おもしろい、おもしろい。特に、キャラクターが生き生きしてて、非常に良いねぇ。そして、きちんと綺麗に収束させたラストも素晴らしい。……ただ残念なのは、キャラの年齢が低くて、好みじゃないんだよなー。
第11回スニーカー大賞《奨励賞》受賞作。食事の代わりに本を読むことで栄養を取る「時載り」と呼ばれる人外の少女・リンネと、その幼なじみの少年・久高の、夏休みのわくわく大冒険、という話。ヒロインの前向きでくったくのない少女・リンネが、非常に魅力的なキャラクターとなってます。リンネは、まあ、あくまで魅力的なキャラという感じで、萌え担当は妹の凪という話はありますが(^^;。……ただ、リンネと久高は小六で、あくまで、思春期未満、小学生の夏休みの冒険物語というのが基本ライン。その線では出来はいいのだけど、私がライトノベルに求めてるものじゃねぇ(^^;。
[ 時載りリンネ! ]
エッチだ(笑)。男女魂入れ替わりものなのだけど、きちんと思春期らしいリビドー全開に描かれてるのが素晴らしい。いや、TSモノって、入れ替わった後のHな好奇心の表現がぬるくなることが多いじゃないですか。この作品は、きちんとリビドー全開に手を抜いてなくて、さすが、ジョブナイルポルノ出身の作家として、面目躍如といったところかー。
そゆわけで、黒い性格のゆり絵は、捕らえた悪魔に、幼なじみの僚への恋を叶えるように強要する。しかし、悪魔はなにを勘違いしたのか、ゆり絵と僚の心と身体を入れ替えてしまったっ!! ……という感じの、基本的にはオーソドックスなラブコメ展開をエッチに味付けしました、という内容。いや、軽くエッチで明るいドタバタコメディとして、非常に楽しく仕上げてあります。スキンシップを中心とした(笑)キャラのやり取りが、ほんとスゲー面白いっ!! ただまあ、ラブコメの“ラブ”に関しては、心情描写が描ききれてないのと、間の使い方がいまいちな部分が多く、かなり微妙かとも思うけど。
あと、あとがきで、ライトノベルの出版社に持ち込んでもすげなく断られていた話や、ルルル文庫落選の経緯が書かれていて、そこも興味深い。ポルノ作家としての経歴は作家としての経歴として認められてなくて、「素人の持ち込みとして応対します」みたいに扱われつづけてきた、ということらしいのだけど、いつからライトノベルはそんなに偉くなったんだ? ライトノベル作家も、昔はふつーの編集部に持ち込むと、似たように素人として応対をされていた、という話だったと思ったんですけど(笑)。
それにしても、ルルル落選の件は、応募したのがルルルじゃなくガガガだったら、確実に大賞が取れたんじゃないかと思えるので、不憫で仕方ありません。
[ AKUMAで少女 ]
さすが、壁井ユカコは巧いなぁ。キャラクターの描写と地方都市を舞台にした雰囲気の醸成が、ほんと素晴らしい。……ただ、ラストが、パターンをなぞってるだけで仕掛けとしてはいまいちだったのが、残念無念。いっそ、終章はない方が良かったんじゃないかなー。
福井辺りの地方都市を舞台に、未だ格式に縛られる旧家に生まれた双子姉弟の禁断の恋、という話。なんといっても、病弱で精神的に幼い右布子の造形と描写が、ほんとに素晴らしい。そして、物語を支える、佐々家をはじめとする各種設定も、Good。古めかしい地方都市と禁断の愛と青春をミックスした、実に雰囲気のある作品に仕上げてあるのよ。いやぁ、壁井ユカコは、ほんと凄いなぁ。ただ、だからこそ、ラストの定型でしかないオチが残念無念なんだよなぁ。パターンなのはわかるんだけど、それならきちんと構成を組み立てて、もっと効果的に仕立てて欲しかったところ。や、「お約束だから、とりあえず、そうしてみた」という感じにしか読めなかったのよねん。
[ エンドロールまであと、 ]
びみょ〜〜。そもそも、この作品の“売り”ってなに? いや、1巻の良さを引き継いでるわけでなく、新しい魅力を出してるわけでなく、何というか、方向性も定まらずに、「とりあえず続けてみた」という印象しか持てませんでした。ストーリー展開も捻りもなにもなく、作者の人が、この2巻でなにがやりたかったか、さっぱりわからないんですがー。あと、保胤は、さすがにあそこまで人が良いとあまりに人間臭さがなくて、すごく薄っぺらいというか、うそ臭いようにしか思えません。ファンタジーらしからぬ平安の時代を扱ってるので、このうそ臭さはなおさら違和感を感じるんだよなー。
[ 陰陽ノ京 ]
ミスコンからキャンプファイヤーにかけてのラストの展開は素晴らしいなぁ。父娘の問題と友情をメインにした、熱く良質な青春ストーリーに仕上がっていて、ほんと非常に出来が良いです。……ただ、今回は、父娘の話が中心だったので、個人的には、ちとがっかり。いや、私は、もっとラブコメが読みたいんだよっ!!
夏休みもあけ文化祭の準備に盛り上がるクラス。一方、大河の父親が現れ父娘の関係を修復しようと……、というわけで、前巻で微妙に変わった実乃梨と竜児の関係を軸に、本格的なラブストーリーに移行するのか?と期待してたら、いきなりの父娘ネタで、がびん。や、文化祭のバカ騒ぎは非常に楽しいし、父との確執、そして友情という計算された構成も、青春ストーリーとして非常に出来がいいんだけど、やっぱり、もっとラブ中心にして欲しかったです。まあ、キャンプファイヤーの場面は、非常に素晴らしいんだけどさぁ。あと、アレだけ仕込んでいたので、父の裏切りはもっと手酷く来るかと思ったら、予想に比べ大人しかったので、そこも肩透かしで期待ハズレだったりも。
[ とらドラ! ]
最終巻らしい最終巻。いやぁ、非常に面白かったです。「恋って、なに?」という、ラストらしいテーマがいい感じの雰囲気を生み出し、そしてラスボスとの対決に向けた展開が、盛り上がる盛り上がる。第一巻からの護を中心とする各キャラクターの成長と想いを感じさせる内容で、ほんとに良い最終巻でした。……ただ、「正しいのはどっちだ?」的な部分は、そもそも、理屈として成立してないのが気になって仕方なかったんだけど、まあ、そこはご愛嬌かなぁ。
[ 護くんに女神の祝福を! ]
ダメ。ミステリとしても、キャラクター小説としても出来がいいとは思えないし、なにより、JDCトリビュートを名乗ってるにもかかわらず、ぜんぜんはっちゃけてなくて、かなりガッカリな内容でした。
そゆわけで、清涼院流水のJDCシリーズを元ネタにした二次創作の第二弾。「髑髏畑百足の最後の作品を頂戴する」との予告状があり、百足の娘である一葉は、失踪した父がかつて住んでいた裏腹亭を訪れる……、という感じの、ミステリ小説。「読者への挑戦状」があったり、一応、ロジック的に納得できる真相なのだけど、逆に、想定内で驚きがなくて、すげーこじんまりしちゃってるのんな。JDCトリビュートを冠してこれはありえないだろ。さらに、謎解き優先なので、キャラも面白みがなく、こんな西尾維新は価値がねぇーーーっっっ!! ……ダメダメ。
いまいち。その場、その場のドタバタは面白いんだけど、ストーリーの流れがあっちに行ったりこっちに行ったりと、軸がぶれてて明らかに失敗してる予感。なんでこうしたのか、作者の人のやりたいことは想像つくんだけど、単純に下手だよなぁ。<ハセガワケイスケは感性の人なんで、計算したストーリー構成が苦手なのはわかるんだけど
学園祭と部活紹介を兼ねた「五月祭」に絡めて、「薔薇の団」の一人、千尋の攻略というか、千尋が心を開くという話。……続刊では、各巻ごとに、一人ずつキャラ攻略していくような展開なのかしらん(笑)。
まあ、学園ドタバタコメディとしては面白いんだけど、やはり、話の流れが悪いのがなぁ。いや、展開的にどんでんが欲しかったんだろうけど、結局、「五月祭」の位置付けが中に浮いちゃってるのは、どうかと。あとは、千尋が心を開く過程も、雰囲気で強引にみせてはいるけど、きちんと納得させるエピソードとして成立できてないよね。ていうか、ハセガワケイスケは、連作短編のような、もっと短い話じゃないと、上手く話が組み立てられないんじゃないかという気がひしひしと。各シーンは面白いだけに、もったいないよなー。
[ みずたまぱにっく。 ]
超弦理論っ!! 膜宇宙っ!! いきなりそんな用語が出てきたので、まじめにSFをやるのかと思ってすげー期待したのだけど、基本的には単にパラレルワールドの枕詞的に使用してるだけみたいなので、がっくり。重力絡みの設定を中心に、ある程度、超弦理論を下敷きにしてるのはわかるんだけど、肝心な部分は全く理屈になってないんだもんなぁ。いや、これから謎が明らかになるにつれて、きちんと説得力のある理論構築をしてくれると最高なんだけどなぁ。
そゆわけで、智春一行は、バイトで海辺のペンションへ。智春と奏をくっつけようとする策略が大々的に進行する中、操緒はどうする?という内容。相変わらず、低年齢向けのドタバタラブコメといった味付けなのだけど、好み的には、もうちょっと深刻でシリアスな演出にして欲しい。いや、展開だけは、だんだんとシリアスになっては来てるんだけど、なおさら、作風との乖離が大きくなってきていて、にんとも。少しずつ明らかになりつつある世界の謎をはじめとして、楽しみにしてる部分もあるのだけど、正直、ほとんど惰性で買ってるわけで、もうそろそろ終わらないかしらん(^^;。
[ アスラクライン ]
第1話の「加地くんちと山田さんち」がめちゃくちゃ素晴らしい。加地くんと華乃子の初恋未満の淡く微妙想いの描写がなんといっても素晴らしいし、そして、母子、父娘の関係の見せ方もやっぱり素晴らしい。マジに素晴らしい、素晴らしすぎますっ!!
そゆわけで、通称「鳥籠荘」の変わった住人達を描いた連作短編の第三段。壁井ユカコは相変わらず巧くセンスも素晴らしいのだけど、今回は、やっぱり第1話がダントツに素晴らしかったなぁ。ビバっ、華乃子っ!! ……ただ、第3話の「アッサム・メレンをミルクティで」は、出来が酷い上にページ数も多く、ちょっとどうかと思うんですが。やりたかったのは、あくまでラスト数ページだと思うのだけど、そのために、だらだらと習作といったレベルの内容のない話でページを埋めるだけというのは、全く見るべきところがないよ。せめて、もうちょっとミステリ風に凝るなり、人物描写に凝るなりして欲しかったなぁ。
[ 鳥籠荘の今日も眠たい住人たち ]
シンジ恵が、いい感じで“漢”してるなぁん。二人の女の子に時にはエッチに振り回されつつ、気弱なりに芯のあるところをみせる少年。きちんと各キャラの気持ちの変化も描いていて、いやぁ、非常に良質の恋愛モノだわぁ。そして、ラブコメなだけでなく、ストーリーも盛り上がる盛り上がる。細かな『エヴァ』ネタや、歴史のifの小ネタの扱い方も楽しくて、ほんと、めちゃおもしろいっ!!
そゆわけで、魔界からやってきた「闇の王子」こと、カヲル光、登場。圧倒的な力を持つにもかかわらず、正体を隠して恵に近づく光の目的とは?といった内容。とにもかくにも、アスカエリカ大活躍っ!! ツンデレ万歳っ!! いやぁ、まさに見本のようなツンデレぶりが、非常に素晴らしいです。ツンデレらしく、美味しいところはレイアナに持っていかれてしまうところなんざ、涙なしには読めません(笑)。ほんと良質なラブコメで、めちゃくちゃ面白い。
ただ、伏線かと思ったらスルーしまくりだったりと、とにかく無駄が多い構成は、さすがに酷いと思うぞ。まあ、ストーリー自体は、めちゃくちゃ面白いからいいんだけど。……とにかく、次巻もエリカが楽しみですっ!!
[ 福音の少年 ]
前巻から確か 8年ぶりの新刊。昔のドラマガ掲載分三編+書き下ろし一編の短編集なのだけど、ドラマガ連載分のネタの古さが時代を感じさせるなぁ。や、加護、辻なんて、いったい(笑)。……前巻『ロケットガール3 私と月につきあって』は、全てのライトノベルの中でも確実に 5本の指に入る屈指の名作だと思ってるのだけど、今回は短編集ということもあって、相変わらず面白いものの、小粒で物足りないと言った印象でした。
そゆわけで、厚さ2ミリで身体にフィットする恥ずかしい宇宙服+宇宙飛行士は体重が軽い方が良いという名目でそれを女子高生に着せてみました、という着想の、野尻抱介らしくきちんと地に足のついたハードSF指向の作品。ドラマガ掲載分は小ネタなんで置くとして(^^;、表題作の中編「魔法使いとランデヴー」は、JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」を元ネタに、ゆかりたちが、小惑星探査機を助けにいくという内容。野尻抱介らしくきちんと科学的に説得力のある近未来SFをベースに、ライトノベルらしくマツリの謎と友情物語に仕立ててあって、Good、Good。ただ、中編なので、やっぱり、小粒な印象は否めないかなぁ。久しぶりなんだから、もっとページ数を割いてある読み応えのある内容が読みたかったなり。
[ ロケットガール ]
あまりに無計画なシリーズ構成にクラクラします。ストーリー的には明らかに破綻してる予感。ここまで酷いと、続きも期待できないかなぁ。……続刊はパスの方向で。
消えたリュカに想いをはせるジネットとアリス。一方、世界は、戦争へと動きはじめる……。という感じで、ジネットとアリスのやり取りは二次創作的な面白さがあって良かったけれど、こー、いくらキャラが美味しくたって、ここまで構成が酷いとダメだろ。単巻としてみても酷いんだけど、特に、シリーズ全体でみると、この 3巻の内容って、行き当たりばったりな無計画な内容としか思えないんですけど。ていうか、はじめからシリーズ化前提で、なんでここまでグダグダなんだ? あまりに酷いと思うんですが。
[ 銀月のソルトレージュ ]
出来の悪い学生のレポートみたいな内容だなぁ。いろいろな参考文献をあたって調べてはいるのだけど、なんだか微妙にポイントがズレてる感じが強く、作者の主張も不明瞭。そこら辺の論点の不明瞭さに関しては、あとがきに「インターネットの世界だけでなく、欲張って日常世界まで含めた結果、不明瞭に」という趣旨の言い訳が書いてあって、確かに、インターネット以外の話まで枠を広げたのは明らかな失敗だと思うけど、それだけが不明瞭になった理由というわけでもないだろう。
そゆわけで、Amazon、Google、Youtube、ブログ、SNS辺りを起点に、人や情報などの「リンク」の重要性を説く、というのが趣旨なんだと思うのだけど、そもそも、ぜんぜんそう書けてない(^^;。えっと、似たようなネタは、ネット上でも良く見かけるので、「多分、そういうことが言いたいんだろうなー」と想像はできるのだけど、想像するにしても、読者側でかなり補完してあげなきゃいけないのよね。補完できなきゃ意味不明だし、補完できる程度に知ってたら読む価値がねー(笑)。さすがにこれは酷いと思うのだけど、もうちょっと、なんとかならなかったのかねー。
まあ、個人的には、タイトルから、SEOやアフィリエイト辺りの話を期待してたらぜんぜん違ったので、そこでガックリした、というのが強かったりするのだけど(汗;。
[ リンク格差社会 ]
だははははっ。今回は番外編的な短編集になってるのだけど、素晴らしいっ、素晴らしいラブコメです。エロ分も多いしなっ!!
そゆわけで、学院にやってきたティファニア。その革命的な胸のため、学院は大騒動にっ!! そして、ルイズと才人は、相変わらず、誤解しすれ違っていた。という感じで、正直、中身らしい中身はないのだけど、めちゃくちゃ面白いっ!! いやぁ、ティファニアの胸は、ほんとに便利な小道具になってるよなー。ほんと、各短編とも面白かったのだけど、なかでも面白かったのは、シエスタが裸エプロンで頑張る、第3話「サイトの一日使用権」かな。
[ ゼロの使い魔 ]
めちゃくちゃおもしれーーーーーーーっっっ!! 主観バリバリで偏りまくり、とにかく好き放題書かれてるんだけど、だからこそ情熱に溢れていて、おもしろいおもしろい。オタク第一世代(もうちょっと上?)の作者が、自分の信じるオタクのあり様について大いに語る、という内容。一応、恐竜の話なんだけど、たぶん、ガンダムや SF、ミステリ辺りに置き換えても、違和感は感じないと思う。
そゆわけで、濃い恐竜オタクを自認する作者が、ブームの度に現れる多量のミーハーなファンの存在を嘆き、「本当のオタクは、萌えないものだ」「最低限、英語の論文を読みまくってない奴はオタクとして認めない」と嘯き、さらには、「著名なプロにもバカがいる」と言い切った上で、商業誌やイベントの酷さを訴え、学会の主流の考え方をも貶しまくる、といったもの。いやぁ、ある種のステレオタイプ的なオタクを地で行ってるのだけど、ここまでハッキリした物言いだと、むしろ清清しい。作者の人は、もともとSF畑出身のオタク文化にも造詣のある人なので、一応、恐竜の話なんだけど、オタク全般の話としても、全く違和感を感じないのよな。ここまで尖がってると、ほんと面白いなぁ。
細かな記述に関して言えば、笑えるのは、古脊椎動物学会に関する記述で、イラストやフィギュアの展示販売、さらには、コスプレまで存在するって、作者の人もコミケやワンフェスとの類似性を強調してるのだけど、本当だったら、マジ面白い。どういう学会だよっ。あと、あの学者はアニメ好きで、あの学者はゴジラが大好きみたいに、恐竜文化は日本のオタク文化に影響されまくりな論調になってるんだけど、どこまで本気なんだろう(笑)。そして、オタク関係の話にも触れられていて、まさか恐竜の本で、「「萌え」の語源は、『恐竜惑星』にヒロインとされているが、岡田斗司夫の勘違いであり誤り」みたいな話が載ってるとは(作者の人は『恐竜惑星』の設定も担当)、マジに面白かったぁ。
[ 知られざる日本の恐竜文化 ]
挿絵はなかなかエロくていいねぇ。……でも、肝心の話は、微妙。なんというか、キャラも設定も、作り込みが甘い感じなんだよなぁん。特に、設定は、ちとツッコミどころが多いだろ〜。B級なノリを狙ってる部分もあるんだろうけど、もうちょっと整理できなかったのかなぁ。まあ、今回は物語の導入に過ぎないので、今後に期待ではあるのだけど。
そゆわけで、理事長に弱みを握られたヒロは、理事長の犬として蔑まされながら学園生活を営む日々。勝気でツンデレ系な人外の美少女と幼なじみをヒロインとして、敵側にも勝気なお嬢様を配し、ヒロの明日はどっちだ!? という話? 学園設定はあまりにチープで酷い感じなので、もうちょっとキャラをメインにドラマを盛り立てて欲しいな。現時点では、正直、『銀盤カレイドスコープ』に比べるとかなりがっくり、素直に『ブルー・ハイドレード』の続きを書いてくれたほうが数段マシ、というレベルだと思うので、マジにもうちょっと頑張って欲しいところだよなぁ。
[ 薔薇色にチェリースカ ]
もったいねぇ〜〜。いや、これはこれで凄くいい話なんだけど、きちんと泣けるように最適化されてないのよ(T-T)。こんなベタなネタだったら、もっとあざとく泣ける話にしたてないとダメだと思うんですけどぉ〜〜。
不慮の事故で死んだ少女。保胤の甥にあたる光榮は、不憫に思った彼女に、一夏だけの仮初めの命を与える……。という風に、「これに泣かずに、何に泣くっ!!」って感じのストーリーなんだけど、演出といい展開といい、必ずしも泣けるようには作られてないんだよなぁ。いや、これはこれで いい話ではあるんだけど、保胤と時継のやり取りも微笑ましいんだけどっ、こういうネタだったら、めちゃくちゃ号泣するような話を期待するだろっ!! 好みの問題ではあるんだけど、期待と異なる内容で、あうう、残念無念。
[ 陰陽ノ京 ]
うわぁ、ごろごろごろ〜〜。琴吹さんが可愛すぎる〜〜〜。待ち合わせといい、手を繋ぐシーンといい、着メロといい、うきゅぅ〜、うきゅきゅぅぅ〜〜、はうはうはう〜〜〜。と、ついに、美羽参戦。うわぁ〜、予想通り、陰鬱な展開、そして、心葉はダメダメだ(笑)。あうう、琴吹さんが可哀相すぎる(T-T)。がふっ、ギャ―ーーーーッス、ギャ―ーーーーッス、ギャ―ーーーーッス。って、そういうことかいっ!! ……ラストは、綺麗だけれど、予想よりも呆気なく終了。そして、次回はどうなるっ、そろそろ最終話ですかっ!!
という感じで、いやぁ、素晴らしい、素晴らしい、素晴らしすぎるっ!! 最高傑作っ!! とにかく、ななせの可愛さは凶悪っ!! 萌え転がりまくりっ!! そしてやっぱり、読みやすい文章と、きちんと計算された構成が素晴らしい。各シーンがきちんと意味を持ちリンクしいて、ほんとに巧いなぁ。そして、意味ありげな最終ページが、もうもうもう、すげぇぇーーーーっ!! ……それにしても、シリーズも、いよいよラストスパートというように見えるのだけど、最後は、やっぱり、遠子先輩の卒業合わせなのかなぁ。
[ “文学少女”シリーズ ]