書により『ミステリ』が失われた世界。『ミステリ』に憧れる少年クリスは、失われたハズの『ミステリ』の存在を匂わせる事件に遭遇する。って、変な話だっ、バカ小説(笑)。そんな妙な設定で、変に笑える雰囲気にもかかわらず、きちんとミステリしてて面白かったです。ただ逆に、こんなアホみたいな設定だったのに、わりと真面目な内容だったのが残念かしらん。もっとバカでB級にすべきじゃないのぉーーっ!!
それにしても、クリスは実は女の子で、エノとラブっ!! みたいなのを期待してたのだけど、そゆ展開はないらしく残念。や、ラブが足りねぇ〜〜。雰囲気と世界観は変わってるのだけど、結局、ふつーにミステリ要素の強いミステリなのなん。
[ 少年検閲官 ]
結局、ゴミ。いや、好き嫌いで言えば、好きなタイプの話なんだけど、そもそも、小説になってないのんな。各シーンの繋がりがほとんど考えられてなくて、単なる名場面集になっちゃってるのよ。……新人さんでも、もちっとまともなモノを書くと思うんですけど。
そゆわけで、シリーズ最終巻。まー、小説としては、酷くてお話になってないのだけど、各シーンごとに見れば、見どころも多く面白かったです。まさに、名場面集。特に、最終話「明けない夜」は、ベタでお約束で非常に Good。めちゃ綺麗っ!! やっぱ、志村一矢はベタな話がホントに上手いよなぁ〜〜。
このシリーズを読んで、志村一矢は、設定を考えたりストーリーを作ったりするのが、ひたすら下手なのがわかったので、次回作は、とにかくベタベタで王道一直線な内容にして欲しいなー。や、作風に関して言えば、ほんとにほんとに好きなので。
[ 麒麟は一途に恋をする ]
セックスっ!! セックスっ!! って、だははははははははははっ。リビドー全開、目指せセックスっ!!な展開に、ひたすら大笑い。ラブ方面に大きく舵を切ったような内容なのだけど、そうはいっても、どういうラブコメ展開だよ、それは(爆笑)。
2年半ぶりの『悪魔のミカタ』は、2学期編スタート。前巻<it>編で、大量の魂を回収し、願いを叶えるのにあと一歩というところまで迫ったコウ。新たな局面を迎え、コウたちの新学期が始まる……。や、サブタイトルの通り、まさに新章のオープニングといった内容なのだけど、とにかく笑った笑った大笑い。そしてニヤニヤしっぱなしっ!! マジにどういうラブコメ展開だよっ!! あくまでオープニングなので、本格的な戦い、ラブバトルは次巻からだと思うのだけど、非常に期待できます。楽しみです。うひぃ〜〜〜〜〜〜〜〜。
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[ 悪魔のミカタ ]
若くて青いなぁ。いかにも10代の好みそうな設定とテーマ。いや、作者の人は、意図的にそういう青いテーマを選んだんだと思うんだけど、ちと技量が足りずに、青臭さばかりが目立ってしまってる印象でした。……そういう若い思考特有の青臭ささえ気にしなければ、世界のルールが解ってくる後半以降はそれなりには面白かったかしらん。
第13回電撃小説大賞<金賞>。気が付くと見知らぬ部屋に閉じ込められたクラスメートたち。ルールに従えば安全は保証するというコンピュータ。その画面には、シミュレーションゲーム風のマップが表示されていた……。閉鎖空間を舞台に、人間関係の縮図を中心に描きました、という話で、なんといっても10代っぽい青臭さが特徴(^^;。あとがきを読むと、作者の土橋真二郎はそれなりの年齢みたいなので、まあ、10代の好きそうな話を狙ってみたということかしらん? ただ、狙って書くには、かなり力量不足で、特に、設定の説明が下手な上に、キャラの行動に説得力がなく深みがないのはなー。全体的に青臭いだけの微妙な出来で、どうしてこれで金賞なのか疑問なんだけど、まー、10代向けに売るってことなら、こゆのもありなのかしらん?
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[ 扉の外 ]
おもしろい〜〜。非常に荒削りなんだけど生き生きしていて、これこそ新人らしい魅力ある作品。真っ当な青春ストーリーと味のあるキャラクターで、とにかくおもしろいのよっ!! “ケツバット女”という掴みも上手く機能していて、くぅ〜〜〜〜〜。オススメですっ!!
第13回電撃小説大賞<銀賞>。肩を壊し甲子園への夢を諦めていた智紀。そんな智紀の前に、金属バットを振り回すお祭り女、夏希が現れ、ケツバットを要求される……。や、掴みはかなり壊れた印象がある本作だけど、内容は、夢を諦めかけた少年が再び歩き出すという、かなり真っ当な青春ストーリー。なんといっても、夏希を中心として、生き生きしたキャラがいいよねぇ。まあ、新人らしく荒削りというか、ぶっちゃけ、出来はかなり酷い部分もあるんだけど、それが気にならない魅力的な作品に仕上がってます。いやぁ、新人作品はかくあるべし、という感じだよなぁん。ほんとおもしろいわぁ〜〜。
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[ なつき☆フルスイング! ]
いまいち。まー、単純に好みじゃない、という説もありますが(^^;。
第13回電撃小説大賞<金賞>。タイトル通り、秘密裏に世界の平和を守ってる、超能力一家のホームコメディ。新人さんにしては、粗が少なく無難に纏まってる印象なのだけど、ちとシリアスな部分が表面的で薄っぺらくなっちゃってるので、どーにも、盛り上がりが弱く、感動に欠けるのんね。どうせなら無茶な設定を生かしたコミカルな方向で攻めてくれれば良かったのになー。
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[ 世界平和は一家団欒のあとに ]
ぐはははははははははっ。腹の底から大笑い、いやぁ、笑った、笑った。特に、「私と綾さんと不埒な男」が、ともかく爆笑。激しくおもしろい〜〜〜。
4つの短編からなる短編集。短編はそれぞれ、刻也の恋人であとがきでお馴染みの鈴璃をメインとした「私と綾さんと不埒な男」、千夜子の親友・鍵原をメインとした「俺と鍵原とお試しの合コンプレイ」、刻也の妹・狭霧がエロい「私と皆と一人の夜」、『ああんっ! メガネ様☆』の担当編集・薫沢歌織をメインとした「私と今西先生と本気のお仕事」。
とにかくこう、鈴璃や鍵原が出てくると非常におもしろいですなぁん。ほんと大笑い。っていうか、本来、健一から遠いはずの鈴璃の、さらにその友人でも、きちんとキャラが立ってるのが、『ROOM NO.1301』の凄いところなんですが。……それにしても、『ああんっ! メガネ様☆』の露出が激しいんですが、これは、いったいどういうことですか(^^;。
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[ ROOM NO.1301 ]
おもしろい、おもしろい。『いぬかみっ!』は、シリーズ序盤は「おもしろいけど、くだらないだけ」という印象が強かったんだけど、最近は、おもしろいだけじゃなく、ほんと上手さが光るようになってきたよなぁ。特に、第一章「川平邸の少女たち」が綺麗で Good。第二章「とっても変なところからこんにちは♪」もなにげにエロくていいよね(^^;。……しかし、こうまったりとしていい味がでてきたシリーズなのに、次回で最終巻かー。残念でありながらも楽しみです。
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[ いぬかみっ! ]
2006年下半期ライトノベルサイト杯の結果を見て読んでみました。なるほど、おもしろいわ。はるか昔の伝説と幼い頃の思い出を絡めた剣と魔法のファンタジー。演劇と絡めたストーリー進行がなかなか魅せるよねぇん。
かつて大規模な山火事で壊滅した街、エブリオ。エブリオの唯一の生き残りである少年・リュカの前に、ある日、そのエブリオでの憧れの女に似た少女が現れ、いきなり剣を胸に突きたてられる……。やはり、かつての伝説を劇で描きつつ、幼い頃の思い出と絡めて進行するストーリーの見せ方が上手いよねん。ただ、ストーリーの見せ方はともかく、各々の要素がきちんと収束してなく散漫なままで、ラストもいまいち綺麗じゃないんだけど、そこら辺は次巻に期待、ということかしらん。や、一応、シリーズものの1巻らしいのだけど、むしろ、続ける余地のある読みきりというか、シリーズものとしても読み切りとしても、すごく中途半端な作りなのよね。リュカもアリスもジネットも、今後、どうストーリーが進むにしても、ひどく中途半端になっちゃうと思うのだけど、どうするんだろ? 結局、次巻に期待、ということか。
[ 銀月のソルトレージュ ]
また帯に騙された(T-T)。“人間は、なぜ物語を必要とするのか? その秘密を作家が解き明かす”と書いてあったので、「作家による物語論」みたいな内容を期待して手に取ったのだけど、実際には、「小川洋子のお喋り」を纏めたもの。帯の煽りは完全に嘘といっていい。あくまで、小川洋子のファン向けのエッセイ的な内容であって、ファン以外の人には、ほとんど価値がないと思うよ。
それでも、いくつか物語に纏わる部分を纏めてみると、
という感じかしらん。内容的には、自分の作品の背景やいままでに影響を受けた作品に対しての言及が多く、ほんと、ファンだったら面白いんだろうな。……タイトルと帯の煽りは、もちっと良心的にすべきだと思う。
[ 物語の役割 ]
めちゃくちゃおもしろいんですがっっっ!! 《ゲーム》をはじめとする熱いながらも切なさを感じさせる設定といい、一癖も二癖もある個性的で複雑な想いを抱えたキャラクターといい、非常に素晴らしい。や、「妹じゃないもん。わたしの方が、少しだけお姉さんだもん」って、もうくらくらですよ〜〜。
異星人に征服された地球に唯一課せられたのは、艦隊戦を模した《ゲーム》を開催すること。人々は異星人の高度なテクノロジーに支えられた《ゲーム》に熱狂することとなる。……《ゲーム》に優勝し宇宙に旅立った兄に憧れ、ワールドグランプリ優勝を目指す雫と、《ゲーム》の裏にある不幸と別れを知る天才メカニック・聖一は出会う。
各種人気投票で高評価だったので手を出してみたのだけど、いやぁ、設定とキャラがダントツに素晴らしいっ!! それをきっちり描き切る筆力もなかなかです。なんといっても秀逸なのは、艦隊戦を模した《ゲーム》の設定。チームプレイとコンピュータゲーム的な要素を加味したモータースポーツといった感じで、非常に魅力的な新しいスポーツ?ゲーム?になってるのよねん。そこに、不幸な味付けとまっすぐなスポ根少女を掛け合わせた内容で、ほんとに面白い。そして、雫といい、冬湖といい、智香といい、郁恵といい、キャラも素晴らしいのよ〜〜。
それにしても、メカニックによる差が大きいのに宇宙に旅立つのはプレイヤーだけ、というのが、凄く違和感あるのだけど、それ自体が伏線になってるのかしらん? 一応、それっぽい仕込みもあることはあるし……。
[ クジラのソラ ]
素晴らしいと思っていた《ゲーム》が、早くも別物になってしまった……。
国内大会を突破した雫、冬湖、智香のチーム<ジュライ>は、アジア予選も勝ち進み、いよいよワールドグランプリ本戦へ。って、展開速すぎるだろ〜〜。しかも、読者置いてけぼり風味に明後日の方向に話が進んでいて、ええっと(^^;。いや、つまらなくはないのだけど、ストーリー展開の見せ方や読者への情報の提示の仕方は、かなりダメだと思うぞ。なにもこんなに慌てていろいろ詰め込まなくてもいいのにっ!! そして、2巻でここまで進めるなら、1巻でもっと伏線をはっとかないとダメだろっ!! 結局、設定や背景の説明に厚みがないので、展開やキャラの行動に説得力がないんだよなぁ〜。
しかし、キャラは、ほんと生き生きしてて素晴らしいですな。ていうか、今後、どう展開するんだ、コレ(^^;。
[ クジラのソラ ]
うわぁ〜、うわぁ〜、うわぁ〜〜。これでもかこれでもかと痛すぎる展開の数々。めちゃくちゃえげつないぃぃぃ〜〜(誉め言葉)。
巻頭カラーのあのイラストに加え、“本作品の演出上318〜319ページが黒く塗りつぶされております。印刷ミスではございませんのでご承知おきください”という文言から、もうもう、哀しい悲劇へ一直線なのは見え見えな上で、痛いシーンのオンパレード。それ以前に、本当はサクヤと両思いなのに恋人は来夏、という恋愛モノとしてこれ以上なく痛くどろどろな設定。とにかく痛い痛い、痛すぎるぅ〜。ここまで徹底して痛く切ないシーンを連ねるのは、マジ素晴らしすぎますっ!!
ただ、あの黒く塗りつぶされたページの演出は、断りまで入れたわりには、正直、いまいちだと思うんだけど、アレは、作者の人と編集の人のどっちの発案なんだろ? トリッキーなことは、もっと考えてやるべきだと思うぞ。
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[ 殺×愛 ]
久々に本当に読みたい小説を読んだ気分。きちんと科学的な根拠に基づいた、現実から地続きの近未来を描いた内容は、ロマンに溢れていてほんと素晴らしいなぁ。最高傑作級。表題作を含む全5篇の短編集でそれぞれ↓。
沈黙のフライバイ
SETIにより有意信号がキャッチされる。それは近傍の赤色矮星からの探査機が太陽系に向かっていることを示すものだった。……現実にある恒星間飛行のアイデアを元に、もし、近傍の惑星系から逆に太陽系に向かって探査機が送られてきたら? という内容。熱狂する地球とは裏腹に物言わず高速で駆け抜けていく探査機という対比、丁寧に描かれた恒星間飛行の説明が、いやぁ、素晴らしい。去った後のオチも非常にGood。ほんとに素晴らしいわぁ〜。
轍の先にあるもの
2001年に小惑星エロスへの難着陸に成功した NEARシューメーカー探査機。そのNEARシューメーカー探査機が撮影した最後の写真に残る轍はどのように形成されたのか? ……現実の写真の考察から、シームレスに未来へと続く様は秀逸。主人公が野尻抱介本人“私”なので、ちと苦笑してしまう部分もあるけれど、まあ、ありかな。
片道切符
反対派によるテロに怯えながら火星を目指すロケットが発射される。や、タイトル通りなのだけど、タイトルから受ける悲壮さは全くなく、むしろ宇宙船内でのセックス描写があったり、やんちゃな部分が目立ったり(^^;。
ゆりかごから墓場まで
C2G社の開発したC2Gスーツ。電力の供給さえあれば完全に閉鎖した生態系を持つそれは、やがて宇宙開発にも利用されるようになる。……やはり秀逸なのは、火星での一連の出来事。まあ、アレが書きたいがために、わざわざC2Gスーツという設定を創作したんだろうけど。ラストはほんとに綺麗でいいねぇ。
大風呂敷と蜘蛛の糸
北海道大学の女子大生・紗絵の思い付きは、やがて結実し大気圏外へ。女子大生の奇抜なアイデアを元に各団体の協力を得ながら、大学の一研究室程度の予算で宇宙を目指すという、非常に夢のある内容。ラストも綺麗で Good。
そいえば、解説で、松浦晋也氏がやたら「萌え」を強調してるんだけど、それがまったく「萌え」を理解してないことが丸わかりな内容で、その程度で「萌え」「萌え」書くのは、止めた方がいいと思う。
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