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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2010年2月に読んだ本



アスキー・メディアワークス 電撃文庫
俺の妹がこんなに可愛いわけがない(5) /伏見つかさ

“なんだよ、いい娘じゃんか。眼鏡もかけてるしな。”
……おいおい(^^;。

桐乃が留学に伴い退場し、黒猫メインの学園編。そして、新キャラの眼鏡っ娘、瀬菜登場。これで、なんで表紙イラストが黒猫じゃないんだ? ……と、腐女子ネタが愉快愉快。そして、綺麗に纏まった青春物語に仕立ててあって、ぐっど。いやぁ、ツンデレ黒猫の言動が可愛いねぇ〜。まあただ、萌え的な描かれ方じゃないんで、攻撃力は弱めだけど(^^;。それにしても、このまま、黒猫メインで進むのかと思ったら、もう戻ってくんのかよっ!!

[ 俺の妹がこんなに可愛いわけがない ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
らぶちゅー! ―ボクが女教師!?― /風見周

酷い酷すぎるっ!!(爆笑)。なんと変態的でおバカすぎる設定だっ!!

女の子にしか見えない可愛い容姿の新米教師・船生遥は、名門お嬢様学校・愛ヶ崎女学園で、男を知るためのモルモットにされてしまう……。という感じのエロコメなのだけど、プレーリードッグってなんだよっ!! いやぁ、非常に頭の悪い(褒め言葉)設定で、素晴らしい素晴らしい。……と、その酷い設定がめちゃ強烈で、それだけでお腹いっぱいという話はあるのだけど、ストーリーの方は軽くくだらないだけなので、正直、途中で飽きた。<をい。ほんとアイデアは素晴らしいのだけど、そのインパクトだけで1冊続けるにはちょっとツライと思う。ていうか、さらに続くのこれ?

[ らぶちゅー! ]


小学館 ガガガ文庫
人類は衰退しました(5) /田中ロミオ

うわぁ、いままでのほのぼのとした雰囲気とは違い、鬱々した内容。いや、ラストはきちんと綺麗な纏まってるんだけど、私が『人類は衰退しました』に求めているのは、これじゃねぇ〜〜。

今回は、“わたし”の子供時代を描いた「妖精さんの、ひみつのおちゃかい」と、セカイがゲーム化する「妖精さんの、いちにちいちじかん」の二本を収録。「妖精さんの、ひみつのおちゃかい」は、今の“わたし”からは想像のつかない暗い子供時代に鬱々。物語としては綺麗なんだけど、正直、好みじゃないなぁ。「妖精さんの、いちにちいちじかん」は、ネタとしては面白いんだけど、一発ネタとしては、ちと長くね(^^;。倉庫番辺りまではすごく面白かったのだけど、中盤以降はダレ気味だと思う。ただ、オチは素晴らしい。

[ 人類は衰退しました ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー5 北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円 /アサウラ

もともと半額弁当争奪戦というネタ系の作品にもかかわらず、うわぁ、恋愛増量で、とても綺麗な青春物語になってるぅ〜。それにしても、佐藤はリア充すぎるなぁ。

今までも名前だけはなにかと出てきた、みんなのアイドル広部さんが登場。自分を失いかけた広部さんは、昔と変わらぬ佐藤と再会し……。と、今までも、佐藤の著莪や槍水との関係は絶妙のバランスで描かれてたけれど、ここに来て、正面から恋愛と青春の悩みがテーマに。今回の中心は広部さんなんだけど、やっぱ、著莪の立ち位置がいいなぁ。惚れる。佐藤の選択も素晴らしい。……ただ、個人的には、もちっとギャグを前面に出してくれたほうが好みだなぁん。てか、白粉の出番が少なすぎるだろっ!!

[ ベン・トー ]


メディアファクトリー MF文庫J
ゼロの使い魔18 滅亡の精霊石 /ヤマグチノボル

ここまで才人とルイズの関係が固まってしまうと、いい加減終わらせたほうがいいんじゃね? と思わなくもないのだけど、なるほど、物語もいよいよ大詰めなのね。タバサの参加は悪くはないけど、やっぱり、二人の関係が固まってしまうと、ラブコメとしては、面白みに欠けるのは否めないかなー。……ここ最近のイベントの消化スピードは異様に速いと思うのだけど、何はともあれ、物語は、いよいよエルフ編へ。クライマックスを予感させる展開に、今後が非常に楽しみです。

[ ゼロの使い魔 ]


メディアファクトリー MF文庫J
かのこん14 〜どきどき☆らぶれっすん〜 /西野かつみ

なんだってーーーーーっっっ!! いや、エロコメといっても、さすがに子供まで生まれてコンプリートしてしまうと、作者の人も何を書けばいいのかわからなくなって、思いっきり迷走してるんだなーと、途中まではそう思って読んでたんだけど、どうしてどうして、いきなりの展開にビックリ。うわぁ、そうきたかぁ〜。……でも、今更そちらのネタに進むなら、素直に11巻で終わっても良かった気が(^^;。<どちらにしろ、ここ数巻は、作者の迷走ぶりがありありと伝わってくるんだけど

[ かのこん ]


メディアファクトリー MF文庫J
剣の女王と烙印の仔IV /杉井光

やぱし、ファンタジーな内容と杉井光の作風があってない気がするなー。せめて、ぐだぐだ悩む二人を中心に描いてればいいのに、群像劇的にキャラも増やしいろいろ手をだしすぎてるせいで、単に散漫になってるだけという印象。特に今回は、今後への仕込みが中心のためか見せ場も弱く、特筆すべきところはなにもなし。ちょっとこのままだと、続きを買うかそろそろ迷うところだなぁん。

[ 剣の女王と烙印の仔 ]


メディアファクトリー MF文庫J
あそびにいくヨ! 13 おかーしゃんにあいましか? /神野オキナ

『あそびにいくヨ!』といえば、基本、まったりとしてて、あまり情動を刺激してくることはないのだけど、本巻は、いきなり感動的で切ない話になっていて、うぅぅ(T-T)。泣ける泣ける。アオイの妹を名乗るサヲリ登場で、今明かされる母の想いと家族の絆。いやぁ、特に、墓参りのシーンで涙腺崩壊。素晴らしいっ!! ……本筋の地球とキャーティアとの交流のほうは、順調すぎてどうよ?という気も。や、オルソニア絡みの伏線は気になるところだけど。

[ あそびにいくヨ! ]


ソフトバンククリエイティブ ソフトバンク新書
セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史 /前島賢

「萌え」を扱うのに、『美少女戦士セーラームーン』にも『ときめきメモリアル』にも言及がないとは片腹痛いわっ!! いや、あくまで『エヴァ』以降のオタク史を語ったものなので、『エヴァ』以前の作品に言及が及ばないのは当然かもしれないけど、ただ、そうは言っても、そのポスト・エヴァの中で「萌え」を重要な要素と位置づけておきながら、「萌え」についてはほとんど語らずに論を進めるのは、ちょっと不完全すぎるんじゃね? 本書には、やたら「萌え」という言葉は出てくるのだけど、その言葉の意味は非常に薄い。

まあ、本論である「ポスト・エヴァのオタク史」という点については、今までのオタク論壇な人の論考を丁寧に纏めたような内容になっていて、なかなか面白い。さらに、ライトノベル読みとしては、やたら細かな作品まで言及されてて楽しい楽しい。……って、むしろマイナーな作品ばかり挙げていて、それを論拠に一般化するのは胡散臭さ大爆発だけど(^^;。まあ、セカイ系という言葉に代表されるように、オタク史というより、むしろ、オタク論壇史という感じだよなぁ。

それにしても、前島賢というより、東浩紀の論説なんだろうけど、結局、『エヴァ』の登場による変化とセカイ系の登場を、受容態度の変化という観念的な話に帰結しているそれは、社会学者の視点としては正しいのかもしれないけれど、リアルに作品に触れていたオタクの視点としては、当時の『エヴァ』以外の作品の動向もきちんと踏まえた論となっているか、ちょっと微妙だよねぇ。

いや、本書でも、『エヴァ』だけではなく、『ブギーポップ』や『雫』の重要性についても触れられてはいるんだけど、ただ、『エヴァ』『ブギーポップ』『雫』に至る系譜や個々の作品の関係性についてはほとんど触れられず、そして、そこからまた唐突に『最終兵器彼女』『ほしのこえ』『イリヤ』に跳んでしまう。それぞれの作品が互いにどう影響しあい、その後にどのようなムーブメントを生み出していったかという作品視点の考察は、なくはないけど非常に希薄。なるほど、オタク論壇の流れについては非常に丁寧に纏められてはいるのだけど、オタク史全体を俯瞰しているかというと、どうしても断片的な傾向が強いといわざるを得ず、そして、なにより残念なのは、全体像を俯瞰せずにオタク論壇の議論を中心に纏められたそれは、その議論そのものを、むちゃ胡散臭く見せてしまってるんだよなぁ。

[ セカイ系とは何か ]


エンターブレイン ファミ通文庫
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc4 /田尾典丈

これはさすがに酷い。いや、なんというか、無理矢理シリーズを続けた結果、すでに支離滅裂になってるようにしか思えないのだけど、この状態で、どこまで行くんだ? やめられないほど売れてるの?

ギャルゲの世界が本当になったら?というシリーズ4冊目。ヒロイン全員を幸せにすることを決意する武紀だが、システムエラーで理想の世界に危機が……。という感じで、う〜ん、物語に波乱を起こすにしても、そろそろムリムリだよなぁ。高橋さんの見せ場はそこそこ良かったけれど、それ以外は、全く良いとこなし。や、ギャルゲ融合な設定や、そしてなにより、武紀の行動に、さすがにそろそろついていけなく行けなくなりつつあるんだけど、もう続きはパスかなぁ。

[ ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! ]


角川書店 スニーカー文庫
円環少女 (11)新世界の門 /長谷敏司

すげえぇぇぇ、凄すぎるっっっ!! きずなと再演大系魔法を巡る、とことん苛酷な状況と濃密な描写。そして、国際情勢すらも巻き込む、想像を超えるスケールの大きさっ!! いやぁ、まさに圧巻、素晴らしすぎるっ!!

太平洋上に浮上したアトランチスにより、激震に襲われる国際情勢。アメリカ政府の後ろ盾の元、大規模戦力を展開する神聖騎士団とアトランチスを利用して人類の殲滅を狙う《九位》は、仁と きずな を さらなる絶望へと誘う……。という感じで、めちゃくちゃ、すげぇぇぇっ!! いやもう、とにかく、きずなに対する追い込みがハンパねぇ。まあ、あそこまで弱いと、きずなに対しては同情の余地がないと思ったりもするけど(^^;。むしろ、エレオノールの活躍が十全に描かれなかったのが残念なぐらいだ。……きずなへの追い込みの一方で展開される核を巡る争いもすげぇ。てか、《九位》が思った以上にアレなんだけど(^^;、この展開、どうなるんだ一体っ!!

[ 円環少女 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
アクセル・ワールド4 ―蒼空への飛翔― /川原礫

いやぁ、前巻の容赦ない引きから待つこと4ヶ月。お約束とも言える王道的なストーリー展開で、おもしろいおもしろい。そして、戦い終了後の黒雪姫の反応が絶妙のイラストと相まって、もう可愛すぎてさいこーーーっ!!

チユリの裏切りによって振り出しに戻る能美との戦い。ハルユキとタクムは、再び立ち向かうことが出来るか……。という感じで、読み始めたら最後まで一気に読了。王道展開で、一気に読ませる物語の牽引力はさすがとしか言えない。まあ、チユリの裏切りの理由は、ストーリーを盛り上げるための装置という意図が優先という風に思えて、正直、いまいち腑に落ちないのだけど、それはそれか。……それにしても、マジ、黒雪姫は可愛すぎる。あのイラストは反則すぎっ!! いやぁ、素晴らしい素晴らしい。

[ アクセル・ワールド ]


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